JP2000291511A - 燃料噴射ポンプ - Google Patents

燃料噴射ポンプ

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JP2000291511A
JP2000291511A JP11098981A JP9898199A JP2000291511A JP 2000291511 A JP2000291511 A JP 2000291511A JP 11098981 A JP11098981 A JP 11098981A JP 9898199 A JP9898199 A JP 9898199A JP 2000291511 A JP2000291511 A JP 2000291511A
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plunger
barrel
fuel oil
fuel
injection pump
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JP11098981A
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Tomomitsu Okami
知光 岡見
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Niigata Engineering Co Ltd
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Niigata Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料噴射ポンプにおいて、プランジャがバレ
ルポートを塞いで下降する期間のキャビティの発生を抑
制して、キャビテーションや潰食が発生しないようにす
る。 【解決手段】 燃料油流出入口4が形成されたバレル2
と、バレル2内に上下動可能に設けられ燃料油流出入口
4を開閉するプランジャ32と、プランジャ32を従動
子として上下動させるカムとを具備した燃料噴射ポンプ
31において、カムは、プランジャ32が燃料油流出入
口4を閉じてから再び開くまでの下降行程のうち、燃料
油流出入口4が開く直前の位置でプランジャ32の上下
動を停止させる期間のプロフィルを有する。これによ
り、プランジャ32とバレル2との間隙より燃料がバレ
ル2内に吸引され、プランジャ32の下降行程で負圧と
なるバレル2内の圧力が回復され、発生したキャビティ
が減少する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばディーゼル
機関等の内燃機関に用いられる燃料噴射ポンプに関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在一般的に内燃機関用に用いられてい
るボッシュ型燃料噴射ポンプは、機構上プランジャの下
降時にバレル内が負圧となり、キャビティが発生する機
構となっている。この種の従来の燃料噴射ポンプを図
4、図5を参照して説明する。図4及び図5は、従来の
ボッシュ型の燃料噴射ポンプの構造と作動を示す。この
燃料噴射ポンプは、円筒形のハウジング1内に固定され
たバレル2を有する。バレル2とハウジング1の間には
供給源から送られた燃料油が溜まる燃料室3が形成され
ている。バレル2の内周面には燃料油流出入口(以下、
「バレルポート」という)4が開口している。バレルポ
ート4はこの燃料室3に連通している。バレル2の上端
には等圧弁5が設けられている。等圧弁5は、加圧され
た燃料油の圧力で作動して燃料油をバレル2外に吐出さ
せる吐出側チェックバルブ6と、戻り側チェックバルブ
7を有している。
【0003】バレル2の内部には、プランジャ8が上下
摺動可能に設けられている。開口したバレル2の下端か
ら突出したプランジャ8の下端にはプランジャガイド9
が設けられている。プランジャガイド9はハウジング1
内にあり、ハウジング1の下端の開口部に配置されてい
る。ハウジング1の下端の開口部から覗いているプラン
ジャガイド9の下面には、機関に同期して作動するカム
10が接している。ハウジング1とプランジャガイド9
の上面との間には、プランジャガイド9を下方に付勢す
る復帰手段としてのばね11が設けられている。
【0004】プランジャ8の上端の周面には、バレルポ
ート4を適当なストロークで開閉するための切り欠き部
12が形成されている。この切り欠き部12は、プラン
ジャ8の上端面と螺旋状の下端縁に区画されてバレル2
の内周面に摺接する周面部13と、周面部13よりも凹
んだ略周状の逃げ部(以下、「リード」という)14
と、プランジャ8の上端面とこのリード14を連通する
縦溝15とからなる。
【0005】バレル2の下端には、ピニオン16が回動
可能に装着されている。ピニオン16は筒体17と一体
であり、筒体17の下端には二面取り部18がある。プ
ランジャ8の下端には二面巾を有するつば部19が設け
られており、筒体17の二面取り部18に係合してい
る。ハウジング1の内部にはピニオン16に係合するラ
ック20が設けられている。実際に燃料油を圧送するプ
ランジャ8の移動範囲の長さは有効ストロークと呼ぶ。
プランジャ8の有効ストロークは噴射量に比例する。ラ
ック20を移動させてピニオン16を回転させ、これに
よってプランジャ8を回転させて切り欠き部12とバレ
ルポート4との位置関係を変えれば、有効ストロークを
変更することができるようになっている。
【0006】このように構成された従来の燃料噴射ポン
プの作動を説明する。燃料噴射ポンプのプランジャ8の
作動は、次の(a)〜(f)の6つの期間に分けられ
る。
【0007】図5(a)に示す(a)の期間は、プラン
ジャ8の下限位置(カム10のベースサークル)から、
バレル2のバレルポート4を塞ぐまでの上昇ストローク
でこの期間ではバレル2内の燃料油はバレルポート4よ
り燃料室3に逃げるため圧縮されない。この際、前期間
で生じたバレル2内のキャビティ21がバレルポート4
より燃料室3に排出される。
【0008】図5(b)に示す(b)の期間は、プラン
ジャ8の上端がバレルポート4を塞いでから、プランジ
ャ8のリード14がバレルポート4を開くまでの上昇ス
トロークで、この期間で燃料油は圧縮され任意の設定圧
力以上で圧送が行われる。そしてリード14がバレルポ
ート4を開く時点でバレル2内の高圧に圧縮された燃料
油がプランジャ8の縦溝15を経由し、バレルポート4
から燃料室3に噴出する。この際、前の期間で燃料室3
に排出され各部に残留しているキャビティ21が圧潰さ
れ、潰食が生ずることになる。
【0009】図5(c)に示す(c)の期間は、燃料油
圧送が終了し、バレル2内とバレルポート4がプランジ
ャ8の縦溝15を経由して連通した状態での上昇ストロ
ークであり、バレル2内の燃料油はプランジャ8の上昇
に伴って、バレルポート4から燃料室3に逃げる。
【0010】図5(d)に示す(d)の期間は、図5
(c)に示す(c)の期間の下り行程であり、バレル2
内の容積の増加に伴い、バレルポート4、縦溝15を経
由し燃料室3から燃料油を吸引しながらプランジャ8が
下降する。
【0011】図5(e)に示す(e)の期間は、図5
(b)に示す(b)の期間の下り行程であり、この期間
はバレルポート4が塞がれた状態でプランジャ8が下降
するため、バレル2内が負圧となり、バレル2内にキャ
ビティ21が発生する。
【0012】図5(f)に示す(f)の期間は、図5
(a)に示す(a)の期間の下り行程であり、この期間
にバレルポート4を通じて燃料油をバレル2内に吸入す
る。この際、急激なバレルポート4の開により燃料室3
内の圧力が変動するため、図5(e)に示す(e)の期
間で発生したキャビティ21が燃料室3内に流出する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のボッシ
ュ型燃料噴射ポンプは、プランジャがバレルポートを塞
いで下降する期間、すなわち図5(e)〜(f)に示し
た期間において、バレルとプランジャの間隙から燃料油
がバレル内に吸い込まれるが、この間隙が3〜15μm
程度と小さいため、バレル内への吸い込み量が追いつか
ずにキャビティが発生することになる。このため、バレ
ル、プランジャ、ハウジング等にキャビティの圧潰によ
る潰食(エロージョン)が発生し、亀裂や漏油を引き起
こす虞れがあった。
【0014】このような不具合を防止する従来技術に
は、燃料噴射ポンプ内に生ずる燃料油の圧力変動を減衰
させる装置や、高圧噴流に対するデフレクター等がある
が、これらはいずれもキャビティの発生そのものを抑制
するものではなかった。
【0015】一方、キャビティの発生そのものを抑制す
る方法としては、特開平10−2265号公報に開示さ
れるプランジャに逆止吸込み弁を設ける方法があるが、
機構が複雑となり、小型の燃料噴射ポンプには採用が困
難となった。
【0016】また、特許第2761274号公報に開示
される燃料噴射ポンプの制御装置は、燃料噴射ポンプの
プランジャ速度を、燃料カムのプロフィールを工夫する
ことによって制御するものであるが、プランジャがバレ
ルポートを塞いで下降する、図6の期間IIIにおいては
キャビティの発生が抑制できないため、キャビテーショ
ンの抑制に対する効果は少ない。
【0017】本発明は上記状況に鑑みてなされたもの
で、プランジャがバレルポートを塞いで下降する期間の
キャビティの発生を抑制でき、キャビテーションや潰食
が発生しにくい燃料噴射ポンプを提供することを目的と
する。
【0018】
【課題を解決するための手段】次に、上記の課題を解決
するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照し
て説明する。本発明の請求項1記載の燃料噴射ポンプ3
1は、燃料油流出入口4が形成されたバレル2と、該バ
レル2の内周面に接して上下動可能に設けられ前記燃料
油流出入口4を開閉して該バレル2内に供給された燃料
油に圧力を加えるプランジャ32と、前記バレル2に設
けられ該プランジャ32によって加圧された燃料油を吐
出させる等圧弁5と、前記プランジャ32を従動子とし
て上下動させるカムとを具備した燃料噴射ポンプ31に
おいて、前記カムは、前記プランジャ32が前記燃料油
流出入口4を閉じてから再び開くまでの下降行程のうち
前記燃料油流出入口4が開く直前の位置で前記プランジ
ャ32の上下動を停止させる期間のプロフィルを有する
ことを特徴とする。
【0019】この燃料噴射ポンプ31では、プランジャ
32の下降を止めて、所定時間を経過させることによ
り、プランジャ32とバレル2との間隙より燃料がバレ
ル2内に吸引される。これにより、プランジャ32の下
降行程で負圧となるバレル2内の圧力が、燃料室3から
流入する燃料によって回復され、発生したキャビティ2
1が減少する。
【0020】また、本発明の請求項2記載の燃料噴射ポ
ンプ31は、前記プランジャ32の上下動を停止させる
期間のプロフィルが、前記カムの回転角度100〜20
0度の範囲で形成されることを特徴とする。
【0021】この燃料噴射ポンプ31では、プランジャ
32が、カムの一回転に相当する周期の少なくとも1/
3以上の長い期間で停止され、バレル2内に多くの燃料
が吸引され、バレル2内の圧力が十分に回復される。
【0022】さらに、本発明の請求項3記載の燃料噴射
ポンプ31は、前記カムは、前記プランジャ32が前記
燃料油流出入口4を開く直前に前記等圧弁5から燃料油
を吐出させない上昇量で前記プランジャ32を上昇させ
る期間のプロフィルを有することを特徴とする。
【0023】この燃料噴射ポンプ31では、プランジャ
32が燃料油流出入口4を開く直前に、プランジャ32
が等圧弁5から燃料油を吐出させない上昇量で上昇さ
れ、燃料油が加圧されて、バレル2内に発生したキャビ
ティ21が積極的に消滅される。
【0024】また、本発明の請求項4記載の燃料噴射ポ
ンプ31は、前記プランジャ32の上部先端部分に先細
のテーパ部33が形成され、前記プランジャ32が前記
燃料油流出入口4を開く直前の位置では、該プランジャ
32のテーパ部33が前記燃料油流出入口4を塞ぐこと
を特徴とする。
【0025】この燃料噴射ポンプ31では、プランジャ
32が燃料油流出入口4を開く直前の位置で、燃料油流
出入口4がプランジャ32のテーパ部33によって塞が
れ、プランジャ32とバレル2との間に間隙が確保され
る。これにより、キャビティ21の燃料室3への流出が
防止されつつ、バレル2内への燃料の流入が容易にな
る。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る燃料噴射ポン
プの好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明す
る。図1は本発明に係る燃料噴射ポンプの要部断面図、
図2は本発明に係る燃料噴射ポンプのカム一回転に対応
するプランジャ行程図、図3はプリストロークを示す燃
料噴射ポンプの要部拡大図である。なお、図4、図5に
示した部材と同一の部材には同一の符号を付し、重複す
る説明は省略するものとする。
【0027】従来の燃料噴射ポンプにおいては、図5
(e)〜(f)に示す期間(図2に示す(e’)〜
(f’)の期間)に、バレル2内が負圧となって、キャ
ビティ21が発生し、そのキャビティ21がバレルポー
ト4を経由して燃料室3に流出する(図5(f)〜
(a)に示す期間及び図2における(f’)〜(a’)
の破線で示される期間)。そして、図5(b)〜(c)
に示す期間の終了時に高圧噴流がバレルポート4を経由
して燃料室3に噴出し、各部のキャビティ21を圧潰
し、バレルポート4部、デフレクタ22(図4参照)、
プランジャ8等に潰食を生じさせる。
【0028】従って、燃料噴射ポンプのキャビテーショ
ンによる不具合の防止は、図5(e)〜(f)に示す期
間におけるキャビティ21の発生を防止するか、抑制す
ることによって可能となる。
【0029】本実施の形態による燃料噴射ポンプ31
は、図2に示す従来での期間(f’)〜(a’)にキャ
ビティ21がバレルポート4及び燃料室3に流出するの
を防ぐものであり、図2における実線で示す行程でプラ
ンジャを作動させる燃料カム(カム)を使用する。ま
た、これと合わせて、本実施の形態による燃料噴射ポン
プ31には、頭部(上部先端部分)に先細のテーパ部3
3が形成されたプランジャ32が使用される。
【0030】テーパ部33が形成されるプランジャ先端
からの距離Lは、図3に示したプリストローク(すなわ
ち、プランジャ32の下死点からバレルポート4を完全
閉鎖するまでのプランジャ32の移動距離)Sの(5/
10)〜(8/10)の距離が実用的に好適となる。な
お、本実施の形態による燃料噴射ポンプ31では、この
距離Lが例えば5〜8mmの範囲で設定される。
【0031】テーパ部33は、基本的に、バレルポート
4の近傍にクリアランスCが形成されればその目的を達
成するものであるが、好ましくはプランジャ32の先端
全周に形成されることが好ましい。これは、実際の燃料
噴射ポンプでは、プランジャ32がダブルリードとなっ
ており、更に負荷により燃料の噴射量が異なることに伴
ってプランジャ32の回転角が変わってバレルポート4
に対応するプランジャ32の位置が変化するためであ
る。
【0032】また、テーパ部33のテーパ量は、(10
〜20μm)/〔(5/10)〜(8/10)〕×Sm
mが実用的に好適となる。
【0033】図2には、図5(a)〜(f)に示す期間
と同一の期間に同一の符号(a)〜(f)を付して示し
てある。また、図2の縦軸はプランジャ行程(プランジ
ャリフト)を表し、横軸はカムの回転角度を表す。燃料
噴射ポンプ31に使用されるカムは、プランジャ32が
バレルポート4を閉じてから再び開くまでの下降行程の
うち、バレルポート4が開く直前の位置で、プランジャ
32の上下動を停止させる期間(e)〜(f)のプロフ
ィルを有する。ここで、プロフィルとは、従動子に接触
して、従動子に周期運動を付与するカムの曲縁(輪郭)
を言う。
【0034】プランジャ32の上下動を停止させる期間
(e)〜(f)では、プランジャ32のテーパ部33で
バレルポート4を塞ぐ。この結果、テーパ部33によっ
て、バレル2とプランジャ32との間の間隙が増やされ
ることになる。
【0035】また、この際のバレルポート4の上端とプ
ランジャ32先端までの距離Hは、短く、例えば本実施
の形態では、H=2〜3mm程度に設定される。これに
より、バレル2内のキャビティ21の燃料室3への流出
を防ぎながら、バレル2内への燃料油の吸入が容易にな
る。
【0036】すなわち、期間(e)〜(f)でバレル2
内が負圧となり、キャビティ21が発生するので、
(f)の直前でプランジャ32の下降を止めて時間をか
せぐことにより、プランジャ32とバレル2との間隙よ
り燃料油をバレル2内に吸引させる。この吸引は、燃料
室3に作用している燃料供給圧力を利用して行う。これ
により、バレル2内が圧力回復し、発生したキャビティ
21が減少することになる。
【0037】プランジャ32の上下動を停止させる期間
のプロフィルは、カムの回転角度100〜200度の範
囲で形成されることが好ましい。これにより、カムの一
回転に相当する周期の少なくとも略1/3の長い期間で
プランジャ32が停止されることになり、バレル2内に
多くの燃料が吸引され、バレル2内の圧力が十分に回復
されることになる。
【0038】また、カムは、プランジャ32がバレルポ
ート4を開く直前に等圧弁5から燃料油を吐出させない
上昇量で、プランジャ32を上昇させる期間(図2の斜
線部参照)のプロフィルを有する。
【0039】従って、カムは、プランジャ32を停止さ
せた後、再度プランジャ32を上昇させ、バレル2内の
キャビティ21を消滅させてからプランジャ32を再下
降させてバレルポート4を開く。この際の上昇量は、非
常に小さく設定される。上述したテーパ部33は、クリ
アランスCを大きくするので、このプランジャ32の上
昇時において燃料が再噴射されないようにも作用する。
【0040】このように、上述した燃料噴射ポンプ31
によれば、プランジャ32がバレルポート4を閉じてか
ら再び開くまでの下降行程のうちバレルポート4が開く
直前の位置でプランジャ32の上下動を停止させ、プラ
ンジャ32とバレル2との間隙より燃料をバレル2内に
吸引させて、バレル2内の圧力を回復させることができ
るので、発生したキャビティ21を減少させることがで
きる。
【0041】また、プランジャ32がバレルポート4を
開く直前に、プランジャ32を上昇させるので、バレル
ポート4を開く直前に、燃料油を加圧して、バレル2内
に発生したキャビティ21を積極的に消滅させることが
できる。そして、このプランジャ作動期間では、クリア
ランスCが大きく、ポンプ効率が低下し、圧縮時の圧力
上昇も少なく、下降時の圧力低下も少なくなるため、燃
料の再噴射やキャビティ21の再発生が抑制される。
【0042】上述の燃料噴射ポンプ31は、カムのプロ
フィルとプランジャ先端部分のテーパ加工のみであるの
で、小型機関にも容易に適用することができる。
【0043】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
る請求項1記載の燃料噴射ポンプによれば、プランジャ
が燃料油流出入口を閉じてから再び開くまでの下降行程
のうち燃料油流出入口が開く直前の位置でプランジャの
上下動を停止させる期間のプロフィルを、カムが有する
ので、プランジャの下降を止めて時間をかせぐことによ
り、プランジャとバレルとの間隙より燃料をバレル内に
吸引させて、バレル内の圧力を回復させることができ、
発生したキャビティを減少させることができる。
【0044】この結果、プランジャがバレルポートを塞
いで下降する期間のキャビティの発生を抑制でき、キャ
ビテーションやエロージョンが発生せず、損傷しにくく
なる効果を得られる。そしてこのことから、寿命の長い
燃料噴射ポンプを得ることができる。
【0045】また、請求項2記載の燃料噴射ポンプによ
れば、プランジャの上下動を停止させる期間のプロフィ
ルが、カムの回転角度100〜200度の範囲で形成さ
れるので、カムの一回転に相当する周期の少なくとも略
1/3の期間でプランジャの上下動を停止させることが
でき、燃料がバレル内に吸引される時間を長くして、バ
レル内圧力を十分に回復させることができる。この結
果、キャビティの発生を抑制することができる効果が得
られる。
【0046】さらに、請求項3記載の燃料噴射ポンプに
よれば、プランジャが燃料油流出入口を開く直前に等圧
弁から燃料油を吐出させない上昇量でプランジャを上昇
させる期間のプロフィルを、カムが有するので、燃料油
流出入口を開く直前に、燃料油を加圧して、バレル内に
発生したキャビティを積極的に消滅させることができ
る。
【0047】また、請求項4記載の燃料噴射ポンプによ
れば、プランジャの上部先端部分に先細のテーパ部を形
成し、プランジャが燃料油流出入口を開く直前の位置で
は、このテーパ部によって燃料油流出入口を塞ぐので、
プランジャとバレルとの間に間隙が確保でき、キャビテ
ィの燃料室への流出を防ぎつつ、バレル内への燃料の流
入を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃料噴射ポンプの要部断面図
【図2】本発明に係る燃料噴射ポンプのカム一回転に対
応するプランジャ行程図
【図3】プリストロークを示す燃料噴射ポンプの要部拡
大図
【図4】従来の燃料噴射ポンプの断面図
【図5】従来の燃料噴射ポンプの作動を示す一部を切り
欠いた斜視図
【図6】従来の燃料噴射ポンプのカム一回転に対応する
プランジャ行程図
【符号の説明】
2…バレル 4…燃料油流出入口(バレルポート) 5…等圧弁 31…燃料噴射ポンプ 32…プランジャ 33…テーパ部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料油流出入口が形成されたバレルと、
    該バレルの内周面に接して上下動可能に設けられ前記燃
    料油流出入口を開閉して該バレル内に供給された燃料油
    に圧力を加えるプランジャと、前記バレルに設けられ該
    プランジャによって加圧された燃料油を吐出させる等圧
    弁と、前記プランジャを従動子として上下動させるカム
    とを具備した燃料噴射ポンプにおいて、 前記カムは、前記プランジャが前記燃料油流出入口を閉
    じてから再び開くまでの下降行程のうち前記燃料油流出
    入口が開く直前の位置で前記プランジャの上下動を停止
    させる期間のプロフィルを有することを特徴とする燃料
    噴射ポンプ。
  2. 【請求項2】 前記プランジャの上下動を停止させる期
    間のプロフィルが、前記カムの回転角度100〜200
    度の範囲で形成されることを特徴とする請求項1記載の
    燃料噴射ポンプ。
  3. 【請求項3】 前記カムは、前記プランジャが前記燃料
    油流出入口を開く直前に前記等圧弁から燃料油を吐出さ
    せない上昇量で前記プランジャを上昇させる期間のプロ
    フィルを有することを特徴とする請求項1記載の燃料噴
    射ポンプ。
  4. 【請求項4】 前記プランジャの上部先端部分に先細の
    テーパ部が形成され、前記プランジャが前記燃料油流出
    入口を開く直前の位置では、該プランジャのテーパ部が
    前記燃料油流出入口を塞ぐことを特徴とする請求項1,
    2又は3のいずれか1項に記載の燃料噴射ポンプ。
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