JP2000291265A - 開口部養生用仮設材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は養生用仮設材の製作等による材料の
無駄を無くし、墜落等を防止することのできる簡便な床
スラブ開口部養生用仮設材を提供する。 【解決手段】 養生用仮設材１１は四本の支柱１２ａ、
１２ｂ、１２ｃ、１２ｄと、各支柱間に伸縮可能に取付
けた手摺１３ａ、１３ｂ、１３ｃ、１３ｄと中桟１４
ａ、１４ｂ、１４ｃ、１４ｄとからなり、床スラブ１の
開口部２の周りに仮設されている。複数の支柱に伸縮可
能に手摺と中桟が取付けられているので、床スラブ開口
部が異なっても、それに対応させて簡便に組立てること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、建設工事現場の開
口部、特に床スラブの開口部に用いられる開口部養生用
仮設材に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種の開口部養生用仮設材として代表
的な次の２つのものが知られている。第一の手段は木製
の角材と板材で開口部に蓋をしたものである。図１２は
第一の手段の状態を示す斜視図であり、図１３は図１２
のＡ−Ａ線矢視による断面図である。

【０００３】図１２、図１３において、足場設備の床ス
ラブ１に設けられた開口部２の上部に木製の角材４を組
み、角材３の上に板材３を渡して蓋５をしている。特開
平８−１９９８０６号公報、特開平１０−１１０５２７
号公報には、角材の代わりに、伸縮可能な足場下地金具
を用いたものが開示されている。また、第二の手段は支
柱支持部材を予め鉄筋コンクリート造の床スラブに埋込
んでおき、その部材に支柱を取付け、親綱を用いて手摺
及び中桟を取付けたものである。

【０００４】図１４は第二の手段の状態を示す斜視図で
あり、図１５は図２のＢ−Ｂ線矢視による断面図であ
る。

【０００５】図１４、図１５において、支柱支持部材６
を予め鉄筋コンクリート造の床スラブ１に埋込んでお
き、支柱支持部材６に支柱７を取付け、親綱を用いて手
摺８及び中桟９を取付けている。

【０００６】実開平６−７８５１９号公報には、親綱の
代わりに短管を用いたもの、短管の支柱と親綱を用いた
手摺及び中桟を、衝立部材として規格化したものを使用
したものが開示されている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た第一の手段及び第二の手段は以下の問題がある。第一
の手段の場合は、開口部養生用仮設材が大きさの違う開
口部に用いられる場合が多いために、その都度上記養生
用仮設材を製作していたのでは、材料の無駄遣いになり
経済的に不利であり、作業能率も低下し、工期もかか
り、安全性の面でも充分とはいえない。

【０００８】また、第二の手段の場合は、開口部設置の
度に支柱支持部材を床スラブに埋めなければならず、材
料が無駄になる。支柱支持部材の設置には、施工精度の
確保、コンクリート打設中の養生等の手間が必要とな
る。

【０００９】本発明は上記の問題点の解決を図ったもの
であり、養生用仮設材の製作等による材料の無駄を無く
し、墜落等を防止することのできる簡便な床スラブ開口
部養生用仮設材を提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】第一の発明は、床スラブ
の開口部養生用仮設材であって、前記養生用仮設材は、
複数の支柱と、該支柱に取付けた、伸縮可能な手摺と中
桟とからなることを特徴とする開口部養生用仮設材（以
下養生用仮設材という）である。

【００１１】第二の発明は、第一の発明において、支柱
に、手摺と中桟が軸支されたことを特徴とする養生用仮
設材である。

【００１２】本発明によれば、複数の支柱に、伸縮可能
な手摺と中桟が取付けられているので、床スラブ開口部
が異なっても、それに対応させて簡便に組立てることが
でき、また、支柱に、手摺と中桟が軸支されて組立てら
れているので、仮設終了後に折畳んでかたずけることが
てきる。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図に
よって詳述する。図１は本発明の一実施の形態を示す一
部切欠を有する斜視図であり、図２は図１の平面図であ
り、図３は図１のＣ−Ｃ線矢視による側面図である。

【００１４】養生用仮設材１１は四本の支柱１２ａ、１
２ｂ、１２ｃ、１２ｄと、各支柱間に伸縮可能に取付け
た手摺１３ａ、１３ｂ、１３ｃ、１３ｄと中桟１４ａ、
１４ｂ、１４ｃ、１４ｄとから構成されて、床スラブ１
の開口部２の周りに仮設されている。

【００１５】各々の支柱１２ａ、１２ｂ、１２ｃ、１２
ｄは、図３に示すように、上部から手摺固定用のネジハ
ンドル１５ａ（隠れて見えない）、１５ｂ、１５ｃ、１
５ｄ（隠れて見えない）、軸材貫通穴を有する手摺端部
１６ａ、１６ｂ、１６ｃ、１６ｄ、分割型上部パイプ１
７ａ（隠れて見えない）、１７ｂ、１７ｃ、１７ｄ（隠
れて見えない）、軸材貫通穴を有する中桟端部１８ａ
（隠れて見えない）、１８ｂ、１８ｃ、１８ｄ（隠れて
見えない）、分割型下部パイプ１９ａ（隠れて見えな
い）、１９ｂ、１９ｃ、１９ｄ（隠れて見えない）、開
口部垂直壁への取付管２０ａ（隠れて見えない）、２０
ｂ、２０ｃ、２０ｄ（隠れて見えない）に、軸材２１
ａ、２１ｂ、２１ｃ、２１ｄを貫通させている。符号２
２ａ（隠れて見えない）、２２ｂ、２２ｃ、２２ｄ（隠
れて見えない）は軸材脚部固定部材である。

【００１６】開口部垂直壁への取付管２０ａ、２０ｂ、
２０ｃ、２０ｄには、周面四個所に９０度間隔にボルト
穴２５を設けて、ボルト２４により、開口部垂直壁２ａ
に固定されている。周面四個所にボルト穴２５を設けた
のは、後述するように折畳みの場合に利用するものであ
る。

【００１７】また、取付管２０ａ、２０ｂ、２０ｃ、２
０ｄには、養生用仮設材１１が自体の重みで開口部２内
に落下しないように、落下防止用ストッパー２３ａ、２
３ｂ、２３ｃ、２３ｄを取付けている。

【００１８】手摺１３ａ、１３ｂ、１３ｃ、１３ｄと、
中桟１４ａ、１４ｂ、１４ｃ、１４ｄは同じ形状ものも
のが使用されている。しかし、これに限定されない。手
摺１３ａ、１３ｂ、１３ｃ、１３ｄは外パイプ２７ａ、
２７ｂ、２７ｃ、２７ｄに内パイプ２６ａ、２６ｂ、２
６ｃ、２６ｄの先端部を嵌合させて構成されている。同
様に中桟１４ａ、１４ｂ、１４ｃ、１４ｄは外パイプ３
３ａ、３３ｂ、３３ｃ、３３ｄに内パイプ３２ａ、３２
ｂ、３２ｃ、３２ｄの先端部を嵌合させて構成されて、
後述するように、外パイプ内に内パイプを伸縮させて長
さの調整をてきるようにしている。

【００１９】分割型上部パイプ１７ａ、１７ｂ、１７
ｃ、１７ｄは手摺１３ａ、１３ｂ、１３ｃ、１３ｄと中
桟１４ａ、１４ｂ、１４ｃ、１４ｄの間隔を所定の間隔
にするのに使用され、分割型下部１９ａ、１９ｂ、１９
ｃ、１９ｄは中桟１４ａ、１４ｂ、１４ｃ、１４ｄと取
付管２０ａ、２０ｂ、２０ｃ、２０ｄの間隔を所定の間
隔にするのに使用されている。また、複数の短管で構成
して調整に用いることもできる。

【００２０】次に、本発明に用いる手摺と中桟を図４、
図５、図６により詳述する。図４は本発明に用いる手摺
及び中桟を示す平面図であり、図５は図４の側面図であ
り、図６は図５の要部詳細側面図である。

【００２１】図１〜図３と共通する箇所は同じ符号を付
けて、説明の一部を省略した。ここでは手摺と中桟は同
じ形状のものを用いているので、代表として手摺１３ｂ
により詳述する。手摺１３ｂは外パイプ２７ｂに内パイ
プ２６ｂの一部を嵌合させて構成されている。内パイプ
２６ｂには、長手方向に抜け防止用兼固定用の穴２８ｂ
を複数個設けて、外パイプ２７ｂに嵌合した際に外パイ
プ２７ｂに設けた抜け防止用兼固定用の穴２９ｂを介し
てビス３０を貫通させて、手摺１３ｂの長さを伸縮可能
にしている。ビス３０にはくさり３１を付けて抜けない
ようにしている。

【００２２】手摺端部１６ｂには軸材貫通穴３２ｂを設
け、軸材を貫通てきるようにしている。上記内パイプ２
６ｂの抜け防止用兼固定用の穴２８ｂの間隔は一例とし
て４０ｍｍにしている。

【００２３】図１〜図６の実施の形態から明らかなよう
に、本発明によれば、複数の支柱に伸縮可能に手摺と中
桟が取付けられており、且つ開口部垂直壁取付管２０
ａ、２０ｂ、２０ｃ、２０ｄが開口部垂直壁２ａにボル
ト２４により固定されるので、床スラブ開口部が異なっ
ても、それに対応させて簡便に組立てることができる。

【００２４】次に、本発明の養生用仮設材の非使用時の
折畳み手段を図７、図８により詳述する。

【００２５】図７は本発明の非使用時の折畳みの状態を
示す平面図であり、図８は図７の側面図である。図１〜
図６と同じ個所は同じ符号を付けて、説明の一部を省略
した。養生用仮設材１１は折畳まれて、持運びが容易に
されている。図７、図８に示すように、手摺１３ａ、１
３ｂ、１３ｃ、１３ｄを構成する外パイプ２７ａ、２７
ｂ、２７ｃ、２７ｄと内パイプ２６ａ、２６ｂ、２６
ｃ、２６ｄが伸縮により最小の長さまで伸縮され、支柱
１２ａ、１２ｂ、１２ｃ、１２ｄの図示しない軸材を回
動して、折畳まれている。

【００２６】この場合、後述するように、周面四個所に
９０度間隔にボルト穴２５を設け、落下防止用ストッパ
ー２３ａ、２３ｂ、２３ｃ、２３ｄを設けている取付管
２０ａ、２０ｂ、２０ｃ、２０ｄは回動されて、落下防
止用ストッパーの落下防止の役割を解除させ、折畳みを
し易くする。また、折畳んだ後にボルト穴２５にボルト
を挿入して固定する。

【００２７】次に、落下防止用ストッパー２３ａ、２３
ｂ、２３ｃ、２３ｄについて詳述する。図９は本発明に
用いる落下防止用ストッパーの落下防止の状態を示す側
面図であり、図１０は折畳まれた状態を示す側面図であ
り、図１１は図１０の平面図である。

【００２８】図１〜図３と同じ個所には同じ符号を用い
て、説明の一部を省略した。ここでは代表として防止用
ストッパー２３ａについて説明する。

【００２９】図９において、取付管２０ａは落下防止用
ストッパー２３ａがスラブ１に載置するように、開口部
垂直壁２ａにボルト２４により固定されている。これに
よって、養生用仮設材が開口部２に落下するのを防止で
きる。

【００３０】図１０において、取付管２０ａを１８０°
回動させて落下防止用ストッパー２３ａの位置を養生用
仮設材の内側に向けて、折畳みを容易にしている。

【００３１】以上のように、本発明によれば、養生用仮
設材の特徴を保持すると共に、複数の支柱に伸縮可能に
手摺と中桟が取付けられているので、床スラブ開口部が
異なっても、それに対応させて簡便に組立てることがで
き、また、支柱に、手摺と中桟が軸支されて組立てられ
ているので、仮設終了後に折畳んでかたずけることがて
きる。

【００３２】

【発明の効果】本発明は簡便な構造により取付け、取外
しが簡単で、養生用仮設材の製作等による材料の無駄を
無くし、墜落等を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態を示す一部切欠を有する
斜視図である。

【図２】図１の平面図である。

【図３】図１のＣ−Ｃ線矢視による側面図である。

【図４】本発明に用いる手摺及び中桟を示す平面図であ
る。

【図５】図４の側面図である。

【図６】図５の要部詳細側面図である。

【図７】本発明の非使用時における折畳みの状態を示す
平面図である。

【図８】図７の側面図である。

【図９】本発明に用いる落下防止用ストッパーの落下防
止の状態を示す側面図である。

【図１０】図１０は折畳まれた状態を示す側面図であ
る。

【図１１】図１０の平面図である。

【図１２】従来の養生用仮設材の第一の手段の状態を示
す斜視図である。

【図１３】図１２のＡ−Ａ線矢視による断面図である。

【図１４】従来の養生用仮設材の第二の手段の状態を示
す斜視図である。

【図１５】図１４のＢ−Ｂ線矢視による断面図である。

【符号の説明】

１ 床スラブ ２ 開口部 ２ａ 開口部垂直壁 １１ 養生用仮設材 １２ａ、１２ｂ、１２ｃ、１２ｄ 支柱 １３ａ、１３ｂ、１３ｃ、１３ｄ 手摺 １４ａ、１４ｂ、１４ｃ、１４ｄ 中桟 １５ａ、１５ｂ、１５ｃ、１５ｄ 手摺固定用のネジハ
ンドル １６ａ、１６ｂ、１６ｃ、１６ｄ 軸材貫通穴を有する
手摺端部 １７ａ、１７ｂ、１７ｃ、１７ｄ 分割型上部パイプ １８ａ、１８ｂ、１８ｃ、１８ｄ 軸材貫通穴を有する
中桟端部 １９ａ、１９ｂ、１９ｃ、１９ｄ 分割型下部パイプ ２０ａ、２０ｂ、２０ｃ、２０ｄ 取付管 ２１ａ、２１ｂ、２１ｃ、２１ｄ 軸材 ２２ａ、２２ｂ、２２ｃ、２２ｄ 軸材脚部固定部材 ２３ａ、２３ｂ、２３ｃ、２３ｄ 落下防止用ストッパ
ー ２４ ボルト ２５ ボルト穴 ２６ａ、２６ｂ、２６ｃ、２６ｃ 内パイプ（手摺） ２７ａ、２７ｂ、２７ｃ、２７ｄ 外パイプ（手摺） ２８ｂ 抜け防止用兼固定用の穴（内パイプ） ２９ｂ 抜け防止用兼固定用の穴（外パイプ） ３０ ビス ３１ くさり ３２ａ、３２ｂ、３２ｃ、３２ｄ 内パイプ（中桟） ３３ａ、３３ｂ、３３ｃ、３３ｄ 外パイプ（中桟）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 直史 東京都千代田区丸の内一丁目１番２号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 小林 一人 東京都千代田区丸の内一丁目１番２号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 可知 伸之 東京都千代田区丸の内一丁目１番２号 日 本鋼管株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 床スラブの開口部養生用仮設材であっ
   て、前記養生用仮設材は、複数の支柱と、該支柱に取付
   けた、伸縮可能な手摺と中桟とからなることを特徴とす
   る開口部養生用仮設材。
2. 【請求項２】 支柱に、手摺と中桟が軸支されたことを
   特徴とする請求項１記載の開口部養生用仮設材。