JP2000283431A - 廃棄物処理方法及び廃棄物処理システム - Google Patents

廃棄物処理方法及び廃棄物処理システム

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JP2000283431A
JP2000283431A JP11094411A JP9441199A JP2000283431A JP 2000283431 A JP2000283431 A JP 2000283431A JP 11094411 A JP11094411 A JP 11094411A JP 9441199 A JP9441199 A JP 9441199A JP 2000283431 A JP2000283431 A JP 2000283431A
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waste
combustion
chlorine
pyrolysis
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Katsuaki Matsuzawa
克明 松澤
Masaaki Itou
正皓 伊東
Junya Nishino
順也 西野
Tei Ishinomori
禎 石野森
Tsuneo Ayabe
統夫 綾部
Toshiichiro Ueno
俊一朗 上野
Kenichi Tawara
賢一 田原
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    • Y02E50/00Technologies for the production of fuel of non-fossil origin
    • Y02E50/30Fuel from waste, e.g. synthetic alcohol or diesel

Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃棄物の熱分解ガスを事業用ボイラ等で燃焼
させないことにより単位時間あたりの廃棄物の処理量を
増加させ、ゴミのエネルギ利用効率の向上を図ることを
目的とする。 【解決手段】 廃棄物Hを炭化してチャー(炭化物)T
を石炭Cと混合しこれを火力発電装置X1の事業用ボイ
ラ1で燃焼することにより廃棄物Hを処理する方法であ
って、廃棄物Hを熱分解炉6で加熱することにより塩素
を含んだ熱分解ガスSとチャーTとに熱分解させる熱分
解工程と、熱分解ガスSを燃焼装置10で燃焼して燃焼
ガスGを熱分解炉6の熱源とする燃焼工程と、塩素除去
装置12で燃焼ガスGから少なくとも塩素分を除去する
塩素除去工程とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物を炭化して
この炭化物を火力発電装置例えば石炭焚き事業用ボイラ
や石炭ガス化設備で燃焼することにより廃棄物を処理す
る方法およびシステムに関し、特に、廃棄物に含有する
塩素分の一部を除去した状態で火力発電装置で燃焼させ
る技術に関する。なお、本明細書において、廃棄物と
は、紙類,廃プラスチックなどの都市ゴミや、わら,木
材チップ,廃パルプなどのバイオマス系の産業廃棄物を
含む意で用いている。
【0002】
【従来の技術】近年、紙類,廃プラスチックなどの都市
ゴミや、わら,木材チップ,廃パルプなどのバイオマス
系の産業廃棄物を各種燃料として再利用することが提案
され、これによりゴミ(廃棄物)のエネルギ利用効率の
向上が期待される。そのため、ゴミ焼却炉によるボイラ
発電も提案されているが、ゴミ焼却の際に生じる塩化水
素がボイラチューブを腐食させるためボイラを過酷な条
件で運転できないことや、ゴミが多くの水分を含んでい
るため燃焼温度が低いことなどから、発電効率が悪い。
さらに、ゴミ焼却で発生する灰を廃棄するには多大なコ
ストを必要とするため経済的ではない。
【0003】従って、廃棄物を火力発電所に既に設置さ
れている石炭焚き事業用ボイラや石炭ガス化設備の燃料
として使用することも考えられ、これにより廃棄物処理
のための焼却炉が不要となるが、廃棄物をこのような事
業用ボイラ等に直接投入することは難しい。というの
も、事業用ボイラ等はバーナーなどの構造上廃棄物を直
接燃焼するのが難しいのに加え、排ガス規制やボイラチ
ューブの腐食防止のため燃料の質の管理が厳しく行われ
ており、燃料としての質が不安定な都市ゴミなどでは対
応できないことに起因する。
【0004】また、特開平10−244176号公報で
は、廃プラスチックなどの有機系廃棄物を石炭焚きボイ
ラの燃料として適用する技術が開示されている。これ
は、有機系廃棄物を予め酸素不足雰囲気で200〜50
0℃の温度範囲で加熱処理し、この加熱処理によって生
じたガスをボイラで燃焼させ、さらに、加熱処理後にロ
ーラミルで粉砕した固形物(炭素を主成分とするいわゆ
る炭化物)を燃料の石炭と混合してボイラで燃焼させる
ものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記した廃
棄物中には、塩化ビニル等の高分子の塩素系樹脂中に存
在する塩素分と、塩化ナトリウムや塩化カルシウムなど
に存在する塩素分とがあり(本明細書においては便宜上
前者を有機系塩素と、後者を無機系塩素と呼ぶ。)、こ
れら有機系塩素と無機系塩素とがおよそ半々の割合で存
在するものと考えて差し支えない。そして、廃棄物を加
熱処理すなわち熱分解により炭化する過程で生じる熱分
解ガスは有機系塩素のうち80〜90%を塩化水素とし
て含んでいるため、この熱分解ガスを火力発電所などの
事業用ボイラ等で大量に燃焼させたのではバーナの作動
不良やボイラチューブの腐食を引き起こすため少量ずつ
しか燃焼させることができない。
【0006】一方、廃棄物の加熱処理後に得られる炭化
物は、発熱量や固有水分,揮発比などの性状が石炭と似
ているため、例えば火力発電所に既設の石炭焚き事業用
ボイラ等の燃料に混入して燃焼させることは可能であ
る。ただし、廃棄物の炭化物には、無機系塩素の大部分
が残っており、発熱量などの性状が石炭と似ているもの
の石炭と比較して塩素分を極めて多く含んでいる点で相
違している。従って、この炭化物を事業用ボイラの燃料
として使用したのでは前記と同様にバーナの作動不良や
ボイラチューブの腐食を引き起こすため、石炭に少量ず
つしか混入させることはできない。
【0007】以上のように、石炭焚き事業用ボイラな
ど、燃料の質が厳しく管理されたものに対して塩素分が
大きな影響を与えることに鑑みると、廃棄物を加熱処理
し、その加熱処理過程で生じた熱分解ガス及び炭化物を
事業用ボイラで適正に燃焼させるには、バーナーの作動
不良やボイラチューブの腐食を避けるために、石炭との
混合比で廃棄物(熱分解ガス及び炭化物)をわずかに1
%程度燃焼させ、全体に占める塩素分の割合を微少とし
て対応せざるを得ない。その結果、単位時間あたりの廃
棄物処理量が少なくなり、前記したゴミのエネルギ利用
効率の向上を達成することができない。
【0008】しかも、事業用ボイラでの燃焼後の排ガス
中に塩素分が含まれるため、排ガス規制を満足するため
に排ガス処理施設に塩素除去機能を付加する必要が生じ
る。しかし、排ガス中に少量含まれる塩素分を除去する
ために、大型の排ガス処理施設に塩素除去機能を付加す
るのでは、コストの面で好ましくない。また、石炭焚き
ボイラの排ガス処理過程で生じたダストは、石炭のみを
燃焼して得られることを前提として再利用可能であるの
に対し、排ガス中に多くの塩素分が含まれていたのでは
ダストから塩素分を除去する工程等が必要になるなど、
ダストの再利用価値を低下させることになる。
【0009】本発明は、以上の課題を解決するものであ
り、廃棄物を炭化させる工程で生じる熱分解ガスを事業
用ボイラや石炭ガス化設備(または排熱回収ボイラ)で
燃焼させずに用いることで、事業用ボイラ等に投入され
る塩素分の量を減少させ、これにより単位時間あたりの
廃棄物の処理量を増加させ、ゴミのエネルギ利用効率の
向上を図ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めに、請求項1に係る発明は、廃棄物を炭化してその炭
化物を石炭と混合しこれを火力発電装置で燃焼すること
により廃棄物を処理する方法であって、廃棄物を熱分解
炉で加熱することにより塩素を含んだ熱分解ガスと炭化
物とに熱分解させる熱分解工程と、熱分解ガスを燃焼し
てその燃焼ガスを熱分解炉の熱源とする燃焼工程と、燃
焼ガス中から少なくとも塩素分を除去する塩素除去工程
とを備える技術が採用される。この廃棄物処理方法で
は、熱分解ガスを火力発電装置の事業用ボイラや石炭ガ
ス化設備などではなく他の装置で燃焼して熱分解炉の熱
源としているため、熱分解ガス中に含まれる有機系塩素
が事業用ボイラ等に投入されず、その分だけ多くの炭化
物を事業用ボイラ等で燃焼させることができ、これによ
り単位時間あたりの廃棄物の処理量を増加させ、ゴミの
エネルギ利用効率の向上を図ることが可能となる。さら
に、燃焼ガス中の塩素分は塩素除去工程で除去されるた
め、廃棄物に含まれていた塩素分の少なくとも一部が効
率よく除去されることになる。
【0011】請求項2に係る発明は、請求項1の廃棄物
処理方法において、燃焼工程に先だって、熱分解ガス中
に混入している炭化物を取り除く技術が適用される。こ
の廃棄物処理方法では、熱分解ガス中に混入している微
粉状の炭化物を分離してから熱分解ガスを燃焼させるた
め、熱分解ガスの燃焼時に炭化物が影響を与えることを
回避し、安定した燃焼を実施するとともに、燃焼用バー
ナへの悪影響を軽減することが可能となる。
【0012】請求項3に係る発明は、請求項2の廃棄物
処理方法において、熱分解ガス中から取り除かれた炭化
物を石炭と混合する技術が適用される。この廃棄物処理
方法では、熱分解ガスから取り除かれた微粉状の炭化物
を事業用ボイラ等の燃料である石炭と混合させるため、
熱分解炉で生成された炭化物を効率よく燃料として用い
ることができ、より一層ゴミのエネルギ利用効率の向上
を図ることが可能となる。
【0013】請求項4に係る発明は、請求項1、2また
は3の廃棄物処理方法において、燃焼工程において、燃
焼ガスを所定の流体(例えば空気等)と熱交換してこの
流体を熱分解炉へ供給する技術が適用される。この廃棄
物処理方法では、燃焼ガスが直接熱分解炉に供給され
ず、熱交換された流体を熱分解炉に供給するため、熱分
解ガスに含まれる有機系塩素の影響を熱分解炉が受ける
ことがなく、さらに流体として熱分解炉等への影響が少
ないものを用いることにより、熱分解炉の腐食等を容易
かつ確実に回避することが可能となる。
【0014】請求項5に係る発明は、請求項1、2、3
または4の廃棄物処理方法において、燃焼ガスのうち、
熱分解炉への使用分を除いた余剰ガスを、乾燥機などの
熱源を必要とする機器の熱源として用いる技術が適用さ
れる。この廃棄物処理方法では、熱分解ガスを燃焼した
燃焼ガスのうち熱分解炉への供給分を除いた余剰分を他
の機器の熱源として用いるため、他の機器に必要な加熱
装置と代替させることにより、装置のコスト削減を図り
つつゴミのエネルギ利用効率を向上させることが可能と
なる。
【0015】請求項6に係る発明は、請求項1、2、
3、4または5記載の廃棄物処理方法において、塩素除
去工程で、燃焼ガス中に消石灰を加えて塩素分を除去す
る技術が適用される。この廃棄物処理方法では、燃焼ガ
ス中に消石灰を加えることにより燃焼ガス中の有機系塩
素(塩化水素)と消石灰(水酸化カルシウム)とを反応
させ、その反応物を除去することにより効率よく燃焼ガ
スから塩素分を除去することが可能となる。
【0016】請求項7に係る発明は、廃棄物を炭化して
その炭化物を石炭と混合しこれを火力発電装置で燃焼す
ることにより廃棄物を処理するシステムであって、廃棄
物を加熱することにより塩素を含んだ熱分解ガスと炭化
物とに熱分解させる熱分解炉と、熱分解ガスを燃焼して
その燃焼ガスを熱分解炉の熱源とする燃焼装置と、燃焼
装置で生じた燃焼ガス中から少なくとも塩素分を除去す
る塩素除去装置とを備える技術が適用される。この廃棄
物処理システムでは、熱分解炉からの熱分解ガスを火力
発電装置の事業用ボイラや石炭ガス化設備などではなく
燃焼装置で燃焼して熱分解炉の熱源として供給するた
め、熱分解ガス中に含まれる有機系塩素が事業用ボイラ
等に投入されず、その分だけ多くの炭化物を事業用ボイ
ラ等で燃焼させることができ、これにより単位時間あた
りの廃棄物の処理量を増加させ、ゴミのエネルギ利用効
率の向上を図ることが可能となる。さらに、燃焼ガス中
の塩素分は塩素除去装置で除去されるため、廃棄物に含
まれていた塩素分の少なくとも一部が効率よく除去され
ることになる。
【0017】請求項8に係る発明は、請求項7の廃棄物
処理システムにおいて、熱分解ガスが燃焼装置に送られ
る前に、熱分解ガス中に混入している炭化物を取り除く
ガス処理装置を備える技術が適用される。この廃棄物処
理システムでは、燃焼装置に送られる前の熱分解ガス中
に混入している微粉状の炭化物をガス処理装置によって
取り除くため、燃焼装置において熱分解ガスの燃焼時に
炭化物が影響を与えることを回避し、安定した燃焼を実
施するとともに、燃焼用バーナ等の燃焼装置への悪影響
を軽減することが可能となる。
【0018】請求項9に係る発明は、請求項8の廃棄物
処理システムにおいて、ガス処理装置で取り除かれた炭
化物を石炭と混合するための搬送経路を備える技術が適
用される。この廃棄物処理システムでは、ガス処理装置
で取り除かれた微粉状の炭化物を、搬送経路を介して事
業用ボイラ等の燃料である石炭と混合させるため、生成
された炭化物を効率よく燃料として用いることができ、
より一層ゴミのエネルギ利用効率の向上を図ることが可
能となる。
【0019】請求項10に係る発明は、請求項7、8ま
たは9の廃棄物処理システムにおいて、燃焼装置が、燃
焼ガスを所定の流体(例えば空気等)と熱交換してこの
流体を熱分解炉へ供給する熱交換機を備える技術が適用
される。この廃棄物処理システムでは、燃焼装置からの
燃焼ガスが直接熱分解炉に供給されず、熱交換機によっ
て熱交換された加熱流体を熱分解炉に供給するため、熱
分解ガスに含まれる有機系塩素の影響を熱分解炉が受け
ることがなく、さらに流体として熱分解炉等への影響の
少ないものを用いることにより、熱分解炉の腐食等を回
避することが可能となる。
【0020】請求項11に係る発明は、請求項7、8、
9または10の廃棄物処理システムにおいて、火力発電
装置に備える排ガス処理装置が塩素除去機能を有する場
合、塩素除去装置としてこの排ガス処理装置を用いる技
術が適用される。この廃棄物処理システムでは、火力発
電装置の事業用ボイラ等に付設された排ガス処理装置が
塩素除去機能を有している場合に、この排ガス処理装置
を用いて燃焼ガス中の塩素を除去できるため、塩素除去
装置を別途設置する必要がなく、本システムの簡略化を
図ることによりコストを低減することが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を図1〜図5を
参照して説明する。図1に示す廃棄物処理システムは、
紙類,廃プラスチックなどの都市ゴミや、わら,木材チ
ップ,廃パルプなどのバイオマス系の産業廃棄物(本明
細書中での廃棄物)を火力発電装置X1の石炭焚き事業
用ボイラ1で燃焼させるものである。図1では、廃棄物
処理のフロー図を示しており、実線矢印は固形物の流
れ、点線矢印は気体の流れを表している。先ず、図1に
示す火力発電装置X1は、ミル2,事業用ボイラ1,排
ガス処理装置3によって概略構成される。そして、火力
発電装置X1に備える石炭焚きの事業用ボイラ1として
は、例えば微粉炭焚ボイラやストーカ焚ボイラ,流動床
ボイラなどがあり、いずれも石炭を燃料とするものであ
る。
【0022】微粉炭焚ボイラは、石炭バンカ(図示せ
ず)から取り出された石炭Cをミル2で微粉状に粉砕
し、1次空気によりバーナから炉内へ吹き込んで浮遊燃
焼させる方式を採用しており、燃焼ガスの滞留時間を長
くとり未燃分が低く、高い燃焼効率を実現できる。
【0023】ストーカ焚ボイラは、石炭を散布機により
火格子上に散布する方式を採用しており、浮遊中に乾燥
されながら燃えつつある石炭上に新たな石炭を薄く広く
散布することにより、容易に着火、燃焼し、着火しにく
い石炭での比較的安定した燃焼が得られる。なお、スト
ーカ焚ボイラでは石炭Cを微粉状に粉砕する必要がない
ため、ミル2は不要である。
【0024】流動床ボイラは、燃焼炉の下部に設置した
空気散布板から送入した空気によって灼熱された砂(ベ
ッド材)を炉内で流動させて流動床を形成し、この流動
床に投入された燃料を瞬時に乾燥・着火する方式を採用
しており、ベッド材の流動と長い滞留時間により効率よ
く燃焼させ、低品位炭をはじめ全炭種を焚くことができ
る。なお、流動床ボイラにおいても石炭Cを微粉状に粉
砕する必要がないため、ミル2は不要である。
【0025】そして、事業用ボイラ1によって生じた蒸
気により蒸気タービン(図示せず)を回転させ、この蒸
気タービンに接続された発電機(図示せず)により発電
を実施するものである。なお、事業用ボイラ1から排出
された排ガスは排ガス処理装置3によって処理されてか
ら大気に放出される。排ガス処理装置3は、例えばガス
冷塔,サイクロンなどの集じん器,乾式アンモニア接触
還元法を採用する脱硝装置,高温乾式や湿式による石灰
石石膏法を採用する脱硫装置などにより構成される。こ
の排ガス処理装置3によって分離されたダスト(石炭
灰)は各種再利用される。
【0026】次に、前記した事業用ボイラ1を用いて廃
棄物を処理するシステムについて説明する。廃棄物H
は、先ず破砕機4に投入されて破砕される。このとき、
廃棄物は、後述する熱分解炉6での熱効率をあげるため
におよそ150mm以下に破砕される。そして、破砕さ
れた廃棄物Hは、乾燥機5に投入されて効率よく乾燥
(水分を除去)されてから熱分解炉6に送られる。
【0027】通常、廃棄物Hには水分を約30%〜60
%ほど含んでいると考えられ、水分による熱分解効率の
低下を防止するためにも乾燥機5により短時間で廃棄物
Hから水分を除去することが好ましい。ただし、比較的
水分含有量の少ない廃棄物Hを処理するのであれば、自
然乾燥もしくはそのまま熱分解炉6への投入が可能であ
り、本システムにおいて破砕された廃棄物Hを乾燥機5
により乾燥させるか否かは任意である。
【0028】図2は、熱分解炉6の一例を示す模式図で
あり、外熱式ロータリキルンを示している。この熱分解
炉6は、回転可能に軸支された外筒61と、外筒61内
に所定の隙間62を隔てて設置された内筒63と、内筒
63へ破砕された廃棄物Hを投入するための投入口64
と、内筒63内で熱分解された熱分解ガス及び炭化物を
排出するための排出部65と、外筒61の一端から燃焼
ガスを隙間62へ流入させる流入口66と、隙間62を
通った燃焼ガスを外筒61の他端からから排出する排出
口67とで概略構成されている。なお、外筒61及び内
筒63は、外筒61の外周面に設けられた歯車68が不
図示の駆動源(モータ等)からの駆動力を受けて所定速
度で回転する。
【0029】そして、この熱分解炉6は、内筒63内を
大気と遮断すなわち内筒63内を無酸素または酸素不足
雰囲気に設定した状態で、隙間62内に燃焼ガスが供給
されることにより、内筒63内に投入された廃棄物Hを
間接加熱する。廃棄物Hの加熱中は外筒61が回転して
おり、この回転によって内筒63内の廃棄物Hは加熱さ
れながら内筒63内を転動するため、加熱ムラが生じる
のを回避し、さらに転動による衝撃でより一層破砕され
る。
【0030】なお、熱分解炉6としては、図2に示すよ
うな外熱式ロータリキルンに限定するものではなく、無
酸素または酸素不足雰囲気において廃棄物Hを加熱でき
る各種のものが適用できる。例えば、筒状体の内側空間
に複数のパイプを配置してこれに燃焼ガスを流すことに
より筒状体内部を加熱するタイプなどいわゆる連続処理
式タイプや、燃焼炉を用いて所定量の廃棄物づつ加熱す
るいわゆるバッチ式タイプのものであってもよい。
【0031】廃棄物Hは、無酸素または酸素不足雰囲気
で加熱されることにより、可燃性の熱分解ガスSとチャ
ー(炭化物)Tとに熱分解されて排出部65からそれぞ
れ取り出される(熱分解工程)。なお、廃棄物H中に
は、塩化ビニル等の有機系塩素と、塩化ナトリウム等の
無機系塩素とがおよそ半々の割合で存在することを前記
した。そして、有機系塩素のうち80〜90%は塩化水
素として熱分解ガスSに含まれ、一方無機系塩素は、加
熱処理後も分解せずにチャーTの中に大部分が残った状
態となっている。
【0032】図1に戻り、熱分解炉6から排出されたチ
ャーTは、選別装置7に送られる。選別装置7は、廃棄
物Hに混入しているアルミ缶や鉄缶,ガレキ,金属線な
どの不燃物をチャーTから取り除くものである。選別装
置7の構成としては、例えば所定の隙間を持つ選別部分
の上にチャーTを供給し、熱分解によって炭化したチャ
ーTを隙間から下方に落とす一方、アルミ缶等の不燃物
を隙間上に貯留させる構成のものが採用される。さら
に、選別装置7においては、除去された不燃物を有価金
属ごとに選別させることも可能である。ただし、廃棄物
H中に不燃物がないことが明らかであれば選別装置7は
必ずしも必要ではない。
【0033】選別装置7によって不燃物が除去されたチ
ャーTは貯留槽Wに送られて貯留され、ここから所定量
づつ取り出されて火力発電装置X1(事業用ボイラ1)
の燃料である石炭Cに混入されることにより石炭Cとと
もに事業用ボイラ1で燃焼される。ただし、チャーTを
貯留槽Wで貯留するか否かは任意であり、例えば選別装
置7を経たチャーTをそのまま石炭Cに混入させること
も可能である。また、事業用ボイラ1が微粉炭焚ボイラ
である場合、チャーTが既に微粉状であれば石炭Cとと
もにミル2で粉砕する必要はなく、例えばミル2の下流
側においてチャーTを石炭Cに混入させるようにしても
よい。
【0034】ここで、前記のとおりチャーTには無機系
塩素の大部分が残っているので石炭Cと多量に混合させ
ることはできない。しかし、後述するが、熱分解ガスS
はチャーTと異なるルートで処理され、事業用ボイラ1
で燃焼させないことから、事業用ボイラ1に投入可能な
塩素量が決められているとすれば、有機系塩素を80〜
90%有する熱分解ガスSを事業用ボイラ1で燃焼しな
い分だけ多くの(およそ2倍の)チャーTを石炭Cに混
合でき、その結果単位時間あたりの廃棄物Hの処理量が
およそ2倍となる。
【0035】また、排ガス処理装置3から取り出される
ダストについては、全体に占める塩素が微少であること
からその後の処理にほとんど影響を与えない。従って、
廃棄物を焼却炉で焼却したときに生じる灰の処理にコス
トがかかっていたことと比較して既存のダスト処理施設
をそのまま利用することができ、コストを削減すること
ができる。
【0036】続いて、熱分解炉6から排出された熱分解
ガスSは、ガス処理装置8に送られる。ガス処理装置8
は、熱分解ガスS中に混入している微粉状のチャーT1
を除去するための集じん器(例えばサイクロンなど)を
備えている。さらに、ガス処理装置8として、熱分解ガ
スS及びその油成分を分離除去する機能などを付加する
ことも可能である。なお、分離された油成分は、バーナ
等の各種燃料として用いられる。
【0037】なお、ガス処理装置8は、廃棄物Hの質変
動による下流装置の影響をやわらげるバッファ的な役割
を持つ。また、ガス処理装置8で取り出されたチャーT
1を、選別装置7からのチャーTと同様に貯留槽Wに送
り、ここから火力発電装置X1の石炭Cに混入させるた
めの搬送通路9が設けられている。チャーT1は実質的
にチャーTと同じものであり、石炭Cに混入可能である
点はチャーTと同様である。ただし、ガス処理装置8及
び搬送通路9の設置は任意であり、下流の燃焼装置10
が微粉状のチャーT1の混入や廃棄物Hの質変動を許容
できるものであれば、必ずしも必要ではない。また、チ
ャーT1を貯留槽Wに溜めずにそのまま石炭Cに混入可
能な点もチャーTと同様である。
【0038】ガス処理装置8で処理された熱分解ガスS
は、燃焼装置10に送られて燃焼されて燃焼ガス(熱
風)を発生する。燃焼装置10は、熱分解ガスSをバー
ナにより燃焼して燃焼ガスGを発生させるものであり、
この燃焼ガスGは、熱分解炉6に供給されて廃棄物Hを
加熱するための熱源となる(燃焼工程)。すなわち、燃
焼装置10からの燃焼ガスGは、図2に示す外熱式ロー
タリキルンにおいて、流入口66から隙間62を通り排
出口67から排出されるといった経路を流れており、隙
間62を通る間に内筒63内を加熱するものである。
【0039】なお、熱分解炉6の熱源として必要な量以
外の燃焼ガスGは、余剰ガスYとして熱分解炉6には送
られず、熱分解炉6から排出された燃焼ガスGと合流さ
せる。この余剰ガスYは、乾燥機5や他の補器などの熱
源が必要な装置の熱源として用いられる。これにより乾
燥機5等の装置の熱源が不要となり、システムのコスト
を低減できる。ただし、余剰ガスYを乾燥機5等の熱源
として用いずに、下流の塩素除去装置11へ送るように
してもよい。
【0040】図3は、燃焼装置10の他の形態を示す概
念図である。熱分解ガスSの燃焼後では有機系塩素は塩
化水素となり、燃焼ガスGは塩化水素を含んだ状態とな
っており、この状態のまま熱分解炉6に供給したのでは
熱分解炉6の腐食など劣化の原因となる。従って、燃焼
装置10の下流側に熱交換器11を設置し、燃焼ガスG
と空気Aとを熱交換器11により熱交換し、加熱された
空気Aを熱分解炉6に供給する。これにより熱分解炉6
は塩素分による影響を受けないようにすることができ
る。なお熱分解炉6から排出された空気Aは大気に放出
される。
【0041】ただし、燃焼ガスGとの熱交換の対象とし
て空気に限定するものではなく、例えばオイル等の流体
を用いてもよい。この場合、熱交換器11により加熱さ
れたオイル等を熱分解炉6へ供給し、また熱分解炉6か
ら排出されたオイル等は熱交換器11へ送って再度燃焼
ガスGと熱交換して熱分解炉6へ送られるといった流体
の循環経路を形成してもよい。
【0042】図1に戻り、熱分解炉6から排出された燃
焼ガスG及び余剰ガスYは、塩素除去装置12に送られ
る。燃焼ガスG及び余剰ガスY(以下、燃焼ガスG等と
いう。)は、有機系塩素の80〜90%を含んでいるた
め、そのままでは大気に放出することができない。塩素
除去装置12は、消石灰投入装置13や、サイクロンな
どの集じん器14、ガス冷塔(図示せず)などを備え、
消石灰投入装置13で燃焼ガスG等に消石灰を加えるこ
とにより塩素分を塩化カルシウムとし、これを下流の集
じん器14で捕集して燃焼ガスG等から塩素分を除去す
る(塩素除去工程)。
【0043】ただし、塩素除去装置12は、これに限定
するものではなく、燃焼ガスG等から塩素分を除去でき
る各種の装置が適用される。なお、塩素除去装置12に
より塩素分が除去された燃焼ガスG等は排ガスとして処
理される。すなわち、排ガスは、排ガス規制等に適合す
るように脱硝装置15などで処理されてから大気中に放
出される。
【0044】図4は、塩素除去装置12の他の実施形態
を示すものである。図4では、事業用ボイラ1の排ガス
処理装置16が脱塩素機能を有している場合において、
燃焼ガスG等を直接排ガス処理装置16に送り、ここで
塩素を除去してから大気に放出するようにしている。こ
のように、事業用ボイラ1の排ガス処理装置16が脱塩
素機能を有しているときは、燃焼ガスG等の塩素除去を
図1に示すような専用の塩素除去装置12を用いる必要
がなく、これによりシステムの簡略化が図られ、コスト
を低減できる。なお、排ガス処理装置16は、図1の排
ガス処理装置3と同様にガス冷塔,集じん器,脱硝装
置,脱硫装置などを備えている。
【0045】図5は、廃棄物処理システムの他の実施形
態(廃棄物処理のフロー図)を示している。なお、図5
においても実線矢印は固形物の流れ、点線(一点鎖線及
び二点鎖線を含む)矢印は気体の流れを表している。図
1との相違点として、図1が石炭焚きの事業用ボイラ1
を用いた火力発電装置X1であるのに対し、図5が石炭
ガス化設備18を用いた火力発電装置X2である点で相
違する。なお、図5に示す火力発電装置X2はいわゆる
石炭ガス化複合発電施設であり、ミル17,石炭ガス化
設備18,ガス精製装置19,ガスタービン20,発電
機21,コンプレッサ22,空気分離装置23,排熱回
収ボイラ24,蒸気タービン25,復水器26,排ガス
処理装置27によって概略構成されている。
【0046】先ず、燃料である石炭Cは、ミル17で微
粉状に粉砕され(ただし、ミル17の設置は任意であ
る。)、石炭ガス化設備18のガス化炉(図示せず)に
投入される。そして、石炭ガス化設備18において石炭
Cをガス化させるものであり、石炭Cとして低品位炭か
ら無煙炭までを同一炉でガス化することができる。
【0047】ところで、石炭Cのガス化は、石炭Cと、
その石炭Cが完全燃焼するのに必要な酸素量の約半分を
ガス化炉に供給することにより、石炭Cを部分燃焼させ
て一酸化炭素や水素を主成分とする高温・高圧の可燃性
ガスFを生成するプロセスである。このとき、石炭Cに
水を入れて燃料スラリを形成することにより、スラリ中
の水が炭素と反応して水性ガス化反応を起こし、ガス化
を促進することが可能である。なお、石炭ガス化設備で
生じた灰は、ガラス状のスラグとして排出される。
【0048】石炭ガス化設備18で生成された高温・高
圧の可燃性ガスFは、ガス精製装置19に送られる。ガ
ス精製装置19は、脱硫塔などの硫黄分を回収するため
の脱硫装置や、フィルタなどの脱じん装置などを備え、
可燃性ガスFを高温乾式処理するものである。なお、こ
のガス精製装置19では、脱じん装置により可燃性ガス
Fから除去された異物はダストとして排出処理される。
【0049】ガス精製装置19によって精製された可燃
性ガスFは高温・高圧のままガスタービン20へ供給さ
れる。ガスタービン20は、その回転軸20aが発電機
21に接続されており、可燃性ガスFの圧力を受けて回
転することにより回転軸20aを介して発電機21を駆
動し、発電を実施する。同時に、ガスタービン20の回
転軸20aに配置されたコンプレッサ22を駆動して空
気を圧縮して空気分離装置23に送っている。空気分離
装置23は、石炭ガス化設備18において石炭を部分燃
焼させるための酸素を生成するものであり、精留塔を用
いて圧縮空気を酸素と窒素とに分離する高圧深冷分離法
が適用され、生成された酸素を石炭ガス化設備18のガ
ス化炉に供給する。
【0050】ガスタービン20を駆動した後の可燃性ガ
スFは、排熱回収ボイラ24に送られてバーナ等で燃焼
され排熱回収ボイラ24の熱源として使用される。排熱
回収ボイラ24で生じた蒸気は、ガスタービン20の回
転軸20aに配置された蒸気タービン25に送られてこ
れを回転させる。従って、蒸気タービン25が回転する
ことにより回転軸20aを介して発電機21を駆動し、
発電を実施する。
【0051】蒸気タービン25を駆動した後の蒸気は、
復水器26で冷却水と熱交換されて腹水となって排熱回
収ボイラ24に戻される。また、復水器26で冷却され
た腹水の一部は、石炭ガス化設備18に送られ、この石
炭ガス化設備18(ガス化炉)を熱源として蒸気とし、
この蒸気を蒸気タービン25へ送るようにしている。
【0052】このように、火力発電装置X2は、可燃性
ガスFの圧力によるガスタービン20の回転と、蒸気に
よる蒸気タービン25の回転によって発電機21で発電
するものであり、ガスタービン20を駆動した可燃性ガ
スFの燃焼及び石炭ガス化設備18のガス化炉を熱源と
することにより得られた蒸気でさらに蒸気タービン25
を駆動するため、熱効率が高く、ひいては高効率で発電
することができる。
【0053】排熱回収ボイラ24から排出された排ガス
は排ガス処理装置27によって処理されてから大気に放
出される。排ガス処理装置27は、図1に示す排ガス処
理装置3と同様に例えばガス冷塔,集じん器,脱硝装
置,脱硫装置などにより構成される。また、この排ガス
処理装置27によって分離されたダスト(石炭灰)が各
種再利用される点も同様である。
【0054】図5に示すように、以上説明した火力発電
装置X2において、石炭ガス化設備18のガス化炉の燃
料である石炭Cに対して、廃棄物Hを熱分解して得られ
たチャー(炭化物)Tを混入させることができる。な
お、石炭Cに混入するチャーTが生成されるまでの工程
は図1に示すものと同様のため省略する。また、ミル1
7の下流側においてチャーTを石炭Cに混入可能な点は
図1に示す火力発電装置X1と同様である。
【0055】そして、前記のとおりチャーTには無機系
塩素の大部分が残っているものの、熱分解ガスSを石炭
ガス化設備18のガス化炉で燃焼させないため、ガス化
炉に投入可能な塩素量が決められているとすれば、有機
系塩素を80〜90%有する熱分解ガスSを投入しない
分だけ多くの(およそ2倍の)チャーTを石炭Cに混合
でき、その結果単位時間あたりの廃棄物Hの処理量がお
よそ2倍となる。
【0056】また、石炭ガス化設備18だけでなく、下
流装置であるガス精製装置19,ガスタービン20,排
熱回収ボイラ24も塩素による腐食等の影響を受ける
が、前記のように、およそ2倍のチャーTを石炭Cに混
合したところで熱分解ガスSが投入されていないため、
これら下流装置への塩素分による腐食等の悪影響が大き
くなることはない。さらに、排ガス処理装置27から取
り出されるダストについては、図1に示す排ガス処理装
置3と同様に、灰全体に占める塩素が微少であることか
らその後の処理にほとんど影響を与えない。従って、焼
却炉から生じる灰の処理と比較して既存のダスト処理施
設をそのまま利用することができ、コストを削減するこ
とができる。
【0057】なお、前記実施の形態において示した各構
成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明
の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき
種々変更可能である。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る廃
棄物処理方法は、熱分解ガスを火力発電装置の事業用ボ
イラや石炭ガス化設備などではなく他の装置で燃焼して
熱分解炉の熱源としているため、熱分解ガス中に含まれ
る有機系塩素が事業用ボイラ等に投入されず、その分だ
け多くの炭化物を事業用ボイラ等で燃焼させることがで
き、これにより単位時間あたりの廃棄物の処理量を増加
させ、ゴミのエネルギ利用効率の向上を図ることができ
る。また、熱分解ガスを燃焼して熱分解炉の熱源とする
ため、熱分解炉を加熱するためのコストを削減でき、よ
り安価に廃棄物を処理することができる。さらに、燃焼
ガス中の塩素分は塩素除去工程で除去されるため、廃棄
物に含まれていた塩素分の少なくとも一部が効率よく除
去されることになる。
【0059】請求項2に係る廃棄物処理方法は、熱分解
ガス中に混入している微粉状の炭化物を分離してから熱
分解ガスを燃焼させるため、熱分解ガスの燃焼時に炭化
物が影響を与えることを回避し、安定した燃焼を実施す
るとともに、燃焼用バーナへの悪影響を軽減することが
できる。
【0060】請求項3に係る廃棄物処理方法は、熱分解
ガスから取り除かれた微粉状の炭化物を事業用ボイラ等
の燃料である石炭と混合させるため、熱分解炉で生成さ
れた炭化物を効率よく燃料として用いることができ、よ
り一層ゴミのエネルギ利用効率の向上を図ることができ
る。
【0061】請求項4に係る廃棄物処理方法は、燃焼ガ
スが直接熱分解炉に供給されず、熱交換された流体(例
えば空気等)を熱分解炉に供給するため、熱分解ガスに
含まれる有機系塩素の影響を熱分解炉が受けることがな
く、さらに流体として熱分解炉等への影響が少ないもの
を用いることにより、熱分解炉の腐食等を容易かつ確実
に回避することができる。
【0062】請求項5に係る廃棄物処理方法は、熱分解
ガスを燃焼した燃焼ガスのうち熱分解炉への供給分を除
いた余剰分を他の機器の熱源として用いるため、他の機
器に必要な加熱装置と代替させることにより、装置のコ
スト削減を図りつつゴミのエネルギ利用効率を向上させ
ることができる。
【0063】請求項6に係る廃棄物処理方法は、燃焼ガ
ス中に消石灰を加えることにより燃焼ガス中の有機系塩
素(塩化水素)と消石灰(水酸化カルシウム)とを反応
させ、その反応物を除去することにより効率よく燃焼ガ
スから塩素分を除去することができる。
【0064】請求項7に係る廃棄物処理システムは、熱
分解炉からの熱分解ガスを火力発電装置の事業用ボイラ
や石炭ガス化設備などではなく燃焼装置で燃焼して熱分
解炉の熱源として供給するため、熱分解ガス中に含まれ
る有機系塩素が事業用ボイラ等に投入されず、その分だ
け多くの炭化物を事業用ボイラ等で燃焼させることがで
き、これにより単位時間あたりの廃棄物の処理量を増加
させ、ゴミのエネルギ利用効率の向上を図ることができ
る。また、熱分解ガスを燃焼して熱分解炉の熱源とする
ため、熱分解炉を加熱するためのコストを削減でき、よ
り安価に廃棄物を処理することができる。さらに、燃焼
ガス中の塩素分は塩素除去工程で除去されるため、廃棄
物に含まれていた塩素分の少なくとも一部が効率よく除
去されることになる。
【0065】請求項8に係る廃棄物処理システムは、燃
焼装置に送られる前の熱分解ガス中に混入している微粉
状の炭化物をガス処理装置によって取り除くため、燃焼
装置において熱分解ガスの燃焼時に炭化物が影響を与え
ることを回避し、安定した燃焼を実施するとともに、燃
焼用バーナ等の燃焼装置への悪影響を軽減することがで
きる。
【0066】請求項9に係る廃棄物処理システムは、ガ
ス処理装置で取り除かれた微粉状の炭化物を、搬送経路
を介して事業用ボイラ等の燃料である石炭と混合させる
ため、生成された炭化物を効率よく燃料として用いるこ
とができ、より一層ゴミのエネルギ利用効率の向上を図
ることができる。
【0067】請求項10に係る廃棄物処理システムは、
燃焼装置からの燃焼ガスが直接熱分解炉に供給されず、
熱交換器によって熱交換された加熱流体(例えば空気
等)を熱分解炉に供給するため、熱分解ガスに含まれる
有機系塩素の影響を熱分解炉が受けることがなく、さら
に流体として熱分解炉等への影響の少ないものを用いる
ことにより、熱分解炉の腐食等を容易かつ確実に回避す
ることができる。
【0068】請求項11に係る廃棄物処理システムは、
火力発電装置の事業用ボイラ等に付設された排ガス処理
装置が塩素除去機能を有している場合に、この排ガス処
理装置を用いて燃焼ガス中の塩素を除去できるため、塩
素除去装置を別途設置する必要がなく、本システムの簡
略化を図ることによりコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る廃棄物処理システムの実施形態
を示すフロー図である。
【図2】 熱分解炉の一例を示す斜視図である。
【図3】 燃焼装置の他の実施形態を示すフロー図であ
る。
【図4】 塩素除去装置の他の実施形態を示すフロー図
である。
【図5】 本発明に係る廃棄物処理システムの他の実施
形態を示すフロー図である。
【符号の説明】
C 石炭 H 廃棄物 T,T1 チャー(炭化物) X1,X2 火力発電装置 S 熱分解ガス G 燃焼ガス Y 余剰ガス 1 事業用ボイラ 3,16,27 排ガス処理装置 6 熱分解炉 8 ガス処理装置 9 搬送経路 10 燃焼装置 11 熱交換器 12 塩素除去装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F23G 5/46 ZAB B09B 3/00 302E (72)発明者 西野 順也 神奈川県横浜市磯子区新中原町1番地 石 川島播磨重工業株式会社技術研究所内 (72)発明者 石野森 禎 東京都江東区豊洲3丁目2番16号 石川島 播磨重工業株式会社豊洲総合事務所内 (72)発明者 綾部 統夫 神奈川県横浜市磯子区新中原町1番地 石 川島播磨重工業株式会社技術研究所内 (72)発明者 上野 俊一朗 神奈川県横浜市磯子区新中原町1番地 石 川島播磨重工業株式会社技術研究所内 (72)発明者 田原 賢一 神奈川県横浜市磯子区新中原町1番地 石 川島播磨重工業株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 3G081 BA02 BA13 BB00 BC05 BD00 DA12 DA14 3K061 AA07 AB02 AC13 AC17 AC19 BA05 BA10 CA01 CA07 FA10 FA21 3K065 AA07 AB02 AC13 AC17 AC19 BA05 BA10 CA02 CA16 JA05 JA13 JA18 JA19 JA20 3K078 AA05 BA22 BA23 BA26 CA02 CA06 CA21 CA24 4D004 AA02 AA07 AA12 AA46 BA03 CA04 CA07 CA24 CA26 CA27 CA42 CB09 CB13 CB50 CC11 CC15

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃棄物を炭化してその炭化物を石炭と混
    合しこれを火力発電装置で燃焼することにより前記廃棄
    物を処理する方法であって、 前記廃棄物を熱分解炉で加熱することにより塩素を含ん
    だ熱分解ガスと炭化物とに熱分解させる熱分解工程と、
    該熱分解ガスを燃焼してその燃焼ガスを該熱分解炉の熱
    源とする燃焼工程と、前記燃焼ガス中から少なくとも塩
    素分を除去する塩素除去工程とを備えることを特徴とす
    る廃棄物処理方法。
  2. 【請求項2】 前記燃焼工程に先だって、該熱分解ガス
    中に混入している炭化物を取り除くことを特徴とする請
    求項1記載の廃棄物処理方法。
  3. 【請求項3】 前記熱分解ガス中から取り除かれた炭化
    物を石炭と混合することを特徴とする請求項2記載の廃
    棄物処理方法。
  4. 【請求項4】 前記燃焼工程において、前記燃焼ガスを
    所定の流体と熱交換して該流体を前記熱分解炉へ供給す
    ることを特徴とする請求項1、2または3記載の廃棄物
    処理方法。
  5. 【請求項5】 前記燃焼ガスのうち、前記熱分解炉への
    使用分を除いた余剰ガスを、乾燥機などの熱源を必要と
    する機器の熱源として用いることを特徴とする請求項
    1、2、3または4記載の廃棄物処理方法。
  6. 【請求項6】 前記塩素除去工程では、前記燃焼ガス中
    に消石灰を加えて塩素分を除去することを特徴とする請
    求項1、2、3、4または5記載の廃棄物処理方法。
  7. 【請求項7】 廃棄物を炭化してその炭化物を石炭と混
    合しこれを火力発電装置で燃焼することにより前記廃棄
    物を処理するシステムであって、 前記廃棄物を加熱することにより塩素を含んだ熱分解ガ
    スと炭化物とに熱分解させる熱分解炉と、該熱分解ガス
    を燃焼してその燃焼ガスを該熱分解炉の熱源とする燃焼
    装置と、該燃焼装置で生じた燃焼ガス中から少なくとも
    塩素分を除去する塩素除去装置とを備えることを特徴と
    する廃棄物処理システム。
  8. 【請求項8】 前記熱分解ガスが前記燃焼装置に送られ
    る前に、該熱分解ガス中に混入している炭化物を取り除
    くガス処理装置を備えることを特徴とする請求項7記載
    の廃棄物処理システム。
  9. 【請求項9】 前記ガス処理装置で取り除かれた炭化物
    を石炭と混合するための搬送経路を備えることを特徴と
    する請求項8記載の廃棄物処理システム。
  10. 【請求項10】 前記燃焼装置は、燃焼ガスを所定の流
    体と熱交換して該流体を前記熱分解炉へ供給する熱交換
    機を備えることを特徴とする請求項7、8または9記載
    の廃棄物処理システム。
  11. 【請求項11】 前記火力発電装置に備える排ガス処理
    装置が塩素除去機能を有する場合、前記塩素除去装置と
    して該排ガス処理装置を用いることを特徴とする請求項
    7、8、9または10記載の廃棄物処理システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102563659A (zh) * 2012-03-02 2012-07-11 唐伟民 垃圾焚烧发电工艺及其设备
JP2016500554A (ja) * 2012-09-28 2016-01-14 カサンドラ オイル テクノロジー アーベー リアクタ、リアクタにおける効率を高める方法、及び、リアクタの使用方法

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