JP2000283444A - 焼却炉の制御方法およびこの制御方法を使用した焼却炉 - Google Patents
焼却炉の制御方法およびこの制御方法を使用した焼却炉Info
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Abstract
空気量を供給することにより、大気中への有害物質の排
出を抑制できる焼却炉の制御方法を提供することを目的
とする。 【解決手段】 ごみの比重と水分含有率に基づいてごみ
の性状を求め、このごみの性状により、焼却炉1で必要
な空気量を演算し、この空気量から2次燃焼空気の基準
量と制限幅を演算し、ノズル47Bから焼却炉1へ供給す
る2次燃焼空気の量を前記制限幅の範囲で変化させ、ノ
ズル47Aから焼却炉1へ供給する2次燃焼空気の量を、
総空気量が2次燃焼空気の前記基準量となるように変化
させる。この方法によると、ごみ質に見合った空気量を
供給することで制御を安定化でき、さらに2次空気の変
動により乱流を発生させ燃焼ガスを攪拌することによ
り、不完全燃焼を防ぐことができ、大気中への有害物質
の排出を抑制できる。
Description
法、特にその燃焼装置へ供給する2次燃焼空気量の制御
方法に関するものである。
床式ごみ焼却炉にごみを供給するには、通常、スクリュ
ー式フィーダなどのごみ供給装置が用いられている。こ
のようなフィーダを用いてごみを供給する際、上記ごみ
焼却炉内でのごみの燃焼を安定させるため、ごみの供給
量を一定にする必要があり、ごみ供給時に、ごみの量が
急激に増加する「ごみの大量落下(どか落ち)」が発生
しないように、ベルトコンベヤにより供給されたごみを
受けてその搬送速度を変化させて燃焼装置へ供給するな
どの手段を取っている。しかし、このようにごみの供給
量を一定としても、ごみ質{ごみの性状(紙類、繊維
類、木・竹類、プラスチック類、ゴム・皮革類、厨芥
類、ガラス類、陶器・石類、金属類など)}が常に変化
するために、炉床酸素濃度が大幅に変動し、その結果、
ごみ焼却炉内でのごみの燃焼が不安定になって、燃焼排
ガス中に未燃分が多量に残り、大気中に有害物質を排出
する恐れがあった。
O)と酸素(O2 )の濃度を計測し、また排ガス量を計
測し、これらの計測値をフィードバックして燃焼制御を
行っている。またフィードバック時間の遅れを補正する
ためにモデルによるフィードフォワード制御が行われる
こともある。
ィードバック制御、あるいフィードフォワード制御によ
り燃焼制御を行っても、制御応答を含めた遅れ時間によ
り、燃焼状態の急変時の制御に反映できず、制御するこ
とで、かえって燃焼が不安定になる場合もあり、制御上
の外乱要因となっていた。
燃焼ガスの混合が有効な手段であり、このため炉長を長
くしたり、フリーボード部に突起を設けるような機構上
の改造手段が用いられているが、このような手段ではご
みの性状に対応できず、またコスト高になる問題があっ
た。そこで本発明は、ごみの性状に見合った空気量を供
給することにより、大気中に有害物質を排出することを
抑えることができる焼却炉の制御方法およびこの制御方
法を使用した焼却炉を提供することを目的とする。
に、請求項1に記載の発明は、廃棄物を燃焼する燃焼装
置と、この燃焼装置へ前記廃棄物を供給する供給装置を
備えた焼却炉の制御方法であって、前記供給装置より燃
焼装置へ送り出される廃棄物の比重および水分含有率を
計測し、前記計測された廃棄物の比重および水分含有率
に基づいて上記廃棄物の性状を求め、この求めた廃棄物
の性状により、前記燃焼装置で必要な空気量を演算し、
この空気量から2次燃焼空気の基準量と制限幅を演算
し、2次燃焼空気を分けて前記燃焼装置へ供給し、燃焼
装置へ供給する少なくとも1つの2次燃焼空気の量を、
前記制限幅の範囲で変化させ、燃焼装置へ供給する残り
の2次燃焼空気の量を、総空気量が前記2次燃焼空気の
基準量となるように変化させることを特徴とするもので
ある。
ごみ焼却炉が用いられ、供給装置としてスクリュー式フ
ィーダが用いられる。上記方法によると、廃棄物の性状
が、廃棄物の比重と水分含有率に基づいて求められ、こ
の求められた廃棄物の性状により、上記燃焼装置で必要
な空気量が演算され、この空気量から燃焼装置へ供給す
る2次燃焼空気の基準量と制限幅が演算され、また2次
燃焼空気は分けて燃焼装置へ供給され、このとき燃焼装
置へ供給する少なくとも1つの2次燃焼空気の量は、制
限幅の範囲で変化され、燃焼装置へ供給する残りの2次
燃焼空気の量は、総空気量が基準量となるように変化さ
れる。この2次燃焼空気の基準量(総空気量)により燃
焼装置内で廃棄物はその性状にあわせて燃焼され、さら
に2次燃焼空気の変化により、炉内の燃焼ガスは攪拌さ
れ、よって、不完全燃焼が防止され、大気中に有害物質
を排出することが抑えられる。
1記載の発明であって、燃焼装置へ供給される1次燃焼
空気の量と2次燃焼空気の量を一定に維持することを特
徴とするものである。上記方法によると、燃焼装置へ供
給される1次燃焼空気の量と2次燃焼空気の量を一定に
維持され、燃焼装置内で廃棄物はその性状にあわせて燃
焼される。
2に記載の発明であって、燃焼装置内の炎の輝度および
圧力を計測し、これら計測された炎の輝度および圧力に
より、燃焼装置へ供給する1次燃焼空気の量と2次燃焼
空気の量を補正することを特徴とするものである。上記
方法によると、輝度検出手段により検出される炉内の炎
の輝度、すなわち炉内の燃焼温度と、圧力検出手段によ
り検出される炉内圧力、すなわち燃焼具合(廃棄物の燃
えが良いと酸素が減少して炉内圧力が下がる)により、
燃焼装置へ供給する1次燃焼空気の量と2次燃焼空気の
量が補正され、より炉内の状態に応じた空気が供給さ
れ、よって不完全燃焼が防止され、大気中に有害物質を
排出することが抑えられる。
1〜請求項3のいずれかに記載の発明であって、少なく
とも1つの2次燃焼空気の量の変化を、予め設定された
関数に基づいて行うことを特徴とするものである。上記
方法によると、予め設定された関数に基づく規則的な2
次燃焼空気量の増減により炉内に複雑な空気流が形成さ
れ、炉内の燃焼ガスは攪拌され、よって、不完全燃焼が
より防止され、大気中に有害物質を排出することが抑え
られる。
燃焼する燃焼装置と、この燃焼装置へ前記廃棄物を供給
する供給装置を備えた焼却炉であって、前記供給装置
に、前記供給装置より前記燃焼装置へ送り出される廃棄
物の重量を計測する重量計測手段と、前記廃棄物のレベ
ルを計測するレベル計測手段と、前記廃棄物中に含まれ
る水分含有率を計測する水分計測手段とを設け、前記燃
焼装置に、この燃焼装置へ2次燃焼空気を供給する複数
のノズルを設け、前記重量計測手段で計測された廃棄物
の重量と前記レベル計測手段で計測された廃棄物のレベ
ルにより廃棄物の比重を求め、この比重と前記水分計測
手段で計測された水分含有率に基づいて前記廃棄物の性
状を求め、この求めた廃棄物の性状により、前記燃焼装
置で必要な空気量を演算し、この空気量から2次燃焼空
気の基準量と制限幅を演算し、少なくとも1つの前記ノ
ズルから燃焼装置へ供給する2次燃焼空気の量を前記制
限幅の範囲で変化させ、残りのノズルから燃焼装置へ供
給する2次燃焼空気の量を総空気量が前記基準量となる
ように変化させる制御手段を設けたことを特徴とするも
のである。
ごみ焼却炉が用いられ、供給装置としてスクリュー式フ
ィーダが用いられる。上記構成によると、廃棄物の性状
が、廃棄物の重量とレベルと水分含有率に基づいて求め
られ、この求められた廃棄物の性状により、上記燃焼装
置で必要な空気量が演算され、この空気量から燃焼装置
へ供給する2次燃焼空気の基準量と制限幅が演算され、
2次燃焼空気は分けて各ノズルから燃焼装置へ供給さ
れ、このとき少なくとも1つのノズルから燃焼装置へ供
給する2次燃焼空気の量は制限幅の範囲で変化され、残
りのノズルから燃焼装置へ供給する2次燃焼空気の量は
総空気量が前記基準量となるように変化される。この2
次燃焼空気の基準量(総空気量)により燃焼装置内で廃
棄物はその性状にあわせて燃焼され、さらに2次燃焼空
気の変化により、炉内の燃焼ガスは攪拌され、よって、
不完全燃焼が防止され、大気中に有害物質を排出するこ
とが抑えられる。
5記載の発明であって、制御手段は、燃焼装置へ供給さ
れる1次燃焼空気の量と2次燃焼空気の量を一定に維持
することを特徴とするものである。上記構成によると、
燃焼装置へ供給される1次燃焼空気の量と2次燃焼空気
の量は一定に維持され、燃焼装置内で廃棄物はその性状
にあわせて燃焼される。
6に記載の発明であって、燃焼装置内の炎の輝度を検出
する輝度検出手段と、燃焼装置内の圧力を検出する圧力
検出手段を備え、制御手段は、これら輝度検出手段によ
り検出される炎の輝度と、圧力検出手段により検出され
る炉内圧力により、燃焼装置へ供給する1次燃焼空気の
量と2次燃焼空気の量を補正することを特徴とするもの
である。
出される炉内の炎の輝度、すなわち炉内の燃焼温度と、
圧力検出手段により検出される炉内圧力、すなわち燃焼
具合(廃棄物の燃えが良いと酸素が減少して炉内圧力が
下がる)により、燃焼装置へ供給する1次燃焼空気の量
と2次燃焼空気の量が補正され、より炉内の状態に応じ
た空気が供給され、よって不完全燃焼が防止され、大気
中に有害物質を排出することが抑えられる。
5〜請求項7のいずれかに記載の発明であって、制御手
段は、1つのノズルから燃焼装置へ供給する2次燃焼空
気の量の変化を、予め設定された関数に基づいて行うこ
とを特徴とするものである。上記方法によると、予め設
定された関数に基づく規則的な2次燃焼空気量の増減に
より炉内に複雑な空気流が形成され、炉内の燃焼ガスは
攪拌され、よって、不完全燃焼がより防止され、大気中
に有害物質を排出することが抑えられる。
に基づいて説明する。図2は本発明の実施の形態におけ
る焼却炉の制御方法を実現したごみ焼却炉の燃焼装置へ
ごみを供給する供給装置の構成図、図3は供給装置の要
部構成図、図4はごみを燃焼する燃焼装置の構成図であ
る。
式ごみ焼却炉(燃焼装置の一例、詳細は後述する)であ
り、ごみ焼却炉1のごみ投入口3に、ごみ2を供給する
供給装置4が設けられている。[供給装置]上記供給装
置4は、図2に示すように、ごみ2を一時貯留するごみ
ホッパ5と、このごみホッパ5に貯留されたごみ2を押
し出すプッシャ式の給じん機6と、この給じん機6から
押し出されたごみ2を破砕する2軸破砕機7と、この2
軸破砕機7で破砕されたごみ2を送り出す送出し装置8
と、この送出し装置8と上記ごみ焼却炉1との間に接続
された供給通路9とで構成されている。
退自在なプッシャ11と、このプッシャ11を出退させ
るシリンダ装置12とが備えられている。上記送出し装
置8は、2軸破砕機7で破砕されたごみ2を一時貯留す
るホッパ部14と、上記ごみ2をホッパ部14から供給
通路9へ送り出す2軸のスクリュー式フィーダ15とで
構成されている。また、上記スクリュー式フィーダ15
は、一対の平行に並設された回転軸16と、両回転軸1
6を中心にして回転するねじ状羽根17と、両回転軸1
6を回転駆動させる回転駆動装置18(モータなど)と
を備えている。
15のごみ出口部19から下方へ垂下する上部供給通路
20と、ごみ焼却炉1のごみ投入口3へ連通する下部シ
ューター21と、上部供給通路20の下端と下部シュー
ター21の上端との間に水平に形成された中間部供給通
路22とで構成されている。上記上部供給通路20の上
端部には、スクリュー式フィーダ15のごみ出口部19
から送り出されたごみ2を解砕する(ほぐす)解砕機3
4が設けられている。この解砕機34は、上部供給通路
20の上端部内に下向きに垂設された回転軸35と、こ
の回転軸35を中心にして回転するねじ状羽根36と、
回転軸35を回転駆動させる回転駆動装置37とで構成
されている。
に示すように、スクリュー式フィーダ15から送り出さ
れたごみ2中に含まれる水分含有率を計測する赤外線水
分計24(水分計測手段の一例)と、コンベヤスケール
26(重量計測手段の一例)と、レベル検出装置27
(レベル計測手段の一例)が設けられている。なお、上
記赤外線水分計24は中間部供給通路22の天井部31
に取付けられている。
式フィーダ15から送り出されたごみ2を上部供給通路
20から受け取って下部シューター21へ搬出するとと
もに、搬送されるごみ2の重量を計測するものであり、
上記中間部供給通路22内に設置されている。また、上
記コンベヤスケール26は、前後一対のプーリー38,
39と、これら両プーリー38,39間に巻回された搬
送用ベルト30と、前後いずれかのプーリー38を回転
駆動させる回転駆動装置40(モータ等)と、搬送用ベ
ルト30上に積載されたごみ2の重量を検出するロード
セル(図示せず)などを有している。
すように、上記コンベヤスケール26の搬送用ベルト3
0上に積載されたごみ2の高さHを検出するものであ
り、超音波式や光センサ式(レーザ光式を含む)等の非
接触レベル計であり、中間部供給通路22の天井部31
に取付けられている。すなわち、上記レベル検出装置2
7によって中間部供給通路22の天井部31からごみ2
の上端までの距離Dが計測され、中間部供給通路22の
底部から上記天井部31までの全高をHa(一定値)、
中間部供給通路22の底部からコンベヤスケール26の
搬送用ベルト30までの高さをHb(一定値)とする
と、以下の式に基づいてごみ2の高さHを検出すること
ができる。
既知の値であるため、上記レベル検出装置27でごみ2
の高さHを検出することによって、搬送用ベルト30上
に積載されたごみ2の搬送経路kに直交するおおよその
断面積が求められ、このごみ2の断面積と既知のコンベ
ヤスケール26によるごみ2の搬送速度とを乗算するこ
とによって、コンベヤスケール26で搬送されるごみ2
の体積が算出される。また、ごみ2の重量はコンベヤス
ケール26で計測されるため、計測されたごみ2の重量
を算出されたごみ2の体積で除算することによって、ご
み2の比重(かさ比重)が求められる。
ケール26とレベル検出装置27とによって計測された
ごみ2のかさ比重に応じて上記コンベヤスケール26の
回転駆動装置40を制御してごみ2の搬送速度を増減さ
せる制御部33が備えられている。上記供給装置4の作
用を説明する。
は、プッシャ11の出退によって給じん機6から押し出
されて2軸破砕機7で破砕され、送出し装置8のホッパ
部14内へ投入される。そして、スクリュー式フィーダ
15の回転駆動装置18によって回転軸16が回転駆動
し、ねじ状羽根17が回転軸16を中心に回転し、これ
により、ごみ2は、ホッパ部14からスクリュー式フィ
ーダ15の内部を通って、ごみ出口部19から上部供給
通路20へ送り出される。
よって回転軸35が回転駆動し、ねじ状羽根36が回転
軸35を中心に回転してごみ2を塊らないように解砕す
る(ほぐす)。上記解砕機34でほぐされたごみ2は、
上部供給通路20内を落下して、コンベヤスケール26
の搬送用ベルト30で一旦受け取れられ、搬送される。
26で計測され、さらに、ごみ2の高さHがレベル検出
装置27で検出され、検出されたごみ2の高さHと既知
の搬送速度とに基づいて、コンベヤスケール26で搬送
されるごみ2の体積が算出される。このようにして計測
されたごみ2の重量を体積で除算することによって、ご
み2のかさ比重が求められる。制御部33により、この
ごみ2のかさ比重が一定となるように、コンベヤスケー
ル26の回転駆動装置40が制御され、ごみ2の搬送速
度が増減され、ごみ2はコンベヤスケール26の下流端
まで搬送される。
で搬送されたごみ2は、順次下部シューター21へ搬出
され、下部シューター21内を滑り落ちてごみ投入口か
らごみ焼却炉1へ供給される。このように、供給装置1
より、常にかさ比重が一定のごみ2が焼却炉1へ供給さ
れる。 [ごみ焼却炉(燃焼装置)]図4に示すように、上記流
動床式ごみ焼却炉1の内部には、けい砂等の耐熱性粉粒
体が流動媒体Sとして充填されており、高圧空気により
流動化された流動媒体Sの中でごみ2の乾燥および燃焼
を行うものである。この流動床式ごみ焼却炉1の内部
は、下部が流動層部41に形成され、上部が二次燃焼室
42に形成されている。
4を供給する1次燃焼空気供給ノズル45が設けられ、
二次燃焼室42に2次燃焼空気46を供給する2台の2
次燃焼空気供給ノズル47A,47Bが設けられてお
り、上記各供給ノズル45,47A,47Bへ空気を送
風する送風機48が設けられ、この送風機48に接続さ
れ、1次燃焼空気供給ノズル45へ供給する1次燃焼空
気44を調整する1次燃焼空気流量調整バルブ49と、
2次燃焼空気供給ノズル47A,47Bへ供給する2次
燃焼空気46を調整するメイン2次燃焼空気流量調整バ
ルブ50が設けられている。
は、2次燃焼空気供給ノズル47Aへ2次燃焼空気46
Aを導く分岐管52Aと、2次燃焼空気供給ノズル47
Bへ2次燃焼空気46Bを導く分岐管52Bに分岐され
ており、分岐管52Bに2次燃焼空気46Bを調整する
補助2次燃焼空気流量調整バルブ53が設けられてい
る。
に、1次燃焼空気44の流量を計測する1次空気流量計
54が設けられ、上記配管51に、2次燃焼空気46の
流量を計測する2次空気流量計55が設けられている。
また流動層部41の炉壁には、光ファイバー(光導波
路、光導波管の一例)57が、流動層部41の炎に対向
してその先端が開口するように取り付けられており、こ
の光ファイバー57にはCCDなどの受光素子(輝度検
出手段の一例)58が接続され、炎の輝度を検出してい
る。また流動層部41の炉壁に、炉内圧力を検出する圧
力検出器(圧力検出手段の一例)59が設けられてい
る。炉内圧力は、ごみ2の燃えが良いと酸素が減少する
ことにより下がる。
2次燃焼空気46を制御する制御構成図を図1に示す。
1次燃焼空気44と2次燃焼空気46(46A,46
B)のコントローラ(制御手段の一例)61には、コン
ベヤスケール26で計測されたごみ2の重量と、レベル
検出装置27で計測されたごみ2の高さHと、赤外線水
分計24で計測されたごみ2の水分含有率と、1次空気
流量計54で計測された1次燃焼空気量(流量)と、2
次空気流量計55で計測された2次燃焼空気量(流量)
と、受光素子58で計測された炎の輝度と、圧力検出器
59で計測された炉内の圧力と、が入力され、コントロ
ーラ61は、これらデータに基づいて、1次燃焼空気流
量調整バルブ49と、メイン2次燃焼空気流量調整バル
ブ50と、補助2次燃焼空気流量調整バルブ53へ開度
信号(制御信号)を出力する。
論部62と、補正部63と、演算部64と、2次燃焼空
気制御部65と、減算部66と、1次燃焼空気流量調整
バルブ49のバルブ駆動部67と,減算部68と、メイ
ン2次燃焼空気流量調整バルブ50のバルブ駆動部69
と、補助2次燃焼空気流量調整バルブ53のバルブ駆動
部70から構成されている。
置27で計測されたごみ2の高さHと既知の搬送速度と
に基づいて、コンベヤスケール26で搬送されるごみ2
の体積を算出し、コンベヤスケール26で計測されたご
み2の重量を、この算出した体積で除算することによっ
て、ごみ2の比重を求め、このごみ2の比重と赤外線水
分計24で計測されたごみ2の水分含有率により、図5
に示すメンバシップ関数とファジィルールにしたがうフ
ァジィ推論により、ごみ性状に相当するHu推定値を求
める。ファジィルールでは、ごみ2の水分が多く、比重
が大きいとき、燃えにくいことからHu推定値を小さく
し、水分が少なく、比重が大きいとき、燃えやすいこと
からHu推定値を大きくしている。
測された炎の輝度と圧力検出器59で計測された炉内の
圧力により、図6に示すメンバシップ関数とファジィル
ールにしたがうファジィ推論により、空気量の補正係数
を求める。ファジィルールでは、輝度が明るく(良く燃
えている)、圧力が低い(良く燃えている)とき、空気
量の補正係数を大きくしている。
2より入力したHu推定値により炉内に必要な総空気量
を演算し、この求めた総空気量に補正部63より入力し
た補正係数を乗算することにより、補正する。そして、
総空気量より所定の1次燃焼空気の基準値を減算して2
次燃焼空気の基準値を求め、この2次燃焼空気の基準値
よりその数十%に相当する制限幅を求める。そして、所
定の1次燃焼空気の基準値と、2次燃焼空気の基準値お
よび制限幅を出力する。
り2次燃焼空気の制限幅を入力すると、制限幅の範囲内
で2次燃焼空気供給ノズル47Bより二次燃焼室42に
供給する2次燃焼空気46Bを変動させて、補助2次燃
焼空気流量調整バルブ53の2次燃焼空気量の制御信号
を形成し、出力する。前記変動量は下記のいずれかによ
り求める。またこの変動量を出力する。 1.制限幅を波高値とする、sin関数とcos関数の
組み合わせ 2.制限幅を上下限値とする乱数 3.制限幅を上下限値とするカオス信号(たとえば、路
地スティック関数) 4.制限幅を上下限値とする、のこぎり波形あるいはラ
ンプ関数 5.制限幅を上下限値とする、ステップ関数 6.ファジィモデリング手法で作成した非線形モデル また上記減算部66は、演算部64から入力した1次燃
焼空気の基準値より、1次空気流量計54で計測された
実1次燃焼空気量を減算して、1次燃焼空気量の偏差信
号を形成し、出力する。
力した2次燃焼空気の基準値より、2次空気流量計55
で計測された実2次燃焼空気量を減算して、2次燃焼空
気量の偏差信号を形成し、出力する。バルブ駆動67,
69はいずれも、減算部66,68より入力した空気量
の偏差信号によりバルブ開度を調整し、Hu推定値が推
定されたごみ2が、計測地点(コンベヤスケール26の
下流端)から燃焼地点(流動層部41;ごみ2が実際に
燃焼され燃焼ガスが発生する地点)までごみ2が移動す
る時間遅らせて、このバルブ開度信号を1次燃焼空気流
量調整バルブ49とメイン2次燃焼空気流量調整バルブ
50へ出力する。
部65より入力した制御信号の空気量をバルブの開度に
変換し、Hu推定値が推定されたごみ2が、計測地点
(コンベヤスケール26の下流端)から燃焼地点(流動
層部41;ごみ2が実際に燃焼され燃焼ガスが発生する
地点)までごみ2が移動する時間遅らせて、このバルブ
開度信号を補助2次燃焼空気流量調整バルブ53へ出力
する。
式ごみ焼却炉1内に供給されたごみ2は、1次燃焼空気
が供給される流動層部41で1次燃焼され、残りは熱分
解ガス化され、二次燃焼室42において供給される2次
燃焼空気と混合されて、完全燃焼される。このとき、焼
却炉1内に供給されたごみの性状が、予めごみ2の比重
(重量とレベル)と水分含有率に基づいて求められ、こ
の求められたごみ2の性状により、燃焼装置で必要な空
気量が演算され、この空気量から燃焼装置へ供給する2
次燃焼空気の基準量と制限幅が演算され、計測地点と燃
焼地点間をごみ2が移動する時間を遅らせて、2次燃焼
空気は、2台の2次燃焼空気供給ノズル47A,47B
より焼却炉1内へ供給される。このとき、2次燃焼空気
供給ノズル47Bから供給される2次燃焼空気の量は制
限幅の範囲で変化され、2次燃焼空気供給ノズル47A
から供給される2次燃焼空気の量は、総空気量が2次燃
焼空気基準量となるように変化される。焼却炉1内へ供
給される2次燃焼空気の総空気量は、メイン2次燃焼空
気流量調整バルブ50で調整されることにより、基準量
に一定に維持され、また補助2次燃焼空気流量調整バル
ブ53の制御により、2台の2次燃焼空気供給ノズル4
7A,47Bよりそれぞれ供給される2次燃焼空気46
A,46Bは、互いに補完するように制限幅の範囲で変
化する。
より焼却炉1内でごみ2はその性状にあわせて燃焼さ
れ、さらに2台の2次燃焼空気供給ノズル47A,47
Bよりそれぞれ供給される2次燃焼空気の変化により、
炉内の燃焼ガスは攪拌され、よって、不完全燃焼が防止
され、大気中に有害物質を排出することが抑えられる。
また焼却炉1内へ供給される1次燃焼空気の量と2次燃
焼空気の量(総空気量)は一定に維持され、焼却炉1内
でごみ2はその性状にあわせて燃焼される。
焼温度と、炉内圧力、すなわち燃焼具合(廃棄物の燃え
が良いと酸素が減少して炉内圧力が下がる)により、燃
焼装置へ供給する1次燃焼空気の量と2次燃焼空気の量
が補正され、より炉内の状態に応じた空気が供給され、
よって不完全燃焼が防止され、大気中に有害物質を排出
することが抑えられる。
2の性状を常に求めて、炉内に必要な総空気量を求め、
計測地点と燃焼地点間をごみ2が移動する時間を遅らせ
て、1次燃焼空気、2次燃焼空気として焼却炉1内へ供
給することにより、常にごみ2をその性状にあわせて燃
焼することができ、ごみ質の急変による不完全燃焼を防
ぐことができ、さらに2次燃焼空気を変動させて乱流を
発生させることにより、炉内の燃焼ガスを攪拌でき、し
たがって、不完全燃焼をより防止でき、大気中に有害物
質を排出することを抑えることができる。
床式ごみ焼却炉としているが、熱分解ガス化溶融炉を備
えた次世代ごみ焼却炉など、計測地点(コンベヤスケー
ル26の下流端)から燃焼地点(流動層部41;ごみ2
が実際に燃焼され燃焼ガスが発生する地点)までごみ2
が移動する時間が推定できる焼却炉であればよい。ま
た、上記実施の形態では、2次燃焼空気を供給するノズ
ルを2台としているが、さらに多くのノズルを設けるこ
とができる。このとき、少なくとも1台のノズルから焼
却炉1内へ供給される2次燃焼空気を変化させ、他のノ
ズルから供給される2次燃焼空気の量を、焼却炉1内へ
供給される2次燃焼空気の総空気量が基準量となるよう
に変化させる。ノズルの数が増加するほど複雑な乱流が
発生しやすくなり、炉内の燃焼ガスをさらに攪拌でき、
不完全燃焼をより防止でき、大気中への有害物質の排出
を抑えることができる。
例を図7に示す。図7では、二次燃焼室42に第3の2
次燃焼空気供給ノズル47Cを増設し、この2次燃焼空
気供給ノズル47Cに対して2次燃焼空気46Cを供給
している。この2次燃焼空気46Cは、分岐管52Bの
補助2次燃焼空気流量調整バルブ53の下流地点からさ
らに分岐し、この分岐管52Cに第2の補助2次燃焼空
気流量調整バルブ53Cを設け、補助2次燃焼空気流量
調整バルブ53と同様にこの第2の補助2次燃焼空気流
量調整バルブ53Cを調整し所定の範囲で変動されてい
る。このように、2次燃焼空気46Bを分岐して、2次
燃焼空気供給ノズル47Cから焼却炉1内へ供給される
2次燃焼空気46Cを所定の範囲で変化させることによ
り、3つのノズル47A,47B,47Cから焼却炉1
内へ供給される3つの2次燃焼空気46A,46B,4
7Cが全て変化することから、複雑な乱流を発生でき、
炉内の燃焼ガスをさらに攪拌することができる。
置27として、超音波式や光センサ式(レーザ光式を含
む)等の非接触レベル計を用いているが、ごみ2に接触
して上下方向へ揺動自在な検出用板体(フラッパなど)
を用いてもよい。この場合、ごみ2の高さHが上昇する
と、上記検出用板体の角度が減少し、ごみ2の高さHが
下降すると、上記検出用板体の角度が増加することによ
って、ごみ2の高さHが求められる。
性状が、廃棄物の比重と水分含有率に基づいて求めら
れ、この求められた廃棄物の性状により、上記燃焼装置
で必要な空気量が演算され、この空気量から燃焼装置へ
供給する2次燃焼空気の基準量と制限幅が演算され、2
次燃焼空気は分けて燃焼装置へ供給され、このとき燃焼
装置へ供給する少なくとも1つの2次燃焼空気の量は、
制限幅の範囲で変化され、燃焼装置へ供給する残りの2
次燃焼空気の量は、総空気量が基準量となるように変化
されることにより、この2次燃焼空気の基準量により燃
焼装置内で廃棄物をその性状にあわせて燃焼でき、さら
に2次燃焼空気の変化により、炉内の燃焼ガスを攪拌で
き、よって、不完全燃焼を防止でき、大気中に有害物質
を排出することを抑えることができる。
を実現したごみ焼却炉の制御構成図である。
装置の構成図である。
装置の要部構成図である。
のメンバシップ関数とファジィルールの図である。
シップ関数とファジィルールの図である。
装置の要部配管構成図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 廃棄物を燃焼する燃焼装置と、この燃焼
装置へ前記廃棄物を供給する供給装置を備えた焼却炉の
制御方法であって、 前記供給装置より燃焼装置へ送り出される廃棄物の比重
および水分含有率を計測し、 前記計測された廃棄物の比重および水分含有率に基づい
て上記廃棄物の性状を求め、 この求めた廃棄物の性状により、前記燃焼装置で必要な
空気量を演算し、この空気量から2次燃焼空気の基準量
と制限幅を演算し、 2次燃焼空気を分けて前記燃焼装置へ供給し、 燃焼装置へ供給する少なくとも1つの2次燃焼空気の量
を、前記制限幅の範囲で変化させ、燃焼装置へ供給する
残りの2次燃焼空気の量を、総空気量が前記2次燃焼空
気の基準量となるように変化させることを特徴とする焼
却炉の制御方法。 - 【請求項2】 燃焼装置へ供給される1次燃焼空気の量
と2次燃焼空気の量を一定に維持することを特徴とする
請求項1記載の焼却炉の制御方法。 - 【請求項3】 燃焼装置内の炎の輝度および圧力を計測
し、 これら計測された炎の輝度および圧力により、燃焼装置
へ供給する1次燃焼空気の量と2次燃焼空気の量を補正
することを特徴とする請求項2記載の焼却炉の制御方
法。 - 【請求項4】 少なくとも1つの2次燃焼空気の量の変
化を、予め設定された関数に基づいて行うことを特徴と
する請求項1〜請求項3のいずれかに記載の焼却炉の制
御方法。 - 【請求項5】 廃棄物を燃焼する燃焼装置と、この燃焼
装置へ前記廃棄物を供給する供給装置を備えた焼却炉で
あって、 前記供給装置に、 前記供給装置より前記燃焼装置へ送り出される廃棄物の
重量を計測する重量計測手段と、 前記廃棄物のレベルを計測するレベル計測手段と、 前記廃棄物中に含まれる水分含有率を計測する水分計測
手段とを設け、 前記燃焼装置に、この燃焼装置へ2次燃焼空気を供給す
る複数のノズルを設け、 前記重量計測手段で計測された廃棄物の重量と前記レベ
ル計測手段で計測された廃棄物のレベルにより廃棄物の
比重を求め、この比重と前記水分計測手段で計測された
水分含有率に基づいて前記廃棄物の性状を求め、この求
めた廃棄物の性状により、前記燃焼装置で必要な空気量
を演算し、この空気量から2次燃焼空気の基準量と制限
幅を演算し、少なくとも1つの前記ノズルから燃焼装置
へ供給する2次燃焼空気の量を前記制限幅の範囲で変化
させ、残りのノズルから燃焼装置へ供給する2次燃焼空
気の量を総空気量が前記基準量となるように変化させる
制御手段を設けたことを特徴とする焼却炉。 - 【請求項6】 制御手段は、燃焼装置へ供給される1次
燃焼空気の量と2次燃焼空気の量を一定に維持すること
を特徴とする請求項5記載の焼却炉。 - 【請求項7】 燃焼装置内の炎の輝度を検出する輝度検
出手段と、 燃焼装置内の圧力を検出する圧力検出手段を備え、 制御手段は、これら輝度検出手段により検出される炎の
輝度と、圧力検出手段により検出される炉内圧力によ
り、燃焼装置へ供給する1次燃焼空気の量と2次燃焼空
気の量を補正することを特徴とする請求項6記載の焼却
炉。 - 【請求項8】 制御手段は、1つのノズルから燃焼装置
へ供給する2次燃焼空気の量の変化を、予め設定された
関数に基づいて行うことを特徴とする請求項5〜請求項
7のいずれかに記載の焼却炉。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002162287A (ja) * | 2000-11-24 | 2002-06-07 | Anzai Setsu | 廃棄物構成重量の測定システム |
CN114234199A (zh) * | 2021-12-17 | 2022-03-25 | 中城建胜义(深圳)环境科技有限公司 | 一种充分焚烧的工业固废处理装置 |
CN117537351A (zh) * | 2023-11-20 | 2024-02-09 | 华北电力大学 | 一种垃圾焚烧炉一次风均流装置 |
JP7523337B2 (ja) | 2020-12-10 | 2024-07-26 | 株式会社神鋼環境ソリューション | 学習済モデル生成装置、学習済モデル生成プログラム、炉内温度予測装置、炉内温度予測プログラム、学習済モデル、および焼却システム |
-
1999
- 1999-03-31 JP JP09036699A patent/JP3830299B2/ja not_active Expired - Fee Related
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