JP2000291377A

JP2000291377A - トンネル掘進機

Info

Publication number: JP2000291377A
Application number: JP11097097A
Authority: JP
Inventors: Yoshito Minami; 好人南; Kyoichi Morioka; 享一森岡
Original assignee: Komatsu Ltd
Current assignee: Komatsu Ltd
Priority date: 1999-04-02
Filing date: 1999-04-02
Publication date: 2000-10-17

Abstract

(57)【要約】【目的】簡単な構成により掘進中も推進方向の変更が
可能な弱層地山に対応可能なトンネル掘進機を提供する
ことを目的とする。【構成】グリッパ(5) は、メインビーム(2) を推進方
向に摺動自在に嵌挿したグリッパフレーム(5a)と、グリ
ッパフレーム(5a)に連結されて伸縮手段(5d)を有するグ
リッパジャッキ(5b)と、グリッパジャッキ(5b)に連結さ
れてトンネル坑壁を押付け自在なグリッパシュー(5c)と
を備え、補助サポート(7) を、グリッパシュー(5c)に、
またはグリッパジャッキ(5b)の伸縮手段(5d)のグリッパ
シュー(5c)側に装着したことを特徴とするトンネル掘進
機。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】本発明は、軟弱層でも効率よく掘進できる
トンネル掘進機に関する。

【０００２】

【従来の技術】岩盤用トンネル掘削機（ＴＢＭ）には、
オープン型ＴＢＭとシールド型ＴＢＭの２種類がある。
オープン型ＴＢＭは、カッタヘッドサポートより後方へ
伸びるメインビームを有しており、坑壁を押さえ付ける
ためのグリッパがグリッパフレームに備えてあり、この
グリッパフレームはカッタヘッドサポートから後方へ伸
びるスラストジャッキによりメインビーム上を摺動可能
に取付けられている。掘進は、グリッパを坑壁に押付け
て固定し、これに反力をとりスラストジャッキを伸ばす
ことにより行う。スラストジャッキが伸び切ったらグリ
ッパを縮めてスラストジャッキを前側まで引戻す盛替え
作業を行うが、この際に機体後部の重量を支えるために
メインビーム後端にあるリヤサポートを床面に当接する
まで伸長する。即ち、機体後部の重量は掘進時はグリッ
パにより支え、盛替え時はリヤサポートにより支える構
造となっている。ところが、弱層地山においてはグリッ
パを押付けることによって地山を崩してしまうことがあ
るためにグリッパを押付けることがてきず、掘進時に機
体後部重量を支えることができない。この問題を解決す
るものとして、図４，５に示すような、特開平１０−３
０６６９１号公報に開示された技術がある。これはリヤ
サポート６２とは別に機体後方支持手段６１を設けるも
のであり、掘進時にはこれにより機体後部重量を支える
ものである。

【０００３】ところでオープン型ＴＢＭにおいては、掘
進方向を調整する際にはメインビーム５２を傾けること
によりメインビーム５２と一体のカッタヘッドサポート
５３を傾け、カッタヘッド５４の向きを変えることによ
って行う。左右に方向修正をしたい場合には、グリッパ
５５を坑壁に押付けた状態で、左右のグリッパジッキの
伸び量を変えてやればメインビーム５２が傾き、カッタ
ヘッド５４の向きが変わるのである。また、上下に方向
修正したい場合には、メインビーム５２とグリッパフレ
ーム５５ａとを連結するトルクジャッキ５６を伸縮させ
ることにより行う。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開平１０−３０６６９１号公報の実施態様に開示の技術
では、掘進作業時に方向修正を行うためには、この後方
支持手段６１がメインビーム５２に同調して左右にスラ
イドする機構を設ける必要がある。スライド機構がなけ
れば、後方支持手段６１により後部重量を支えた状態で
は、メインビーム５２を左右に動かすことができないか
らである。また、同様に上下に方向修正を行う場合にお
いても、トルクジャッキ５６の動きに同調させて後方支
持手段６１の動きを制御する必要がある。ところがこの
ような機構を設けることは、その制御方法が複雑になる
ばかりでなく、小型の機械においてはそのようなスライ
ド機構を設けるスペースさえ確保できないといった問題
がある。本発明は、上記従来の技術の問題点に着目して
なされたもので、簡単な構成により掘進中も推進方向の
変更が可能な弱層地山に対応可能なトンネル掘進機を提
供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段及び作用効果】上記目的を
達成するために、第１の発明に係るトンネル掘進機は、
メインビームの前端部に固定したカッタヘッドサポート
に回転駆動可能にカッタヘッドを装着し、メインビーム
の後端部にトンネル掘進機後部の重量を支持自在なリヤ
サポートを装着すると共にメインビームの後部を推進方
向に摺動自在に嵌挿したグリッパにトンネル掘進機後部
の重量を支持自在な補助サポートを装着し、地山を掘削
するときは補助サポートにより、グリッパの盛替えを行
うときはリヤサポートによりトンネル掘進機後部の重量
を支えるトンネル掘進機であって、グリッパは、メイン
ビームを推進方向に摺動自在に嵌挿したグリッパフレー
ムと、グリッパフレームに連結されて伸縮手段を有する
グリッパジャッキと、グリッパジャッキに連結されてト
ンネル坑壁を押付け自在なグリッパシューとを備え、補
助サポートを、グリッパシューに、またはグリッパジャ
ッキの伸縮手段のグリッパシュー側に装着したことを特
徴とする。

【０００６】第１の発明によれば、掘進中に左右または
上下にトンネル掘進機の方向修正するときにグリッパフ
レームを左右又は上下に移動させても、補助サポート
は、掘進中に動くことのないグリッパシュー、または伸
縮手段のグリッパシュー側に装着されているため移動さ
せる必要がない。このため、補助サポートをグリッパジ
ャッキと同期制御しなくてもよい。また、補助サポート
を移動させる必要がないため、従来技術のように、グリ
ッパフレームと補助サポートとのスライド機構が不要と
なる。これらの理由により構成が簡素化される。また、
トンネル掘進機は掘進中でも左右又は上下の方向修正が
自在となるため、トンネル掘進作業のサイクルタイムが
短縮されてトンネル掘進作業能率が向上する。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態を図面
を参照して詳述する。先ず、図１〜３に基づいて実施形
態の構成を説明する。トンネル掘進機１の中心部の前後
方向にメインビーム２が延設されており、このメインビ
ーム２の前端部には、カッタヘッド４を回転自在に支持
するカッタヘッドサポート３が固定されている。メイン
ビーム２の後部にはグリッパ５が設けられ、グリッパ５
を構成するグリッパフレーム５ａはメインビーム２を推
進方向に摺動自在に嵌挿している。グリッパフレーム５
ａにはグリッパジャッキ５ｂを介してグリッパシュー５
ｃが連結され、これらグリッパジャッキ５ｂ及びグリッ
パシュー５ｃはグリッパフレーム５ａと共にグリッパ５
を構成している。また、グリッパシュー５ｃとカッタヘ
ッドサポート３との間にはスラストジャッキ６が連結さ
れている。硬い岩盤からなる良好な地山を掘進時には、
グリッパ５を坑壁に押付けることにより掘進反力を得て
いるが、グリッパ５を押付けると地山が崩れてしまうよ
うな弱層地山においては、トンネル掘進機１内に取付け
たシールドジャッキ１０により、トンネル内に組立てた
セグメント１１や図示しないライナーから反力をとって
推進する。

【０００８】図１，２において、グリッパシュー５ｃが
連結されるグリッパジャッキ５ｂのピストンロッド５ｄ
先端部には、補助サポートジャッキ７ａを介して坑壁下
部に当接自在な補助サポートシュー７ｂが連結されてい
る。これら補助サポートジャッキ７ａ、補助サポートシ
ュー７ｂ及び補助サポートジャッキ７ａとグリッパシュ
ー５ｃとに連結された補助ジャッキ７ｃにより補助サポ
ート７が構成される。なお、補助ジャッキ７ｃは補助サ
ポートシュー７ｂの接地位置を調整するために設けられ
る。このように、対応する従来技術を示す図４，５では
後方支持手段６１（本発明の補助サポート７に相当）が
グリッパフレーム５５ａに装着されているのに対し、本
実施形態の補助サポート７は、下部のグリッパジャッキ
５ｂのピストンロッド（伸縮手段の一例）５ｄ先端部に
連結される。

【０００９】実施形態の作用を説明する。グリッパシュ
ー５ｃを押付けると地山が崩れてしまう弱層地山では、
セグメント１１から反力をとりつつシールドジャッキ１
０を伸長させて掘進が行われる。このような掘進時に
は、リヤサポートジャッキ８ａを収縮すると共に補助サ
ポートジャッキ７ａを伸長させて、図２に示すように、
補助サポートシュー７ｂをトンネルの坑壁下部に押付け
る反力によりトンネル掘進機１後部の重量を支持する。
この時にはグリッパシュー５ｃは、坑壁が崩れない程度
に軽く坑壁に当接させておく。

【００１０】トンネル掘進機１の掘進中に掘進方向を変
える際には、例えば、図２に示すように左右のグリッパ
ジャッキ５ｂ，５ｂを伸縮させるとグリッパフレーム５
ａを介してメインビーム２が左右に振られる。このた
め、メインビーム２先端部に固定されたカッタヘッドサ
ポート３の向きに掘進方向が変わる。この時にメインビ
ーム２の後部を推進方向に摺動自在に嵌挿したグリッパ
フレーム５ａはメインビーム２と共に左右に振られる
が、下部のグリッパジャッキ５ｂのピストンロッド５ｄ
先端部と坑壁下部との間に装着された補助サポート７は
移動することなく、トンネル掘進機１後方の重量を支持
する。このため、グリッパジャッキ５ｂと補助サポート
ジャッキ７ａとの同期制御が不要となるばかりかスライ
ド機構そのものが不要になる。

【００１１】また、図２において、トルクジャッキ９の
伸縮によりグリッパフレーム５ａはメインビーム２と共
に上下に振られるが、下部のグリッパジャッキ５ｂのピ
ストンロッド５ｄ先端部と坑壁下部との間に装着された
補助サポート７は移動することなく、トンネル掘進機１
後方の重量を支持する。このため、グリッパフレーム５
ａが左右に振られるときと同様に、トルクジャッキ９と
補助サポートジャッキ７ａとの同期制御が不要となり制
御装置が簡素化される。また、グリッパジャッキ５ｂの
ピストンロッド５ｄ先端部に形成されたグリッパシュー
５ｃとの連結部は、補助サポート７を装着できる部位の
うちでグリッパシュー５ｃから最も離れた位置にある。
このため、補助サポート７の取付けスペースを広くとれ
てピストンロッド５ｄ先端部に容易に取付けることがで
きる。

【００１２】以上のように、本発明によれば次のような
効果を奏する。弱層地山の掘進中にトンネル掘進機の左
右または上下の推進方向を修正するときにグリッパフレ
ームを左右または上下に移動させても補助サポートを移
動させる必要がなく、補助サポートをグリッパジャッキ
と同期制御しなくてもよい。また、補助サポートを移動
させる必要がないため、従来技術のように、グリッパフ
レームと補助サポートとのスライド機構が不要となる。
これらの理由により構成が簡素化される。また、掘進中
でもトンネル掘進機の左右または上下の方向修正が自在
であるため、トンネル掘進作業のサイクルタイムが短縮
されてトンネル掘進作業能率が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態を適用したトンネル掘進機の
側面断面図である。

【図２】本発明の実施形態を適用したトンネル掘進機の
断面図であり、図１のＡ−Ａ断面図（グリッパフレーム
が左に移動した状態）である。

【図３】本発明の実施形態を適用するトンネル掘進機の
平面図（一部断面図）である。

【図４】従来技術のトンネル掘進機の側面断面図であ
る。

【図５】図４のＢ−Ｂ断面図である。

【符号の説明】１；トンネル掘進機、２；メインビーム、３；カッ
タヘッドサポート、５；グリッパ、５ａ；グリッパフ
レーム、５ｂ；グリッパジャッキ、５ｃ；グリッパ
シュー、５ｄ；ピストンロッド（伸縮手段の一例）、
６；スラストジャッキ、７；補助サポート、９；
トルクジャッキ、１０；シールドジャッキ。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】メインビームの前端部に固定したカッタ
ヘッドサポートに回転駆動可能にカッタヘッドを装着
し、メインビームの後端部にトンネル掘進機後部の重量
を支持自在なリヤサポートを装着すると共にメインビー
ムの後部を推進方向に摺動自在に嵌挿したグリッパにト
ンネル掘進機後部の重量を支持自在な補助サポートを装
着し、地山を掘削するときは補助サポートにより、グリ
ッパの盛替えを行うときはリヤサポートによりトンネル
掘進機後部の重量を支えるトンネル掘進機であって、グリッパ(5) は、メインビーム(2) を推進方向に摺動自
在に嵌挿したグリッパフレーム(5a)と、グリッパフレー
ム(5a)に連結されて伸縮手段(5d)を有するグリッパジャ
ッキ(5b)と、グリッパジャッキ(5b)に連結されてトンネ
ル坑壁を押付け自在なグリッパシュー(5c)とを備え、補
助サポート(7) を、グリッパシュー(5c)に、またはグリ
ッパジャッキ(5b)の伸縮手段(5d)のグリッパシュー(5c)
側に装着したことを特徴とするトンネル掘進機。