JP2014145723A - 放射性汚染物の処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】土壌や瓦礫等、汚染物の種類を問わずに放射性セシウム等の放射性物質を除去することができ、しかも大掛かりな設備を必要とせず、コンパクトな装置により処理する。
【解決手段】汚染物処理車2,3に一次加熱器9及び二次加熱器10を搭載して、放射性汚染区域内を走行しながら汚染物を収集し、収集した汚染物を一次加熱器9に投入し、一次加熱器9内で放射性物質の沸点以下の温度で一次加熱処理して炭化し、一次加熱器9から取出した炭を二次加熱器10にて一次加熱処理よりも高温で二次加熱処理して灰化し、その灰化により生じた排ガス及び灰をそれぞれ洗浄液に混合して洗浄した後、その洗浄済液から放射性物質を収集する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、地震、津波等の災害や事故等により発生した放射性セシウム含有土壌などの放射性汚染物を処理する方法に関する。
災害や事故等により原子力発電所やその関連施設からセシウム137などの放射性セシウムを含む放射性物質が周辺に飛散する場合がある。特に津波を伴う災害の場合は、海水が陸上に押し上げられ、その際、放射性物質が原子力関連施設の近隣だけでなく、広い範囲に拡散し、津波が引いた後にも陸地には広い範囲で放射性物質が残される。このため、これら放射性物質を含有した土壌の除染処理が必要になる。
従来、放射性物質含有土壌等の放射性汚染物を処理する方法として、例えば特許文献1又は特許文献2に記載のものが提案されている。
特許文献1には、トラクター等で牽引される車体に水密性の水タンクと送風機が搭載されており、牧草地等の地上から送風機によって吸引された放射性物質が水タンク内の水をくぐって水タンク上部の空気層に移動し、水タンク内で放射性物質は水に吸着され、水タンク上部の空気層は押し出されて地面に向かって吐き出され、吐き出された空気は再び吸引されることにより、放射性物質を外部に漏れ出さない、とする放射性物質除去装置が開示されている。
一方、特許文献2には、汚染物中の放射性核種を動物又は植物に移行させた後に、その動物又は植物を分解可能な微生物の働きにより減容することが開示されている。具体的には、汚染土壌にアンズタケ等のキノコやイネ科植物など、Cs137を生物濃縮可能な植物を育てて、バクテリアなどの微生物によって分解することにより減容することが記載されている。
特開2012−233695号公報 特開2012−202871号公報
ところで、津波以外の要因でも、風で放射性物質が飛散すると、広範囲の汚染地域が発生する。このため、これら放射性物質による汚染は、平地だけでなく山林にも生じ、また、放射性物質は土壌の上だけでなく、その上に堆積した瓦礫等にも付着する。
特許文献1記載の方法では、地表に吹き付けた空気を収集するだけであるので、土壌内の放射性物質を除去することはできない。また、瓦礫等に付着した放射性物質の除去も困難である。
一方、特許文献2記載の方法では、土壌内部の放射性物質を浄化できるとしても、浄化可能な深さには限界があるとともに、植物等が育つまでの間に時間がかかる。また、瓦礫等に付着した放射性物質は除去できない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、土壌や瓦礫等、汚染物の種類を問わずに放射性セシウム等の放射性物質を除去することができ、しかも大掛かりな設備を必要とせず、コンパクトな装置により処理することができる放射性汚染物の処理方法を提供することを目的とする。
本発明の放射性汚染物の処理方法は、汚染物処理車に一次加熱器及び二次加熱器を搭載して、放射性汚染区域内を走行しながら汚染物を収集し、収集した汚染物を前記一次加熱器に投入し、該一次加熱器内で放射性物質の沸点以下の温度で一次加熱処理して炭化し、前記一次加熱器から取出した炭を前記二次加熱器にて一次加熱処理よりも高温で二次加熱処理して灰化し、その灰化により生じた排ガス及び灰をそれぞれ洗浄液に混合して洗浄した後、洗浄済液内の放射性物質を収集処理することを特徴とする。
放射性汚染区域内を汚染物処理車が走行しながら汚染物を収集して、加熱処理することができるので、広い範囲の汚染区域であってもオンサイトにて容易に作業することができる。
また、放射性物質除去の前処理として、放射性セシウム等の放射性物質の沸点以下の温度での一次加熱処理で汚染物を炭化することにより汚染物を減容するとともに、その際の放射性物質の揮発を抑制し、次いで、減容した汚染物から放射性物質の除去処理を行うようにしており、放射性物質除去のための大規模な設備を必要とせず、簡便な装置で処理することが可能になる。
さらに、高温の二次加熱処理にて炭を排ガスと灰にして、最後に、これらを洗浄液により混合洗浄した後の洗浄済液から放射性物質を凝集して除去するので、放射性物質を効率的に除去することができる。
なお、一次加熱器、二次加熱器は、一台の汚染処理車に搭載してもよいし、二台の汚染処理車に搭載してもよい。
この放射性汚染物の処理方法において、前記洗浄済液に凝集剤を添加することにより前記放射性物質を凝集させるとよい。
あるいは、前記洗浄済液を電気分解することにより前記放射性物質を凝集させることもできる。
洗浄済液に凝集剤を添加することにより、放射性物質を凝集させて沈殿させる、あるいは洗浄済液を電気分解することにより、電極付近に放射性物質を凝集させることができ、これらの方法により放射性物質の凝集を促進することができる。凝集剤の添加と電気分解とを併用してもよい。
また、この放射性汚染物の処理方法において、前記洗浄済液にフルボ酸又はフミン酸を添加するとよい。
洗浄済液にフルボ酸又はフミン酸を添加すると、砂等の微細な孔に入り込んだ放射性物質を溶かして外部に排出する作用があり、放射性物質を確実に凝集させることができる。フルボ酸又はフミン酸は土壌由来の物質で、無害であり、取り扱い容易である。
さらに、本発明の放射性汚染物の処理方法において、収集した汚染物を一次加熱器に投入する前に、洗浄液により混合洗浄して凝集剤を添加することにより沈殿させ、その沈殿した汚染物を前記一次加熱器に投入することとしてもよい。
収集した汚染物を予め洗浄液に混合洗浄して凝集させることにより減容することができ、効率的な減容により、装置の一層の小型化及び装置にかかる負荷の軽減を図ることができる。
本発明の放射性汚染物の処理方法によれば、オンサイトで処理することができるので、広い範囲の汚染区域であっても容易に作業することができ、その場合に、一旦減容してから放射性物質の除去処理をするので、大規模設備が不要で簡便な装置で処理することができ、しかも、最後に洗浄済液から放射性物質を収集するので、放射性物質を効率的に除去することができる。
本発明の汚染物処理装置の一実施形態を示す概略構成図である。 一実施形態に用いられる汚染物処理車を模式的に示す正面図である。 図2の汚染物処理車における加熱炉の前段部の横断面図である。 図2の汚染物処理車における加熱炉の後段部の横断面図である。 図2の汚染物処理車に汚染物収集車を組み合わせた例を模式的に示す正面図である。
以下、本発明の放射性汚染物の処理方法の一実施形態を図面を参照しながら説明する。
まず、この処理方法に用いられる汚染物処理装置の実施形態について説明する。
この汚染物処理装置1は、図1に示すように、自走可能な汚染物処理車2〜7を複数台有しており、図示例では加熱処理を行う2台の汚染物処理車2,3と、その加熱処理により生じた排出物から放射性物質の除去等を行う4台の汚染物処理車4〜7とが備えられている。各汚染物処理車2〜7は走行車両8の上に、必要な処理器が搭載されており、その処理器として、一次加熱器9及び二次加熱器10を有するとともに、固形物処理用の排出物処理器11及びガス処理用の排出物処理器12を2台ずつ有しており、これら処理器9〜12が各汚染物処理車4〜7に分けて搭載されている。
一次加熱器9及び二次加熱器10は、ほぼ同様な構造であり、図2には一次加熱器9を示している。この一次加熱器9は、汚染物Sが投入されるホッパ14と、ホッパ14から汚染物を定量ずつ落下させるロータリーフィーダ15と、ロータリーフィーダ15から落下する汚染物を水平移送するスクリューコンベア16と、スクリューコンベア16により移送された汚染物を受け入れて加熱処理する加熱炉17と、加熱処理により得られた炭や土砂等の固形物を排出する排出口18と、加熱炉17で発生したガスを排出する排ガス管19とが備えられている。
加熱炉17は間接加熱方式であり、ほぼ水平に配置された内筒21と、その内筒21を回転自在に支持しつつ外側を囲む外筒22とを備えている。内筒21は、その両端板23は走行車両に固定状態とされ、その間の筒体24が回転させられる。そして、一方(前側)の端板23にスクリューコンベア16が貫通状態に設けられており、スクリューコンベア16を経由して送られてくる汚染物を連続的に受け入れて処理する構成である。
また、内筒21の内周面には、らせん状の羽根25が設けられており、スクリューコンベア16から受け入れた汚染物をらせん状の羽根25によって後段へ移送するようになっている。この羽根25は、内筒21の前段部26では粗いピッチとされ、後段部27では細かいピッチで設けられ、受け入れた汚染物は羽根25によって後段へと送られる。また、前段部26の羽根25には、図3に示すように軸方向に平行な掻き上げ板28が一体に設けられており、内筒21の回転に伴い矢印で示すように汚染物Sが掻き上げられながら攪拌されるようになっている。外筒22は、走行車両8上に固定状態とされ、内部にバーナー29を有しており、内筒21の外周面を主として下方から加熱する。
内筒21の両端板23には、発生した水蒸気等のガスを導出するガス管31がそれぞれ接続されており、これらガス管31は、外筒22の上面に設けられた燃焼器32に接続され、ガスを燃焼させた後に排ガス管19から排出するようになっている。内筒21の前段部26で発生した水蒸気を含むガスは、主として内筒21の前側端板23に接続されているガス管31により内筒21から導出される。内筒21の後段では水蒸気の発生はほぼないが、各種のガスが雰囲気中に揮発しており、その雰囲気ガスは主として内筒21の後側の端板23に接続されているガス管31により内筒21内から導出される。そして、これらガス管31に導き出されたガスは燃焼器32により燃焼されることにより脱臭された後に、後述するように排ガス管19を介して排出物処理器12に送り出される。
この一次加熱器9において、ホッパ14の投入口及び内筒21の排出口18を除き、ホッパ14からスクリューコンベア16及び内筒21までの間がほぼ密閉状態とされている。
なお、図中、符号33は内筒21を回転させるモータ、符号34はスクリューコンベア16を駆動するモータ、符号35は排出口18から排出される固形物を受け取るための容器を示す。
二次加熱器10は、一次加熱器9よりも高温の700℃〜1200℃で加熱処理することができ、一次加熱器9から排出される固形物をさらに高温で加熱処理するものである。
また、これら一次加熱器9及び二次加熱器10を搭載する汚染物処理車2,3は、例えば、全長が約4m、幅が2m〜2.5m、高さが2m〜2.5mである。排出物を処理するための汚染物処理車4〜6は、加熱器9,10を搭載した汚染物処理車2,3より小型にすることができる。
各排出物処理器11,12は、図1に示すように水等の洗浄液を貯留した複数のタンク41,42を備えている。
排出物が砂等の固形物である場合は、排出物処理器11における前段のタンク41は固形物が洗浄液中に落し込まれる洗浄タンクであり、洗浄液中で沈殿した固形物を取出し、タンク41内の汚れた洗浄済液Wは次のタンク42に移して凝集剤Fが添加され、洗浄済液中の汚濁粒子を凝集沈殿させる構成である。固形物に放射性セシウム等の放射性物質が付着している場合は、タンク41内で汚濁粒子とともに洗浄済液中に分散し、次のタンク42内で凝集剤により汚濁粒子の凝集物中に放射性セシウム等も閉じ込められる。
排出物がガスである場合は、排出物処理器12における前段のタンク41はスクラバ構造の洗浄タンクとなっており、排ガス管19の先端部が洗浄液Wに埋没した状態に接続され、この洗浄液Wを経由した排ガスを他のタンク42に導いて導出先のタンク42の洗浄液中にバブリングした後に大気に放出する構成とされている。また、タンク41の洗浄済液は前段から後段に移送される。そして、後段のタンク42の洗浄済液Wに凝集剤Fが添加され、前述と同様に、汚濁粒子を凝集沈殿させるようになっており、排ガス中に放射性セシウム等の放射性物質の揮発ガスが含まれる場合は、タンク41内に排ガスが放出された際に冷却して汚濁粒子とともに洗浄済液中に分散し、次のタンク42内で汚濁粒子の凝集物中に取り込まれる。
いずれの場合も、汚濁粒子を凝集沈殿させた後の上澄み液は、前段のタンク41に戻され、再利用されるようになっている。
なお、排出物処理器11,12のタンクは必要に応じて増やしてもよく、例えば3個のタンクを順次連結して、汚濁液の処理を繰り返してもよい。
次に、このように構成した汚染物処理装置1を使用して汚染物を処理する方法について説明する。この汚染物は、津波等が原因で原子力発電所等の損壊を含む被害により、被災地に広範囲に放射性セシウム等の放射性物質が拡散した状態で存在しており、ヘドロ等を含む汚泥や土壌、稲わら、草木、木材、間伐材等を含む瓦礫などからなる。
汚染物処理装置1は、各汚染物処理車2〜7が走行車両8により自由に走行可能であり、被災地のどこにでも走行することができる。そして、被災地において、汚泥や瓦礫を収集し、まず一次加熱器9にて加熱処理する。
一次加熱器9では、ホッパ14に供給された汚染物をロータリーフィーダ15、スクリューコンベア16を介して加熱炉17の内筒21内に定量ずつ送り込む。加熱炉17内では、外筒22のバーナー29から内筒21の外周面が加熱されており、内筒21内に供給された汚染物Sは、前段部26で大量に水蒸気を発生しながら加熱される。この前段部26では汚染物Sが粘土質などを多く含み、水を含んでいるため、容積が大きく、ピッチが大きいらせん状の羽根25により移送され、前述したように掻き上げ板28によって掻き上げられながら攪拌される。
また、ホッパ14と排出口18以外、内筒21内はほぼ密閉されているため、内部が高圧状態となる。このため、内筒21内が高温高圧雰囲気となり、その高温高圧雰囲気で発生した水蒸気により汚染物が滅菌される。この水蒸気による滅菌処理の後、内筒21の後段部27では、汚染物が乾燥して土砂になり、その土砂Dが加熱により乾熱滅菌状態となり滅菌される。この後段部27においては、乾燥により容積が小さくなっているので、ピッチの細かいらせん状の羽根25によって移送される。また、乾燥状態であるので、土砂Dは、図4に示すように内筒21の内周面の底部に溜まり、内周面を滑るようにしながら羽根25によって送られ、その間に外筒22のバーナー29によって下方から効率良く加熱される。また、内筒21内がほぼ密閉状態であることから、外部から空気の供給はなく、このため、低酸素雰囲気、あるいは還元雰囲気となっている。この還元雰囲気内で燃焼等生じることなく乾燥土砂Dが滅菌され熱分解され、一部炭化して炭になる。
このようにして、ホッパ14から投入された汚泥等の汚染物Sは、加熱炉17の内筒21内で例えば320℃〜450℃で30分程度加熱処理され、炭を含む土砂Dとなる。この炭を含む土砂Dは、一次加熱処理により、水分等が揮発し、さらに熱分解しているので、当初の汚染物の1/5〜1/10の量に減容している。
この炭を含む土砂Dは、排出口18から排出され、例えば容器35内に貯留され、一部の乾燥砂類は、別途待機していた汚染物処理車5の固形物処理用の排出物処理器11に送られる。一方、内筒21内で発生した水蒸気やその他の揮発ガスを含む雰囲気ガスは、ガス管31から加熱炉17の上方に送られ、燃焼器32を経由して燃焼されることにより脱臭された後に、排ガス管19を介して別の汚染物処理車4の排ガス処理用の排出物処理器12に送られる。
排ガスを処理する排出物処理器12では、排ガス管19から送られる加熱炉17内の雰囲気ガスはタンク41,42の洗浄液中でバブリングされた後、大気に放出される。排ガスが最初のタンク41内でバブリングされることにより、排ガス中に含まれていた粉塵等が洗浄液中に分散混合して汚濁液となる。そして、この最初のタンク41内の洗浄済液Wは次のタンク42に送られ、凝集剤Fが添加されることにより、汚濁粒子が凝集沈殿し、その中に放射性セシウム等の放射性物質も閉じ込められる。ただし、一次加熱処理では、加熱炉17内の温度が低く、放射性セシウムの沸点(671℃)未満であるため、加熱炉17の雰囲気ガスには、放射性セシウム等の放射性物質はほとんど含まれない。
また、一次加熱器9の排出口18から導き出された乾燥砂類等の固形物は、固形物用の排出物処理器11により処理されるが、この固形物中には放射性セシウム等の放射性物質が含まれている可能性がある。まず前段のタンク41の洗浄液中に固形物が流し込まれて沈殿し、その洗浄済液Wが次のタンク42に移送されて凝集剤が添加され、凝集剤による凝集沈殿物内に放射性セシウム等が閉じ込められる。
一方、加熱炉17から排出される炭化物等の固形物は、別の汚染物処理車3に搭載されている二次加熱器10によりさらに加熱処理される。この二次加熱器10も、先に説明した一次加熱器9と同様の構成であるが、加熱温度が高く、一次加熱処理が320℃〜450℃であったのに対して、汚染物の種類によって700℃〜1200℃とされる。このため、投入された炭化物等の汚染物は、加熱により灰化するとともに、放射性セシウムの沸点よりも高温であるので、放射性セシウムは揮発して排ガス中に含まれ、排ガス管19から排出される。
そして、ガス用の排出物処理器12では、排ガスがタンク41の洗浄液中に放出されることで冷却されて放射性セシウム等が粉塵等とともに洗浄液中に分散する。この洗浄済液Wを次のタンク42に移送して凝集剤Fを添加することにより、汚濁粒子が凝集し、その中に放射性セシウム等の放射性物質も閉じ込められる。
凝集剤としては、ゼオライト、あるいはゼオライトにカルシウム、マグネシウム、アルミニウム等を加えた無機系凝集剤、アニオン系、ノニオン系、カチオン系、両性系高分子材からなる有機系凝集剤、有機物のポリグルタミン酸架橋物とカルシウム化合物などの無機物との両方を原料とする凝集剤、などを適用することができる。
なお、洗浄液としては、オゾン水を用いるとよく、排出物の臭気も洗浄、分解することができる。還元水を用いてもよい。放射性物質が多い場合(例えば200Bq以上の場合)は、さらにオイルを使用してもよく、放射性物質の補足効果を高めることができる。
また、二次加熱処理された後の固形物は、高温処理によりほとんどが灰になっており、灰となって排出口18から排出される。灰となっているので、当初の汚染物の例えば1/500の量に減容される。この灰は、別途待機している汚染物処理車7における固形物処理用の排出物処理器11にて処理され、タンク41内で洗浄され、洗浄済液が他のタンク42に移送され、凝集剤Fが添加されることにより、汚濁粒子が凝集し、その中に放射性セシウム等の放射性物質が閉じ込められる。
この場合、タンク41,42の洗浄液にフルボ酸又はフミン酸を添加するとよく、これらフルボ酸又はフミン酸を添加すると、砂等の微細な孔に入り込んだ放射性物質を溶かして外部に排出する作用があり、放射性物質を確実に凝集させることができる。フルボ酸又はフミン酸は土壌由来の物質で、無害であり、取り扱い容易である。
この二次加熱処理で生じた灰や排ガスを処理することにより、タンク42内には放射性セシウム等の放射性物質が高濃度に濃縮された汚濁凝集体が得られ、これら放射性物質を含む汚濁凝集体は、その後、適切な放射性廃棄物処理がなされる。
以上の一連の汚染物処理において、汚染物処理車2〜7が被災地にまで出向き、被災地の特定の区域を走行しながら汚泥等を収集し、その収集した場所で汚泥等を加熱処理して、その際に生じる排ガス、固形物をそれぞれ処理することができる。このため、汚泥等に菌やアスベスト等の有害物が含まれている場合でも、これら有害物を飛散させることなく処理することができる。この場合、一次加熱処理では放射性セシウム等の沸点未満の温度で加熱処理することにより放射性セシウム等の揮発を防止し、放射性セシウム等を含有しない安全な排ガスとして処理することができ、この一次加熱処理にて大部分のガスを処理して減容するので、その後の処理を容易にするとともに、処理装置の小型化を図ることができる。
そして、二次加熱処理では、固形物分を灰化するので、その後の取り扱いを容易にすることができる。
いずれの処理の場合も、加熱処理した固形物や排ガスを洗浄液により冷却しながら洗浄して、洗浄液中に汚濁粒子とともに放射性セシウム等を分散混合させ、その洗浄済液に凝集剤を添加して汚濁粒子を凝集し、その凝集体中に放射性セシウム等を閉じ込めるので、放射性物質を漏らすことなく除去することができる。
なお、汚泥等の汚染物に感染性廃棄物、アスベスト、重金属、PCB、ポリ塩化微フェニール、特環型廃棄物等が含まれる場合は、その含有の程度に応じて、加熱処理の温度、時間を調整すればよい。
排出物処理にてタンク内に沈殿した固形物は、放射性物質が除去され、また滅菌されているので、その放射線量に応じて一般的な廃棄物として取り扱うことができ、各種の土木工事用材料として有効に利用することができる。もちろん、埋め立て処分することも可能である。
また、前述の実施形態では廃棄物処理器11,12のタンク42の洗浄液に凝集剤を添加したが、このタンク42の洗浄済液を電気分解するようにしてもよく、電気分解することにより電極付近に放射性物質を凝集させることができる。さらに、この洗浄済液に凝集剤を添加した上で電気分解してもよく、さらに効率的に汚濁粒子を凝集させることができ、放射性物質をより確実に汚濁粒子に閉じ込めることができる。
また、加熱処理車6のホッパ14に汚泥を投入する際に、鉄炭や活性炭を混入してもよい。鉄炭は、還元雰囲気中でラジカル反応が生じ、熱伝導率が高い鉄がイオン化して、汚泥の熱分解をより促進させることができる。活性炭は、水分や臭気分を吸着し、汚泥の浄化を促進する。これら鉄炭や活性炭を混入したとしても、加熱処理後の乾燥土砂とともに排出され、土木工事用材料等としての利用を妨げることはない。鉄炭又は活性炭のいずれかを混入する場合、汚泥の量の0.1%〜100倍の量の鉄炭や活性炭が用いられる。汚泥の含水率等によって調整すればよい。
また、これら鉄炭と活性炭の両方を混入してもよく、その場合も、汚泥の量に対して0.1%〜100倍の量の範囲で調整すればよい。いずれの場合も、鉄炭や活性炭は木材等の植物から作り出された物であり、汚泥処理を阻害することはない。
また、固形物処理用の排出物処理器12と同様の処理器をさらに一組以上追加で用意し、収集した汚染物を一次加熱器9に投入する前に、処理器12のタンク41の水等の洗浄液に投入して凝集剤を添加することにより、汚濁物を凝集沈殿させ、その沈殿した汚染物を一次加熱器9に投入することとしてもよい。
収集した汚染物を予め洗浄液に混合して凝集させることにより減容することができ、効率的な減容により、装置の一層の小型化及び装置にかかる負荷の軽減を図ることができる。
なお、前述した汚染物処理車とは別に、図5に示すように汚染物収集車を備えるようにしてもよい。この汚染物収集車51は、いわゆるバキュームカーであり、汚染物処理車と同様な走行車両8の上に、吸引機52とタンク53とが搭載されており、吸引機52には、屈曲自在なホース54が設けられ、ホース54を介してタンク53への吸引とタンク53内の汚染物の外部への圧送との両方を行うことができるようになっている。なお、吸引中の悪臭の放出を防止するため、排気は燃焼して放出される。
そして、被災地では、まず汚染物収集車51によって汚泥等の汚染物を収集する。この作業は、汚染物収集車51のホース54を汚染物にさし込み、吸引機52で吸引することにより行われ、汚泥等に覆われた区域を走行しながら汚泥等の汚染物を吸引し、吸引された汚染物はタンク53に貯留される。汚染物処理車8等も汚染物収集車51の近くに待機しており、汚染物収集車51のタンク53に汚染物が所定量溜まったら、図5の矢印で示すようにホース54から汚染物Sを汚染物処理車8のホッパ14に供給し、以降、前述した処理を行う。
その他、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
1 汚染物処理装置
2〜7 汚染物処理車
8 走行車両
9 一次加熱器
10 二次加熱器
11,12 排出物処理器
14 ホッパ
15 ロータリーフィーダ
16 スクリューコンベア
17 加熱炉
18 排出口
19 排ガス管
21 内筒
22 外筒
23 端板
24 筒体
25 羽根
26 前段部
27 後段部
28 掻き上げ板
29 バーナー
31 ガス管
32 燃焼器
35 容器
41,42 タンク
51 汚染物収集車
52 吸引機
53 タンク
54 ホース

Claims (5)

  1. 汚染物処理車に一次加熱器及び二次加熱器を搭載して、放射性汚染区域内を走行しながら汚染物を収集し、収集した汚染物を前記一次加熱器に投入し、該一次加熱器内で放射性物質の沸点以下の温度で一次加熱処理して炭化し、前記一次加熱器から取出した炭を前記二次加熱器にて一次加熱処理よりも高温で二次加熱処理して灰化し、その灰化により生じた排ガス及び灰をそれぞれ洗浄液に混合して洗浄した後、その洗浄済液から放射性物質を収集することを特徴とする放射性汚染物の処理方法。
  2. 前記洗浄済液に凝集剤を添加することにより前記放射性物質を凝集させることを特徴とする請求項1記載の放射性汚染物の処理方法。
  3. 前記洗浄済液を電気分解することにより前記放射性物質を凝集させることを特徴とする請求項1又は2記載の放射性汚染物の処理方法。
  4. 前記洗浄済液にフルボ酸又はフミン酸を添加することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の放射性汚染物の処理方法。
  5. 収集した汚染物を一次加熱器に投入する前に、洗浄液に投入して凝集剤を添加することにより沈殿させ、その沈殿した汚染物を前記一次加熱器に投入することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の放射性汚染物の処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018004386A (ja) * 2016-06-30 2018-01-11 国土防災技術株式会社 フルボ酸を利用した放射性物質の除染方法
WO2023018742A1 (en) * 2021-08-09 2023-02-16 Delta-Energy Group, Llc Process for remediation of articles contaminated with radioactive materials

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