JP2000289065A - 熱可塑性樹脂の成形方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂の成形方法

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JP2000289065A
JP2000289065A JP10333099A JP10333099A JP2000289065A JP 2000289065 A JP2000289065 A JP 2000289065A JP 10333099 A JP10333099 A JP 10333099A JP 10333099 A JP10333099 A JP 10333099A JP 2000289065 A JP2000289065 A JP 2000289065A
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temperature
mold
thermoplastic resin
cooling
molding
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JP10333099A
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Akihiro Mochizuki
章弘 望月
Hidekazu Kitayama
英和 北山
Kazuya Goshima
一也 五島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷熱サイクル成形法の成形サイクル時間を短
縮する方法を提供する。 【解決手段】 予め金型を熱可塑性樹脂の融点未満の所
定温度まで昇温し、必要により所定温度を維持する昇温
・維持工程、続いて樹脂を金型キャビティに充填する充
填工程、その後金型を所定温度に冷却する冷却工程、及
び成形品を金型から取出す取出し工程からなる熱可塑性
樹脂の冷熱サイクル成形法において、昇温・維持工程の
行われる時間中に取出し工程を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂の冷
熱サイクル成形法に関する。より詳しくは、金型を昇温
する工程と冷却する工程を有する冷熱サイクル成形法に
おいて、樹脂注型後に冷却する工程を経た後、次のサイ
クルのための金型表面温度の上昇中もしくは所定温度到
達維持中に、成形品を取出すことを特徴とするサイクル
時間短縮方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、プラスチックの成形品の表面性
を良くするためには、金型の温度管理が重要な役割を果
たすことが知られている。即ち、充分高い金型温度で成
形すると金型キャビティ内に充填したプラスチックが流
動性を保つので、成形品の金型転写性や表面性が良くな
る。しかし、固定温度の金型を使用する場合、高い金型
温度で成形すると、成形サイクルが長くなったり、樹脂
の冷却が不充分になりやすく、成形品の取出し時に変形
を生じたりする問題が発生しやすくなる。そこで、これ
らの問題点を解決するため、金型温度を成形時には高温
の状態にして、成形品取出し時には低温の状態にする冷
熱サイクル成形法が考えられている。冷熱サイクル成形
法の場合、通常、プラスチック成形品を冷却固化後、金
型から成形品を取出した後、再び金型を加熱して次の成
形に備える操作がなされる。しかし、金型を十分に冷却
して成形品取出し、ついで金型を所望の温度にまで昇温
して次のサイクルを始めるには、金型の温度調節のため
にある程度の時間を要する。このため、成形サイクル時
間の短縮が種々検討されている。例えば、Plastic Tech
nology、1988年6月号、第150〜151ページに
はデュポン(DuPont)により開発された冷熱成形
プロセスが開示されている。この技術は、(1)金型の
内面を熱可塑性樹脂製のパリソンのガラス転移温度Tgよ
り高い温度に設定して、金型内にパリソンを供給し、加
圧ガスを供給してパリソンを膨張させ、(2)金型キャ
ビティ表面を熱可塑性樹脂パリソンのガラス転移温度よ
り低い温度まで冷却し、熱可塑性成形品を金型から取出
す方法が開示されている。しかしこの方法では、金型温
度や成形樹脂温度を高く設定すると成形サイクルが長く
なるという欠点があった。このため、特開平7−145
9号公報は、(i)金型の内面を熱可塑性樹脂の表面の
軟化温度より低い温度に設定された金型キャビティに熱
可塑性樹脂を充填し、(ii)金型キャビティの金型表面
を熱可塑性樹脂の表面の軟化温度より高いピーク温度に
加熱し、(iii)金型キャビティ表面を熱可塑性樹脂成
形品の表面の軟化温度より低い温度まで冷却し、熱可塑
性成形品が金型から取出すのに充分な剛性をもつように
なるまで冷却を続け、その後成形品を金型から取出す工
程を経て成形品を得ているが、上記操作は急速加熱、冷
却により行うことができるので、成形サイクル時間が短
縮されるということを開示している。しかし、この方法
では、従来通り金型の冷却工程中に成形品を金型から取
り出すために、成形サイクル時間の短縮が充分ではな
い。また、特開平10−100156号公報は、(a)
金型の内面を熱可塑性樹脂の熱変形温度より0〜100
℃高い温度に設定された金型キャビティに熱可塑性樹脂
を充填し、(b)金型キャビティ表面を熱可塑性樹脂の
熱変形温度Tdより10〜100℃低い温度まで冷却し、
その後成形品を金型から取出すことにより、成形サイク
ル時間が短縮されることを開示している。しかし、この
方法では成形品を金型から取出すタイミングが明示され
ておらず、従来通り金型の冷却工程中に成形品を金型か
ら取り出すものと考えられ、サイクル時間の短縮が充分
ではないと考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、冷熱サイク
ル成形法の成形サイクル時間を短縮する方法を提供する
ことを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、冷熱サイ
クル成形法につき鋭意検討の結果、以下の知見により、
成形サイクルを短縮する方法を見い出し、本発明を完成
するに至った。すなわち、融点以上に加熱された溶融熱
可塑性樹脂は、融点未満の温度に加熱された金型キャビ
ティに充填され、金型表面に接触した時点より冷却さ
れ、固化する。冷熱サイクル成形法では、金型を熱媒等
で強制的に冷却することで固化を促進させ、一定温度ま
で冷却後成形品を取出すことが、一般的に行われてい
る。しかし、驚くべきことに、十分な冷却時間をとらず
とも、次の成形のための昇温・維持時間中に成形品を取
出しても変形が生じないことを本発明者は見出した。
【0005】すなわち本発明の第1は、予め金型を熱可
塑性樹脂の融点未満の所定温度まで昇温し、必要により
所定温度を維持する昇温・維持工程、続いて樹脂を金型
キャビティに充填する充填工程、その後金型を所定温度
に冷却する冷却工程、及び成形品を金型から取出す取出
し工程からなる熱可塑性樹脂の冷熱サイクル成形法にお
いて、昇温・維持工程の行われる時間中に取出し工程を
行うことを特徴とする成形法を提供する。本発明の第2
は、昇温・維持工程により到達する金型温度が該熱可塑
性樹脂の熱変形温度+0℃〜融点未満であり、冷却工程
により到達する金型温度が該熱可塑性樹脂の熱変形温度
−100℃〜熱変形温度未満である本発明の第1に記載
の熱可塑性樹脂の成形法を提供する。本発明の第3は、
熱可塑性樹脂が結晶性熱可塑性樹脂である本発明の第1
又は2に記載の成形法を提供する。本発明の第4は、結
晶性熱可塑性樹脂がポリアセタール樹脂である本発明の
3に記載の成形法を提供する。本発明の第5は、充填工
程が、射出成形であることを特徴とする本発明の第1〜
4のいずれかに記載の成形法を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、予め金型を熱可塑性樹
脂の融点未満の所定温度まで昇温し、必要により所定温
度を維持する昇温・維持工程(それによって得られる高
温度の金型を高温金型という。)と、続いて樹脂を高温
金型キャビティに充填する充填工程と、その後金型を所
定温度に冷却する工程(それによって得られる低温度の
金型を低温金型という。)と、成形品を金型から取出す
取出し工程からなる冷熱サイクル成形方法において、昇
温・維持工程の行われる時間中に成形品の取出し工程を
行うことを特徴とする熱可塑性樹脂の成形法である。
【0007】昇温・維持工程 本発明では、熱可塑性樹脂を金型キャビティに充填して
固化させ、成形品の表面状態を良好にするために、予め
金型表面温度を熱可塑性樹脂の融点未満の所定温度T1に
なるように加熱、設定する。すなわち、成形サイクル開
始後は、充填工程、冷却工程の後に昇温・維持工程を行
い、金型表面温度をT1に加熱して、次のサイクルが開始
される。本発明では、金型表面温度が後述する低温金型
表面温度T2に達した次の瞬間から高温金型温度T1まで昇
温している時間、及び、一定温度T1に達しそれを維持し
ている時間が昇温・維持工程の行われる時間である。但
し、維持工程は、必ずしも設けなくてもよいが、維持工
程を設けると操作が安定する。したがって、本発明で
は、単に昇温操作に入ること(例えば、金型への高温熱
媒等の供給を開始すること。)をもって、昇温工程の開
始とは言わない。何故なら、昇温操作に入っても、金型
表面温度が低下又は一定温度を保ち続け、ある時間遅れ
て、金型表面温度が上昇を開始するからである。本発明
では、昇温工程の開始点は、金型表面温度が上昇に転じ
た瞬間をいう。また、上昇の開始点は、冷却温度の下降
線と、加熱温度の上昇線を延長した交点により近似的に
知ることもできる。金型表面温度T1は、熱可塑性樹脂の
融点Tm未満であり、結晶性熱可塑性樹脂ではガラス転移
温度Tg以上であり、好ましくは熱変形温度Td以上であ
り、一方非結晶性熱可塑性樹脂ではTd以上であり、好ま
しくはTg以上である。より具体的には、昇温・維持工程
により到達する金型温度は、好ましくは該熱可塑性樹脂
の熱変形温度以上(熱変形温度+0℃〜と記載す
る。)、融点未満であり、さらに好ましくは該熱可塑性
樹脂の熱変形温度+0℃〜(熱変形温度+融点)/2で
ある。樹脂温度を上記範囲より高温にしすぎると、冷却
に時間がかかりすぎ、上記範囲より低温にしすぎると、
樹脂の流動性が悪く、転写性や表面状態が悪くなる。
【0008】充填工程及び射出/保持時間 充填工程では、例えば射出成形では、射出部分等から溶
融熱可塑性樹脂が金型キャビティに充填される。樹脂が
高温金型に充填され始めてから型内充填が終了するまで
の時間を射出時間といい、射出時間は、成形機の能力、
成形品の形状によるが、通常60秒以下、場合により3
0秒以下、さらには15秒以下である。高温金型へ充填
が終了すると同時に樹脂は保圧される。樹脂は、充填及
び保圧により冷却の開始された高温金型に接触して、成
形品の表面が所望の表面になるような温度範囲に所定時
間保たれ、冷却が進んで金型温度が高温金型領域から低
温金型領域に連続的に移行し、低温金型表面温度が所定
温度T2になった時点で、保圧を停止する。なお、保圧停
止は低温金型表面温度がT2になるよりも早い時点で、行
ってもよい。上記高温金型領域に接している時間と低温
金型領域に接している時間の和を保持時間といい、該保
持時間と前記射出時間の和を射出/保持時間という。
【0009】なお、上記における所望の表面とは、金型
表面の凹凸や模様等が充分に転写された表面か、又は、
スプレーマーク、ダイライン、ピット、ばり、尖った
角、ひび割れ、気孔、ヘアライン、割れ、ふくれ等が大
幅に減少するかまたは消失して、艶のある滑らかに磨か
れた表面のことである。
【0010】冷却工程 溶融熱可塑性樹脂が高温金型に充填され始めると、ない
しは高温金型に充填終了後、直ちに金型の冷却が開始さ
れる。冷却により、熱可塑性樹脂を低温金型内で固化さ
せ、取出すのに充分な剛性をもつようにさせる。このた
めに、低温金型表面温度を所定温度T2になるように冷却
する。本発明では冷却工程の終了時期は低温金型表面温
度が所定温度T2になった時である。所定温度T2は、熱変
形温度未満であり、好ましくは熱変形温度より摂氏目盛
り100度低い温度以上(熱変形温度−100℃〜と記
載する。)、熱変形温度未満であり、さらに好ましくは
熱変形温度−80℃〜熱変形温度−10℃である。成形
品の樹脂温度を上記範囲より高温にしすぎると、突き出
し時に成形品が変形しやすく、上記範囲より低温にしす
ぎると、昇温に時間がかかりすぎる。
【0011】冷却維持時間 低温金型表面温度がT2になった時点でも、冷却時間が短
いと、突き出し等により成形品を取出すと変形が生じ
る。したがって、固定温度金型の場合の冷却時間と同様
の考えで、冷熱サイクル成形においても、従来は、冷却
維持時間を設けて、成形品取出しの際に変形が生じない
ようにしていた。すなわち、従来は、冷却維持時間中は
金型温度を上昇させなかったので、次回の成形サイクル
で昇温時間が無駄になり、成形サイクル時間が長かっ
た。しかしながら、本発明では、冷却維持時間を設ける
必要が無いことが見いだされた。すなわち、低温金型表
面温度がT2になった時点で、次のサイクルのために金型
の加熱を開始し、金型表面温度をT2からT1に昇温させ
る。この昇温・維持工程中に、樹脂の固化の状態が進
み、成形品を取出しても変形しないようになる。即ち、
成形品を、金型冷却工程を経て、金型昇温・維持工程
中、もしくは、金型昇温後に取出すことにより、実質的
に冷却工程を短縮出来、成形サイクルの短縮を実現でき
る。
【0012】一般の射出成形においては、金型キャビテ
ィに樹脂を充填した場合、金型温度が樹脂の融点Tm未満
である限り、樹脂の固化が進行する。一方、冷熱サイク
ル成形法においては、金型キャビティに樹脂を充填後、
金型冷却工程で樹脂の固化が促進され、冷却工程を経る
ことで、樹脂の固化が急激に進み、この固化促進効果は
樹脂が完全に固化する前に金型を昇温させても持続する
ものと考えられる。すなわち、金型内で樹脂を一旦急冷
することにより固化が急速に進行し、成形品を取出し可
能になるまで充分固化させるが、充分固化させる前に金
型表面温度を昇温しても、固化が進行するのである。そ
のため、従来の冷熱サイクル成形法でいう冷却工程終了
(即ち、所定温度まで急速に冷却し、充分固化させるた
めの所定温度に維持する時間を設ける。)より以前に昇
温工程に移行し、その後成形品が取出し可能になる迄固
化が進行するのを見計らって成形品を取り出すことによ
り、従来の冷熱サイクル成形法よりも成形サイクル時間
を短縮することが可能となる。
【0013】成形品の取出し工程 本発明では、成形品の取出し工程の行われる時期、即ち
成形品の取出し時期は、上記昇温・維持工程の行われる
時間中(金型温度T2からT1への昇温中、ないし昇温終了
後T1に維持されている間)である。成形品は、通常、型
開きの後、突き出し、加圧空気の供給等により取出さ
れ、直ちに型閉じが行われる。成形品の取出し工程の行
われる時間は、型開き開始から、成形品取りだし、型閉
じ終了までの時間である。成形品の取出し工程の行われ
る時間は、次の樹脂が充填される1〜30秒前、好まし
くは20秒前以内、好ましくは10秒前以内である。
【0014】成形方法 この方法は、金型を用い熱可塑性樹脂の成形を行う全て
の加工法、例えば射出成形、ブロー成形、シート成形等
に利用できるが、特に射出成形において効果的に用いら
れ、中空射出成形にも使用できる。なお、ブロー成形や
シート成形では、上記樹脂の充填開始は、高温型内へパ
リソンやシートを供給し、型を閉じて、パリソンやシー
トを型に密着させることに相当する。成形機としては、
従来の、プランジャー式、スクリューインライン式等が
挙げられる。金型としては、加熱、冷却サイクルが迅速
に行えるように熱容量が少ないもの、断熱材で本体から
遮蔽されているもの等が好ましい。金型の加熱には、ス
チーム、熱水、加熱油、電熱ヒーター等が使用可能であ
り、冷却には、冷水、冷却油が使用可能である。
【0015】樹脂の種類 本発明で使用することができる熱可塑性樹脂としては、
ポリアセタール、芳香族ポリカーボネート(PC)、各
種ポリエチレン(PE)、各種ポリプロピレン(P
P)、各種ポリスチレン(PS)、スチレンとアクリロ
ニトリル、ブタジエン、メチルメタクリレート、エチル
メタクリレート、メチルメタクリリレートなどのような
他のモノマーとを共重合したコポリマーおよびターポリ
マー(例えば、AS、ABS)、ポリブタジエンにスチ
レンモノマーを重合した耐衝撃性ポリスチレン(HIP
S)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエ
チレンテレフタレート(PET)、PBTとPETとの
フレンド、ポリプロピレンテレフタレート(PPT)、
ポリ(1,4−シクロヘキサンジメタノール)テレフタ
レート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエ
ーテルイミド、ポリエーテルイミドエステル、ポリエー
テル、ポリエーテルエステル、ポリフェニレンエーテル
(PPE)、PPEとPSやHIPSとのフレンド、ポ
リフェニレンサルファイド(PPS)、各種結晶性もし
く非晶性ポリアミド(PA)、液晶ポリマー、及びこれ
らの混合物等が挙げられる。これらの中、結晶性熱可塑
性樹脂には、造核剤を使用することができる。例えば、
ポリエチレンテレフタレートは成形困難な樹脂であり、
造核剤を使用してこの樹脂の結晶化を促進する。PET
の結晶化温度が上がれば上がるだけ、成形された状態に
おける熱変形温度等の特性がより良好になる。上記熱可
塑性樹脂には、ガラス繊維、炭素繊維、ウィスカー、粘
土、雲母、ウォラストナイト、カーボンブラック、炭酸
カルシウム、炭酸マグネシウム、その他の無機充填剤、
強化材等を添加させて、成形品用無機フィラー充填材料
とすることができる。さらに、熱可塑性樹脂には難燃
剤、熱安定剤、光安定剤、着色剤等の樹脂添加剤を使用
することもできる。
【0016】本発明は、自動車部品、事務機器、家庭用
電気製品等の部品の成形に使用可能であり、ヘジテイシ
ョンマーク、ウェルドライン、ジェッティング等を解消
することができ、金型の転写率も飛躍的に良くなり成形
品の光沢が向上すると共に、無機フィラー充填材料につ
いてはフィラーの浮きは全く無くなり無充填材料と同等
の優れた外観品質の成形品を得ることができるので、サ
ンダーがけ、塗装、メッキ等の二次加工を省略すること
が可能になる。また、樹脂の流動性も向上させることが
でき、圧縮あるいは、プレス力を低く設定することがで
きる。本発明の成形方法は、厚肉成形品のみならず薄肉
成形品でも適用可能である。
【0017】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。 熱可塑性樹脂:ポリアセタール樹脂(ポリプラスチック
ス(株)製、Tm163℃、Tg−60℃、Td110
℃,Td:ASTM D648(1.82MPa)) 射出成形機:(株)日本製鋼所製 J75−EP 成形条件:樹脂温度200℃、高温金型温度130℃、
低温金型温度80℃ 成形品形状:100mm×100mm×10mm
【0018】[実施例1]130℃に昇温された金型のキ
ャビティに溶融樹脂を充填し、保圧を行った。射出完了
後直ちに金型の冷却工程を開始し、樹脂充填開始後20
秒間で金型温度80℃に冷却された。金型温度80℃に
達した時点で、直ちに昇温工程に入り、加熱開始50秒
後、金型温度120℃に達した時点で成形品を付き出し
により取出した。加熱開始60秒後には、金型温度13
0℃に達しており、次の成形サイクルを行った。結果を
表1に示す。この結果、各サイクル毎に、良好な表面を
持った成形品が変形せずに取り出せ、サイクル成形時間
も80秒と短かった。なお、射出及び保圧タイマー並び
に冷却タイマーはこの時間内に含まれて設定されてい
る。
【0019】[比較例1]130℃に昇温された金型のキ
ャビティに溶融樹脂を充填し、保圧を行った。射出完了
後直ちに金型の冷却工程を開始し、樹脂充填開始後20
秒間で金型温度80℃にほぼ冷却された。その後、30
秒間冷却を維持した後、成形品を付き出しにより取出し
た。取出すと同時に、昇温工程に入り、加熱開始60秒
後には、金型温度130℃に達しており、次の成形サイ
クルを行った。結果を表1に示す。この結果、各サイク
ル毎に、良好な表面を持った成形品が変形せずに取り出
せたが、サイクル成形時間は110秒と長かった。
【0020】
【表1】
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、冷熱サイクル成形法に
おいて、金型の昇温・維持工程中に成形品を取出すこと
により、従来の冷却工程後に取出す方法に比べて成形サ
イクルの短縮を図ることが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 59:00 (72)発明者 五島 一也 静岡県富士市宮島973 ポリプラスチック ス株式会社内 Fターム(参考) 4F202 AA23 AF16 AH26 AH42 AH53 AK13 AM32 AP05 AP06 CA11 CB01 CN15 CN22 4F206 AA23 AF16 AH26 AH42 AH53 AK13 AM32 AP054 AR064 JA07 JM11 JN43 JQ81

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め金型を熱可塑性樹脂の融点未満の所
    定温度まで昇温し、必要により所定温度を維持する昇温
    ・維持工程、続いて樹脂を金型キャビティに充填する充
    填工程、その後金型を所定温度に冷却する冷却工程、及
    び成形品を金型から取出す取出し工程からなる熱可塑性
    樹脂の冷熱サイクル成形法において、昇温・維持工程の
    行われる時間中に取出し工程を行うことを特徴とする成
    形法。
  2. 【請求項2】 昇温・維持工程により到達する金型温度
    が該熱可塑性樹脂の熱変形温度+0℃〜融点未満であ
    り、冷却工程により到達する金型温度が該熱可塑性樹脂
    の熱変形温度−100℃〜熱変形温度未満である請求項
    1記載の熱可塑性樹脂の成形法。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂が結晶性熱可塑性樹脂であ
    る請求項1又は2に記載の成形法。
  4. 【請求項4】 結晶性熱可塑性樹脂がポリアセタール樹
    脂である請求項3に記載の成形法。
  5. 【請求項5】 充填工程が、射出成形であることを特徴
    とする請求項1〜4のいずれかに記載の成形法。
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