JP2000282267A - アルミニウム合金の防錆・親水化処理剤およびこれを用いた防錆・親水化処理方法 - Google Patents

アルミニウム合金の防錆・親水化処理剤およびこれを用いた防錆・親水化処理方法

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JP2000282267A
JP2000282267A JP11085974A JP8597499A JP2000282267A JP 2000282267 A JP2000282267 A JP 2000282267A JP 11085974 A JP11085974 A JP 11085974A JP 8597499 A JP8597499 A JP 8597499A JP 2000282267 A JP2000282267 A JP 2000282267A
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Kentaro Saito
賢太朗 斉藤
Katsuyoshi Yamazoe
勝芳 山添
Hiroyuki Nojiri
弘之 野尻
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 処理が1回に行うことができ、しかも長期に
わたって防錆性と親水性を付与することができる熱交換
器に優れた熱交換器をアルミニウム合金の防錆・親水化
処理剤およびそれを用いる表面処理方法。 【解決手段】 ジルコニウム化合物、架橋性樹脂および
親水性樹脂を含有し、pH1〜5に調整したアルミニウ
ム合金の防錆・親水化処理剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【用語の定義】明細書中において「アルミニウム合金」と
は、アルミニウムが含まれる合金およびアルミニウム自
体で形成されるものすべてを含む概念である。
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウム合金の防
錆・親水化処理剤およびそれを用いた防錆・親水化処理
方法に関する。より詳しくは、本発明は、防錆、親水性
および耐無臭性に優れたアルミニウム合金製熱交換器、
たとえばカーエアコンなどのフィンなどの防錆・親水化
処理剤およびそれを用いた処理方法に関する。
【0003】
【従来の技術】熱交換器などのフィンには一般にアルミ
ニウム合金が使用されている。このアルミニウム合金の
防錆は以前は主としてクロム化合物、たとえば重リン酸
クロム、硝酸クロムおよび硫酸クロムなどが一般的に用
いられてきた。しかしながら、クロム化合物は、使用が
制限されてきており、クロム化合物に代わる防錆剤が検
討されている。その中にジルコニウム化合物類、たとえ
ば炭酸ジルコニウムアンモンなども提案されている。
【0004】熱交換器は一般的に熱交換効率を向上させ
るために、熱交換部分の面積をできるだけ大きくとるよ
うに設計がされており、しかも小形化を計るために一般
にフィンの間隔は極めて狭くなっている。その結果、熱
交換中に水分がフィンの間隙に凝縮して水滴となり、通
風抵抗が増大して熱交換器の性能の低下、すなわち熱交
換効率の低下が起こるだけではなく水滴が熱交換器の中
に飛散するという問題があった。また、熱交換器に付着
した凝縮水のために、フィンの間隙に微生物が繁殖し、
この微生物による不快臭が生じることも問題となってい
た。
【0005】このような問題を解決するために、特開昭
61−250495号公報には、アルミニウム合金の表
面上に防錆被膜を形成し、さらにその上に親水性を付与
する樹脂被膜を形成することが提案されている。親水性
被膜が存在することにより、凝縮水が局在化する問題が
避けられ、通風抵抗の増大が解決される。また、微生物
による不快臭の問題は、上記のような親水性被膜中に防
カビ剤や消臭剤を添加することにより有効に防止するこ
とができる。
【0006】ところが、上記特開昭61−250495
号公報の技術では、親水性被膜の耐水性不足により、長
期使用に堪えない欠点がある。特開平7−323500
号公報には新たにこの欠点を解決するために、アミド、
ヒドロキシ、カルボキシル基のいずれかを有する架橋性
重合体、架橋剤、およびスルホン酸基、またはスルホン
酸塩基を有する水溶性化合物を含有する水溶性樹脂層を
形成する方法が開示されている。
【0007】しかしながら、特開昭61−250495
号公報の方法あるいは特開平7−323500号公報の
方法のいずれも、防錆層と水溶性樹脂層の2つの層をア
ルミニウム合金上に形成する必要があり、必ず2回の塗
布工程が必要となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明では、上記のよ
うに2層を形成するのではなく、一度に処理することに
より、防錆・親水化の両方の処理を行うことができるよ
うにすることを目的とする。このように一度で防錆処理
と親水化処理を行うことができると、塗布工程が簡略化
し、製造コストの大きな低減につながる。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明はジルコニウムの酸化物、酸素酸塩、有機酸塩
およびフルオロ錯塩の少なくとも1種をジルコニウムの
量で100〜50,000ppm、ジルコニウムと反応性を
有する架橋性樹脂を固形分濃度100〜100,000p
pm、および水溶性であり、かつ親水基として水酸基、カ
ルボキシル基、アミド基またはエーテル基を有する親水
性樹脂を固形分濃度50〜100,000ppmを含有し、
pH1〜5に調整したアルミニウム合金の防錆・親水化
処理剤を提供する。
【0010】本発明はアルミニウム合金からなる基材を
防錆・親水化処理剤を塗布することにより防錆・親水化
処理する方法において、該防錆・親水化処理剤がジルコ
ニウムの酸化物、酸素酸塩、有機酸塩およびフルオロ錯
塩の少なくとも1種をジルコニウムの量で100〜5
0,000ppm、ジルコニウムと反応性を有する架橋性樹
脂を固形分濃度100〜100,000ppm、および水溶
性であり、かつ親水基として水酸基、カルボキシル基、
アミド基またはエーテル基を有する親水性樹脂を固形分
濃度50〜100,000ppmを含有し、pH1〜5であ
る処理浴を用いて、浴温20〜70℃で5〜90秒間処
理することを特徴とするアルミニウム合金の防錆・親水
化処理方法を提供する。
【0011】本発明で用いるジルコニウム化合物は防錆
剤として有用なジルコニウムの酸化物、酸素酸塩、有機
酸塩およびフルオロ錯塩の少なくとも1種(以下、「ジ
ルコニウム化合物(a)」という。)である。ジルコニウ
ム酸化物の例としては、ZrO2、ZrO32H2Oまた
はK4ZrO4・4H22・2H2Oが挙げられる。ジル
コニウムの酸素酸塩としては、Zr(NO3)4、Zr(N
3)2、Zr(SO4)2、Zr(H2PO4)2、ZrP27
たはZrSiO4が挙げられる。ジルコニウムの有機酸
塩としては、Zr(CH3CO2)4またはZrO(CH3
2)2が挙げられる。ジルコニウムのフルオロ錯塩の例
としては、ヘキサフルオロジルコニウム酸塩またはオク
タフルオロジルコニウム酸塩が挙げられる。ジルコニウ
ム化合物(a)は組成物中にジルコニウムとして100〜
50,000ppm、望ましくは1,000〜20,000pp
mの量で存在する。この濃度よりも低いと耐食性が悪
く、逆に高いと処理浴の安定性が低下する。
【0012】ジルコニウムと反応性を有する架橋性樹脂
(b)はジルコニウムと架橋するポリマーであればいかな
るものを用いてもよいが、より具体的にはポリビニルア
ルコールが挙げられる。使用しうるポリビニルアルコー
ルとしては平均分子量1,000〜1,000,000、
望ましくは10,000〜500,000、より好ましく
は50,000〜200,000のものである。分子量
が1,000より低いと膜の水溶解性が高すぎて、使用
できなくなる。逆に平均分子量が高いと粘度が増加し過
ぎて、取り扱いが困難になる。架橋性樹脂(b)の量は固
形分中に100〜100,000ppm、望ましくは10,
000〜50,000ppm、より望ましくは10,000
〜30,000ppmである。100ppmより少ないと耐食
性が悪くなり、逆に高くなると粘度が増加して作業性が
悪くなる。
【0013】親水性樹脂(c)は水溶性であり、かつ親水
基として水酸基、カルボキシル基、アミド基またはエー
テル基を有するものである。親水性樹脂(c)は被膜表面
に親水性を付与する。より具体的にはポリビニルピロリ
ドン、ポリエチレンオキサイド、ポリアミド、ポリセル
ロースなどが挙げられる。使用しうる親水性樹脂(c)の
分子量は1,000〜100,000、より好ましくは
1,000〜50,000である。親水性樹脂(c)の固
形分中の含有量は50〜100,000ppm、望ましくは
1,000〜50,000ppm、より望ましくは1,500
〜20,000ppmである。50ppmよりも低いと親水性
が逆に低下し、高いと膜の水溶解性が高すぎて、被膜の
溶解が生じる。
【0014】処理浴は、上記3つの成分(a)〜(c)およ
び有効フッ素イオン1〜50ppmを含む水溶液であり、
かつpHを1〜5、望ましくは2〜4に調整する。pHの
調整は酸たとえば硝酸、フッ酸、硫酸などまたは塩基、
たとえばアンモニア、トリエタノールアミン、グアニジ
ンなどが用いられる。pHが5よりも高いと浴の安定性
が悪くなり、逆に低いと浴老化が早過ぎて、実用性に乏
しい。
【0015】本発明の処理剤には、上記成分の他にキレ
ート剤、界面活性剤、抗菌剤、アルミニウムイオンを含
みうる。キレート剤の例としては、ポリアクリル酸系共
重合樹脂、EDTA、グルコン酸等が挙げられる。キレ
ート剤は処理剤中に固形分含量で10〜10,000pp
m、好ましくは100〜1,000ppmの量で配合する。
10ppmよりも少ないとキレート効果がなく、逆に1
0,000ppmより多いと被膜の極性が高くなり、臭気
性が悪くなる。
【0016】界面活性剤は一般的な界面活性剤あるいは
消泡作用を有する界面活性剤が好ましく用いられる。一
般的には非イオン性界面活性剤、たとえばプロピレング
リコール−エチレンオキサイド付加反応生成物、ポリア
ルキレンアルコールエーテル類およびポリアルキレンア
ルキルフェニルエーテル類などか考えられる。
【0017】本発明に用いる抗菌剤は一般的に抗菌作用
を有する化合物、たとえば2,2'−ジチオ−ビス(ピリ
ジン−1−オキサイド)、亜鉛ピリチオン、1,2−ジブ
ロモ−2,4−ジシアノブタン、2−メチル−4−イソ
チアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−
イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンズイソチアゾ
リン−3−オン、2−チオシアノメチル−ベンゾチアゾ
ール、および2−ピリジン−チオール−1−オキサイド
ナトリウムなどが挙げられる。抗菌剤は、処理剤の固形
分に対し0.5〜30重量%の量で用いられるのが好ま
しい。抗菌剤は、上記処理剤の架橋した膜中に保持さ
れ、バクテリア、カビおよび酵母の繁殖を長期化にわた
って有効に防止することができる。
【0018】アルミニウムイオンは、実際に、アルミニ
ウム基材を処理している間に、浴中に出てくるもので、
特に別途添加する必要はない。必要であれば硝酸アルミ
ニウムなどの塩の形で適当量加えてもよい。
【0019】上記処理剤中にアルミニウム基材を浸漬あ
るいは塗布などの方法で付着すればよいのであるが、具
体的な手順としてはアルミニウム合金の脱脂→水洗→防
錆・親水化処理→焼き付けの順序に従って行なわれる。
【0020】脱脂は基本的にアルミニウム合金の表面の
油分と汚れが落ちればどのような方法で行ってもよい。
アルミニウムの表面に油分、汚れが無いときには基本的
には脱脂は行わなくてもよい。脱脂と次の防錆・親水化
処理の間に、表面調整を行うこともある。表面調整に
は、具体的に一般的なものが用いられるが、クロメート
処理、酸による洗浄、ベーマイト処理、アルマイト処理
などが挙げられるが、要するに塗装のようにアルミの素
地を完全に覆わなければなんでもよい。これらの脱脂あ
るいは表面調整はアルミニウム合金の種類によって変化
するが、たとえばアルミニウム合金3003番のときに
はサーフクリーナー322N−8(リン酸ナトリウムを
主成分とする)と混酸(硝酸+硫酸)が一番耐食性がよく
なる。
【0021】防錆・親水化処理は前述のように浸漬、塗
布、スプレーなどのいずれの方法であっても、アルミニ
ウム合金基材の表面に付着させればよい。望ましい方法
は浸漬であり、処理温度は20〜70℃、好ましくは4
0〜60℃、より具体的には約50℃前後で行なわれ
る。処理温度が70℃より高すぎると、反応性が高くな
って、浴老化が速く実用性が乏しくなる。逆に20℃よ
り処理温度が低いと処理時間が長くなる程度で、より低
くする必要性は特にない。処理時間は5〜90秒、望ま
しくは10〜90秒、より好ましくは10〜60秒、最
も好適には約30秒前後である。処理時間が非常に長く
なると浴老化が速くなって、実用性がなくなる。処理時
間は処理剤が基材に付着すれば短くてもよい。
【0022】上記防錆・親水化処理の後、焼き付けを行
って架橋的結合を完結させる。焼き付けは100〜20
0℃の温度で3〜60分行われる。好ましくは焼き付け
は130〜180℃で10〜40分、より好ましくは1
50〜170℃で10〜30分で行われる。ここで焼き
付け温度とは被塗物到達温度を意味する。焼き付け温度
が200℃より高いと、焦げ臭くなり、100℃より低
いと十分な耐食性が出ない。焼き付け時間が長いと、表
面の親水性が低下し、逆に短いと十分な耐食性が得られ
ない。
【0023】
【作用】ジルコニウム化合物(a)はアルミに対して高い
防錆力を持っているので、このジルコニウム化合物(a)
の水溶液に架橋性樹脂(b)、具体的にはポリビニルアル
コールを添加することにより、造膜性が付与され、洗浄
をする必要をなくした。ジルコニウム化合物(a)のみの
水溶液では必ず処理後に水洗する必要がある。水洗をし
ないと、上記の場合親水化処理が必要であるが、親水化
処理槽を汚染してしまう。ポリビニルアルコールはアル
コール性のヒドロキシル基を有しており、この酸素原子
とジルコニウムとの親和力があるので架橋するものと考
える。またポリビニルアルコールは結晶性があり、焼き
付けすることにより非常に強固な被膜になる。
【0024】ジルコニウム化合物(a)の水溶液による防
錆処理と親水性樹脂(c)による親水化処理をそれぞれ行
うよりも、耐食性が上がっている。またジルコニウム処
理後に水洗をしないので、ジルコニウム被膜量が飛躍的
に大きくなり、耐食性が非常に良くなる。またジルコニ
ウムが樹脂と架橋して被膜をより強固にしているので、
耐食性がより高くなるのである。
【0025】親水性樹脂(c)は被膜表面に親水性を付与
し、カーエバポレーターのフィン間の水の通りを良く
し、通風抵抗を下げ、熱交換効率を上昇させる。またX
線光電子分光測定の結果、架橋性樹脂(b)と親水性樹脂
(c)は相溶性があまりないので、親水性樹脂が表層に集
まっている。そのために1回の処理でほぼ2層のごとき
被膜が形成できるのである。
【0026】また、処理液の浴の安定度も上昇してい
る。これは架橋性樹脂(b)、とくにポリビニルアルコー
ルにキレート効果があるため、より安定化しているもの
と考えられる。
【0027】
【実施例】本発明を実施例によりさらに詳細に説明す
る。本発明はこれら実施例に限定されるものと解しては
ならない。
【0028】実施例1 フッ化ジルコニウムアンモニウム26.26gを300
gの水に溶解し、そこに浴安定としてポリアクリル酸共
重合体0.24gを添加した。予め別に架橋性樹脂(b)
としてポリビニルアルコール20gを400gの水に溶
かしたものをその中に加え、さらにポリビニルピロリド
ン10gを水10gに溶かしたものとポリエチレンオキ
シド2gを水8gに溶かしたものを加えた。ポリビニル
ピロリドンとポリエチレンオキシドはいずれも親水性樹
脂として作用した。その中へノニオン性界面活性剤0.
25g(旭電化工業(株)から市販のアデカノールSO−
145)、消泡剤0.25g(旭電化工業(株)から入手
したアデカネートB−940)、抗菌剤3g(武田薬品
工業(株)から入手したスラオフ95)を加え、ついで操
作時のアルミニウムイオンの量を考慮して硝酸アルミニ
ウム適当量を水50gに溶かしたものを加えた。水で全
量を950gにし、10%硝酸と10%アンモニア水で
pHを3に調整した。最後に水を加えて全量を1000
gにした。
【0029】素材A3003Pアルミニウム合金パネル
(日本テストパネル社製)にサーフクリーナ322N−8
(日本ペイント社製(リン酸ナトリウムを主成分))3%
溶液中にパネルを浸漬し、70℃で30秒間保持した。
【0030】得られたパネルを用いて上記処理剤中に浸
漬した。処理剤の浴温度は50℃であり、処理時間は3
0秒であった。処理した後パネルを取り出して160℃
で焼き付けた。得られた処理パネルについて、塩水噴霧
テスト、臭気テスト(初期)、臭気テスト(劣化時)、親水
性(初期)および親水性(劣化時)の5つの性能を測定し
た。結果を表1に示す。尚、焼き付け温度は被塗物到達
温度で表す。
【0031】塩水噴霧テスト:JIS Z 2371に
よる。 評価は10点満点で、10は全く錆がない状態を示し、
0は全面錆が発生した状態を示す。より具体的には: 評価点 錆発生面積 10 0% 9 10% 8 20% 7 30% 6 40% 5 50% 4 60% 3 70% 2 80% 1 90% 0 100% 9点以上で使用可。
【0032】臭気(初期):得られた処理品を実際の機械
に組み込み、送風時の臭気についてパネラー5人による
官能評価を行った。その平均点を出し評価を行った。評
価の基準は以下の通りである。 ランク 臭気強度 5 無臭 4 微かに臭いを感じる 3 鼻を近づけると臭いを感じる 2 在るだけで臭いを感じる 1 強い臭いを発生している 3.5以上で使用可能である。 臭気(劣化時):臭気の評価は前述の臭気(初期)と同様で
あるが、劣化時は水道水流水中に72時間浸漬した後の
評価である。 親水性(初期):得られた処理品の平面上に親水3μlを
滴下し、30秒後の接触角を測定した。評価は水接触角
で評価した。35℃以下で使用可。 親水性(劣化時):親水性の評価は前記親水性(初期)と同
じであるが、劣化時であるので水道水流水中に72時間
浸漬した後に測定した。
【0033】実施例2 ジルコニウム化合物の配合量を100ppm、架橋性樹脂
を100ppmおよび親水性樹脂を100ppmとする以外
は、実施例1と同様に処理浴を形成した。
【0034】得られた処理浴を用いて実施例1と同様に
テスト評価を行った。結果を表1に示す。
【0035】実施例3 ジルコニウム化合物の配合量を50,000ppm、架橋
性樹脂を50,000ppmおよび親水性樹脂を50,0
00ppmにする以外は実施例1と同様に処理浴を作成
し、同様のテストを行った。結果を表1に示す。
【0036】実施例4 実施例1と全く同様に処理を行ったが、処理浴温度を室
温(20℃)にし処理時間を900秒にした。結果を表
1に示す。
【0037】実施例5 処理浴温度を80℃にし、処理時間を1秒にする以外は
実施例1と同様に処理および実験を行った。結果を表1
に示す。
【0038】実施例6 処理浴温度を50℃にし、処理時間を30秒にし、しか
も焼き付け温度を200℃に変更する以外は実施例1と
同様に処理およびテストを行った。結果を表1に示す。
【0039】実施例7 焼き付け温度を100℃に設定する以外は実施例1と同
様に処理を行い、テストを行った。結果を表1に示す。
【0040】実施例8 親水性樹脂をポリビニルピロリドンのみとして、実施例
1と同量配合する以外は実施例1と同様に処理およびテ
ストを行った。結果を表3に示す。
【0041】実施例9 親水性樹脂をポリエチレンオキサイドのみとして、実施
例1と同量配合する以外は実施例1と同様に処理および
テストを行った。結果を表3に示す。
【0042】
【表1】
【0043】比較例1 ジルコニウム化合物(a)をジルコニウムの量で10pp
m、架橋性樹脂を20ppmおよび親水性樹脂を12ppmに
する以外は実施例1と同様に処理および実験を行った。
結果を表2に示す。
【0044】比較例2 ジルコニウム化合物(a)ジルコニウムの量で100,0
00ppm、架橋性樹脂を100,000ppmおよび親水性
樹脂を100,000ppmにする以外は実施例1と同様
に処理浴を作成した。処理浴はジルコニウムが非常に多
いものであり、ゲル化した。したがってその後の処理お
よび実験は行なわなかった。
【0045】比較例3 焼き付け温度を250℃にする以外は実施例1と同様に
処理浴を作成し、実験を行った。結果を表2に示す。
【0046】比較例4 焼き付け温度を80℃にする以外は実施例1と同様に処
理浴を作成し、処理を行い得られたバネルについて実験
を行った。結果を表2に示す。
【0047】比較例5 架橋性樹脂、親水性樹脂、界面活性剤、消泡剤および抗
菌剤を配合しないこと以外は実施例1と同様に処理浴を
作成した。
【0048】実施例1と同様のテストパネルについて上
記処理浴で50℃で30秒間処理した後、親水化処理剤
(日本ペイント株式会社製サーフアルコート860R
(主成分:ポリビニルアルコール、ポリアミドおよびポ
リビニルピロリドン)を用いて室温で30秒間浸漬し
た。得られた処理パネルについて、実施例1と同様にテ
ストを行った。結果を表2に示す。この比較例は、従来
技術である2層の処理を行った対応であるが、塩水噴霧
での成績も悪く、臭気の点でも経時変化が大きい。また
親水性でも経時的に変化する。
【0049】比較例6 アルサーフ407(主成分:クロム酸、リン酸)と、ア
ルサーフ47(主成分:フッ化水素酸)をそれぞれ、
4.5%、0.5%含んだ処理剤を用いて実施例1と同
様のテストパネルについて50℃で30秒間ついで比較
例5と同様に親水化処理を行い、処理パネルを得た。得
られた処理パネルについて実施例1と同様の試験を行っ
た。結果を表2に示す。
【0050】この比較例6の実験も従来技術に近い2層
構造の実験である。この実験からも明らかなようにクロ
ム処理の場合ジルコニウム処理よりも高い性能を示して
いるが、やはり塩水噴霧などの耐水性において劣る。
【0051】
【表2】
【0052】(実施例8)実施例1においてポリエチレ
ンオキサイドを用いずにポリビニルピロリドン12gの
みを配合した処理液を作成し、実施例1と同様に処理を
行い実験を行った。結果を表3に示す。
【0053】(実施例9)実施例1においてポリビニル
ピロリドン10gを用いずにポリエチレンオキサイド1
2gを用いたのみで、全く同様に処理を行い、実験を行
った。結果を表3に示す。
【0054】
【表3】
【0055】比較のために表3には実施例1の実験結果
も載せた。この結果から明らかなように親水性樹脂とし
てポリビニルピロリドンのみでは劣化時の親水性が劣
り、ポリエチレンオキサイドのみでは初期親水性が必ず
しも良くない。しかしながら、単独でも使用しうること
が判った。
【0056】(実施例10)実施例1においてポリアク
リル酸共重合樹脂を0.24gすなわち240ppm配合し
ているが、このポリアクリル酸共重合体の配合量を25
0ppm、1,000ppmおよび10,000ppmに変化さ
せた。この添加量でおいての沈澱が発生しない最高のア
ルミニウム濃度、初期臭気性、劣化時臭気性について実
験を行い、結果を表4に示す。
【0057】
【表4】
【0058】ポリアクリル酸共重合樹脂を添加すると浴
老化時の沈澱発生を抑制するが、極性の高いカルボン酸
を持っているため臭気物質を吸着しやすく、たくさん入
ると臭気性が低下することになる。この結果から明らか
なようにポリアクリル酸の配合量は250〜1,000
ppmである。
【0059】実施例11 実施例1において抗菌剤を0.3%加えているが、これ
を0%、0.3%および2%に変化させた。その処理液
について沈澱の発生の有無、初期親水性、劣化時親水性
および抗菌性について実験を行った。 抗菌性:得られた処理品の平らな処理面に一定量の菌液
を滴下し、その上からフィルムで覆い、24時間培養
し、24時間後の菌数をカウントする。初期の菌数より
少なくなれば、抗菌性有とする。
【0060】
【表5】
【0061】上記結果から明らかなように抗菌剤を大量
に使用すると抗菌性が増大するが、逆に沈澱の発生が見
られる。また親水性も悪化していく。したがって抗菌剤
の配合量は約0.3%程度が好ましい。
【0062】
【発明の効果】本発明の処理剤を用いることにより、た
った1回の処理操作において極めて優れた防錆性と親水
化処理の両方を行うことができる。したがってその製造
時の負担を大きく軽減することができる。
【0063】しかも抗菌剤を配合すると、抗菌性に優れ
た処理被膜が形成でき、微生物による臭気の発生が大き
く改善される。
【0064】またジルコニウム化合物とポリビニルアル
コールなどの架橋性樹脂との反応により、強固な被膜が
でき、クロムフリーの処理剤としては高い耐食性を有し
ており、しかも親水性樹脂が保持されているので、長期
的に親水性が劣らず、性能を大きく改善する。また水溶
液中の浴安定性も大きく向上している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野尻 弘之 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 Fターム(参考) 4J038 BA021 BA022 CE021 CE072 CK031 CK042 DF021 DF022 DH001 DH002 GA02 GA03 GA06 GA09 HA216 HA246 JA43 JC38 MA08 MA14 NA03 PA19 PB06 PC02 4K062 BA09 BA10 BA14 BB03 BC08 BC09 BC11 CA03 CA05 CA08 FA16 GA10

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジルコニウムの酸化物、酸素酸塩、有機
    酸塩およびフルオロ錯塩の少なくとも1種をジルコニウ
    ムの量で100〜50,000ppm、ジルコニウムと反応
    性を有する架橋性樹脂を固形分濃度100〜100,0
    00ppm、および水溶性であり、かつ親水基として水酸
    基、カルボキシル基、アミド基またはエーテル基を有す
    る親水性樹脂を固形分濃度50〜100,000ppmを含
    有し、pH1〜5に調整したアルミニウム合金の防錆・
    親水化処理剤。
  2. 【請求項2】 アルミニウム合金からなる基材を防錆・
    親水化処理剤を塗布することにより防錆・親水化処理す
    る方法において、該防錆・親水化処理剤がジルコニウム
    の酸化物、酸素酸塩、有機酸塩およびフルオロ錯塩の少
    なくとも1種をジルコニウムの量で100〜50,00
    0ppm、ジルコニウムと反応性を有する架橋性樹脂を固
    形分濃度100〜100,000ppm、および水溶性であ
    り、かつ親水基として水酸基、カルボキシル基、アミド
    基またはエーテル基を有する親水性樹脂を固形分濃度5
    0〜100,000ppmを含有し、pH1〜5である処理
    浴を用いて、浴温20〜70℃で5〜90秒間処理する
    ことを特徴とするアルミニウム合金の防錆・親水化処理
    方法。
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