JP2000290587A - 缶内面塗料 - Google Patents

缶内面塗料

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JP2000290587A
JP2000290587A JP10016099A JP10016099A JP2000290587A JP 2000290587 A JP2000290587 A JP 2000290587A JP 10016099 A JP10016099 A JP 10016099A JP 10016099 A JP10016099 A JP 10016099A JP 2000290587 A JP2000290587 A JP 2000290587A
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dicarboxylic acid
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Tadashi Inukai
忠司 犬飼
Tomoharu Kurita
智晴 栗田
Hiroki Yamaguchi
裕樹 山口
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐薬品性、折り曲げ加工性に優れた缶内面塗料
を提供する。 【解決手段】好ましくは脂肪族成分を50モル%以下含
み、イソホロン及び/又は4、4’−ジシクロヘキシル
メタン残基を有する脂環族ポリアミド樹脂を主たる成分
とする缶内面塗料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な缶内面塗料に
関する。更に詳しくは、特殊なポリアミド樹脂を用いた
耐薬品性に優れた薬品用缶の内面塗料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、薬品用缶の内面塗料にはアルキド
樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミドイミド
樹脂などが用いられているが、アルキド樹脂、メラミン
樹脂、エポキシ樹脂は耐薬品性が必ずしも十分でなく、
又耐薬品性を向上させようと架橋密度を上げると折り曲
げ加工性が損なわれたりしていた。又、近年、環境ホル
モンに対する関心が強く、エポキシ樹脂などは敬遠され
がちである。また、ポリアミドイミド樹脂はその優れた
耐薬品性と強靱性から薬品用缶内面塗料に適しているが
アルカリ性薬品に弱く、価格が高いという欠点があっ
た。一方、ポリアミド樹脂は強靱性、加工性、耐ガス透
過性等の優れた特性から繊維、フィルム、成型物等に応
用されている。更に、脂環族ポリアミド樹脂は熱成型
性、透明性に優れるため光学用途の成型材料などにも応
用されている。しかしながら従来のポリアミド樹脂は耐
酸、耐アルカリ性が必ずしも十分でなくアルコールにも
弱く、又接着性も不充分なためその用途が限られてい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】塗料分野、特に薬品缶
内面用の塗料において耐酸、耐アルカリ性、耐有機薬品
性に優れ、成型加工性、密着性に優れた塗料が要望され
ている。本発明者等はこれらの課題を解決すべく鋭意研
究した結果本発明に到達した。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、脂環族成
分、好ましくはイソホロン及び/又はジシクロヘキシル
メタン残基を有し、更に好ましくは脂肪族成分を50モ
ル%以下含有するポリアミド樹脂を好ましくは溶液重合
した溶液を主たる成分とする缶内面塗料に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳細に説明す
る。本発明のポリアミド樹脂はジカルボン酸とジアミン
又はジイソシアネートから溶融重合又は溶液重合で製造
することが出来るが、用途が塗料であるからジイソシア
ネートを用いた溶液重合を行いそのまま塗料ベース溶液
として用いるのが好ましい。この場合用いる溶剤として
は非プロトン性、極性溶剤で沸点が比較的高いN,N’
−ジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトア
ミド、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクト
ン及びこれらを主体にした混合溶剤が好ましい。
【0006】本発明の特徴はイソホロン及び/又はジシ
クロヘキシルメタン残基を含有せしめ、溶剤溶解性と耐
薬品性を両立させ、密着性、折り曲げなどの加工性にも
優れたポリアミド樹脂を缶内面塗料に用いることであ
る。イソホロン、ジシクロヘキシルメタン残基の導入は
酸成分とアミン(イソシアネート)成分のいずれでも構
わないが、原料価格、反応性などからアミン(イソシア
ネート)成分から導入するのが好ましい。
【0007】本発明のポリアミド樹脂の合成に用いられ
るジカルボン酸としては芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジ
カルボン酸、脂環族ジカルボン酸が挙げられる。
【0008】芳香族ジカルボン酸としては、イソフタル
酸、5ーtertーブチルー1、3ーベンゼンジカルボン
酸、テレフタル酸、ジフェニルメタンー4、4’ージカ
ルボン酸、ジフェニルメタンー2、4ージカルボン酸、
ジフェニルメタン3、4ージカルボン酸、ジフェニルメ
タン3、3’ージカルボン酸、1、2ージフェニルエタ
ンー4、4’ージカルボン酸、ジフェニルエタンー2、
4ージカルボン酸、ジフェニルエタンー3、4ージカル
ボン酸、ジフェニルエタンー3、3’ージカルボン酸、
2、2ービス(4ーカルボキシフェニル)プロパン、2
ー(2ーカルボキシフェニル)ー2ー(4ーカルボキシ
フェニル)プロパン、2ー(3ーカルボキシフェニル)
ー2ー(4ーカルボキシフェニル)プロパン、ジフェニ
ルエーテルー4、4’ージカルボン酸、ジフェニルエー
テルー2、4ージカルボン酸、ジフェニルエーテルー
3、4ージカルボン酸、ジフェニルエーテルー3、3’
ージカルボン酸、ジフェニルスルホン3、4ージカルボ
ン酸、ジフェニルスルホンー3、3’ージカルボン酸、
ベンゾフェノンー4、4’ージカルボン酸、ベンゾフェ
ノンー3、3’ージカルボン酸、ピリジンー2、6ージ
カルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、ビス[(4ーカ
ルボキシ)フタルイミド]ー4、4’ージフェニルエー
テル、ビス[(4ーカルボキシ)フタルイミド]ーα、
α’ーメタキシレン等及びこれらの酸塩化物が挙げら
れ、これらの中ではイソフタル酸、テレフタル酸が好ま
しい。
【0009】脂環族ジカルボン酸としては、1、4ーシ
クロヘキサンジカルボン酸、1、3ーシクロヘキサンジ
カルボン酸、4、4’ージシクロヘキシルメタンジカル
ボン酸、イソホロンジカルボン酸、ダイマー酸等及びこ
れらの酸塩化物が挙げられ、4、4’ジシクロヘキシル
メタンジジカルボン酸、イソホロンジカルボン酸が好ま
しい。
【0010】脂肪族ジカルボン酸としては、シュウ酸、
マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ド
デカン二酸、トリデカン二酸及びこれらの酸塩化物が挙
げられ、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸が好ま
しい。
【0011】本発明のポリアミド樹脂の本質を損なわな
い範囲で上記ジカルボン酸の一部を多価カルボン酸で置
き換えることが出来る。多価カルボン酸としては、ブタ
ンー1、2、3、4ーテトラカルボン酸、ピロメリット
酸、ベンゾフェノンー3、3’4、4’ーテトラカルボ
ン酸、ジフェニルエーテルー3、3’、4、4’ーテト
ラカルボン酸、ビフェニルー3、3’、4、4’ーテト
ラカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、トリメリ
ット酸等、及びこれらの酸無水物、酸塩化物が挙げられ
る。多価カルボン酸の使用は本発明のポリアミド樹脂に
架橋性を付与するのに特に有効である。
【0012】一方、アミン成分としては、ジアミン及び
ジイソシアネートが挙げられ特に制限されないが前記の
ような理由からジイソシアネートが好ましい。
【0013】ジアミンとしてはイソホロンジアミン及び
/又はジシクロヘキシルメタンジアミンが特に好まし
く、それ以外では例えば、mーフェニレンジアミン、p
ーフェニレンジアミン、mーキシリレンジアミン、pー
キシリレンジアミン、1、4ーナフタレンジアミン、
1、5ーナフタレンジアミン、2、6ーナフタレンジア
ミン、2、7ーナフタレンジアミン、2、2ービス(4
ーアミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4、4’
ージアミノジフェニルメタン、4、4’ージアミノジフ
ェニルスルホン、3、3’−ジアミノジフェニルスルホ
ン、4、4’ジアミノジフェニルエーテル、3、3’ジ
アミノジフェニルエーテル、3、4ージアミノジフェニ
ルエーテル、3、4ージアミノビフェニル、4、4’ジ
アミノベンゾフェノン、3、3’ジアミノベンゾフェノ
ン、イソプロピリデンジアニリン、oートリジン、2、
4ートリレンジアミン、1、3ービス(3ーアミノフェ
ノキシ)ベンゼン、1、4ービス(4ーアミノフェノキ
シ)ベンゼン、1、3ービス(4ーアミノフェノキシ)
ベンゼン、2、2ービス[4ー(4ーアミノフェノキ
シ)フェニル]プロパン、ビス[4ー(4ーアミノフェ
ノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4ー(3ーアミノ
フェノキシ)フェニル]スルホン、4、4’ービス(4
ーアミノフェノキシ)ビフェニル、2、2ービス[4ー
(4ーアミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプ
ロパン、4、4’ージアミノジフェニルスルフィド、
3、3’ジアミノジフェニルスルフィド、等の芳香族ジ
アミン、メチレンジアミン、エチレンジアミン、プロピ
レンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレ
ンジアミン、ヘキサフルオロメチレンジアミン、ヘキサ
フルオロイソプロピリデンジアミン、等の脂肪族ジアミ
ンが挙げられる。これらの中では4、4’ージアミノジ
フェニルメタン、ヘキサメチレンジアミンが好ましい。
【0014】また、ジイソシアネートとしては上記ジア
ミンのアミノ基を−N=C=O基に置き換えたものなど
が挙げられる。これらの中ではジフェニルメタン4、
4’ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、4、4’ジシクロヘ
キシルメタンジイソシアネート又はこれらの混合物が反
応性、、溶解性、コストなどの点から好ましい。
【0015】上記酸成分、アミン成分は通常、等モル混
合して合成されるが、必要に応じて一方の成分を多少増
減させることが出来る。又反応速度を調節するためアル
カリ金属及びその塩、アルカリ土類金属及びその塩、ア
ミン類などの有機塩基等の触媒を用いても構わない。
【0016】本発明のポリアミド樹脂は耐薬品性が要求
される缶内面塗料に好適である。本発明のポリアミド樹
脂が溶液重合法で製造された場合は前記のように重合溶
液をそのまま塗料として使用することが出来る。更に、
該重合用溶剤の一部をトルエン、キシレンなどの炭化水
素系溶剤に、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系
溶剤に、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテ
ル系溶剤に、アセトン、メチルエチルケトンなどのケト
ン系溶剤に、又、メタノール、エタノールなどのアルコ
ール系溶剤に置き換えることが可能である。溶融重合法
で製造される場合は重合した後有機溶剤に溶解して塗料
にする。この場合に用いられる有機溶剤としては上記の
溶液重合法で用いることの出来た溶剤系をそのまま用い
ることが出来る。
【0017】本発明のポリアミド樹脂には、その本来の
特性を損なわない範囲で必要に応じて各種の添加剤を配
合することが出来る。添加成分としては、例えば、ポリ
エステル、他のポリアミド、ポリアミドイミド、アクリ
ル樹脂、ウレタン樹脂、NBR,SBR等のゴム類、架
橋剤としてエポキシ化合物、メラミン化合物、多官能ア
クリル、多官能イソシアネート、可塑剤としてのエステ
ル類、シリカ、酸化チタン、硫酸バリウム、タルク等の
無機フィラー、カーボンブラック、界面活性剤、ポリア
ニリン等の帯電防止剤、染料、顔料、シリコーンやアク
リル系のレベリング剤や消泡剤等が挙げられる。
【0018】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるも
のではない。
【0019】尚、各種特性の測定は以下の方法で行っ
た。 1.対数粘度:ポリマー0.5gを100mlのN−メ
チルー2ーピロリドンに溶解し、25℃でウベローデ粘
度管を用いて測定した。 2.密着性:暑さ0.3mmのアルミ板に乾燥膜厚が約
5μとなるように塗布し、230℃で10分乾燥、焼き
付けした後、碁盤目法により測定した。 3.耐薬品性:密着性の評価に用いた塗装板を50℃の
薬品中に24時間浸漬した後の外観により評価した。 4.成型性:密着性の評価に用いた塗装板を0.3mm
のアルミ板を挟んで塗膜を外側にして折り曲げた時に塗
膜に割れ、剥離が発生しないアルミ板の最大枚数で評価
した。
【0020】実施例1 ポリアミドA 反応容器に、セバシン酸202g、イソホロンジイソシ
アネート222g、フッ化カリウム1.2gを336g
のN−メチルー2ーピロリドンと共に仕込み、130℃
で2時間反応させた後、180℃に昇温して更に5時間
反応させ、冷却しながら336gのNーメチルー2ーピ
ロリドンと336gのキシレンで希釈した。得られたポ
リアミド樹脂Aの対数粘度は0.41dl/gであっ
た。このポリアミド樹脂A溶液単独及び、該ポリアミド
樹脂A固形分100部に対して10部となるように油化
シェル社のエポキシ樹脂エピコート828を配合した塗
料を0.3mmのアルミ板に乾燥膜厚で約5μ塗布、2
30℃で10分焼き付けを行った。特性を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】実施例2 ポリアミドB 反応容器にセバシン酸101g、アジピン酸73g、ジ
シクロヘキシルメタン4、4’ジイソシアネート131
g、イソホロンジイソシアネート111g、フッ化カリ
ウム1.2gを328gのN−メチルー2ーピロリドン
と共に仕込み130℃で2時間、180℃で5時間反応
させた後、冷却しながら656gのN−メチルー2ーピ
ロリドンで希釈して固形分濃度が25%で対数粘度が
0.47dl/gのポリアミド樹脂B溶液を得た。この
ポリアミド樹脂溶液を実施例1と同じ方法でアルミ板に
塗布、焼き付けを行い性能を評価した。その結果密着性
は100%、成型性は0T、耐薬品性はポリアミドAと
同じ性能を示した。
【0023】実施例3 ポリアミドC 反応容器にイソフタル酸166g、セバチン酸202
g、ジフェニルメタンジイソシアネート250g、イソ
ホロンジイソシアネート222gを665gのN−メチ
ルー2ーピロリドンと共に仕込み、130℃で2時間反
応させた後、180℃に昇温して更に5時間反応させ、
冷却しながら333gのN−メチルー2ーピロリドンと
554gのキシレンで希釈して固形分濃度が25%、対
数粘度が0.37dl/gのポリアミド樹脂C溶液を得
た。このポリアミド樹脂溶液を実施例1と同じ方法でア
ルミ板に塗布、焼き付けを行い性能を評価した。その結
果密着性は100%、成型性は0T、耐薬品性はポリア
ミド樹脂AやBと同じ性能を示した。
【0024】比較例1 反応容器にアジピン酸146g、ヘキサメチレンジイソ
シアネート168g、フッ化カリウム1.2gを226
gのN−メチルー2ーピロリドンと共に仕込み、130
℃で2時間、180℃で5時間反応させ、脂肪族ポリア
ミドを合成したが重合の進行に伴いポリマーが析出、不
溶化してしまった。
【0025】比較例2 反応容器にイソフタル酸166g、ジフェニルメタン
4、4’ジイソシアネート250g、フッ化カリウム
1.2gを765gのN−メチルー2ーピロリドンと共
に仕込み100℃で2時間、180℃で5時間反応させ
た後冷却しながら547gのN−メチルー2ーピロリド
ンで希釈して固形分濃度が20%、対数粘度0.35d
l/gの芳香族ポリアミド樹脂を合成した。この樹脂溶
液は経時的に粘度が増加して約1ケ月後に不溶化してし
まった。
【0026】
【発明の効果】本発明は、アルコール類に不溶なイソホ
ロン及び/又はジシクロヘキシルメタン残基を含むポリ
アミド樹脂を主体にした、耐薬品性、金属への密着性、
成型性などに優れる薬品用の缶の内面塗料に好適な材料
を提供することが出来る。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J038 DG081 DG271 DH021 LA01 MA07 MA09 NA04 NA12 PB04 PC02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂環族成分を含有するポリアミド樹脂を
    主たる成分とする缶内面塗料。
  2. 【請求項2】 脂環族成分がイソホロン及び/又は4、
    4’−ジシクロヘキシルメタン残基である請求項1に記
    載のポリアミド樹脂を主たる成分とする缶内面塗料。
  3. 【請求項3】 脂肪族成分を50モル%以下含有するこ
    とを特徴とする請求項1、2に記載の缶内面塗料。
  4. 【請求項4】 N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチ
    ロラクトン、N,N’−ジメチルアセトアミド、N,
    N’−ジメチルホルムアミドの一種又は二種以上を溶媒
    として溶液重合した溶液を用いることを特徴とした請求
    項1、2、3に記載の缶内面塗料。
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