JPWO2020004580A1 - 乳酸菌を含有する体臭発生抑制剤 - Google Patents

乳酸菌を含有する体臭発生抑制剤 Download PDF

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Abstract

皮膚に常在する有害菌の割合を特異的に減少させることにより、不快な体臭を軽減する手段及び薬剤を提供する。エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)EC−12株(受託番号FERM BP−10284)の菌体を有効成分として含有する体臭発生抑制剤と、それを利用した皮膚外用剤、洗濯用組成物、ならびに衛生シート材。

Description

クロスリファレンス
本出願は、2018年6月28日に日本国において出願された特願2018−122881号に基づく優先権を主張するものであり、当該出願に記載された内容は全て、参照によりそのまま本明細書に援用される。また、本願において引用した全ての特許、特許出願及び文献に記載された内容は全て、参照によりそのまま本明細書に援用される。
本発明は、乳酸菌を含む体臭発生抑制剤に関し、詳細には、乳酸球菌であるエンテロコッカス・フェカリスEC−12株を含む皮膚外用剤、洗濯用組成物または衛生シート材等の形態を有する体臭発生抑制剤に関する。
近年、生活の多様化、生活態様や意識の変化・向上などに伴い、身の周りの様々な臭気に対して注意が向けられている。特に、人が放つ体臭については、無臭であることが好まれ、臭うことは嫌われる傾向が強くなってきている。例えば、中高年以降にみられるいわゆる加齢臭は、特に嫌われる匂いの一つといえる。加齢に伴って特異的に生じるこの体臭は、不飽和アルデヒドの一種である2−ノネナールによるものであることが明らかになっている。2−ノネナールは、加齢臭が発生する年齢とされる40歳以降に特異的に増大する傾向が認められ(非特許文献1)、その発生メカニズムについては、皮脂中に存在する不飽和脂肪酸(9−ヘキサデセン酸)が酸化あるいは皮膚常在菌によって分解されることによるものであるとされている。
体臭に対する意識は、老若男女を問わず一層高まる傾向にあり、それに関連するエチケット製品の市場ブームは加速的に進んでいる。こうしたエチケット製品の体系としては洗濯用品をはじめ、玄関・トイレ・部屋用の消臭剤、ボディー又はヘアー用洗浄剤や消臭剤、人体衛生用シートなど、ありとあらゆる日常の生活場面で使用されている。
例えば、皮膚に外用する消臭剤では、殺菌・静菌を主な目的として、アルミニウム化合物、銀化合物、亜鉛化合物、銅化合物、アルコール類、植物抽出エキス、環状糖などが用いられる。しかしながら、皮膚の良好状態を保つための有用菌に対してもその影響を与えることが知られている。そして金属化合物においては、金属アレルギーや皮膚刺激を引き起こす恐れがあるという問題もある。
また、臭いのマスキングのために、トレハロース等の糖質(特許文献1)や香料なども用いられるが、臭いの原因に対する根本的な解決には至っていない。更に、これらの従来の消臭成分は皮膚刺激性や強い香りを持つものも多く、また、処方の難しさなど、改善すべき点もある。
ところで、ヒトの皮膚には共生微生物が皮膚常在菌叢として集団を形成している。皮膚常在菌として、スタフィロコッカス属、コリネバクテリウム属、プロピオニバクテリウム属、マイクロコッカス属などの菌が生息し、これら菌のバランスによって皮膚の外界からの保護機能が維持されている。しかし、環境的な要因である急激な温度変化、乾燥、強力な洗浄剤や薬品、または心身的な要因である外傷、精神的ストレス、病気による全身状態の不良によってそれら菌叢バランスは崩れ、かかる保護機能が破綻することが知られている(非特許文献2)
そして、足、脇、頭皮、陰部などの不快な臭いの原因は、それぞれの部位に繁殖した皮膚常在菌の代謝物に起因することが知られている。これらの部位は、汗、体内からの分泌物などにより湿った状態にあり、その結果、微生物が繁殖しやすい状態にある。皮膚常在菌として、コリネバクテリウム属の細菌は芳香族アミン類、ステロイド類、チオアルコール類、マイクロコッカス属の細菌は脂肪酸、スタフィロコッカス属の細菌は脂肪酸とチオール化合物を生成し、臭いの原因になっている。中でもスタフィロコッカス属のスタフィロコッカス・ホミニスはチオ化合物の内、チオールアルコール産生菌として腋臭の原因となっている(非特許文献3)。
一方、乳酸球菌であるEnterococcus faecalis EC−12の菌体が、表皮ブドウ球菌由来のグリセロール産生および皮膚表皮角化細胞由来の抗菌ペプチドの産生を促進することで皮膚表面の状態を健常に保つことが報告されているが(特許文献3)、体臭の原因となる皮膚常在菌に対する作用については明らかではない。
特開2002−080336号公報 特開2004−051530号公報 特許第6185041号公報
The Journal of Investment Dermatology,116, p520 (2001) Gallo, R.L.ら,Journal of Investigative Dermatology 131,P1974−1980(2011) James AGら,FEMS Microbiol Ecol. Mar;83(3):P527−540. (2013)
従来報告されている消臭剤、消臭用組成物は、においの原因となる皮膚常在菌の増殖や機能に対して特異的に働くことができず、根本的な解決には不十分であるという問題があった。そこで、本発明は、皮膚に常在し体臭の原因となる有害菌の割合を特異的に減少させることにより、不快な体臭を軽減することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために様々な乳酸菌を調査し、鋭意検討を重ねた結果、乳酸球菌であるEnterococcus faecalis EC−12の菌体、特にその加熱処理死菌体が皮膚常在菌叢を整えることを見出した。そして、この乳酸菌体が、不快な体臭の原因となる皮膚常在菌の内、芳香族アミノ酸類、ステロイド類、チオール化合物類の生成菌であるコリネバクテリウム属の割合、チオール化合物の内のチオールアルコールの生成菌であるスタフィロコッカス・ホルミニスの割合、アミン類、脂肪酸の生成菌である黄色ブドウ球菌の割合、脂肪酸類の生成菌であるマイクロコッカス属の割合を著しく減少させることを見出し、これらの知見に基づいて本発明を完成した。
すなわち本発明は、以下の態様を含む。
[1]エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)EC−12株(受託番号FERM BP−10284)の菌体を有効成分として含有する体臭発生抑制剤。
[2]菌体が、組成物中に少なくとも5×10個/gの濃度で含有されており、組成物が水性組成物の場合は、この水性組成物が菌体の分散に有効量の水溶性高分子化合物を含む[1]に記載の体臭発生抑制剤。
[3]組成物の25℃における粘度が1000mPa・s以上である[2]に記載の体臭発生抑制剤。
[4]スタフィロコッカス属、コリネバクテリウム属またはマイクロコッカス属に属する1種または複数の皮膚常在菌の増殖を抑制するための、[1]〜[3]の何れか一項に記載の体臭発生抑制剤。
[5]アミン臭、チオール臭、脂肪酸臭、2−ノネナール臭の何れかまたはそれらの混合臭からなる体臭の発生を抑制するための、[1]〜[4]の何れか一項に記載の体臭発生抑制剤。
[6]皮膚外用剤の形態にある[1]〜[5]の何れか一項に記載の体臭発生抑制剤。
[7]洗濯用組成物の形態にある[1]〜[5]の何れか一項に記載の体臭発生抑制剤。
[8]衛生シート材の形態にある[1]に記載の体臭発生抑制剤。
[9]体臭発生抑制剤の製造における、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus Faecalis)EC−12株(受託番号FERM BP−10284)の菌体の使用。
[10]エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus Faecalis)EC−12株(受託番号FERM BP−10284)の菌体を含む組成物を、体臭発生を抑制する必要のある対象に塗布することを特徴とする体臭発生抑制方法。
本発明の体臭発生抑制剤は、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)EC−12株(受託番号FERM BP−10284)の菌体を有効成分として含有することで、においの原因となる皮膚常在菌の増殖を特異的に抑制し、体臭発生を効果的に抑制することができる。
エンテロコッカス・フェカリス・EC−12の加熱処理死菌体含む足スプレー剤を使用したヒトモニター試験における、足底部から採取した臭い成分のうち、アミン類を定量した結果を表す。 皮脂採取法による皮脂スコア定量試験の試験デザインの説明図である。 額における皮脂スコア定量試験の結果を示す。
本明細書において、「体臭発生抑制剤」は、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)EC−12株(受託番号FERM BP−10284)の菌体を有効成分として含有する組成物であって、皮膚常在菌に作用することによって体臭の発生の予防または改善に有効な組成物を意味する。本発明の体臭発生抑制剤は、以下に詳述するように、化粧品や医薬部外品としてのローション、乳液、クリーム、パック剤、石鹸等の薬用化粧品、および医薬品としてのローション、乳液、クリーム、軟膏等の皮膚外用剤、並びに洗濯用組成物や衛生シートなどのヘルスケア製品を含む。また、これらの製品を製造するための中間製品としての組成物であってもよい。これらの中でも皮膚外用剤が好ましく、特に、所定の粘度を有するように本発明に係る有効成分を懸濁調整した水性組成物が好ましい。
本明細書において「組成物」は、液体、クリーム、ゲル、又は粉体等の様々な形態を採ることができる。水を含有する水性組成物の場合、通常は、組成物中に水を1重量%以上、好ましくは5重量%以上、より好ましくは20重量%以上、更に好ましくは50重量%以上含有するものを意味する。本発明の水性組成物に含有される水は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであればよい。例えば、蒸留水、常水、精製水、滅菌精製水、注射用水、注射用蒸留水等を使用できる。これらの定義は第一五改正日本薬局方に基づく。なお、本明細書において、組成物中の各成分の含有量の表示は特に明記されていない場合は「重量%」を示すものとする。
本発明の水性組成物は、目的に応じて種々の製剤形態をとることができる。例えば、本発明の水性組成物の形態として、液剤、半固形剤(軟膏等)等が挙げられる。好ましくは液剤である。さらに、本明細書における「粘度」とは、本発明の有効成分を所定の濃度となるよう水に分散させた水性組成物を、B型粘度計(スピンドルNo.3、回転数10rpm)により25℃で測定した値である。
以下、本発明の好適な実施形態について次の順序により説明する。
(I)体臭発生抑制剤の成分及び組成
(II)体臭発生抑制剤の製造方法
(III)性状および作用効果
(IV)形態、用途または使用方法
(I)体臭発生抑制剤の成分及び組成
本発明の好ましい実施形態によれば、体臭発生抑制剤の有効成分として乳酸球菌が用いられる。より好ましくは、エンテロコッカス属に属する菌であり、さらに好ましくは、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)である。
エンテロコッカス・フェカリスとしては、例えば、エンテロコッカス・フェカリス・EC−12株、ATCC19433、ATCC14508、ATCC23655、IFO16803、IFO16804等の菌株またはその変異株が例示できる。有効成分として用いられる乳酸球菌としては、このうち、上記EC−12株が最も好ましい。なおここで「変異株」は、特定の菌株に対し、当業者に周知の方法により当業者がその性質に変化を及ぼさない範囲で変異させたもの、あるいは、それと同等であると当業者が確認できるものを包含する意味である。
なお、エンテロコッカス・フェカリス・EC−12株(Enterococcus faecalis EC−12)は、平成17年(2005年)2月25日(原寄託日)付で独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(〒305−8566日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6)に寄託されている。受託番号は、FERM BP−10284である。
有効成分として用いられる乳酸球菌は、生菌および/または死菌体を用いることができるが、剤の保存性などから、好ましくは死菌体が用いられ、より好ましくは、上記乳酸球菌を公知の加熱処理手段で殺菌して得られる加熱殺菌菌体が用いられる。加熱殺菌菌体は、上記乳酸球菌を常法に従って培養して得られた培養物から、濾過、遠心分離等の方法により菌体を回収し、水洗後、水等に懸濁して加熱処理した後、必要に応じて、濃縮、乾燥することにより調製できる。また、菌体を焼成、蒸煮に付すことによって調製してもよい。なお、上記EC−12株の加熱処理による殺菌菌体粉末は、商品名「EC−12」(コンビ株式会社製)または「ラ・フローラEC−12」(一丸ファルコス株式会社製)として市販されている。このため、本発明においては、有効成分として用いられる乳酸球菌として、このような市販品を用いてもよい。
(菌体数の計測方法)
なお、乳酸球菌の菌体数は、常法に従って検鏡計数法、濁度法、コールカウンター法、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA法やSYBR Green法)等により測定することが可能である。また、本発明の体臭発生抑制剤における乳酸球菌の菌体数は、上述の市販品等を適当量配合することで、所望の数値範囲に調整することができる。
本実施形態にかかる体臭発生抑制剤は、皮膚外用剤、洗濯用組成物、衛生シート材等のそれぞれの処方に合わせて、必要に応じて以下に例示する成分や添加剤を任意に選択および併用して製造することができる。これらの処方系中への配合量は、特に限定されるものではないが、通常、0.0001〜50重量%程度が好ましいと考えられる。
(1)各種油脂類
アボカド油、アーモンド油、ウイキョウ油、エゴマ油、オリーブ油、オレンジ油、オレンジラファー油、ゴマ油、カカオ脂、カミツレ油、カロット油、キューカンバー油、牛脂脂肪酸、ククイナッツ油、サフラワー油、シア脂、液状シア脂、大豆油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、パーシック油、ヒマシ油、綿実油、落花生油、タートル油、ミンク油、卵黄油、パーム油、パーム核油、モクロウ、ヤシ油、牛脂、豚脂、スクワレン、スクワラン、プリスタン又はこれら油脂類の水素添加物(硬化油等)等。
(2)ロウ類
ミツロウ、カルナバロウ、鯨ロウ、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、カンデリラロウ、モンタンロウ、セラックロウ、ライスワックス等。
(3)鉱物油
流動パラフィン、ワセリン、パラフィン、オゾケライド、セレシン、マイクロクリスタンワックス等。
(4)脂肪酸類
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、トール油、ラノリン脂肪酸等の天然脂肪酸、イソノナン酸、カプロン酸、2−エチルブタン酸、イソペンタン酸、2−メチルペンタン酸、2−エチルヘキサン酸、イソペンタン酸等の合成脂肪酸。
(5)アルコール類
エタノール、イソプロパノール、ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、フェノキシエタノール等の天然アルコール、2−ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール等の合成アルコール。
(6)多価アルコール類
酸化エチレン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコール、酸化プロピレン、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリトリトール、トレイトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、ガラクチトール、ソルビトール、マンニトール、ラクチトール、マルチトール等。
(7)エステル類
ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、酢酸ラノリン、モノステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸プロピレングリコール、ジオレイン酸プロピレングリコール等。
(8)金属セッケン類
ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛等。
(9)ガム質、糖類又は水溶性高分子化合物
アラビアゴム、ベンゾインゴム、ダンマルゴム、グアヤク脂、アイルランド苔、カラヤゴム、トラガントゴム、キャロブゴム、クインシード、寒天、カゼイン、乳糖、果糖、ショ糖又はそのエステル、トレハロース又はその誘導体、デキストリン、ゼラチン、ペクチン、デンプン、カラギーナン、カルボキシメチルキチン又はキトサン、エチレンオキサイド等のアルキレン(C2〜C4)オキサイドが付加されたヒドロキシアルキル(C2〜C4)キチン又はキトサン、低分子キチン又はキトサン、キトサン塩、硫酸化キチン又はキトサン、リン酸化キチン又はキトサン、アルギン酸又はその塩、ヒアルロン酸又はその塩、コンドロイチン硫酸又はその塩、ヘパリン、エチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシエチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、結晶セルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメタアクリレート、ポリアクリル酸塩、ポリエチレンオキサイドやポリプロピレンオキサイド等のポリアルキレンオキサイド又はその架橋重合物、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレンイミン等。これらは、分散安定化剤または粘度調節剤として用いることができ、特に、キサンタンガム、グアーガム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、ポリオキシエチレングリコールジステアレート等の水溶性高分子が好ましい。
(10)界面活性剤
アニオン界面活性剤(アルキルカルボン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩)、カチオン界面活性剤(アルキルアミン塩、アルキル四級アンモニウム塩)、両性界面活性剤:カルボン酸型両性界面活性剤(アミノ型、ベタイン型)、硫酸エステル型両性界面活性剤、スルホン酸型両性界面活性剤、リン酸エステル型両性界面活性剤、非イオン界面活性剤(エーテル型非イオン界面活性剤、エーテルエステル型非イオン界面活性剤、エステル型非イオン界面活性剤、ブロックポリマー型非イオン界面活性剤、含窒素型非イオン界面活性剤)、その他の界面活性剤(天然界面活性剤、タンパク質加水分解物の誘導体、高分子界面活性剤、チタン・ケイ素を含む界面活性剤、フッ化炭素系界面活性剤)等。
(11)各種ビタミン類
ビタミンA群:レチノール、レチナール(ビタミンA1)、デヒドロレチナール(ビタミンA2)、カロチン、リコピン(プロビタミンA)、ビタミンB群:チアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩(ビタミンB1)、リボフラビン(ビタミンB2)、ピリドキシン(ビタミンB6)、シアノコバラミン(ビタミンB12)、葉酸類、ニコチン酸類、パントテン酸類、ビオチン類、コリン、イノシトール類、ビタミンC群:ビタミンC酸又はその誘導体、ビタミンD群:エルゴカルシフェロール(ビタミンD2)、コレカルシフェロール(ビタミンD3)、ジヒドロタキステロール、ビタミンE群:ビタミンE又はその誘導体、ユビキノン類、ビタミンK群:フィトナジオン(ビタミンK1)、メナキノン(ビタミンK2)、メナジオン(ビタミンK3)、メナジオール(ビタミンK4)、その他、必須脂肪酸(ビタミンF)、カルニチン、フェルラ酸、γ−オリザノール、オロット酸、ビタミンP類(ルチン、エリオシトリン、ヘスペリジン)、ビタミンU等。
(12)各種アミノ酸類
バリン、ロイシン、イソロイシン、トレオニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、リジン、グリシン、アラニン、アスパラギン、グルタミン、セリン、システイン、シスチン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ヒドロキシリジン、アルギニン、オルニチン、ヒスチジン等や、それらの硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、クエン酸塩、或いはピロリドンカルボン酸のごときアミノ酸誘導体等。
(13)植物又は動物系原料由来の種々の添加物
これらは、添加しようとする製品種別、形態に応じて常法的に行われる加工(例えば、粉砕、製粉、洗浄、加水分解、醗酵、精製、圧搾、抽出、分画、ろ過、乾燥、粉末化、造粒、溶解、滅菌、pH調整、脱臭、脱色等を任意に選択、組み合わせた処理)を行い、各種の素材から任意に選択して供すれば良い。
尚、植物または動物系原料由来の添加物を、全身用又は局所用の外用剤、化粧品類に供する場合、皮膚や頭髪の保護をはじめ、保湿、感触・風合いの改善、柔軟性の付与、刺激の緩和、芳香によるストレスの緩和、細胞賦活(細胞老化防止)、炎症の抑制、肌質・髪質の改善、肌荒れ防止及びその改善、発毛、育毛、脱毛防止、光沢の付与、清浄効果、疲労の緩和、血流促進、温浴効果等の美容的効果のほか、香付け、消臭、増粘、防腐、緩衝等の効果も期待できる。
さらにこの他にも、これまでに知られている各原料素材の様々な美容的、薬剤的効果を期待し、これらを組み合わせることによって、本発明の目的とする体臭発生抑制効果に加えて、多機能的な効果を期待した製品とすることも可能である。
原料とする具体的な植物(生薬)または動物系原料としては、例えば、上述した特許文献3の段落番号0042〜0050に記載されている。さらに、本発明の体臭発生抑制効果またはその他の美容的効果の相加的又は相乗的向上が期待できる種々の添加剤は、特許文献3の段落0051〜0081に記載されており、これらの内容は参照により本明細書に組み込まれるものとする。
(II)体臭発生抑制剤の製造方法
有効成分であるエンテロコッカス属乳酸球菌の培養方法としては、従来公知の乳酸菌の培養方法も含め特に制限されるものではないが、加熱処理死菌体は、次の方法によって製造することができる。エンテロコッカス属乳酸球菌を常法にしたがって培養して得られた培養物から、例えば、濾過、遠心分離等の方法により菌体を回収し、水洗後、水等に懸濁して加熱処理した後、必要に応じて濃縮、乾燥することにより調製できる。通常使用される噴霧乾燥、凍結乾燥機等を用いて行ってもよい。場合によっては、加熱等による殺菌処理の前後、あるいは、乾燥処理の前後に、酵素処理、界面活性剤処理、磨砕・粉砕処理を行うこともでき、これらの処理により得られるものも、本発明の死菌体またはその処理物に含まれる。
水洗及び懸濁に使用する水は、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水等の他、これらに各種処理を施したものが含まれる。水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、ろ過、イオン交換、浸透圧の調整、緩衝化等が含まれる。従って、本発明において抽出溶媒として使用可能な水には、精製水、加熱処理水、イオン交換水、生理食塩水、種々緩衝液等も含まれる。
以上のようにして得られるエンテロコッカス属乳酸球菌は、乾燥粉末または水性組成物などの組成物のいずれの状態でもよいが、中間原料として用いる場合は、上記のエンテロコッカス属乳酸球菌を1グラムあたり5×1011個以上、特に好ましくは5×1012個以上含まれるように調整されていることが、種々の形態の医薬品、医薬部外品、化粧料に配合するうえで好ましい。また、最終製品としての皮膚外用剤、洗濯用組成物、衛生シート材にあっては、例えば、1回の使用当たり上記のエンテロコッカス属乳酸球菌を1×1011個〜5×1012個程度が適用されるよう配合調整されている。
(III)性状および作用効果
本実施形態にかかる体臭発生抑制剤は、粉体組成物、ゲル組成物(ハードゲル組成物も含む)、水性組成物など組成物の形態に限定されることはないがが、組成物の製造の観点などで、水性組成物が好ましい場合もある。また、有効成分であるエンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)EC−12株の菌体を、少なくとも5×10個/gの濃度で水性媒体中に懸濁などにより含有された組成物が好ましい。さらに好ましくは、1×10個/g以上、さらになお好ましくは、5×10個/g以上の濃度で、懸濁などにより、含有された水性組成物である。また、水性組成物の場合、有効成分が均一な分散状態となるように水溶性高分子化合物などの粘度調整剤を含有することが好ましい。水性組成物中に菌体を分散させるなどのために有効な粘度としては、25℃においてB型粘度計を用いて測定した値の下限が100mPa・s以上、好ましくは500mPa・s以上、特に好ましくは、1000mPa・s以上であり、25℃においてB型粘度計を用いて測定した値の上限が2000000mPa・s以下、好ましくは1000000mPa・s以下、特に好ましくは500000mPa・s以下である。このような粘度とするために水性組成物中に添加する水溶性高分子化合物の濃度は、当業者において適宜設定することができる。例えば、カルボキシビニルポリマーやキサンタンガムなどの水溶性高分子化合物を0.1〜0.2重量%程度添加する。
本実施形態の体臭発生抑制剤に含まれる有効成分が、ヒトの体臭を抑制する作用については、必ずしも明らかではなく、また、いかなる理論にも拘束されるわけではないが、次のような作用機構に基づくと推定される。すなわち、本発明の有効成分は、皮膚の表皮を構成する細胞や皮膚に存在する常在菌と相互作用することによって、なんらかのメカニズムで皮膚常在菌の多様性を維持すると考えられる。つまり、不快な体臭源となる臭気物質を発生する皮膚常在菌が特異的に生育することを抑制し、一方、表皮ブドウ球菌などの有用菌の増殖を促進して皮膚常在菌バランスを整えると考えられる。
臭気物質を発生する皮膚常在菌としては、例えば、チオール化合物、特にチオールアルコールの生成菌であるスタフィロコッカス・ホルミニス、芳香族アミノ酸類、ステロイド類、チオール化合物類の生成菌であるコリネバクテリウム属の細菌、さらに、病原性を持ち、かつ脂肪酸臭を発する黄色ブドウ球菌(スタフィロコッカス・オーレウス)などがある。本実施形態の体臭発生抑制剤は、これらの皮膚常在菌の増殖を抑制することは、例えば、実施例の実験結果である表2〜表5に示される。よって、本発明の好ましい実施形態では、スタフィロコッカス属、コリネバクテリウム属またはマイクロコッカス属に属する1種または複数の皮膚常在菌の増殖を抑制するための体臭発生抑制剤である。さらに好ましくは、スタフィロコッカス属、特に、スタフィロコッカス・ホルミニス、スタフィロコッカス・オーレウスなどの細菌の増殖を抑制することができる。
そして、このような作用により、身体からの分泌物に含まれる体臭源物質である、アミン類/チオール化合物類/2−ノネナール/ヘプタナール、オクタナール、メチルヘプテン、ノナナール等、さらに、身体からの分泌物に含まれるその他の体臭源物質の発生を抑制すると考えられる(表7参照)。したがって、本発明の好ましい実施形態では、アミン臭、チオール臭、脂肪酸臭、2−ノネナール臭の何れかまたはそれらの混合臭からなる体臭の発生を抑制するための、体臭発生抑制剤が提供される。
(IV)形態、用途または使用方法
本実施形態の体臭発生抑制剤は、アンプル、カプセル、粉末、顆粒、液体、ゲル、気泡、エマルジョン、シート、ミスト、液体スプレー剤、パウダースプレー剤等、利用上の適当な形態の1)医薬品類、2)医薬部外品類、3)局所用又は全身用の皮膚外用剤類(例えば、化粧水,乳液,クリーム,軟膏,ローション,オイル,パック等の基礎化粧料,固形石鹸,液体ソープ,ハンドウォッシュ等の洗顔料や皮膚洗浄料,マッサージ用剤,クレンジング用剤,除毛剤,脱毛剤,髭剃り処理料,アフターシェーブローション,プレショーブローション,シェービングクリーム,ファンデーション,口紅,頬紅,アイシャドウ,アイライナー,マスカラ等のメークアップ化粧料,香水類,プラスター剤,テープ剤,貼付剤,エアゾール剤等)、4)頭皮・頭髪に適用する薬用又は/及び化粧用の製剤類(例えば、シャンプー剤、リンス剤、ヘアートリートメント剤、プレヘアートリートメント剤、パーマネント液、染毛料、整髪料、ヘアートニック剤、育毛・養毛料、エアゾール剤等)、5)浴湯に投じて使用する浴用剤、6)腋臭防止剤や消臭剤、制汗剤、てんか粉、制汗パウダー等、7)ランドリー・洗濯用品(洗濯用洗剤、柔軟剤、漂白剤)等を含む。また本発明によるエンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)EC−12株(受託番号FERM BP−10284)を有効成分とする体臭発生抑制剤を付着させた衛生シート材、(特には、不織布製衛生シート材であることが好ましい。)は、8)衛生用品、化粧用コットン、化粧用フェイシャルシート、ボディー用ウェットシート、制汗不織布、脇汗パット、ナプキン、タンポン等の生理用品、おりものシート、シート状衛生綿類、ウエットティッシュ、赤ちゃん用紙おむつ、成人用紙おむつ、枕用カバーシート、寝具敷きパットシート、靴の中敷きシート等を挙げることができる。
これらの中でも特に皮膚外用剤の形態にあることが好ましく、この場合、本発明にかかる体臭発生抑制効果に加えて、その他の美容的効果も同時に達成することができる。例えば、体臭の原因となる皮脂の生成を抑制することで、肌のてかりや脂っぽさを低下させる皮脂抑制剤としての効果も期待される。
他の好ましい実施形態では、洗濯用組成物を挙げることができる。この実施形態の洗濯用組成物は、本発明の有効成分の他に、上述した界面活性剤、洗剤ビルダーまたは錯生成剤、例えばゼオライト、ジホスフェート、三リン酸、ホスホネート、カーボネート、シトレート、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン六酢酸、アルキル−又はアルキニルコハク酸、可溶性シリケート又は層化されたシリケートを含むことができる。
洗濯用組成物に用いるに好ましい陰イオン界面活性剤としては、高級アルコールの硫酸エステル塩、高級アルコールのエトキシル化物の硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩若しくはそのエステル塩、又は脂肪酸塩が挙げられる。特に、アルキル鎖の炭素数が10〜18(好ましくは12〜14)の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、炭素数が10〜20のα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩が好ましい。また、対イオンとしては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニア、アルカノールアミン等が挙げられる。
非イオン界面活性剤としては、高級アルコールのエチレンオキシド(以下「EO」という)付加物、若しくはEO/プロピレンオキシド(以下「PO」という)付加物、脂肪酸アルカノールアミド、アルキル(ポリ)グリコシド等が挙げられる。特に炭素数が10〜16のアルコールのEO1〜10モル付加物が皮脂汚れの除去、耐硬水性、生分解性の点で好ましい。
陽イオン界面活性剤として、アミン塩又は第4級アンモニウム塩等を用いることができる。特にジ長鎖アルキル型の第4級アンモニウム塩が好適であり、アルキル基中に−COO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−のような連結基を含むものであってもよい。また、両性界面活性剤として、カルボベタイン型、スルホベタイン型両性界面活性剤等が挙げられる。
その他、洗剤、仕上げ剤(柔軟剤、糊剤等)等、洗濯用組成物として特徴的な性質を付与できる成分を含有することができる。また、従来知られている洗剤、仕上げ剤(柔軟剤、糊剤等)等の洗濯用組成物に本発明の有効成分を添加することで、体臭発生抑制効果を有する洗濯用組成物とすることができる。
本実施形態の洗濯用組成物は、衣料、寝具等の繊維製品を対象とすることが好ましい。また、本発明の洗濯用組成物は、洗剤組成物、柔軟剤組成物、糊剤組成物などの洗濯用組成物としての応用が可能である。
さらに他の実施形態として、衛生シート材が挙げられる。この実施形態における衛生シートは、繊維基材に本発明の有効成分を付着させたものである。繊維基材に対して本発明の有効成分を付着させる方法は特に制限がないが、たとえば、プリント法およびパッド法、コーティング法、噴射プリント法などがある。プリント法は、プリント糊、本発明の有効成分を含む液状組成物を、スクリーン印刷法を用いて繊維基材に付着する。その後、加熱乾燥し、繊維基材に定着させるため、繊維基材表面に有効成分を安定に定着させることができる点、および、製造の歩留まりが良好である点で好ましい。
繊維製品に対する本発明の有効成分の配合量は、繊維基材の種類や用途に応じて適宜設定することができ、通常、繊維製品の重量に対し、0.001〜30重量%、好ましくは0.01〜10重量%とする。このような範囲とすれば本発明の有効成分を繊維基材に安定に定着させることができる。
以下に、エンテロコッカス属乳酸球菌として、本発明の目的効果において最も顕著であったエンテロコッカス・フェカリス EC−12株での実施例を示すが、本発明はこれらの実施例等に限定されるものではない。
(微生物の寄託)
エンテロコッカス・フェカリス EC−12(Enterococcus faecalis EC−12)は、平成17年(2005年)2月25日(原寄託日)付で独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に寄託された。受託番号は、FERM BP−10284である。
本発明の好ましい態様によれば、有効成分として用いられる細菌は、エンテロコッカス属に属する菌である。より好ましくは、該細菌は、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)である。
エンテロコッカス・フェカリスとしては、例えば、Enterococcus faecalis EC−12(受託番号FERM BP−10284)、ATCC 19433、ATCC 14508、ATCC 23655、IFO 16803、IFO 16804等の菌株またはその変異株が例示できる。有効成分として用いられる細菌としては、このうち、前記EC−12が最も好ましい。なおここで「変異株」とは、特定の菌株に対し、当業者に周知の方法により当業者がその性質に変化を及ぼさない範囲で変異させたもの、あるいは、それと同等であると当業者が確認できるものを包含する意味である。
(エンテロコッカス属乳酸球菌およびその加熱処理死菌体の入手)
Enterococcus faecalis EC−12(受託番号FERM BP−10284)はコンビ株式会社製のものを用いた。
(スプレーの調整)
ヒトの足や胴体に散布するためのスプレーの組成(均一に混合したもの)は以下の通りである。
1.プラセボ群(スプレーB)
・メチルパラベン(メッキンス−M、上野製薬株式会社) 0.20%
・1,3−ブタンジオール(株式会社ダイセル) 5.00%
・水 94.8%
2.EC−12投与群(スプレーA)
・エンテロコッカス属乳酸球菌加熱処理死菌体 0.10w/v%
・メチルパラベン(メッキンス−M、上野製薬株式会社) 0.20%
・1,3−ブタンジオール(株式会社ダイセル) 5.00%
・水 94.7%
(ヒト皮膚常在菌試験)
成人男性被験者が毎日就寝前に、右足にはスプレーAを、左足には対照となるプラセボスプレーBを7日間連続使用し、8日目起床後、各足指周辺を滅菌綿棒で擦り、皮膚常在菌を回収した。次いで、綿棒をリン酸緩衝生理食塩水200μL中で洗い、皮膚常在菌ゲノムDNAを抽出した。
(皮膚常在菌16SrRNA解析)
16srRNAのV2、3、4、6、7、8、9領域配列をION PGMシークエンサー(Invitrogen社製)によって解析した。菌叢解析にはWorldFusion社製メタゲノム解析ソフトMetagenome@KINを使用した。
(皮膚常在菌解析の結果)
前記の16srRNA解析で得た菌種の多様性の指標であるSimpson’s IndexとShannon Entropyを表1に示す。菌種の多様性が高いほどSimpson’s Indexは1に近い値を示し、Shannon Entropyは低い値を示す。これらの解析結果から、エンテロコッカス属乳酸球菌加熱処理死菌体入りのスプレーAを用いた場合、被検体を含まないプラセボスプレーBを用いた場合と比べ、菌種の多様性が増加することが明らかとなった。
Figure 2020004580
(菌種ごとの割合の結果)
スタフィロコッカス・ホミニスの割合の結果を表2に、コルネバクテリア属の割合の結果を表3に、マイクロコッカス属の割合の結果を表4に、黄色ブドウ球菌の割合の結果を表5に示した。スタフィロコッカス・ホミニスの割合はスプレーA散布により低下した。コリネバクテリア属に属する皮膚常在菌は29菌種が検出され、すべての菌種がスプレーAを散布により割合が低下した。マイクロコッカス属に属する皮膚常在菌は3菌種が検出され、それらすべての菌種がスプレーA散布により割合が低下した。黄色ブドウ球菌の割合も同様に低下した。
Figure 2020004580
Figure 2020004580
Figure 2020004580
Figure 2020004580
(ヒト足臭い試験)
成人男性被験者4人が毎日就寝前に、右足にはエンテロコッカス属乳酸球菌加熱処理死菌体入り足スプレーAを、左足には対照となる同乳酸球菌加熱処理死菌体無添加のプラセボ足スプレーBを7日間連続使用し、足底部からの分泌物を回収した。足底部からの分泌物の採取のため、靴の中に紙製靴中敷(アシートコバシ株式会社製)を敷いた。たとえ、靴を変える際も、この紙製の靴の中敷きを継続して用い、足底部からの分泌物を集めた。7日後に中敷きを密閉ビニール袋に入れ、−20℃の冷凍庫で保存した。
(アミン臭の検出)
前記で採取した足底部の分泌物を含んだ紙中敷き入りの密閉ビニール袋内の気体を室温に温め、臭気検知管アミン類(株式会社ガステック社製)により400mLその気体を吸引し、アミン臭を測定した。その結果を図1に示す。エンテロコッカス属乳酸球菌加熱処理死菌体入りの足スプレーAを用いた場合、被験者1−3、5でアミン臭の低減が見られた。被験者4ではアミン臭が検出されなかった。
(ヒト体臭試験)
成人男性被験者5人が毎日朝起床後、および夜就寝前に、エンテロコッカス属乳酸球菌加熱処理死菌体入りスプレーAを7日間連続使用した。スプレーAの散布前日に、新しい木綿製の肌着(ヘインズ製白地Tシャツ、無香料、無蛍光、無抗菌洗剤で洗濯したもの)を着用し、少なくとも8時間以上の活動時間中の体臭を採取した。その肌着は密閉ビニール袋に入れ、散布前の体臭サンプルとした。同様に、7日間散布後、別の新しい肌着を着用し、同様に体臭を採取し、散布後の体臭サンプルとした。それぞれの散布前、散布後のサンプルは−20℃の冷凍庫で保存した。
(官能性評価による体臭検出)
前記で採取した体臭入りの密閉ビニール袋内の気体を室温に温め、3人の官能性試験担当者で臭いの評価を行った。臭いの判定は6段階(6段階臭気強度表示法)にて行った。0:無臭、1:やっと感知できるにおい、2:何のにおいか判る弱いにおい、3:楽に感知できるにおい、4:強いにおい、5:強烈なにおい、である。その結果を表6に示す。エンテロコッカス属乳酸球菌加熱処理死菌体入りのボディースプレーを用いた場合、被験者1、2、4及び5で体臭の低減が見られた。
体臭の官能性評価
Figure 2020004580
(ガスクロマトグラフィーによる体臭分析)
被験者4の前記で採取した散布前・散布後の木綿製の肌着を縦方向におよそ2分割し、サンプリングバッグに採取し、高純度窒素ガスを充填後、40℃にて30分間加温した。加温後のサンプリングバッグ内のガスについて、コールドトラップデハイドレーション‐ガスクロマトグラフ質量分析法(CTD−GC/MS法)によるスキャンモードでの測定を行った。その際、CTDとしてENTECH製ENT−7100A型を、GC/MSとしてAgilent製GC6890N+MSD5975B型を用いた。検出されたピークはWiley又はNISTライブラリーを用いて、化合物の同定を行った。その結果を表7に示す。脂肪族アルデヒド類(オクタナールなど)の体臭成分のにおいを低減できた。
Figure 2020004580
(粘度試験)
カルボキシビニルポリマーで粘度を調整した溶液にエンテロコッカス属乳酸球菌加熱処理死菌体を1%懸濁し、25℃で24時間保存後の粘度と乳酸菌加熱処理死菌体の分散の程度を測定した。粘度の測定は医薬部外品原料規格2006に則り、B型粘度計を用い測定した。分散の程度は、沈降した乳酸菌死菌体の重量を測定し、((全量)−(沈降した乳酸菌死菌体重量))/(全量)を分散度とした。その結果を表8に示す。
Figure 2020004580
(皮脂採取法による皮脂スコア定量試験)
図2に示した試験デザインに従って二重盲検プラセボ比較試験を行った。被験者(男性29名、平均年齢43.5歳)を2群に分け、A群は2週間配合ジェル(表9参照)を、1日2回塗布し、その後2週間Placebo(表9においてエンテロコッカス属乳酸球菌加熱処理死菌体無添加のジェル)を塗布し、B群は、最初の2週間Placeboを塗布し、その後2週間配合ジェルを塗布した。ここで、本実施例においての「配合ジェル」は、エンテロコッカス属乳酸球菌加熱処理死菌体(エンテロコッカス・フェカリス)含有のジェルであり、この死菌体の配合率は0.1%である(表9参照)。表9に、配合ジェルの処方(組成)を示す。
Figure 2020004580
期間中毎週末に、被験者の額の所定の皮膚表面をあぶらとりフィルム(26mm×24mm)を用いて皮脂を回収し、imageRUNNER ADVANCE c5540F(キヤノン株式会社)を用いて、あぶらとりフィルムをスキャンして、ImageJ(アメリカ国立衛生研究所)にてその明度を測定した。なお、陽性コントロールとしてトリグリセリド(ココナードMT(花王株式会社))を塗ったフィルムのスコアを100とし、陰性コントロールとして、何も塗っていないフィルムのスコアを0とし、0〜100のスコアで皮脂スコアを定量した。
その結果を図3に示す。図3は、順化期間である第1週の皮脂スコアを基準にして皮脂スコアの高かった上位25%の被験者(A群4人、B群3人)について、3週目及び5週目の週末に測定した額の皮脂スコアを測定し、1週目の皮脂スコアとの相対値をプロットした結果である。A群およびB群ともに配合ジェルを塗布した被験者の皮脂スコアが低下していること、特にA群においてはその低下が有意に低下していること、が分かった。
この結果より、エンテロコッカス属乳酸球菌加熱処理死菌体(エンテロコッカス・フェカリス)を含有した皮膚外用剤は、皮脂抑制作用を有することが示された。
(各種体臭予防・軽減する皮膚外用剤の製造例)
1.デオドラントジェル
(A相)
エタノール 10.00%
カルボマーNa 1.20%
(B相)
水 77.90%
(C相)
水 5.00%
フェノールスルホン酸亜鉛 0.35%
(D相)
エタノール 5.00%
メントール 0.50%
ベンザルコニウムクロリド(50%水溶液) 0.05%
エンテロコッカス属乳酸球菌加熱処理死菌体 0.01−1%(適量)
(製造法)
A相を攪拌しながら分散する。
A相を攪拌しながら、B相を加え溶解しE相とする。
C相を攪拌しながら溶解する。
D相を攪拌しながら溶解する。
E相を攪拌しながら、C相及びD相を加え溶解し、製品とする(粘度[mPa・s]:17,000)。
2.デオドラントスプレー
(A相)
エタノール 10.00%
カルボマーNa 0.50%
(B相)
水 28.60%
(ビス−ステアリル PEG/PPG―8/ 6 SMDI/PEG―400)コポリマー、水(1%水溶液) 50.00%
(C相)
エタノール 5.00%
メントール 0.50%
ベンザルコニウムクロリド(50%水溶液) 0.05%
(D相)
水 5.00%
フェノールスルホン酸亜鉛 0.35%
エンテロコッカス属乳酸球菌加熱処理死菌体 0.01−1%(適量)
(製造法)
A相を攪拌しながら分散する。
B相を攪拌しながら均一にする。
A相を攪拌しながら、B相を加えて溶解しE相とする。
C相を攪拌しながら溶解する。
D相を攪拌しながら溶解する。
E相を攪拌しながら、C相及びD相を加えて溶解し、製品とする(粘度[mPa・s]:1,500)。
3.ボディローション (W/O Emulsion)
(A相)
安息香酸アルキル(C12―15) 1.00%
ミツロウ 3.00%
(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキル 6.80%
ジカプリリルエーテル 6.80%
ジメチコン、ジメチコノール 6.60%
ステアリン酸Mg 2.00%
ジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリルー2 6.80%
アロエベラエキス―1〜3 4.00%
エンテロコッカス属乳酸球菌加熱処理死菌体 0.01−1%(適量)
(B相)
水 56.45%
グリセリン 5.00%
塩化Na 1.00%
(C相)
香料 0.25%
フェノキシエタノール、メチルパラベン、ブチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、イソブチルパラベン 0.30%
(製造法)
別々の容器でA相とB相を75℃に加熱する。
A相を均一に分散させながらB相を加える。
ゆっくり攪拌しながら室温まで冷却し、40℃以下になったらC相を加える(粘度[mPa・s]:1,500−3,000)。
4.シェービングクリーム
(I相)
水 全量で100%
グリセリン 3.00%
エチレンジアミンジコハク酸3Na 0.30%
(II相)
オリーブ油脂肪酸セテアリル、オリーブ油脂肪酸ソルビタンミックス
3.00%
パルミチン酸セチル、パルミチン酸ソルビタン、オリーブ油脂肪酸ソルビタンミックス 1.50%
オリーブ油脂肪酸ラウリル 4.00%
ガルシニアインディカ種子脂 4.00%
ステアリン酸 0.50%
BHT 0.10%
エンテロコッカス属乳酸球菌 0.01−1%(適量)
(III相)
ポリアクリレート―13、ポリイソブテン、ポリソルベート20 0.33%
(IV相)
防腐剤 適量
香料 適量
(製造法)
I相とII相を調製し、それぞれ75〜80℃に加熱する。
高速撹拌機にて、70〜75℃でホモジナイズしながらII相をI相へ添加する。
撹拌しながら水浴で40℃まで冷却する。
III相を添加し、高速撹拌機でホモジナイズする。
IV相を添加する。
粘度はB型粘度計を用い測定し、スピンドルNo.T―C, 10rpm, 室温24時間後に、6,000〜18,000mPa・s である。
5.ボディシャンプー
(I相)
オリーブ油PEG―7カルボン酸Na 15.00%
デシルグルコシド 10.00%
ラウラミドプロピルベタイン 10.00%
ジオレイン酸PEG−120メチルグルコース 1.50%
(II相)
オリーブ油PEG―7 2.00%
オリーブ油脂肪酸エチルヘキシル 0.50%
トコフェロール 0.25%
香料 適量
(III相)
水 全量で100%
ベタイン 1.00%
パンテノール 0.20%
グリセリン 3.00%
エチレンジアミンジコハク酸3Na 0.30%
ヒドロキシメチルグリシンNa 0.50%
(IV相)
塩化ナトリウム 1.00%
(V相)
乳酸(80%) 0.25%
エンテロコッカス属乳酸球菌加熱処理死菌体 0.01−1%(適量)
(製造法)
I相を調製し、40℃に加温して全て溶解するまで撹拌する
II相を調製し、I相へ添加し、透明になるまで撹拌する。
III相を調製し、I相とII相の混合物へ撹拌しながら添加する。
IV相とV相を調製し、均質化するまで撹拌をする。
粘度:750〜1,000mPa・s(B型粘度計10rpm、 スピンドルNo.3, 室温24時間後)
6.高性能シャンプー
(A相)
精製水 バランス
カチオン化セルロース 0.5%
(B相)
アンホレックス30S 6.0%
ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム 36.0%
アンホレックスPB―1 8.0%
アミコールCMEA 2.0%
パルナーSEG―A 1.5%
(C相)
MファインオイルCOG―7M 5.0%
エンテロコッカス属乳酸球菌加熱処理死菌体 0.01−1%(適量)
(D相)
クエン酸 適量
(製造法)
A相を溶し、B相を75℃で溶解する。
C相を添加し溶解した後、冷却しDでpHを調整する。粘度:500−2000mPa・s(B型粘度計10rpm、 スピンドルNo.3, 室温24時間後)
7.洗濯用柔軟剤
精製水 150mL
クエン酸 45mL
グリセリン 30mL
グルコシルトレハロース 25mL
精油 3mL
メチルパラベン 0.8g
エンテロコッカス属乳酸球菌加熱処理死菌体 0.01−1%(適量)
(製造法)
精製水、クエン酸を40℃に加温して全て溶解するまで撹拌する。
グリセリン、グルコシルトレハロース、メチルパラベンを加え、透明になるまで撹拌する。エンテロコッカス属乳酸球菌加熱処理死菌体を加え、分散させる。精油を加え、攪拌する。粘度:500−1000mPa・s(B型粘度計10rpm、スピンドルNo.3、室温24時間後)
本発明で有効成分として使用するエンテロコッカス属乳酸球菌は、皮膚常在菌叢の菌種の割合を変える。すなわち、スタフィロコッカス属(Staphylococcus)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)、マイクロコッカス属(Micrococcus)などの、不快な体臭源となる臭気物質を産生する菌を特異的に減少させ、またはそれら菌の増殖を抑制する。実際に、人体におけるアミン臭、チオールアルコール臭、2−ノネナール臭の発生抑制効果も認められ、脇、足、頭皮、陰部などの不快な体臭源となる臭気物質の産生を抑制する。よって、外界からの皮膚保護機能が維持された好ましい菌叢状態を保持しながら、不快な体臭を軽減させる体臭発生抑制剤、およびこれら利用した体臭予防・軽減する皮膚外用剤、洗濯用組成物、衛生シート材など広範囲での利用性が高い。

Claims (10)

  1. エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)EC−12株(受託番号FERM BP−10284)の菌体を有効成分として含有する体臭発生抑制剤。
  2. 前記菌体が組成物中に少なくとも5×10個/gの濃度で含有される請求項1に記載の体臭発生抑制剤。
  3. 前記組成物の25℃における粘度が1000mPa・s以上である請求項2に記載の体臭発生抑制剤。
  4. スタフィロコッカス属、コリネバクテリウム属またはマイクロコッカス属に属する1種または複数の皮膚常在菌の増殖を抑制するための、請求項1〜3の何れか一項に記載の体臭発生抑制剤。
  5. アミン臭、チオール臭、脂肪酸臭、2−ノネナール臭の何れかまたはそれらの混合臭からなる体臭の発生を抑制するための、請求項1〜3の何れか一項に記載の体臭発生抑制剤。
  6. 皮膚外用剤の形態にある請求項1〜3の何れか一項に記載の体臭発生抑制剤。
  7. 洗濯用組成物の形態にある請求項1〜3の何れか一項に記載の体臭発生抑制剤。
  8. 衛生シート材の形態にある請求項1に記載の体臭発生抑制剤。
  9. 体臭発生抑制剤の製造における、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus Faecalis)EC−12株(受託番号FERM BP−10284)の菌体の使用。
  10. エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus Faecalis)EC−12株(受託番号FERM BP−10284)の菌体を含む組成物を、体臭発生を抑制する必要のある対象に塗布することを特徴とする体臭発生抑制方法。

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