JP2000288682A - 過冷金属の鋳造法 - Google Patents

過冷金属の鋳造法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロストワックスを用いる精密鋳造法により、
過冷金属より成る製品を鋳造する方法を提供する。 【解決手段】 ロストワックスを用いた精密鋳造法にお
いて、過冷金属となる合金材料を溶解後、該合金の融点
+200 ℃以上に加熱し、冷却した鋳型に該合金の溶湯を
即座に流し込み急冷する。冷却した鋳型の温度は、該合
金の結晶化温度以下が望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、過冷金属より成る
装飾品、歯科用材料等をロストワックスによる精密鋳造
法により製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ペンダント、指輪、ブローチ
及びネックレス等の装飾品や歯科用材料など微細な形状
の製品を作る場合、ロストワックスによる精密鋳造法が
一般的に用いられている。このロストワックスによる精
密鋳造法は、微細で複雑な形状の物を手軽に安いコスト
で、しかも大量に作ることができる方法として大変重宝
な方法である。
【0003】このロストワックスによる精密鋳造法を用
いる場合、気をつけなければならない点として、鋳型の
微細な形状部にいかにして金属材料の溶湯を行き渡らせ
るか、また、金属材料中にいかにして鬆や割れ、湯廻り
不良等の欠陥ができないようにするかが挙げられてい
る。
【0004】これらの問題を解消する手段として、金属
材料の溶湯を鋳型の中でゆっくり冷却させることが有効
と思われるが、そのために溶湯の温度を高くすること
は、金属材料中に吸蔵したガスを凝固時に放出してしま
うので好ましくなかった。そのため、溶湯の温度を融点
以上であまり高くすることは困難であり、溶湯をゆっく
り冷却させるための方策として、従来は鋳型を800 ℃〜
900 ℃で焼成し、その温度に一定時間保った後に、鋳型
温度が300 ℃以上になるように鋳造機にセットし、鋳造
するのが一般的であった。このようにすることにより、
溶湯は鋳型の中でゆっくりと冷却され、凝固するまでに
溶湯が鋳型の隅々にまで行き渡り、また、内部のガスも
外部へ抜け、微細な形状を忠実に再現した、鬆や割れ、
湯廻り不良等の欠陥のない製品ができ上がる。すなわ
ち、鋳造温度は出来るだけ低く、鋳型温度は高めにする
ことが、一般金属合金の鋳造を成功させる常識であっ
た。
【0005】ところで近年、特異な特性を持つ材料とし
て過冷金属が注目されている。過冷金属は、特に、硬さ
が固い等の特性を有するものが多く、耐磨耗性の必要な
装飾品や歯科材料として好適と思われている。
【0006】この過冷金属は、ある特定の組成の合金
が、溶解後急冷されることにより、ガラス化し、特異な
性質を発揮するものである。そのため、過冷金属を得る
ためには、いかにして溶湯を急冷するかということが重
要となるが、過冷金属より成る装飾品等を精密鋳造法に
より作ろうとした場合、従来の条件では冷却速度が遅
く、過冷金属が得られなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な問題点を解決し、過冷金属より成る装飾品や歯科材料
の製造時、ロストワックスによる精密鋳造法を用いるこ
とにより、鋳型の微細な形状を忠実に再現し、鬆や割
れ、湯廻り不良等の欠陥のない過冷金属より成る製品を
得ることのできる方法を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の過冷金属の鋳造法は、ロストワックスを用い
た精密鋳造法により鋳造する方法において、過冷金属と
なる合金材料を溶解後該合金の融点+200 ℃以上に加熱
し、冷却した鋳型に該合金の溶湯を即座に流し込み急冷
することを特徴とするものである。
【0009】これは、従来のロストワックスによる鋳造
法の常識を破ったものであり、ガス発生によって鬆など
ができる高温に溶解温度を上げて鋳造すること、そし
て、鋳型は出来るだけ低い温度にして鋳造することな
ど、従来の常識とは全く反対の条件で鋳造することを特
徴とするものである。
【0010】なお、上記冷却した鋳型の温度は、該合金
の結晶化温度以下であることが望ましい。
【0011】上記のような構成により、本発明の過冷金
属の鋳造方法では、合金の溶湯が予め高温に加熱されて
いるため、鋳型の微細な形状部に速やかに行き渡り、さ
らに、溶湯が鋳型に接触した時点で、鋳型が冷却されて
いるため、溶湯も速やかに冷却されるので、溶湯が急冷
されて過冷金属になる。
【0012】従来の金属を精密鋳造法により鋳造する場
合、凝固時、液体から固体への変化であるため吸蔵した
ガスを放出しやすく、特に、溶湯を高温にすればするほ
どガスを吸蔵するようになり、融点より大幅に高い温度
とすることは困難であった。それに対し、過冷金属の場
合、凝固時も液体から液体と相変化がないためガスの放
出がなく、従って、溶湯をいくらでも高温にすることが
でき、上記の構成が可能となった。
【0013】溶湯の温度を融点+200 ℃以上としたの
は、この範囲に加熱しておけば、溶湯が鋳型の途中で固
まることがないためである。上限は、それほど厳密では
ないが、あまり高温になると鋳型中で急冷されなくなる
点や、エネルギーが無駄である点などを考慮して、およ
そ融点+300 ℃程度である。
【0014】このように、本発明の過冷金属の鋳造法で
は、上記のように溶湯を予め高温に加熱しておけるた
め、鋳型を冷却しておいても溶湯が微細な形状部に行き
渡り、途中で固まってしまうことがない。その後溶湯が
鋳型の隅々まで行き渡った時点で、溶湯は鋳型により急
冷されてガラス化し、過冷金属となる。
【0015】冷却した鋳型の温度は、合金の溶湯が固化
するときに、その合金の結晶化温度以下になるようにし
なければならない。従って、溶湯の量と温度により、鋳
型温度を選定しなければならない。特に、肉厚の製品を
鋳造する場合は、鋳型周辺を強制水冷したりしなければ
ならない。下限は、それほど厳密ではないが、あまり冷
却し過ぎても無駄である点や、鋳型があまり冷たくなり
過ぎている場合、高温に保った溶湯であっても鋳型の途
中で固まってしまう恐れがあるため、およそ50〜100 ℃
程度である。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明で用いる過冷金属は、特に
その種類を問わず、溶融状態から急冷することによりガ
ラス化するものであれば何でも用いられる。特に、精密
鋳造法で作られる装飾品や歯科材料には、PdCuNiP 系や
ZrAlNiCuPd系の過冷金属が用いられる。
【0017】溶解は、高周波溶解炉、電気炉等何でもか
まわないが、金属の酸化を防ぐため、Ar等不活性雰囲気
中で溶解するのが好ましい。溶解後、溶湯を所定の温度
まで加熱した後、鋳型へ流し込む。冷却方法は特定しな
いが、一般的には圧縮空気やN2の冷却ガスで冷やした
り、水冷したりする。
【0018】なお、溶湯を鋳型に流し込むとき、溶湯が
なるべく早く鋳型の隅々まで行き渡るのを助けるため、
加圧したガスで押し込むと良い。用いるガスは、N2等の
不活性ガスが良く、圧力は1.5 kg/cm2 から3kg/cm2
程度で十分である。
【0019】このような工程を経ることにより、鋳型の
微細な形状を忠実に再現し、鬆や割れ、湯廻り不良等の
欠陥のない過冷金属より成る製品を得ることができる。
【0020】<実施例1>ロストワックスを用いた精密
鋳造法により、お鈴を作製した。用いた材料は、Pd40-C
u30-Ni10-P20(at%)の合金材料であり、お鈴の大きさ
は開口の直径8cm、高さが4cm、肉厚は最大3mm、最小
0.5mmであった。ちなみにこの組成の合金は、融点が 5
22℃、結晶化温度は 366℃であった。上記組成となるよ
うに原料を混合した後、Ar雰囲気の電気炉で溶解し、さ
らに800℃になるまで加熱を続けた。鋳型はロストワッ
クスを用いて作製し、周囲を冷却水で冷やして50℃に温
度を保った。上記 800℃に加熱された溶湯を、2kg/cm
2 に加圧したN2ガスにより鋳型の中へ押し込み、鋳造を
行った。
【0021】<従来例1>実施例1と同様の方法でお鈴
を鋳造したが、唯一鋳型の温度を変化させ、370℃とし
た。
【0022】実施例1及び従来例1のどちらの場合も、
得られた製品は鋳型の細部まで忠実に再現し、鬆や割
れ、湯廻り不良等の欠陥の無いものであった。また、両
試料を示差熱分析にかけたところ、実施例1で得られた
試料は、ガラス化転移温度、結晶化温度が観測されたの
に対し、従来例1で得られた試料では、これらが観測さ
れなかった。また、実施例1で得られた試料は、X線回
折測定結果がブロードで、ビッカース硬さが 500Hvであ
ったのに対し、従来例1で得られた試料は、X線回折測
定結果にピークがあり、ビッカース硬さが600 Hvであっ
た。このように、実施例1で得られたものは過冷金属と
なっていたが、従来例1で得られたものは結晶化してし
まっていた。
【0023】<実施例2及び従来例2>実施例1及び従
来例1と同様な材料、方法により指輪(内径17mm、厚み
1.5 mm、幅3mm)を鋳造した。どちらも鋳型の形状を忠
実に再現しており、鬆や割れ、湯廻り不良等の欠陥も無
かったが、実施例2で得られたものは過冷金属になって
いたのに対し、従来例2で得られたものは結晶化してし
まっていた。
【0024】
【発明の効果】以上の通り本発明の過冷金属の鋳造法
は、ロストワックスを用いた精密鋳造法で過冷金属より
成る製品を手軽に、安価で大量に作ることができる方法
で、さらに、得られた製品は、微細な鋳型の形状を忠実
に再現し、鬆や割れ、湯廻り不良等の欠陥もないことか
ら、過冷金属より成る装飾品や歯科材料等の製造方法と
して有用である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロストワックスを用いた精密鋳造法によ
    り鋳造する方法において、過冷金属となる合金材料を溶
    解後、該合金の融点+200 ℃以上に加熱し、冷却した鋳
    型に該合金の溶湯を即座に流し込み急冷することを特徴
    とする過冷金属の鋳造法。
  2. 【請求項2】 上記冷却した鋳型の温度が、鋳造する合
    金の結晶化温度以下であることを特徴とする請求項1記
    載の過冷金属の鋳造法。
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