JPH09324907A - ごみ焼却炉のごみ定量供給方法 - Google Patents

ごみ焼却炉のごみ定量供給方法

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JPH09324907A
JPH09324907A JP5030797A JP5030797A JPH09324907A JP H09324907 A JPH09324907 A JP H09324907A JP 5030797 A JP5030797 A JP 5030797A JP 5030797 A JP5030797 A JP 5030797A JP H09324907 A JPH09324907 A JP H09324907A
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JP
Japan
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garbage
amount
waste
dust
calculated
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JP5030797A
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Inventor
Satoshi Fujii
聡 藤井
Manabu Kuroda
学 黒田
Yuichi Nogami
祐一 野上
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ごみ焼却炉のホッパにごみを投入する際、そ
の衝撃で過大なごみが突発的に押し出されることがあ
る。これに対処し安定した蒸気発生量を維持する。 【解決手段】 ごみ荷重計13による投入込み重量とご
みレベル計12による投入直前直後のごみの表面レベル
差に基づいて、投入されたごみのホッパ高さ方向の線密
度或いは投入されたごみの重量当たりのレベル差を求
め、線密度或いはレベル差が、過去の平均値よりかけ離
れているとき、ごみの突発的押し出しがあったものと判
断し、乾燥火格子速度を減速或いは停止して、燃焼ごみ
量を調整する。 【効果】 ごみの供給量が平均化され、蒸気発生量が安
定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,火格子式ごみ焼却
炉のごみ定量供給方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】都市ごみ焼却炉は,社会生活において排
出される様々な廃棄物を処理するという重要な役割を担
っている。近年では,廃棄物であるごみの焼却処理によ
って発生する膨大な熱エネルギの回収への関心が高ま
り,ボイラ発電設備のついたものが増加している。そし
て、このような焼却炉ではごみの燃焼を安定させ、ボイ
ラ水の蒸発を一定に保つことが要求される。
【0003】集められたごみは,成分,性状等の偏りを
減ずるためにごみピット内で撹拌された後、ごみ焼却炉
に送られる。ごみ焼却炉では、ごみはクレーンによって
数十分の間隔で間欠的にホッパに投入され、このとき荷
重計によって重量が測定され、レベル計によってホッパ
内のごみの高さが測定される。そして、ホッパの下には
乾燥火格子があり、乾燥火格子によって連続的に炉内に
送り込まれる。乾燥火格子はごみを送り込む機能とごみ
を乾燥する機能とを併せ持つもので、次に続く燃焼火格
子へ乾燥したごみを供給する。
【0004】一定の蒸発量を保つためには、燃焼するご
み量を一定に制御する必要があり、一般に,過去の蒸気
発生量の実績と燃焼空気・冷却空気量およびごみの投入
実績から,必要な蒸発量に見合う焼却量を計算し、ごみ
投入毎に、目標焼却量を設定している。そして,目標焼
却量よりごみの供給実績が少なければ乾燥火格子速度を
増速し,目標焼却量より多ければ乾燥火格子速度を減速
して目標焼却量に近づくように乾燥火格子のごみ送り速
度を調節する。
【0005】従来、ごみの供給量が目標焼却量となるよ
うに定量供給する方法としては,例えば,以下のような
従来技術がある。 (1)特開昭63−113215には、ごみを炉内に供給
する乾燥火格子の裏側にごみ重量計測装置を設け,この
重量変化を捉え設定値との差をなくすように補正するこ
とによりごみの供給量を調整することが記載されてい
る。 (2)特公平2−27568には,ホッパから乾燥火格子
上にごみが落ちる手前にごみ受台と計量装置を設け,ご
み受台のごみ重量を計量してごみ供給量を調整すること
が記載されている。
【0006】しかしながら、ごみはごみピット内で撹拌
された後に焼却炉のホッパに投入されるとは言え、個々
には重量や大きさは一定していない。このため,ホッパ
へごみが投入されるときに,投入されたごみの落下の勢
いで乾燥火格子上のごみを燃焼火格子上に突発的に押し
出すことがある。この場合、一時的にごみの供給量が過
大となり,しかも乾燥不十分のごみが燃焼火格子上へ送
られるために燃焼状態を悪化させることになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来技術では、ごみの
重量を測定しながら一定重量のごみが送り込まれるよう
に乾燥火格子の送り速度を調整しているので、ごみが安
定的に投入されている場合には有効である。しかし,上
記のように短時間にごみが過大に押し出された場合に
は、これに対処する手段が施されていないので、蒸気発
生量はその影響を受け大きく変動するという問題があっ
た。
【0008】この発明はこの問題を解決するためになさ
れたもので、ホッパ内のごみが炉内に短時間に過大に押
し出された場合でも、これを検知しその対策を施すこと
によって、ごみの過大供給の影響を削減し、蒸発量を一
定に保つごみ焼却炉のごみ供給方法を提供しようとする
ものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の手段は、次の発明である。
【0010】第1の発明は、ごみ投入クレーンに付帯す
るごみ荷重計及びごみ焼却炉ホッパ内のごみの表面高さ
を計測するごみレベル計の測定値から、投入されたごみ
重量及び投入前後のレベル変化分を求め、前回までに求
められた過去複数回のこれらの量との比較結果から,ご
みを炉の内部へ送り込む乾燥火格子速度を制御すること
を特徴とするごみ焼却炉のごみ定量供給方法である。
【0011】投入されるごみの重量はクレーンに付帯す
る重量計によって測定され、ごみの容量は、投入前後の
レベル変化分即ち投入される直前の表面高さと直後の表
面高さの差と、ホッパ断面積から求められる。通常はご
みの容積は重量とほぼ比例関係にあるので、ごみ重量と
レベル変化分とは一定の関係にある。しかし、ホッパへ
のごみ投入時に、その落下の勢いで乾燥火格子上のごみ
を燃焼火格子上に押し出すことがあり、このとき、投入
と同時に投入直前に測定された表面高さが下がる。
【0012】このため、ごみが押し出された場合には、
投入直後の表面高さがその分だけ低く測定され、レベル
変化分が小さくなる。そこで,前回までの過去数回分の
ごみ投入時に得られたごみ重量とレベル変化分と今回の
ごみ重量とレベル変化分とを比較することによって、ご
みの押し出しがあったかどうかを判断することができ
る。この判断に基づいて乾燥火格子速度を制御すると、
突発的なごみの押し出しに対処して、燃焼火格子上への
ごみの過大供給を防ぎ供給量を一定にすることができ
る。
【0013】第2の発明は、前記ごみ重量と前記レベル
変化分から、ごみ投入時に筒状のホッパの高さ方向のご
みの嵩密度を算出し,算出された嵩密度と前回までに算
出された過去複数回の平均嵩密度の差を求め、この差が
設定した基準値パラメータより大きいときに、乾燥火格
子速度を減速又は一時停止する前記したごみ焼却炉のご
み定量供給方法である。
【0014】前記した第1の発明における、重量及びレ
ベル変化分を過去の平均値と比較する方法の一態様であ
る。筒状のホッパでは、投入されたごみ重量をレベル変
化分で除すと、投入されたごみの見かけの嵩密度が算出
される。算出された嵩密度と前回までの過去数回分の嵩
密度の平均値とを比較する。押し出しがあった場合に
は、レベル変化分は小さいので、算出された嵩密度は平
均値より大きくなる。
【0015】算出された嵩密度と過去の平均値との差が
基準値パラメータより大きいときに、ごみの押し出しが
あったと判断し、火格子速度を減速又は一時停止する。
押し出しによる突発的過大供給量が大きいほど、嵩密度
の平均値との差は大きくなるので、差の大きさから乾燥
火格子速度の補正量や停止時間を求めることができる。
【0016】第3の発明は、前記ごみ重量と前記平均嵩
密度の比から算出される推定レベル差と、前記レベル変
化分との差が、基準値パラメータよりも大きいときに、
乾燥火格子速度を減速又は一時停止する第1の発明のご
み焼却炉のごみ定量供給方法である。
【0017】前記した第1の発明における、重量及びレ
ベル変化分を過去の平均値と比較する方法の別の態様で
ある。投入されたごみ重量と過去の平均嵩密度の比を求
めこれをホッパの断面積で除すと、その時の投入ごみ重
量に対して通常時に推定される投入前後のレベル差が算
出される。実際に測定された投入前後のレベル変化分が
推定されるレベル差より基準値パラメータ以上に小さけ
れば、ごみの押し出しがあったと判断し、火格子速度を
減速又は一時停止する。差の大きさから乾燥火格子速度
の補正量や停止時間を求めることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】図を用いてこの発明の実施の形態
を説明する。図1は、ごみ焼却炉と制御系の概念を示す
図である。図において,1は炉であり,2はホッパ,3
aは乾燥火格子,3bは燃焼火格子,3cは後燃焼火格
子,4は灰落下口である。。これら火格子の下からは、
燃焼空気ポンプ5により供給された燃焼空気が吹き上げ
ている。ホッパ2から投入されたごみは,燃焼空気によ
り乾燥火格子3aで乾燥され,燃焼火格子3bで燃焼さ
れ,後燃焼火格子3cでは完全に燃焼され灰となる。こ
の灰は灰落下口4から落下して炉外へ排出される。
【0019】一方,燃焼によって生じた排ガスは炉出口
6から煙突7に導かれて炉外へ排出される。排ガスが放
出される炉出口には熱交換器8aを備えた蒸気発生用の
ボイラ8bが設置されている。炉内の温度が過度に上昇
しないように冷却空気吹き込み口9から冷却空気10が
吹き込まれる。11は蒸気発生量を測る流量計である。
【0020】14は乾燥火格子速度制御手段であり,ご
み荷重計13の信号とごみレベル計12の信号を入力と
し,乾燥火格子の駆動装置3dに速度信号を出力する。
乾燥火格子速度制御手段14には,例えば,コンピュー
タが使用されており、測定信号からごみ重量やレベル変
化分を求めたり、過去の平均値を算出したりするととも
に、以下に述べる制御量の演算を行い、乾燥火格子の速
度信号を出力する。
【0021】先ず、投入ごみの嵩密度と過去の平均嵩密
度を比較する場合について、図2を用いて制御量の演算
を説明する。演算は、ホッパの断面積が一定の場合の例
により、嵩密度を線密度に変えて説明する。図におい
て、21は投入されたごみの線密度を計算するブロック
である。ごみの線密度ρは,ごみ投入ごとにその重量W
と,投入直前のごみのレベルL1と直後のレベルL2の差
即ちレベル変化分から(1)式で算出される。
【0022】
【数1】
【0023】22はごみの線密度の過去の平均値を算出
するブロックであり、ここではごみの線密度の平均値ρ
mを,前回の投入時に得られたごみの線密度から過去n
回分までのごみの線密度までを(2)式で平値化して求
める。
【0024】
【数2】
【0025】ρの添字は過去の投入回を示し,1は前回
の投入時のごみの線密度を表し,nはn回前の投入時の
ごみの線密度を表す。
【0026】ブロック23では今回の投入で得られたご
みの線密度ρと過去の線密度の平均値ρmを比較し、過
大供給が行われたか否かを判断する。(ρ−ρm )が設
定した基準値パラメータよりも大きい場合は、過大供給
があったと判断し、次の計算ブロック24に進み演算を
継続する。(ρ−ρm )が設定した基準値パラメータよ
りも小さい場合には、過大供給は行われなかったと判断
し、ブロック26に進み通常の燃焼制御から決まる乾燥
火格子速度の設定値を出力する。
【0027】ブロック24は、過大供給量W’を計算す
るブロックである。過大供給量W’は、(3)式により
計算する。
【0028】
【数3】
【0029】ブロック25では、過大供給量W’と乾燥
火格子速度補正パラメータに基づいて,(4)式によ
り、補正量即ち乾燥火格子の減速量の割合vを演算す
る。
【0030】
【数4】
【0031】但し、βは乾燥火格子速度補正パラメータ
である。そして、補正量は過大供給率に比例した量であ
る。
【0032】ブロック26ではブロック25の補正量に
基づき補正された乾燥火格子速度の設定値Vs を(5)
式により演算する。
【0033】
【数5】
【0034】但し、Vs ’はごみ投入時に設定された目
標蒸発量から決められた乾燥火格子速度である。このよ
うにして得られた乾燥火格子速度の設定値Vs を、乾燥
火格子駆動装置に出力する。
【0035】上の例では過大供給量に応じて乾燥火格子
速度を減速するが、ブロック25で、乾燥火格子速度補
正量を演算する代わりに、(6)式を用いて、乾燥火格
子の停止時間t1 を演算し、乾燥火格子を一時停止して
もよい。
【0036】
【数6】
【0037】但し、γ1 は停止時間パラメータであり、
m は過去の投入ごみ重量の平均値である。停止時間t
1 は過大供給率に比例する。この場合、乾燥火格子速度
設定値は、一旦零となり停止時間t1 を経過した後Vs
’が設定される。
【0038】又、ブロック23で行う過大供給の判断に
際しては、ごみの線密度ρと過去の線密度の平均値ρm
の差(ρ−ρm )が基準値パラメータより大きいか否か
によって、その有無を判断したが、これらの比(ρ/ρ
m )の大きさにしたがって判断してもよい。この場合、
基準値パラメータの値は異なる。更に、基準値パラメー
タは、設備、ごみの質等によっても異なるので、同タイ
プの設備であっても、地域や季節等も考慮して定める。
【0039】次に、投入ごみ重量と過去の平均嵩密度の
比と、レベル変化分との差を比較する場合の制御量の演
算を図3を用いて説明する。図において、ブロック21
での投入ごみの線密度計算及びブロック22での過去の
平均線密度計算までは、先に説明した投入ごみの線密度
と過去の平均値を比較する場合と同様である。
【0040】ブロック27では、レベル差の推定値を計
算する。この推定値Ls は、投入ごみ重量と、ブロック
22で計算された過去n回の線密度の平均値ρm の比が
(7)式により求められる。
【0041】
【数7】
【0042】投入ごみのレベル変化分Lk は、ブロック
28で(8)式により計算される。
【0043】
【数8】
【0044】ブロック29では、ブロック27で計算さ
れた投入ごみのレベル差の推定値L S とブロック28で
測定されたレベルから計算されたレベル変化分(以下、
計測値と称す)LK との差ΔLを(9)式により求め
る。
【0045】
【数9】
【0046】先に述べた投入ごみの線密度と過去の線密
度の平均値との差(ρ−ρm )で比較する場合には、ご
み重量とレベル変化分の両方が過去の平均値と比較され
るが、推定値と計測値の差ΔLを用いる比較では、レベ
ル変化分のみが過去の平均値と比較される。前者では、
ごみの体積密度が平均値と隔たっている場合にその偏差
も含んで比較されるが、後者ではその偏差は相殺されて
いるので、押し出し量のみをより正確に把握した比較が
行われる。
【0047】ブロック30では、レベル差の推定値と計
測値の差ΔLと基準値パラメータΔLp とを比較する。
ΔLがΔLp より大きいとき押し出しがあったと判断
し、ブロック31に進む。一方、ΔLがΔLp 以下のと
きは押し出しがなく正常に投入が行われたと判断し、ブ
ロック33に進み、通常の燃焼制御から決まる乾燥火格
子速度の設定値を出力する。
【0048】ブロック31は、(9)式で得られたΔL
に基づいて、ごみの過大供給の割合を計算する。過大供
給の割合V’は、(10)式により計算される。
【0049】
【数10】
【0050】そして、ブロック32で、乾燥火格子速度
補正パラメータεを用いて、過大供給の割合V’に比例
する乾燥火格子速度の補正量εVが求められ、更に、ブ
ロック33で式(11)によって乾燥火格子の設定値V
s が計算される。
【0051】
【数11】
【0052】このようにして得られた乾燥火格子速度V
s が、乾燥火格子速度制御手段から乾燥火格子速度駆動
装置に出力される。
【0053】上の例では過大供給量に応じて乾燥火格子
速度を減速するが、ブロック32で、乾燥火格子速度補
正量を計算する代わりに、(12)式を用いて、乾燥火
格子の停止時間t2 を演算し、乾燥火格子を一時停止し
てもよい。
【0054】
【数12】
【0055】但し、γ2 は停止時間パラメータである。
停止時間t2 は、先に説明した投入ごみの線密度と過去
の平均値を比較する場合と同様に過大供給率に比例す
る。この場合、乾燥火格子速度設定値は一旦零となり、
停止時間t2 を経過した後Vs’が設定されるのも先の
説明と同様である。
【0056】なお、このレベル差の推定値と計測値を比
較する場合も、両者の差ΔLを用いて比較する他に、先
に説明したように両者の比Ls /Lk を用いて基準値パ
ラメータと比較することもできる。
【0057】
【実施例】図1に示したごみ焼却炉を用いて、投入され
たごみの線密度と過去5回の投入時の線密度の平均値を
比較することによって乾燥火格子速度の補正を行い、ボ
イラ水の蒸発量変化を調べた。乾燥火格子速度制御手段
14での演算は次のように行った。
【0058】実施例1.ごみ投入直前及び直後のレベル
測定から得られた投入ごみの線密度と過去の線密度の平
均値との差を基準値パラメータと比較して乾燥火格子速
度を補正した。
【0059】先ず、過大供給を判断するための基準値パ
ラメータαを二値定めた。α1 =0.15、及びα2
0.25の二値で、今回のごみの線密度と平均線密度と
の差がα1 より大きくα2 以下のときは並の過大供給と
判断し、α2 より大きいときは極度な過大供給と判断し
た。そして、線密度の差が、α1 より大きくα2 より小
さいときは前述した(4)式で乾燥火格子速度の設定値
を求めて補正を行ったが、α2 より大きい極度な過大供
給のときは、乾燥火格子を停止しその停止時間を計算す
るようにした。
【0060】図4を用いて具体的に説明する。図4
(a)図にごみ投入毎に得られた線密度を〇印で示す。
測定開始後1時間近くで投入されたごみの線密度(矢印
で示す)は、大きくなっており1.2t/mであった。
n=5で求めていた平均値は0.85t/mで、線密度
の差は0.35t/mであり、基準値パラメータ0.2
5t/mを超え、極度の過大供給と判断された。
【0061】このため、停止時間を計算することになっ
た。停止時間の計算についての考え方は次のようであ
る。
【0062】必要な蒸気発生量に見合う目標焼却量がR
(t/h)であるとき、過大供給量W’を供給するのに
要する時間t’は(13)式で表される。
【0063】
【数13】
【0064】したがって、時間t’だけ乾燥火格子を停
止してもよいことになる。しかし、実際にはこれだけの
時間停止するとその反動が現れ燃焼火格子上のごみ量に
不足を来すので、停止時間パラメータγを用い、(1
4)式により乾燥火格子停止時間tを求めた。γは1以
下の正の定数である。
【0065】
【数14】
【0066】具体的には次のように計算を行った。ごみ
投入時のレベル変化分(L2 −L1)が1.57mであ
ったことから、ごみの過大供給量は0.55tと推定さ
れた。目標焼却量Rは6t/hであったので、t’は
0.0917時間即ち330秒となった。停止時間パラ
メータγとして、0.8を用いて乾燥火格子停止時間t
を求め、264秒を得た。
【0067】このようにして乾燥火格子が制御された時
の蒸気発生量を図4(b)図に示す。(a)図と(b)
図の時間軸は一致しおり、何れも測定開始後の時間であ
る。前述のように、(a)図の矢印のところでごみの線
密度が高くなっているが,蒸発量は、(b)図に見られ
るように、その影響を受けずに目標蒸発量20t/h に対
して±2t/h の範囲で追従し,安定した運転が実現され
た。
【0068】比較のために行った従来例の結果を図5に
示す。従来の制御方法では,図4(a)図の矢印のとこ
ろでごみの線密度が大きく,炉内にごみが過剰に供給さ
れたために,(b)図に見られるように、その影響を受
て燃焼帯の温度が下がり、蒸発量が一時的に目標蒸発量
22t/h に対し4t/h も落ち込み、その後過剰のごみが
燃焼し逆に過剰の蒸気が発生した。
【0069】実施例2.
レベル差の推定値LS とごみ
投入時のレベル変化分の計測値LK との差ΔLを基準値
パラメータΔLp と比較し、燥火格子速度の制御を行っ
た。
【0070】先ず、実施例1と同様に、過大供給を判断
するための基準値パラメータを二値定めた。ΔLp1
0.5m、及びΔLp2=1.5mの二値で、ΔLがΔL
p1より大きくΔLp2以下のときは並の過大供給と判断
し、ΔLp2より大きいときは極度な過大供給と判断し
た。そして、並の過大供給のときは(11)式で乾燥火
格子速度の設定値を求めて補正を行うが、極度な過大供
給のときは、乾燥火格子を停止しその停止時間を(1
2)式により計算するようにした。
【0071】以下、具体例について図6を用いて説明す
る。図6(a)図にレベル差の推定値LS を●印で、測
定値を○印で示す。測定開始後1時間を経た頃(図中に
矢印で示す)推定値LS は2.2mで、計測値LK
1.2mであった。その差ΔLは1mで、ΔLp1より大
きくΔLp2より小さいので、並の過大供給と判断され、
乾燥火格子速度の減速量を計算した。
【0072】過大供給の割合V’を(10)式から計算
すると、V’は0.45であった。乾燥火格子速度補正
パラメータεには0.8を用い、(11)式から乾燥火
格子速度設定値は、ごみ投入時に決められた速度VS
の0.64倍とする結果が得られた。
【0073】このようにして乾燥火格子が制御された時
の蒸気発生量を図6(b)図に示す。(a)図と(b)
図の時間軸は一致しおり、何れも測定開始後の時間であ
る。前述のように、(a)図の矢印のところで、レベル
変化分の測定値LK が小さく推定値LS との差が大き
く、ごみの押し出しが検知された。しかし、蒸発量は
(b)図に見られるように、その影響を受けずに目標蒸
発量20t/h に対して±2t/h よりも充分に狭い範囲で
追従し,安定した運転が実現された。
【0074】
【発明の効果】以上述べてきたように、この発明では、
投入時に落下するごみの勢いで乾燥火格子上のごみが燃
焼火格子に突発的に押し出され、ごみの供給量が一時過
大となった場合でも、これをごみ投入直前及び直後のレ
ベル差から検出し、乾燥火格子速度を減速或いは停止し
て、これに対処する。このため、燃焼火格子上のごみ量
が直ぐに平均化し燃焼を安定させ、安定した蒸気発生量
を維持することが出来る。このように、ごみの燃焼熱エ
ネルギを有効に回収するこの発明の効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態を説明するためのごみ焼却炉
とその制御系の概念図である。
【図2】投入ごみの線密度による乾燥火格子速度の制御
ブロック図である。
【図3】投入ごみのレベル変化分による乾燥火格子速度
の制御ブロック図である。
【図4】発明の投入ごみの線密度による乾燥火格子速度
の制御の結果を示す図であり、(a)図は測定時間とご
みの線密度の関係を示し、(b)図は蒸発量の変動を示
す図である。
【図5】従来のごみ定量供給方法による結果を示す図で
あり、(a)図は測定時間とごみの線密度の関係を示
し、(b)図は蒸発量の変動を示す図である。
【図6】発明の投入ごみのレベル変化分による乾燥火格
子速度の制御の結果を示す図であり、(a)図は測定時
間とごみの線密度の関係を示し、(b)図は蒸発量の変
動を示す図である。
【符号の説明】
1 炉 2 ホッパ 3a 乾燥火格子 3b 燃焼火格子 3c 後燃焼火格子 5 燃焼空気ポンプ 6 炉出口 8a 熱交換器 8b ボイラ 11 流量計 12 ごみレベル計 13 ごみ荷重計 14 乾燥火格子速度制御手段。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ごみ投入クレーンに付帯するごみ荷重計及
    びごみ焼却炉ホッパ内のごみの表面高さを計測するごみ
    レベル計の測定値から、投入されたごみ重量及び投入前
    後のレベル変化分を求め、前回までに求められた過去複
    数回のこれらの量との比較結果から,ごみを炉の内部へ
    送り込む乾燥火格子速度を制御することを特徴とするご
    み焼却炉のごみ定量供給方法。
  2. 【請求項2】前記ごみ重量と前記レベル変化分から、ご
    み投入時に投入されたごみの嵩密度を算出し,算出され
    た嵩密度と前回までに算出された過去複数回の平均嵩密
    度の差を求め、この差が設定した基準値パラメータより
    大きいときに、乾燥火格子速度を減速又は一時停止する
    請求項1記載のごみ焼却炉のごみ定量供給方法。
  3. 【請求項3】前記ごみ重量と前記平均嵩密度の比から算
    出される推定レベル差と、前記レベル変化分との差が、
    基準値パラメータよりも大きいときに、乾燥火格子速度
    を減速又は一時停止する請求項1記載のごみ焼却炉のご
    み定量供給方法。
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