JP2000291549A - 圧縮機 - Google Patents

圧縮機

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JP2000291549A
JP2000291549A JP11098579A JP9857999A JP2000291549A JP 2000291549 A JP2000291549 A JP 2000291549A JP 11098579 A JP11098579 A JP 11098579A JP 9857999 A JP9857999 A JP 9857999A JP 2000291549 A JP2000291549 A JP 2000291549A
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Japan
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thrust washer
bearing
compressor
film
aluminum
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JP11098579A
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Satoshi Hiratsuka
聡 平塚
Takanori Ishida
貴規 石田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Refrigeration Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧縮機において、軸受け部の異常摩耗の発生
防止を目的とする。 【解決手段】 アルミニウム合金製の軸受け9の上端部
21とスラストワッシャ30からなる軸受け部では、平
行平板の軸受け部であるために、スクイーズ膜作用によ
る潤滑油による流体被膜が形成されにくく、摺動面の一
部で金属接触が発生する。このとき、スラストワッシャ
30の鋼製の母材32の表面に形成された非凝着性被膜
31と、上端面21の金属接触部が摺動することで、ア
ッパーベアリング9を形成するアルミニウムがスラスト
ワッシャ30に凝着することを防止する。この結果、摩
耗起点の発生が無いため、軸受け部における異常摩耗の
発生を抑制することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷蔵庫の冷媒圧縮
機等の圧縮機の軸受け部の耐久性向上に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、圧縮機の摺動部の耐久性を向上す
る手段として、一方の摺動部材にアルミニウム材料を主
体として表面にアルマイト処理をし、他方の摺動部材に
炭素鋼等の金属材料を用いる方法が、特開平7−293
468号公報等に開示されている。
【0003】図5は、従来のレシプロ圧縮機の一例の断
面図である。
【0004】図5において、1は圧縮機であり、2はシ
ャフト、3はロータ、4はステータであり、ロータ3と
ステータ4は一対となって電動モータを形成している。
シャフト2はロータ3に圧入されている。また5はコン
ロッド、6はシリンダー、7はピストン、8はピストン
ピン、9はアルミニウム合金製の軸受けである。シャフ
ト2の偏心部に取り付けられたコンロッド5及びコンロ
ッド5の他端に取り付けられかつピストン7に固定され
たピストンピン8によってピストン7への運動伝達機構
が形成される。そして、ピストン7とシリンダー6によ
って圧縮機構が形成される。10は給油管であり、シャ
フト2下部に取り付けられている。11は冷凍機油であ
り、圧縮機1の本体内部に滞留している。
【0005】軸受け9の上面は上端面21になってい
る。ロータ3と上端面21の間にはスラストワッシャ2
2が挿入されロータ3に固定されている。スラストワッ
シャ22は鋼製薄板を打ち抜いた平板形状をなしてい
る。このスラストワッシャ22をロータ3と軸受け9の
上端面21の間に挿入することにより、ロータ3と軸受
け9の上端面21の直接摺動によるロータ3の摩耗を防
止している。
【0006】ここで、図6に従来のスラストワッシャの
用部拡大斜視図を、図7に従来のスラストワッシャの断
面図を示す。スラストワッシャ22は単一構造となって
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年圧
縮機1に用いられている冷凍機油11の粘度は圧縮機1
の効率向上のため低粘度化の傾向にあり、かつ低速で運
転される傾向にある。そのため、スラストワッシャ22
と上端面21の間のスラスト軸受け部において、スクイ
ーズ効果による油膜形成が困難となり、金属接触が発生
する可能性がある。上記従来の構成では、比較的融点が
低いアルミニウム合金製の軸受け9の上端面21と、ス
ラストワッシャ22のスラスト軸受け部において金属接
触が発生した場合、摺動発熱により金属接触部の近傍温
度が上昇し、アルミニウム材が溶融し、スラストワッシ
ャ表面に凝着する。その結果、摩耗起点が形成され、ス
ラスト軸受け部での摺動状態がアルミニウム同士の厳し
い凝着摩耗に発展し、異常摩耗が発生する可能性があっ
た。
【0008】本発明は、このようなスラスト軸受け部の
凝着摩耗の発生を抑制防止し、高信頼性の圧縮機を提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の圧縮機は、スラ
ストワッシャの表面に、アルミニウム材に対して非凝着
性を示す被膜を形成したものである。
【0010】この発明によれば、スラストワッシャへの
アルミニウムの凝着を抑制防止する。その結果、スラス
ト軸受け部における異常摩耗の起点が形成されず、異常
摩耗の発生を抑制防止することが可能となる。
【0011】本発明の請求項1に記載の発明は、アルミ
ニウム合金製の軸受けの上端面とシャフトのフランジ面
の間に、表面に非凝着性被膜を形成させた鋼製のスラス
トワッシャを設けた圧縮機であり、これによってスラス
ト軸受け部において、冷凍機油による油膜形成が困難な
条件においても、スラストワッシャへのアルミニウムの
凝着を防止する。その結果、異常摩耗の原因となる摩耗
起点が形成されず、異常摩耗の発生を抑制することが可
能である。
【0012】本発明の請求項2に記載の発明は、アルミ
ニウム合金製の軸受けの上端面とシャフトのフランジ面
の間に、表面にTiAlNセラミック膜からなる非凝着
性被膜を形成させた鋼製のスラストワッシャを設けた請
求項1記載の圧縮機であり、これによってスラスト軸受
け部において、冷凍機油による油膜形成が困難な条件に
おいても、スラストワッシャへのアルミニウムの凝着を
防止する。その結果、異常摩耗の原因となる摩耗起点が
形成されず、異常摩耗の発生を抑制することが可能であ
る。
【0013】本発明の請求項3に記載の発明は、アルミ
ニウム合金製の軸受けの上端面とシャフトのフランジ面
の間に、表面にダイヤモンドライクカーボン膜からなる
非凝着性被膜を形成させた鋼製のスラストワッシャを設
けた請求項1記載の圧縮機であり、これによってスラス
ト軸受け部において、冷凍機油による油膜形成が困難な
条件においても、スラストワッシャへのアルミニウムの
凝着を防止する。その結果、異常摩耗の原因となる摩耗
起点が形成されず、異常摩耗の発生を抑制することが可
能である。
【0014】さらに、運転時の静摩擦係数を0.2以下
に保つことができ、起動時の摺動損失を低減し、更なる
省エネを図ることが可能である。
【0015】本発明の請求項4に記載の発明は、アルミ
ニウム合金製の軸受けの上端面とシャフトのフランジ面
の間に、表面に二硫化モリブデン膜からなる非凝着性被
膜を形成させた鋼製のスラストワッシャを設けた請求項
1記載の圧縮機であり、これによってスラスト軸受け部
において、冷凍機油による油膜形成が困難な条件におい
ても、スラストワッシャへのアルミニウムの凝着を防止
することにより、異常摩耗の原因となる摩耗起点が形成
されず、異常摩耗の発生を抑制することが可能である。
【0016】さらに、運転時の静摩擦係数を0.2程度
に保つことができ、起動時の摺動損失を低減させること
が可能である。
【0017】また、二硫化モリブデン膜自体の硬度はH
v500以下であり、母材硬度の低い比較的安価な材料
でも大きな硬度差がつかず、接触部の微視的変形による
被膜を剥離を防止することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下本発明の第1の実施例につい
て図面を参照しながら説明する。
【0019】(実施の形態1)図1に本発明の冷媒圧縮
機の断面図を示す。1は圧縮機であり、2はシャフト、
3はロータ、4はステータであり、ロータ3とステータ
4は一対となって電動モータを形成している。シャフト
2はロータ3に圧入されている。また5はコンロッド、
6はシリンダー、7はピストン、8はピストンピン、9
は軸受けである。シャフト2の偏心部に取り付けられた
コンロッド5及びコンロッド5の他端に取り付けられか
つピストン7に固定されたピストンピン8によってピス
トン7への運動伝達機構が形成される。そして、ピスト
ン7とシリンダー6によって圧縮機構が形成される。1
0は給油管であり、シャフト2下部に取り付けられてい
る。11は冷凍機油であり、圧縮機1の本体内部に滞留
している。
【0020】軸受け9の上面は上端面21となってお
り、ロータ3と軸受け9の間にはスラストワッシャ30
が挿入されロータ3に固定されている。このスラストワ
ッシャ30を用いることにより、ロータ3と上端面21
の直接摺動によるロータ3の摩耗を防止している。
【0021】図2に本発明の圧縮機の断面の拡大図を、
図3に本発明の圧縮機のスラストワッシャの用部拡大斜
視図を、図4に本発明の圧縮機のスラストワッシャの断
面図を示す。ここで、スラストワッシャ30は、鋼製の
母材32の表面に厚さ1μmの非凝着性被膜31を形成
させている。これにより、低速運転時や、冷凍機油11
の粘度が低いときなど、冷凍機油11による油膜形成が
困難な条件においても、スラストワッシャ30へのアル
ミニウムの凝着を防止する。その結果、異常摩耗の原因
となる摩耗起点が形成されず、異常摩耗の発生を抑制す
ることが可能である。
【0022】なお、ここでは厚さ1μmの非凝着性被膜
31を用いたが、厚さ0.1〜10μmの非凝着性被膜
31であれば同様の効果を得ることができる。
【0023】なお、ここでは非凝着性被膜31をスラス
トワッシャ30の母材32表面全体に形成したが、少な
くともスラストワッシャ30の母材32の摺動側表面に
形成すれば、同様の効果を得ることができる。
【0024】なお、ここでは圧縮機の一例として軸受け
9の上部に電動モータを、軸受け9の下部に圧縮機構を
設けた圧縮機を示したが、軸受け9の上部に圧縮機構
を、軸受け9の下部にモータを備えた圧縮機でも同じ効
果が期待できる。
【0025】なお、ここでは圧縮機の一例としてレシプ
ロ圧縮機を示したが、スラスト軸受け部を持つ他の種類
の圧縮機においても同じ効果が期待できる。
【0026】(実施の形態2)本実施の形態の圧縮機の
構成はスラストワッシャを除いて、実施の形態1と同様
であるので省略する。
【0027】ここで、スラストワッシャ30の母材32
は工具鋼SKD11であり、焼き入れ焼き戻し処理によ
り硬度HRC55に調整している。面粗度Ra0.05
μm以下に研磨後、その表面に、プラズマCVD法によ
り、厚さ1μmのTiAlNからなる非凝着性被膜31
を形成している。軸受け9はアルミニウムダイキャスト
ADC14であり、母材は共晶組織と初晶シリコンから
なる。スラストワッシャ30との摺動部である上端面2
1はホーニング加工,ポリッシング加工,ローラーバニ
ッシング加工等により、面粗度Ra0.5μm以下に仕
上げている。
【0028】ここで、TiAlNからなる非凝着性被膜
31は、アルミニウムダイキャストの金型等の溶損防止
に用いられる被膜であり、アルミニウム溶湯による溶損
や付着が他のセラミック被膜に比べて優れていること
が、「金属プレス1997年6月号P12〜16」等に
記載されている。
【0029】これにより、低速運転時や、冷凍機油11
の粘度が低いときなど、冷凍機油11による油膜形成が
困難な条件においても、スラストワッシャ30へのアル
ミニウムの凝着を防止する。その結果、異常摩耗の原因
となる摩耗起点が形成されず、異常摩耗の発生を抑制す
ることが可能である。
【0030】なお、ここでは厚さ1μmのTiAlNセ
ラミック膜31を用いたが、厚さ0.1〜10μmのT
iAlNセラミック膜31であれば同様の効果を得るこ
とができる。
【0031】なお、ここではTiAlNセラミック膜3
1をスラストワッシャ30の母材32表面全体に形成し
たが、少なくともスラストワッシャ30の母材32の摺
動側表面に形成すれば、同様の効果を得ることができ
る。
【0032】なお、ここでは軸受け9の材料としてアル
ミダイキャストADC14を用いたが、アルミ溶湯材A
C4B等のアルミニウム合金を用いても同様の効果を得
ることができる。
【0033】なお、ここでは圧縮機の一例として軸受け
9の上部に電動モータを、軸受け9の下部に圧縮機構を
設けた圧縮機を示したが、軸受け9の上部に圧縮機構
を、軸受け9の下部にモータを備えた圧縮機でも同じ効
果が期待できる。
【0034】なお、ここでは圧縮機の一例としてレシプ
ロ圧縮機を示したが、スラスト軸受け部を持つ他の種類
の圧縮機においても同じ効果が期待できる。
【0035】(実施の形態3)本実施の形態の圧縮機の
構成はスラストワッシャを除いて、実施の形態1と同様
であるので省略する。
【0036】ここで、スラストワッシャ30の母材32
は工具鋼SKD11であり、焼き入れ焼き戻し処理によ
り硬度HRC55に調整している。面粗度Ra0.05
μm以下に研磨後、その表面に、イオンプレーティング
法により、厚さ1μmのダイヤモンドライクカーボンか
らなる非凝着性被膜31を形成している。
【0037】ジャーナル軸受け9はアルミニウムダイキ
ャストADC14であり、母材は共晶組織と初晶シリコ
ンからなる。スラストワッシャ30との摺動部である上
端面21はホーニング加工,ポリッシング加工,ローラ
ーバニッシング加工等により、面粗度Ra0.5μm以
下に仕上げている。
【0038】ここで、ダイヤモンドライクカーボンから
なる非凝着性被膜31は、アルミ板切断刃等の凝着防止
に用いられる被膜であり、アルミニウムに対する摩擦係
数がセラミック被膜に比べて優れていることが、「ナノ
テック株式会社のDLCコーティング技術資料」等に記
載されている。また、ADC14に対する繰り返し10
00回の起動試験において、処理なし時に静摩擦係数が
数倍に増加するのに比較して、非凝着性被膜31はほと
んど変化せず0.2以下の静摩擦係数を保った。
【0039】これにより、低速運転時や、冷凍機油11
の粘度が低いときなど、冷凍機油11による油膜形成が
困難な条件においても、スラストワッシャ30へのアル
ミニウムの凝着を防止する。その結果、異常摩耗の原因
となる摩耗起点が形成されず、異常摩耗の発生を抑制す
ることが可能である。
【0040】また、運転時の静摩擦係数が、0.2以下
に保つことが可能であるため、起動時の摺動損失を低減
させることが可能となる。更に低速回転時においても低
摩擦係数であるため、更なる効率化を図ることが可能で
ある。
【0041】また、ダイヤモンドライクカーボン被膜3
1はセラミック被膜と比較をして高い平滑性を示すた
め、摺動部などにおいても、高い精度を保つことが可能
である。
【0042】なお、ここでは厚さ1μmのダイヤモンド
ライクカーボン膜31を用いたが、厚さ0.1〜10μ
mのダイヤモンドライクカーボン膜31であれば同様の
効果を得ることができる。
【0043】なお、ここでは軸受け9の材料としてアル
ミダイキャストADC14を用いたが、アルミ溶湯材A
C4B等のアルミニウム合金を用いても同様の効果を得
ることができる。
【0044】なお、ここではダイヤモンドライクカーボ
ン膜31をスラストワッシャ30の母材32表面全体に
形成したが、少なくともスラストワッシャ30の母材3
2の摺動側表面に形成すれば、同様の効果が得ることが
できる。
【0045】なお、ここでは圧縮機の一例として軸受け
9の上部に電動モータを、軸受け9の下部に圧縮機構を
設けた圧縮機を示したが、軸受け9の上部に圧縮機構
を、軸受け9の下部にモータを備えた圧縮機でも同じ効
果が期待できる。
【0046】なお、ここでは圧縮機の一例としてレシプ
ロ圧縮機を示したが、スラスト軸受け部を持つ他の種類
の圧縮機においても同じ効果が期待できる。
【0047】(実施の形態4)本実施の形態の圧縮機全
体の構成はスラストワッシャを除いて、実施の形態1と
同様であるので省略する。
【0048】ここで、スラストワッシャ30の母材32
はみがき特殊帯鋼SK5Mであり、焼き入れ焼き戻し処
理により硬度Hv500に調整している。面粗度Ra
0.05μm以下に研磨後、その表面に、スパッタリン
グ法とイオンプレーティング法の併用により、厚さ1μ
mの二硫化モリブデンとチタンの混合層からなる非凝着
性被膜31を形成している。非凝着性被膜31の硬度は
Hv約500である。
【0049】軸受け9はアルミニウムダイキャストAD
C14であり、母材は共晶組織と初晶シリコンからな
る。スラストワッシャ40との摺動部である上端面21
はホーニング加工,ポリッシング加工,ローラーバニッ
シング加工等により、面粗度Ra0.5μm以下に仕上
げている。
【0050】ここで、二硫化モリブデンとチタンの混合
層からなる非凝着性被膜31は、大阪真空工業株式会社
のMOSTコーティングであり、アルミニウム材料の切
削工具等への凝着防止に用いられる。また、二硫化モリ
ブデン単層被膜に比べて耐久性に優れていることが、
「大阪真空工業株式会社のカタログ」等に記載されてい
る。また、ADC14に対する繰り返し1000回の起
動試験において、処理なし時に静摩擦係数が数倍に増加
するのに比較して、非凝着性被膜31はほとんど変化せ
ず0.2程度の静摩擦係数を保った。
【0051】これにより、低速運転時や、冷凍機油11
の粘度が低いときなど、冷凍機油11による油膜形成が
困難な条件においても、スラストワッシャ30へのアル
ミニウムの凝着を防止する。その結果、異常摩耗の原因
となる摩耗起点が形成されず、異常摩耗の発生を抑制す
ることが可能である。
【0052】また、運転時の静摩擦係数が、0.2程度
に保つことが可能であるため、起動時の摺動損失を低減
させることが可能となる。
【0053】また、二硫化モリブデンからなる非凝着性
被膜31はHv500程度の低硬度であり、母材硬度を
高める必要がなく、みがき特殊帯鋼のような比較的安価
な素材を選ぶことができる。
【0054】なお、ここでは厚さ1μmの二硫化モリブ
デン膜31を用いたが、厚さ0.1〜10μmの二硫化
モリブデン膜31であれば同様の効果を得ることができ
る。
【0055】なお、ここでは二硫化モリブデン膜31を
スラストワッシャ30の母材32表面全体に形成した
が、少なくともスラストワッシャ30の母材32の摺動
側表面に形成すれば、同様の効果が得ることができる。
【0056】なお、ここでは軸受け9の材料としてアル
ミダイキャストADC14を用いたが、アルミ溶湯材A
C4B等のアルミニウム合金を用いても同様の効果を得
ることができる。
【0057】なお、ここでは圧縮機の一例として軸受け
9の上部に電動モータを、軸受け9の下部に圧縮機構を
設けた圧縮機を示したが、軸受け9の上部に圧縮機構
を、軸受け9の下部にモータを備えた圧縮機でも同じ効
果が期待できる。
【0058】なお、ここでは圧縮機の一例としてレシプ
ロ圧縮機を示したが、スラスト軸受け部を持つ他の種類
の圧縮機においても同じ効果が期待できる。
【0059】なお、ここでは、二硫化モリブデンとチタ
ンの混合層からなる非凝着性被膜を用いたが、これは被
膜の密着性と耐久性を向上するためであり、非凝着性を
発揮する上では二硫化モリブデン単層あるいは他の金属
との混合層でも良い。
【0060】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、圧縮機の
スラストワッシャの鋼製の母材表面に、非凝着性被膜を
形成することにより、スラストワッシャ表面に軸受けを
形成するアルミニウムが凝着することを防止すること
で、異常摩耗の原因となる摩耗起点が形成されず、異常
摩耗の発生を抑制することが可能である。
【0061】さらに、以上のように本発明によれば、圧
縮機のスラストワッシャの鋼製の母材表面に、TiAl
Nセラミック膜からなる非凝着性被膜を形成することに
より、スラストワッシャ表面に軸受けを形成するアルミ
ニウムが凝着することを防止することで、異常摩耗の原
因となる摩耗起点が形成されず、異常摩耗の発生を抑制
することが可能である。
【0062】さらに、以上のように本発明によれば、圧
縮機のスラストワッシャの鋼製の母材表面に、ダイヤモ
ンドライクカーボン膜からなる非凝着性被膜を形成する
ことにより、スラストワッシャ表面に軸受けを形成する
アルミニウムが凝着することを防止することで、異常摩
耗の原因となる摩耗起点が形成されず、異常摩耗の発生
を抑制することが可能である。また、運転中の静摩擦係
数を0.2以下に保つことが可能であるため、起動時の
摺動損失を低減させることが可能となる。
【0063】さらに、以上のように本発明によれば、圧
縮機のスラストワッシャの鋼製の母材表面に、二硫化モ
リブデン膜からなる非凝着性被膜を形成することによ
り、スラストワッシャ表面に軸受けを形成するアルミニ
ウムが凝着することを防止することで、異常摩耗の原因
となる摩耗起点が形成されず、異常摩耗の発生を抑制す
ることが可能である。また、運転中の静摩擦係数を0.
2程度に保つことが可能であるため、起動時の摺動損失
を低減させることが可能となる。また、二硫化モリブデ
ンからなる非凝着性被膜はHv500程度の低硬度であ
り、母材硬度を高める必要がなく、比較的安価な素材を
選ぶことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1から実施の形態4を示す
圧縮機の断面図
【図2】本発明の実施の形態1から実施の形態4を示す
圧縮機の断面の拡大図
【図3】本発明の実施の形態1から実施の形態4を示す
圧縮機のスラストワッシャの用部拡大斜視図
【図4】図3のスラストワッシャのA−A線断面図
【図5】従来の圧縮機の断面図
【図6】従来の圧縮機のスラストワッシャの用部拡大斜
視図
【図7】図6のスラストワッシャのA−A線断面図
【符号の説明】
2 シャフト 3 ロータ 9 軸受け 21 上端面 22,30 スラストワッシャ 31 非凝着性被膜 32 母材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シャフトと、前記シャフトに固定された
    ロータと、前記シャフトの外周と摺動しながら圧縮荷重
    を支えるアルミニウム合金製の軸受けと、前記シャフト
    または前記ロータに固定され、前記ロータと前記シャフ
    トの自重を支えると共に、前記軸受けの上端面と面摺動
    するスラストワッシャを有し、前記スラストワッシャは
    鋼製の母材の表面に非凝着性被膜を形成させた圧縮機。
  2. 【請求項2】 非凝着性被膜として、TiAlNセラミ
    ック膜をスラストワッシャの母材表面に形成した請求項
    1記載の圧縮機。
  3. 【請求項3】 非凝着性被膜として、ダイヤモンドライ
    クカーボン膜をスラストワッシャの母材表面に形成した
    請求項1記載の圧縮機。
  4. 【請求項4】 非凝着性被膜として、二硫化モリブデン
    膜をスラストワッシャの母材表面に形成した請求項1記
    載の圧縮機。
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