JP2000283592A - 吸収式冷凍機 - Google Patents

吸収式冷凍機

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JP2000283592A
JP2000283592A JP11089239A JP8923999A JP2000283592A JP 2000283592 A JP2000283592 A JP 2000283592A JP 11089239 A JP11089239 A JP 11089239A JP 8923999 A JP8923999 A JP 8923999A JP 2000283592 A JP2000283592 A JP 2000283592A
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Masahiro Furukawa
雅裕 古川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸収液が流れる配管の腐食を抑えるための腐
食抑制剤を、必要な分だけ自動的に添加できるようにす
る。 【解決手段】 少なくとも高温再生器4の温度、高温再
生器4の再生圧力、濃吸収液濃度、または冷水出入口温
度差を検出し、少なくとも前記何れかの検出データに基
づいて制御盤37で負荷率を演算し、この負荷率から腐
食抑制剤の消耗量を求める。制御盤37は得られた消耗
量に基づいて必要な時間だけ電磁弁41を開き、腐食抑
制剤タンク43から腐食抑制剤を吸収液回路に添加す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、吸収式冷凍機の
吸収液が流れる回路に腐食抑制剤を添加するための技術
に関する。
【0002】
【従来の技術】吸収式冷凍機の吸収液が流れる回路を構
成する配管は、金属など腐食を伴う材料で作られてお
り、この回路を流れる吸収液には腐食を抑えるための腐
食抑制剤が添加されるのが一般的である。
【0003】この添加は、従来、以下の方法で行ってい
た。すなわち、先ず吸収式冷凍機の吸収液を一部サンプ
リングして、その中に含まれる腐食抑制剤の濃度を分析
する。この分析結果に基づいて、濃度が不足している場
合には、サービス員が吸収式冷凍機が据え付けられてい
る現場に出向いて、腐食抑制剤を添加する。
【0004】また、特許第2575966号には、吸収
液中に添加されている腐食抑制剤の消耗量を知るため
に、吸収式冷凍機の運転時間を積算する方法が記載され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
サービス員が人手により添加を行う方法は、分析するの
に時間がかかり、また、添加するのに人手を必要とする
という欠点があった。後者の特許第2575966号の
技術は、吸収式冷凍機の運転時間のみを考慮するもので
あり、運転状態によって消耗量が異なってしまうことを
考慮していない。更に、消耗量が一定量を超えると警報
を発するのみであり、腐食抑制剤を自動的に添加するこ
とができなかった。
【0006】この発明は、以上の課題を解決するために
なされたもので、分析の時間がかからず、人手を必要と
せず、運転状況に応じて変わる腐食抑制剤の消耗量を知
ることができ、しかも自動的に腐食抑制剤を添加するこ
とができる吸収式冷凍機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、第1の発明は、吸収式冷凍機の負荷率を演算する
のに必要なデータを検出する検出手段と、前記検出した
検出データから負荷率を演算し、この負荷率から腐食抑
制剤の消耗量を計算する制御手段と、この制御手段から
前記消耗量を元に出された指令信号により、腐食抑制剤
を吸収式冷凍機の吸収液の回路に添加するための腐食抑
制剤添加手段と、を備えたことを特徴とする吸収式冷凍
機である。
【0008】第2の発明は、高温再生器温度、高温再生
器の再生圧力、濃吸収液濃度、または冷水出入口温度差
を検出する検出手段と、前記検出した検出データから負
荷率を演算し、この負荷率から腐食抑制剤の消耗量を計
算する制御手段と、この計算された消耗量を元に前記制
御手段から出された指令信号により開閉する開閉弁と、
この開閉弁を介して腐食抑制剤を吸収式冷凍機の吸収液
の回路に添加するための腐食抑制剤タンクと、を備えた
ことを特徴とする吸収式冷凍機である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施形態を、
図1〜図3において説明する。先ず、図1において、吸
収式冷凍機の全体概略を説明する。図において、1は蒸
発吸収器胴(下胴)であり、この蒸発吸収器胴1に蒸発
器2および吸収器3が収納されている。4は高温再生器
でありバーナ5を備える。吸収器3から高温再生器4に
至る稀吸収液配管6の途中に吸収液ポンプP1、低温熱
交換器7および高温熱交換器8が設けられている。
【0010】10は凝縮再生器胴(上胴)であり、この
凝縮再生器胴10に低温再生器11および凝縮器12が
収納されている。そして、13は高温再生器4から低温
再生器11を経由して凝縮器12に至る冷媒管、16は
凝縮器12から蒸発器2に至る冷媒液流下管、17は蒸
発器2に配管接続された冷媒循環管、P2は冷媒ポンプ
である。21は蒸発器2に接続された冷温水管である。
【0011】22は高温再生器4から高温熱交換器8に
至る中間吸収液管、23は高温熱交換器8から低温再生
器11に至る中間吸収液管である。24は低温再生器1
1から低温熱交換器7に至る濃吸収液管、25は低温熱
交換器7から吸収器3に至る濃吸収液管である。26は
冷媒管13の低温再生器11入口側から吸収器3に至る
冷媒管、27は中間吸収液管22から吸収器3に至る中
間吸収液管であり、V1とV2はそれぞれの管に設けら
れて、冷水供給運転時に閉弁され、温水供給運転時に開
弁される冷/暖切替弁である。又、29は冷却水管であ
る。
【0012】上記のように構成した吸収式冷凍機の冷水
供給運転時、高温再生器4のバーナ5が燃焼し、吸収器
3から流れて来た稀吸収液が加熱される。この稀吸収液
は、例えば臭化リチウム(LiBr)水溶液(界面活性
剤を含む)などである吸収液が、水などの冷媒を多く含
んだものである。この加熱により、稀吸収液が沸騰し、
冷媒蒸気が稀吸収液から分離する。これにより稀吸収液
が濃縮され、濃度が中程度の中間吸収液になる。
【0013】冷媒蒸気は冷媒管13を経て低温再生器1
1へ流れる。そして、低温再生器11で高温再生器4か
らの中間吸収液を加熱して凝縮した冷媒液が、凝縮器1
2へ流れる。凝縮器12では低温再生器11から流れて
来た冷媒蒸気が、冷却水管29の冷却水により冷却され
凝縮して冷媒液になり、低温再生器11から流れて来た
冷媒液と共に、蒸発器2へ流下する。
【0014】蒸発器2では冷媒ポンプP2の運転によっ
て、冷媒液が散布装置31から散布される。そして、こ
の散布された冷媒に気化熱を奪われて冷却され、温度が
低下した冷温水管21の冷水が、負荷に供給される。蒸
発器2で気化した冷媒蒸気は吸収器3へ流れ、散布装置
30から散布される濃吸収液に吸収される。
【0015】他方、高温再生器4で冷媒蒸気が分離して
濃度が上昇した中間吸収液は中間吸収液管22、高温熱
交換器8、中間吸収液管23を経て低温再生器11へ流
れる。この低温再生器11において、中間吸収液は、高
温再生器4からの冷媒蒸気が内部を流れる伝熱管14に
よって加熱される。そして、中間吸収液から冷媒蒸気が
分離して吸収液の濃度はさらに上昇し、濃吸収液にな
る。
【0016】この濃吸収液は濃吸収液管24へ流入して
低温熱交換器7および濃吸収液管25を経て吸収器3へ
流れ、散布装置30から冷却水管29の上に滴下する。
そして、冷却水管29によって冷却された濃吸収液は、
蒸発器2を経由して入ってくる冷媒蒸気を、よく吸収し
て冷媒濃度が高くなり、稀吸収液になる。この稀吸収液
は、吸収液ポンプP1の駆動力により、低温熱交換器7
および高温熱交換器8で予熱され、高温再生器4に流入
する。
【0017】そして、このような吸収式冷凍機に備えら
れる冷却水管29は、例えば図示しない冷却塔に繋がれ
て冷却水が循環するように配管される。
【0018】また、バーナ5に向かって取り込まれる燃
料33と、ブロア35から送られる空気とは、混合され
点火されて燃焼を開始する。
【0019】さて、高温再生器4は、加熱された稀吸収
液の温度を検出するための温度センサーM1と、蒸発し
た冷媒蒸気の圧力すなわち再生圧力を検出するための圧
力センサーM2を有する。また濃吸収液管25には、濃
吸収液の濃度を検出するための濃度センサーM3が設け
られる。また、冷温水管21の出口と入口にはそれぞれ
温度センサーM4、M5が設けられ、両者の温度差が検
出できるよう構成される。これらの各センサーは、制御
盤37の内部に設けられる制御部へ接続され、この制御
部へ必要な検出データが送られる。
【0020】吸収器3の内部に、腐食抑制剤を添加する
ための添加パイプ39の一端が配置され、この添加パイ
プ39の途中には、開閉弁として電磁弁41が設けられ
る。添加パイプ39の他端は、腐食抑制剤タンク43の
底部に接続される。
【0021】図2(B)(C)(D)に示したように、
高温再生器4の吸収液温度、再生圧力、または濃吸収液
濃度と、吸収式冷凍機の負荷率の間には、各々一定の関
係が存在する。すなわち、これらの温度、圧力、濃度な
どが高いほど負荷率は高い。また、実際の冷水出口温度
差と設計冷水出口温度差の比によって、負荷率が定義さ
れる(図2(E))。
【0022】前記何れかの検出データに基づいて負荷率
を求め、こうして求めた負荷率から腐食抑制剤の消耗速
度(ppm/hr)を求める(図2(A))。この消耗
速度に基づいて腐食抑制剤の消耗量を計算することが可
能である。なお、異なる物理量、例えば高温再生器4の
吸収液温度と再生圧力それぞれに基づいて求めた負荷率
の平均値を、そのときの負荷率とするようにしても良
い。
【0023】次に、図3において前記制御部が行う実際
の制御を説明する。先ず、前回の検出時刻から一定時間
が経過しているか否かを判断し(S1)、経過していれ
ば各センサーからのデータを取り込む(S2)。すなわ
ち、高温再生器4の温度、再生圧力、濃吸収液濃度、お
よび実際の冷水出入口温度差である。そして、これらの
検出データに基づいて前記図2で説明したように負荷率
を演算し(S3)、この負荷率に基づいて腐食抑制剤の
消耗速度を演算する(S4)。
【0024】この消耗速度と前記検出を行う一定時間と
の積により、今回の腐食抑制剤の消耗量を計算する(S
5)。この消耗量を、前回までに検出された消耗量と足
し合わせた合計を累積量として求める(S6)。この累
積量が基準値よりも大きければ(S7)、累積量から基
準値を引いた時の値、すなわち腐食抑制剤の不足分を計
算する(S8)。
【0025】この不足分を補うのに必要な弁を開いてい
る時間(開弁時間)を計算する(S9)。こうして算出
された時間の間だけ、電磁弁41を開く(S10)。電
磁弁41が開いている間、腐食抑制剤タンク43から腐
食抑制剤が流れ出し、添加パイプ39を通って吸収器3
内部の吸収液へ添加される。
【0026】(他の実施形態)以上の実施形態において
は、吸収式冷凍機の負荷率を演算するのに必要なデータ
として、高温再生器4の温度データ、再生圧力データ、
濃吸収液濃度データ、および冷水出入口温度差データの
全てを用いたが、他の実施形態においてはこれらのデー
タの内の1つ、又は複数を組み合わせて用いることが可
能である。
【0027】また、以上の実施形態においては、腐食抑
制剤タンクの腐食抑制剤は、重力により添加パイプを通
って吸収器3の内部に流れ込むものであったが、他の実
施形態においては、ポンプによって積極的に送り込むも
のとしても良い。
【0028】また、以上の実施形態においては、腐食抑
制剤の不足分に相当する開弁時間を計算するものであっ
たが、他の実施形態においては不足分に相当する弁開度
を計算し、その弁開度で一定時間弁を開くものとしても
良い。この場合、弁を開いている時間は変わらない。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、腐食抑制剤の消耗量を吸収式冷凍機の負荷率を元に
計算することにより、運転状態に応じて変化する消耗量
を知ることができる。また、制御手段からの指令信号に
より腐食抑制剤添加手段が、吸収式冷凍機の吸収液の回
路に腐食抑制剤を自動的に添加するので、添加に人手を
必要としない。また、負荷率から消耗量を計算するの
で、吸収液をサンプリングして実際に分析するための時
間を必要としない。
【0030】また、請求項2の発明によれば、さらに、
高温再生器温度、高温再生器の再生圧力、濃吸収液濃
度、又は冷水出入口温度差を検出することで、いわば検
出の容易なデータから負荷率を演算し、これにより腐食
抑制剤の消耗量を計算するので、容易に消耗量を知るこ
とができる。また腐食抑制剤添加手段として、開閉弁と
腐食抑制剤タンクという簡単な構造にすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る吸収式冷凍機の概
略全体を示す回路図である。
【図2】図1の吸収式冷凍機の負荷率を元に腐食抑制剤
の消耗速度を得るための原理を示すグラフ図であり (A)は負荷率から消耗速度を得るためのグラフ図 (B)は高温再生器温度から負荷率を得るためのグラフ
図 (C)は高温再生器の再生圧力から負荷率を得るための
グラフ図 (D)は濃吸収液濃度から負荷率を得るためのグラフ図 (E)は冷水出入口温度差を元に負荷率を得るための演
算式を示すものである。
【図3】この実施形態の制御を示すフローチャート図で
ある。
【符号の説明】
1 蒸発吸収器胴 2 蒸発器 3 吸収器 4 高温再生器 5 バーナ 6 収液配管 7 低温熱交換器 8 高温熱交換器 10 凝縮再生器胴 11 低温再生器 12 凝縮器 13 冷媒管 16 冷媒液流下管 17 冷媒循環管 21 冷温水管 22 中間吸収液管 23 中間吸収液管 24 濃吸収液管 25 濃吸収液管 26 冷媒管 27 中間吸収液管 29 冷却水管 30、31 散布装置 33 燃料 35 ブロア 37 制御盤 39 添加パイプ 41 電磁弁 43 腐食抑制剤タンク P1 吸収液ポンプ P2 冷媒ポンプ V1、V2 冷/暖切替弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古川 雅裕 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 Fターム(参考) 3L093 EE04 EE17 EE25 GG01 GG02 GG07 JJ01 LL11 LL16 MM08

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸収式冷凍機の負荷率を演算するのに必
    要なデータを検出する検出手段と、前記検出した検出デ
    ータから負荷率を演算し、この負荷率から腐食抑制剤の
    消耗量を計算する制御手段と、この制御手段から前記消
    耗量を元に出された指令信号により、腐食抑制剤を吸収
    式冷凍機の吸収液の回路に添加するための腐食抑制剤添
    加手段と、を備えたことを特徴とする吸収式冷凍機。
  2. 【請求項2】 高温再生器温度、高温再生器の再生圧
    力、濃吸収液濃度、または冷水出入口温度差を検出する
    検出手段と、前記検出した検出データから負荷率を演算
    し、この負荷率から腐食抑制剤の消耗量を計算する制御
    手段と、この計算された消耗量を元に前記制御手段から
    出された指令信号により開閉する開閉弁と、この開閉弁
    を介して腐食抑制剤を吸収式冷凍機の吸収液の回路に添
    加するための腐食抑制剤タンクと、を備えたことを特徴
    とする吸収式冷凍機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003075012A (ja) * 2001-09-05 2003-03-12 Sanyo Electric Co Ltd 吸収式システム

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JP2003075012A (ja) * 2001-09-05 2003-03-12 Sanyo Electric Co Ltd 吸収式システム

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