JP2000286051A - 調理機器 - Google Patents

調理機器

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JP2000286051A
JP2000286051A JP8852099A JP8852099A JP2000286051A JP 2000286051 A JP2000286051 A JP 2000286051A JP 8852099 A JP8852099 A JP 8852099A JP 8852099 A JP8852099 A JP 8852099A JP 2000286051 A JP2000286051 A JP 2000286051A
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JP
Japan
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switching element
power supply
frequency
heating coil
voltage
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JP8852099A
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English (en)
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Teruya Tanaka
照也 田中
Shin Tsuboi
心 坪井
Toshio Kakizawa
俊夫 柿澤
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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  • Control Of High-Frequency Heating Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高周波電源の損失を低減すること。 【解決手段】 バイパスコンデンサ18の両端子間に加
熱コイル15と、通電方向が互いに逆向きのIGBT1
6および17とを直列に接続して周波数変換回路12を
構成する。IGBT16と17にそれぞれ還流ダイオー
ド22と23を逆並列に接続し、同じゲート信号SG で
スイッチングする。交流電源14の正電圧期間において
は、オンによりバイパスコンデンサ18から加熱コイル
15、IGBT16、還流ダイオード23を介して電流
が流れ、オフにより共振電流が流れる。負電圧期間にお
いては、オンによりバイパスコンデンサ18からIGB
T17、還流ダイオード22、加熱コイル15を介して
電流が流れ、オフにより共振電流が流れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱コイル、また
はマイクロ波発生手段が接続された高周波トランスに高
周波電流を流して被加熱物を高周波加熱するように構成
された調理機器に関する。
【0002】
【従来の技術】電磁調理器、電気釜、ホットプレートな
どの誘導加熱を利用した調理機器や、電子レンジなどの
マイクロ波加熱を利用した調理機器は、利便性、安全
性、熱効率などに優れており広く普及している。このよ
うな高周波応用の調理機器に用いられる高周波電源は、
従来、図23(a)、(b)に示すように、ダイオード
1a〜1dにより構成されるダイオードブリッジ1、平
滑用のコンデンサ2、および高周波インバータ回路3か
ら構成されていた。この構成によれば、入力交流電源例
えば商用電源4の交流電圧は、ダイオードブリッジ1に
より全波整流された後コンデンサ2によって平滑化され
て直流電圧に変換される。そして、高周波インバータ回
路3は、この直流電圧を入力としてインバータ動作を行
い、加熱コイル5やマグネトロン6が接続された高周波
トランス7に高周波電流を流すように動作する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この場合、商用電源4
の電圧が正の半周期にある時は、商用電源4から流れ込
む電流はダイオード1a、コンデンサ2、ダイオード1
dを介して流れ、コンデンサ2を充電する。また、商用
電源4の電圧が負の半周期にある時は、商用電源4から
流れ込む電流はダイオード1b、コンデンサ2、ダイオ
ード1cを介して流れ、コンデンサ2を充電する。従っ
て、商用電源4の交流電圧を直流電圧に変換するコンバ
ータ部において、コンデンサ2への充電電流は常に2個
のダイオードを通過することになり、ダイオードの順方
向電圧をVF とすれば、ほぼ(2×VF ×充電電流)に
相当するだけの損失が発生する。
【0004】一般家庭などに広く普及している上記高周
波応用の調理機器は、100V入力の場合例えば最大出
力が1.3kWであり、上述した計算式を適用すればほ
ぼ(2×0.8V×13A)=20.8Wの損失が発生
していることになる。この損失は、コンバータ部や高周
波インバータ回路3などからなるパワー部全体における
損失(一例として50W)の実に40%にも達してい
る。このため、高周波インバータ回路3を構成するスイ
ッチング素子(図示せず)のみならず、ダイオードブリ
ッジ1(ダイオード1a〜1d)を冷却するための大き
い放熱板が必要となり、調理機器の小型化、低価格化の
障害となっていた。また、パワー部を冷却するための能
力の大きい冷却ファンが必要となるので、この冷却ファ
ンから発生する騒音を低減するたに別途静音化対策が必
要となっていた。
【0005】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、高周波電源の損失を低減した調理機器
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載した調理機器は、高周波電源により
加熱コイル、またはマイクロ波発生手段が接続された高
周波トランスに高周波電流を流し、被加熱物を高周波加
熱するように構成された調理機器において、前記高周波
電源を、交流電源から交流−交流直接変換により前記加
熱コイルまたは高周波トランスに流す高周波電流を生成
する周波数変換手段と、この周波数変換手段による周波
数変換動作を制御する制御手段とから構成したことを特
徴とする。
【0007】この構成によれば、交流電源から交流−交
流直接変換により高周波電流が生成されるので、従来用
いられていた交流−直流変換をするためのコンバータ部
が不要となり、従来のコンバータ部において発生してい
た損失がなくなる。その結果、高周波電源における主な
損失は交流−交流直接変換を行う周波数変換手段の損失
だけとなり、高周波電源全体としての損失が大幅に減少
する。
【0008】この場合、周波数変換手段を、交流電源か
ら正方向に流れる電流を阻止可能なように加熱コイルま
たは高周波トランスに対して直列に接続された第1のス
イッチング素子と、前記交流電源から負方向に流れる電
流を阻止可能なように前記加熱コイルまたは高周波トラ
ンスに対して直列に接続された第2のスイッチング素子
とを備えて構成することが好ましい(請求項2)。
【0009】この構成によれば、第1および第2のスイ
ッチング素子は、交流電源から流れる電流との関係にお
いて互いに逆向きとなるように、加熱コイルまたは高周
波トランスに対して直列に接続されている。従って、交
流電源から正方向電流が流れる期間においては第1のス
イッチング素子が機能し、負方向電流が流れる期間にお
いては第2のスイッチング素子が機能することにより、
交流電源の全周期において加熱コイルまたは高周波トラ
ンスに高周波電流を流すことができる。
【0010】これに対し、加熱コイルまたは高周波トラ
ンスを第1および第2の2つから構成し、周波数変換手
段を、交流電源から正方向に流れる電流を阻止可能なよ
うに第1の加熱コイルまたは高周波トランスに対して直
列に接続された第1のスイッチング素子と、前記交流電
源から負方向に流れる電流を阻止可能なように第2の加
熱コイルまたは高周波トランスに対して直列に接続され
た第2のスイッチング素子とを備えて構成することも好
ましい(請求項3)。
【0011】この構成によれば、第1および第2のスイ
ッチング素子は交流電源から流れる電流との関係におい
て互いに逆向きとされ、それぞれ第1および第2の加熱
コイルまたは高周波トランスに対して直列に接続されて
いる。従って、交流電源から正方向電流が流れる期間に
おいては第1のスイッチング素子が機能して第1の加熱
コイルまたは高周波トランスに高周波電流を流し、負方
向電流が流れる期間においては第2のスイッチング素子
が機能して第2の加熱コイルまたは高周波トランスに高
周波電流を流すことができる。
【0012】また、第1および第2のスイッチング素子
が一つの加熱コイルまたは高周波トランスに対してそれ
ぞれ直列に接続された上記構成(請求項2)について、
さらに以下のような回路構成とすることができる。すな
わち、加熱コイルまたは高周波トランスと共振コンデン
サとを並列に接続して共振回路を形成し、周波数変換手
段を、前記共振回路が交流電源の一端子側に接続される
とともに前記共振回路と前記交流電源の他端子側との間
に第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子と
が直列に接続された形態に構成し、さらに前記第1のス
イッチング素子には第1の還流ダイオードを逆並列に接
続し、前記第2のスイッチング素子には第2の還流ダイ
オードを逆並列に接続した構成が好ましい(請求項
4)。
【0013】この構成によれば、交流電源から正方向電
流が流れる期間においては第1のスイッチング素子と第
2の還流ダイオードとを介して加熱コイルまたは高周波
トランスに電流が流れ、第1のスイッチング素子により
この電流が遮断されると共振回路に共振電流が流れる。
一方、交流電源から負方向電流が流れる期間においては
第2のスイッチング素子と第1の還流ダイオードとを介
して前記加熱コイルまたは高周波トランスに電流が流
れ、第2のスイッチング素子によりこの電流が遮断され
ると同様にして共振電流が流れる。その結果、加熱コイ
ルまたは高周波トランスに高周波電流が流れる。
【0014】この場合、第1のスイッチング素子に与え
られるオンオフ制御信号の基準電位端子と、第2のスイ
ッチング素子に与えられるオンオフ制御信号の基準電位
端子とを共通に接続すると良い(請求項5)。この構成
によれば、第1および第2のスイッチング素子の基準電
位端子(例えばIGBTであればエミッタ端子、MOS
FETであればソース端子)同士が接続されて同一電位
となるので、これら第1および第2のスイッチング素子
を制御する制御手段の構成を簡単化することができる。
【0015】従って、上記構成に加え共振回路が接続さ
れた交流電源の一端子側と、第1のスイッチング素子の
基準電位端子と第2のスイッチング素子の基準電位端子
との共通接続点との間に、制御手段を動作させるための
直流電源を設けることが、制御手段の構成を簡単化する
上で好ましい構成となる(請求項6)。
【0016】さらに、第1および第2のスイッチング素
子と加熱コイルまたは高周波トランスとの接続形態につ
いて、周波数変換手段を、交流電源の一端子側と前記共
振回路との間に第1のスイッチング素子が接続されると
ともに前記交流電源の他端子側と前記共振回路との間に
第2のスイッチング素子が接続された形態に構成するこ
とも好ましい(請求項7)。
【0017】この構成によれば、既述した作用と同様の
作用により加熱コイルまたは高周波トランスに高周波電
流を流すことができる。また、第1および第2のスイッ
チング素子の基準電位端子をそれぞれ(共振回路側では
なく)交流電源端子側とすることが可能となり、その場
合基準電位が安定して電磁ノイズなどに対する耐力が向
上する。
【0018】さらに、周波数変換手段を、前記共振回路
が交流電源の一端子側に接続されるとともに前記共振回
路と前記交流電源の他端子側との間に第1のスイッチン
グ素子と第2のスイッチング素子とが並列に接続された
形態に構成しても良い(請求項8)。この構成によれ
ば、第1および第2のスイッチング素子を直列に接続し
た上述の形態とほぼ同様に、交流電源から正方向電流が
流れる期間においては第1のスイッチング素子を介して
加熱コイルまたは高周波トランスに電流が流れ、第1の
スイッチング素子によりこの電流が遮断されると共振回
路に共振電流が流れる。交流電源から負方向電流が流れ
る期間においても同様となる。その結果、加熱コイルま
たは高周波トランスに高周波電流が流れる。
【0019】さらにまた、請求項4に記載した調理機器
の構成に対して、共振コンデンサを加熱コイルまたは高
周波トランスに並列に接続するのではなく、前記第1の
スイッチング素子に第1の還流ダイオードを逆並列に接
続するとともに第1の共振コンデンサを並列に接続し、
前記第2のスイッチング素子に第2の還流ダイオードを
逆並列に接続するとともに第2の共振コンデンサを並列
に接続する構成としても良い(請求項9)。
【0020】この構成によれば、交流電源から正方向電
流が流れる期間において、第1のスイッチング素子が電
流を遮断すると加熱コイルまたは高周波トランスから第
2の還流ダイオードを介して第1の共振コンデンサに共
振電流が流れる。一方、交流電源から負方向電流が流れ
る期間において、第2のスイッチング素子が電流が遮断
されると同様にして第2の共振コンデンサに共振電流が
流れる。これにより、加熱コイルまたは高周波トランス
に高周波電流が流れる。
【0021】また、請求項7に記載した調理機器の構成
に対して、共振コンデンサを加熱コイルまたは高周波ト
ランスに並列に接続するのではなく、前記第1のスイッ
チング素子に第1の還流ダイオードを逆並列に接続する
とともに第1の共振コンデンサを並列に接続し、前記第
2のスイッチング素子に第2の還流ダイオードを逆並列
に接続するとともに第2の共振コンデンサを並列に接続
する構成としても良い(請求項10)。この構成によっ
ても、上記した作用と同様に第1および第2の共振コン
デンサに共振電流が流れ、高周波電流を生成することが
できる。
【0022】さて、以上述べた各構成について、制御手
段は以下のように構成することができる。まず、第1お
よび第2のスイッチング素子の基準電位端子同士を共通
に接続した構成(請求項5)においては、制御手段を、
第1のスイッチング素子および第2のスイッチング素子
を同一のオンオフ制御信号によりオンオフ動作させるよ
うに構成することが好ましい(請求項11)。
【0023】この構成によれば、第1および第2のスイ
ッチング素子について制御手段を共通化することがで
き、制御手段の構成をより簡単化することができる。加
えて、交流電源の電圧の極性(正または負)により第1
および第2のスイッチング素子のオンオフ動作を切り替
える必要がないので制御が簡単化される。
【0024】また、上述した各周波数変換手段に対し
て、交流電源の電圧が正であるか負であるかを判定する
正負判定手段を備え、制御手段を、前記正負判定手段に
より前記交流電源の電圧が正であると判定された正電圧
期間において第1のスイッチング素子をオンオフ動作さ
せ、前記正負判定手段により前記交流電源の電圧が負で
あると判定された負電圧期間において第2のスイッチン
グ素子をオンオフ動作させるように構成することが好ま
しい(請求項12)。
【0025】この構成によれば、交流電源の正電圧期間
において、第1のスイッチング素子がオンすると交流電
源から加熱コイルまたは高周波トランスに正方向電流が
流れ、オフすると当該加熱コイルまたは高周波トランス
に共振電流が流れる。一方、交流電源の負電圧期間にお
いて、第2のスイッチング素子がオンすると交流電源か
ら前記(または異なる)加熱コイルまたは高周波トラン
スに負方向電流が流れ、オフすると当該加熱コイルまた
は高周波トランスに共振電流が流れる。従って、上記オ
ンオフ動作が繰り返されることにより、交流電源の全周
期にわたり交流電源から直接高周波電流を生成すること
ができる。
【0026】この場合、制御手段を、正電圧期間におい
て第2のスイッチング素子をオフ動作させ、負電圧期間
において第1のスイッチング素子をオフ動作させるよう
に構成すると良い(請求項13)。この構成によれば、
交流電源の正電圧期間において第1のスイッチング素子
がオフ状態にある期間、共振電流が第1の還流ダイオー
ドおよび第2のスイッチング素子に回生電流として流れ
ることがないので、回生電流により生ずる損失の発生を
防ぐことができる。交流電源の負電圧期間においても同
様となる。
【0027】これに対し、制御手段を、正電圧期間にお
いて第2のスイッチング素子をオン動作させ、負電圧期
間において第1のスイッチング素子をオン動作させるよ
うに構成しても良い(請求項14)。この構成によれ
ば、交流電源の正電圧期間において第1のスイッチング
素子がオフ状態にある時、第1の還流ダイオードおよび
第2のスイッチング素子を介して回生電流が流れる。こ
の場合、第1のスイッチング素子をオフからオンとした
時、第1のスイッチング素子に流れる電流は0から徐々
に増加するので、オフからオンに切り替える際のスイッ
チング損失を低減することができる。交流電源の負電圧
期間において第2のスイッチング素子がオンする時も同
様にしてスイッチング損失が低減する。
【0028】さらに、制御手段を、正電圧期間において
第2のスイッチング素子をオン動作させ、負電圧期間に
おいて第1のスイッチング素子をオフ動作させるように
構成しても良い(請求項15)。この構成によれば、上
述した作用により、正電圧期間においては第1のスイッ
チング素子によるスイッチング損失が低減され、負電圧
期間においては第1の還流ダイオードの損失が低減され
る。
【0029】以上述べた各構成において、さらに、交流
電源の一端子側と他端子側との間にバイパスコンデンサ
を設けるとともに、このバイパスコンデンサを、第1ま
たは第2のスイッチング素子がオン動作している期間に
おいて当該第1または第2のスイッチング素子に流れる
最大電流を所定値以下に抑制するのに十分となる小容量
に設定すると良い(請求項16)。
【0030】この構成によれば、バイパスコンデンサの
高周波バイパス作用によって、第1または第2のスイッ
チング素子がオンオフ動作することにより交流電源に流
れる高周波電流を低減することができる。その一方で、
バイパスコンデンサの容量は、第1または第2のスイッ
チング素子がオン動作することによりバイパスコンデン
サの両端電圧が低下しその電圧低下によって第1または
第2のスイッチング素子に流れる最大電流が所定値以下
に抑制される程度に小さく設定される。この最大電流の
抑制によりスイッチング損失を低減することができる。
【0031】この場合、請求項17に記載したように、
交流電源とバイパスコンデンサとの間にコモンモードチ
ョークコイルまたはノーマルモードチョークコイルの何
れか一方または両方を設けることにより、高周波に対す
るフィルタ効果が増大し、高周波電流やスイッチングに
より発生するノイズが交流電源に漏れ出ることを抑制す
ることができる。
【0032】さらに、上述した各構成において、制御手
段に第1のスイッチング素子および第2のスイッチング
素子に印加される電圧を検出する電圧検出手段を備え、
この電圧検出手段により検出された電圧が低下した時に
前記第1のスイッチング素子または第2のスイッチング
素子をオン動作させるとともに、入力指令に基づいて前
記第1のスイッチング素子または第2のスイッチング素
子のオンオフ動作におけるオン幅を決定するように構成
することが好ましい(請求項18)。この構成によれ
ば、オン時のスイッチング損失を低減し且つ入力指令に
追従するように、第1および第2のスイッチング素子の
オンオフタイミングを決定することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)以下、本発明
の第1の実施形態(請求項1、2、4、5、6、11、
16、17、18に対応)について図1ないし図6を参
照しながら説明する。図1は、鍋などの調理容器を高周
波加熱(誘導加熱)する調理機器例えば電磁調理器に用
いられる高周波電源の電気的構成図である。この図1に
おいて、高周波電源11は、交流から交流への直接変換
を行う周波数変換回路12(本発明でいう周波数変換手
段に相当)と、その周波数変換回路12の周波数変換動
作を制御する制御部13(本発明でいう制御手段に相
当)とから構成されている。
【0034】このうち周波数変換回路12の入出力の接
続が図2に示され、基本的な構成が図3に示されてい
る。これら図2および図3において、周波数変換回路1
2は、商用電源などの交流電源14を入力とし、その交
流電圧から交流−交流直接変換を行うことにより、負荷
例えば加熱コイル15に高周波電流を流すように構成さ
れている。すなわち、高周波電源11は、電力を変換す
る手段において、交流−直流変換を行うコンバータと直
流−交流変換を行うインバータとから構成されていた従
来の高周波電源とは基本構成を異にする。
【0035】周波数変換回路12は、図3に示すよう
に、交流電源14の一端子側に加熱コイル15が接続さ
れ、その加熱コイル15と交流電源14の他端子側との
間に第1のスイッチング素子(例えば図1に示すIGB
T16)および第2のスイッチング素子(例えば図1に
示すIGBT17)とを直列に接続して構成されてい
る。ここで、第1および第2のスイッチング素子は、互
いに通電方向が逆向きとなるように接続されている。ま
た、図1ないし図3に示すように、周波数変換回路12
の入力端子間には、バイパスコンデンサ18が設けられ
ている。
【0036】この高周波電源11のより具体的な構成に
ついて図1を参照して説明する。単相100Vの交流電
源14の両端子間にはノーマルモード型のチョークコイ
ル19とバイパスコンデンサ18とが直列に接続され、
そのバイパスコンデンサ18の両端子間には加熱コイル
15とNチャネル型のIGBT16とNチャネル型のI
GBT17とが順に直列接続されている。加熱コイル1
5には共振コンデンサ20が並列に接続されて共振回路
21が構成されている。また、IGBT16とIGBT
17とのエミッタ(本発明における基準電位端子に相
当)同士は共通に接続され、その共通接続点は制御部1
3のグランド端子E1とされている。
【0037】IGBT16のコレクタ−エミッタ間には
コレクタ側をカソードとして還流ダイオード22(本発
明における第1の還流ダイオードに相当)が逆並列の状
態に接続されており、IGBT17のコレクタ−エミッ
タ間にも同様にして還流ダイオード23(本発明におけ
る第2の還流ダイオードに相当)が逆並列に接続されて
いる。
【0038】一方、制御部13は、電圧検出手段として
の電圧検出回路24、制御回路25、および駆動回路2
6から構成されている。このうち制御回路25は、例え
ばマイクロコンピュータを主体に構成されている。ま
た、これら各回路24〜26は、制御電源27(本発明
における直流電源に相当)が出力する制御用の直流電圧
により動作するようになっている。この制御電源27
は、グランド端子E1をグランド電位として、バイパス
コンデンサ18と共振回路21との共通接続点の交流電
圧を入力し、その交流電圧を降圧、整流、平滑すること
によりトランスレスで直流電圧を生成するように構成さ
れている。
【0039】電圧検出回路24は、IGBT16および
17のコレクタ電圧VCE1 およびVCE2 を検出し制御回
路25に出力するようになっている。制御回路25は、
IGBT16、17を共通にオンオフ動作(以下、スイ
ッチングと称す)させるためのハイレベルまたはロウレ
ベルを有するオンオフ制御信号(以下、ゲート信号SG
と称す)を生成するように構成され、そのゲート信号S
G は駆動回路26および抵抗28、29を介してIGB
T16、17のゲートに印加されるようになっている。
このゲート信号SG によるスイッチング周波数は、可聴
周波数から外れた例えば20kHz程度に設定されてい
る。また、制御回路25は、後述するように電圧検出回
路24により検出されたコレクタ電圧VCE1 、VCE2 に
基づいてオンするタイミングを決定し、図示しない入力
指令信号に基づいてオンの幅(以下、オン幅と称す)を
決定するようになっている。
【0040】次に、本実施形態の作用について図4ない
し図6も参照しながら説明する。図4(a)は、交流電
源14の電圧波形を示している。また、図4(b)は交
流電源14の電圧が正となる半周期(以下、正電圧期間
と称す)におけるゲート信号SG 、IGBT16のコレ
クタ電流IC1およびコレクタ電圧VCE1 を示し、図4
(c)は交流電源14の電圧が負となる半周期(以下、
負電圧期間と称す)におけるゲート信号SG 、IGBT
17のコレクタ電流IC2およびコレクタ電圧VCE2 を示
している。
【0041】例えば正電圧期間を示す図4(b)におい
て、ゲート信号SG がハイレベルとなる時刻t1 から時
刻t2 までの期間IGBT16はオンとなり、コレクタ
電圧VCE1 がほぼ0となった状態でコレクタ電流IC1が
増加する。この時の電流は、交流電源14(交流電源1
4によって充電されたバイパスコンデンサ18)から加
熱コイル15(一部は共振コンデンサ20)、IGBT
16、還流ダイオード23を介して流れ、再び交流電源
14に戻る。そして、バイパスコンデンサ18の両端電
圧Vac(後述するように交流電源14の電圧よりもやや
低下した電圧)は、全て加熱コイル15ならびに共振コ
ンデンサ20に印加された状態となっている。この間、
IGBT17のゲートにも同じゲート信号SG が印加さ
れるが、IGBT17の通電可能方向は上記電流の向き
とは逆向きであるため電流は流れずIGBT17はオフ
の状態を保持している。
【0042】制御回路25は、時刻t1 においてゲート
信号SG をハイレベルとした後、入力指令信号に基づい
てオン幅を決定し、そのオン幅に相当する時間が経過し
た時刻t2 においてゲート信号SG をロウレベルにす
る。これにより、IGBT16がオフとなり、加熱コイ
ル15に流れていた電流が図1に矢印で示す正方向の共
振電流IR として共振コンデンサ20に流入する。共振
コンデンサ20はその共振電流IR により充電され、コ
レクタ電圧VCE1 が0Vから例えば700V程度にまで
上昇する。
【0043】共振電流IR が0となった時点がコレクタ
電圧VCE1 の最大点に対応し、共振電流IR が正から負
に転じると共振コンデンサ20に充電された電荷が加熱
コイル15を通して放電し始める。これに伴ってコレク
タ電圧VCE1 が減少し、やがてほぼ0となる(時刻t3
)。制御回路25は、この時刻t3 以降のタイミング
でゲート信号SG をロウレベルからハイレベルにしIG
BT16を再びオンさせる。なお、この場合のオンタイ
ミングによっては若干の回生電流が流れることがある。
共振電流IR が再び正方向に流れ始めIGBT16のコ
レクタ電圧VCE1が正になった時点(時刻t4 )で、I
GBT16にコレクタ電流IC1が流れ始める。この時、
コレクタ電流IC1は0から急峻に立上がり、その後は徐
々に増加する。
【0044】こうしたIGBT16のスイッチング動作
およびそれに伴って発生する共振電流IR により、加熱
コイル15には高周波電流が流れ、加熱コイル15に接
近して置かれた鍋などの被加熱物が誘導加熱される。以
上説明した周波数変換回路12の正電圧期間の動作は、
図4(c)に示す負電圧期間においても同様となる。す
なわち、負電圧期間においては、IGBT17がゲート
信号SG に従ってオンすると、電流は交流電源14(バ
イパスコンデンサ18)からIGBT17、還流ダイオ
ード22、加熱コイル15を介して流れる。そして、I
GBT17がオフすると、共振電流IR が発生する。そ
の結果、高周波電源11は、交流電源14の電圧の正負
によらず、その全周期にわたって交流電源14から電力
を入力し、加熱コイル15に高周波電流を流し続けるこ
とができる。
【0045】次に、バイパスコンデンサ18の静電容量
の決定方法について説明する。このバイパスコンデンサ
18は、IGBT16、17のスイッチングにより発生
する高周波電流が交流電源14側に流れることを防止す
るために設けられるもので、チョークコイル19ととも
にフィルタ回路を構成している。バイパスコンデンサ1
8には交流電源14から充電電流が流れ込むとともに、
バイパスコンデンサ18から周波数変換回路12にスイ
ッチングに伴う電流が流れ出す。このバイパスコンデン
サ18の静電容量を適当な値に設定することにより、I
GBT16、17に流れる電流を制限することが可能と
なる。
【0046】すなわち、IGBT16または17がオン
すると、バイパスコンデンサ18から加熱コイル15に
電流が流れ、バイパスコンデンサ18の両端電圧Vacが
一時的に低下する。図5(a)は、このバイパスコンデ
ンサ18の両端電圧波形を模式的に示したものである。
IGBT16、17のスイッチング周波数(例えば20
kHz)は交流電源14の周波数(例えば50Hzまた
は60Hz)に対して非常に高いので、実際の波形にお
いては1周期の間にこれら周波数比に応じた数だけの電
圧低下が見られる。さらに、図5(b)には、この電圧
波形の時間軸についての拡大図が示されている。
【0047】バイパスコンデンサ18の静電容量を小さ
く設定すると、電圧Vacの低下が大きくなる。図6
(a)は、十分に大きい静電容量を有するバイパスコン
デンサ18を用いた場合のIGBT16のコレクタ電流
IC1とコレクタ電圧VCE1 とを示している。一方、図6
(b)は、図6(a)に示す場合に比べ静電容量が小さ
いバイパスコンデンサ18を用いた場合のコレクタ電流
IC1とコレクタ電圧VCE1とを示している。図6(a)
の場合にはIGBT16がオンしている間コレクタ電流
IC1はほぼ直線的に増加するが、図6(b)の場合には
IGBT16がオンすることによりバイパスコンデンサ
18の両端電圧Vacが低下し、コレクタ電流IC1の増加
が抑えられている。つまり、交流電源14側に流れ出す
高周波電流を所定の制限値に抑えることができる範囲内
において、バイパスコンデンサ18の静電容量を小さく
設定することにより、IGBT16、17に流れる最大
電流値を制限することが可能となる。
【0048】以上述べたように、本実施形態によれば、
交流電源14の両端子間に加熱コイル15と通電方向が
互いに逆向きとなるIGBT16、17とを直列に接続
し、IGBT16、17それぞれに還流ダイオード2
2、23を逆並列に接続した回路形態として周波数変換
回路12を構成した。この構成により、加熱コイル15
に流れる電流を、交流電源14の正電圧期間にあっては
IGBT16が制御し、負電圧期間にあってはIGBT
17が制御することが可能となる。その結果、周波数変
換回路12は、交流電圧から直流電圧に変換することな
く直接高周波に変換することができ、従来構成(図23
参照)において直流電圧を生成するために用いられてい
たダイオードブリッジ1が不要となり、損失が大幅に低
減する。この損失の低減分を1.3kWの高周波電源1
1について概算すれば、IGBT16、17のオン期間
においてその電流経路に介在するダイオードが整流ダイ
オード2個(図23参照)から還流ダイオード22(ま
たは23)1個となるので、1×0.8V×13A=1
0.4Wとなる。
【0049】これにより、IGBT16、17を取り付
ける放熱板を、従来構成における放熱板に比べ小型化で
きる。また、冷却ファンの能力を小さくしたり、冷却フ
ァンを無くすことができる。その結果、調理機器を小型
化でき、冷却ファンからの騒音を低減しまたは無くすこ
とができる。
【0050】また、高周波電源11は、IGBT16と
17とのエミッタが共通に接続され、交流電源14の全
周期においてIGBT16と17とが共通のゲート信号
SGにより駆動される。従って、共通化された制御電源
27、電圧検出回路24、制御回路25、および駆動回
路26によりIGBT16と17とを制御でき、また、
交流電源14の電圧極性を判定しその判定結果に応じて
IGBT16または17を選択的に駆動するといった制
御が不要となる。これにより、制御部13の構成が簡単
になる。また、制御電源27はトランスレスで構成可能
なので一層の小型化が可能となる。
【0051】さらに、周波数変換回路12の入力部にバ
イパスコンデンサ18とチョークコイル19とからなる
フィルタ回路を設けたので、交流電源14に流れる高周
波電流を抑制することができる。そして、バイパスコン
デンサ18の静電容量を、高周波電流を抑制可能な範囲
内において小さく設定したので、IGBT16、17の
オン時にバイパスコンデンサ18の両端電圧が低下し、
IGBT16、17に流れる最大電流値を制限できる。
これにより、IGBT16、17がオフした後のコレク
タ電圧VCE1 の上昇が抑制され、定格電流や定格電圧が
より小さい素子の採用が可能となる。
【0052】(第2の実施形態)以下、第1の実施形態
で述べた高周波電源11を電子レンジに適用した第2の
実施形態(請求項1、2、4、5、6、11、16、1
7、18に対応)について図7および図8を参照しなが
ら説明する。なお、図7および図8において、それぞれ
図1および図2と同一構成部分については同一符号を付
して説明を省略する。
【0053】高周波電源の電気的構成を示す図7および
その基本構成を示す図8において、高周波電源11の周
波数変換回路12には、負荷としてマグネトロン30
(本発明でいうマイクロ波発生手段に相当)を駆動する
ための高周波トランス31が接続されている。すなわ
ち、共振コンデンサ20に対して高周波トランス31の
一次コイル31pが並列に接続されて共振回路32が形
成され、高周波トランス31の二次コイル31sにはコ
ンデンサ33、34およびダイオード35、36からな
る周知構成の倍電圧整流回路が接続されている。この倍
電圧整流回路の正側および負側出力線はそれぞれマグネ
トロン30の陽極および陰極に接続されている。また、
高周波トランス31の二次コイル31hの出力線はマグ
ネトロン30の陰極側に設けられたヒータに接続されて
いる。
【0054】上記構成によっても、第1の実施形態と同
様にして交流電源14の全周期において高周波トランス
31の一次コイル31pに高周波電流が流れる。そし
て、二次巻線31hの出力によりマグネトロン30のヒ
ータが加熱され、二次巻線31sの出力によりマグネト
ロン30の陽極、陰極間に倍電圧整流により生成された
直流電圧が印加される。これにより、マグネトロン30
からマイクロ波が放射され、電子レンジの加熱調理室内
に置かれた食品などの被加熱物がマイクロ波加熱され
る。本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効
果を得ることができる。
【0055】(第3の実施形態)次に、本発明の第3の
実施形態(請求項1、2、4、12〜18に対応)につ
いて、図9を参照しながら第1の実施形態と異なる部分
のみ説明する。図9において、例えば電磁調理器に用い
られる高周波電源37は、交流−交流直接変換を行う周
波数変換回路38(本発明でいう周波数変換手段に相
当)と、その周波数変換回路38の周波数変換動作を制
御する制御部39(本発明でいう制御手段に相当)とか
ら構成されている。
【0056】ここで、周波数変換回路38は、IGBT
16と17とのコレクタ同士が接続され、IGBT16
のエミッタがグランド端子E1とされ、IGBT17の
エミッタがグランド端子E2とされた回路形態として構
成されている。一方、制御部39において、制御回路4
0はIGBT16、17のそれぞれに対して独立したゲ
ート信号SG1、SG2を生成し、これらゲート信号SG1、
SG2はそれぞれ駆動回路26と抵抗28、駆動回路41
と抵抗29を介してIGBT16、17の各ゲートに印
加されるようになっている。
【0057】ここで、駆動回路41を除く制御部39
は、グランド端子E1をグランド電位として制御電源2
7により動作する。これに対し、駆動回路41はフォト
カプラなどにより入出力間が電気的に絶縁されて構成さ
れており、その出力側はグランド端子E2をグランド電
位とする直流電源(図示せず)により動作するようにな
っている。
【0058】極性検出回路42は、本発明でいう正負判
定手段に相当し、グランド端子E1をグランド電位とし
てバイパスコンデンサ18と加熱コイル15との共通接
続点の電圧(つまりバイパスコンデンサ18の両端電圧
Vac)を検出するように構成されている。そして、極性
検出回路42は、その検出した電圧Vacに基づいて交流
電源14が正電圧期間または負電圧期間の何れにあるか
を判定し、その判定結果を制御回路40に出力するよう
になっている。
【0059】制御回路40は、この正負判定結果に基づ
いて、正電圧期間においてはIGBT17をオフとした
状態でIGBT16をスイッチングし、負電圧期間にお
いてはIGBT16をオフとした状態でIGBT17を
スイッチングする。この場合、例えば正電圧期間におい
てIGBT16がオンすると、交流電源14により充電
されたバイパスコンデンサ18から加熱コイル15、還
流ダイオード23、IGBT16を介して電流が流れ、
IGBT16がオフすると加熱コイル15と共振コンデ
ンサ20との間に共振電流IR が生じる。IGBT16
がオフしている間、加熱コイル15からバイパスコンデ
ンサ18および還流ダイオード22を経由する回生電流
は、オフ状態にあるIGBT17および還流ダイオード
23により阻止されて流れない。その結果、IGBT1
6、17のコレクタ電圧VCE1 、VCE2 およびコレクタ
電流IC1、IC2は図4に示した波形と同様となり、回生
電流が流れないために還流ダイオード22、23での損
失が小さくなる。
【0060】以上述べたように、高周波電源37は、第
1の実施形態と同様に交流電圧から直流電圧に変換する
ことなく加熱コイル15に高周波電流を流すことができ
るので、周波数変換回路38における損失を大幅に低減
することができる。また、IGBT16、17のコレク
タ同士が接続されているので、電圧検出回路24への検
出線が1本で足り、その分信頼性が向上する。
【0061】なお、制御回路40は、正負判定結果に基
づいて、正電圧期間においてはIGBT17をオンとし
た状態でIGBT16をスイッチングし、負電圧期間に
おいてはIGBT16をオンとした状態でIGBT17
をスイッチングしても良い。また、制御回路40は、正
電圧期間においてはIGBT17をオンとした状態でI
GBT16をスイッチングし、負電圧期間においてはI
GBT16をオフとした状態でIGBT17をスイッチ
ングしても良い。
【0062】(第4の実施形態)図10には、第3の実
施形態で述べた高周波電源37を電子レンジに適用した
第4の実施形態(請求項1、2、4、12〜18に対
応)が示されている。この図10において、周波数変換
回路38の構成は図9に示したものと同様であり、負荷
としての高周波トランス31およびマグネトロン30へ
の接続形態は図7に示したものと同様である。この構成
によっても、高周波電源37に関し前記第3の実施形態
と同様の作用および効果を得ることができる。
【0063】(第5の実施形態)次に、本発明の第5の
実施形態(請求項1、2、7、12〜14、16〜18
に対応)について、図11および図12を参照しながら
説明する。なお、図11において図1または図9と同一
構成部分には同一符号を付し、ここでは異なる部分につ
いて説明する。
【0064】図11は、例えば電磁調理器に用いられる
高周波電源の電気的構成を示している。この図11にお
いて、高周波電源43は、交流−交流直接変換を行う周
波数変換回路44(本発明でいう周波数変換手段に相
当)と、その周波数変換回路44の周波数変換動作を制
御する制御部45(本発明でいう制御手段に相当)とか
ら構成されている。周波数変換回路44は、バイパスコ
ンデンサ18の両端子間にIGBT17と加熱コイル1
5とIGBT16とが順に直列接続された回路形態に構
成されている。ここで、IGBT16および17の各エ
ミッタはそれぞれバイパスコンデンサ18の一端子およ
び他端子に接続され、グランド端子E1およびE2とさ
れている。
【0065】一方、制御部45は、グランド端子E1を
グランド電位とする電圧検出回路24a、制御回路46
a、駆動回路26a、極性検出回路42aと、グランド
端子E2をグランド電位とする電圧検出回路24b、制
御回路46b、駆動回路26b、極性検出回路42bと
から構成されている。また、バイパスコンデンサ18の
両端電圧Vacを入力とし、グランド端子E1、E2をグ
ランド電位とする制御電源27a、27bが設けられて
いる。ここで、電圧検出回路24a、24b、駆動回路
26a、26b、極性検出回路42a、42bの構成
は、それぞれ前述した電圧検出回路24、駆動回路2
6、極性検出回路42と同様である。
【0066】図12(a)に示すように、制御回路46
aは、極性検出回路42aによる交流電源14について
の正負判定結果に基づいて、正電圧期間においてはIG
BT16をスイッチングさせ負電圧期間においてはIG
BT16をオンさせるようなゲート信号SG1を生成す
る。また、制御回路46bは、極性検出回路42bによ
る交流電源14についての正負判定結果に基づいて、負
電圧期間においてはIGBT17をスイッチングさせ正
電圧期間においてはIGBT17をオンさせるようなゲ
ート信号SG2を生成する。
【0067】その結果、正電圧期間におけるコレクタ電
流IC1(負の電流については還流ダイオード22に流れ
る電流)とコレクタ電圧VCE1 、および負電圧期間にお
けるコレクタ電流IC2(負の電流については還流ダイオ
ード23に流れる電流)とコレクタ電圧VCE2 は、それ
ぞれ図12(b)、および(c)に示すようになる。す
なわち、例えば正電圧期間において、時刻t11から時刻
t12までの期間IGBT16はオンとなり、コレクタ電
圧VCE1 がほぼ0となった状態でコレクタ電流IC1が増
加する。この時の電流は、交流電源14により充電され
たバイパスコンデンサ18から還流ダイオード23、加
熱コイル15、IGBT16を介して流れ、バイパスコ
ンデンサ18の両端電圧Vacは全て加熱コイル15に印
加された状態となっている。この間、IGBT17のゲ
ートにはハイレベルのゲート信号SG2が印加されている
が、IGBT17の通電可能方向は上記電流の向きとは
逆向きであるため電流は流れずIGBT17はオフの状
態を保持している。
【0068】制御回路46aは、時刻t12においてゲー
ト信号SG1をロウレベルにする。これにより、IGBT
16がオフとなり、加熱コイル15に流れていた電流が
図11に矢印で示す正方向の共振電流IR として共振コ
ンデンサ20に流入する。共振コンデンサ20はその共
振電流IR により充電され、コレクタ電圧VCE1 が上昇
する。
【0069】共振電流IR が正から負に転じると共振コ
ンデンサ20に充電された電荷が加熱コイル15を通し
て放電し始める。これに伴ってコレクタ電圧VCE1 が減
少し、やがてほぼ0となる(時刻t13)。制御回路47
aは、この時刻t13以降時刻t14までのタイミングでゲ
ート信号SG1をロウレベルからハイレベルにする。この
時刻t13からt14までの間は、加熱コイル15からIG
BT17、バイパスコンデンサ18、還流ダイオード2
2を介して回生電流が流れる。そして、IGBT16の
コレクタ電圧VCE1 が正になった時点(時刻t14)で、
IGBT16にコレクタ電流IC1が流れ始める。
【0070】周波数変換回路44の負電圧期間の動作
も、図12(c)に示すように上述した正電圧期間の動
作と同様となる。その結果、加熱コイル15には高周波
電流が流れ、加熱コイル15に接近して置かれた被加熱
物が誘導加熱される。
【0071】以上述べたように、本実施形態によっても
上述した各実施形態と同様に、交流電圧から(直流に変
換することなく)直接高周波電流が得られるので、周波
数変換回路44で生じる損失が大幅に低減する。また、
IGBT16を制御するためゲート信号SG1のグランド
端子E1とIGBT17を制御するためのゲート信号S
G2のグランド端子E2とが交流電源14の電源線側に設
けられているので、グランド電位が安定し、電磁ノイズ
などの外来ノイズに強いという利点を有している。
【0072】さらに、制御部45は、正電圧期間または
負電圧期間において、バイパスコンデンサ18から加熱
コイル15に流れる主電流に対し通電方向が逆となるI
GBT17または16にハイレベルのゲート信号SG2ま
たはSG1を印加するように制御する。その結果、スイッ
チングのオフ期間に回生電流が流れ、スイッチングがオ
フからオンに転じた時のコレクタ電流が0から徐々に流
れ始める。これにより、IGBT16および17のスイ
ッチング損失が一層低減される。
【0073】なお、制御回路46a、46bは、正負判
定結果に基づいて、正電圧期間においてはIGBT17
をオフとした状態でIGBT16をスイッチングし、負
電圧期間においてはIGBT16をオフとした状態でI
GBT17をスイッチングする制御方法を採用すること
も可能である。
【0074】(第6の実施形態)図13には、第5の実
施形態で述べた高周波電源43を電子レンジに適用した
第6の実施形態(請求項1、2、7、12〜14、16
〜18に対応)が示されている。この図13において、
周波数変換回路44の構成は図11に示したものと同様
であり、負荷としての高周波トランス31および図示し
ないマグネトロンへの接続形態は図7に示したものと同
様である。本構成によっても、前記第5の実施形態と同
様の作用および効果が得られ、高効率で食品などをマイ
クロ波加熱することができる。
【0075】(第7の実施形態)図14には、第5の実
施形態で述べた制御部45について異なる制御方法を採
用した第7の実施形態(請求項1、2、7、12、15
〜18に対応)について、その動作波形が示されてい
る。本実施形態において、図14(a)に示すように、
制御回路46a(図11参照)は、極性検出回路42a
による交流電源14についての正負判定結果に基づい
て、正電圧期間においてはIGBT16をスイッチング
させ負電圧期間においてはIGBT16をオフさせるよ
うなゲート信号SG1を生成する。また、制御回路47b
は、極性検出回路42bによる交流電源14についての
正負判定結果に基づいて、負電圧期間においてはIGB
T17をスイッチングさせ正電圧期間においてはIGB
T17をオンさせるようなゲート信号SG2を生成する。
【0076】その結果、正電圧期間においては図14
(b)に示すように第5の実施形態と同様の動作波形と
なり、負電圧期間においては図14(c)に示すように
第1の実施形態とほぼ同様の動作波形となる。この負電
圧期間において、IGBT17がオンすると電流はバイ
パスコンデンサ18から還流ダイオード22、加熱コイ
ル15、IGBT17を介して流れ、オフすると共振回
路21内において共振電流IR が流れる。この場合、ゲ
ート信号SG1がロウレベルにあるためIGBT16はオ
フとなっており回生電流は流れない。
【0077】つまり、本実施形態を制御方法が異なる前
述の第5の実施形態と比較した場合、還流ダイオード2
3の損失は回生電流が流れない分だけ低減し、IGBT
17の損失はオン時のコレクタ電流IC2が急峻に増加す
る分だけ増加する。従って、制御方法を変えることによ
り、調理機器内の雰囲気温度や素子を取り付ける放熱板
の形状などに応じて、IGBT16、17および還流ダ
イオード22、23における損失の分担を変えることが
できる。
【0078】(第8の実施形態)図15には、本発明の
第8の実施形態(請求項1、2、9、12〜18に対
応)が示されており、以下これについて前記第1の実施
形態と異なる部分について説明する。すなわち、この図
15に示す高周波電源47の周波数変換回路48は、第
1の実施形態(図1参照)において加熱コイル15に並
列に接続されていた共振コンデンサ20に替え、IGB
T16、17にそれぞれ共振コンデンサ20a、20b
を並列に接続した構成となっている。
【0079】この構成によれば、例えば正電圧期間にお
いて、ゲート信号SG がハイレベルにある期間IGBT
16がオンとなり、電流はバイパスコンデンサ18から
加熱コイル15、IGBT16、還流ダイオード23を
介して流れる。そして、ゲート信号SG がロウレベルに
なるとIGBT16がオフとなり、加熱コイル15に流
れていた電流が図15に矢印で示す正方向の共振電流I
R として共振コンデンサ20aに流入する。共振コンデ
ンサ20aはその共振電流IR により充電され、コレク
タ電圧VCE1 が上昇する。共振電流IR が正から負に転
じると共振コンデンサ20aに充電された電荷が加熱コ
イル15、バイパスコンデンサ18、還流ダイオード2
0b(またはIGBT17)を通して放電し始める。上
記動作は負電圧期間においても同様となり、その結果加
熱コイル15に高周波電流が流れる。
【0080】本実施形態によれば、第1の実施形態と同
様の効果が得られる。また、IGBT16、17がオン
からオフした場合、グランド端子E1を基準電位とする
IGBT16、17のコレクタ電位には交流電源14
(バイパスコンデンサ18の両端電圧Vac)の電圧が加
算されないので、コレクタ電圧VCE1 、VCE2 の最大値
を抑えることができる。これにより、耐圧の低いIGB
Tを採用できコストの低減を図れる。
【0081】(第9の実施形態)図16には、第8の実
施形態で述べた高周波電源47を電子レンジに適用した
第9の実施形態(請求項1、2、9、12〜18に対
応)が示されている。この図16において、周波数変換
回路48の構成は図15に示したものと同様であり、負
荷としての高周波トランス31およびマグネトロン30
への接続形態は図7に示したものと同様である。この構
成によっても、前記第8の実施形態と同様の作用、効果
を得ることができる。
【0082】(第10の実施形態)図17には本発明の
第10の実施形態(請求項1、2、10、12〜18に
対応)が示されており、以下これについて前記第5の実
施形態と異なる部分のみ説明する。すなわち、この図1
7に示す高周波電源49の周波数変換回路50は、第5
の実施形態(図11参照)において加熱コイル15に並
列に接続されていた共振コンデンサ20に替え、IGB
T16、17にそれぞれ共振コンデンサ20a、20b
を並列に接続した構成となっている。
【0083】この構成によれば、例えば正電圧期間にお
いて、ゲート信号SG1がハイレベルとなりIGBT16
がオンしている期間、電流はバイパスコンデンサ18か
ら還流ダイオード23、加熱コイル15、IGBT16
を介して流れる。そして、ゲート信号SG1がロウレベル
になるとIGBT16がオフとなり、加熱コイル15に
流れていた電流が図17に矢印で示す正方向の共振電流
IR として共振コンデンサ20aに流入する。共振コン
デンサ20aはその共振電流IR により充電され、コレ
クタ電圧VCE1 が上昇する。正電圧期間の間IGBT1
7に対するゲート信号SG2はハイレベルとなっているの
で、共振電流IR が正から負に転じると、共振コンデン
サ20aに充電された電荷が加熱コイル15、IGBT
17、バイパスコンデンサ18を介して放電し始める。
上記動作は負電圧期間においても同様となり、その結果
加熱コイル15に高周波電流が流れる。
【0084】従って、本実施形態によれば、第5の実施
形態と同様の効果が得られる他、第8の実施形態と同様
に、IGBT16、17がオンからオフした時のコレク
タ電圧VCE1 、VCE2 の最大値を抑えることができる。
【0085】(第11の実施形態)図18には、第10
の実施形態で述べた高周波電源49を電子レンジに適用
した第11の実施形態(請求項1、2、10、12〜1
8に対応)が示されている。この図18において、周波
数変換回路50の構成は図17に示したものと同様であ
り、負荷としての高周波トランス31およびマグネトロ
ン30への接続形態は図7に示したものと同様である。
この構成によっても、前記第10の実施形態と同様の作
用、効果を得ることができる。
【0086】(第12の実施形態)次に、本発明の第1
2の実施形態(請求項1、2、8に対応)について図1
9を参照しながら説明する。この図19は、周波数変換
回路51(本発明でいう周波数変換手段に相当)の基本
構成を示している。すなわち、第1のスイッチング素子
例えばIGBT16と第2のスイッチング素子例えばI
GBT17とが互いに通電方向が逆向きとなるように並
列に接続された上で、これら並列回路と加熱コイル15
(または高周波トランス)とが交流電源14の両端子間
に直列に接続されている。この場合、図19に示すよう
に交流電源14の両端子間にバイパスコンデンサ18と
チョークコイル19とを直列に設けることが好ましい。
また、図示しないが、IGBT16と17には、それぞ
れ当該素子の通電方向と逆向きに流れる電流を阻止する
ための阻止手段例えばダイオードが直列に接続されてい
る。なお、図19において共振コンデンサは省略してあ
る。
【0087】上記構成によれば、交流電源14の正電圧
期間にあっては、IGBT16がスイッチングすること
により加熱コイル15に高周波電流を流し、交流電源1
4の負電圧期間にあっては、IGBT17がスイッチン
グすることにより加熱コイル15に高周波電流を流すこ
とができる。従って、第1の実施形態で述べたように周
波数変換回路51における損失を大幅に低減でき、放熱
板の小型化や冷却ファンの低騒音化などが可能となる。
【0088】(第13の実施形態)次に、本発明を調理
機器としての炊飯器に適用した第13の実施形態(請求
項1、3に対応)について図20および図21を参照し
ながら説明する。まず、炊飯器の概略的な構成を示す図
21において、炊飯器本体52の内部には炊飯釜53が
配設されており、この炊飯釜53内に図示しない炊飯鍋
が着脱可能に収納されている。炊飯釜53の外底部にお
ける平坦部分には加熱コイル15a(本発明でいう第1
の加熱コイルに相当)が配設され、外周のコーナー部に
は加熱コイル15b(本発明でいう第2の加熱コイルに
相当)が配設されている。また、炊飯器本体52の内底
部から内周部にかけて、フィン部54aを備えた放熱板
54が配設され、その放熱板54にはIGBT16(第
1のスイッチング素子)とIGBT17(第2のスイッ
チング素子)とが伝熱的に固定されている。さらに、炊
飯釜53の底部には図示しない冷却ファンが配設されて
いる。
【0089】図20(a)、(b)は、周波数変換回路
55(本発明でいう周波数変換手段に相当)の基本構成
を示している。このうち図20(a)が上記炊飯器に対
応するもので、交流電源14の両端子間には、加熱コイ
ル15aとIGBT16とが直列に接続されるととも
に、加熱コイル15bとIGBT17とが直列に接続さ
れている。ここで、IGBT16と17とは、交流電源
14からの電流について互いに通電方向が逆向きとなる
ように接続されており、交流電源14の両端子間にはチ
ョークコイル19を介してバイパスコンデンサ18が接
続されている。また、図示しないが、IGBT16と1
7には、それぞれ当該素子の通電方向と逆向きに流れる
電流を阻止するための阻止手段例えばダイオードが直列
に接続されている。なお、図20において共振コンデン
サは省略してある。
【0090】上記構成によれば、交流電源14の正電圧
期間にあっては、IGBT16がスイッチングすること
により炊飯釜53の底部に設けられた加熱コイル15a
が誘導加熱され、交流電源14の負電圧期間にあって
は、IGBT17がスイッチングすることにより炊飯釜
53のコーナー部に設けられた加熱コイル15bが誘導
加熱される。
【0091】本実施形態によっても、第1の実施形態で
述べたように周波数変換回路55における損失を大幅に
低減でき、放熱板54を小型化したり、冷却ファンの能
力を下げて低騒音化を図ることができる。なお、図20
(b)に示すように、周波数変換回路55は、異なるマ
グネトロンが接続された高周波トランス31a(本発明
でいう第1の高周波トランスに相当)および31b(本
発明でいう第2の高周波トランスに相当)を負荷とした
場合についても同様の作用、効果が得られる、この場
合、例えば一方のマグネトロンは電子レンジの加熱調理
室の側面に配設し、他方のマグネトロンは加熱調理室の
下面に配設すれば良い。
【0092】(第14の実施形態)図22には、第1の
実施形態で述べた周波数変換回路12(図1参照)の入
力部にコモンモード型のチョークコイル56を付加した
第14の実施形態(請求項17に対応)が示されてい
る。この図22に示すように、交流電源14とノーマル
モード型のチョークコイル19との間にチョークコイル
56を挿入すると、ノーマルモードノイズに加えコモン
モードノイズも有効に除去することができる。従って、
スイッチングに伴う高周波ノイズが交流電源14側に流
れるのを抑制することができる。なお、チョークコイル
19、56に流れる電流の基本波成分は交流電源14の
周波数(例えば50Hzまたは60Hz)であるため、
チョークコイル19、56には大きな損失(鉄損)は発
生しない。
【0093】(その他の実施形態)なお、本発明は上記
し且つ図面に示す各実施形態に限定されるものではな
く、以下のような拡張または変更が可能である。第1お
よび第2のスイッチング素子は、MOSFETあるいは
トランジスタであっても良い。調理機器として電磁調理
器や炊飯器に限らずホットプレートなど高周波加熱の原
理を用いたものであれば同様にして適用できる。
【0094】第1、第2、第8、第9の各実施形態にお
いて、IGBT16および17のそれぞれについて独立
した制御回路と駆動回路とを備え、IGBT16および
17を独立して制御するように構成しても良い。この場
合、交流電源14の正電圧期間にあってはIGBT16
をスイッチング動作させるとともにIGBT17をオン
またはオフ状態とし、負電圧期間にあってはIGBT1
7をスイッチング動作させるとともにIGBT16をオ
ンまたはオフ状態とすれば良い。
【0095】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の調理機器は、交流電源から交流−交流直接変換により
加熱コイルまたは高周波トランスに高周波電流を流すよ
うに構成された高周波電源を備えているので、高周波電
源において従来用いられていた交流−直流変換をするた
めのコンバータ部が不要となり、コンバータ部において
発生していた損失がなくなる。その結果、高周波電源に
おける主な損失は交流−交流直接変換を行う周波数変換
手段の損失だけとなり、放熱板を小さくして調理機器を
小型化でき、冷却ファンの能力を下げたり無くしたりし
て調理機器から生じる騒音を低減できる。
【0096】この場合、周波数変換手段は、互いに通電
方向が異なる第1のスイッチング素子と第2のスイッチ
ング素子とを加熱コイルまたは高周波トランスに対して
直列に接続して構成され、交流電源電圧の正負に応じて
第1または第2のスイッチング素子の何れか一方がスイ
ッチング動作するので、交流電源の全周期において加熱
コイルまたは高周波トランスに高周波電流を流すことが
可能となる。また、周波数変換手段を、第1、第2の加
熱コイルまたは高周波トランスに対してそれぞれ第1、
第2のスイッチング素子を直列に接続することにより、
2つの加熱コイルまたは高周波トランスに高周波電流を
流すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示し、加熱コイルを
負荷とする高周波電源の電気的構成図
【図2】周波数変換回路の入出力接続図
【図3】周波数変換回路の基本構成図
【図4】交流電源の電圧波形とIGBTの動作との関係
を示す(a)とともに、正電圧期間(b)および負電圧
期間(c)におけるゲート信号、コレクタ電流およびコ
レクタ電圧を示す図
【図5】バイパスコンデンサの両端電圧の波形図
【図6】バイパスコンデンサの静電容量が大きい場合
(a)と小さい場合(b)のコレクタ電流とコレクタ電
圧の波形図
【図7】本発明の第2の実施形態を示し、高周波トラン
スを負荷とする高周波電源の電気的構成図
【図8】図2相当図
【図9】本発明の第3の実施形態を示す図1相当図
【図10】本発明の第4の実施形態を示す図7相当図
【図11】本発明の第5の実施形態を示す図1相当図
【図12】図4相当図
【図13】本発明の第6の実施形態を示す図7相当図
【図14】本発明の第7の実施形態を示す図4相当図
【図15】本発明の第8の実施形態を示す図1相当図
【図16】本発明の第9の実施形態を示す図7相当図
【図17】本発明の第10の実施形態を示す図1相当図
【図18】本発明の第11の実施形態を示す図7相当図
【図19】本発明の第12の実施形態を示す図3相当図
【図20】本発明の第13の実施形態を示す図3相当図
【図21】炊飯器の構成を概略的に示す図
【図22】本発明の第14の実施形態を示す図2相当図
【図23】従来技術の基本構成図
【符号の説明】
図中、11、37、43、47、49は高周波電源、1
2、38、44、48、50、51、55は周波数変換
回路(周波数変換手段)、13、39、45は制御部
(制御手段)、14は交流電源、15は加熱コイル、1
5aは加熱コイル(第1の加熱コイル)、15bは加熱
コイル(第2の加熱コイル)、16はIGBT(第1の
スイッチング素子)、17はIGBT(第2のスイッチ
ング素子)、18はバイパスコンデンサ、19はノーマ
ルモードチョークコイル、20、20a、20bは共振
コンデンサ、21、32は共振回路、22は還流ダイオ
ード(第1の還流ダイオード)、23は還流ダイオード
(第2の還流ダイオード)、24、24a、24bは電
圧検出回路(電圧検出手段)、27、27a、27bは
制御電源(直流電源)、30はマグネトロン(マイクロ
波発生手段)、31は高周波トランス、31aは高周波
トランス(第1の高周波トランス)、31bは高周波ト
ランス(第2の高周波トランス)、42、42a、42
bは極性検出回路(正負判定手段)、56はコモンモー
ドチョークコイルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柿澤 俊夫 愛知県瀬戸市穴田町991番地 株式会社東 芝愛知工場内 Fターム(参考) 3K051 AA02 AB08 AD25 3K086 AA08 BA08 DB03 DB11 DB13 FA04

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高周波電源により加熱コイル、またはマ
    イクロ波発生手段が接続された高周波トランスに高周波
    電流を流し、被加熱物を高周波加熱するように構成され
    た調理機器において、 前記高周波電源は、 交流電源から交流−交流直接変換により前記加熱コイル
    または高周波トランスに流す高周波電流を生成する周波
    数変換手段と、この周波数変換手段による周波数変換動
    作を制御する制御手段とから構成されていることを特徴
    とする調理機器。
  2. 【請求項2】 周波数変換手段は、 交流電源から正方向に流れる電流を阻止可能なように加
    熱コイルまたは高周波トランスに対して直列に接続され
    た第1のスイッチング素子と、 前記交流電源から負方向に流れる電流を阻止可能なよう
    に前記加熱コイルまたは高周波トランスに対して直列に
    接続された第2のスイッチング素子とを備えて構成され
    ていることを特徴とする請求項1記載の調理機器。
  3. 【請求項3】 加熱コイルまたは高周波トランスは第1
    および第2の2つからなり、 周波数変換手段は、 交流電源から正方向に流れる電流を阻止可能なように第
    1の加熱コイルまたは高周波トランスに対して直列に接
    続された第1のスイッチング素子と、 前記交流電源から負方向に流れる電流を阻止可能なよう
    に第2の加熱コイルまたは高周波トランスに対して直列
    に接続された第2のスイッチング素子とを備えて構成さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の調理機器。
  4. 【請求項4】 加熱コイルまたは高周波トランスと共振
    コンデンサとが並列に接続されて共振回路が形成され、 周波数変換手段は、前記共振回路が交流電源の一端子側
    に接続されるとともに前記共振回路と前記交流電源の他
    端子側との間に第1のスイッチング素子と第2のスイッ
    チング素子とが直列に接続された形態に構成され、 前記第1のスイッチング素子には第1の還流ダイオード
    が逆並列に接続され、前記第2のスイッチング素子には
    第2の還流ダイオードが逆並列に接続されていることを
    特徴とする請求項2記載の調理機器。
  5. 【請求項5】 第1のスイッチング素子に与えられるオ
    ンオフ制御信号の基準電位端子と、第2のスイッチング
    素子に与えられるオンオフ制御信号の基準電位端子とが
    共通に接続されていることを特徴とする請求項4記載の
    調理機器。
  6. 【請求項6】 共振回路が接続された交流電源の一端子
    側と、第1のスイッチング素子の基準電位端子と第2の
    スイッチング素子の基準電位端子との共通接続点との間
    に、制御手段を動作させるための直流電源を設けたこと
    を特徴とする請求項5記載の調理機器。
  7. 【請求項7】 加熱コイルまたは高周波トランスと共振
    コンデンサとが並列に接続されて共振回路が形成され、 周波数変換手段は、交流電源の一端子側と前記共振回路
    との間に第1のスイッチング素子が接続されるとともに
    前記交流電源の他端子側と前記共振回路との間に第2の
    スイッチング素子が接続された形態に構成され、 前記第1のスイッチング素子には第1の還流ダイオード
    が逆並列に接続され、前記第2のスイッチング素子には
    第2の還流ダイオードが逆並列に接続されていることを
    特徴とする請求項2記載の調理機器。
  8. 【請求項8】 加熱コイルまたは高周波トランスと共振
    コンデンサとが並列に接続されて共振回路が形成され、 周波数変換手段は、前記共振回路が交流電源の一端子側
    に接続されるとともに前記共振回路と前記交流電源の他
    端子側との間に第1のスイッチング素子と第2のスイッ
    チング素子とが並列に接続された形態に構成されている
    ことを特徴とする請求項2記載の調理機器。
  9. 【請求項9】 周波数変換手段は、加熱コイルまたは高
    周波トランスが交流電源の一端子側に接続されるととも
    に前記加熱コイルまたは高周波トランスと前記交流電源
    の他端子側との間に第1のスイッチング素子と第2のス
    イッチング素子とが直列に接続された形態に構成され、 前記第1のスイッチング素子には第1の還流ダイオード
    が逆並列に接続されるとともに第1の共振コンデンサが
    並列に接続され、前記第2のスイッチング素子には第2
    の還流ダイオードが逆並列に接続されるとともに第2の
    共振コンデンサが並列に接続されていることを特徴とす
    る請求項2記載の調理機器。
  10. 【請求項10】 周波数変換手段は、交流電源の一端子
    側と加熱コイルまたは高周波トランスとの間に第1のス
    イッチング素子が接続されるとともに前記交流電源の他
    端子側と前記加熱コイルまたは高周波トランスとの間に
    第2のスイッチング素子が接続された形態に構成され、 前記第1のスイッチング素子には第1の還流ダイオード
    が逆並列に接続されるとともに第1の共振コンデンサが
    並列に接続され、前記第2のスイッチング素子には第2
    の還流ダイオードが逆並列に接続されるとともに第2の
    共振コンデンサが並列に接続されていることを特徴とす
    る請求項2記載の調理機器。
  11. 【請求項11】 制御手段は、第1のスイッチング素子
    および第2のスイッチング素子を同一のオンオフ制御信
    号によりオンオフ動作させることを特徴とする請求項5
    記載の調理機器。
  12. 【請求項12】 交流電源の電圧が正であるか負である
    かを判定する正負判定手段を備え、 制御手段は、前記正負判定手段により前記交流電源の電
    圧が正であると判定された正電圧期間において第1のス
    イッチング素子をオンオフ動作させ、前記正負判定手段
    により前記交流電源の電圧が負であると判定された負電
    圧期間において第2のスイッチング素子をオンオフ動作
    させるように構成されていることを特徴とする請求項2
    ないし10の何れかに記載の調理機器。
  13. 【請求項13】 制御手段は、正電圧期間において第2
    のスイッチング素子をオフ動作させ、負電圧期間におい
    て第1のスイッチング素子をオフ動作させるように構成
    されていることを特徴とする請求項12記載の調理機
    器。
  14. 【請求項14】 制御手段は、正電圧期間において第2
    のスイッチング素子をオン動作させ、負電圧期間におい
    て第1のスイッチング素子をオン動作させるように構成
    されていることを特徴とする請求項12記載の調理機
    器。
  15. 【請求項15】 制御手段は、正電圧期間において第2
    のスイッチング素子をオン動作させ、負電圧期間におい
    て第1のスイッチング素子をオフ動作させるように構成
    されていることを特徴とする請求項12記載の調理機
    器。
  16. 【請求項16】 周波数変換手段において、交流電源の
    一端子側と他端子側との間にバイパスコンデンサが設け
    られるとともに、このバイパスコンデンサは、第1また
    は第2のスイッチング素子がオン動作している期間にお
    いて当該第1または第2のスイッチング素子に流れる最
    大電流を所定値以下に抑制するのに十分となる小容量に
    設定されていることを特徴とする請求項2ないし15の
    何れかに記載の調理機器。
  17. 【請求項17】 周波数変換手段において、交流電源と
    バイパスコンデンサとの間にコモンモードチョークコイ
    ルまたはノーマルモードチョークコイルの何れか一方ま
    たは両方が設けられていることを特徴とする請求項16
    記載の調理機器。
  18. 【請求項18】 制御手段は、第1のスイッチング素子
    および第2のスイッチング素子に印加される電圧を検出
    する電圧検出手段を備え、この電圧検出手段により検出
    された電圧が低下した時に前記第1のスイッチング素子
    または第2のスイッチング素子をオン動作させるととも
    に、入力指令に基づいて前記第1のスイッチング素子ま
    たは第2のスイッチング素子のオンオフ動作におけるオ
    ン幅を決定するように構成されていることを特徴とする
    請求項2ないし17の何れかに記載の調理機器。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020057151A (ko) * 2000-12-30 2002-07-11 구자홍 전자레인지의 히터제어회로
JP2014032791A (ja) * 2012-08-02 2014-02-20 Mitsubishi Electric Corp 誘導加熱調理器
JP2021018834A (ja) * 2019-07-17 2021-02-15 三菱電機株式会社 加熱調理器

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