JP2000281784A - 熱架橋性ポリイミド、それからなる耐熱性接着剤又は耐熱性接着フィルム、及びそれを用いた耐熱性接着テープ - Google Patents

熱架橋性ポリイミド、それからなる耐熱性接着剤又は耐熱性接着フィルム、及びそれを用いた耐熱性接着テープ

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JP2000281784A
JP2000281784A JP11095186A JP9518699A JP2000281784A JP 2000281784 A JP2000281784 A JP 2000281784A JP 11095186 A JP11095186 A JP 11095186A JP 9518699 A JP9518699 A JP 9518699A JP 2000281784 A JP2000281784 A JP 2000281784A
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residue
polyimide
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JP11095186A
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Soichiro Kishimoto
聡一郎 岸本
Shigeki Imamura
茂樹 今村
Akira Shigeta
朗 繁田
Yoshiaki Echigo
良彰 越後
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性と接着性に優れ、吸湿時の熱履歴に対
してもクラックを生じる恐れがなく、かつ接着時のはみ
出しのない熱架橋性ポリイミド、それからなる耐熱性接
着剤又は耐熱性接着フィルム及び熱架橋性ポリイミドの
層を有している耐熱性接着テープを提供する。 【解決手段】 特定の可溶性ポリイミドの末端に、熱架
橋性基を有している熱架橋性ポリイミド、それからなる
耐熱性接着剤又は耐熱性フィルム、及び熱架橋性ポリイ
ミドの層を、支持体の片面又は両面に有している耐熱性
接着テープ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱架橋性ポリイミ
ド、それからなる耐熱性接着剤又は耐熱性接着フィル
ム、及びそれを用いた耐熱性接着テープに関するもので
あり、半導体チップを基板に接着実装するのに適するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、リードオンチップ方式での半導体
チップとリードフレームの接着やボールグリッドアレイ
方式でのフリップチップ実装時のチップと基板の接合に
エポキシやフェノール樹脂系の熱硬化性樹脂や耐熱性ホ
ットメルト接着剤が用いられてきた。近年、チップサイ
ズが大きくなり、さらに基板サイズが小さくなるにつ
れ、パッケージ中に占めるチップの割合が大きくなって
きた。そのため、接着剤や封止材が吸湿した場合、はん
だ接合時の熱により吸湿された水分が膨張し、接合部に
クラックが生じるという問題があった。
【0003】一方、エポキシよりも耐熱性に優れた接着
性の材料として、ポリイミド系の接着剤がよく知られて
いる。ポリイミド系の接着剤の中で、加熱硬化するタイ
プとして、ビスマレイミドやビスナジイミドがよく知ら
れている。これらの材料は、接合部の濡れ性に優れてい
るという利点を有するが、低分子量であるために接合時
に流れ出して接着剤がはみ出すという問題があり、さら
に硬化後のポリマーが脆く、繰り返し熱履歴に弱いとい
う問題を有していた。
【0004】一方、ホットメルトタイプの接着剤として
ジアミン成分にシロキサンジアミンを導入して、チップ
との接着性や低温での接着を可能にしたポリイミドがよ
く知られている。このタイプの接着剤は、接合時の流れ
出しもなく、接着時間が短いという利点を有している。
しかしながらホットメルトタイプの接着剤は本質的にガ
ラス転移温度が低く熱可塑性であるため、リフロー方式
でのはんだづけ工程において、チップ自体が高温になっ
た場合に接着強度が維持できないという問題を有してい
た。また、耐熱性を付与するためにガラス転移温度を上
げると接着時の加工性が低下するという問題があった。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】上記状況に鑑み、本
発明の課題は、耐熱性及び接着性に優れ、吸湿時の熱履
歴に対してもクラックを生じる恐れがなく、かつ接着時
のはみ出しのない熱架橋性ポリイミドの提供、さらには
これからなる耐熱性接着剤又は耐熱性接着フィルム、及
びそれを用いた耐熱性接着テープを提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意研究した結果、特定構造の可溶性ポリイ
ミドの末端に熱架橋性の反応基を含有させた熱架橋性ポ
リイミドを接着剤として用いた場合、耐熱性と接着性に
優れ、吸湿時の熱履歴に対してもクラックを生じる恐れ
がなく、かつ接着時のはみ出しのないものであり、しか
も、フィルム化や熱架橋性ポリイミドの層を支持体の片
面又は両面に形成させることが容易であることを見出
し、本発明に至った。
【0007】すなわち、本発明の要旨は、第1に、下記
一般式(1)に示す繰り返し単位よりなる可溶性ポリイ
ミド〔式中、R1 は少なくとも1つの炭素6員環を含む
4価の芳香族残基を示し、4つのカルボニル基はこの残
基中異なった炭素原子に直接連結しており、4つのうち
の2つずつは対をなし、炭素6員環内の隣接する炭素原
子に結合しており、R2 は少なくとも1つの炭素6員環
を持つ2価の残基を示す。〕の末端に、熱架橋性基を有
していることを特徴とする熱架橋性ポリイミドである。
【0008】
【化4】
【0009】第2に、この熱架橋性ポリイミドよりなる
ことを特徴とする耐熱性接着剤であり、第3に、この熱
架橋性ポリイミドよりなる耐熱性接着フィルムであり、
第4に、この熱架橋性ポリイミドの層を、支持体の片面
又は両面に有していることを特徴とする耐熱性接着テー
プである。
【0010】
【発明の実施の形態】さらに本発明について説明する。
本発明の熱架橋性ポリイミドは、一般式(1)に示す可
溶性ポリイミドの末端に熱架橋性基を有しているもので
あり、加熱により熱架橋が起こる。一般式(1)におい
て、R1 は少なくとも1つの炭素6員環を含む4価の芳
香族残基を示し、4つのカルボニル基はこの残基中異な
った炭素原子に直接連結しており、4つのうちの2つず
つは対をなし、炭素6員環内の隣接する炭素原子に結合
している。R1 の具体例としては次のようなものが挙げ
られる。
【0011】
【化5】
【0012】R1 の好ましいものとしては、次に示す
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸に由
来する残基、3,3’,4,4’−オキシジフタル酸に
由来する残基及びこれらの混合物が挙げられ、特に好ま
しいのは、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカル
ボン酸に由来する残基:3,3’,4,4’−オキシジ
フタル酸に由来する残基が25:75〜75:25(モ
ル単位比)の範囲にあるものである。
【0013】
【化6】
【0014】R2 は少なくとも1つの炭素6員環を持つ
2価の芳香族残基を示す。R2 の具体例としては次のよ
うなものが挙げられる。
【0015】
【化7】
【0016】特に、R2 としては次のものが好ましい。
【0017】
【化8】
【0018】可溶性ポリイミドの数平均重合度は2〜4
0が好ましく、4〜40がより好ましい。数平均重合度
が2未満では製膜性が低下する傾向にあり、40を超え
ると熱架橋性基の割合が少なくなるので接着力が低下す
る傾向にある。本発明において、熱架橋性ポリイミドの
末端に有している熱架橋性基の具体例としては次に示す
ようなものを挙げることができ、これらはノルボルネン
残基、アセチレン残基及びマレイン酸残基から選ばれる
基を含有しているものである。
【0019】
【化9】
【0020】熱架橋性基は反応性の基であり、熱架橋性
基の割合としては、ジアミン単位に対し10〜100モ
ル%であることが好ましく、10〜50モル%がより好
ましい。100モル%を超えると接着時に接着剤のはみ
出しが発生することがあり、一方10モル%未満では、
高温での接着性が低下する傾向がある。
【0021】本発明の熱架橋性ポリイミドは次に述べる
ようにして製造することができる。すなわち、熱架橋性
基と、テトラカルボン酸二無水物又はジアミンと反応し
てイミド環を形成する反応基とを有する化合物をテトラ
カルボン酸二無水物及び/又はジアミンに添加してお
き、これらを溶媒中で反応させ、脱水、閉環することに
より、ポリイミドの末端に熱架橋性基が導入した熱架橋
性ポリイミドを製造することができる。前記熱架橋性基
としては、ノルボルネン残基、アセチレン残基、マレイ
ン酸残基等を例示することができ、テトラカルボン酸二
無水物又はジアミンと反応してイミド環を形成する反応
基としては、酸無水物基、アミノ基、イソシアネート基
等を例示することができる。
【0022】本発明の熱架橋性ポリイミドを製造するた
めに用いることのできる溶媒としては、上記ポリイミド
を溶解する溶媒であればいずれのものも使用できるが、
好ましいものとして、非プロトン性極性溶媒を挙げるこ
とができ、非プロトン性極性溶媒としては、N,N−ジ
メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、
N−メチル−2−ピロリドン、テトラヒドロフラン、ジ
グライム、シクロヘキサノン、イソホロン、γ−ブチロ
ラクトン、1,4−ジオキサン、N−メチルカプロラク
タム、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン等が挙げら
れる。非プロトン性極性溶媒は、一種類のみ用いてもよ
いし、二種類以上を混合して用いてもよい。このとき、
上記非プロトン性極性溶媒と相溶性がある非極性溶媒を
混合して使用してもよい。非極性溶媒としては、トルエ
ン、キシレン、ソルベントナフサ等の芳香族炭化水素が
好ましいものとしてよく使用される。混合溶媒における
非極性溶媒の割合は、30重量%以下であることが好ま
しい。非極性溶媒が30重量%以上では溶媒の溶解力が
低下してポリアミック酸が析出する恐れがあるためであ
る。
【0023】テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの
反応は、よく乾燥したジアミン成分を脱水精製した前述
の反応溶媒に溶解し、(必要ならば熱架橋性基及び反応
基を有する化合物を添加し)、これに閉環率98%、よ
り好ましくは99%以上の良く乾燥したテトラカルボン
酸二無水物を添加して(必要ならば熱架橋性基及び反応
基を有する化合物を添加して)、−5〜20℃で反応を
進める。得られたポリアミック酸溶液を、有機溶剤中で
150〜200℃に加熱して脱水閉環してイミド化し、
熱架橋性基を有するポリイミドにする。イミド化反応に
よって生じた水は閉環反応を妨害するため、水と相溶し
ない有機溶剤を系中に加えて共沸させてディーン・スタ
ーク(Dean-Stark)管等の装置を使用して系外に排出す
る。水と相溶しない有機溶剤としてはジクロルベンゼン
が知られているが、エレクトロニクス用としては塩素成
分が混入する恐れがあるので、好ましくは前記芳香族炭
化水素を使用する。また、熱架橋性基がイミド化の温度
で反応してしまう場合には、イミド化反応の触媒として
無水酢酸、β−ピコリン、ピリジン等の化合物を使用し
て低温でイミド化をすることもできる。
【0024】本発明の熱架橋性ポリイミドのイミド閉環
は程度が高いほど良く、イミド化率が低いと使用時の熱
でイミド化が起こり、水が発生して好ましくないため、
95%以上、より好ましくは98%以上のイミド化率が
達成されていることが望ましい。
【0025】本発明では、上記熱架橋性ポリイミドの製
造工程で得られたポリイミド溶液を接着剤溶液としてそ
のまま用いることができる。また該ポリイミド溶液を貧
溶媒中に投入してポリイミド樹脂を再沈殿析出させて未
反応モノマー等を除去して精製し、乾燥させたものを接
着剤として用いることができる。さらにこれを再び有機
溶剤に溶解し接着剤溶液として用いてもよく、特に揮発
分や不純物、異物等を嫌う用途においてはそのようにし
て製造したポリイミド溶液を濾過して用いることが好ま
しい。
【0026】本発明において、熱架橋性ポリイミドは単
独で接着剤として用いてもよいし、前述したように溶媒
に溶解した溶液を用いて被着体に塗布してもよい。さら
にあらかじめフィルム(シートも含む)にしたり、熱架
橋性ポリイミドの層を、支持体の片面又は両面に形成さ
せたテープにして用いてもよい。耐熱性接着フィルム
は、熱架橋性ポリイミドの溶液をスリット状ノズルから
押し出したり、バーコーター等により基材上に塗工し、
乾燥して溶媒を除去した後、基材上から剥離することに
より製造することができる。
【0027】また、耐熱性接着テープは、支持体の両面
もしくは片面に熱架橋性ポリイミドの溶液を塗布し乾燥
して、熱架橋性ポリイミドの層を設けてテープ状にする
ことにより製造することができる。支持体としては、ポ
リイミド、ポリアミド、ポリサルフォン、ポリフェニレ
ンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリ
レート等の耐熱性のエンジニアリングプラスチックのフ
ィルム等が挙げられるが、ガラス転移温度、吸水率、熱
膨張係数の点からポリイミドフィルムが好ましい。支持
体として用いる耐熱性フィルムは、接着剤との接着力を
増すために表面処理をしておくことが好ましい。表面処
理の方法としては、アルカリ処理、シランカップリング
処理等の化学的な処理やサンドブラスト、プラズマ、コ
ロナ等の処理を例示することができる。
【0028】熱架橋性ポリイミドの溶液(ワニス)を支
持体に塗工する方法は特に限定されない。例えば、ドク
ターブレードやナイフコーター、ダイコーター等いずれ
の方法で塗布してもよい。熱架橋性ポリイミドの溶液を
塗布した後、熱によって架橋してしまうのを防ぐため、
溶剤の除去は250℃以下で行うのが好ましくは、より
好ましくは200℃以下で行う。
【0029】本発明において、耐熱性接着剤、耐熱性接
着フィルム及び耐熱性接着テープは、リードフレーム、
セラミックス、金属箔、プラスチックフィルム、プラス
チック板、積層板等被着体に重ねるか、被着体の間に挟
んで熱架橋性ポリイミドの溶融温度以上の温度で加熱、
加圧することによって接着される。さらに、本発明の熱
架橋性ポリイミドには、必要に応じて例えば、有機シラ
ン、有機顔料、無機顔料、導電性のカーボンブラック及
び金、銀、ニッケル、銅、白金等の金属粒子、アルミ
ナ、シリカ、チッ化珪素、チッ化ホウ素、チッ化アル
ミ、炭化珪素のようなセラミックス粒子、その他摩滅
剤、誘電体、潤滑剤等の他公知の添加物を本発明の効果
を損なわない範囲で添加して各種機能を付与することも
できる。また、エポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂、ビ
スナジックイミド樹脂、フェノール樹脂等他の重合体を
本発明の効果を損なわない範囲で添加することもでき
る。
【0030】
【実施例】以下本発明を実施例により具体的に説明する
が本発明はこれらの実施例により限定されるものではな
い。
【0031】実施例1 Dean−Stark凝縮管付き三つ口フラスコに3,
4’−ジアミノジフェニルエーテル2.763g(1
3.8mmol)を、N−メチルピロリドン40.9g
とキシレン10gからなる混合溶媒に溶解し、8℃に保
った。これに3,3’,4,4’−オキシジフタル酸二
無水物1.980g(6.4mmol)と3,3’,
4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物1.8
78g(6.4mmol)と熱架橋性基を導入するため
の無水マレイン酸0.203g(2mmol)を30分
間にわたり徐々に加えた。添加終了後、内温を165℃
まで加熱したところイミド環の形成に伴いキシレンと水
の共沸物が留出し、加熱を7時間行った後、室温まで冷
却したところ、褐色の溶液が得られた。この溶液から、
溶媒を除去して熱架橋性ポリイミドを単離して、NMR
測定を行ったところ、マレイン酸残基が導入されている
ことが確認された。さらにIRスペクトル解析を行った
ところ、カルボン酸の吸収は無くイミド環の吸収のみが
観測された。
【0032】実施例2 実施例1において、無水マレイン酸のかわりに、4−フ
ェニルエチニルフタル酸無水物0.514gを用いた以
外は実施例1と同様に行い、熱架橋性ポリイミドを得
た。
【0033】実施例3 実施例1において、無水マレイン酸のかわりに、5−ノ
ルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物0.334g
を用いた以外は実施例1と同様に行い熱架橋性ポリイミ
ドを得た。
【0034】実施例4 実施例1において、3,3’,4,4’−オキシジフタ
ル酸二無水物を2.033g(6.6mmol)とし、
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物を1.929g(6.6mmol)とし、無水マレ
イン酸のかわりに5−ノルボルネン−2,3−ジカルボ
ン酸無水物0.222g(1.38mmol)を用いる
以外は実施例1と同様に行い熱架橋性ポリイミドを得
た。
【0035】実施例5 実施例1において、3,3’,4,4’−オキシジフタ
ル酸二無水物を1.926g(6.2mmol)とし、
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物を1.827g(6.2mmol)とし、無水マレ
イン酸のかわりに5−ノルボルネン−2,3−ジカルボ
ン酸無水物0.445g(2.76mmol)を用いる
以外は実施例1と同様に行い熱架橋性ポリイミドを得
た。
【0036】実施例6 実施例1において、3,3’,4,4’−オキシジフタ
ル酸二無水物を1.605g(5.2mmol)とし、
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物を1.523g(5.2mmol)とし、無水マレ
イン酸のかわりに5−ノルボルネン−2,3−ジカルボ
ン酸無水物1.112g(6.9mmol)を用いる以
外は実施例1と同様に行い熱架橋性ポリイミドを得た。
【0037】実施例7 実施例1において、3,3’,4,4’−オキシジフタ
ル酸二無水物を1.070g(3.5mmol)とし、
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物を1.015g(3.5mmol)とし、無水マレ
イン酸のかわりに5−ノルボルネン−2,3−ジカルボ
ン酸無水物2.224g(13.8mmol)を用いる
以外は実施例1と同様に行い熱架橋性ポリイミドを得
た。
【0038】実施例8 実施例1と同じ装置で、3,4’−ジアミノジフェニル
エーテル2.556g(12.8mmol)と熱架橋性
基を導入するための3−エチニルアニリン0.243g
(2.1mmol)を、N−メチルピロリドン40.9
gとキシレン10gからなる混合溶媒に溶解し、8℃に
保った。これに3,3’,4,4’−オキシジフタル酸
二無水物2.141g(6.9mmol)と3,3’,
4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物2.0
30g(6.9mmol)を30分間にわたり徐々に加
えた。この後実施例1と同様の操作を行い、熱架橋性ポ
リイミドを得た。
【0039】実施例9 実施例8において、3−エチニルアニリンの代わりに4
−エチニルアニリンを用いた以外はすべて実施例8と同
様に行い、熱架橋性ポリイミドを得た。
【0040】実施例10 (熱架橋性ポリイミドによるポリイミドフィルムと42
アロイとの接着試験)実施例1〜9で得られた熱架橋性
ポリイミドをN−メチルピロリドンに溶解して15重量
%の溶液を調製した。この溶液を、厚み50ミクロンの
ポリイミドフィルムに塗布して150℃で4時間乾燥
し、厚み30ミクロンの接着層を形成した。続いて、こ
の接着層上に42アロイの板を載せ、300℃で4kg
f/cm 2 の圧力で、1時間加圧した。いずれの、サン
プルでも接着剤のはみ出しはなかった。その後、常温、
150℃、250℃での180度ピール接着強度を測定
した。さらに、接着後のサンプルを85℃、85%RH
の雰囲気で48時間吸湿処理を行った後、250℃のリ
フロー炉に30秒間入れ再度、室温での接着強度を測定
した。これらの結果を、表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】実施例11 (接着テープによる42アロイとシリコンの接着試験)
実施例10で調製した熱架橋性ポリイミドの溶液を用い
て、50ミクロンのポリイミドフィルムの両面に塗布し
て、各30ミクロンの接着層を形成し、接着テープを形
成させた。厚み50ミクロンの42アロイの板とシリコ
ンウエハースの間にこの接着テープを挟みこみ、300
℃で30kgf/cm2 の圧力で1時間加圧した。いず
れのサンプルでも接着剤のはみ出しはなかった。さら
に、接着後のサンプルを85℃、85%RHの雰囲気で
48時間吸湿処理を行った後、250℃のリフロー炉に
30秒間入れ再度、室温での接着強度を測定した。これ
らの結果を、表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】実施例12 (接着フィルムの接着試験)実施例10で調製した熱架
橋性ポリイミドの溶液をガラス板状にバーコーターによ
りコートした。この後、150℃で4時間乾燥し、さら
に形成された皮膜を剥離して接着フィルムを調製した。
このフィルムを42アロイとシリコンウエハースに挟み
実施例11と同様に接着テストを行ったところ、実施例
11と同等の接着強度が得られることがわかった。これ
ら実施例の結果から、本発明の熱架橋性ポリイミド(耐
熱性接着剤)は、耐熱性と接着強度に優れており、ま
た、吸湿時の熱履歴に対してもクラックを生じることな
く接着強度を維持していることが明らかとなった。ま
た、本発明の熱架橋性ポリイミドは、溶媒に溶解して塗
布しても、フィルム状であっても、また接着テープとし
ても良好な接着性を有していることがわかった。
【0045】
【発明の効果】以上のように、本発明の熱架橋性ポリイ
ミドは、耐熱性と接着性に優れ、吸湿時の熱履歴に対し
てもクラックを生じる恐れがなく、かつ接着時のはみ出
しのないものであり、また、溶媒に可溶で既にイミド化
されているため、加工時にイミド化のための高温過程が
不要で水分の発生も無い。したがって、本発明の熱架橋
性ポリイミドは、耐熱性接着剤として好適に用いること
ができ、本発明の熱架橋性ポリイミドからは、容易に耐
熱性フィルムや耐熱性接着テープを得ることができる。
したがって、これらは、各種半導体や基板に対する耐熱
性接着用材として、連続作業性やクリーンな環境を必要
とする場合に非常に有効である。このため高信頼性と耐
熱性を要求するエレクトロニクス用材料として工業的に
極めて利用価値が高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 越後 良彰 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 Fターム(参考) 4J004 AA11 AB05 CA06 CC02 EA05 FA05 4J040 EH031 JA09 LA06 LA08 PA37 4J043 PA05 PA15 PB03 PB04 PB05 QB15 QB26 QB31 RA35 SA06 SA52 TA14 TA21 TA22 TA35 TB04 UA121 UA122 UA131 UA132 UA141 UA151 UA262 UB011 UB021 UB061 UB062 UB121 UB122 UB131 UB151 UB152 UB231 UB301 UB302 UB401 UB402 VA011 VA012 VA021 VA022 VA031 VA041 VA042 VA051 VA052 VA061 VA071 VA081 XA03 XA14 XA19 XB34 YA25 ZA02 ZA12

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)に示す繰り返し単位よ
    りなる可溶性ポリイミド〔式中、R1 は少なくとも1つ
    の炭素6員環を含む4価の芳香族残基を示し、4つのカ
    ルボニル基はこの残基中異なった炭素原子に直接連結し
    ており、4つのうちの2つずつは対をなし、炭素6員環
    内の隣接する炭素原子に結合しており、R2 は少なくと
    も1つの炭素6員環を持つ2価の残基を示す。〕の末端
    に、熱架橋性基を有していることを特徴とする熱架橋性
    ポリイミド。 【化1】
  2. 【請求項2】 熱架橋性ポリイミドの熱架橋性基がノル
    ボルネン残基、アセチレン残基及びマレイン酸残基から
    選ばれる基を含有しているものであることを特徴とする
    請求項1記載の熱架橋性ポリイミド。
  3. 【請求項3】 一般式(1)におけるR1 が、次式に示
    す3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸に
    由来する残基及び3,3’,4,4’−オキシジフタル
    酸に由来する残基であることを特徴とする請求項1記載
    の熱架橋性ポリイミド。 【化2】
  4. 【請求項4】 一般式(1)におけるR2 が、次式に示
    す3,4’−ジアミノジフェニルエーテルに由来する残
    基であることを特徴とする請求項1記載の熱架橋性ポリ
    イミド。 【化3】
  5. 【請求項5】 請求項1記載の熱架橋性ポリイミドより
    なる耐熱性接着剤。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の熱架橋性ポリイミドより
    なる耐熱性接着フィルム。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の熱架橋性ポリイミドの層
    を、支持体の片面又は両面に有していることを特徴とす
    る耐熱性接着テープ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016050305A (ja) * 2014-08-29 2016-04-11 ザ・ボーイング・カンパニーTheBoeing Company 二官能性および混合官能性エンドキャップを有するポリイミドのナノ修飾された主鎖

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