JP2000288526A - 有害物質の分離除去装置 - Google Patents

有害物質の分離除去装置

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JP2000288526A
JP2000288526A JP11096357A JP9635799A JP2000288526A JP 2000288526 A JP2000288526 A JP 2000288526A JP 11096357 A JP11096357 A JP 11096357A JP 9635799 A JP9635799 A JP 9635799A JP 2000288526 A JP2000288526 A JP 2000288526A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】有害副産物を発生させたり後処理に手間をかけ
たりすることなく、さまざまな有害物質を汚染土壌等か
ら効率的に分離除去する。 【構成】本発明の有害物質の分離除去装置1は、有害物
質を含んだ汚染土2が収容される気密性の収容体3と、
該収容体内の気密空間に連通された排気管4と、該排気
管に気液分離タンク5を介して接続された真空ポンプ6
と、該真空ポンプの下流側に接続された捕集機器7とか
ら概ね構成してある。収容体3は、駆動モータ26によ
り水平軸線廻りに回動させることができるようになって
いる。収容体3の内面には攪拌翼32を突設してあり、
収容体3の回動操作とともに攪拌翼32が回ることで、
収容された汚染土2を攪拌することができるとともに、
攪拌翼32の断面内には、加熱手段としての電熱ヒータ
33を埋設してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、汚染土壌、産業廃
棄物、汚泥等に含まれている油や有機塩素化合物といっ
たさまざまな有害物質を該汚染土壌等から分離除去する
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】工場跡地等で基礎工事を行う場合、燃料
油や機械油が掘削土に混じって搬出されることがある。
かかる油汚染土をそのまま放置すると、該土に混入して
いる油分が揮発して周囲に拡散し、周辺住民の生活に支
障を来すとともに、雨水によって土粒子から遊離した場
合には、地下水等に混入して水質を汚濁させる原因とも
なる。そのため、かかる油汚染土については、例えば焼
却によって油分を除去し環境への拡散を防止する必要が
ある。
【0003】また、工場跡地の土壌がトリクロロエチレ
ンやテトラクロロエチレンといった有機塩素化合物で汚
染されていることがあり、かかる汚染物質の拡散防止に
ついても十分な対策が必要となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、汚染土
壌、汚泥、産業廃棄物等を焼却処理する場合、焼却時に
かなりのエネルギーを必要とすることや土壌特性が変化
してしまうことは言うに及ばず、混入物あるいは焼却温
度によってはダイオキシンなどの有害副産物が発生する
懸念もあるという問題を生じていた。
【0005】一方、汚染土壌等に生石灰を添加して含有
水と反応させ、そのときの発生熱で汚染物質を揮発させ
る方法もあるが、やはり土壌特性が変化してしまうとい
う問題のほか、発熱に時間がかかって効率的な有害物質
の揮発除去が困難であるという問題や、気化した有害物
質が大気に拡散することがないように作業空間全体を気
密空間とし、その上で該気密空間内の空気をすべて浄化
処理しなければならないなどの問題を生じていた。
【0006】また、掘削された汚染土を水などで洗浄す
る方法もあるが、かかる方法では、洗浄水の循環設備や
浄化設備が必要になることはもちろん、処理された土が
スラリー状になっているため、これを脱水処理する手間
が増えるという問題を生じていた。
【0007】本発明は、上述した事情を考慮してなされ
たもので、有害副産物を発生させたり後処理に手間をか
けたりすることなく、さまざまな有害物質を汚染土壌等
から効率的に分離除去することが可能な有害物質の分離
除去装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る有害物質の分離除去装置は請求項1に
記載したように、有害物質を含んだ対象物が収容される
気密性の収容体と、該収容体内の気密空間に連通された
排気管と、該排気管を介して前記収容体内の気体を引き
抜いて気圧を低下させることにより前記有害物質を前記
対象物内から揮発させるとともに揮発した有害物質を前
記収容体の外部に排出する真空ポンプと、該真空ポンプ
の上流側若しくは下流側に接続され前記収容体から排出
された有害物質を捕集する捕集機器と、前記収容体内を
加熱する加熱手段とを備え、前記収容体を水平軸線廻り
に回動自在に構成するとともに該収容内の内面に攪拌翼
を突設してなるものである。
【0009】また、本発明に係る有害物質の分離除去装
置は、前記収容体の周面に対象物投入口を設けたもので
ある。
【0010】また、本発明に係る有害物質の分離除去装
置は、前記加熱手段を前記攪拌翼に設けたものである。
【0011】本発明に係る有害物質の分離除去装置にお
いては、まず、気密性の収容体内に有害物質を含んだ対
象物を投入して密封する。次に、気密性の収容体内の気
密空間に連通された排気管を介して該収容体内の空気を
真空ポンプで引き抜いて空気圧を低下させる。
【0012】このようにすると、収容体内では、空気圧
低下に伴う有害物質の沸点降下が生じて対象物内の有害
物質が揮発するので、これを収容体の外部に排出し、さ
らに捕集機器で回収する。
【0013】ここで、真空ポンプによる空気の引抜きを
行うにあたり、空気の引抜きと同時に若しくはその前
に、加熱手段によって収容体内を加熱するとともに、収
容体を水平軸線廻りに回動させる。
【0014】このようにすると、収容体内の温度上昇に
よって有害物質の蒸気圧が大きくなり、真空度をあまり
高くせずとも有害物質を揮発回収することが可能とな
る。また、収容体の回動操作によって、該収容体内の対
象物が攪拌翼で攪拌されることとなり、上述した揮発作
用が促進されるとともに、対象物内に混入している有害
物質を均一に揮発させることも可能となる。ここで、加
熱手段をどのように構成するかは任意であり、例えば電
磁波を照射して加熱する、ゴミ焼却炉等の余剰熱を温風
の形で気密空間内に送り込む、電熱手段等の発熱体を収
容体に設置する、収容体に温水を通すなどの方法が考え
られる。
【0015】なお、空気が抜かれた後についても、気密
空間内の気体、すなわち揮発した有害物質を抜いて減圧
状態を維持することにより、対象物内の有害物質を引き
続き揮発させる。
【0016】有害物質が含まれている対象物としては、
主として汚染土であるが、これ以外にもスラグ、焼却
灰、汚泥、コンクリート廃材、プラスチック廃材、廃棄
木材等も含まれる。
【0017】有害物質としては、油類や、トリクロロエ
タン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、P
CBなどの有機塩素化合物、あるいはベンゼン、トルエ
ン、ナフタレン、フェノールなどの芳香族炭化水素のほ
か、減圧下、特に、数mmHg以下のほぼ真空といえる
状態で沸点が常温以下に下がるすべての物質が包摂され
る。したがって、水銀等の重金属も本発明でいうところ
の有害物質に含まれる。
【0018】気密空間内の気圧は、該空間内の温度にお
ける有害物質の蒸気圧以下となるように設定するのが望
ましい。この程度まで気圧を下げれば、対象物内に含ま
れる有害物質は直ちに揮発する。なお、必ずしも有害物
質の蒸気圧を下回る必要はなく、若干効率は落ちるもの
の、該蒸気圧に近い気圧であればかなりの揮発作用を期
待できる。
【0019】ここで、収容体内に対象物を収容するため
の対象物投入口については、これをどのように構成して
もよいが、かかる対象物投入口を収容体の周面に設ける
ようにしたならば、該対象物投入口が下を向くように収
容体を水平軸線廻りに回動させることにより、対象物投
入口を対象物排出口として兼用することが可能となる。
【0020】また、加熱手段の構成や配置は任意である
が、これを攪拌翼に設けるようにしたならば、対象物と
接触する面積が十分に確保され、該対象物の加熱を効率
的に行うことが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る有害物質の分
離除去装置の実施の形態について、添付図面を参照して
説明する。なお、従来技術と実質的に同一の部品等につ
いては同一の符号を付してその説明を省略する。
【0022】図1は、本実施形態に係る有害物質の分離
除去装置を示した全体図、図2は同じく全体斜視図であ
る。これらの図でわかるように、本実施形態に係る有害
物質の分離除去装置1は、重油、軽油、灯油、ガソリン
等の油分、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン
などの有機塩素化合物といった有害物質を含んだ対象物
としての汚染土2が収容される気密性の収容体3と、該
収容体内の気密空間に連通された排気管4と、該排気管
に気液分離タンク5を介して接続された真空ポンプ6
と、該真空ポンプの下流側に接続された捕集機器7とか
ら概ね構成してある。
【0023】真空ポンプ6は、排気管4を介して収容体
3内の気体を引き抜いて収容体3内の気圧を下げること
により、収容体3内の気圧低下に伴う有害物質の沸点降
下作用で汚染土2内の有害物質を揮発させ、さらに、揮
発した有害物質を収容体3の外部に排出するようになっ
ている。
【0024】気液分離タンク5には気圧計10を取り付
けてあり、連通する収容体3内の気圧を計測できるよう
になっているとともに、該タンクの底面近傍には排水弁
12を設けてあり、該排水弁を開くことにより、気液分
離タンク5に溜まった有害物質や、汚染土2内から蒸発
してきた水分を抜くことができるようになっている。
【0025】捕集機器7は、活性炭吸着塔で構成してあ
り、真空ポンプ6から排出された気体から有害物質であ
る揮発分を吸着するとともに、該揮発分が除去された空
気等を排気口15から放出するようになっている。捕集
機器7内に充填する吸着剤としては、活性炭以外にも、
シリカ・アルミナ系吸着剤、モレキュラーシービングカ
ーボン等の合成吸着剤、ゼオライト、活性白土とも呼ば
れる酸性白土などから、有害物質の吸着特性に応じて適
宜選択すればよい。
【0026】一方、気密性の収容体3はほぼ円筒状をな
し、鉄骨等で組み立てた架台21の内側上方に横向きに
配置してある。
【0027】ここで、収容体3の両端周縁には図3(a)
でよくわかるようにガイド溝22を設けてあり、該ガイ
ド溝に架台21に取り付けられた荷重受け23のローラ
24を嵌め込むことで、収容体3を図1の矢印で示すよ
うに水平軸線廻りに回動自在に支持するとともに、収容
体3の一端(図1では右端)に設けられたプーリ25と
架台21に取り付けられた駆動モータ26の回転軸27
との間にベルト28を掛けることで、収容体3を水平軸
線廻りに回動させることができるようになっている。な
お、上述した排気管4は、収容体3に取り付けられたプ
ーリ25の中心近傍を貫通するように取り付けてあり、
収容体3内の気密状態が維持されるようにして該収容体
の内部空間に連通させてある。
【0028】荷重受け23は、収容体3を水平軸線廻り
に回動自在となるように安定支持できるよう適宜設置す
るものとし、本実施形態ではその一例として、120゜
間隔で計三箇所設置してある。
【0029】収容体3の周面には、対象物投入口として
の土砂投入口29を設けてあり、該土砂投入口を介して
内部の中空空間に汚染土2を投入することができるとと
もに、収容体3を上下反転させれば、該土砂投入口から
処理を終えた土を排出し、収容体3の下方に引出し自在
に配置された処理土受け槽30に落とすことができるよ
うになっている。すなわち、土砂投入口29は、対象物
排出口である土砂排出口としても機能する。
【0030】収容体3は、内部を真空若しくはそれに近
い状態まで減圧しても破損することがないよう、適当な
肉厚の鋼製容器で形成するとともに、水平軸線廻りの回
転がスムーズに行われるよう、必要に応じて図1に示す
ようなバランサー31を取り付け、重量の偏りを防止し
ておくのがよい。
【0031】収容体3の内面には、図3(b)でよくわか
るように攪拌翼32を突設してあり、収容体3の回動操
作とともに攪拌翼32が回ることで、収容された汚染土
2を攪拌することができるようになっている。また、攪
拌翼32の断面内には、加熱手段としての電熱ヒータ3
3を埋設してあり、図示しない電源に接続してあるとと
もに、収容体3内の温度を計測するための温度センサ3
5を該収容体の内面に取り付けてある。
【0032】一方、架台21には駆動モータ26や電熱
ヒータ33に接続された電源を制御する制御盤34を取
り付けてあり、該制御盤は、図4のブロック図に示すよ
うに、駆動モータ26の回転状態を該駆動モータに内蔵
されたエンコーダ37で監視しつつ収容体3が所望の回
転モードや回転速度で回転するよう、駆動モータ26を
駆動制御するとともに、収容体3内の温度を温度センサ
35で監視しつつ該収容体内の温度が所望の温度に維持
されるよう、電源36を制御して電熱ヒータ33への通
電状態や通電量などを調整することができるようになっ
ている。収容体3の回転モードとしては、例えば一方向
にのみの連続若しくは断続回転、正逆両方向の切換回
転、所望角度範囲内での揺動回転などが考えられる。
【0033】分離除去装置1を用いて汚染土2内から有
害物質を分離除去するには、まず、図6(a)に示すよう
に収容体3の土砂投入口29から汚染土2を投入して密
封し、しかる後に真空ポンプ6を作動させて収容体3内
の空気を引き抜き、該収容体内の空気圧を下げる。
【0034】空気圧を下げる程度としては、収容体3内
の空気圧が該収容体内の温度における有害物質の蒸気圧
以下となるように真空ポンプ6を作動させるのが望まし
い。具体的には、有害物質が灯油である場合には、その
蒸気圧曲線は概ね図5のようになるので、気温が25゜
C程度であるならば、60mmHg程度以下に下げれば
よい。なお、同図には、参考までに水やエチルアルコー
ルの蒸気圧曲線も描いてあり、同図から、水蒸気に先行
して揮発油分が回収できることがわかる。
【0035】このように収容体3内の空気圧を下げる
と、該収容体内では、空気圧低下に伴う有害物質の沸点
降下が生じて汚染土2内の有害物質が直ちに揮発するの
で、これを真空ポンプ6で収容体3から吸引する。そし
て、吸引された揮発分を、気液分離タンク5で液体若し
くは液体に含まれる形で回収するとともに、残りの揮発
分を捕集機器7にて吸着回収し、浄化空気を排気口15
から排出する。一方、気液分離タンク5内に溜まった有
害物質を含む溶液については、排水浄化設備や廃棄物処
理施設に送って適宜処理する。
【0036】ここで、真空ポンプ6による空気の引抜き
を行うにあたり、空気の引抜きと同時に若しくはその前
に、電熱ヒータ33で収容体3内を加熱するとともに、
図6(b)に示すように駆動モータ26で収容体3を水平
軸線廻りに回動させる。
【0037】このようにすると、収容体3内の温度上昇
によって有害物質の蒸気圧が大きくなり、真空度をあま
り高くせずとも有害物質を揮発回収することが可能とな
る。また、収容体3の回動操作に伴って該収容体内に収
容された汚染土2が攪拌翼32で攪拌されるため、上述
した揮発作用が促進されるとともに、汚染土2内に混入
している有害物質を均一に揮発させることも可能とな
る。
【0038】なお、空気が抜かれた後も、収容体3内の
揮発分を真空ポンプ6で抜いて減圧状態を維持すること
により、汚染土2内の有害物質を引き続き揮発させる。
【0039】真空ポンプ6を作動させる時間について
は、どの程度まで有害物質を除去したいかによって適宜
調節する。また、いったん所定の気圧まで下げた後にお
いては、真空ポンプ6を断続運転あるいは出力を弱めて
運転し、収容体3内で揮発した有害物質による圧力上昇
の分だけ圧力が下がるようにすれば足りる。
【0040】汚染土2内の有害物質が所望の程度まで分
離除去されたならば、真空ポンプ6を停止するととも
に、図6(c)に示すように土砂投入口29が下を向くよ
うに収容体3を水平軸線廻りに回動させ、しかる後に処
理された土を土砂投入口29から処理土受け槽30に落
下させる。処理済みの土は、例えば盛土材料として使用
すればよい。
【0041】なお、捕集機器7の排気口15近傍に検知
センサを設置することによって該排気口15からの揮発
分の含有量を監視し、計測値が一定値を越えたときに
は、捕集機器7内の活性炭の吸着能力が低下したと判断
し、捕集機器7内の活性炭を加熱する等の方法によって
吸着能力を回復させるようにするのがよい。
【0042】以上説明したように、本実施形態に係る有
害物質の分離除去装置によれば、気圧低下に伴う有害物
質の沸点降下により、汚染土2に含まれる有害物質を直
ちに揮発させて収容体3の外側に排出することができ
る。
【0043】そのため、多大な焼却エネルギーを費やす
ることなく、また焼却時にダイオキシン等の有害副産物
を発生させることなく、さらには気化した有害物質が外
部に拡散することを懸念することもなく、短時間に有害
物質を汚染土2から分離除去することが可能となる。し
かも、処理された土は、生石灰処理や焼却処理されたわ
けではないので、土壌特性に変化はなく、また、水処理
されたわけではないので脱水の必要もない。したがっ
て、処理土を盛土材などにそのまま転用することが可能
となる。
【0044】また、有害物質を気体状態で回収できるの
で、液体状態で回収する場合に比べて後処理が容易とな
るという作用効果も奏する。
【0045】また、本実施形態に係る有害物質の分離除
去装置1によれば、収容体3の内面に攪拌翼32を突設
し、収容体3の回動操作に伴って攪拌翼32で汚染土2
を攪拌するようにしたので、沸点降下による有害物質の
揮発作用が促進されるとともに、汚染土2内に混入して
いる有害物質を均一に揮発させることも可能となる。
【0046】また、本実施形態に係る有害物質の分離除
去装置1によれば、電熱ヒータ33で汚染土2を加熱す
るようにしたので、収容体3内の温度上昇によって有害
物質の蒸気圧が大きくなり、真空度をあまり高くせずと
も有害物質を揮発回収することが可能となる。なお、上
述した攪拌翼32による攪拌作用によって収容体3内を
均一に加熱することができるという相乗効果も期待でき
る。
【0047】また、本実施形態に係る有害物質の分離除
去装置によれば、収容体3の周面に対象物投入口である
土砂投入口29を設けるようにしたので、土砂投入口2
9が下を向くように収容体3を水平軸線廻りに回動させ
ることにより、土砂投入口29を対象物排出口である土
砂排出口として兼用することができるとともに、処理済
みの土をスムーズに排出することも可能となる。
【0048】また、本実施形態に係る有害物質の分離除
去装置によれば、加熱手段である電熱ヒータ33を攪拌
翼32に設けるようにしたので、汚染土2と接触する面
積が十分に確保され、該汚染土の加熱を効率的に行うこ
とが可能となる。
【0049】本実施形態では、有害物質を分離除去する
対象物を汚染土2としたが、本発明の対象物はかかる汚
染土2に限定されるものではなく、これに代えて、スラ
グ、焼却灰、汚泥、コンクリート廃材、プラスチック廃
材、廃棄木材等を対象物としてもよい。
【0050】また、本実施形態では、有害物質である揮
発分を活性炭の吸着によって回収するようにしたが、こ
れに代えて、例えば揮発分を溶剤に溶け込ませる形で回
収するようにしてもよい。
【0051】また、本実施形態では、収容体3と真空ポ
ンプ6との間に気液分離タンク5を設置して液化回収を
行うようにしたが、これを省略し、捕集機器7でのみ有
害物質の回収を行うようにしてもよい。
【0052】また、本実施形態では、気液分離タンク
5、真空ポンプ6、捕集機器7の順で収容体3に接続し
たが、まず、気液分離タンク5は、真空ポンプ6がいわ
ゆるドライタイプのものであればこれを省略してもよい
し、真空ポンプ6と捕集機器7との順序を入れ替えても
よい。
【0053】また、本実施形態では、加熱手段である電
熱ヒータ33を攪拌翼32に埋設するようにしたが、か
かる配置構成以外に、収容体3の本体に埋設する、収容
体3の内面に貼着する、収容体3の回転中心付近に配置
するなどさまざまな形態が考えられる。
【0054】また、本実施形態では特に言及しなかった
が、必要に応じて、収容体3内に圧力センサを設置した
り、攪拌状況等を確認するための覗き窓を設けたり、有
害物質の揮発状況を確認するための気体抽出口を設ける
ことが考えられる。
【0055】また、本実施形態では特に言及しなかった
が、場合によっては、気液分離タンク5の上流側に液化
装置を設けて排気管4内の揮発分を速やかに液化させ、
気液分離タンク5での回収効率を高めるようにしてもよ
い。
【0056】また、本実施形態では特に言及しなかった
が、有害物質を含んだ汚染土2を収容体3内に密封する
際、該汚染土に所定の気化促進剤を添加するようにして
もよい。
【0057】このようにすると、収容体3内では、気化
促進剤の作用によって有害物質が揮発しやすい状態とな
るので、減圧操作を行っても気化しない有害物質であっ
ても、これをすみやかに揮発させて汚染土2から分離除
去することが可能となる。なお、かかる気化促進剤は、
汚染土2を投入した後、収容体3の内部に連通接続され
た注入口(図示せず)を介してに該汚染土に添加するよ
うにしてもよい。
【0058】気化促進剤の具体例としては、酸性溶液を
加えることによって青酸ガスとして揮発するシアン、同
じく酸性溶液を加えるとともに酸化剤を加えて酸化還元
電位を高くすることによってアルシンガスとして揮発す
る砒素、塩酸を加えることによって非常に気化しやすく
なる水銀などが含まれ、シアンの場合、酸性溶液が気化
促進剤となり、砒素の場合、酸性溶液及び酸化剤が気化
促進剤となり、水銀の場合、塩酸が気化促進剤となる。
なお、本実施形態で対象とした油等の有害物質であれ
ば、気化促進剤を添加せずとも減圧操作のみでスムーズ
に気化させることができるが、かかる減圧操作に加えて
気化促進剤を添加すれば、有害物質の除去効率を著しく
高めることができることは言うまでもない。
【0059】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1に係る本発
明の有害物質の分離除去装置によれば、真空吸引による
有害物質の沸点降下により、対象物に含まれる有害物質
を直ちに揮発させて収容体の外側に排出することができ
る。そのため、多大な焼却エネルギーを費やすることな
く、また焼却時にダイオキシン等の有害副産物を発生さ
せることなく、短時間に有害物質を対象物から分離除去
することが可能となる。しかも、処理された土は、生石
灰処理や焼却処理されたわけではないので、土壌特性に
変化はなく、また、水処理されたわけではないので脱水
の必要もない。したがって、処理土を盛土材などにその
まま転用することが可能となる。
【0060】また、収容体内面に突設された攪拌翼によ
って、真空吸引による揮発作用が促進されるとともに、
対象物内に混入している有害物質を均一に揮発させるこ
とも可能となるとともに、収容体内を加熱手段で加熱す
ることによって、収容体内の温度上昇によって有害物質
の蒸気圧が大きくなり、真空度をあまり高くせずとも有
害物質を揮発回収することも可能となる。
【0061】また、請求項2に係る有害物質の分離除去
装置によれば、対象物投入口が下を向くように収容体を
水平軸線廻りに回動させることにより、対象物投入口を
対象物排出口として兼用することが可能となるという効
果も奏する。
【0062】また、請求項3に係る有害物質の分離除去
装置によれば、対象物と接触する面積が十分に確保さ
れ、該対象物の加熱を効率的に行うことが可能となると
いう効果も奏する。
【0063】
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る有害物質の分離除去装置の全
体図。
【図2】本実施形態に係る有害物質の分離除去装置の全
体斜視図。
【図3】本実施形態に係る有害物質の分離除去装置の図
であり、(a)は図1のA―A線方向から見た側面図、(b)
は図1のB―B線に沿う断面図。
【図4】制御盤34とその周辺機器との電気接続関係を
示したブロック図。
【図5】本実施形態に係る有害物質の分離除去装置の作
用を示すグラフ。
【図6】本実施形態に係る有害物質の分離除去装置の作
用を示す斜視図。
【符号の説明】
1 分離除去装置 2 汚染土(対象物) 3 収容体 4 排気管 5 気液分離タンク 6 真空ポンプ 7 捕集機器 29 対象物投入口 32 攪拌翼 33 電熱ヒータ(加熱手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D004 AA41 AB02 AB05 AB06 CA12 CA13 CA15 CA22 CA47 CA50 CB04 CB09 CB22 CB26 CB32 CB42 CB43 CB50 CC11 4D059 AA10 AA18 BD15 BD23 BD40 BJ17 BK30

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有害物質を含んだ対象物が収容される気
    密性の収容体と、該収容体内の気密空間に連通された排
    気管と、該排気管を介して前記収容体内の気体を引き抜
    いて気圧を低下させることにより前記有害物質を前記対
    象物内から揮発させるとともに揮発した有害物質を前記
    収容体の外部に排出する真空ポンプと、該真空ポンプの
    上流側若しくは下流側に接続され前記収容体から排出さ
    れた有害物質を捕集する捕集機器と、前記収容体内を加
    熱する加熱手段とを備え、前記収容体を水平軸線廻りに
    回動自在に構成するとともに該収容内の内面に攪拌翼を
    突設してなることを特徴とする有害物質の分離除去装
    置。
  2. 【請求項2】 前記収容体の周面に対象物投入口を設け
    た請求項1記載の有害物質の分離除去装置。
  3. 【請求項3】 前記加熱手段を前記攪拌翼に設けた請求
    項1記載の有害物質の分離除去装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100960554B1 (ko) * 2008-03-28 2010-06-03 재단법인서울대학교산학협력재단 전하를 갖는 미세기포를 이용한 오염 물질의 세척장치
JP2012217977A (ja) * 2011-04-14 2012-11-12 Kansai Electric Power Co Inc:The 食品廃棄物処理装置
CN108273842A (zh) * 2018-05-02 2018-07-13 北京高能时代环境技术股份有限公司 一种土壤修复热脱附加热装置
CN111438173A (zh) * 2019-12-21 2020-07-24 江苏地质矿产设计研究院 一种用于处理有机污染物土壤的装置

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