JP2000281881A - 耐熱性の優れた押出し成形用液晶性ポリエステル樹脂、押出し成形用材料及び押出し成形物 - Google Patents

耐熱性の優れた押出し成形用液晶性ポリエステル樹脂、押出し成形用材料及び押出し成形物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】高い耐熱性、適度な流動性、加工性を有し、外
観の優れた押出し成形品を与える押出し成形用液晶性ポ
リエステル樹脂、押出し成形用材料及び押出し成形物を
提供すること。 【解決手段】ハンダ耐熱温度が250℃以上である液晶
性ポリエステル樹脂であって、流動開始温度下での剪断
速度100sec-1における溶融粘度と、それより20℃
高い温度の同剪断速度下で測定した溶融粘度との比率、
もしくは流動開始温度下での剪断速度1000sec-1
おける溶融粘度と、それより20℃高い温度の同剪断速
度下で測定した溶融粘度との比率の少なくとも一方が
0.10〜0.70である押出し成形用液晶性ポリエス
テル樹脂、この樹脂を利用した押出し成形溶材料及び押
出し成形物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性が高く優れ
た押出し成形性を有する、押出し成形用液晶性ポリエス
テル樹脂、この樹脂を含む押出し成形用材料及びこの材
料を押出し成形した押出し成形物に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶性ポリエステル樹脂(以下単に液晶
ポリマーと呼ぶことがある)は耐熱性が優れ、溶融時の
流動性が優れるなどの特徴から精密成形可能な射出成形
材料として電子材料分野を中心に幅広く使われるように
なっている。一口に液晶ポリマーと言ってもその耐熱性
の程度から一般にI型、II型、III型に分類されており
(たとえば“成形設計のための液晶ポリマー”シグマ出
版(1995))、この中でI型と呼ばれるものは特定の全芳
香族成分からなり、熱変形温度が250℃以上と液晶ポリ
マーの中でもとりわけ耐熱性が高い材料である。液晶ポ
リマーの持つ優れた耐熱性に加えて優れたガスバリヤー
性、低誘電性、耐薬品性などの特徴を生かしてフィル
ム、容器などの押出し成形分野への検討も精力的に行わ
れている。しかしながら、一般に液晶ポリマーは溶融時
の粘度が低く、異方性が大きいなどの理由で、押出し成
形分野には不向きな材料と言われている。そのため材料
面から種々の検討が加えられている。たとえば、特開平
2−3430号公報には繰り返し単位として、(1)オキ
シ安息香酸、(2)2,6−ナフトエ酸からなる芳香族ポ
リマーのフィルム化が開示されている。また、特開平5
−186614号公報には上記オキシ安息香酸、2,6
−ナフトエ酸に加えてエチレングリコール等の成分を加
えた半芳香族系のフィルム化が開示されている。また押
出し成形性向上の目的で他の樹脂との複合化も検討され
ている。たとえば、特開昭61−78862号公報には
液晶ポリマーとポリエチレンテレフタレートからなる組
成物、特開昭63−270760号公報には液晶ポリエ
ステルと芳香族ポリカーボネートからなる組成物のフィ
ルム化が開示されている。しかしながら、これらはいず
れも、液晶ポリマーがII型やIII型であって、耐熱性が
低いものであったり、加工性を上げるためにI型液晶ポ
リマーを含む液晶ポリマーに他の耐熱性の低い材料を複
合化したものであって、液晶ポリマー本来の持つ十分な
耐熱性が得られていないのが実状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高い
耐熱性と、適度な流動性、加工性を有し、外観の優れた
押出し成形品を与える押出し成形用液晶性ポリエステル
樹脂、これを用いた押出し成形用材料及び押出し成形物
を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、耐熱性の
観点から液晶性ポリエステル樹脂のみからなる樹脂を用
いてのフィルム化、ブロー化の検討を行った結果、ポリ
マー物性、溶融流動性が一定の条件を満たすことにより
I型ポリマーと同程度の耐熱性を示す液晶性ポリエステ
ル樹脂においても実質上単独で良好な押出し成形が可能
なことを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明に
よれば、ハンダ耐熱温度が250℃以上である液晶性ポ
リエステル樹脂であって、流動開始温度下での剪断速度
100sec-1における溶融粘度(粘度1a)と、それより2
0℃高い温度の同剪断速度下で測定した溶融粘度(粘度
2a)との比率((粘度2a)/(粘度1a))、もしくは流動開
始温度下での剪断速度1000sec-1における溶融粘度
(粘度1b)と、それより20℃高い温度の同剪断速度下
で測定した溶融粘度(粘度2b)との比率((粘度2b)/(粘
度1b))の少なくとも一方が0.10〜0.70である
ことを特徴とする押出し成形用液晶性ポリエステル樹脂
が提供される。また本発明によれば、樹脂成分を含み、
該樹脂成分が、上記押出し成形用液晶性ポリエステル樹
脂からなることを特徴とする押出し成形用材料が提供さ
れる。更にまた本発明によれば、上記押出し成形用材料
を押出し成形したことを特徴とする押出し成形物が提供
される。
【0005】
【発明の実施の形態】以下本発明について詳細に説明す
る。本発明の押出し成形用液晶性ポリエステル樹脂(以
下、「本発明の樹脂」と言うことがある)は、その耐熱
性の点でハンダ耐熱温度が250℃以上であって、特定
の溶融流動性を示す押出し成形用の樹脂である。ここで
ハンダ耐熱温度とは、厚みが1.2mmのJIS1(1/
2)号ダンベルを成形したものを試験片とし、該試験片
を錫60%、鉛40%からなる240℃のハンダ浴に浸
漬し、同温度に60秒間保持した後取出し、外観を観察
する。その後、該ハンダ浴を10℃ずつ昇温させては同
様の実験を行い、同試験片が発泡または変形しない最高
温度を言う。ハンダ耐熱温度が250℃未満の場合、ハ
ンダリフロー炉での使用などに制限が多く加わり、本発
明の目的の主眼とするところから外れる。上記特定の溶
融流動性は、流動開始温度下での剪断速度100sec-1
における溶融粘度(粘度1a)と、それより20℃高い温
度の同剪断速度下で測定した溶融粘度(粘度2a)との比
率((粘度2a)/(粘度1a))、もしくは流動開始温度下で
の剪断速度1000sec-1における溶融粘度(粘度1b)
と、それより20℃高い温度の同剪断速度下で測定した
溶融粘度(粘度2b)との比率((粘度2b)/(粘度1b))の
少なくとも一方が0.10〜0.70、好ましくは後者
が0.10〜0.70、特に好ましくは後者が0.12
〜0.50である溶融流動性である。ここで、本発明に
おける流動開始温度とは、異方性溶融相を形成し始める
温度であって、4℃/minの昇温速度で加熱された樹脂
を荷重100Kgf/cm2のもとで、内径1mm、長さ10mm
のノズルから押出したときに、溶融粘度が48000ポ
イズを示す温度を言う。溶融粘度比が上記範囲外である
場合、押出し成形加工が困難であったり、得られる成形
物の異方性が強く、実用に耐えない恐れがある。
【0006】本発明の樹脂は、流動開始温度より30℃
高い温度で測定したときの溶融張力が10g以上である
ことが好ましい。ここで溶融張力とは、樹脂の流動開始
温度より30℃高い温度に設定された長さ8.0mm×
2.1mmφのダイス中で樹脂を溶融させ、ピストン速度
2mm/minでこれを押出し、テンションプーリーを通し
た後引き取りローラーでモノフィラメント状に引き取
り、引き取り速度を上げていったときに糸が破断する時
のテンションプーリーにかかる力を表したものである。
溶融張力が10g未満の場合、押出し成形による成膜時
の伸びが不十分となり、特にフィルム成形、ブロー成形
行う場合の加工が困難となる恐れがあるので好ましくな
い。また、該溶融張力は、加工性の観点から40g以下
とするのが好ましい。
【0007】本発明の樹脂は、芳香族ヒドロキシカルボ
ン酸単位、芳香族ジカルボン酸単位、芳香族ジヒドロキ
シ単位の2種以上の組み合わせを含むことが好ましい。
芳香族ヒドロキシカルボン酸単位としては、下記構造等
が例示できる。
【0008】
【化3】
【0009】芳香族ジヒドロキシ単位としては、下記構
造等が例示できる。
【0010】
【化4】
【0011】芳香族ジカルボン酸単位としては、下記構
造等が例示できる。
【0012】
【化5】
【0013】上記各構成単位の組み合わせとその組成比
は随意であるが、本発明の目的とする高い耐熱性と、適
度な流動性を有する好ましい組合せとしては、下記式
(1)〜(4)で示される構成単位のうちの2種以上を含
み、これら組み合わせの構成単位の合計が全体の97m
ol%以上である液晶性ポリエステル樹脂が望ましい。
【0014】
【化6】
【0015】本発明の樹脂として更に好ましくは、下記
(a)〜(c)の全ての条件を満たす、特定の構成単位を特定
条件において有する液晶性ポリエステル樹脂が挙げられ
る。なお、条件中の式(1)〜(4)は、上記式(1)〜(4)
で示される構成単位である。 (a):式(1)で表される構成単位の割合が全体の40〜7
0mol%であること、 (b):式(2)で表される構成単位及び式(3)で表される構
成単位の合計の割合が全体の15〜30molであり、
かつ式(2)で表される構成単位の割合が、式(2)で表さ
れる構成単位及び式(3)で表される構成単位の合計に対
して0〜95mol%であり、かつ式(2)で表される構
成単位のうちの80〜100mol%が主鎖結合位置が
パラ位である構成単位であること、 (c):式(4)で表される構成単位の割合が、式(2)で表さ
れる構成単位及び式(3)で表される構成単位の合計の割
合と実質的に同量であり、かつ式(4)で表される構成単
位のうちの50mol%以上が主鎖結合位置がパラ位で
ある構成単位であること。
【0016】本発明の樹脂の固有粘度[η]は、5.5以
上であることが望ましい。[η]が5.5未満の場合、上
述の溶融粘度特性、溶融張力を得ることが困難となる。
【0017】本発明の樹脂を製造する方法は特に制限は
なく、公知の方法を用いることができる。たとえば、上
記芳香族ヒドロキシカルボン酸単位、芳香族ジカルボン
酸単位、芳香族ジヒドロキシ単位を有するモノマー化合
物の2種以上の組み合わせからなる混合物を重合槽中で
重縮合反応させる方法等により得られる。芳香族ヒドロ
キシカルボン酸単位を有するモノマー化合物としては、
ヒドロキシ安息香酸、p−アセトキシ安息香酸等が挙げ
られ、芳香族ジカルボン酸単位を有するモノマー化合物
としては、テレフタル酸、イソフタル酸等が挙げられ、
芳香族ジヒドロキシ単位を有するモノマー化合物として
は、4,4'−ジヒドロキシジフェニル、4,4'−ジア
セトキシジフェニル、ハイドロキノン、レゾルシン等が
挙げられる。これら化合物の仕込みは一括方式でも、分
割方式でもよい。反応は不活性気体、たとえば窒素雰囲
気下に常圧、減圧またはそれらの組み合わせで行うこと
ができる。プロセスは回分式、連続式、またはそれらの
組み合わせが採用できる。なお、上記モノマー化合物を
より重合し易い化合物に変える反応(たとえば、エステ
ル化反応)を重縮合反応に先立って行った後、引き続き
重縮合反応を行うこともできる。上記重縮合反応の温度
は、通常、270〜380℃が好ましい。温度が270
℃未満の場合、重合反応の進行が遅く、380℃を超え
ると分解等の副反応が起こり易いので好ましくない。多
段階の反応温度を採用しても構わないし、場合により昇
温途中で、あるいは最高温度に達したらすぐに反応生成
物であるポリマーを溶融状態で抜出し、回収することも
できる。また取出したポリマーの分子量をさらに上げる
ため、不活性ガス雰囲気下、加温により固相重合等の後
処理を施すこともできる。
【0018】本発明の押出し成形用材料は、樹脂成分を
含み、該樹脂成分が実質的に上記本発明の押出し成形用
液晶性ポリエステル樹脂からなる。本発明において、上
述のように得られた液晶性ポリエステル樹脂は、パウダ
ー状のまま押出し成形用材料として押出し成形機にかけ
ることもできるが、いったん造粒機でペレット形状と
し、これを押出し成形用材料として、押出し成形機に投
入する方が取扱いの点で好ましい。本発明の押出し成形
用材料には、目的を阻害しない範囲において少量の無機
充填剤、有機充填剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定
剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、防錆剤、蛍光剤、表面
平滑剤、表面改良剤、離型剤の各種添加剤を添加するこ
とができる。
【0019】本発明の押出し成形物は、上記押出し成形
用材料を押出し成形したものである。押出し成形物の形
態は特に限定されないが、フィルムが好ましい。フィル
ムの厚さは用途に応じて適宜選択することができるが、
通常、10〜500μm程度である。本発明の押出し成
形物は、上記押出し成形用材料を、通常の押出し成形に
より、所望の形態に賦形して調製することができる。具
体的には、フィルム成形の場合、溶融した樹脂をTダイ
と呼ばれるスリット状の加工機から所定の幅、厚さに押
出し、冷却してそのままフィルムとするキャスト法、ま
た押出し後、製膜方向、およびその直角方向に逐次延伸
する延伸法、環状ダイから円筒状に樹脂を押出し、ガス
によって巻き取り方向とそれに直角方向に同時に延伸さ
せるインフレ−ション法等が挙げられるが、液晶ポリマ
ーの場合、異方性のコントロールのし易さの点でインフ
レーション法が好ましく用いられる。またブロー成形の
場合は、環状ダイから樹脂を押出し、パリソンと呼ばれ
る円筒状半溶融樹脂を金型で挟んだ後ガス圧によって膨
らませ賦形することにより成形できる。この方法も異方
性のコントロールのし易さという点で液晶ポリマーには
好適な方法である。これらの押出し成形において、本発
明の液晶性ポリエステル樹脂を含む押出し成形用材料を
供する場合、通常の押出し成形機に特段の工夫を施さず
に供することができる。
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらによって限定されるものでは
ない。尚、例中における各測定は以下の方法に従って行
った。 (1)物性の測定法 (a)流動開始温度:島津製作所製の高化式フローテスタ
ーCFT−500型で測定した。すなわち、4℃/min
の昇温速度で加熱された樹脂を荷重100Kgf/cm2のも
とで、内径1mm、長さ10mmのノズルから押出したとき
に、溶融粘度が48000ポイズを示す温度を測定しこ
れを流動開始温度とした。 (b)溶融粘度:東洋精機社製のキャピログラフ1Bで、
所定温度下、ダイス径0.5mm、剪断速度100se
c-1、1000sec-1で測定を行った。 (c)溶融張力:東洋精機社製のキャピログラフ1Bを用
い、各樹脂の流動開始温度より30℃高い所定温度に設
定された長さ8.0mm×2.1mmφのダイス中で樹脂を
溶融させ、ピストン速度2mm/minでこれを押出し、テ
ンションプーリーを通した後巻き取る装置において、巻
き取りスピードを上げていきながら引き取り、糸が破断
する時のテンションプーリーにかかる力をグラム単位で
求めた。 (d)固有粘度[η]:液晶性ポリエステル樹脂を3,5−
ビストリフロロメチルフェノールに溶解させ、ウベロー
デ粘度計を用いて60℃で測定した。 (e)熱変形温度(DTUL):DTUL試験片(127mm
長×12.7mm幅×6.4mm厚)を成形し、ASTM
D648に準じて荷重18.6Kgで測定した。 (f)ハンダ耐熱温度:厚さが1.2mmのJIS1(1/
2)号ダンベルを試験片として成形し、錫60%、鉛4
0%からなる230℃のハンダ浴に浸漬し、同温度に6
0秒間保持した後取出し、外観を観察する。その後、該
ハンダ浴を10℃ずつ昇温させ同様の実験を行い、同試
験片が発泡または変形しない最高温度を求めた。 (2)フィルム加工 樹脂ペレットを、東洋精機社製の円筒ダイを備えた20
mmの2軸混練押出機を用い、シリンダー設定温度290
〜370℃、回転数80rpmで溶融混練し、直径30
mm、リップ間隔1.5mm、ダイ設定温度290〜3
70℃の円筒ダイから上方へ溶融樹脂を押し出し、この
筒状フィルムの中空部へ乾燥空気を圧入して筒状フィル
ムを膨張させ、次に冷却させた後、ニップロールに通し
て引き取り速度8〜15m/minで引き取り、10〜3
0μm厚の液晶ポリマーフィルムを得た。得られたフィ
ルムを肉眼で観察し、以下の基準で評価した。 ○:フィルム製膜可能で、外観も良好である。 △:フィルム製膜可能であるが、色むらが認められる。 ×:フィルム製膜できない。 (3)フィルム耐熱性 上記のようにして得られた約30μm厚のフィルムを1
0cm角に切断し、両端をクリップで固定して280℃
に設定した熱風循環オーブン中へ5分間放置した後のフ
ィルム状態を観察し、以下の基準で評価した。 ○:フィルム形状に変化は見られない。 ×:フィルムが変形もしくは融解する。
【0021】実施例1 p-アセトキシ安息香酸10.8Kg(60モル)、テレ
フタル酸2.49Kg(15モル)、イソフタル酸0.8
3Kg(5モル)、および、4,4'−ジアセトキシジフ
ェニル5.45Kg(20.2モル)を櫛形攪拌翼を持つ
重合槽に仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら昇温
し、330℃で1時間重合させた。この間に副生する酢
酸を除去しながら、強力な攪拌下で重合させた。その
後、系を徐々に冷却し、200℃で得られたポリマーを
系外に取出した。この得られたポリマーを細川ミクロン
(株)製のハンマーミルで粉砕し、2.5mm以下の粒子と
した。これをさらにロータリーキルン中で窒素雰囲気下
に290℃、3時間処理することにより、流動開始温度
が341℃であり、粒子状の下記単位からなる全芳香族
液晶性ポリエステル樹脂を得た。
【0022】
【化7】 この液晶性ポリエステル樹脂を、池貝鉄工社製PCM−
30型造粒機を用いて350℃で造粒し、ペレット状と
した。この時のペレットから求めた流動開始温度は33
2℃、固有粘度[η]は6.8であった。この樹脂の溶融
粘度、溶融粘度比、溶融張力、ハンダ耐熱性、インフレ
製膜時のフィルム形状及び耐熱性を表1並びに表2に示
す。
【0023】比較例1 実施例1と同様に2.5mm以下の粒子を得た後、ロー
タリーキルン中で窒素雰囲気下280℃、3時間処理す
ることにより、流動開始温度が331℃の全芳香族液晶
性ポリエステル樹脂を得た。この液晶性ポリエステル樹
脂を池貝鉄工社製PCM−30型造粒機を用いて340
℃で造粒し、ペレット状とした。この時のペレットから
求めた流動開始温度は324℃、固有粘度[η]は4.8
であった。この樹脂の溶融粘度、溶融粘度比、溶融張
力、ハンダ耐熱性、インフレ製膜時のフィルム形状及び
耐熱性を表1並びに表2に示す。
【0024】比較例2 p−ヒドロキシ安息香酸16.6Kg(12.1モル)と
6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸8.4Kg(4.5モル)
および無水酢酸18.6Kg(18.2モル)を櫛形攪
拌翼付きの重合槽に仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌し
ながら昇温し、常圧320℃で1時間、さらに2.0To
rrの減圧下で320℃1時間重合させた。この間に副生
する酢酸を系外へ留出し続けた。その後、系を徐々に冷
却し、180℃で得られたポリマーを実施例1と同様に
粉砕した後、ロータリーキルン中で窒素ガス雰囲気下に
240℃、5時間処理することによって流動開始温度が
270℃の粒子状の下記繰り返し単位からなる全芳香族
液晶性ポリエステルを得た。
【0025】
【化8】 この液晶性ポリエステル樹脂を池貝鉄工社製PCM−3
0型造粒機を用いて280℃で造粒し、ペレット状とし
た。この時のペレットから求めた流動開始温度は268
℃であった。この樹脂の溶融粘度、溶融粘度比、溶融張
力、ハンダ耐熱性、インフレ製膜時のフィルム形状及び
耐熱性を表1並びに表2に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【発明の効果】本発明の押出し成形用液晶性ポリエステ
ル樹脂は、高い耐熱性と、適度な流動性を有するので、
押出し成形材料として有用である。加えて、本発明の押
出し成形用材料は、上記液晶性ポリエステル樹脂を含む
ので、良好な耐熱性を有し、外観の優れた押出し成形
物、特にフィルムを得ることができ、広範におよぶ分野
への利用が期待できる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハンダ耐熱温度が250℃以上である液
    晶性ポリエステル樹脂であって、 流動開始温度下での剪断速度100sec-1における溶融
    粘度(粘度1a)と、それより20℃高い温度の同剪断速
    度下で測定した溶融粘度(粘度2a)との比率((粘度2a)
    /(粘度1a))、もしくは流動開始温度下での剪断速度1
    000sec-1における溶融粘度(粘度1b)と、それより2
    0℃高い温度の同剪断速度下で測定した溶融粘度(粘度
    2b)との比率((粘度2b)/(粘度1b))の少なくとも一方
    が0.10〜0.70であることを特徴とする押出し成
    形用液晶性ポリエステル樹脂。
  2. 【請求項2】 流動開始温度より30℃高い温度で測定
    したときの溶融張力が10g以上であることを特徴とす
    る請求項1記載の押出し成形用液晶性ポリエステル樹
    脂。
  3. 【請求項3】 式(1)〜(4)で示される構成単位のうち
    の2種以上を含み、これら組み合わせの構成単位の合計
    が全体の97mol%以上であることを特徴とする請求
    項1又は2記載の押出し成形用液晶性ポリエステル樹
    脂。 【化1】
  4. 【請求項4】 下記(a)〜(c)の全ての条件を満たすこと
    を特徴とする請求項1又は2記載の押出し成形用液晶性
    ポリエステル樹脂。 (a):式(1)で表される構成単位の割合が全体の40〜7
    0mol%であること、 (b):式(2)で表される構成単位及び式(3)で表される構
    成単位の合計の割合が全体の15〜30molであり、
    かつ式(2)で表される構成単位の割合が、式(2)で表さ
    れる構成単位及び式(3)で表される構成単位の合計に対
    して0〜95mol%であり、かつ式(2)で表される構
    成単位のうちの80〜100mol%が主鎖結合位置が
    パラ位である構成単位であること、 (c):式(4)で表される構成単位の割合が、式(2)で表さ
    れる構成単位及び式(3)で表される構成単位の合計の割
    合と実質的に同量であり、かつ式(4)で表される構成単
    位のうちの50mol%以上が主鎖結合位置がパラ位で
    ある構成単位であること。 【化2】
  5. 【請求項5】 樹脂成分を含み、該樹脂成分が、請求項
    1〜4のいずれか1項記載の押出し成形用液晶性ポリエ
    ステル樹脂からなることを特徴とする押出し成形用材
    料。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の押出し成形用材料を押出
    し成形したことを特徴とする押出し成形物。
  7. 【請求項7】 形態がフィルムであることを特徴とする
    請求項6記載の押出し成形物。
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