JPH1190410A - 汚染物質の原位置浄化システム - Google Patents

汚染物質の原位置浄化システム

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JPH1190410A
JPH1190410A JP9269388A JP26938897A JPH1190410A JP H1190410 A JPH1190410 A JP H1190410A JP 9269388 A JP9269388 A JP 9269388A JP 26938897 A JP26938897 A JP 26938897A JP H1190410 A JPH1190410 A JP H1190410A
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contaminated soil
contaminant
water
contaminants
pipe
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JP9269388A
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Kazuo Toge
和男 峠
Tomonori Urushibara
知則 漆原
Makoto Seiyama
真 誓山
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Obayashi Corp
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Obayashi Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】汚染物質で汚染された汚染土壌を原位置で回収
除去する。 【解決手段】本発明の原位置浄化システムは、汚染土壌
1内に存在する汚染物質2を洗い流してこれを搬送する
水を汚染土壌1内に供給する供給手段3と、汚染物質2
を汚染土壌1から水とともに回収する回収手段4とから
なる。供給手段3は、汚染土壌1の近傍に埋設された供
給管5と、該供給管に接続された水槽6とから概ね構成
してあり、水槽6内に貯留された水8をパイプ7を介し
て各供給管5に送り、該供給管に形成された透水孔9か
ら周囲の地盤に吐出するようになっている。回収手段4
は、汚染土壌1内に埋設された回収管10と、該回収管
に気液分離タンク11を介して接続された真空ポンプ1
2と、該真空ポンプの下流側に接続された活性炭槽13
とから概ね構成するとともに、回収管10に形成された
吸引孔14を地下水位15よりも上方に位置決めしてな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地盤に含まれてい
るさまざまな汚染物質を汚染土壌から原位置にて分離除
去する汚染物質の原位置浄化システムに関する。
【0002】
【従来の技術】工場廃水、工場廃棄物などによって汚染
された土壌には、有機塩素溶剤などの汚染物質が含まれ
ていることがあり、このような土壌をそのまま放置する
と、当該土壌内に含まれた汚染物質が地下水や生物サイ
クルを介して環境に拡散する危険性がある。
【0003】また、燃料油や機械油で汚染された土壌に
ついても、そのまま放置すれば、油分の臭いが周囲に拡
散して周辺住民の生活に支障を来すとともに、雨水によ
って地下水に浸透した場合には、地下水系の水質を汚濁
させる原因となる。
【0004】そのため、こういった汚染物質で汚染され
た土壌は、掘削除去して溶媒洗浄や加熱除去といった浄
化処理を施し、しかる後に管理型あるいは遮断型の処分
地に廃棄処分する一方、掘削された孔内には通常の土を
客土して原状復帰するのが一般的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
方法では、掘削の際に汚染土を攪乱して二次汚染を招く
という問題や、汚染土を大量に搬出、運搬しなければな
らないという問題、あるいは既存建築物の近接部や直下
では掘削除去自体が困難になるという問題が生じてい
た。
【0006】また、最近では、環境保護の観点から廃棄
物処分場の確保がかなり困難な状況になってきており、
廃棄処分すべき処分場が見当たらないという問題や、浸
出水に含まれる油分の処理設備が整っていない場合には
油汚染土の受入れがそもそも困難であるという問題、あ
るいは、油含有量が一定量を越える場合には、焼却が必
要となるが、その焼却土はやはり管理型処分場で廃棄処
分しなければならないという問題を生じていた。
【0007】本発明は、上述した事情を考慮してなされ
たもので、さまざまな汚染物質で汚染された汚染土壌を
掘削除去することなく汚染物質だけを原位置で除去する
ことが可能な汚染物質の原位置浄化システムを提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る汚染物質の原位置浄化システムは請求
項1に記載したように、汚染土壌内に存在する汚染物質
を洗い流してこれを搬送する搬送用流体を前記汚染土壌
内に供給する供給手段と、前記汚染物質を前記汚染土壌
から前記搬送用流体とともに回収する回収手段とからな
り、該回収手段を、前記汚染土壌内に埋設され吸引孔が
地下水位よりも上方に位置決めされた回収管と、該回収
管に接続された真空ポンプとで構成したものである。
【0009】また、本発明に係る汚染物質の原位置浄化
システムは、前記真空ポンプの下流側に汚染物質除去手
段を接続したものである。
【0010】また、本発明に係る汚染物質の原位置浄化
システムは請求項3に記載したように、汚染土壌内に存
在する汚染物質を洗い流してこれを搬送する搬送用流体
を前記汚染土壌内に供給する供給手段と、前記汚染物質
を前記汚染土壌から前記搬送用流体とともに回収する回
収手段とからなり、該回収手段を、地下水位よりも下方
に設置された揚水ポンプと、該揚水ポンプに接続された
揚水管とで構成したものである。
【0011】また、本発明に係る汚染物質の原位置浄化
システムは、前記供給手段を、前記汚染土壌内若しくは
その近傍に埋設された供給管と、該供給管に接続された
洗浄溶液タンクとから構成したものである。
【0012】また、本発明に係る汚染物質の原位置浄化
システムは、前記供給手段を、前記汚染土壌内若しくは
その近傍に埋設された供給管と、該供給管に接続された
気体圧縮機とから構成したものである。
【0013】また、本発明に係る汚染物質の原位置浄化
システムは、前記供給手段に前記搬送用流体を加熱する
加熱手段を設けたものである。
【0014】本発明に係る汚染物質の原位置浄化システ
ムにおいては、まず、供給手段を用いて汚染土壌内に搬
送用流体を供給し、該汚染土壌内に存在する汚染物質を
洗い流す。
【0015】次に、かかる供給工程と前後して回収手段
の真空ポンプを作動させる。
【0016】このようにすると、洗い流された汚染物質
は、搬送用流体とともに回収管の吸引孔を介して真空ポ
ンプに吸引回収される。また、回収管の吸引孔は、地下
水位より上方位置に位置決めしてあるため、地下水位よ
りも上方に分布する汚染物質については、地下水に流れ
込む前に回収管内に吸引される。
【0017】ここで、搬送用流体とともに吸引回収され
た汚染物質については、地上にて適宜浄化処理をした
後、大気に放出しあるいは河川等に放流すればよいが、
汚染物質が揮発性物質である場合には、前記真空ポンプ
の下流側に汚染物質除去手段、例えば活性炭槽を接続し
ておくことにより、大気放出前に汚染物質を簡単に吸着
除去することができる。
【0018】また、本発明に係る汚染物質の原位置浄化
システムにおいては、請求項1の発明と同様、まず、供
給手段を用いて汚染土壌内に搬送用流体を供給し、該汚
染土壌内に存在する汚染物質を洗い流す。
【0019】次に、かかる供給工程と前後して回収手段
の揚水ポンプを作動させる。
【0020】このようにすると、搬送用流体とともに地
下水に流れ込んだ汚染物質は、揚水ポンプで形成された
水位勾配にしたがって周囲に拡散することなく該揚水ポ
ンプの設置箇所に集まり、揚水管を介して地上に揚水さ
れる。
【0021】ここで、搬送用流体とともに地上に揚水さ
れた汚染物質については、地上にて適宜浄化処理をした
後、河川等に放流すればよい。
【0022】請求項1、請求項3の発明に係る搬送用流
体は、汚染物質を洗い流すことができるのであればどの
ようなものでも良く、その種類は問わないが、搬送用流
体として溶液を使用したいのであれば、前記供給手段
を、前記汚染土壌若しくはその近傍内に埋設された供給
管と、該供給管に接続された洗浄溶液タンクとから構成
すればよい。
【0023】搬送用流体としての溶液は、水をはじめ、
酸性溶液、アルカリ性溶液、界面活性剤、有機溶剤な
ど、汚染物質の性質に応じて適宜選択する。
【0024】一方、搬送用流体として気体を使用したい
のであれば、前記供給手段を、前記汚染土壌内若しくは
その近傍に埋設された供給管と、該供給管に接続された
気体圧縮機とから構成すればよい。
【0025】搬送用流体としての気体には、主として空
気が含まれる。
【0026】また、供給手段に搬送用流体を加熱する加
熱手段を設け、該加熱手段によって加熱された搬送用流
体を汚染土壌内に供給するようにすれば、該汚染土壌内
の汚染物質が搬送用流体に溶解しやすくなり、あるいは
ガス化しやすくなり、汚染物質の回収効率が向上する。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る汚染物質の原
位置浄化システムの実施の形態について、添付図面を参
照して説明する。なお、従来技術と実質的に同一の部品
等については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0028】(第1実施形態)図1は、本実施形態に係
る汚染物質の原位置浄化システムの全体図である。同図
でわかるように、本実施形態の原位置浄化システムは、
汚染土壌1内に存在する汚染物質2を洗い流してこれを
搬送する搬送用流体としての水を汚染土壌1内に供給す
る供給手段3と、汚染物質2を汚染土壌1から水ととも
に回収する回収手段4とからなる。
【0029】供給手段3は、汚染土壌1の近傍に埋設さ
れた供給管5と、該供給管に接続された洗浄溶液タンク
としての水槽6とから概ね構成してあり、水槽6内に貯
留された搬送用流体としての水8をパイプ7を介して各
供給管5に送り、該供給管に形成された透水孔9から周
囲の地盤に吐出するようになっている。
【0030】一方、回収手段4は、汚染土壌1内に埋設
された回収管10と、該回収管に気液分離タンク11を
介して接続された真空ポンプ12と、該真空ポンプの下
流側に接続された汚染物質除去手段としての活性炭槽1
3とから概ね構成するとともに、回収管10に形成され
た吸引孔14を地下水位15よりも上方に位置決めして
なり、真空ポンプ12は、吸引孔14から吸引された水
及び汚染物質を回収管10内を介して地上まで吸引し、
気液分離した後、ガス分を活性炭槽13に送り出すよう
になっている。
【0031】本実施形態に係る汚染物質の原位置浄化シ
ステムにおいては、まず、供給手段3を用いて汚染土壌
1内に搬送用流体である水を供給し、該汚染土壌内に存
在する油などの汚染物質2を洗い流す。
【0032】次に、かかる供給工程と前後して回収手段
4の真空ポンプ12を作動させる。
【0033】このようにすると、洗い流された汚染物質
2は、真空ポンプ12によって水とともに回収管10の
吸引孔14から該回収管内に吸引され、気液分離タンク
11で気液分離された後、真空ポンプ12の下流側に接
続された活性炭槽13に送り出される。そして、汚染物
質2のうちの揮発成分は、活性炭槽13内に充填された
活性炭に吸着回収される。一方、気液分離タンク11内
の液体分に混入した汚染物質2については、公知の除去
分離方法を用いて除去処理を行えばよい。
【0034】なお、回収管10の吸引孔14を地下水位
より上方位置に位置決めしてあるため、洗い出された汚
染物質2が地下水に流入して該地下水系に拡散する前に
これを回収管10内に吸引回収することができる。
【0035】以上説明したように、本実施形態に係る汚
染物質の原位置浄化システムによれば、汚染土壌1内の
汚染物質2を搬送用流体である水8で洗い出した上、こ
れを真空ポンプ12で吸引回収するようにしたので、従
来のように汚染土壌を掘削除去せずとも、原位置のまま
で汚染物質だけを回収することが可能となる。
【0036】そのため、掘削の際に汚染土を攪乱して二
次汚染を招くおそれがなくなるとともに、汚染土自体が
発生しないので、搬出や運搬の手間が省けるのみなら
ず、汚染土を処分するための廃棄物処分場を新たに確保
する必要もなくなる。
【0037】特に、汚染物質が地下水位以上の領域に分
布する場合、従来であれば、これを原位置で除去する手
だてはなく、汚染土壌ごと掘削除去することを余儀なく
されていたが、本実施形態によれば、このような分布範
囲にあるときでも、また、汚染物質の揮発性の有無にか
かわらず、該汚染物質を原位置でしかも効率よく回収す
ることが可能となる。
【0038】また、本実施形態によれば、回収手段4に
活性炭槽13を設置するようにしたので、揮発性の汚染
物質を大気放出前に容易に吸着除去することが可能とな
る。
【0039】また、本実施形態によれば、供給手段3を
汚染土壌1近傍内に埋設された供給管5と、該供給管に
接続された洗浄溶液タンク6とから構成したので、搬送
用流体としての溶液を汚染物質の性質に応じて選択使用
することが可能となり、例えば、水を標準使用とし、カ
ドミウムなどの重金属イオンが汚染物質であれば、その
溶解度を高めて回収効率を高めるべく、水に代えて酸性
溶液を用いる方がよいし、油が汚染物質であれば、水に
代えて界面活性剤や有機溶剤を用いることが可能であ
る。また、シアンが汚染物質であれば、アルカリ溶液を
用いることによって溶解度が高まり、回収効率を高める
ことができる。
【0040】本実施形態では、汚染物質が揮発性を有す
る場合があることを前提として回収手段4に活性炭槽1
3を備えるようにしたが、揮発のおそれがないものにつ
いては、活性炭槽13を省略して大気に放出するととも
に、気液分離タンク11に溜まった液体分については、
適宜除去処理をした後、河川等に放流すればよい。
【0041】また、本実施形態では、供給管5や回収管
10を鉛直方向に配置したが、かかる配置方向について
は任意であり、既存建築物の直下に拡がる汚染土壌を浄
化する場合には、図2に示すように、既存建築物21の
近傍に形成した作業用立坑22から水平方向に削孔して
供給管5aや回収管10aを水平配置するようにしても
よい。
【0042】また、本実施形態では特に言及しなかった
が、供給手段3に搬送用流体である水8を加熱する加熱
手段としての電熱ヒータを設置してもよい。かかる電熱
ヒータは、例えばパイプ7の途中に介在させればよい。
【0043】かかる構成によれば、電熱ヒータによって
加熱された水8が汚染土壌1内に供給されるので、該汚
染土壌内の汚染物質2が水8に溶解しやすくなり、汚染
物質2の回収効率が向上する。
【0044】また、本実施形態では、搬送用流体として
液体を使用したが、揮発性の汚染物質を対象とするので
あれば、搬送用流体として気体、特に空気を使用するよ
うにしてもよい。図3は、このような変形例に係る汚染
物質の原位置浄化システムを示した全体図である。
【0045】同図に示すように、変形例に係る原位置浄
化システムは、上述の原位置浄化システムと同様、汚染
土壌1内に存在する汚染物質2を洗い流してこれを搬送
する搬送用流体としての空気を汚染土壌1内に供給する
供給手段31と、汚染物質2を汚染土壌1から空気とと
もに回収する回収手段4とからなる。
【0046】ここで、供給手段31は、汚染土壌1の近
傍に埋設された供給管5と、該供給管に接続された気体
圧縮機としてのエアコンプレッサ32及び空気タンク3
3とから構成してあり、空気タンク33内に貯留された
搬送用流体としての空気をパイプ7を介して各供給管5
に送り、該供給管に形成された透水孔9から周囲の地盤
に吐出するようになっている。
【0047】一方、回収手段4については、上述した通
りであるので、ここでは繰り返し説明することは避ける
が、吸引された空気及びそれに搬送されてきた揮発性の
汚染物質2の中に含まれる液体分(水蒸気)は比較的少
ないと思われるので、場合によっては、気液分離タンク
11を省略してもよい。
【0048】かかる変形例においても、上述の実施形態
とほぼ同様、まず、供給手段31を用いて汚染土壌1内
に搬送用流体である空気を供給し、該汚染土壌内に存在
する揮発性の油やトリクロロエチレンなどの有機塩素系
溶剤等の汚染物質2を洗い流す。
【0049】次に、かかる供給工程と前後して回収手段
4の真空ポンプ12を作動させる。
【0050】このようにすると、洗い流された汚染物質
2は、真空ポンプ12によって空気とともに回収管10
の吸引孔14から該回収管内に吸引され、気液分離タン
ク11で気液分離された後、真空ポンプ12の下流側に
接続された活性炭槽13に送り出される。そして、汚染
物質2のうちの揮発成分は、活性炭槽13内に充填され
た活性炭に吸着回収される。
【0051】このように、本変形例によれば、上述の実
施形態と同様、従来のように汚染土壌を掘削除去せずと
も、原位置のままで汚染物質だけを回収することが可能
となるほか、揮発性の汚染物質であれば、水を使わずに
汚染物質を回収することができるので、水供給設備が不
要となる、回収水の処理並びに放流の手間が省ける等の
作用効果を奏する。
【0052】以下、上述の実施形態とほぼ同様の作用効
果を奏するので、詳細な説明は省略する。
【0053】なお、本変形例においても、上述の実施形
態と同様、供給手段31に搬送用流体である空気を加熱
する加熱手段としての電熱ヒータを設置してもよい。か
かる電熱ヒータは、例えばパイプ7の途中に介在させれ
ばよい。
【0054】かかる構成によれば、電熱ヒータによって
加熱された空気が汚染土壌1内に供給されるので、該汚
染土壌内の汚染物質2が加温された空気中に揮発しやす
くなり、汚染物質2の回収効率が向上する。
【0055】(第2実施形態)次に、第2実施形態につ
いて説明する。なお、第1実施形態と実質的に同一の部
品等については同一の符号を付してその説明を省略す
る。
【0056】図4は、第2実施形態に係る汚染物質の原
位置浄化システムを示した全体図である。同図でわかる
ように、汚染土壌1内に存在する汚染物質2を洗い流し
てこれを搬送する搬送用流体としての水を汚染土壌1内
に供給する供給手段3と、汚染物質2を汚染土壌1から
水とともに回収する回収手段40とからなる。
【0057】回収手段40は、地盤内に埋設された中空
管41と、該中空管の底部近傍であって地下水位よりも
下方となるように設置された揚水ポンプ44と、該揚水
ポンプに接続された揚水管42とで概ね構成してあり、
揚水ポンプ44は、中空管41の透水孔43から流入し
てきた水及び汚染物質2を揚水管42を介して地上に揚
水するようになっている。
【0058】本実施形態に係る汚染物質の原位置浄化シ
ステムにおいては、第1実施形態と同様、まず、供給手
段3を用いて汚染土壌1内に搬送用流体である水8を供
給し、該汚染土壌1内に存在する油などの汚染物質2を
洗い流す。
【0059】次に、かかる供給工程と前後して回収手段
40の揚水ポンプ44を作動させる。
【0060】このようにすると、搬送用流体とともに地
下水に流れ込んだ汚染物質は、揚水ポンプ44で形成さ
れた水位勾配にしたがって周囲に拡散することなく該揚
水ポンプの設置箇所に集まり、揚水管42を介して地上
に揚水される。
【0061】ここで、搬送用流体である水とともに地上
に揚水された汚染物質2については、地上にて適宜浄化
処理をした後、河川等に放流すればよい。
【0062】以上説明したように、本実施形態に係る汚
染物質の原位置浄化システムによれば、汚染土壌1内の
汚染物質2を搬送用流体である水8で洗い出した上、地
下水に流れ込んだ汚染物質2を揚水ポンプ44で地上に
揚水回収するようにしたので、従来のように汚染土壌を
掘削除去せずとも、原位置のままで汚染物質だけを回収
することが可能となる。
【0063】そのため、第1実施形態と同様、掘削の際
に汚染土を攪乱して二次汚染を招くおそれがなくなると
ともに、汚染土自体が発生しないので、搬出や運搬の手
間が省けるのみならず、汚染土を処分するための廃棄物
処分場を新たに確保する必要もなくなる。
【0064】特に、汚染物質が地下水位以上の領域に分
布する場合、従来であれば、これを原位置で除去する手
だてはなく、汚染土壌ごと掘削除去することを余儀なく
されていたが、本実施形態によれば、このような分布範
囲にあるときでも、また、汚染物質の揮発性の有無にか
かわらず、該汚染物質を原位置でしかも効率よく回収す
ることが可能となる。
【0065】なお、搬送用流体としての溶液を汚染物質
の性質に応じて選択使用することに関する記述は、第1
実施形態と同様であるので、ここではその説明を省略す
る。
【0066】なお、本実施形態も第1実施形態と同様、
供給手段3に搬送用流体である水8を加熱する加熱手段
としての電熱ヒータを設置してもよい。かかる電熱ヒー
タは、例えばパイプ7の途中に介在させればよい。
【0067】かかる構成によれば、電熱ヒータによって
加熱された水8が汚染土壌1内に供給されるので、該汚
染土壌内の汚染物質2が水8に溶解しやすくなり、汚染
物質2の回収効率が向上する。
【0068】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1に係る本発
明の汚染物質の原位置浄化システムによれば、従来のよ
うに汚染土壌を掘削除去せずとも、原位置のままで汚染
物質だけを回収することが可能となる。そのため、掘削
の際に汚染土を攪乱して二次汚染を招くおそれがなくな
るとともに、汚染土自体が発生しないので、搬出や運搬
の手間が省けるのみならず、汚染土を処分するための廃
棄物処分場を新たに確保する必要もなくなる。特に、汚
染物質が地下水位以上の領域に分布する場合、従来であ
れば、これを原位置で除去する手だてはなく、汚染土壌
ごと掘削除去することを余儀なくされていたが、本発明
によれば、このような分布範囲にあるときでも、また、
汚染物質の揮発性の有無にかかわらず、該汚染物質を原
位置でしかも効率よく回収することが可能となる。
【0069】また、請求項2に係る本発明の汚染物質の
原位置浄化システムによれば、揮発性の汚染物質を大気
放出前に容易に吸着除去することが可能となるという効
果も奏する。
【0070】また、請求項3に係る本発明の汚染物質の
原位置浄化システムによれば、従来のように汚染土壌を
掘削除去せずとも、原位置のままで汚染物質だけを回収
することが可能となる。そのため、掘削の際に汚染土を
攪乱して二次汚染を招くおそれがなくなるとともに、汚
染土自体が発生しないので、搬出や運搬の手間が省ける
のみならず、汚染土を処分するための廃棄物処分場を新
たに確保する必要もなくなる。特に、汚染物質が地下水
位以上の領域に分布する場合、従来であれば、これを原
位置で除去する手だてはなく、汚染土壌ごと掘削除去す
ることを余儀なくされていたが、本発明によれば、この
ような分布範囲にあるときでも、また、汚染物質の揮発
性の有無にかかわらず、該汚染物質を原位置でしかも効
率よく回収することが可能となる。
【0071】また、請求項4に係る本発明の汚染物質の
原位置浄化システムによれば、搬送用流体としての溶液
を汚染物質の性質に応じて選択使用することができると
いう効果も奏する。
【0072】また、請求項5に係る本発明の汚染物質の
原位置浄化システムによれば、揮発性の汚染物質であれ
ば、水を使わずに汚染物質を回収することができるの
で、水供給設備が不要となる、回収水の処理並びに放流
の手間が省ける等の効果も奏する。
【0073】また、請求項6に係る本発明の汚染物質の
原位置浄化システムによれば、汚染土壌内の汚染物質が
搬送用流体に溶解しやすくなり、あるいはガス化しやす
くなり、汚染物質の回収効率が向上するという効果も奏
する。
【0074】
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る汚染物質の原位置浄化シス
テムの全体図。
【図2】第1実施形態の変形例に係る汚染物質の原位置
浄化システムの全体図。
【図3】第1実施形態の別の変形例に係る汚染物質の原
位置浄化システムの全体図。
【図4】第2実施形態に係る汚染物質の原位置浄化シス
テムの全体図。
【符号の説明】
1 汚染土壌 2 汚染物質 3 供給手段 4 回収手段 5、5a 供給管 6 水槽(洗浄溶液タン
ク) 8 水(搬送用流体) 10、10a 回収管 12 真空ポンプ 13 活性炭槽(汚染物質除
去手段) 15 地下水位 31 供給手段 32 エアコンプレッサ(気
体圧縮機) 40 回収手段 42 揚水管 44 揚水ポンプ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 汚染土壌内に存在する汚染物質を洗い流
    してこれを搬送する搬送用流体を前記汚染土壌内に供給
    する供給手段と、前記汚染物質を前記汚染土壌から前記
    搬送用流体とともに回収する回収手段とからなり、該回
    収手段を、前記汚染土壌内に埋設され吸引孔が地下水位
    よりも上方に位置決めされた回収管と、該回収管に接続
    された真空ポンプとで構成したことを特徴とする汚染物
    質の原位置浄化システム。
  2. 【請求項2】 前記真空ポンプの下流側に汚染物質除去
    手段を接続した請求項1記載の原位置浄化システム。
  3. 【請求項3】 汚染土壌内に存在する汚染物質を洗い流
    してこれを搬送する搬送用流体を前記汚染土壌内に供給
    する供給手段と、前記汚染物質を前記汚染土壌から前記
    搬送用流体とともに回収する回収手段とからなり、該回
    収手段を、地下水位よりも下方に設置された揚水ポンプ
    と、該揚水ポンプに接続された揚水管とで構成したこと
    を特徴とする汚染物質の原位置浄化システム。
  4. 【請求項4】 前記供給手段を、前記汚染土壌内若しく
    はその近傍に埋設された供給管と、該供給管に接続され
    た洗浄溶液タンクとから構成した請求項1若しくは請求
    項3記載の汚染物質の原位置浄化システム。
  5. 【請求項5】 前記供給手段を、前記汚染土壌内若しく
    はその近傍に埋設された供給管と、該供給管に接続され
    た気体圧縮機とから構成した請求項1若しくは請求項3
    記載の汚染物質の原位置浄化システム。
  6. 【請求項6】 前記供給手段に前記搬送用流体を加熱す
    る加熱手段を設けた請求項1若しくは請求項3記載の汚
    染物質の原位置浄化システム。
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