JP3477334B2 - 燃料噴射ポンプ及びこれを用いたユニットインジェクタ - Google Patents
燃料噴射ポンプ及びこれを用いたユニットインジェクタInfo
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Description
料噴射ポンプ及びこれを用いたユニットインジェクタに
関する。
を得るには、燃料を高圧でかつ噴射の切れを良好に保っ
て噴射する必要がある。燃料噴射ポンプと燃料噴射弁と
を別個に配置して両者を噴射管で接続する通常のシャー
ク式燃料噴射装置では、かかる要求を充分に満足するこ
とが困難であるため、これを満足する燃料噴射装置とし
て、従来より燃料噴射ポンプと燃料噴射弁とを共通のケ
ース(本体)内に組み込み一体化したユニットインジェ
クタが用いられている。
の駆動装置の従来の一例を示す。図6において、100
はユニットインジェクタ、26はエンジンのクランク軸
に連動されて回転するカム、21はローラ、22はロー
ラタペット、24はプッシュロッド、23はローラタペ
ットスプリング、25はロッカアームである。また上記
ユニットインジェクタ100において、6は本体、1は
該本体に螺着されるキャップナット、2は針弁、3は該
針弁3を押圧する針弁ばね、4は燃料を加圧するプラン
ジャ、5は該プランジャ4が嵌合されるプランジャバレ
ル、9は先端に燃料噴口が設けられたノズル、7はポン
プタペット、8はポンプタペットスプリング、101は
燃料調量用のコントロールラックである。
装置の運転時において、カム26の回転によりローラ2
1、ローラタペット22及びブッシュロッド24がタペ
ットスプリング23の弾力に抗して押し下げられ、ロッ
カアーム25を揺動させる。該ロッカアーム25によっ
てポンプタペット7がタペットスプリング8の弾力に抗
して押し下げられると、該タペット7に連結されたプラ
ンジャ4がリフト(下降)し、プランジャ室12内に供
給されている燃料を高圧に加圧する。
に抗して押し上げ、針弁2が開弁する。該針弁2の開弁
により前記高圧燃料はエンジンの燃焼室(図示せず)内
に噴射される。そして、前記プランジャ4の排油溝は排
油孔に連通すると、上記噴射が終了し、排油がなされ
る。カム26の回転が進み、該カムのリフトが減少する
と、該プランジャ4はタペットスプリング8の弾力によ
り初期状態に戻される。
量は、前記コントロールラック101により、プランジ
ャ4を回転せしめ、その有効行程を変えることによって
行なわれる。即ち、上記燃料の調量、つまり、燃料噴射
量の調整は上記ラック101によりプランジャ4を回転
させ、図7に示すように該プランジャ4に設けられた排
油溝10aとプランジャバレル5に穿設された給・排油
孔20との相対位置を変えることにより行なわれる。上
記排油溝10aは、排油動作に対して排油通路が絞りと
ならないよう、充分に深く形成される。
従来のユニットインジェクタにおいては、ローラタペッ
ト22、プッシュロッド24、ロッカアーム25、ポン
プタペット7等のプランジャ4の駆動機構は、該プラン
ジャ4に作用する高圧の燃料に対処するため、十分に高
い剛性を有するよう設計することが要求される。このた
め、これら駆動機構の質量が増加する。又前記カム26
の限られたリフトの中で燃料を高圧化するためには、プ
ランジャ4をより速く加速し、燃料の噴出後はこれを速
やかに減速する必要がある。
減加速度が作用し、ローラ21とカム26とが離れよう
とする慣性力が生じる。この慣性力に対応するため、ポ
ンプタペット7にはタペットスプリング8が設けられて
いる。
の高圧化のため、駆動機構の質量が増加し、また、カム
26の減加速度によって大きな慣性力が発生し、このた
め、タペットスプリング8には過大な荷重が作用する、
上記スプリング8のばね荷重が上記作用荷重以下になる
と、駆動機構が慣性力によりジャンプし、ローラ21が
カム26から離れる。上記減加速度の低下と共に、スプ
リング8の弾力によって前記駆動機構は元に戻るが、か
かる戻りの際、ローラタペット22とカム26とが衝突
することがある。かかる衝突による衝撃荷重により、前
記駆動機構の信頼性の低下及び騒音の増大を招く。この
対策のためには、スプリング3の巨大化と、ひいてはエ
ンジン全体のサイズアップが必要となるが、本発明によ
り、スプリングやエンジンの変更なしに、駆動装置の衝
突現象を回避できる。
噴射ポンプの駆動機構の慣性力による該駆動機構の構成
部材間のジャンピングによる衝突の発生を防止して、振
動、騒音の低下と装置の小型化とを実現し得る燃料噴射
ポンプ及びこれを用いたユニットインジェクタを提供す
ることを目的とする。
決するために、給油孔及び排油孔が穿設されたプランジ
ャバレルの内周に、カムからタペットを介して往復駆動
されるプランジャが摺動自在に嵌合され、該プランジャ
に形成された排油溝が前記プランジャバレルの排油孔と
連通した時、プランジャ室内の高圧燃料が該排油溝によ
り形成される通路から前記排油孔へ排出されるように構
成された燃料噴射ポンプにおいて、前記プランジャに
は、前記排油溝の後ストローク側に該排油溝よりも通路
面積が小さく形成された小排油溝が1段あるいは複数段
連設されると共に、該排油溝から小排油溝へと連続的に
前記排油孔と連通され、前記プランジャ室内の燃料が前
記排油溝からの排油に次いで、前記小排油溝により形成
される通路を経て、前記排油孔に排出されるように構成
するとともに、 前記排油溝と小排油溝とがプランジャ軸
線に対し直交する面内で連設するごとく形成され、前記
排油溝は、絞り作用をなさないように通路面積を大きく
設定し、一方小排油溝は、プランジャ下降時の、ジャン
ピングを起こす方向に慣性力が作用している減速期間に
前記排油孔と連通して負の加速度が生じるように、通路
面積が小さく、排油通路が絞られて構成されていること
を特徴とする燃料噴射ポンプを提案する。 この場合、図
2及び図4に示すように、前記排油溝と小排油溝とを段
差部を介して連接してもよく、又図5に示すように、前
記排油溝とこれに隣接して深さが略直線的に浅くなる小
排油溝を設けてもよい。
ンプと、これによって圧送された燃料を燃焼室内に噴射
するノズルとをキャップナットにて一体に組み付けてな
るユニットインジェクタに用いるのが最も好適である。
し、前記排油溝のリード部が排油孔を開き前記プランジ
ャ室内の燃料が前記排油溝から排油されることにより、
ジャンピングを起こす方向に慣性力が作用している減速
期間に、大排油溝に次いで、小排油溝がプランジャバレ
ルの排油孔に連通されると、該小排油溝によって排油通
路が絞られているので、プランジャ室内の圧力が上昇
し、この圧力が前記慣性力と逆向きの力として作用す
る。
殺され、ジャンピングの発生が回避され、該ジャンピン
グによるプランジャの駆動機構各部材間の衝突の発生、
及びこれによりひき起こされる振動、騒音の発生が防止
される。
ャ室にある程度の圧力が生じているので、プランジャの
リフトは設計とおりとなり、オーバーシュートすること
がなく、駆動機構に該オーバーシュートを見込んだ間隙
を設けることを要しない。これによって、燃料噴射ポン
プが小型化される。
が阻止されるので、従来の技術のようにジャンピングを
見込んでタペットスプリングのスプリング荷重を大きく
することを要さず、該スプリングが小型化される。これ
によって燃料噴射ポンプを小型化することができる。
適な実施例を例示的に詳しく説明する。但し、この実施
例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その
相対的配置等は特に特定的な記載がないかぎりは、この
発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明
例にすぎない。
機関用ユニットインジェクタのプランジャ軸心線に沿う
断面図、図2は排油溝部の拡大断面図、図3はカムのリ
フト線図である。
100の本体、5はプランジャバレル、4は該プランジ
ャバレル5の内周に往復摺動自在に嵌合されたプランジ
ャ、7は該プランジャ4の上部に連結され、ロッカアー
ム25(図6参照)により押圧されるポンプタペット、
8は該ポンプタペット7と本体6との間に架設されたプ
ランジャ4戻し用のタペットスプリングである。
ズル、2は該ノズル9内に往復摺動可能に嵌合された針
弁、3は該針弁2をノズル9のシート部に押し付ける針
弁ばね、19は該針弁ばね3を収納するスプリングケー
スである。前記ノズル9、スプリングケース19及びプ
ランジャバレル5は、キャップナット31を本体6にね
じ込むことによって、該本体に固着される。
形成されるプランジャ室、20,20は前記プランジャ
バレル5に穿設された給油孔と排油孔とが共通の給・排
油孔である。この2つの給・排油孔20,20は、この
実施形態では同一高さにかつ給・排油孔を共通に設けら
れているが、プランジャ4のリードの形状とあいまっ
て、給油孔と排油孔とを異なる高さに設けることも可能
である。
料溜り、14は前記プランジャ室12と該燃料溜り15
とを接続する燃料通路である。また、13は前記プラン
ジャ4の上部に、相対回転不能にかつ軸心方向には相対
移動可能に嵌合されたピニオン、101は該ピニオン1
3の歯に噛み合うラックである。
ランジャ4の先端近くの外周に環状に形成された排油溝
で、該プランジャ4の先端側に深さの深い大排油溝10
aが、該大排油溝10aの後ストローク側(反プランジ
ャ室12側)に隣接して、前記大排油溝10aよりも深
さが浅い、即ち通路面積が小さい小排油溝10bが設け
られている。上記大排油溝10a及び小排油溝10bは
プランジャ4の内部に設けられた連通路(図示せず)を
介してプランジャ室12に連通されている。
トし、ローラ21、ローラタペット22、プッシュロッ
ド24及びロッカアーム25(何れも図6参照)を介し
てポンプタペット7がタペットスプリング8の弾力に抗
して押し下げられ、これとともにプランジャ4も下方に
押し下げられる。この状態が図2及び図3に(状態A)
にて示す加速期間である。
ードである上縁4aが給・排油孔20を閉じるとプラン
ジャ室12内の燃料の圧縮が始まり、高圧に加圧された
プランジャ室12内の燃料は燃料通路14を通って燃料
溜り15に入り、針弁2を押し上げて噴口91から燃焼
室(図示せず)内に噴射される。この状態が図2〜図3
に(状態B)にて示す有効噴射期間である。
ンジャ4の大排油溝10aのリード部010がプランジ
ャバレル5の給・排油孔20を開き、該大排油溝10a
が前記給・排油孔20と連通されると、プランジャ室1
2内の高圧燃料は、大排油溝10aから給・排油孔20
に排出される。この状態が図2〜図3に(状態C)にて
示す排油期間である。かかる排油期間においては、前記
大排油溝10aの通路面積が大きく絞り作用をなさない
ので、排油は迅速になされ、プランジャ室12の圧力は
下降する。
ると、前記小排油溝10bが給・排油孔20に連通され
る。この際においては小排油溝10bの通路面積が小さ
く、排油通路が絞られており、この状態でプランジャ4
が下降しつつプランジャ室12の容積を縮小せしめてい
るので、プランジャ室12内の圧力が上昇する。
減速期間であるが、この期間は図2に示すように負の加
速度であり、前記駆動機構とカムとの間にジャンピング
を生起せしめる慣性力が該駆動機構に作用している。
においてはプランジャ室12内の圧力が上昇しているの
で、この圧力が前記慣性力に対して、逆向きの力として
プランジャ4に作用し、前記ジャンピングが阻止され
る。これにより、ユニットインジェクタの駆動機構のジ
ャンピングによる駆動機構構成部材間の衝突の発生及び
これによる振動、騒音の発生が防止される。
形態に係るユニットインジェクタのプランジャ排油溝近
傍の拡大図を示す。
は、プランジャ4に大排油溝10aの後ストローク側に
隣接して、該大排溝10aよりも深さが浅い小排油溝1
0bと、該小排油溝10bよりもさらに浅い小排油溝1
0cを連設している。なお、前記小排油溝10bあるい
は10cを複数段連設しても良い。
は、プランジャ4に大排油溝10aとこれに隣接して深
さが徐々に浅くなる(略直線的に浅くなる)小排油溝1
0bを設けている。
排油溝10bあるいは10cが段階的に(第2実施形
態)あるいは略直線的に(第3実施形態)変化するの
で、該小排油溝10b、10cによる絞り効果を制御す
ることが可能となる。
クタに燃料噴射ポンプについて記載したが、本発明は列
型燃料噴射ポンプ等のシャーク式燃料噴射ポンプにも適
用することができる。
排油時における小排油溝による絞り効果によってプラン
ジャ室内に負の慣性力と逆向きの圧力が発生し、慣性力
を相殺してジャンピングの発生が防止される。これによ
って、プランジャ駆動機構の構成部材間の衝突、及びこ
れにより引き起こされる振動、騒音の発生を防止するこ
とができる。
ることによって、タペットスプリング荷重が小さくな
り、該タペットスプリングを小型化できる。さらに、プ
ランジャのオーバーシュートの発生が防止されることに
より、プランジャの駆動機構にオーバーシュートを見込
んだ余分な間隙が不要となる。これらによって燃料噴射
ポンプ及びこれを用いたユニットインジェクタを小型化
することができる。
ンジェクタの縦断面図である。
用説明図)である。
プのリフト線図である。
る。
る。
ある。
の拡大断面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 給油孔及び排油孔が穿設されたプランジ
ャバレルの内周に、カムからタペットを介して往復駆動
されるプランジャが摺動自在に嵌合され、該プランジャ
に形成された排油溝が前記プランジャバレルの排油孔と
連通した時、プランジャ室内の高圧燃料が該排油溝によ
り形成される通路から前記排油孔へ排出されるように構
成された燃料噴射ポンプにおいて、 前記プランジャには、前記排油溝の後ストローク側に該
排油溝よりも通路面積が小さく形成された小排油溝が1
段あるいは複数段連設されると共に、該排油溝から小排
油溝へと連続的に前記排油孔と連通され、前記プランジ
ャ室内の燃料が前記排油溝からの排油に次いで、前記小
排油溝により形成される通路を経て、前記排油孔に排出
されるように構成するとともに、 前記排油溝と小排油溝とがプランジャ軸線に対し直交す
る面内で連設するごとく形成され、前記排油溝は、絞り
作用をなさないように通路面積を大きく設定し、一方小
排油溝は、プランジャ下降時の、ジャンピングを起こす
方向に慣性力が作用している減速期間に前記排油孔と連
通して負の加速度が生じるように、通路面積が小さく、
排油通路が絞られて構成されている ことを特徴とする燃
料噴射ポンプ。 - 【請求項2】 前記排油溝と小排油溝とが段差部を介し
て連接されていることを特徴とする請求項1記載の燃料
噴射ポンプ。 - 【請求項3】 前記排油溝とこれに隣接して深さが略直
線的に浅くなる小排油溝を設けていることを特徴とする
請求項1記載の燃料噴射ポンプ。 - 【請求項4】 請求項1、2若しくは3記載の燃料噴射
ポンプと該噴射ポンプから圧送された燃料を燃焼室内に
噴射するノズルとをキャップナットにて一体に組み付け
てなるユニットインジェクタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33515496A JP3477334B2 (ja) | 1996-11-29 | 1996-11-29 | 燃料噴射ポンプ及びこれを用いたユニットインジェクタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33515496A JP3477334B2 (ja) | 1996-11-29 | 1996-11-29 | 燃料噴射ポンプ及びこれを用いたユニットインジェクタ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH10159680A JPH10159680A (ja) | 1998-06-16 |
JP3477334B2 true JP3477334B2 (ja) | 2003-12-10 |
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ID=18285380
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP33515496A Expired - Fee Related JP3477334B2 (ja) | 1996-11-29 | 1996-11-29 | 燃料噴射ポンプ及びこれを用いたユニットインジェクタ |
Country Status (1)
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Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE10126686A1 (de) * | 2001-06-01 | 2002-12-19 | Bosch Gmbh Robert | Kraftstoffeinspritzeinrichtung mit Druckverstärker |
JP5625016B2 (ja) * | 2012-06-04 | 2014-11-12 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 高圧燃料ポンプ |
-
1996
- 1996-11-29 JP JP33515496A patent/JP3477334B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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