JP2000285404A - 記録装置の書き込み補償回路 - Google Patents

記録装置の書き込み補償回路

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JP2000285404A
JP2000285404A JP9413399A JP9413399A JP2000285404A JP 2000285404 A JP2000285404 A JP 2000285404A JP 9413399 A JP9413399 A JP 9413399A JP 9413399 A JP9413399 A JP 9413399A JP 2000285404 A JP2000285404 A JP 2000285404A
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博幸 中平
Akira Yamamoto
山本  明
Hiroki Mori
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 遅延発生手段の他に温度補償、位相補償を実
現する回路部を別途必要とせず、VCOを用いた書き込
み補償回路に比べて回路規模の小さい書き込み補償回路
を提供すること。 【解決手段】 本発明の書き込み補償回路は、記録装置
の書き込み補償回路であって、第1の駆動電圧VDDに
より駆動され、入力されたクロック信号52を第1の遅
延時間だけ遅延させて出力する第1の遅延部8と、クロ
ック信号52に基づいて、第1の遅延時間がクロック信
号52の周期と等しくなるように第1の遅延部8に第1
の駆動電圧を供給する電圧供給部11とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録装置の書き込
み補償回路に関する。
【0002】
【従来の技術】記録装置に記録されたデータを再生する
と、再生波形のピークシフトが生じる。このピークシフ
トを補償する方法の1つとして、ピークシフトが問題と
なる特定のビット配列のデータを記録する時に予め特定
されたビットを表す信号の位相を調整する書き込み補償
方法が知られている。
【0003】書き込み補償方法を実現する書き込み補償
回路部の遅延発生手段は、複数のバッファを有する遅延
回路を複数個備えている。遅延発生手段は、入力データ
の特定パターンによって、それぞれの遅延回路が駆動す
るバッファの数を制御して複数の遅延信号を発生させ
る。書き込み補償回路部は、セレクタによって複数の遅
延信号から1つの信号を選択して書き込みクロックを生
成し、前記書き込みクロックにより書き込みデータを生
成する。
【0004】書き込み補償回路部の遅延発生手段に用い
られる技術としては、"A 300Mb/s BiCMOS EPR4 Read Ch
annel for Magnetic Hard Disks" pp.378,379 Proc. of
IEEE 1998 ISSCCに記載されているようなVCOを用い
た技術がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記VCOを用いた技
術によれば、書き込み補償量を発生させる遅延回路にお
けるクロックの遅延量を一定に保たせることができる。
これにより、電源電圧変化や、温度変化などによって生
じる回路のばらつきから遅延量の安定性が失われてしま
うことを防ぐことが可能である。しかし、前記VCOを
用いた技術を遅延発生手段に適用した場合には、温度補
償、位相補償を実現するための回路部が別途必要にな
る。
【0006】本発明は、以下の(1)、(2)を目的と
する。
【0007】(1)複数のバッファを持つ遅延回路に対
して、全体の遅延を常にクロック周期と同じになるよう
に設定することにより、1つあたりのバッファの遅延と
クロック周期との間に相対的な関係を持たせること。
【0008】(2)遅延発生手段の他に温度補償、位相
補償を実現する回路部を別途必要とせず、VCOを用い
た書き込み補償回路に比べて回路規模の小さい書き込み
補償回路を提供すること。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の書き込み補償回
路は、記録装置の書き込み補償回路であって、第1の駆
動電圧により駆動され、入力されたクロック信号を第1
の遅延時間だけ遅延させて出力する第1の遅延部と、前
記クロック信号に基づいて、前記第1の遅延時間が前記
クロック信号の周期と等しくなるように前記第1の遅延
部に前記第1の駆動電圧を供給する電圧供給部とを備え
ており、これにより上記目的が達成される。
【0010】前記電圧供給部は、第2の駆動電圧により
駆動され、入力された前記クロック信号を第2の遅延時
間だけ遅延させて出力する、前記第1の遅延部と同一の
構成を有する第2の遅延部と、前記第2の遅延時間が所
定の範囲内にあるか否かを判定する判定部と、前記判定
部の判定結果に応じて、前記第1の遅延部に供給する前
記第1の駆動電圧と、前記第2の遅延部に供給する前記
第2の駆動電圧とをそれぞれ選択する電圧選択部とを含
んでもよい。
【0011】以下に作用を説明する。
【0012】本発明の書き込み補償回路においては、第
1の遅延時間がクロック信号の周期と等しくなるように
電圧供給部が第1の遅延部に第1の駆動電圧を供給する
ことにより、第1の遅延部におけるクロック信号の遅延
を常にクロック周期と同じになるように設定することが
できる。
【0013】また、第2の遅延部における第2の遅延時
間が所定の範囲内にあるか否かの判定結果に応じて、電
圧選択部が前記第1の遅延部に供給する第1の駆動電圧
を選択することにより、第1の遅延部におけるクロック
信号の遅延をクロック周期と等しく保つために、第1の
遅延部に供給する第1の駆動電圧を適時調整することが
可能である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態について説明する。
【0015】図1は、磁気記録再生装置100の全体を
原理的に示すブロック図である。磁気記録再生装置10
0は、ハードディスクコントローラ(以下「HDC」と
する。)1と、磁気ディスク4と、プリコーダ/変調回
路部2、書き込み補償部3、再生部5を含むリードチャ
ネル部200とを備えている。
【0016】HDC1は、磁気ディスク4の動作を制御
する。磁気ディスク4は、磁気によりデータを記録する
記録媒体である。プリコーダ/変調回路部2、書き込み
補償部3及び再生部5は、HDC1と磁気ディスク4と
の間に設けられている。
【0017】プリコーダ/変調回路部2は、HDC1よ
り信号線101を介してユーザデータを受けて、そのユ
ーザデータにプリコード及びデータ変調を施す。書き込
み補償部3は、プリコーダ/変調回路部2より出力され
た変調データを信号線102を介して入力とし、プリコ
ーダ/変調回路部2より出力されたセレクト信号を信号
線109を介して入力とする。書き込み補償部3には信
号線106を介してクロック信号52も入力されてお
り、クロック信号52とセレクト信号とに基づいて、変
調データから書き込みデータを生成する。書き込み補償
部3によって生成された書き込みデータは、信号線10
3を介して磁気ディスク4に書き込まれる。HDC1か
らのユーザデータがプリコーダ/変調回路部2、書き込
み補償部3を介して磁気ディスク4に書き込まれる上記
の信号系を書き込み系という。
【0018】再生部5は、磁気ディスク4より読み出さ
れた読み出しデータを信号線104を介して入力とす
る。HDC1は、前記再生部5より出力された信号を信
号線105を介して入力とする。磁気ディスク4より読
み出された読み出しデータが再生部5を介してHDC1
に読み出される上記の信号系を読み出し系という。
【0019】図2は、図1の磁気記録再生装置が備えて
いる書き込み補償部3の構成を示す。図2に示すよう
に、書き込み補償部3は、プレシフトクロック生成部7
と、フリップフロップ8とを備えている。図2におい
て、書き込み補償部3には図1中のプリコーダ/変調回
路部2より出力された変調データ51と、セレクト信号
53と、システムを動作させるためのクロック信号52
とが入力され、書き込みデータ54が出力される。上述
したように、変調データ51は信号線102を介して入
力され、セレクト信号53は信号線109を介して入力
され、クロック信号52は信号線106を介して入力さ
れる。プレシフトクロック生成部7は、入力されたセレ
クト信号53とクロック信号52とに基づいて、プレシ
フトクロックを生成し出力する。フリップフロップ8
は、信号線108を介して入力されたプレシフトクロッ
クによって変調データ51をラッチし、書き込みデータ
54を出力する。
【0020】図3は、図2に示す書き込み補償部3が備
えているプレシフトクロック生成部7の構成を示す。図
3に示すように、プレシフトクロック生成部7はプレシ
フトクロック決定部(第1の遅延部)8と、適応電源電
圧生成部(電圧供給部)11とを備えている。図3にお
いて、プレシフトクロック生成部7にはクロック信号5
2と、パターン62,63,64とが入力され、書き込
みクロック55が出力される。クロック信号52は信号
線106を介して入力され、パターン62,63,64
はそれぞれ信号線114,115,116を介して入力
される。ここで、パターン62,63,64はそれぞれ
一定のパターンであり、磁気記録再生装置100が備え
ているパターン生成部(不図示)において生成される。
【0021】適応電源電圧生成部11は、遅延回路部
(後述する)の全体の遅延信号をクロック信号52の周
期と同じにする、駆動電圧VDDを発生させる。プレシ
フトクロック決定部8は、入力されたクロック信号52
と、パターン62,63,64と、駆動電圧VDDと、
セレクト信号53とに基づいて、書き込みクロック55
を生成する。
【0022】図4Aは、図3に示すプレシフトクロック
生成部7が備えているプレシフトクロック決定部8の構
成例を示す。図4Aに示すプレシフトクロック決定部8
は、遅延回路12と、セレクタ15とを備えている。
【0023】遅延回路12は、信号線106を介して入
力されたクロック信号52を、セレクタ15からの入力
パターンに応じた遅延量だけ遅延させて、書き込みクロ
ック55として出力する。遅延回路12は、図3の適応
電源電圧生成部11により生成された駆動電圧VDDに
よって駆動されるため、駆動電圧VDDが大きいほど遅
延量は小さくなり、駆動電圧VDDが小さいほど遅延量
は大きくなる。
【0024】セレクタ15は、それぞれ信号線114,
115、116を介して入力されたパターン62,6
3,64から、1つのパターンを選択して遅延回路12
に出力する。セレクタ15から遅延回路12へのパター
ンの入力は信号線117を介して行われる。また、セレ
クタ15におけるパターンの選択は、信号線109を介
して入力されるセレクト信号53により行われる。
【0025】図4Bは、図3に示すプレシフトクロック
生成部7が備えているプレシフトクロック決定部8の別
の構成例を示す。図4Bに示すプレシフトクロック決定
部8は、遅延回路12,13,14と、セレクタ15と
を備えている。
【0026】図4Bに示す場合には、図4Aに示す場合
と異なり、各遅延回路12,13,14は概ね一定の遅
延量を有する。すなわち、各遅延回路12,13,14
にはそれぞれ一定のパターン62,63,64が入力さ
れているため、各遅延回路12,13,14における遅
延量は概ね一定となる。但し、各遅延回路12,13,
14は図4Aにおける遅延回路12と同様に駆動電圧V
DDによって駆動されるため、駆動電圧VDDの大小に
よって遅延量は変化する。
【0027】プレシフトクロック決定部8に入力された
クロック信号52は、遅延回路12,13,14によっ
てそれぞれ所定の遅延量だけ遅延され、信号線111,
112,113を介してセレクタ15に入力される。セ
レクタ15には、遅延されたクロック信号の他に、遅延
されていないクロック信号52も入力される。セレクタ
15は、信号線109を介して入力されるセレクト信号
53に応じて、遅延された3つのクロック信号とクロッ
ク信号52のうちから1つのクロックを選択し、信号線
108を介して書き込みクロック55として出力する。
【0028】図5は、図4A及び図4Bに示す遅延回路
12の回路構成例を示す。なお、遅延回路13,14の
構成は遅延回路12の構成と同じである。
【0029】ここで、図4A及び図4Bにおける遅延回
路12,13,14の入力側の信号線106は図5にお
ける12−iに対応している。また、図4Aにおける遅
延回路12の出力側の信号線108及び図4Bにおける
遅延回路12,13,14の出力側の信号線111,1
12,113は、図5における信号線12−oに対応し
ている。また、図4Aにおいて遅延回路12に信号パタ
ーンを得るための信号線117、及び図4Bにおいて遅
延回路12,13,14に信号パターン62,63,6
4を得るための信号線114,115,116は、図5
における信号線12−pに対応している。
【0030】図5の遅延回路12は、m個のバッファ回
路12b−1〜12b−mと、m個のスイッチ回路12
s−1〜12s−mとを備えている。
【0031】図5の遅延回路12における信号の遅延量
の決定は、スイッチ回路12s−1〜12s−mのうち
いずれか1つだけがオン状態となり、他のすべてがオフ
状態となることにより行われる。スイッチ回路12s−
1〜12s−mのうちいずれか1つがオン状態となる
と、12−iから入力された信号が、オン状態になった
スイッチ回路に対応するバッファ回路12b−1〜12
b−mまでによって遅延されて、12−oから出力され
る。例えば、スイッチ回路12s−3がオン状態になっ
た場合、12−iから入力された信号は、バッファ回路
12b−1〜12b−3によって遅延されて、12−o
から出力される。
【0032】スイッチ回路12s−1〜12s−mのオ
ン/オフは、信号線12−pを介して入力されるパター
ンによって制御される。よって、図4A及び図4Bの遅
延回路12,13,14における遅延量は、入力パター
ン62,63,64によって制御される。
【0033】遅延回路12は駆動電圧VDDによって駆
動されるため、上述したように、駆動電圧VDDが大き
いとき遅延回路12の動作は速くなって遅延量は比較的
小さくなる。また、駆動電圧VDDが小さいとき遅延回
路12の動作は遅くなって遅延量は比較的大きくなる。
【0034】図6は、図3に示すプレシフトクロック生
成部7が備えている適応電源電圧生成部11を示す。適
応電源電圧生成部11は、電圧選択回路(電圧選択部)
16と、遅延量判定回路(判定部)17と、入力パルス
信号生成部18と、遅延回路部(第2の遅延部)19
と、OR回路40とを備えている。
【0035】入力パルス信号生成部18は、入力された
クロック信号52から、目標遅延量を表すパルス幅を有
する入力パルス信号P1と、駆動電圧VDD’の更新の
ためのパルス信号P5と、駆動電圧VDDの更新のため
のパルス信号P6とを生成する。遅延回路部19は、入
力パルス信号P1を遅延させることによって得られるパ
ルス信号を出力パルス信号P2として出力する。遅延量
判定回路17は、入力パルス信号P1に対する出力パル
ス信号P2の遅延量が目標遅延量より大きいか否かを判
定し、判定結果を示す判定信号P3と、P3を反転させ
たパルス信号P4とを出力する。OR回路40は、遅延
量判定回路17より出力されるパルス信号P4と、パル
ス信号P6との論理和を演算し、パルス信号P7を出力
する。
【0036】電圧選択回路16は、信号線123,12
5,127のそれぞれを介して得られる判定信号P3、
パルス信号P5,P7を入力として、目標の駆動電圧V
DD’と、駆動電圧VDDとを出力する。上述したよう
に、駆動電圧VDDは、図4A及び図4Bの遅延回路1
2,13,14を駆動するための電圧である。また、駆
動電圧VDD’は、遅延回路部19を駆動するための電
圧である。電圧選択回路16は、判定信号P3とパルス
信号P5とに応じて、予め用意された複数の異なる電圧
のうち1つを選択し、その選択された電圧を駆動電圧V
DD’として出力する。また、電圧選択回路16は、判
定信号P3とパルス信号P7とに応じて、予め用意され
た複数の異なる電圧のうち1つを選択し、その選択され
た電圧を駆動電圧VDDとして出力する。
【0037】判定信号P3は、前記の複数の電圧のう
ち、より高い電圧を出力すべきか、より低い電圧を出力
すべきかを指示するために使用される。具体的には、判
定信号P3がローレベルにあることはその複数の電圧の
うち、より低い電圧を出力することを意味し、ハイレベ
ルにあることはその複数の電圧のうち、より高い電圧を
出力することを意味する。
【0038】遅延回路部19は、図3及び図4Aにおけ
る遅延回路12,13,14と同様の構成を有する。遅
延回路12,13,14と異なり、遅延回路部19にお
いては、信号の遅延量は常に最大の遅延量をとるように
設定されている。例えば、遅延回路部19が図5に示す
ような構成を有する場合、常にスイッチ12s−mのみ
がオンの状態になっている。
【0039】図7は、クロック信号52と、パルス信号
P1〜P7との関係を示すタイミングチャートである。
【0040】パルス信号P1,P5,P6は、入力パル
ス信号生成部18において、図7に示される関係となる
ように生成される。図7に示すように、パルス信号P1
は、目標遅延量であるクロック周期Tを表すパルス幅を
有する信号である。パルス信号P5は、パルス信号P1
の位相と異なった位相を有する信号である。パルス信号
P5は、駆動電圧VDD’が更新されるタイミングを制
御するために用いられる。一方、パルス信号P6は、P
5と同様にパルス信号P1の位相とは異なった位相を有
し、パルス信号P5より1サイクル遅れた信号である。
パルス信号P6は、駆動電圧VDDが更新されるタイミ
ングを制御するために用いられる。パルス信号P6は、
パルス信号P5より1サイクル遅れていることにより、
回路の誤動作を防ぐ。
【0041】上述したように、パルス信号P2は、遅延
回路部19において生成される、パルス信号P1を遅延
させた信号である。また、判定信号P3は、遅延回路部
19における遅延量が目標の遅延量より大きいか否かを
示す信号である。図7において、パルス信号P2の波形
に2か所丸印が付いているが、左側の丸印の時点におい
ては、パルス信号P1に対するパルス信号P2の遅延量
が目標遅延量よりも大きいため、判定信号P3はハイレ
ベルに変化する。また、右側の丸印の時点においては、
パルス信号P1に対するパルス信号P2の遅延量が目標
遅延量よりも小さいため、判定信号P3はローレベルに
変化する。上述したように、パルス信号P4は判定信号
P3の否定の信号であるため、図7に示すようにパルス
信号P4の波形は判定信号P3の反転した波形となる。
【0042】パルス信号P7は、パルス信号P4とパル
ス信号P6との論理和により得られる信号である。図7
に示すように、パルス信号P7は、判定信号P4がロー
レベルである期間においてのみ、パルス信号P6に従っ
て出力される。上述したように、パルス信号P4がロー
レベルである期間(判定信号P3がハイレベルである期
間)は、駆動電圧VDD’が上昇する期間に相当する。
駆動電圧VDDが更新されるタイミングの制御は、実際
にはパルス信号P6を元に生成されたパルス信号P7に
より行われる。そのため、駆動電圧VDDの更新は、駆
動電圧VDD’が上昇する期間に行われる。
【0043】図8は、図6に示す適応電源電圧生成部1
1が備えている電圧選択回路16の構成を示す。電圧選
択回路16は、抵抗30と、スイッチ回路31,33
と、双方向制御シフト回路32とを備えている。
【0044】双方向制御シフト回路32は、Dフリップ
フロップ32f−1〜32f−9と、2入力1出力のマ
ルチプレクサ32m−1〜32m−5と、OR回路32
o−1,32o−2とを備えている。
【0045】Dフリップフロップ32f−1〜32f−
5のそれぞれには、信号線125を介して得られるパル
ス信号P5の立ち上がりエッジに同期して、前段又は後
段のDフリップフロップからデータが入力される。マル
チプレクサ32m−1〜32m−5のそれぞれは、判定
信号P3のレベルに応じて、対応するDフリップフロッ
プに格納すべきデータを選択する。OR回路32o−1
は、制御信号S4とS5との論理和を出力する。OR回
路32o−2は、制御信号S1とS2との論理和を出力
する。
【0046】Dフリップフロップ32f−1〜32f−
5のうちいずれか1つには「1」の値を有するデータが
保持され、残りのDフリップフロップには「0」の値を
有するデータが保持される。判定信号P3がローレベル
のとき(パルス信号P2の遅延量が目標遅延量よりも小
さいとき)、「1」の値を保持するDフリップフロップ
は1つ前段(図8の下方)のDフリップフロップとな
る。判定信号P3がハイレベルのとき(パルス信号P2
の遅延量が目標遅延量よりも大きいとき)、「1」の値
を保持するDフリップフロップは1つ後段(図8の上
方)のDフリップフロップとなる。Dフリップフロップ
32f−1〜32f−5が保持する値は、制御信号S1
〜S5としてDフリップフロップ32f−6〜32f−
9とスイッチ回路31とに入力される。
【0047】一方、Dフリップフロップ32f−6〜3
2f−9のそれぞれには、信号線127を介して得られ
るパルス信号P7の立ち上がりエッジに同期して、Dフ
リップフロップ32f−1〜32f−4が保持するデー
タがそれぞれ入力される。Dフリップフロップ32f−
6〜32f−9のうちいずれか1つには「1」の値を有
するデータが保持され、残りのDフリップフロップには
「0」の値を有するデータが保持される。Dフリップフ
ロップ32f−6〜32f−9が保持する値は、制御信
号S6〜S9としてスイッチ回路33に入力される。
【0048】上記構成により、双方向制御シフト回路3
2は、判定信号P3のレベルに応じて、制御信号S1〜
S5のうちいずれか1つをハイレベルにし、残りの制御
信号をローレベルに保つように機能する。また、双方向
制御シフト回路32は、制御信号S6〜S9のうちいず
れか1つをハイレベルにし、残りの制御信号をローレベ
ルに保つように機能する。
【0049】図8において、抵抗30の一端は電源電圧
VCCに接続され、抵抗30の他端はグランド電圧に接
続されている。抵抗分割法に従って、抵抗30の点R1
〜R5における電圧が電圧V1〜V5としてスイッチ回
路31に供給される。また、点R1〜R4における電圧
V1〜V4はスイッチ回路33にも供給される。ここ
で、V1>V2>V3>V4>V5である。
【0050】スイッチ回路31は、複数のスイッチ素子
31−1〜31−5を備えている。スイッチ素子31−
1〜31−5のそれぞれ一端には、対応する電圧V1〜
V5が供給されている。制御信号S1〜S5は、スイッ
チ素子31−1〜31−5のオン/オフをそれぞれ制御
するため使用されている。ハイレベルである制御信号に
対応するスイッチ素子のみがオンとなり、そのスイッチ
素子に対応する電圧が駆動電圧VDD’として選択的に
出力される。例えば、制御信号S3がハイレベルであっ
て他の制御信号がローレベルである場合には、スイッチ
素子31−3のみがオンになって電圧V3が駆動電圧V
DD’として出力される。
【0051】ここで、電圧選択回路16は、出力される
駆動電圧VDD’の範囲を所定の範囲に制限する機能を
有していることが望ましい。駆動電圧VDD’の範囲の
制限は、例えば、双方向制御シフト回路32に含まれる
Dフリップフロップおよびセレクタの段数を制限するこ
とにより達成される。
【0052】一方、スイッチ回路33は、複数のスイッ
チ素子33−1〜33−4を備えている。スイッチ回路
31のスイッチ素子31−1〜31−5と同様に、スイ
ッチ素子33−1〜33−4の一端には対応する電圧V
1〜V4が供給されている。制御信号S6〜S9はスイ
ッチ素子33−1〜33−4のオンオフを制御するため
の信号である。ハイレベルである制御信号に対応するス
イッチ素子のみがオンとなり、そのスイッチ素子に対応
する電圧が駆動電圧VDDとして選択的に出力される。
例えば、制御信号S8がハイレベルであって他の制御信
号がローレベルである場合には、スイッチ素子33−2
のみがオンになって電圧V2が駆動電圧VDDとして出
力される。
【0053】Dフリップフロップ32f−6〜32f−
9に格納されるデータは、スイッチ回路31から出力さ
れる駆動電圧VDD’が上昇する場合に更新される。従
って、スイッチ回路33から出力される駆動電圧VDD
は、スイッチ回路31から出力される駆動電圧VDD’
が上昇する場合に駆動電圧VDD’の値に更新され、そ
れ以外の場合には更新されない。なお、駆動電圧VDD
の初期値は、駆動電圧VDD’の初期値に等しい。
【0054】駆動電圧VDDは、図3中の遅延回路1
2,13,14のバッファ回路部の駆動電圧として供給
される。駆動電圧VDD’がロックされた状態の時の駆
動電圧VDDが上述の遅延回路12,13,14に供給
されている時に、遅延回路12,13,14の全体の信
号の遅延はクロック信号52の周期と同じになる。
【0055】図9は、図6に示す適応電源電圧生成部1
1が備えている遅延量判定回路17の構成を示す。遅延
量判定回路17は、フリップフロップ36を備えてい
る。フリップフロップ36は、データ入力端子Dと、ク
ロック入力端子CKと、出力端子Qと、否定出力端子N
Qとを有する。データ入力端子Dとして、遅延回路部1
9の出力パルス信号P2が入力される。クロック信号C
Kとして、遅延回路部19の入力パルス信号P1が入力
される。出力端子Qからは、判定信号P3が出力され
る。否定出力端子NQからは、パルス信号P4が出力さ
れる。
【0056】入力パルス信号P1と出力パルス信号P2
との間の位相関係は2つの場合に分類される。1つは、
入力パルス信号P1の立ち上がりエッジにおいて出力パ
ルス信号P2がローレベルである場合(図7の右側の丸
印)であり、もう1つは、入力パルス信号P1の立ち上
がりエッジにおいて出力パルス信号P2がハイレベルで
ある場合(図7の左側の丸印)である。
【0057】入力パルス信号P1の立ち上がりエッジに
おいて出力パルス信号P2がローレベルである場合は、
入力パルス信号P1に対する出力パルス信号P2の遅延
量(実際の遅延量)が目標遅延量より小さい場合に相当
する。入力パルス信号P1のパルス幅が目標遅延量に相
当するからである。
【0058】入力パルス信号P1の立ち上がりエッジに
おいて出力パルス信号P2がローレベルである場合、遅
延量判定回路17はローレベルの判定信号P3を出力す
る。遅延量判定回路17のフリップフロップ36が入力
パルス信号P1の立ち上がりエッジにおいて出力パルス
信号P2のレベル(ローレベル)をデータとして取り込
むからである。上述したように、ローレベルの判定信号
P3に応答して、電圧選択回路16は、駆動電圧VD
D’をこれまでより低い電圧とするように制御する。そ
の結果、入力パルス信号P1に対する出力パルス信号P
2の遅延量が増大する。このようにして、入力パルス信
号P1に対する出力パルス信号P2の遅延量が目標遅延
量に近づくようにフィードバックされる。
【0059】入力パルス信号P1の立ち上がりエッジに
おいて出力パルス信号P2がハイレベルである場合、遅
延量判定回路17はハイレベルの判定信号P3を出力す
る。遅延量判定回路17のフリップフロップ36が入力
パルス信号P1の立ち上がりエッジにおいて出力パルス
信号P2のレベル(ハイレベル)をデータとして取り込
むからである。上述したように、ハイレベルの判定信号
P3に応答して、電圧選択回路16は、駆動電圧VD
D’をこれまでより高い電圧とするように制御する。そ
の結果、入力パルス信号P1に対する出力パルス信号P
2の遅延量が減少する。このようにして、入力パルス信
号P1に対する出力パルス信号P2の遅延量が目標遅延
量に近づくようにフィードバックされる。
【0060】このフィードバックの結果、遅延回路部1
9における入力パルス信号P1に対する出力パルス信号
P2の遅延量が目標遅延量に等しくなるように、駆動電
圧VDD’の値が調整される。駆動電圧VDDの値は、
駆動電圧VDD’が上昇する時に更新されるため、駆動
電圧VDDにより駆動される遅延回路12,13,14
における遅延量はクロック周期と相対的な関係を保つこ
とができる。
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、複数のバッファを持つ
遅延回路に対して、全体の遅延を常にクロック周期と同
じになるように設定し、1つあたりのバッファの遅延を
クロック周期と相対的な関係を持たせることができる。
これにより、書き込み補償回路中の遅延回路における信
号の遅延量が、温度変化、電源電圧変化に対して変動す
る感度を低くし、変動に対する遅延量の精度を保つこと
ができる。
【0062】さらに、本発明によれば、VCOを用いた
技術におけるような温度補償、位相補償を実現する補償
部を必要とせず、VCOを用いた技術に比べて小さい回
路規模の書き込み補償回路を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気記録再生装置100の全体を原理的に示す
ブロック図である。
【図2】図1の磁気記録再生装置100が備えている書
き込み補償部3の構成を示すブロック図である。
【図3】図2の書き込み補償部3が備えているプレシフ
トクロック生成部7の構成を示すブロック図である。
【図4A】図3のプレシフトクロック生成部7が備えて
いるプレシフトクロック決定部8の構成例を示すブロッ
ク図である。
【図4B】図3のプレシフトクロック生成部7が備えて
いるプレシフトクロック決定部8の別の構成例を示すブ
ロック図である。
【図5】図4A、図4Bの遅延回路12,13,14、
及び図5の遅延回路部19の回路構成例を示す回路図で
ある。
【図6】図3のプレシフトクロック生成部7が備えてい
る適応電源電圧生成部11を示すブロック図である。
【図7】クロック信号52と、パルス信号P1〜P7と
の関係を示すタイミングチャートである。
【図8】図6の適応電源電圧生成部11が備えている電
圧選択回路16の構成を示すブロック図である。
【図9】図6の適応電源電圧生成部11が備えている遅
延量判定回路17の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 ハードディスクコントローラ(HDC) 2 プリコーダ/変調回路部 3 書き込み補償部 4 磁気ディスク 5 再生部 7 プレシフトクロック生成部 11 適応電源電圧生成部 12,13,14 遅延回路 15 セレクタ 16 電圧選択回路 17 遅延量判定回路 18 入力パルス信号生成部 19 遅延回路部 30 抵抗 31 スイッチ回路 32 双方向制御シフト回路 33 スイッチ回路 200 リードチャネル部
フロントページの続き (72)発明者 山本 明 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 毛利 浩喜 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5D031 AA04 CC02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録装置の書き込み補償回路であって、 第1の駆動電圧により駆動され、入力されたクロック信
    号を第1の遅延時間だけ遅延させて出力する第1の遅延
    部と、 前記クロック信号に基づいて、前記第1の遅延時間が前
    記クロック信号の周期と等しくなるように前記第1の遅
    延部に前記第1の駆動電圧を供給する電圧供給部とを備
    えた、書き込み補償回路。
  2. 【請求項2】 前記電圧供給部は、 第2の駆動電圧により駆動され、入力された前記クロッ
    ク信号を第2の遅延時間だけ遅延させて出力する、前記
    第1の遅延部と同一の構成を有する第2の遅延部と、 前記第2の遅延時間が所定の範囲内にあるか否かを判定
    する判定部と、 前記判定部の判定結果に応じて、前記第1の遅延部に供
    給する前記第1の駆動電圧と、前記第2の遅延部に供給
    する前記第2の駆動電圧とをそれぞれ選択する電圧選択
    部とを含む、請求項1に記載の書き込み補償回路。
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