JPH1190409A - 汚染物質の原位置浄化システム - Google Patents

汚染物質の原位置浄化システム

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JPH1190409A
JPH1190409A JP9269384A JP26938497A JPH1190409A JP H1190409 A JPH1190409 A JP H1190409A JP 9269384 A JP9269384 A JP 9269384A JP 26938497 A JP26938497 A JP 26938497A JP H1190409 A JPH1190409 A JP H1190409A
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suction
contaminants
suction pipe
tube
pipe
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JP9269384A
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Kazuo Toge
和男 峠
Tomonori Urushibara
知則 漆原
Makoto Seiyama
真 誓山
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Obayashi Corp
Original Assignee
Obayashi Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】さまざまな汚染物質で汚染された汚染土壌を掘
削除去することなく汚染物質だけを原位置で除去する。 【解決手段】本発明の原位置浄化システムは、通気通水
孔1が形成された吸引管2を汚染物質3が分布する汚染
土壌4内に埋設するとともに該吸引管の端部近傍に吸引
手段としての真空ポンプ5を気液分離タンク6を介して
接続するとともに、該真空ポンプの下流側に汚染物質除
去手段としての活性炭槽7を接続し、一方、吸引管2の
内部には内管8を配置してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地盤に含まれてい
るさまざまな汚染物質を汚染土壌から原位置にて分離除
去する汚染物質の原位置浄化システムに関する。
【0002】
【従来の技術】工場廃水、工場廃棄物などによって汚染
された土壌には、有機塩素溶剤などの汚染物質が含まれ
ていることがあり、このような土壌をそのまま放置する
と、当該土壌内に含まれた汚染物質が地下水や生物サイ
クルを介して環境に拡散する危険性がある。
【0003】また、燃料油や機械油で汚染された土壌に
ついても、そのまま放置すれば、油分の臭いが周囲に拡
散して周辺住民の生活に支障を来すとともに、雨水によ
って地下水に浸透した場合には、地下水系の水質を汚濁
させる原因となる。
【0004】そのため、こういった汚染物質で汚染され
た土壌は、掘削除去して溶媒洗浄や加熱除去といった浄
化処理を施し、しかる後に管理型あるいは遮断型の処分
地に廃棄処分する一方、掘削された孔内には通常の土を
客土して原状復帰するのが一般的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
方法では、掘削の際に汚染土を攪乱して二次汚染を招く
という問題や、汚染土を大量に搬出、運搬しなければな
らないという問題、あるいは既存建築物の近接部や直下
では掘削除去自体が困難になるという問題が生じてい
た。
【0006】また、最近では、環境保護の観点から廃棄
物処分場の確保がかなり困難な状況になってきており、
廃棄処分すべき処分場が見当たらないという問題や、浸
出水に含まれる油分の処理設備が整っていない場合には
油汚染土の受入れがそもそも困難であるという問題、あ
るいは、油含有量が一定量を越える場合には、焼却が必
要となるが、その焼却土はやはり管理型処分場で廃棄処
分しなければならないという問題を生じていた。
【0007】本発明は、上述した事情を考慮してなされ
たもので、さまざまな汚染物質で汚染された汚染土壌を
掘削除去することなく汚染物質だけを原位置で除去する
ことが可能な汚染物質の原位置浄化システムを提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る汚染物質の原位置浄化システムは請求
項1に記載したように、通気通水孔が形成された吸引管
を汚染物質が分布する汚染土壌内に埋設するとともに該
吸引管の端部近傍に所定の吸引手段及び汚染物質除去手
段を接続し、前記吸引管の内部には所定の内管を配置し
てなるものである。
【0009】また、本発明に係る汚染物質の原位置浄化
システムは、前記内管の外面若しくは前記吸引管の内面
にそれらの材軸に沿った溝を形成したものである。
【0010】また、本発明に係る汚染物質の原位置浄化
システムは、前記内管を複数配置したものである。
【0011】また、本発明に係る汚染物質の原位置浄化
システムは、前記内管を中空管として該中空管の一端に
給気口を形成し所定の気体供給手段を接続するととも
に、前記中空管の他端に吐出口を形成して前記吸引管の
内部空間に連通させ、前記気体供給手段から供給された
気体を前記中空管内を通って前記吐出口から吐出させ、
さらに前記中空管と前記吸引管との隙間を通って前記吸
引手段に吸引させるように構成したものである。
【0012】また、本発明に係る汚染物質の原位置浄化
システムは、前記気体を加熱空気としたものである。
【0013】本発明に係る汚染物質の原位置浄化システ
ムにおいては、吸引手段を作動させて汚染土壌内に埋設
された吸引管の内部を吸引する。すると、吸引管内とそ
の周辺地盤との間に差圧が生じて該周辺地盤に含まれる
ガス状や液状の汚染物質が通気通水孔を介して吸引管の
内部に吸引される。そして、ガス状の汚染物質について
は、吸引手段が作り出す気体の流れに搬送されてそのま
ま吸引管内を移動し、やがて吸引手段まで達して汚染物
質除去手段にて除去される。
【0014】一方、液状の汚染物質については、液滴と
なって吸引管の内部に配置した内管の外面あるいは吸引
管の内面に付着する。そして、かかる液滴は、吸引手段
が作り出す吸引管内の気体の流れに押される格好で内管
の外面あるいは吸引管の内面を伝いながら吸引管内の気
体の流れ方向に沿って移動し、やがて吸引手段まで達し
て汚染物質除去手段にて除去される。
【0015】すなわち、汚染土壌内の汚染物質は、まず
は、吸引手段の作用で生じている差圧によって吸引管内
に流入し、その後は、やはり吸引手段の作用で生じてい
る吸引管内の流れにそのまま搬送される形で、あるいは
内管の外面若しくは吸引管の内面を伝う形で吸引手段ま
で導かれ、速やかに回収される。
【0016】ここで、汚染土壌内の汚染物質を吸引手段
まで導けるかどうかは、吸引管の内外で差圧を発生させ
ることができるかどうか、並びに吸引管の内部に気体の
流れを発生させることができるかどうかに依存し、吸引
管を例えば鉛直方向に配置した場合における吸引管の深
さとは無関係である。これは、従来の真空吸引工法が要
するに大気圧を利用して汚染土壌内の汚染物質を地上ま
で上昇させることを原理とするため、せいぜい6m程度
の深さからしか汚染物質を回収できないことと大きく相
違する。
【0017】吸引手段としては、まずは真空ポンプを挙
げることができるが、上述した差圧と気体の流れの両方
を満足できる限り、いかなる手段で構成してもよい。例
えば、真空ポンプに代えて排気ファンを使用することが
できる。
【0018】対象とする汚染物質は任意であるが、ガス
状の汚染物質としては揮発性油、トリクロロエタンのよ
うな有機塩素系物質が該当し、液状の汚染物質として
は、カドミウム、シアン等が溶けた溶液、油等が該当す
る。
【0019】汚染物質除去手段は、環境に放出あるいは
放流する前に汚染物質を除去することを目的としたもの
であり、ガス状の汚染物質であれば、例えば活性炭槽を
使用することができる。
【0020】吸引管やその内部に配置する内管として
は、汚染物質が流入し、かつ該汚染物質の液滴が、吸引
手段が作り出す気体の流れ方向に沿って吸引管の内面や
内管の外面を伝っていくことができるのであればどのよ
うな構成でもよいが、前記内管の外面若しくは前記吸引
管の内面にそれらの材軸に沿った溝を形成したならば、
液滴がその溝内に入り込んで落下しにくくなるので、該
液滴に気体の流れが作用したとき、液滴は、その溝をガ
イドとしてスムーズに吸引手段まで搬送される。
【0021】また、内管を複数配置しておけば、内管の
表面積が全体として増加するので、液状汚染物質の付着
量ひいてはその回収量を改善することができる。
【0022】また、内管を液滴が伝う手段としてのみ構
成してもよいが、前記内管を中空管として該中空管の一
端に給気口を形成し所定の気体供給手段を接続するとと
もに、前記中空管の他端に吐出口を形成して前記吸引管
の内部空間に連通させ、前記気体供給手段から供給され
た気体を前記中空管内を通って前記吐出口から吐出さ
せ、さらに前記中空管と前記吸引管との隙間を通って前
記吸引手段に吸引させるように構成したならば、通気通
水孔を通って吸引管に流れ込む気体の量が少なくても、
該吸引管内に十分な気体の流れを作り出すことが可能と
なる。
【0023】なお、この場合には、吸引管の内外におけ
る差圧と吸引管内の気体の流れという2つの条件が達成
されるように、給気口から供給される流量と吸引手段に
よって吸引される流量とを適宜調整する。
【0024】ここで、上述の気体を加熱空気としたなら
ば、該加熱空気が内管の内外を通過する際に吸引管を介
して周囲の汚染土壌を暖めるので、液状の汚染物質であ
ってもこれをガス化して回収しやすくするとともに、粘
度が高くて吸引管内に流入させることができないような
汚染物質であってもその流動性を高めて吸引管内に流入
させることが可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る汚染物質の原
位置浄化システムの実施の形態について、添付図面を参
照して説明する。なお、従来技術と実質的に同一の部品
等については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0026】(第1実施形態)図1は、本実施形態に係
る汚染物質の原位置浄化システムの全体図である。同図
でわかるように、本実施形態の原位置浄化システムは、
通気通水孔1が形成された吸引管2を汚染物質3が分布
する汚染土壌4内に埋設するとともに該吸引管の端部近
傍に吸引手段としての真空ポンプ5を気液分離タンク6
を介して接続するとともに、該真空ポンプの下流側に汚
染物質除去手段としての活性炭槽7を接続し、一方、吸
引管2の内部には内管8を配置してある。
【0027】また、図2でよくわかるように、内管8の
外周面には該内管の材軸に沿った溝11を形成してあ
る。
【0028】本実施形態に係る汚染物質の原位置浄化シ
ステムにおいては、汚染土壌4内に吸引管2を埋設した
後、真空ポンプ5を作動させて吸引管2の内部を吸引す
る。すると、吸引管2内とその周辺地盤との間に差圧が
生じて該周辺地盤に含まれるガス状や液状の汚染物質3
が吸引管2の通気通水孔1を介して該吸引管の内部に吸
引される。そして、ガス状の汚染物質については、真空
ポンプ5が作り出す空気の流れに搬送されてそのまま吸
引管2内を同図矢印に示すように上昇し、やがて気液分
離タンク6で気液分離された後、真空ポンプ5に達す
る。そして、汚染物質除去手段である活性炭槽7で吸着
除去された後、大気に放出される。
【0029】ガス状の汚染物質としては、例えば揮発性
油、トリクロロエタンのような有機塩素系物質が該当す
る。
【0030】一方、液状の汚染物質については、通気通
水孔1を介して吸引管2内に流入した後、図2に示した
ように、該吸引管の内部に配置された内管8の外周面に
液滴12となって付着する。そして、かかる液滴は、真
空ポンプ5が作り出す吸引管2内の空気の上昇流に押し
上げられる格好で内管8の外周面を溝11に沿って伝い
ながら吸引管2内の上昇流の流れに沿って移動し、やが
て気液分離タンク6で気液分離された後、真空ポンプ5
に達する。気液分離タンク6に溜まった液状の汚染物質
は、公知の方法によって分離除去し、しかる後に河川等
に放流すればよい。液状の汚染物質としては、カドミウ
ム等の重金属イオンやシアン等が溶けた溶液、油等が該
当する。
【0031】以上説明したように、本実施形態に係る汚
染物質の原位置浄化システムによれば、汚染土壌4内の
汚染物質3は、まずは、真空ポンプ5の作用で生じてい
る差圧によって吸引管2内に流入し、その後は、やはり
真空ポンプ5の作用で生じている吸引管2内の上昇流に
そのまま搬送される形で、あるいは内管8の外周面を溝
11に沿って伝う形で真空ポンプ5まで導かれ、速やか
に回収される。すなわち、従来のように汚染土壌を掘削
除去せずとも、原位置のままで汚染物質だけを回収する
ことが可能となる。
【0032】したがって、掘削の際に汚染土を攪乱して
二次汚染を招くおそれがなくなるとともに、汚染土自体
が発生しないので、搬出や運搬の手間が省けるのみなら
ず、汚染土を処分するための廃棄物処分場を新たに確保
する必要もなくなる。
【0033】特に、汚染物質が地下水位以上の領域に分
布する場合、従来であれば、これを原位置で除去する手
だてはなく、汚染土壌ごと掘削除去することを余儀なく
されていたが、本実施形態によれば、このような分布範
囲にあるときでも、また、汚染物質の揮発性の有無にか
かわらず、該汚染物質を原位置でしかも効率よく回収す
ることが可能となる。
【0034】また、本実施形態に係る原位置浄化システ
ムによれば、従来の真空吸引工法のように大気圧を利用
して汚染物質3を上昇させるのではなく、上述したよう
な吸引管の差圧による吸い込みとその内部での上昇流に
よって汚染物質を地上まで上昇させて回収するという原
理に基づくため、従来のようにその回収深さに限度はな
く、真空ポンプ5の規模に応じた深さまで汚染物質3を
回収除去することが可能となる。
【0035】また、本実施形態によれば、内管8の外周
面に該内管の材軸に沿った溝11を形成したので、液滴
12となった液状の汚染物質がその溝11内に入り込ん
で落下しにくくなる。そのため、該液滴に空気の上昇流
を作用させれば、その溝11をガイドとして液滴12を
スムーズに真空ポンプ5まで搬送することができる。
【0036】本実施形態では、吸引管2の内部に単一の
内管8を配置したが、これに代えて図3に示すように、
複数の内管8a、8b、8cを配置するようにしてもよ
い。かかる構成によれば、内管8a、8b、8cの表面
積が全体として増加するので、液状汚染物質の付着量ひ
いてはその回収量を改善することができる。なお、各内
管8a、8b、8cの外周面には、リブ状突起に挟まれ
た溝21を形成してあるので、該溝21内に液滴として
入り込んだ液状の汚染物質が該溝21に案内されなが
ら、空気の上昇流によってスムーズに真空ポンプ5まで
搬送される。
【0037】また、本実施形態では、内管8の外周面に
のみ溝11を設けたが、かかる溝を吸引管2の内面に形
成してもよい。
【0038】(第2実施形態)次に、第2実施形態につ
いて説明する。なお、第1実施形態と実質的に同一の部
品等については同一の符号を付してその説明を省略す
る。
【0039】図4は、第2実施形態に係る汚染物質の原
位置浄化システムの全体図である。同図でわかるよう
に、本実施形態の原位置浄化システムも第1実施形態と
同様、吸引管2を汚染土壌4内に埋設するとともに該吸
引管の端部近傍に吸引手段としての真空ポンプ5を気液
分離タンク6を介して接続するとともに、該真空ポンプ
の下流側に汚染物質除去手段としての活性炭槽7を接続
し、吸引管2の内部には内管31を配置してあるが、第
2実施形態の内管31は、図5でよくわかるように中空
管として構成してあり、該中空管の上端に給気口33を
形成して気体供給手段としての送気ファン32を接続す
るとともに、中空管31の下端に吐出口35を形成して
吸引管2の内部空間に連通させ、送気ファン32から供
給された気体である空気を図4破線矢印に示すように中
空管31内を通って吐出口35から吐出させ、さらに中
空管31と吸引管2との隙間を上昇させて真空ポンプ5
に吸引させるように構てある。
【0040】また、図5でよくわかるように、内管31
の外周面には該内管の材軸に沿った溝11を形成してあ
る。
【0041】本実施形態に係る汚染物質の原位置浄化シ
ステムにおいては、第1実施形態と同様、汚染土壌4内
に吸引管2を埋設した後、真空ポンプ5を作動させて吸
引管2の内部を吸引するとともに、送気ファン32から
適当な流量の空気を中空管31内に送り込む。
【0042】なお、かかる場合、吸引管2の内外におけ
る差圧と該吸引管内の気体の流れという2つの条件が達
成されるように、給気口33から供給される流量と真空
ポンプ5によって吸引される流量とを適宜調整する。
【0043】このようにすると、通気通水孔1から流入
する空気の量が少なくて吸引管2内に十分な上昇流を発
生させることができないような場合でも、中空管31の
吐出口35から吐出された空気が該中空管と吸引管2と
の隙間を流れ、空気の上昇流が発生する。
【0044】そのため、吸引管2内とその周辺地盤との
間に生じた差圧によって該吸引管内に流れ込んだガス状
や液状の汚染物質3は、ガス状の汚染物質については、
中空管31から吐出された空気による上昇流に搬送され
てそのまま吸引管2内を図4の矢印に示すように上昇す
る。
【0045】また、液状の汚染物質については、通気通
水孔1を介して吸引管2内に流入した後、図5に示した
ように、該吸引管の内部に配置された中空管31の外周
面に液滴12となって付着し、中空管31の吐出口35
から吐出された空気による上昇流に押し上げられる格好
で中空管31の外周面を溝11に沿って伝いながら吸引
管2内の上昇流の流れに沿って移動する。
【0046】吸引管2内を上昇したガス状汚染物質や中
空管31の外周面を伝いながら移動した液状汚染物質の
その後の処理については、第1実施形態で述べた内容と
ほぼ同一であるので、ここではその説明を省略する。
【0047】以上説明したように、本実施形態に係る汚
染物質の原位置浄化システムによれば、汚染土壌4内の
汚染物質3は、まずは、真空ポンプ5の作用で生じてい
る差圧によって吸引管2内に流入し、その後は、真空ポ
ンプ5及び送気ファン32の作用で生じている吸引管2
内の上昇流にそのまま搬送される形で、あるいは内管3
1の外周面を溝11に沿って伝う形で真空ポンプ5まで
導かれ、速やかに回収される。すなわち、従来のように
汚染土壌を掘削除去せずとも、原位置のままで汚染物質
だけを回収することが可能となる。
【0048】したがって、掘削の際に汚染土を攪乱して
二次汚染を招くおそれがなくなるとともに、汚染土自体
が発生しないので、搬出や運搬の手間が省けるのみなら
ず、汚染土を処分するための廃棄物処分場を新たに確保
する必要もなくなる。
【0049】特に、汚染物質が地下水位以上の領域に分
布する場合、従来であれば、これを原位置で除去する手
だてはなく、汚染土壌ごと掘削除去することを余儀なく
されていたが、本実施形態によれば、このような分布範
囲にあるときでも、また、汚染物質の揮発性の有無にか
かわらず、該汚染物質を原位置でしかも効率よく回収す
ることが可能となる。
【0050】また、本実施形態によれば、通気通水孔1
から流入する空気の量が少なくて吸引管2内に十分な上
昇流を発生させることができないような場合でも、中空
管31の吐出口35から吐出された空気が該中空管と吸
引管2との隙間を流れて上昇流を形成するので、吸引管
2内に流入したガス状あるいは液状の汚染物質を、かか
る上昇流に乗せてスムーズに上昇させることができる。
【0051】なお、回収可能な深さや溝11による作用
効果については、上述した実施形態とほぼ同様であるの
で、ここではその説明を省略する。
【0052】本実施形態では特に言及しなかったが、送
気ファン32から供給される空気を加熱空気としてもよ
い。かかる構成によれば、該加熱空気が内管31の内外
を通過する際に吸引管2を介して周囲の汚染土壌4を暖
めるので、液状の汚染物質であってもこれをガス化して
回収しやすくするとともに、粘度が高くて吸引管2内に
流入させることができないような汚染物質であってもそ
の流動性を高めて吸引管2内に流入させることが可能と
なる。
【0053】また、第1及び第2の実施形態では特に言
及しなかったが、吸引管及びその中に配置する内管の配
置方向は鉛直に限られるわけではなく、作業用立坑から
水平方向に削孔した孔にこれらを挿入して水平配置して
もよい。
【0054】かかる構成においては、既存建築物の下方
領域であっても、汚染物質の回収を行うことが可能とな
る。
【0055】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1に係る本発
明の汚染物質の原位置浄化システムによれば、汚染土壌
内の汚染物質は、まずは、吸引手段の作用で生じている
差圧によって吸引管内に流入し、その後は、やはり吸引
手段の作用で生じている吸引管内の上昇流にそのまま搬
送される形で、あるいは内管の外周面を伝う形で吸引手
段まで導かれ、速やかに回収される。
【0056】したがって、従来のように汚染土壌を掘削
除去せずとも、原位置のままで汚染物質だけを回収する
ことが可能となり、掘削の際に汚染土を攪乱して二次汚
染を招くおそれがなくなるとともに、汚染土自体が発生
しないので、搬出や運搬の手間が省けるのみならず、汚
染土を処分するための廃棄物処分場を新たに確保する必
要もなくなる。
【0057】特に、汚染物質が地下水位以上の領域に分
布する場合、従来であれば、これを原位置で除去する手
だてはなく、汚染土壌ごと掘削除去することを余儀なく
されていたが、本発明によれば、このような分布範囲に
あるときでも、また、汚染物質の揮発性の有無にかかわ
らず、該汚染物質を原位置でしかも効率よく回収するこ
とが可能となる。
【0058】また、従来のようにその回収深さに限度は
なく、吸引手段の規模に応じた深さまで汚染物質を回収
除去することが可能となる。
【0059】また、請求項2に係る本発明の汚染物質の
原位置浄化システムによれば、液滴となった液状の汚染
物質が溝内に入り込み落下しにくくなるので、かかる状
態で該液滴に気体の上昇流を作用させれば、液状の汚染
物質を、溝をガイドとしてスムーズに吸引手段まで搬送
することができるという効果も奏する。
【0060】また、請求項3に係る本発明の汚染物質の
原位置浄化システムによれば、内管の表面積が全体とし
て増加するので、液状汚染物質の付着量ひいてはその回
収量を改善することができるという効果も奏する。
【0061】また、請求項4に係る本発明の汚染物質の
原位置浄化システムによれば、通気通水孔から流入する
空気の量が少なくて吸引管内に十分な上昇流を発生させ
ることができないような場合でも、中空管の吐出口から
吐出された空気が該中空管と吸引管との隙間を流れて上
昇流を形成するので、吸引管内に流入したガス状あるい
は液状の汚染物質を、かかる上昇流に乗せてスムーズに
上昇させることができるという効果も奏する。
【0062】また、請求項5に係る本発明の汚染物質の
原位置浄化システムによれば、加熱空気が内管の内外を
通過する際に吸引管を介して周囲の汚染土壌を暖めるの
で、液状の汚染物質であってもこれをガス化して回収し
やすくするとともに、粘度が高くて吸引管内に流入させ
ることができないような液状の汚染物質であってもその
流動性を高めて吸引管内に流入させることが可能となる
という効果も奏する。
【0063】
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る汚染物質の原位置浄化シス
テムの全体図。
【図2】第1実施形態に係る汚染物質の原位置浄化シス
テムの詳細図であり、(a)は図1のA―A線に沿う横断
面図、(b)は(a)のB―B線に沿う縦断面図。
【図3】第1実施形態の変形例に係る汚染物質の原位置
浄化システムの横断面図。
【図4】第2実施形態に係る汚染物質の原位置浄化シス
テムの全体図。
【図5】第2実施形態に係る汚染物質の原位置浄化シス
テムの詳細図であり、(a)は図1のC―C線に沿う横断
面図、(b)は(a)のD―D線に沿う縦断面図。
【符号の説明】
1 通気通水孔 2 吸引管 3 汚染物質 4 汚染土壌 5 真空ポンプ(吸引手
段) 7 活性炭槽(汚染物質除
去手段) 8、8a、8b、8c 内管 11 溝 12 液滴 31 中空管(内管) 32 送気ファン(気体供給
手段) 33 給気口 35 吐出口

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通気通水孔が形成された吸引管を汚染物
    質が分布する汚染土壌内に埋設するとともに該吸引管の
    端部近傍に所定の吸引手段及び汚染物質除去手段を接続
    し、前記吸引管の内部には所定の内管を配置してなるこ
    とを特徴とする汚染物質の原位置浄化システム。
  2. 【請求項2】 前記内管の外面若しくは前記吸引管の内
    面にそれらの材軸に沿った溝を形成した請求項1記載の
    汚染物質の原位置浄化システム。
  3. 【請求項3】 前記内管を複数配置した請求項1記載の
    汚染物質の原位置浄化システム。
  4. 【請求項4】 前記内管を中空管として該中空管の一端
    に給気口を形成し所定の気体供給手段を接続するととも
    に、前記中空管の他端に吐出口を形成して前記吸引管の
    内部空間に連通させ、前記気体供給手段から供給された
    気体を前記中空管内を通って前記吐出口から吐出させ、
    さらに前記中空管と前記吸引管との隙間を通って前記吸
    引手段に吸引させるように構成した請求項1記載の汚染
    物質の原位置浄化システム。
  5. 【請求項5】 前記気体を加熱空気とした請求項4記載
    の汚染物質の原位置浄化システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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