JP3740076B2 - 土壌浄化装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリ塩化ビフェニル(PCB)類やダイオキシン類等のような残留性有機汚染物であるハロゲン化合物や多環芳香族系の油等のような有害有機物質や、重金属類等のような有害無機物質等の各種の有害物質で汚染された土壌を浄化する土壌浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年では、生活排水、工場、事業所等からの排水などの漏洩による土壌汚染、また、工場跡地等の土壌汚染により本来自然に分解不可能な化学物質で汚染された土壌、地下水が増加し、その結果、生態系や社会生活基盤としての土壌環境に深刻な影響を与えている。そのため、このような汚染された土壌や地下水を浄化処理する各種の方法が提案されている。しかし、ポリ塩化ビフェニル(PCB)類やダイオキシン類等のような残留性有機汚染物であるハロゲン化合物や多環芳香族系の油等については有効な処理方法がなく、焼却や封じ込めなどの対策が行われているのが現状である。
【0003】
従来から一般的に行われている焼却処理は、上述したような残留性有機汚染物質であるハロゲン化合物や油等のような各種の有害物質に汚染された土壌をロータリキルン等の焼却設備により高温度雰囲気下で焼却処理し、汚染土壌に含まれている各種の有害物質を焼却して分解し、浄化土壌として環境に戻すものである。また、この焼却設備にて各種の有害物質が分解されて排出されるガスは無害化され、燃焼ガスと共に排ガスとして大気に放出される。
【0004】
しかし、このような大規模な焼却設備に関しては、膨大な汚染土壌を処理するのにエネルギコストが大きく、また、処理後の土壌の変質等により廃棄物の取り扱いとなる可能性を含んでおり、再利用するのが困難となる恐れがある。一方、前述した汚染土壌の封じ込め処理は、本質的には汚染土壌の浄化対策とは言えず、単に自然界からの遮断と言う消極的な処理方法である。そのため、上記各種有害物質に汚染された土壌を適正に浄化して自然界に戻すための経済的に有利な土壌の処理方法が望まれている。
【0005】
そこで、例えば、特開平11−5075号公報に開示された土壌浄化方法では、油で汚染された土壌に水溶性有機溶剤を添加して混合攪拌し、土壌中の油分を抽出した後に固液分離し、その液状体を引き抜くことにより土壌内の油分を有機溶剤に混合された状態で土壌から分離除去し、固液分離で生じた液状体を蒸留して有機溶剤を回収すると共に、油分を分離して処理する一方、洗浄処理した土壌に空気を送給して土壌から有機溶剤を除去すると共に、当該空気を冷却して有機溶剤を凝縮回収している。従って、土壌中の油分の含有率を著しく低下させ、適正に土壌を浄化して再利用を可能とすることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来の土壌浄化方法によって、河川等の底質等のように、含水率の高い泥状の土壌(約25wt%以上)を処理しようとすると、溶剤による油分の洗浄能力が低下し、洗浄効率が悪くなってしまっていた。
【0007】
このようなことから、本発明は、河川等の底質等のように、含水率の高い土壌を処理する場合であっても、洗浄を効率よく行うことができる土壌浄化装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を解決するための、本発明による土壌浄化装置は、残留性有機汚染物質であるハロゲン化合物または油を含んでいる有害物質で汚染された土壌を洗浄槽内に投入して当該洗浄槽内に抽出溶剤を循環給排して当該土壌を洗浄することにより当該土壌を浄化する土壌浄化装置において、前記洗浄槽内に投入する前記土壌の透液性及び透気性を高めるように当該土壌に砂及びビーズの少なくとも一方を予め混合する土壌前処理手段を備えたことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明による土壌浄化方法およびその装置の実施の形態を図面を用いて以下に説明するが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
【0015】
[第一番目の実施の形態]
本発明による土壌浄化装置の第一番目の実施の形態を図1,2を用いて説明する。図1は、土壌浄化装置の概略構成図、図2は、土壌前処理装置の概略構成図である。
【0016】
図1に示すように、ポリ塩化ビフェニル(PCB)類やダイオキシン類等のような残留性有機汚染物であるハロゲン化合物や多環芳香族系の油等のような有害有機物質で汚染されているだけでなく、水銀や鉛等の重金属類やシアン類等のような有害無機物質等の各種の有害物質で汚染された土壌を投入して浄化処理するための洗浄槽11は可搬式であって、多数の洗浄槽11を土壌の処理場所に搬送して使用する。
【0017】
前記洗浄槽11内に投入する土壌を予め乾燥させる土壌前処理手段である土壌前処理装置70は、図2に示すように、前記洗浄槽11の近傍に配設された攪拌手段である攪拌解砕装置71と、攪拌解砕装置71に土壌を供給する土壌供給手段である土壌供給装置72と、攪拌解砕装置71内に加熱した空気を流通させる空気流通手段である空気送給装置73と、攪拌解砕装置71からの土壌を洗浄槽11の内部に均一に蒔き出す蒔出手段である蒔出装置74とを備えている。
【0018】
前記攪拌解砕装置71は、ケーシング71aの内部にスクリュ71bが設けられ、供給された土壌を攪拌解砕しながら送り出すことができるようになっている。
【0019】
前記土壌供給装置72は、ショベル等から受け取った土壌中から瓦礫や木片等の異物を除去する分別機72aと、分別機72aからの土壌を保持すると共に粗破砕するホッパ72bと、ホッパ72bからの土壌を前記攪拌解砕装置71のケーシング71aの内部に定量ずつ送給するスクリュフィーダ72cとを備えている。
【0020】
前記空気送給装置73は、前記攪拌解砕装置71のケーシング71aの土壌送出方向上流側に連結されて当該ケーシング71aの内部を吸引する吸引ブロア73aと、前記ケーシング71aと吸引ブロア73aとの間に配設されて粉塵を除去するバグフィルタ73bと、前記ケーシング73aの土壌送出方向下流側に連結されて当該ケーシング71aの内部に吸引される空気を加熱する加熱手段であるヒータ73cとを備えている。
【0021】
一方、図1に示すように、タンクユニット12は、精製溶剤タンク13と、排出溶剤タンク14,15と、洗浄液タンク16とを有している。精製溶剤タンク13は、土壌に含有される有害有機物質を抽出するための溶剤を貯留するものであって、精製溶剤供給ポンプ17を有する供給配管18を介して各洗浄槽11に連結されている。一方、排出溶剤タンク14,15は、洗浄槽11内で土壌から抽出した有害有機物質を含有する溶剤を貯留するものであって、操作弁19および抽出溶剤排出ポンプ20を有する排出配管21を介して各洗浄槽11に連結されている。また、供給配管17と排出配管21との間には、操作弁22および循環ポンプ23を有する循環配管24が連結されている。
【0022】
よって、操作弁19を開放して操作弁22を閉止して状態で、精製溶剤ポンプ17を駆動すると、精製溶剤タンク13内の溶剤を供給配管18を介して各洗浄槽11に供給することができ、また、抽出溶剤排出ポンプ19を駆動すると、各洗浄槽11内の抽出溶剤を排出配管21を介して各排出溶剤タンク14,15に排出することができる。一方、操作弁19を閉止して操作弁22を開放した状態で、循環ポンプ23を駆動すると、洗浄槽11に対して循環配管24により溶剤を循環給排することができる。
【0023】
また、洗浄液タンク16は、土壌に含有される前記有害無機物質を溶解抽出または分解する洗浄液を貯留するものであって、洗浄液供給ポンプ25を有する供給配管26を介して各洗浄槽11に連結されている。そして、この各洗浄槽11には操作弁27および洗浄液排出ポンプ28を有する排出配管29が連結されている。そして、また、供給配管26と排出配管29との間には、操作弁30および循環ポンプ31を有する循環配管32が連結されている。
【0024】
よって、操作弁27を開放して操作弁30を閉止した状態で、洗浄液ポンプ25を駆動すると、洗浄液タンク16内の洗浄液を供給配管26を介して各洗浄槽11に供給することができ、また、洗浄液排出ポンプ28を駆動すると、各洗浄槽11内の抽出洗浄液を排出配管29を介して排出することができる。一方、操作弁27を閉止して操作弁30を開放した状態で、循環ポンプ31を駆動すると、洗浄槽11に対して循環配管32により洗浄液を循環給排することができる。
【0025】
なお、上記抽出槽11は、内部に設けられたフィルタ上に土壌が積載され、内部に抽出溶剤や洗浄液が供給されることにより、土壌中の前記有害有機物質や前記有害無機物質を抽出溶剤や洗浄液に溶出移行させることができると共に、フィルタを介することにより、土壌を送出することなく抽出溶剤や洗浄液のみを送出することができるようになっている。
【0026】
前記排出配管21には抽出溶剤に含まれる有害有機物質の濃度を検出する濃度センサ33が装着される一方、排出配管29には抽出洗浄液に含まれる有害無機物質の濃度を検出する濃度センサ34が装着されている。この場合、有害有機物質、有害無機物質の種類に応じて高精度な濃度を検出する複数のセンサを配設することが望ましい。
【0027】
浄化ユニット35は、洗浄槽11から排出されて排出溶剤タンク14,15に貯留された抽出溶剤から有害有機物質を除去して精製する溶剤精製装置36と、洗浄槽11から排出された抽出洗浄液から有害無機物質を除去して精製する洗浄液精製装置37と、各洗浄槽11のガスを吸引して有害有機物質または有害無機物質が除去された土壌に対して、残留した溶剤または洗浄液を除去して乾燥する乾燥装置38とを有している。
【0028】
この溶剤精製装置36は、砂などの粗粒子を除去するストレーナ39と、油脂を除去するオイルストレーナ40と、ボイラ41が連結された蒸留装置42とから構成されている。そして、排出溶剤タンク14,15とストレーナ39とが移送ポンプ43を有する移送配管44により接続されている。一方、蒸留装置42と精製溶剤タンク13とが返送配管46により連結されている。また、ストレーナ39、オイルストレーナ40、蒸留装置42には有機物質排出管47を介して有機物質処理装置48が連結されている。
【0029】
よって、移送ポンプ43を駆動して排出溶剤タンク14,15の抽出溶剤が移送配管44を通して溶剤精製装置36に送られると、ここで、抽出溶剤から前記有害有機物質が取り除かれ、浄化された抽出溶剤を返送配管46を通して精製溶剤タンク13に戻すことができる。一方、溶剤精製装置36で除去された有害有機物質は有機物質排出管47を通して有機物質処理装置48に送られ、ここで無害化処理することができる。
【0030】
洗浄液精製装置37は、砂ろ過塔49と樹脂吸着塔50とから構成されており、洗浄液の排出配管29の下流端部が砂ろ過塔49に連結され、樹脂吸着塔50と洗浄液タンク16とが返送配管51により連結され、砂ろ過塔49および樹脂吸着塔50には無機物質排出管52を介して無機物質処理装置53が連結されている。
【0031】
よって、洗浄液排出ポンプ28を駆動して各洗浄槽11から排出配管29を通して抽出洗浄液が洗浄液精製装置37に送られると、ここで、洗浄液から前記有害無機物質が取り除かれ、浄化された洗浄液を返送配管51を通して洗浄液タンク16に戻すことができる。一方、洗浄液精製装置37で除去された有害無機物質は無機物質排出管52を通して無機物質処理装置53に送られ、ここで無害化処理することができる。
【0032】
また、乾燥装置38は、洗浄槽11から排出された空気中の溶剤のミストを回収するノックアウトポット54と、空気を冷却して気化している溶剤を回収する冷却器55と、ブロア56と、溶剤の蒸気を吸着除去する活性炭塔57とから構成されている。洗浄槽11は、エア排出配管60を介してノックアウトポット54に連結され、活性炭塔57は、エア供給配管61を介して洗浄槽11に連結連結されている。また、ノックアウトポット54及び冷却器55は、溶剤返送ポンプ62を有する返送配管63を介して排出溶剤タンク15に連結されている。
【0033】
よって、ブロワ56を作動して洗浄槽11内の空気を吸引すると、空気は、ノックアウトポット54内で溶剤の前記ミストが回収され、また、冷却器55で冷却されてガス状の溶剤が液状となって回収され、更に、活性炭塔57で浄化されて洗浄槽11に供給されることにより、洗浄槽11内に残留する溶剤を蒸発させて土壌から除去することができる。
【0034】
ところで、有害物質で汚染された土壌を洗浄する浄化液、より詳しくは、土壌中に含有される前記有害有機物質を抽出するための抽出溶剤および土壌中に含有される前記有害無機物質を溶解抽出または分解洗浄する洗浄液は、土壌の汚染調査を事前に行って求められた土壌中の有害有機物質および有害無機物質の濃度等に基づいて、その種類を設定する必要がある。
【0035】
本実施の形態では、抽出溶剤として親水性溶剤、例えば、アルコールを使用し、洗浄液として水、アルカリ液(例えば、NaOH)、酸性液(例えば、H2SO4)を使用している。
【0036】
このような本実施の形態の土壌浄化装置を使用する土壌浄化方法を次に説明する。
【0037】
まず、土壌の浄化処理を行う現地の汚染状態を事前に調査し、必要な機材や処理剤等を準備し、現地に各種の装置を搬送して組み立てて浄化設備を設置する。なお、処理現場の広さや浄化処理する土壌の処理量などに応じて洗浄槽11の設置数を設定する。
【0038】
そして、土壌を浄化処理するための設備を設置した後、図2に示すように、まず、パワーショベル等を用いて土壌を土壌前処理装置70の土壌供給装置72の分別機72aに供給すると、土壌は、分別機72aで瓦礫や木片等の異物が除去されてホッパ72bに送給され、ホッパ72bで保持されながら粗破砕され、スクリュフィーダ72cでホッパ72bからの土壌を攪拌解砕装置71のケーシング71aの内部に定量ずつ送給され、スクリュ71bで攪拌解砕されながら送られる。
【0039】
このとき、空気送給装置73の吸引ブロア73aおよびヒータ73cを作動させ、前記ケーシング71a内に加熱された空気(約150度程度)を流通させると、前記土壌は、全体的にまんべんなく乾燥されながら当該ケーシング71a内から送出され、蒔出装置74で洗浄槽11の内部に均一に蒔き出されながら投入される。
【0040】
次に、図1に示すように、精製溶剤ポンプ17により精製溶剤タンク13の抽出溶剤(アルコール)を供給配管18を介して各洗浄槽11に供給し、操作弁19を閉止して操作弁22を開放し、循環ポンプ23により循環配管24を介して抽出溶剤を洗浄槽11に循環給排する。この抽出溶剤の循環給排を所定時間行うことで、土壌中の前記有害有機物質を抽出溶剤に抽出することができる。
【0041】
抽出溶剤を洗浄槽11に所定時間(例えば、3〜4時間)循環給排して土壌中の前記有害有機物質を抽出溶剤に抽出したら、操作弁22を閉じて操作弁19を開放し、抽出溶剤排出ポンプ19を作動して排出配管21を介して各洗浄槽11内の抽出溶剤を排出溶剤タンク14,15に排出する。そして、再び、精製溶剤タンク13の新しい溶剤を洗浄槽11に供給して循環し、前述と同様に、この溶剤の循環給排を所定時間行うことで有機物質を抽出する。
【0042】
この作業を数サイクル行いながら、排出された溶剤における各種の有害有機物質の濃度を濃度センサ33により計測する。そして、この濃度センサ33の計測値が予め設定された所定値以下になったら、洗浄槽11の土壌に含有する有害有機物質の残留量が公定法で定められた基準値以下になったものとし、抽出溶剤の循環給排を停止して洗浄槽11内の抽出溶剤を全て排出溶剤タンク14,15に排出して土壌中からの有害有機物質の洗浄除去作業を終了する。
【0043】
続いて、ブロワ56を作動して洗浄槽11内の空気を吸引することにより、洗浄槽11内の土壌に残留する溶剤を蒸発させて空気と共に排出して当該土壌を乾燥させる。そして、排出された空気をノックアウトポット54内で隔壁に衝突させることで溶剤のミストを回収し、また、冷却器55で冷却することでガス状の溶剤を液化して回収し、更に、空気中の含まれている溶剤のガスを活性炭塔57で吸着する。そして、ノックアウトポット54及び冷却器55で回収した溶剤を溶剤返送ポンプ64により返送配管65介して排出溶剤タンク15に戻す。
【0044】
このように洗浄槽11内の土壌から有害有機物質が除去されたら、続いて、洗浄液ポンプ25により洗浄液タンク16(水タンク)内の洗浄液(水)を供給配管26を介して各洗浄槽11に供給し、前述した抽出溶剤による有害有機物質の洗浄除去と同様の手順によって、洗浄槽11内の土壌を水に浸漬させる。そして、循環ポンプ31により循環配管32を介して水を洗浄槽11に循環給排することで、土壌中に含有される水溶性の有害無機物質(例えばフェリシアン化カリウム等)を溶解する。
【0045】
上記水を洗浄槽11に所定時間循環給排したら、この水の循環を停止して洗浄剤排出ポンプ28により各洗浄槽11内の水を洗浄液精製装置37に排出する。そして、再び、水タンク16aの新しい水を洗浄槽11に供給して循環し、この水の循環給排を所定時間行うことで水溶性の有害無機物質を再度抽出する。
【0046】
この作業を数サイクル行いながら、排出された水における上記有害無機物質の濃度を濃度センサ34により計測する。そして、この濃度センサ34の計測値が予め設定された所定値以下になったら、洗浄槽11の土壌に含有する上記有害無機物質の残留量が公定法で定められた基準値以下になったものとし、水の循環給排を停止して洗浄槽11内の水を全て排出して土壌中からの水溶性の有害無機物質の洗浄除去作業を終了する。
【0047】
以下、同様に、アルカリ液を洗浄槽11に所定時間循環給排してこの処理を数サイクル行うことで、汚染土壌に含まれるアルカリ溶解性の有害無機物質(例えばシアン類等)を土壌中から洗浄除去する。更に、酸性液を洗浄槽11に所定時間循環給排してこの処理を数サイクル行うことで、土壌中に含まれる酸溶解性の有害無機物質(例えば塩化鉛等)を除去する。
【0048】
一方、排出溶剤タンク14,15の抽出溶剤(アルコール)を移送ポンプ43により移送配管44を介して溶剤精製装置36に送り、ここで抽出溶剤から前記有害有機物質を除去し、再生された抽出溶剤を精製溶剤タンク13に戻す。溶剤精製装置36で分離された有害有機物質は、有機物質排出管47を通して有機物質処理装置48に送られて無害化処理される。なお、無害化処理方法としては、例えば、焼却処理法や水熱酸化分解処理法等が挙げられる。
【0049】
また、洗浄液精製装置37では、洗浄液(水、アルカリ液、酸性液)から前記有害無機物質をそれぞれ取り除き、再生された洗浄液を洗浄液タンク16に戻す。洗浄液精製装置37で分離された上記有害無機物質は、無機物質排出管52を通して無機物質処理装置53に送られて無害化処理される。
【0050】
上述した処理により洗浄槽11内で土壌から前記有害有機物質および前記有害無機物質を分離除去したら、洗浄槽11内から土壌を取り出して自然界に戻す。
【0051】
このような本実施の形態においては、上述したように、洗浄槽11内に投入する土壌を土壌前処理装置70で予め乾燥させるようにしたので、河川等の底質等のように、含水率の高い泥状の土壌(約25wt%以上)を処理する場合であっても、洗浄処理に先立って、土壌中の水分を大幅に削減することができるので、抽出溶剤による有害物質の抽出能力の低下を抑制することができる。
【0052】
したがって、本実施の形態によれば、含水率の高い土壌を処理する場合であっても、洗浄を効率よく行うことができる。また、攪拌解砕装置71により土壌を解砕しながら乾燥させるようにしたことから、洗浄槽11内に土壌をほぐして供給することができるので、土壌の透液性や透気性を向上させて、土壌の浄化や乾燥の均一化を図ることができ、処理効率を向上させることができる。
【0053】
[第二番目の実施の形態]
本発明による土壌浄化装置の第二番目の実施の形態を図3を用いて説明する。図3は、土壌前処理装置の概略構成図である。なお、前述した第一番目の実施の形態と同様な部分については、前述した第一番目の実施の形態の説明で用いた符号と同一の符号を用いることにより、その重複する説明を省略する。
【0054】
本実施の形態による土壌浄化装置は、図3に示すように、前記洗浄槽11内に投入する前記土壌を砂と予め混合する土壌前処理手段である土壌前処理装置80を備えている。
【0055】
前記土壌前処理装置80は、前記洗浄槽11の近傍に配設され、土壌を攪拌する攪拌手段である攪拌解砕装置71と、攪拌解砕装置71に土壌を供給する土壌供給手段である土壌供給装置72と、攪拌解砕装置71に粒状物である砂を供給する粒状物供給手段である砂供給装置85と、攪拌解砕装置71で混合された土壌と砂との混合物を洗浄槽11の内部に均一に蒔き出す蒔出手段である蒔出装置74とを備えている。
【0056】
前記砂供給装置85は、砂を貯溜する貯溜ホッパ85aと、この貯溜ホッパ85a内の砂を搬送する搬送フィーダ85bと、搬送フィーダ85bからの砂を受け入れるホッパ85cと、このホッパ85c内の砂を前記攪拌解砕装置71のケーシング71aの内部に定量ずつ送給するスクリュフィーダ85dとを備えている。
【0057】
つまり、本実施の形態による土壌前処理装置80は、前述した第一番目の実施の形態の土壌前処理装置70の空気送給装置73を省略すると共に、砂供給装置85を設けた構造をなしているのである。
【0058】
このような本実施の形態においては、前述した第一番目の実施の形態の場合と同様にして、パワーショベル等を用いて土壌を土壌前処理装置80の土壌供給装置72の分別機72aに供給すると、土壌は、分別機72aで瓦礫や木片等の異物が除去されてホッパ72bに送給され、ホッパ72bで保持されながら粗破砕され、スクリュフィーダ72cでホッパ72bからの土壌を攪拌解砕装置71のケーシング71aの内部に定量ずつ送給され、スクリュ71bで攪拌解砕されながら送られる。
【0059】
これと同時に、砂供給給装置85の前記フィーダ85b,85dを作動させ、貯溜ホッパ85a内の砂を前記ホッパ85cを介して前記ケーシング71a内に供給すると、前記土壌は、当該ケーシング71a内で当該砂と共にまんべんなく攪拌混合されながら当該ケーシング71a内から送出され、砂との混合物となって蒔出装置74で洗浄槽11の内部に均一に蒔き出されながら投入される。
【0060】
このため、河川等の底質等のように、含水率の高い泥状の土壌(約25wt%以上)であっても、土壌に砂を混合しているので、土壌の水はけ性がよくなり、土壌中から水分が比較的効率よく排出され、洗浄処理に先立って、土壌中の水分を大幅に削減することができ、溶剤による油分の洗浄能力の低下を抑制することができる。
【0061】
したがって、本実施の形態によれば、前述した第一番目の実施の形態の場合と同様に、含水率の高い土壌を処理する場合であっても、洗浄を効率よく行うことができると共に、土壌の透液性や透気性を向上させて、土壌の浄化や乾燥の均一化を図ることができ、処理効率を向上させることができる。
【0062】
[他の実施の形態]
なお、前述した第一番目の実施の形態では、前記空気供給装置73において、攪拌解砕装置71のケーシング71aの土壌搬送方向上流側に吸引ブロア73aを連結して、ケーシング71a内に空気を流通させるようにしたが、他の実施の形態として、例えば、攪拌解砕装置71のケーシング71aの土壌搬送方向下流側に送風ブロアを連結して、ケーシング71a内に空気を流通させるようにすることも可能である。
【0063】
また、前述した第一番目の実施の形態において、例えば、土壌の乾燥に使用された空気から水分を回収するノックアウトポットや熱交換器等の水分回収手段を設けると好ましく、加えて、水分を回収された上記空気を再び乾燥に供するように当該空気を循環利用する空気循環手段を設けると、熱エネルギを有効利用することができるので、より好ましい。
【0064】
また、前述した第二番目の実施の形態では、攪拌解砕装置71への土壌および砂の送給をそれぞれ個別のスクリュフィーダ72c,85dで行うようにしたが、他の実施の形態として、例えば、攪拌解砕装置71への土壌および砂の送給を同一のスクリュフィーダで一括して行うことも可能である。
【0065】
また、前述した第二番目の実施の形態では、粒状物として砂を使用するようにしたが、他の実施の形態として、例えば、珪酸等からなるビーズを粒状物として使用することも可能であり、砂とビーズとの混合物を粒状物として使用することも可能である。しかしながら、前述した第二番目の実施の形態のように、砂を粒状物として使用すると、洗浄処理後に粒状物を土壌から分離することなくそのまま埋め戻しすることができるので非常に好ましい。
【0066】
また、前述した第一,二番目の実施の形態では、攪拌解砕装置71により、土壌を乾燥させたり砂と混合したりしながら蒔出装置74に連続的に送給するようにしたが、他の実施の形態として、例えば、バッチ式の攪拌装置により、土壌を乾燥させたり砂と混合した後に、バッチごとに蒔出装置74で洗浄槽11内に土壌を供給するようにすることも可能である。このとき、前記攪拌装置と蒔出装置との間にスクリーン等のような解砕装置を設けると、土壌の解きほぐしを確実に行うことができるので望ましい。
【0067】
また、前述した第一,二番目の実施の形態では、土壌中から瓦礫や木片等の異物を除去する分別機72aを土壌供給装置72に設けたが、土壌の種類や状態等によっては上記分別機72aを省略することも可能である。
【0068】
また、前述した第一,二番目の実施の形態では、分別機72aからの土壌を保持すると共に粗破砕するホッパ72bを土壌供給装置72に設けたが、他の実施の形態として、例えば、土壌を保持するホッパに土壌を粗破砕する破砕機を取り付けてホッパ機能と破砕機能とをそれぞれ個別に担うようにすることも可能である。さらに、土壌の種類や状態等によっては粗破砕機能のないホッパを適用することも可能である。
【0069】
また、前述した第一番目の実施の形態の他の実施の形態として、例えば、土壌の含水率を求める誘電率センサ等のような含水率測定手段を前記土壌前処理装置70の土壌供給装置72のホッパ72b内に設けると共に、攪拌解砕装置71のスクリュ71bのトルクを検出するトルク検出手段を設け、上記含水率測定手段および上記トルク検出手段での検出結果に基づいて、攪拌解砕装置71のスクリュ71bのトルクを一定の範囲内に抑制するように、空気送給装置73のヒータ73cによる空気の加熱量を調整すると共に、土壌供給装置72のスクリュフィーダ72cによる土壌の供給量を調整する制御手段を備えれば、どのような含水率の土壌であっても、抽出溶剤による有害物質の抽出能力を常に一定に保つことができるので、土壌の処理効率の向上を図ることができて非常に好ましい。
【0070】
また、前述した第二番目の実施の形態の他の実施の形態として、例えば、土壌の含水率を求める誘電率センサ等のような含水率測定手段を前記土壌前処理装置80の土壌供給装置72のホッパ72b内に設けると共に、攪拌解砕装置71のスクリュ71bのトルクを検出するトルク検出手段を設け、上記含水率測定手段および上記トルク検出手段での検出結果に基づいて、攪拌解砕装置71のスクリュ71bのトルクを一定の範囲内に抑制するように、土壌供給装置72のスクリュフィーダ72cによる土壌の供給量を調整する制御手段を備えれば、どのような含水率の土壌であっても、抽出溶剤による有害物質の抽出能力を常に一定に保つことができるので、土壌の処理効率の向上を図ることができて非常に好ましい。
【0074】
【発明の効果】
発明による土壌浄化装置は、残留性有機汚染物質であるハロゲン化合物または油を含んでいる有害物質で汚染された土壌を洗浄槽内に投入して当該洗浄槽内に抽出溶剤を循環給排して当該土壌を洗浄することにより当該土壌を浄化する土壌浄化装置において、前記洗浄槽内に投入する前記土壌の透液性及び透気性を高めるように当該土壌に砂及びビーズの少なくとも一方を予め混合する土壌前処理手段を備えたことから、例えば、河川等の底質等のように、含水率の高い泥状の土壌であっても、土壌の水はけ性がよくなり、土壌中から水分が比較的効率よく排出され、洗浄処理に先立って、土壌中の水分を大幅に削減することができるので、溶剤による油分の抽出能力の低下を抑制することができ、洗浄を効率よく行うことができると共に、土壌の透液性や透気性を向上させて、土壌の浄化や乾燥の均一化を図ることができ、処理効率を向上させることができると共に、土壌の水はけ性の向上を低コストで簡単に行うことができると同時に、土壌と共に浄化処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による土壌浄化装置の第一番目の実施の形態の全体の概略構成図である。
【図2】図1の土壌前処理装置の概略構成図である。
【図3】本発明による土壌浄化装置の第二番目の実施の形態の土壌前処理装置の概略構成図である。
【符号の説明】
11 洗浄槽
12 タンクユニット
35 浄化ユニット
36 溶剤精製装置
37 洗浄液精製装置
38 乾燥装置
70 土壌前処理装置
71 攪拌解砕装置
71a ケーシング
71b スクリュ
72 土壌供給装置
72a 分別機
72b ホッパ
72c スクリュフィーダ
73 空気送給装置
73a 吸引ポンプ
73b バグフィルタ
73c ヒータ
74 蒔出装置
80 土壌前処理装置
85 砂供給装置
85a 貯溜ホッパ
85b 搬送フィーダ
85c ホッパ
85d スクリュフィーダ

Claims (1)

  1. 残留性有機汚染物質であるハロゲン化合物または油を含んでいる有害物質で汚染された土壌を洗浄槽内に投入して当該洗浄槽内に抽出溶剤を循環給排して当該土壌を洗浄することにより当該土壌を浄化する土壌浄化装置において、
    前記洗浄槽内に投入する前記土壌の透液性及び透気性を高めるように当該土壌に砂及びビーズの少なくとも一方を予め混合する土壌前処理手段を備えた
    ことを特徴とする土壌浄化装置。
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