JP2000281798A - ポリフェニレンエーテル樹脂の製造方法 - Google Patents
ポリフェニレンエーテル樹脂の製造方法Info
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Abstract
しかも微粒子の少ないポリフェニレンエーテルの製造方
法を提供する。 【解決手段】 (A)金属塩とアミンからなる錯体触媒
の存在下、ポリフェニレンエーテルの良溶媒、または良
溶媒と非溶媒との混合溶媒を用いて、1種あるいは2種
以上のフェノール化合物を酸化重合させ重合反応液を製
造し、(B)得られた重合反応液に、重合停止剤、また
は重合停止剤と還元剤とを接触させ触媒を除去した重合
反応液に、(C)必要に応じて非溶媒、またはその水溶
液を加えて沈殿体を形成させ、スラリー溶液を製造し、
(D)前記沈殿体を含むスラリー溶液を固液分離し、分
離された湿潤固体に水を加え、水分散液とし、(E)前
記の水分散液を攪拌、もしくは水分散液を循環しながら
加温することにより脱溶媒して造粒するに際し、(F)
水分散液の少なくとも一部を湿式粉砕機に循環し粉砕す
るポリフェニレンエーテル樹脂の製造方法。
Description
ーテルまたは変性ポリフェニレンエーテルの微細な粒子
を平均粒径が0.2〜2mm内に整粒された微紛の少な
いポリフェニレンエーテルを製造に関する。
銅、マンガン、またはコバルトを含有する錯体触媒の存
在下、芳香族炭化水素溶媒または芳香族炭化水素とアル
コールの混合溶媒を用いて、1種あるいは2種以上のフ
ェノール化合物を酸化重合して得られる。その後、ポリ
フェニレンエーテルの特性を阻害する不純物である触
媒、および副生成物を除去するために重合停止剤、また
は重合停止剤と還元剤とを接触させ、多量のアルコール
で洗浄するといった方法がとられている。
使用するため、アルコールの回収コストの増大につなが
り、更に、この様にして得られるポリフェニレンエーテ
ル粒子は著しく微細であるか微粒子を多く含有するた
め、乾燥工程で粒子の飛散等の問題が生じ、また成形時
のホッパーからの供給不良あるいは押し出し機の食い込
み不良といった問題が発生していた。
討が行われている。ポリフェニレンエーテルの粒子形状
を改良する方法としては、重合体液にアルコール等の非
溶媒を加える際に、水を共存させて微粒子の生成を抑制
する方法がある(特開昭54−146896)。しか
し、この方法で形成される粒子においても微粒子が完全
になくなるわけではなく、また、この方法で形成される
粒子は比較的脆くスラリーポンプによる輸送工程、遠心
分離機等による固液分離工程において細粒化される傾向
がある等の不都合があった。
ーテル溶液を水中に分散させ造粒する方法(USP−4
263426)がおこなわれているが、造粒時に粒子が
会合して著しく大きな塊となってしまい後工程の取り扱
いが非常に難しくなってしまう。
方法(特公昭45−587、特公昭60−2369
6)、微小粒子の粒径増加方法(特公昭55−1777
5、特開昭63−243129)、粒径増大補助剤の検
討(特開昭62−172022)などが挙げられる。し
かしながら、上記に提案された方法は、ポリフェニレン
エーテル樹脂の非溶媒の添加を可及的速やかに行わなけ
ればならず、操作が困難、かつ煩雑であり、先に挙げた
問題点を全て解決するには不十分であった。
な欠点を克服して、ポリフェニレンエーテル溶液から効
率よく、しかも微粒子の少ないポリフェニレンエーテル
樹脂の製造方法を提供することである。
ンエーテルの重合反応液を、必要に応じてポリフェニレ
ンエーテルに対して非溶媒、またはその水溶液を加えて
沈殿体を形成させた後、固液分離し、分離された湿潤固
体に水を加えて水分散液を形成し、加温することにより
脱溶媒して造粒するに際し、水分散液の少なくとも一部
を湿式粉砕機に循環し、必要以上に大きくなった粗大粒
子を粉砕するポリフェニレンエーテル樹脂の製造方法で
ある。
ーテルは、一般式(1)で表される化合物から酸化重合
によって誘導されるものである。
素、アルキル基、置換アルキル基、ハロゲン基、アリー
ル基、置換アリール基、フェニル基又は置換フェニル基
である。)
(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、
ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレン)
エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレ
ン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−n−プロピル−
1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジ−n
−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2
−メチル−6−n−ブチル−1,4−フェニレン)エー
テル、ポリ(2−エチル−6−イソプロピル−1,4−
フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−クロロ
エチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メ
チル−6−ヒドロキシエチル−1,4−フェニレン)エ
ーテル等のホモポリマー、また2,6−ジメチルフェノ
ールに共重合体成分として2,3,6−トリメチルフェ
ノールおよびo−クレゾールの1種あるいは両方を組み
合わせたポリフェニレンエーテル共重合体等が挙げられ
る。
は、本発明の主旨に反さない限り、従来ポリフェニレン
エーテルに存在させてもよいことが提案されている他の
種々のフェニレンエーテルユニットを部分構造として含
んでいてもよい。例えば、特開平1−297428号公
報及び特開昭63−301222号公報に記載の2−
(ジアルキルアミノメチル)−6−メチルフェニレンエ
ーテルユニットや、2−(N−アルキル−N−フェニル
アミノメチル)−6−メチルフェニレンエーテルユニッ
ト等や、ポリフェニレンエーテル樹脂の主鎖中にジフェ
ノキノン等が少量結合したものが挙げられる。さらに、
炭素−炭素二重構造を持つ化合物により変性されたポリ
フェニレンエーテル(例えば特開平2−276823号
公報、特開昭63−108059号公報、特開昭59−
59724号公報)も含むことができる。
脂の分子量は30℃クロロホルム中の固有粘度が0.1
〜0.7であるのが好ましく、0.2〜0.6の範囲に
あるポリフェニレンエーテルが本発明の効果が顕著であ
り、特に好ましい。
ば、特公昭42−3195号公報、特公昭45−235
55号公報、特開昭64−33131号公報等に例示さ
れるように、フェノール化合物を金属の塩と各種アミン
との組み合わせからなる触媒を用いて酸化重合される。
重合溶媒は、例えばポリフェニレンエーテルの良溶媒で
あるベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロルベンゼン
等のハロゲン化炭化水素、ニトロベンゼン等のニトロ化
合物等が挙げられる。また、前記の良溶媒にポリフェニ
レンエーテルの非溶媒であるメタノール、エタノール等
のアルコール類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水
素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢
酸エチル等のエステル類、ジメチルホルムアミド等のア
ミド類等を任意の割合および組成で混合し重合溶媒とし
て用いることができる。重合溶媒中の非溶媒の割合が多
くなると重合中にポリフェニレンエーテルが析出してく
る沈澱重合となるが、本発明では重合後にポリフェニレ
ンエーテルが析出しない溶液重合が溶液の移送や反応停
止工程あるいは触媒分離工程等におけるハンドリングの
点で好ましい。
合反応液中のポリフェニレンエーテルの濃度は、通常5
〜70重量%、好ましくは10〜50重量%の範囲であ
る。また、溶液中にはポリフェニレンエーテルのほかに
重合触媒や、触媒除去のための薬品、副生成物除去のた
めの薬品等が含まれていてもかまわない。
らポリフェニレンエーテルを析出させる方法としては、
溶液にメタノール等のポリフェニレンエーテルに対する
非溶媒を添加してポリフェニレンエーテルの粒子を析出
させる方法が知られている。また、非溶媒として水とア
ルコール類の混合物を使用する方法(特公昭60−23
696)等がある。本発明におけるポリフェニレンエー
テル重合反応液からの、ポリフェニレンエーテルの析出
・沈殿化は、ポリフェニレンエーテルに対して非溶媒で
あるアルコール類等にポリフェニレンエーテル反応液を
連続的に添加し析出させる方法、または非溶媒と水との
混合物中にポリフェニレンエーテル反応液を添加する方
法のどちらでもかまわない。またその際、非溶媒重量/
良溶媒重量比が0.5〜2.0とすることが好ましい。
また,重合反応液を供給する際には往復動式攪拌機を備
えた攪拌槽1段もしくは2段以上の槽中に、連続的にポ
リフェニレンエーテルを析出させるのが好ましい。
ェニレンエーテル粒子を固液分離する際,通常の遠心力
を利用した方法、減圧による真空濾過法、またこれに限
らずいずれの方法においてもかまわない。好ましくは分
離した際のポリフェニレン湿潤固体の硬い塊のできにく
い真空ろ過法が好ましい。
湿潤固体は、1段もしくは2段以上の攪拌槽に連続また
は、バッチ式で供給され、水と混合され水分散液とされ
る。この際の攪拌機は、同方向あるいは往復回転いずれ
でもかまわない。この水分散液は攪拌機付き、かつ湿式
粉砕機を通る循環経路付きの加温槽1段もしくは2段以
上の槽中において、水と連続的にあるはバッチで混合さ
れる。
液の一部は湿式粉砕機を経由して槽内を循環する。湿式
粉砕機は溶液内の固形成分を粉砕できる構造のものが良
く、例えば、相川鉄工(株)製のゴラトール(商品名)
や小松ゼノア(株)製のディスインテグレーター(商品
名)等の構造を持つものが好ましい。
1〜100の範囲でおこなわれるが、好ましくは2〜1
0の範囲でおこなわれる。温度は40〜100℃でおこ
なわれ、加熱処理により系外に運ばれる水および有機溶
媒は凝集操作によりそれぞれ系内循環および系外回収さ
れる。また系内は不活性ガス雰囲気で行うのが好ましい
が、酸素存在下で処理することも可能である。不活性ガ
スは一般に、窒素、アルゴン、ヘリウム等が使用され
る。槽内の滞留時間は1〜120分必要で、造粒された
ポリフェニレンエーテルは連続あるいはバッチで固液分
離される。
フェニレンエーテル樹脂の平均粒径が0.2〜2mm、
嵩比重が0.3〜0.6g/ccのものが得られるた
め、押出機によって溶融混練してペレット化する際に、
食い込み不良とか未溶融部分が残るなどのトラブルな
く、成形材料として好適に使用することが可能である。
れに限定される物ではなく、これらは本発明の範囲内で
適当に改変することができる。
ーテル粒子は窒素を5Nm3 /hで流しながら135〜
140℃で6時間以上乾燥して、ポリフェニレンエーテ
ルの乾粉を得、乾粉粒子の粒度分布、平均粒径及び10
0μm以下の粒子の割合を測定した。粒度分布及び14
0メッシュパスの106μm以下粒子の割合は、JIS
規格(JIS Z8801)に準じて行った。10、1
8.5、60、120、140、280メッシュの篩を
用い、TNK篩振動機(タナカ化学機器社製)を用いて
10分間振動し篩をかけることで測定した。また、平均
粒径は、50%重量平均径により求めた。
製2軸押出機(PCM−30)を用い、乾燥後のポリフ
ェニレンエーテル粉体40重量部とスチレン系樹脂(電
気化学工業(株)製、商品名HI-UM-301 )60重量部を
ミキサーでよく混合した後、溶融混練しストランドを切
断してペレット状の樹脂組成物のペレットを得た。押出
機のストランド中に発生するの不完全溶融のポリフェニ
レンエーテル樹脂を目視で観察し混練不良を判定した。
ン800kgに溶解させた。この触媒溶液に、2,6−
ジメチルフェノール200kgをトルエン500kgに
溶かした溶液を加えた。これらの混合液を反応機内に
て、酸素を供給しながら40℃で重合を3時間行った。
反応停止後、水と接触させて反応液から触媒を除去し、
ポリフェニレンエーテル重合反応液を得た。このポリフ
ェニレンエーテル反応液をメタノールに添加し攪拌しな
がら析出・沈殿化させた。その後、固液分離機にて液を
分離し、湿潤個体を得た。この湿潤固体中の含液率は6
0wt%であった。またこの湿潤固体中には106μ以下
の粒子が77wt%含まれていた。
水を添加して水分散液を得た。この水分散液を攪拌しな
がら80℃の温水中に添加した。この時ポリフェニレン
エーテル湿潤固体/水の重量比は0.01であった。こ
の水分散液を加温しつつ溶媒であるトルエン、メタノー
ルを留去しながら、この液を湿式粉砕機(商品名:ゴラ
トール)に全水分散液の20倍/時間の量で循環して湿
式粉砕し、この溶媒の留去を1時間行った後、水分散液
を抜き出した。この液を固液分離しポリフェニレンエー
テル湿潤固体を得た。この湿潤固体を140℃,窒素気
流下にて6時間乾燥した。こうして得られた粉体の粒度
を振動篩を用いて測定した。平均粒径は0.21mm、
嵩比重は0.34g/ccであった。押し出し機試験を
おこなったところ混練不良は認められなかった。
にし、湿式粉砕機に全水分散液の0.1倍/時間の量で
循環すること以外は実施例1と同様にし、ポリフェニレ
ンエーテル粉体を得た。得られた粉体の粒度を測定した
ところ、平均粒径は0.41mm、嵩比重は0.33g
/ccであった。押し出し機試験をおこなったところ混
練不良は認められなかった。
にし、湿式粉砕機に全水分散液の40倍/時間の量で循
環すること以外は実施例1と同様にし、ポリフェニレン
エーテル粉体を得た。得られた粉体の粒度を測定したと
ころ、平均粒径は0.24mm、嵩比重は0.37g/
ccであった。押し出し機試験をおこなったところ混練
不良は認められなかった。
にし、湿式粉砕機に全水分散液の20倍/時間の量で循
環すること以外は実施例1と同様にし、ポリフェニレン
エーテル粉体を得た。得られた粉体の粒度を測定したと
ころ、平均粒径は0.66mm、嵩比重は0.39g/
ccであった。押し出し機試験をおこなったところ押し
出し異常は認められなかった。
にし、水分散液を湿式粉砕機に循環しない以外は実施例
1と同様にし、ポリフェニレンエーテル粉体を得た。得
られた粉体の粒度を測定したところ、ポリフェニレンエ
ーテル粉体の粒径は90重量%以上が10メッシュ以上
であり、嵩比重は0.28g/ccであった。押し出し
機試験をおこなったところ混練不良が認められた。
にし、湿式粉砕機に全水分散液の0.1倍/時間の量で
循環すること以外は実施例1と同様にした。この場合、
循環することが可能な水分散液を得ることはできず、ポ
リフェニレンエーテル粉体は得られなかった。
1にし、湿式粉砕機に全水分散液の0.1倍/時間の量
で循環すること以外は実施例1と同様にした。得られた
粉体の粒度を測定したところ、ポリフェニレンエーテル
粉体の粒径は90重量%以上が10メッシュ以上であ
り、嵩比重は0.29g/ccであった。押し出し機試
験をおこなったところ混練不良が認められた。
ルの重合反応液を、必要に応じてポリフェニレンエーテ
ルに対して非溶媒、またはその水溶液を加えて沈殿体を
形成させた後、固液分離し、分離された湿潤固体に水を
加えて水分散液を形成し、加温することにより脱溶媒し
て造粒する工程において、水分散液の少なくとも一部を
湿式粉砕機に循環し、必要以上に大きくなった粗大粒子
を、粉砕することにより、平均粒径のそろったポリフェ
ニレンエーテル粒子を造粒できる。
Claims (6)
- 【請求項1】 (A)金属塩とアミンからなる錯体触媒
の存在下、ポリフェニレンエーテルの良溶媒、または良
溶媒と非溶媒との混合溶媒を用いて、1種あるいは2種
以上のフェノール化合物を酸化重合させ重合反応液を製
造し、(B)得られた重合反応液に、重合停止剤、また
は重合停止剤と還元剤とを接触させ触媒を除去した重合
反応液に、(C)必要に応じて非溶媒、またはその水溶
液を加えて沈殿体を形成させ、スラリー溶液を製造し、
(D)前記沈殿体を含むスラリー溶液を固液分離し、分
離された湿潤固体に水を加え、水分散液とし、(E)前
記の水分散液を攪拌、もしくは水分散液を循環しながら
加温することにより脱溶媒して造粒するに際して、
(F)水分散液の少なくとも一部を湿式粉砕機に循環し
粉砕することを特徴とするポリフェニレンエーテル樹脂
の製造方法。 - 【請求項2】 ポリフェニレンエーテル重合反応溶液に
用いられるポリフェニレンエーテルの良溶媒がベンゼ
ン、トルエン及びキシレンからなる群から選ばれる少な
くとも1種である請求項1記載のポリフェニレンエーテ
ル樹脂の製造方法。 - 【請求項3】 ポリフェニレンエーテルに対する非溶媒
がメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブ
タノール、n−ヘプタン、アセトン及びメチルエチルケ
トンからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求
項1記載のポリフェニレンエーテル樹脂の製造方法。 - 【請求項4】 造粒するに際し、水分散液の湿式粉砕機
への循環量が全水分散液の1〜30倍/時間である請求
項1記載のポリフェニレンエーテル樹脂の製造方法。 - 【請求項5】 ポリフェニレンエーテルの湿潤固体/水
の重量比が0.1〜1.0の範囲にある請求項1記載の
ポリフェニレンエーテル樹脂の製造方法。 - 【請求項6】 乾燥後の固形化ポリフェニレンエーテル
樹脂の平均粒径が0.2〜2mm、嵩比重が0.3〜
0.6g/ccである請求項1記載のポリフェニレンエ
ーテル樹脂の製造方法。
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JP4288435B2 (ja) | 2009-07-01 |
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