JP2000290155A - 刺激抑制剤、組成物および洗浄剤 - Google Patents

刺激抑制剤、組成物および洗浄剤

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JP2000290155A
JP2000290155A JP11103320A JP10332099A JP2000290155A JP 2000290155 A JP2000290155 A JP 2000290155A JP 11103320 A JP11103320 A JP 11103320A JP 10332099 A JP10332099 A JP 10332099A JP 2000290155 A JP2000290155 A JP 2000290155A
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copolymer
meth
monomer
irritation
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JP11103320A
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English (en)
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Mamoru Tsuchida
衛 土田
Shinji Tanaka
信治 田中
Kunio Shimada
邦男 島田
Kazuhiko Ishihara
一彦 石原
Norio Nakabayashi
宣男 中林
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Original Assignee
NOF Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水洗などにより容易に脱落しない刺激抑制
剤、それを含有する刺激抑制剤含有組成物および台所用
洗浄剤を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1) 【化1】 {式中、R1、R2およびR3は、それぞれ同一であって
も異なる基であってもよく、水素原子または炭素数1〜
4のアルキル基を示し、R4は−(BO)n−B−で表
される基(ここでBは炭素数2〜12のアルキレン基を
示し、nは0〜10の整数を示す。)を示す。またR5
は水素原子またはメチル基を示し、mは2〜4の整数を
示す。}で表されるホスホリルコリン類似基含有単量体
(a)と疎水性単量体(b)との共重合体であって、単
量体(a)に基づく構成単位の含有割合が10〜95モ
ル%であり、重量平均分子量が1,000〜10,00
0,000である共重合体からなる刺激抑制剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、刺激抑制剤、刺激
抑制剤含有組成物および台所用洗浄剤に関する。
【0002】
【従来技術】生活環境の変化により人間は各種刺激物質
に常に曝されている。これらのためアトピー性皮膚炎患
者や花粉症患者の増大、また過去には存在しなかったよ
うな疾患などが大きな社会問題となっている。皮膚科領
域の世界でも各種刺激物質に曝されているため各種刺激
に敏感になり今まで刺激を起こさなかった様な物質に過
敏に反応してしまう人や皮膚外用剤の有効成分として新
たに見いだされた物質の刺激などによる炎症が問題とな
っている。従来はこれら炎症に対して炎症が起こってか
ら抗炎症剤を配合した薬剤を塗布し炎症を鎮めることや
表皮を各種保湿剤により保護し皮膚機能を高める手法な
どが用いられていた。
【0003】一方、ホスホリルコリン類似基を含有する
重合体は、これを含む組成物を皮膚に塗布することによ
り角質層を保護する膜を形成し、優れた保湿効果を発現
することが開示されている(特開平5−40321号公
報)。また前記ホスホリルコリン類似基含有単量体のみ
を用いた重合体が刺激物質に由来する刺激を抑制するこ
とが知られていた(特開平9−315949号公報)。
しかしながら、ホスホリルコリン類似基を有する単量体
のみを用いた重合体は親水性の度合が高く、その後の水
洗いにより容易に除去されてしまい、例えば海水浴時お
よび日常行われる台所での食器洗いなどの作業ではその
効果を長期に保持することが難しい問題がある。従って
塗布後水洗により容易に脱落しない常に効果を発揮し続
ける刺激抑制剤の開発が望まれていた。特に冬季におけ
る乾燥と界面活性剤の度重なる刺激に曝されて起こる主
婦湿疹などにおいてはこれらの刺激を緩和し症状を軽減
もしくは起こさない台所用洗浄剤の開発が望まれてい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、水洗
などにより容易に脱落しない刺激抑制剤、それを含有す
る刺激抑制剤含有組成物および台所用洗浄剤を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記問題
に鑑み、鋭意検討した結果、特定の比率の一般式(1)
で表されるホスホリルコリン類似基含有単量体(a)と
共重合可能な単量体(b)との共重合体が前記の刺激抑
制効果と長期の効果の持続性を合わせ持つことの知見を
得て、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、
次の(1)〜(4)である。 (1)下記一般式(1)
【0006】
【化2】
【0007】{式中、R1、R2およびR3は、それぞれ
同一であっても異なる基であってもよく、水素原子また
は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R4は−(BO)
n−B−で表される基(ここでBは炭素数2〜12のア
ルキレン基を示し、nは0〜10の整数を示す。)を示
す。R5は水素原子またはメチル基を示し、また、mは
2〜4の整数を示す。}で表されるホスホリルコリン類
似基含有単量体(a)と疎水性単量体(b)との共重合
体であって、単量体(a)に基づく構成単位の含有割合
が10〜95モル%である共重合体からなる刺激抑制
剤。
【0008】(2)疎水性単量体(b)が、メチル(メ
タ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートおよび
2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートからなる群よ
り選ばれる疎水性単量体の1種または2種以上である前
記の刺激抑制剤。 (3)前記刺激抑制剤を0.001〜20重量%含有し
てなる刺激抑制剤含有組成物。 (4)前記刺激抑制剤を0.001〜20重量%含有し
てなる台所用洗浄剤。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で用いる刺激抑制剤とは、
下記一般式(1)
【0010】
【化3】
【0011】で表されるホスホリルコリン類似基含有単
量体(a)と、疎水性単量体(b)との共重合体(以下
PC共重合体と略す。)であって、共重合体中の単量体
(a)に基づく構成単位の含有割合が10〜95モル%
である。
【0012】ここで式中、R1、R2およびR3は、それ
ぞれ同一であっても異なる基であってもよく、水素原子
または炭素数1〜4のアルキル基を示し、R4は−(B
O)n−B−で表される基(ここでBは炭素数2〜12
のアルキレン基を示し、nは0〜10の整数を示す。)
を示す。またR5水素原子またはメチル基を示し、mは
2〜4の整数を示す。
【0013】本発明において、「(メタ)アクリロイ
ル」は、「アクリロイル」および/または「メタクリ
イル」を意味する。このような一般式(1)で表される
ホスホリルコリン類似基含有単量体(a)の具体的な例
としては、例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシエ
チル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェ
ート{このうち2−メタクリロイルオキシエチル−2’
−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート(=2
−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンともい
う(以下、MPCと略記)}、2−(メタ)アクリロイ
ルオキシプロピル−2’−(トリメチルアンモニオ)エ
チルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシブ
チル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェ
ート、2−(メタ)アクリロイルオキシペンチル−2’
−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−
(メタ)アクリロイルオキシヘキシル−2’−(トリメ
チルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(メタ)ア
クリロイルオキシエチル−2’−(トリエチルアンモニ
オ)エチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオ
キシエチル−2’−(トリプロピルアンモニオ)エチル
ホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル
−2’−(トリブチルアンモニオ)エチルホスフェー
ト、
【0014】3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル
−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェー
ト、4−(メタ)アクリロイルオキシブチル−2’−
(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、5−
(メタ)アクリロイルオキシペンチル−2’−(トリメ
チルアンモニオ)エチルホスフェート、6−(メタ)ア
クリロイルオキシヘキシル−2’−(トリメチルアンモ
ニオ)エチルホスフェート、3−(メタ)アクリロイル
オキシプロピル−3’−(トリメチルアンモニオ)プロ
ピルホスフェート、4−(メタ)アクリロイルオキシブ
チル−3’−(トリメチルアンモニオ)プロピルホスフ
ェート、5−(メタ)アクリロイルオキシペンチル−
3’−(トリメチルアンモニオ)プロピルホスフェー
ト、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシル−3’−
(トリメチルアンモニオ)プロピルホスフェート、
【0015】2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−
4’−(トリメチルアンモニオ)ブチルホスフェート、
3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−4’−(ト
リメチルアンモニオ)ブチルホスフェート、4−(メ
タ)アクリロイルオキシブチル−4’−(トリメチルア
ンモニオ)ブチルホスフェート、5−(メタ)アクリロ
イルオキシペンチル−4’−(トリメチルアンモニオ)
ブチルホスフェート、6−(メタ)アクリロイルオキシ
ヘキシル−4’−(トリメチルアンモニオ)ブチルホス
フェート等が挙げられる。これらの単量体は単独で用い
てもよいし、2種以上の混合物として用いてもよい。
【0016】より好ましくは、下記の式(2)
【0017】
【化4】
【0018】で示される2−メタクリロイルオキシエチ
ル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェー
トが挙られる。
【0019】さらに好ましくは、前記の共重合体は、疎
水性単量体(b)が、メチル(メタ)アクリレート、ブ
チル(メタ)アクリレートおよび2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレートから選ばれる疎水性単量体に基づ
く構成単位のものが挙げられる。前記の疎水性単量体
(b)は、単独で用いても2種以上を混合して用いても
よい。
【0020】好ましいPC共重合体としては、前記とn
−ブチルメタクリレートとの共重合体である。
【0021】PC共重合体を構成する単量体(a)に基
づく構成単位と共重合可能な疎水性単量体(b)に基づ
く構成単位との含有割合は単量体(a)に基づく構成単
位の含有量が10〜95モル%であることが望ましい。
単量体(a)に基づく構成単位の含有量が95モル%よ
り多いと、親水性の度合が高くなり容易に水洗により脱
落してしまい、また10モル%より少ないと刺激抑制効
果が発揮されない。より好ましくは重合性単量体(a)
に基づく構成単位の含有量が50〜80モル%である。
【0022】またPC共重合体の重量平均分子量は、
1,000〜10,000,000、さらに好ましく
は、5,000〜2,000,000である。重合体の
重量平均分子量が1,000未満であると刺激抑制作用
を発揮することが困難になるので好ましくない。また重
合体の重量平均分子量が10,000,000より大き
いと製品の粘度が高くなり製造し難くなるので好ましく
ない。
【0023】本発明の刺激抑制剤組成物は、前記刺激抑
制剤を含有することを特徴とする。本発明の刺激抑制剤
組成物における刺激抑制剤の好ましい含有量は0.00
1〜20重量%であり、より好ましくは0.1〜5重量
%である。刺激抑制剤の含有量が0.001重量%より
少ないと、刺激抑制作用を発揮することが困難であり、
20重量%を越えて添加してもそれに見合うだけの著し
い効果の増大は期待できない。
【0024】本発明の台所用洗浄剤は、前記刺激抑制剤
を含有することを特徴とする。本発明の台所用洗浄剤に
おける刺激抑制剤の好ましい含有量は、0.001〜2
0重量%であり、より好ましくは0.1〜5重量%であ
る。刺激抑制剤の含有量が0.001重量%より少ない
と、刺激抑制作用を発揮することが困難であり、20重
量%を越えて添加してもそれに見合うだけの著しい効果
の増大は期待できない。
【0025】本発明の刺激抑制剤組成物の用途として
は、化粧料、医薬品、医薬部外品など外皮に適用される
皮膚外用剤として用いることができる。従ってその剤型
も水溶液系、可溶化系、乳化系、粉末系、油液系、ゲル
系、軟膏系、水−油二層系、水−油−粉末三層系など幅
広い形態を取り得る。
【0026】本発明の刺激抑制剤組成物は、PC共重合
体の他に通常化粧品や医薬品などに用いられる水性成
分、粉末、界面活性剤、油剤、保湿剤、アルコール類、
pH調節剤、酵素、防腐剤、防かび剤、酸化防止剤、増
粘剤、色素、香料などを必要に応じて適宜配合すること
により調製される。
【0027】また、本発明の刺激抑制剤組成物は、必要
によりさらに公知の薬剤を添加してもよい。これらの薬
剤としては、例えば、アスコルビン酸誘導体、プラセン
タエキス、グルタチオンなどの美白効果を有する薬剤;
グリセリン、ソルビトールなどの保湿効果を有する薬
剤;グリチルレチン酸誘導体、インドメタシンなどの抗
炎症剤;アロエ、ヘチマ、ユリなどの抽出物;ビオチ
ン、パントテン酸などの賦活剤;ビタミンE誘導体、ニ
コチン酸誘導体などの血行促進剤などが挙げられる。
【0028】本発明の台所用洗浄剤としては、日々台所
で使用される各種洗浄剤(食器用、食品用、台所まわり
用)として使用することができる。従ってその剤型も水
溶液系、可溶化系、乳化系、粉末系、ゲル系など幅広い
形態を取り得る。
【0029】本発明の台所用洗浄剤は、PC共重合体を
含有することを特徴とし、洗浄成分として用いられる界
面活性剤は陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性
剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤など通常台
所用洗浄剤に用いられる各種界面活性剤を用いることが
できる。
【0030】本発明の台所用洗浄剤は、組成物の安定性
や洗浄性能を損なわない範囲で他の任意成分を添加する
ことができる。例えば、粘度鉱物や水溶性高分子物質な
どの粘度調節剤;方解石、珪石、リン酸カルシウム、ゼ
オライト、ポリエチレン、ナイロン、ポリスチレンなど
の水不溶性研磨剤;グリセリン、ソルビトールなどの保
湿剤;その他動植物抽出物、金属キレート、アルコール
類、pH調節剤、有機酸、酵素、香料、色素、防腐剤、
防かび剤などを添加配合することができる。
【0031】
【発明の効果】本発明の刺激抑制剤は、特定のホスホリ
ルコリン類似基含有単量体と疎水性単量体との共重合体
であり、洗浄に対しても皮膚上に残存して刺激抑制効果
を著しく発揮する。また、前記刺激抑制剤を含む刺激抑
制剤含有組成物は、ホスホリルコリン類似基含有単量体
と疎水性単量体との共重合体を含むため刺激防御効果に
優れ、さらに水洗などにより容易に脱落せず長期にわた
り防御効果を示すものである。また本発明の刺激抑制剤
を含む台所用洗浄剤は、界面活性剤等の刺激を抑制し、
肌荒れを起こさない優れた効果を示すものである。
【0032】
【実施例】以下に実施例により本発明を具体的に説明す
る。 合成例1;PC単独重合体の合成 2−メタクリロイルオキシエチル−2’−(トリメチル
アンモニオ)エチルホスフェート(MPC)を表1のよ
うにはかり取り50mlのエタノールに溶解し、重合開
始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを用い、窒素気
流下、55℃で重合反応を行った。反応終了後、アセト
ン2000ml中に沈殿させ、ろ過した。さらにその沈
殿物をエタノールに溶解後アセトン2000mlで再沈
殿を行った。得られた沈殿を60℃で24時間減圧乾燥
を行い、白色固体状の重合体を得た。得られた重合体の
収率およびGPC(展開溶媒;水、標準サンプル;ポリ
エチレングリコール)による重量平均分子量を表1に示
した。
【0033】合成例2〜6;PC共重合体の合成 MPCとn−ブチルメタクリレート(BMA)を表1の
ように用いた他は、合成例1に準じて反応を行い共重合
体を得た。以下前記と同様な方法で測定した。結果を表
1に示した。
【0034】
【表1】
【0035】試験例1;SDS刺激抑制試験 次に用いた刺激抑制の試験方法を示す。 <刺激抑制試験方法>:5週齢の雄性ヘアレスマウス5
匹の背部に1日2回ずつ5%ドデシル硫酸ナトリウム塩
(=SDS、50% エタノール水溶液)溶液をハケで
およそ0.2ml塗布しそのSDS溶液が乾いた後刺激
抑制剤溶液を塗布した。連続5日間塗布後その肌荒れの
状態を表2の肌荒れの判定基準によりスコア化した。対
照としてPC共重合体無添加のものを行った。
【0036】
【表2】
【0037】実施例1 合成例2〜6で合成したPC共重合体1gをそれぞれ1
00mlの30%エタノール水溶液に溶解し1%PC共
重合体溶液を作製しこれを刺激抑制剤として用い前記の
刺激抑制試験を行った。
【0038】比較例1 市販のヒアルロン酸ナトリウム1gを100mlの30
%エタノール水溶液に溶解し1%ヒアルロン酸ナトリウ
ム溶液を作製し、実施例1と同様の試験を行った。実施
例1および比較例1の結果を表3に示す。
【0039】
【表3】
【0040】PC共重合体を含む実施例1では、対照の
薬物無添加群と比較し、また、保湿効果を有している比
較例1のヒアルロン酸ナトリウム群では肌荒れを悪化さ
せる傾向があるのに対して、肌荒れの出現を抑制するこ
とが認められる。
【0041】試験例2−1;台所用洗浄剤刺激抑制試験 次に用いた台所用洗浄剤刺激抑制の試験方法を示す。 <台所用洗浄剤刺激抑制試験方法1>5週齢の雄性ヘア
レスマウス5匹の背部に1日2回ずつ下記の試料溶液を
ハケで塗布した。連続5日間塗布後その肌荒れの状態を
前記の表2の判定基準に従いスコア化した。対照として
PC共重合体無添加群を行った。
【0042】実施例2 7.5%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(L−
ABS)溶液に1%となるように合成例2で合成したP
C共重合体粉末を溶解し、前記の台所用洗浄剤刺激抑制
試験1に供した。結果を表4に示す。
【0043】
【表4】
【0044】L−ABS、PC共重合体を配合した実施
例2は、台所用洗浄剤の成分の肌荒れを抑えることがわ
かる。
【0045】試験例2−2;台所用洗浄剤刺激抑制試験
2 次に用いた台所用洗浄剤刺激抑制の試験方法を示す。 <台所用洗浄剤刺激抑制試験方法2>下記の試料溶液を
用いて前記の台所用洗浄剤刺激抑制試験方法1と同様な
方法で台所用洗浄剤刺激抑制効果を評価した。
【0046】実施例3 7.5%になるように50%エタノール水溶液で希釈し
た市販の台所用洗浄剤(P&G社製、商品名、ジョイ)
に1%となるように合成例2で合成したPC共重合体粉
末を溶解して前記の試験方法にしたがって評価した。結
果を表5に示した。
【0047】
【表5】
【0048】対照では明らかな肌荒れが認められるのに
対して、本発明のPC共重合体を含む実施例3では顕著
な肌荒れが起こらなかったことが分かる。
【0049】試験例3−1;乳酸刺激抑制試験 次に用いた乳酸刺激抑制試験方法をしめす。 <乳酸刺激抑制試験方法>PC共重合体を1%の濃度と
なるように乳酸に溶解し、0.05mlを予め剃毛した
6匹の雌性モルモット腹側部に塗布した。24時間後に
炎症状態を観察し、表6の判定基準によりスコア化し
た。対照としてPC共重合体無添加群を行った。
【0050】
【表6】
【0051】実施例4 PC共重合体として、合成例2で合成したPC共重合体
を、用いて前記の方法にしたがって、評価した。結果を
表7に示す
【0052】
【表7】
【0053】本発明の実施例4は、刺激抑制剤無添加の
対照と比較して炎症を軽減させることができた。
【0054】試験例3−2;α−ヒドロキシ酸混合物刺
激抑制試験 次に用いたα−ヒドロキシ酸混合物刺激抑制試験方法を
示す。 <α−ヒドロキシ酸混合物刺激抑制試験方法>試験溶液
0.1mlをパッチテスト用絆創膏{鳥居薬品(株)社
製}に添加し、予め剃毛したモルモット6匹の腹側部に
貼付し24時間半閉塞パッチテストを行った。パッチテ
スト用絆創膏をはがして24時間後、表6の判定基準に
従いスコア付けした。対照としてPC共重合体無添加群
を行った。
【0055】実施例5 合成例2で合成したPC共重合体を3%の濃度となるよ
うにα−ヒドロキシ酸混合物として40%MFA CO
MPLEX(BARNET社製)に溶解した。前記のα
−ヒドロキシ酸混合物刺激抑制試験方法にしたがい、半
閉塞パッチテストを行って、評価した。結果を表8に示
す。
【0056】
【表8】
【0057】本発明のPC共重合体はα−ヒドロキシ酸
による炎症を低減させることができた。
【0058】PC重合体の皮膚への残存試験: 試験例4;水洗後のPC重合体の残存試験 <PC重合体の皮膚上残存量の測定方法1>PC共重合
体およびPC単独重合体は、皮膚表面に存在することに
より皮膚に保湿性を与えることが知られているが、刺激
抑制剤として重合体の残存量を皮膚保湿性を基準として
角層水負荷試験を行うことにより測定した。即ち、試料
溶液を被試験者(年令25才〜50才の男性、人数10
名)の前腕内側に0.1ml塗布し、1時間後に水洗し
た。塗布部皮膚の角層水分量を水負荷直後、およびその
5分後にSKICON−200(IBS社製)を用いて
測定した。結果を水負荷直後の角層水分量を100とし
て評価した。
【0059】実施例6 合成例2で合成したPC共重合体1gを100mlの5
0%ブチレングリコール溶液に溶かし試料とした。この
試料溶液を用いて、前記のPC重合体の皮膚上残存量の
測定方法1にしたがって水負荷直後の角層水分量を測定
した。
【0060】比較例2 合成例1で合成したPC単独重合体1gを100mlの
50%ブチレングリコール溶液に溶かし試料とし、実施
例6と同様の試験を行った。結果を表9に示した。
【0061】
【表9】
【0062】この表9から明らかなように、本発明のP
C共重合体を用いた実施例6の場合は、水洗を行っても
角層水分量が高く保持できるのに対し、PC単独重合体
は水洗5分後の角層水分量が低く、水分保持ができにく
いことから、実施例では水洗してもPC共重合体が皮膚
に残存し除去され難いの対して、PC単独重合体は除去
され易いことが推定される。
【0063】参考例1:本発明である刺激抑制剤の水洗
後の残存量を測定するために、PC単独重合体の代わり
に蛍光標識したMPC−AM共重合体、およびPC共重
合体の代わりにMPC−BMA−AM共重合体を合成
し、それぞれフルオレセインイソチオシアネート(=F
ITCと略す)化した。それらの重合体を用いて試験
し、水洗後の重合体の残存量について検討した。なお、
アミノエチルメタクリレートをAMと略した。 参考合成例1;FITCラベル化重合体の合成 MPC(a)とアミノエチルメタクリレート(=AM、
c成分)を表10のようにはかり取り50mlのエタノ
ールに溶解し、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニ
トリルを用い、窒素気流下、55℃で重合反応を行っ
た。反応終了後、アセトン2000ml中に沈殿させ、
さらにエタノールに溶解後アセトン2000mlで再沈
殿を行った。得られた沈殿を60℃で24時間減圧乾燥
を行い、白色固体状の重合体を得た。この重合体1gを
100mlの精製水に溶解し50mgのFITCを添加
し室温で24時間かき混ぜて、アミノ基にFITCを結
合させた。結合しなかったFITCを透析により除き凍
結乾燥を行い、FITCラベルPC重合体(PMAと略
す。)を得た。得られた重合体の収率およびGPC(展
開溶媒;水、標準サンプル;ポリエチレングリコール)
による重量平均分子量を表10に示した。
【0064】参考合成例2〜6;FITCラベル化共重
合体の合成 MPC(a)とBMA(b)とAM(c)を表10のよ
うにはかり取り以下は参考合成例1に準じて合成して、
FITCラベルPC−BMA共重合体(PMBAと略
す。)を得た。前記と同様に測定した。得られた重合体
の収率および重量平均分子量を表10に示した。
【0065】
【表10】
【0066】<FITCラベル重合体および共重合体の
洗浄後の皮膚上残存量の測定方法>前記で得たPMAま
たはPMBA、それぞれ0.1gを10mlの精製水に
溶解し1%溶液を作製した。この試料溶液0.1mlを
TESTSKIN{培養ヒト表皮モデル:東洋紡(株)
社製}上においた内径5mmのカップ内に添加し室温で
1時間放置し浸透・吸着させた。PC重合体溶液を除き
リン酸緩衝生理食塩水により洗浄し、洗浄1回目と5回
目にTESTSKINを採取し、樹脂(Tissue−
Tek O.C.T.Compound)に包埋後液体
窒素で凍結した。凍結後クリオスタットで6μmに薄切
し蛍光顕微鏡(オリンパス社製BH2、IB励起)で観
察し、写真撮影後の画像解析により蛍光が認められる部
分の面積を求めた。リン酸緩衝生理食塩水による洗浄の
1回目の面積を100として洗浄5回後の面積を%で示
した。その結果を表11に示した。
【0067】
【表11】
【0068】表11の結果から、参考合成例1のPC単
独重合体に相当するPMAは、洗浄により容易に多く脱
落してしまうのに比較して、本発明の重合体に相当する
参考合成例2〜6のPMBAは洗浄によっても脱落し難
いことがわかる。
【0069】以上の結果を考え合わせると、PC共重合
体を用いた刺激抑制剤は生体を刺激物質から防御する機
能に優れ、さらに水洗により容易に脱落しないものであ
ることがわかる。さらに台所用洗浄剤に添加した場合肌
荒れを抑制することがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島田 邦男 茨城県取手市井野台4−12−6 (72)発明者 石原 一彦 東京都小平市上水本町3−16−37 (72)発明者 中林 宣男 千葉県松戸市小金原5−6−20 Fターム(参考) 4C083 AC102 AD091 AD571 AD572 CC23 EE10 4C086 AA01 AA02 DA42 MA63 NA06 ZA89 4H003 DA17 EB28 FA02 4J100 AL03Q AL04Q AL08P BA65P CA04 DA01 DA28 DA71 JA57

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1) 【化1】 {式中、R1、R2およびR3は、それぞれ同一であって
    も異なる基であってもよく、水素原子または炭素数1〜
    4のアルキル基を示し、R4は−(BO)n−B−で表
    される基(ここでBは炭素数2〜12のアルキレン基を
    示し、nは0〜10の整数を示す。)を示す。またR5
    は水素原子またはメチル基を示し、mは2〜4の整数を
    示す。}で表されるホスホリルコリン類似基含有単量体
    (a)と疎水性単量体(b)との共重合体であって、単
    量体(a)に基づく構成単位の含有割合が10〜95モ
    ル%であり、重量平均分子量が1,000〜10,00
    0,000である共重合体からなる刺激抑制剤。
  2. 【請求項2】疎水性単量体(b)が、メチル(メタ)ア
    クリレート、ブチル(メタ)アクリレートおよび2−エ
    チルヘキシル(メタ)アクリレートからなる群より選ば
    れる疎水性単量体の一種または2種以上である請求項1
    記載の刺激抑制剤。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の刺激抑制剤を0.
    001〜20重量%含有してなる刺激抑制剤含有組成
    物。
  4. 【請求項4】請求項1または2記載の刺激抑制剤を0.
    001〜20重量%含有してなる台所用洗浄剤。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2017104533A (ja) * 2015-12-08 2017-06-15 ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド 腕輪又はストラップ

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