JP2000285798A - 電界放出型冷陰極装置およびその製造方法 - Google Patents

電界放出型冷陰極装置およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電界放出の均一性が良好で、電界放出効率が
高く、しかも高集積化が容易な電界放出型冷陰極装置を
得ることを可能にする。 【解決手段】 第1の基板1の表面に先鋭な凹部を形成
する工程と、第2の基板3上に熱可塑性樹脂、紫外線硬
化樹脂、および熱硬化性樹脂のうちの少なくとも1つの
樹脂を用いた樹脂シート層2を形成する工程と、第1の
基板を樹脂シート層が形成された第2の基板に当てて第
1の基板の凹部内に樹脂シート層の樹脂を入り込ませ、
表面に先鋭な凸形状2aを有するように樹脂シート層を
変形する工程と、第1の基板を樹脂シート層から引離し
た後、樹脂シート層の表面にエミッタ部6となる導電層
4を形成する工程と、を備えたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電界放出型冷陰極装
置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、発達したSi半導体加工技術を利
用した電界放出型の冷陰極を用いた電界放出型冷陰極装
置の開発が、活発に行なわれている。その代表的な例と
してはスピント(C.A.Spindt)らが、Jou
rnal of Applied Physics,V
ol.47,5248(1976)に記載したものが知
られている。この電界放出型冷陰極装置は、Si単結晶
基板上にSiO2 層とゲート電極層を形成した後、直径
約1.5μm程度の穴を更に形成し、この穴の中に、電
界放出を行なう円錐状のエミッタを蒸着法により作製し
たものである。
【0003】この従来の電界放出型の冷陰極装置の製造
方法を図12を参照して説明する。
【0004】先ず、Si単結晶基板101上に絶縁層と
してSiO2 層102をCVD等の堆積法により形成す
る。次に、その上にMo層103及びゲート電極層とな
るAl層104をスパッタリング法等で形成する。次
に、エッチングにより直径約1.5μm程度の穴105
を層102,103,104に形成する(図12(a)
参照)。
【0005】次に、この穴105の中に、電界放出を行
なうための円錐形状のエミッタ107を蒸着法により作
製する(図12(b)参照)。このエミッタ107の形
成は、エミッタの材料となる金属、例えばMoを、回転
した状態の基板101に対して垂直方向から真空蒸着す
ることにより行う。この際、穴105の開口に相当する
ピンホール径は、Al層104上にMo層106が堆積
するにつれて減少し、最終的には0となる。このため、
ピンホールを通して堆積する穴105内のエミッタ10
7も、その径がしだいに減少し、円錐形状となる。Al
層104上に堆積した余分のMo層106は後に除去す
る(図12(c)参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の電界放
出型冷陰極装置の製造方法及びその方法により作製され
た電界放出型冷陰極装置においては以下に述べる重要な
問題点があった。
【0007】まず、第1には、前述の従来例では、回転
蒸着法により、Al層201にあけたピンホールの直径
が少しずつ小さくなることを利用して、穴の内面にエミ
ッタを形成しているため、エミッタ高さ、先端部の形状
などがばらつき、電界放出の均一性が悪いうえ、電界放
出効率を向上させるのに必要なエミッタ先端部の鋭さが
欠け、電界放出効率の低下、消費電力の増大等の課題が
あった。また、再現性、歩留まりも悪く、多数の電界放
出型冷陰極部を同一基板上に作製する場合には、生産コ
ストが増加する主原因になっていた。
【0008】また、大面積のものを作製したい場合に
は、Al層をななめ回転蒸着する際に、入射角を一定に
する必要から、蒸着源と基板間の距離が大きくなり、真
空蒸着装置が巨大になり、装置自体の作製が困難である
とともに、排気時間も長くなり、大面積のエミッタアレ
イを得ることが困難であった。
【0009】本発明は上記の点に鑑みなされたもので、
電界放出の均一性が良好で、電界放出効率も高く、しか
も、高集積化も容易でかつ大面積の電界放出型冷陰極装
置およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明による電界放出型
冷陰極装置の製造方法の第1の態様は、第1の基板の表
面に先鋭な凹部を形成する工程と、第2の基板上に熱可
塑性樹脂、紫外線硬化樹脂、および熱硬化性樹脂のうち
の少なくとも1つの樹脂を用いた樹脂シート層を形成す
る工程と、前記第1の基板を前記樹脂シート層が形成さ
れた第2の基板に当てて前記第1の基板の前記凹部内に
前記樹脂シート層の樹脂を入り込ませ、表面に先鋭な凸
形状を有するように前記樹脂シート層を変形する工程
と、前記第1の基板を前記樹脂シート層から引離した
後、前記樹脂シート層の表面にエミッタ部となる導電層
を形成する工程と、を備えたことを特徴とする。
【0011】また本発明による電界放出型冷陰極装置の
製造方法の第2の態様は、第1の基板の表面に先鋭な凹
部を形成する工程と、熱可塑性樹脂、紫外線硬化樹脂、
および熱硬化性樹脂のうちの少なくとも1つの樹脂を用
いた樹脂層と、この樹脂層の少なくとも一方の面に形成
された導電層とを有する樹脂シート層を第2の基板上に
形成する工程と、前記第1の基板を前記樹脂シート層が
形成された第2の基板に当てて、前記第1の基板の前記
凹部内に前記樹脂シート層の導電層および樹脂シート層
を入り込ませ、表面に先鋭な凸形状のエミッタ部を有す
るように前記樹脂シート層を変形させる工程と、前記第
1の基板を前記樹脂シート層から引離す工程と、を備え
たことを特徴とする。
【0012】なお、前記樹脂シート層はラミネート成形
されていても良い。
【0013】なお、前記第1の基板は湾曲していても良
い。
【0014】なお、前記第1の基板は円筒状であっても
良い。
【0015】なお、前記樹脂シート層に絶縁膜を形成す
る工程と、片側の表面にゲート層となる導電層を有する
樹脂絶縁シートを前記樹脂シート層の前記エミッタ部に
押し当てて前記樹脂絶縁シートを突き破って前記凸形状
のエミッタ部を露出させる工程と、を備えることが好ま
しい。
【0016】また本発明による電界放出型冷陰極装置
は、基板上に形成された、各々が先鋭な凸形状の導電体
からなる複数のエミッタと、各エミッタの先端が露出す
るように前記基板上に形成された絶縁層と、前記エミッ
タ間の前記絶縁膜上に形成された導電体からなるゲート
層と、を備えたことを特徴とする。
【0017】なお、前記エミッタの露出している先端部
は絶縁膜によって覆われていても良い。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照して本発明の
実施の形態を説明する。
【0019】(第1の実施の形態)図1(a)乃至図1
(c)は本発明による電界放出型冷陰極装置の製造方法
の第1の実施の形態の製造プロセスを示す工程断面図で
ある。
【0020】まず、基板1に底部をとがらせた先鋭な凹
部を形成する。このような凹部を形成する方法として
は、例えば本出願人によって出願された特開平6−36
682号公報(特願平4−186753号)に開示され
ているようにSi単結晶基板の異方性エッチングを利用
した先鋭な凸部を有するマスタ基板(図示せず)をもと
に、電気メッキ、例えばNiメッキを用いて、先鋭な凹
部を有する金型モールド基板を作成する方法がある。ま
ず、p型で(100)結晶面方位のSi単結晶基板上に
厚さ0.1μmのSiO2 層をドライ酸化法により形成
し、更にレジストをスピンコート法により塗布する。次
に、ステッパを用いて、例えば1μm角の正方形開口部
が得られるよう露光、現像等のパターニングを行った
後、NH4 ・F・HF混合溶液により、SiO2 層のエ
ッチングを行なう。レジスト除去後、30wt%のKO
H水溶液を用いて異方性エッチングを行ない、深さ0.
71μmの逆ピラミッド上の第1の凹部をSi単結晶基
板上に形成させる。
【0021】次に、NH4 ・F・HF混合溶液を用い
て、SiO2 層を一旦除去した後、Si単結晶基板上に
第1の凹部内を含めてSiO2 層を形成する。この例で
は、厚さ0.3μmとなるように、SiO2 層をウェッ
ト酸化法により形成した。更に、前記SiO2 層上に凸
型の先鋭部をなすエミッタ層として例えばタングステン
やモリブデン、ニッケルを、第1の凹部が充填されるよ
うに形成する。
【0022】上記の例では、スパッタリング法によりニ
ッケル層を厚さ2μmとなるように形成した。この後、
ガラス基板に、静電接着または樹脂接着などにより、上
記ニッケル層を接着し、Si基板を水酸化テトラメチル
アンモニウム(TMAH)溶液等でエッチング除去する
ことにより、先鋭な凸型を多数有するマスタ基板が得ら
れる。なお、マスタ基板は、従来の回転蒸着法や、他の
方法を用いて形成してもよい。
【0023】次に、このマスタ基板表面を、脱脂し、弗
化アンモニウム等の弗化物で表面を活性化した後、無電
解Niメッキと電解Niメッキ、または、電解メッキに
より、厚い支持層を形成後、マスタ基板より分離して、
先鋭な凹部を多数有する金型モールド基板1を作製す
る。上記の例の場合には、厚さ50μmの支持層を有す
る金型モールド基板1を作製した。
【0024】再び図1に戻り、例えばガラスからなる基
板3上に、熱可塑性のポリイミドシート2を乗せた後、
金型モールド基板1を押し当てる(図1(b)参照)。
この場合、徐々に圧力をかけながら、15℃/minの
速度で330℃まで昇温する。330℃到達後、そのま
ま、30min放置し、14〜20kg/cm2 まで昇
圧する。
【0025】次に、350℃まで昇温し、1時間放置し
た後、そのまま圧力を維持しながら冷却し、ポリイミド
シートを、先鋭な凸型に変形させると同時に、ポリイミ
ドシート2をガラス基板3にラミネート接着した。次に
金型モールド基板1とポリイミドシート層2を引き離す
ことにより、先鋭な凸部2aを有するポリイミドシート
層2を得る。金型モールド基板1はマスター金型モール
ド基板として用いられ、その後、上記、ポリイミドシー
トへの金型による加圧変形により、再現性良く、多数回
に亘り、先鋭な凸状部を有する大面積の樹脂シート層2
を大量に得ることが出来る。
【0026】次に、この樹脂シート層2上に、エミッタ
層4として、例えばモリブデンを、凸部2aを含めて、
スパッタリング法、蒸着法、印刷法、電気めっき法等で
形成し、先鋭で、量産性に富むエミッタ部6を有する電
界放出型冷陰極装置が得られる。この状態を図1(c)
に示す。この際、このエミッタ部6をカソードラインと
して形成してもよいし、上記樹脂シート層2に、例え
ば、Au、Pt、Ag、Cu、Mo、W等の微粒子、超
微粒子を混入させたり、上記樹脂自体に導電性を持たせ
たり、樹脂シート層をカーボナイズさせたりすることに
より、上記樹脂シート層を導電層とした場合には、樹脂
背面にカソードラインを形成してもよい。また、この樹
脂シート導電層を芯材抵抗バラスト層として用いてもよ
い。さらに、この樹脂シート導電層をガラス基板以外の
基板、例えばセラミック基板やガラスエポキシ基板、金
属基板と接合してもよいし、カソードラインを予め、ガ
ラス支持基板上に形成しておいてもよい。また、その場
合には抵抗バラスト効果を高めるため、多数並んだエミ
ッタをエッチングなどにより電気的に分離しておくのが
望ましい。
【0027】このままでも、各種の電子デバイスに用い
ることも出来るが、例えばゲートとエミッタ間の絶縁層
としてSiO2 やSiN、等をCVD法、スパッタリン
グ法、電子ビーム蒸着法、印刷法などで形成し、更に、
ゲート電極層を、例えば、Ni、クロム、タングステン
等を用いて、無電解メッキ、電気メッキ、印刷法、スパ
ッタリング法、蒸着法等により、上記絶縁層に覆われた
凸部領域を含んで、上記絶縁層上に形成し、その後、C
MP法、CDE法、RIE法、ウエットエッチング法等
を用いてゲートを開口し、ゲート付きエミッタとして用
いてもよい。
【0028】以上述べたように本実施の形態によれば、
同一形状で先鋭なエミッタを複数個容易に形成すること
が可能となり、電解放出の均一性が良好で電解放出率も
高く、しかも高集積化も容易でかつ大面積の電解放出型
冷陰極装置を得ることができる。
【0029】(第2の実施の形態)図2(a)乃至図2
(c)は本発明による電界放出型冷陰極装置の製造方法
の第2の実施の形態の製造プロセスを示す工程断面図で
ある。
【0030】まず、ポリイミドシート2にCuまたはN
i等の導電層5を、ホットラミネート法で一体形成し
て、導電層5を片側表面に有する樹脂シートを作製す
る。導電層は、ラミネート法以外に印刷法、蒸着法、メ
ッキ法、スパッタリング法等でも形成してよい。次に、
第1の実施の形態と同様に、先鋭な凸部を有するマスタ
基板(図示せず)をもとに、電気メッキ、例えばNiメ
ッキを用いて、先鋭な凹部を有する金型モールド基板1
を作成した。
【0031】次に、ガラス基板3上に、片側に導電層5
が形成されたポリイミドシート2を乗せた後、金型モー
ルド基板1を押し当てる(図2(b)参照)。この場
合、徐々に圧力をかけながら、18℃/minの速度で
340℃まで昇温する。340℃到達後、そのまま、1
0分間放置し、2〜10kg/cm2 まで昇圧する。つ
ぎに、380℃まで昇温し、20分間放置した後、その
まま圧力を維持しながら冷却し、ポリイミドシート2
を、先鋭な凸部を有する形状に変形させると同時に、片
側に導電層5を有するポリイミドシート2をガラス基板
3にラミネート接着した。次に金型モールド基板1とポ
リイミドシート2を引き離すことにより、先鋭な導電性
凸部、即ちエミッタ部7を含むポリイミドシート2を得
る。金型モールド基板1はマスター金型モールド基板と
して用いられ、その後、上記、ポリイミドシート2への
金型による加圧変形により、再現性良く、多数回に亘
り、先鋭な凸部を有する大面積の樹脂シート層2を大量
に得ることが出来る。この状態を図2(c)に示す。こ
の際、このエミッタ部7をカソードラインとして形成し
てもよいし、上記樹脂シート層に、例えば、Au、P
t、Ag、Cu、Mo、W等の微粒子、超微粒子を混入
させたり、上記樹脂自体に導電性を持たせたり、樹脂シ
ート層をカーボナイズさせたりすることにより、上記樹
脂シート層を導電層とした場合には、樹脂背面、即ちガ
ラス側にカソードラインを形成してもよい。
【0032】また、予め、ガラス基板上に、印刷、メッ
キ等の手段によりカソードラインを形成しておいてもよ
い。また、この樹脂シート導電層を芯材抵抗バラスト層
として用いてもよい。さらに、この樹脂シート導電層を
ガラス基板以外の基板、例えばセラミック基板やガラス
エポキシ基板、金属基板と接合してもよいし、カソード
ラインを予め、ガラス支持基板上に形成しておいてもよ
い。また、その場合には抵抗バラスト効果を高めるた
め、多数並んだエミッタをエッチングなどにより電気的
に分離しておくのが望ましい。
【0033】また、上記実施の形態では、樹脂シート2
の片側に導電層5が形成されていたが、樹脂シート2の
両側に導電層を形成しておき、ガラス基板3側の導電層
をカソードライン層としてもよい。
【0034】このままでも、各種の電子デバイスに用い
ることも出来るが、例えばゲートとエミッタ間の絶縁層
としてSiO2 やSiN、等をCVD法、スパッタリン
グ法、電子ビーム蒸着法、印刷法などで形成し、更に、
ゲート電極層を、例えば、Ni、クロム、タングステン
等を用いて、無電解メッキ、電気メッキ、印刷法、スパ
ッタリング法、蒸着法等により、SiO2 層に覆われた
凸部領域を含んで、SiO2 層上に形成、その後、CM
P法、CDE法、RIE法、ウエットエッチング法等を
用いてゲート開口し、ゲート付きエミッタとして用いて
もよい。
【0035】この第2の実施の形態も第1の形態と同様
の効果を得ることができる。
【0036】(第3の実施の形態)図3(a)乃至図3
(c)は本発明による電界放出型冷陰極装置の製造方法
の第3の実施の形態の製造プロセスを示す工程断面図で
ある。
【0037】本実施の形態においては、上記第1および
第2の実施の形態と基本的に同様に、先鋭な凸部を有す
るマスタ基板(図示せず)をもとに、電気メッキ、例え
ばNiメッキを用いて、先鋭な凹部を有する金型モール
ド基板8を作成するが、上記第1および第2の実施の形
態とは異なり、金型モールド基板8を湾曲した支持基板
9に押し当て湾曲させた。本実施の形態では、湾曲した
支持基板9に押し当てて金型モールド基板8を湾曲させ
たが、金型モールド基板8と支持基板9を別々に湾曲さ
せ、その後接合してもよいし、接合した後、両者同時に
湾曲させてもよい。
【0038】次に、ガラス基板3上に、片側に導電性層
5が形成されたポリイミドシート2を乗せた後、支持材
料基板9に接合させた湾曲した金型モールド基板8を、
ローリングしながら押し当てる(図3(b)参照)。こ
の場合、徐々に圧力をかけながら、60℃/minの速
度で350℃まで昇温する。350℃到達後、そのま
ま、1min放置し、0.2〜0.8kg/cm2 まで
昇圧する。
【0039】次に、390℃まで昇温し、40秒間放置
した後、そのまま圧力を維持しながら冷却し、ポリイミ
ドシート2を、先鋭な凸部2aを有する形状に変形させ
ると同時に、片側に導電層5を有するポリイミドシート
2をガラス基板3にラミネート接着した。次に金型モー
ルド基板8とポリイミドシート2を引き離すことによ
り、フラットなモールド基板を用いた場合に比較して、
先鋭な導電性凸部、即ちエミッタ部7の形状が均一性に
富んだポリイミドシート2を得ることができる。金型モ
ールド基板8はマスター金型モールド基板として用いら
れ、その後、上記、ポリイミドシートへの金型による加
圧変形により、再現性良く、多数回に亘り、先鋭な凸部
を有する大面積の樹脂シート2を大量に得ることが出来
る。この状態を図3(c)に示す。
【0040】なお、本実施の形態では、片側に導電層5
を有する樹脂シート2を用いたが、ガラス基板3上にガ
ラスペースト又はセラミックペーストを塗布し、前記凹
部を有する基板8をガラス基板3上のガラスペーストま
たはセラミックペースト層に押し付け、上記ガラスペー
ストまたはセラミックペースト層を凹部内に注入し、第
1の基板と第2の基板を分離して前記先端部に向かって
収束する形状をなす凸型のガラスペーストまたはセラミ
ックペースト基板層を形成し、その後、上記凸型ガラス
ペーストまたはセラミックペースト層基板上にエミッタ
部7を形成してもよい。
【0041】この場合、例えば、セラミックス又はガラ
ス粉末と溶媒及び有機性添加物のバインダーとの混合物
をガラス基板またはセラミックグリーンシート等の上に
印刷または塗布する。次に、湾曲した金型モールド基板
8をローリングして0.1〜5kg/cm2 程度の加圧
により押し当て、100℃、45分間反応硬化または1
20℃、5時間乾燥固化した後、400℃、3時間脱バ
インダー処理、ガラスの場合で400〜550℃、セラ
ミックグリーンシートの場合で1300〜1800℃の
焼成により、先鋭な凸部を有する第1の基板を形成す
る。その後、この先鋭な凸部を有する第1の基板上に、
エミッタ層5として、例えばモリブデンからなる層を、
上記凸部を含めて、スパッタリング法、蒸着法、印刷
法、電気めっき法等で形成し、先鋭で、量産性に富む電
界放出型冷陰極装置が得られる。この状態を図3(c)
に示す。この際、このエミッタ部7をカソードラインと
して形成してもよいし、上記樹脂シート層2に、例え
ば、Au、Pt、Ag、Cu、Mo、W等の微粒子、超
微粒子を混入させたり、上記樹脂自体に導電性を持たせ
たり、樹脂シート層をカーボナイズさせたりすることに
より、上記樹脂シート2を導電層とした場合には、樹脂
背面にカソードラインを形成してもよい。また、この樹
脂シート導電層を芯材抵抗バラスト層として用いてもよ
い。
【0042】更に、この樹脂シート導電層をガラス基板
以外の基板、例えばセラミック基板やガラスエポキシ基
板、金属基板と接合してもよいし、カソードラインを予
め、ガラス支持基板上に形成しておいてもよい。また、
その場合には抵抗バラスト効果を高めるため、多数並ん
だエミッタをエッチングなどにより電気的に分離してお
くのが望ましい。
【0043】ここで、セラミックスとしては、アルミナ
(Al2 3 )、ジルコニア(ZrO2 )等の酸化物系
セラミックスや、窒化珪素(Si3 4 )、窒化アルミ
ニウム(AlN)、炭化珪素(SiC)等の非酸化物系
セラミックス等、あるいはアパタイト(Ca5 (P
4 3 (F,Cl,OH))等のいずれをも用いるこ
とができ、これらのセラミックス粉体には各種焼結助剤
を所望量添加することができる。
【0044】上記焼結助剤としては、アルミナ粉末には
シリカ(SiO2 2)、カルシア(CaO)、イットリ
ア(Y2 3 )及びマグネシア(MgO)等を、ジルコ
ニア粉末にはイットリア(Y2 3 )やセリウム(C
e)、ジスプロシウム(Dy)、イッテルピウム(Y
b)等の希土類元素の酸化物を、また窒化珪素粉末には
イットリア(Y2 3 )とアルミナ(Al2 3 )等
を、窒化アルミニウム粉末には周期律表第3A族元素の
酸化物等を、炭化珪素粉末にはホウ素(B)とカーボン
(C)等を所望量添加することができる。また、ガラス
粉体としては、ケイ酸塩を主成分とし、鉛(Pb)、硫
黄(S)、セレン(Se)、明礬等の一種以上を含有し
た各種ガラスを用いることができる。これらのセラミッ
クス又はガラスの粉末に添加する有機性添加物として
は、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキ
シ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレ
タン樹脂、エポナイト、ポリシロキ酸シリケート等が挙
げられる。そしてこれらの有機性添加物を反応硬化させ
る手段としては、加熱硬化、紫外線照射硬化、X線照射
硬化等がある。
【0045】なお、作業上、装置上の点からは加熱硬化
が最適であって、とりわけポットライフの点からは不飽
和ポリエステル樹脂が好適である。前記有機性添加物の
含有量は、セラミックス又はガラスの粉体と焼結助剤等
との混合物の流動性及び成形性を維持するためには、粘
性が高くならないようにする必要があり、一方、硬化時
には十分な保形性を有していることが望ましい。このよ
うな点から、有機性添加物の含有量は、セラミックス又
はガラスの粉体100重量部に対して0.5重量部以上
で、かつ硬化による成形体の収縮という点からは35重
量部以下がより望ましく、なかでも焼成時の収縮を考慮
すると、1〜15重量部が最も好適である。
【0046】また、溶媒としては、上記有機性添加物を
相溶するものであれば特に限定するものではなく、例え
ば、トルエン、キシレン、ベンゼン、フタル酸エステル
等の芳香族溶剤や、ヘキサノール、オクタノール、デカ
ノール、オキシアルコール等の高級アルコール類、ある
いは酢酸エステル、グリセライド等のエステル類を用い
ることができる。
【0047】とりわけ、上記フタル酸エステル、オキシ
アルコール等は好適に使用でき、更に、溶媒を穏やかに
揮発させるために、上記溶媒を2種類以上併用すること
も可能である。
【0048】なお、この印刷焼成による方法は、第1お
よび第2の実施の形態に用いてもよい。
【0049】また、上記片側に導電層5を形成した樹脂
シート2でなく、感光性材料、好ましくはAg系感光材
料を含むもの、たとえばAg微粒子とガラス等の無機材
料微粒子を有機溶媒に溶かして乾燥し、シート状にした
ものを用いてもよい。このようにすれば、カソードライ
ン形成、パターニングが容易に行える利点がある。例え
ば、このような感光性シートをポリイミドシートや、ポ
リエステルシートなどの上に一体形成しておき、ガラス
基板上に感光性シートが接触するようにして、1〜2m
/minの速度、80〜100℃でラミネートさせる。
【0050】次に、ポリイミドシートやポリエステルシ
ートを除去した後、支持材料基板9に接合させた湾曲し
た金型モールド基板8を、ローリングしながら上記感光
性シートに押し当てる(図3(b)参照)。感光性シー
トを、先鋭な導電性凸型に変形させ、次に金型モールド
基板8と感光性シート層2を分離する。次に、UV光及
び所望のカソードラインパターンを有するマスクを用い
て露光した後、0.4〜1.0%濃度のNa2 Co3
液などで現像し、所望のカソードラインパターンを得
る。次に、540〜600℃、15〜20分間焼成する
ことにより、先鋭な凸部を持つカソードラインがパター
ニングされた感光性シート層2を得ることがができる。
この状態を図3(c)に示す。金型モールド基板8はマ
スター金型モールド基板として用いられ、その後、上
記、ポリイミドシートへの金型による加圧変形により、
再現性良く、多数回に亘り、大面積の先鋭な凸部を有す
る感光性シート層を大量に得ることが出来る。
【0051】上記樹脂層に、Ag以外の日微粒子、例え
ば、Au、Pt、Cu、Mo、W等の微粒子、超微粒子
を混入させたり、上記樹脂自体に導電性を持たせたり、
樹脂層をカーボナイズさせたりすることにより、上記樹
脂層を導電層とした場合には、樹脂背面にカソードライ
ンを形成してもよい。また、この樹脂導電層を芯材抵抗
バラスト層として用いてもよい。さらに、この樹脂導電
層をガラス基板以外の基板、例えばセラミック基板やガ
ラスエポキシ基板、金属基板と接合してもよいし、カソ
ードラインを予め、ガラス支持基板上に形成しておいて
もよい。また、その場合には抵抗バラスト効果を高める
ため、多数並んだエミッタをエッチングなどにより電気
的に分離しておくのが望ましい。
【0052】また、導電材料として、LaB6、Ti
N、カボーン、ダイヤモンド、BN、フラーレン、カー
ボンナノチューブ、SiCなどの低仕事関数あるいは負
の電子親和力材料やフィラー単体またはこれらの少なく
とも一つをふくむものを用いてもよい。
【0053】この第3の実施の形態も第1の実施の形態
と同様の効果を得ることができる。
【0054】(第4の実施の形態)図4(a)乃至図4
(c)は本発明による電界放出型冷陰極装置の製造方法
の第4の実施の形態の製造プロセスを示す工程断面図で
ある。
【0055】本実施の形態においては、上記第1乃至第
3の実施の形態と基本的に同様に、先鋭な凸部を有する
マスタ基板を基に、電気メッキ、例えばNiメッキを用
いて、先鋭な凹部を有する金型モールド基板10を作成
するが、上記第1乃至第3の実施の形態とは異なり、金
型モールド基板10を円筒状支持基板10′に押し当て
ロール状にした構成となっている。本実施の形態では、
円筒状支持基板10′に押当て金型モールド基板10を
湾曲させたが、金型モールド基板と支持基板を別々にロ
ール状にさせ、その後接合してもよいし、接合した後、
両者同時にロール状にしてもよい。
【0056】次に、ガラス基板3上に、片側に導電性金
属層5が形成されたポリイミドシート2を乗せた後、円
筒上支持基板10′に接合させたロール状金型モールド
基板10を、連続ローリングしながら押し当てる(図4
(b)参照)。この場合、赤外線加熱や加熱炉、また
は、ヒーターの上にガラス基板3を載せ、シート2の温
度を380℃まで昇温しておき、0.2〜20kg/c
2 の圧力で押し当て、次に金型モールド基板10とポ
リイミドシート2を引き離しながら冷却し、ポリイミド
シート2を、先鋭な凸部を有する形状に変形させると同
時に、片側に導電層5を有するポリイミドシート2をガ
ラス基板3にラミネート接着した。その結果、フラット
なモールド基板を用いた場合に比較して、連続して大面
積の形状均一性に富んだ先鋭な導電性凸部、即ちエミッ
タ部11を有するポリイミドシート層2を得ることがで
きる。
【0057】また、ロール状にすることにより、大面積
の電界放出型冷陰極を得たい場合でも、小さな面積の凹
型金型モールド基板を作製すれば良いという大きな利点
を有する。金型モールド基板10はマスター金型モール
ド基板として用いられ、その後、上記、ポリイミドシー
ト2への金型による加圧変形により、再現性良く、多数
回に亘り、先鋭な凸部を有する大面積の樹脂シート2を
大量に得ることが出来る。この状態を図4(c)に示
す。
【0058】この実施の形態も第1の実施の形態と同様
の効果を得ることができる。
【0059】また、上記実施の形態ではガラスからなる
支持基板3を1個しか図示しなかったが、複数個の支持
基板3を並べて連続供給して大量に、大面積の電界放出
型冷陰極装置を作製してもよい。複数個の支持基板3を
並べた際、その間にクッション材料または、クリーニン
グ材料を挟み、ガラス端面の破損を防止すると同時に、
常に、凹型金型モールド基板をクリーニングしながら電
界放出型冷陰極装置を連続形成しても良い。
【0060】また、上記実施の形態では、ロール状金型
モールド基板をポリイミドシート2に加圧して、大面積
の電界放出型冷陰極装置を得たが、ロール状金型モール
ド基板を用いて、連続してロールメッキを凹型金型モー
ルド基板にメッキ層を形成して、凸型導電メッキシート
を得て、そのまま、あるいはこれをガラス基板などに接
着する等して、大面積の電界放出型冷陰極装置を得ても
良い。
【0061】(第5の実施の形態)図5(a)乃至図5
(b)は本発明による電界放出型冷陰極装置の製造方法
の第5の実施の形態の製造プロセスを示す工程断面図で
ある。
【0062】まず、上記第1乃至第4の実施の形態で試
作した先鋭な凸型電界放出型冷陰極装置や回転蒸着法な
ど他の製造方法により作製した先鋭な凸型電界放出型冷
陰極装置の表面に絶縁層膜12、好ましくはLPD法、
蒸着法、スパッタリング法、熱酸化法等によるSiO2
膜12を形成する。
【0063】次に、片側にゲート層となる導電層14を
有する熱可塑性樹脂、または、紫外線硬化樹脂、また
は、熱硬化性樹脂の少なくともいずれか一つを用いた樹
脂絶縁シート13を用意する(図5(a)参照)。そし
て、このシート層13を上記先鋭な凸部形状のエミッタ
部に押し当てて、凸部エミッタ部の先端を樹脂絶縁シー
ト層13上に突き破って露出させることにより、マスク
露光、位置合わせ等の必要もなく簡単にゲート付きの電
界放出型冷陰極装置を得ることが出来る(図5(b)参
照)。
【0064】なお、本実施の形態では、片側に導電層1
4を有する樹脂絶縁シート13を用いたが、必ずしも、
導電層を有する必要はなく、絶縁層シートを突き破って
エミッタ部の先端を露出させた後、ゲート層を形成して
もよい。また、突き破ってエミッタ部の先端を露出させ
る際、ゲート層とエミッタ部の先端が接触しなければ、
エミッタ表面に予めSiO2 層12を被覆しなくてもよ
い。
【0065】このような電界放出型冷陰極装置は、量産
が可能で、安価に出来ると同時に、電界放出効率及びそ
の均一性が大幅に向上し、大面積で大型の電子デバイ
ス、例えば、大型平板デバイスプレイに適したものとな
る。
【0066】次に本発明による電界放出型冷陰極装置の
製造方法の第6の実施の形態の製造工程を図6乃至図8
を参照して説明する。
【0067】転写モールド法によりシリコン基板全面に
高さ約3μmのピラミッド型四面体(基底部4μm角)
形状を有する凸型22aが並んだ基板221 ,222
形成する。これらのシリコン凸型基板221 ,222
複数枚、エポキシ系の熱硬化性接着剤にてガラス基板2
1上に貼りあわせ、第一の基板20を形成する(図6
(a)参照)。
【0068】次に、第一の基板20をNiメッキ浴に浸
漬し、第一の基板20の凸型パターンを反転した凹型パ
ターンを有する厚さ3μmのNi原盤層31を形成する
(図6(b)参照)。さらにその上に厚み10μmのエ
ポキシ系樹脂層32を形成し、100℃で30分アニー
ルして、エポキシ樹脂を半硬化の状態にし、Ni原盤3
1をエポキシ樹脂32からなる第二の基板30を形成す
る(図6(b)参照)。このエポキシ樹脂層32に、予
め150℃に熱した金属性のロール25を接触させ、エ
ポキシ樹脂層32を硬化させて金属ロール25の表面に
接着した後、ロール25を巻き取りながら、第二の基板
30を第一の基板20と剥離し、第二の基板30をロー
ル25に巻き取る(図6(c)参照)。
【0069】次に第二の基板30を巻き取ったロール2
5を、メッキ浴50に浸漬してNi製版層34を形成
し、半硬化の樹脂からなる裏打ち層8と貼りあわせて、
Ni製版層34と裏打ち層35からなる第三の基板39
を形成し、予め加熱した第二のロール38で裏打ち層3
5を硬化させてNi製版膜34と接着した後、第三の基
板39を第二の基板30、即ち、Ni原盤層31とNi
製版層34との界面で剥離させ、第三の基板39を第二
のロール38に巻き取る(図7参照)。
【0070】このようにして形成された第二の基板30
の構成の断面図を図8(a)に示す。
【0071】このロール25に巻き取られた第二の基板
30には、樹脂層32とNi原盤層31が形成され、メ
ッキ浴の浸漬工程を経てその上にNi製版層34が形成
された構成となっている(図8(a)参照)。次に、図
8(b)に示すように予め厚さ50μmのポリプロピレ
ンフィルム41上に絶縁樹脂パターン42と、銀ペース
トを主成分とした導電性ペーストのパターン43を印刷
し、150℃で2時間焼成し、裏打ち層44を形成す
る。焼成後の裏打ち層44の厚みは10μmであった。
さらにこの裏打ち層44の絶縁層パターン42上に絶縁
層パターン45が重なる様なパターンがカーボンペース
トを主成分とする抵抗層パターン46を印刷し、100
℃で30分仮焼成して、半硬化状態の裏打ち層47を形
成する。仮焼成後の裏打ち層47の厚みは5μmであっ
た。下地フィルム41に形成された裏打ち層44,47
の積層体からなる裏打ち部48を、予め150℃に加熱
した第二のロール38で第一のロール25上の第二の基
板30に接触させ、裏打ち層47を本硬化させて第三の
基板39と接着した後(図8(b)参照)、Ni原盤層
31とNi製版層34との界面で剥離させ、Ni製版層
34と、裏打ち部48、下地層41とを有する電界放出
型冷陰極装置40を得た(図8(c)参照)。
【0072】本実施の形態では、第一の基板20として
転写モールド法で凸型パターンを形成したシリコン基板
を第一の基板として使用したが、例えばシリコンウェハ
ーを異方性エッチングして得られた逆ピラミッド型の凹
型パターンを有する基板にNiメッキを行い、剥離した
後の凸型パターンを第一の基板として用いても良い。ま
た、メッキ金属としてNiを使用したが、Cu、Au、
Co、等のメッキ金属でも同様の効果が得られる。
【0073】次に本発明による電界放出型冷陰極装置の
第7の実施の形態の製造工程を図9乃至図11を参照し
て説明する。図9は第7の実施の形態の全体の製造工程
を示す模式図であり、図10乃至図11は上記製造工程
の一部を示した工程断面図である。
【0074】第6の実施の形態の途中まで同様の製法に
より、微細な凸型パターンを形成したSi基板から、反
転させた凹型パターンのアレイを有したメッキ原盤31
を用いる(図示せず)。メッキ原盤31には樹脂層32
が形成されており、予めロール58に巻き取っておく
(図9参照)。メッキ原盤31を他のロールで巻き取り
ながら、メッキ原盤31上にディスペンサ60で所望の
領域にレジスト層70を塗布し、赤外線炉62を通して
ベークする(図9、10(a)参照)。次にメッキ浴6
4に浸漬して、Ni原盤31上にNiメッキ34を析出
させ(図9、10(b)参照)、レジスト剥離装置66
を通してレジスト層70とその上のメッキ層を除去し、
所望のパターンを有したメッキ製版34aを形成する
(図9、10(c)参照)。このメッキ製版34aに裏
打ち部48を張り合わせた。裏打ち部48は、第6の実
施の形態と同様にパターニングされた抵抗層47と、導
電層44と、下地基板41とからなる。メッキ原盤31
とメッキ製版34の界面で剥離させながら、メッキ原盤
31側のシートとメッキ製版34側のシート68をそれ
ぞれのロール70,72に巻き取ることにより、メッキ
原盤31の微細な凹型パターンアレイを反転させた凸型
パターンアレイの電界放出型冷陰極装置40を得た(図
11参照)。
【0075】第6および第7の実施の形態によって得ら
れる電界放出型冷陰極装置も、電界放出の均一性が良好
で、電界放出効率も高く、さらに高集積化も容易であ
る。
【0076】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、電界
放出の均一性が良好で、電界放出効率も高く、しかも、
高集積化も容易である大面積の電界放出型冷陰極装置を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の製造工程断面図。
【図2】本発明の第2の実施の形態の製造工程断面図。
【図3】本発明の第3の実施の形態の製造工程断面図。
【図4】本発明の第4の実施の形態の製造工程断面図。
【図5】本発明の第5の実施の形態の製造工程断面図。
【図6】本発明の第6の実施の形態の製造工程断面図。
【図7】本発明の第6の実施の形態の製造工程断面図。
【図8】本発明の第6の実施の形態の製造工程断面図。
【図9】本発明の第7の実施の形態の製造工程断面図。
【図10】本発明の第7の実施の形態の製造工程断面
図。
【図11】第7の実施の形態によって得られる電界放出
型冷陰極部の構成を示す断面図。
【図12】従来の製造工程断面図。
【符号の説明】
1 基板 2 ポリイミドシート(樹脂シート) 2a 凸部 3 ガラス基板 4 エミッタ層 5,14 導電層 6,7 エミッタ部 8,10 金型モールド基板 9 支持基板 10′ 円筒状支持基板 12 絶縁膜 13 樹脂絶縁シート

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の基板の表面に先鋭な凹部を形成する
    工程と、 第2の基板上に熱可塑性樹脂、紫外線硬化樹脂、および
    熱硬化性樹脂のうちの少なくとも1つの樹脂を用いた樹
    脂シート層を形成する工程と、 前記第1の基板を前記樹脂シート層が形成された第2の
    基板に当てて前記第1の基板の前記凹部内に前記樹脂シ
    ート層の樹脂を入り込ませ、表面に先鋭な凸形状を有す
    るように前記樹脂シート層を変形する工程と、 前記第1の基板を前記樹脂シート層から引離した後、前
    記樹脂シート層の表面にエミッタ部となる導電層を形成
    する工程と、 を備えたことを特徴とする電界放出型冷陰極装置の製造
    方法。
  2. 【請求項2】第1の基板の表面に先鋭な凹部を形成する
    工程と、 熱可塑性樹脂、紫外線硬化樹脂、および熱硬化性樹脂の
    うちの少なくとも1つの樹脂を用いた樹脂層と、この樹
    脂層の少なくとも一方の面に形成された導電層とを有す
    る樹脂シート層を第2の基板上に形成する工程と、 前記第1の基板を前記樹脂シート層が形成された第2の
    基板に当てて、前記第1の基板の前記凹部内に前記樹脂
    シート層の導電層および樹脂シート層を入り込ませ、表
    面に先鋭な凸形状のエミッタ部を有するように前記樹脂
    シート層を変形させる工程と、 前記第1の基板を前記樹脂シート層から引離す工程と、 を備えたことを特徴とする電界放出型冷陰極装置の製造
    方法。
  3. 【請求項3】前記樹脂シート層はラミネート成形されて
    いることを特徴とする請求項2記載の電界放出型冷陰極
    装置の製造方法。
  4. 【請求項4】前記第1の基板は湾曲していることを特徴
    とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電界放出型冷
    陰極装置の製造方法。
  5. 【請求項5】前記第1の基板は円筒状であることを特徴
    とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電界放出型冷
    陰極装置の製造方法。
  6. 【請求項6】前記樹脂シート層に絶縁膜を形成する工程
    と、 片側の表面にゲート層となる導電層を有する樹脂絶縁シ
    ートを前記樹脂シート層の前記エミッタ部に押し当てて
    前記樹脂絶縁シートを突き破って前記凸形状のエミッタ
    部を露出させる工程と、 を備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに
    記載の電界放出型冷陰極装置の製造方法。
  7. 【請求項7】基板上に形成された、各々が先鋭な凸形状
    の導電体からなる複数のエミッタと、 各エミッタの先端が露出するように前記基板上に形成さ
    れた絶縁層と、 前記エミッタ間の前記絶縁膜上に形成された導電体から
    なるゲート層と、 を備えたことを特徴とする電界放出型冷陰極装置。
  8. 【請求項8】前記エミッタの露出している先端部は絶縁
    膜によって覆われていることを特徴とする請求項7記載
    の電界放出型冷陰極装置。
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