JP2000281722A - シート表面処理剤およびインクジェット方式印刷用紙 - Google Patents

シート表面処理剤およびインクジェット方式印刷用紙

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JP2000281722A
JP2000281722A JP11089740A JP8974099A JP2000281722A JP 2000281722 A JP2000281722 A JP 2000281722A JP 11089740 A JP11089740 A JP 11089740A JP 8974099 A JP8974099 A JP 8974099A JP 2000281722 A JP2000281722 A JP 2000281722A
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俊明 杉山
Gensuke Ono
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の重縮合系カチオン性重合体の欠点であ
ったコートカラー分散液の増粘あるいは凝集などの問題
点を解決し、均一に塗工層を形成でき、かつ耐水性を向
上できるインクジェット方式印刷用紙用のシート表面処
理剤を提供する。 【解決手段】 ビニルアルコール単位あるいは糖単位を
有するポリマー部分と、カチオン性基を有するポリマー
部分とからなるコポリマーを含有するシート表面処理剤
を用いる。 前記コポリマーは、前記ポリマー部分のいず
れか一方が幹ポリマーであり、そして他のポリマー部分
が枝ポリマーであるグラフトコポリマーであることが好
ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシート表面処理剤お
よびインクジェット方式印刷用紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェット方式印刷は水性の
インクを使用しているため用紙に耐水化処理を施す必要
がある。耐水化処理は大きく分けて三つある。第一の方
法は、用紙に耐水化剤を含有させておき、印刷時に水性
インクと接触させ耐水処理を行う方法である。第二の方
法は、用紙は未処理だが印刷時、印刷面に耐水化剤を吹
き付け水性インクに接触させ耐水化処理する方法であ
る。第三の方法としては、インク自体に耐水化処理を施
しておく方法である。印刷前のインクは水溶性を保って
いるが印刷後、加熱、乾燥による濃縮過程でインクが不
溶化し耐水化がなされる。この方法は印刷前、インク着
色剤と耐水化剤あるいは耐水化処理剤がインクと接触し
ているため最も高度な原理が要求される。
【0003】用紙に耐水化剤を含有させておく第一の方
法は、一見非効率的と見なされるが、塗工層の設計、使
用可能な耐水化剤の選択において非常に高い自由度を持
ち得るので現在は最も広く採用されている。
【0004】用紙に含有させる耐水化剤はカチオン性重
合体が最も広く採用されている。これはインク着色剤と
の親和性が高いためとおもわれる。実際、カチオン当量
(グラムイオン/重合体質量)と耐水化効果とは強い相
関がある。カチオン性重合体は(メタ)アクリル類酸エ
ステルや(メタ)アクリル酸アミド類、あるいはジアリ
ルアンモニウム塩等のビニル単量体の単独あるいは共重
合体が一般的に使用されれている。すなわち製造法の容
易さ、使用目的に応じた自由な分子設計、生成物の安定
性の良さなど工業的な規模で製造するために適している
からである。
【0005】しかし単量体のコスト面からみると必ずし
も長所ばかりではない。カチオン性ビニル単量体の価格
は化学工業原料一般からすると廉価ではなくコスト面で
有利とは言えない。一方、重縮合反応からカチオン性重
合体を合成するとビニルモノマーを使用しないため、適
切な原料を選択すると低コストな重合体が合成可能にな
る。重縮合反応を利用して耐水化剤を開発する試みも進
められている。例えば、ジメチルアミンとエピクロロヒ
ドリンとの重縮合物(特開平6−234268号公
報)、二級アミンとエピハロヒドリンによる重縮合物
(特開平6−92012号公報)、アンモニアとアミン
類の混合物にエピハロヒドリンを反応させた重縮合物
(特開平10−152544号公報)などがあり、イン
クジェット方式印刷用耐水化剤として応用されている。
【0006】しかしながら、従来の重縮合系カチオン性
重合体は脂肪族低級アミンとエピハロヒドリンとの反応
により生成しているのでカチオン当量が高い。耐水性効
果としては高くなる可能性はあるが、それだけコートカ
ラーに添加するときの、衝撃が強くコートカラー分散液
の増粘あるいは凝集などを起こしやすい。この現象は均
一に塗工層を形成させるという点からも好ましくない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、従来の重縮合系カチオン性重合体の欠点であったコ
ートカラー分散液の増粘あるいは凝集などの問題点を解
決し、均一に塗工層を形成できるようにするとともに耐
水性をも向上させるシート表面処理剤を提供することで
あり、本発明の第2の目的は、そのようなシート表面処
理剤を紙、プラスチックスフィルムなどのシート表面に
適用して製造される耐水性の優れたインクジェット方式
印刷用紙を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記の点を
検討した結果、ビニルアルコール単位あるいは糖単位を
有するポリマー部分と、カチオン性基を有するポリマー
部分とからなるコポリマーを含有するシート表面処理剤
を用いて紙、プラスチックスフィルムなどのシート表面
を処理することにより耐水性の低下なしにコートカラー
分散液の安定性を向上させ、同時に色濃度の増加も達成
可能なことを発見し本発明を成すに至った。
【0009】本発明の請求項1は、ビニルアルコール単
位あるいは糖単位を有するポリマー部分と、カチオン性
基を有するポリマー部分とからなるコポリマーを含有す
ることを特徴とするシート表面処理剤に関する。
【0010】本発明の請求項2は、請求項1記載のシー
ト表面処理剤において、前記コポリマーは、前記ポリマ
ー部分のいずれか一方が幹ポリマーであり、そして他の
ポリマー部分が枝ポリマーであるグラフトコポリマーで
あることを特徴とするものである。
【0011】本発明の請求項3は、請求項2記載のシー
ト表面処理剤において、前記グラフトコポリマーの前記
幹ポリマーがビニルアルコールあるいは糖単位を有する
水溶性または水分散性ポリマーから導かれ、前記枝ポリ
マーが下記一般式(1)で表される繰り返し単位を含ん
でなるポリマーであることを特徴とするものである。
【0012】
【化2】
【0013】[上記一般式(1)において、R1 、R2
は、それぞれ別個に、水素または低級アルキル基、ベン
ジル基、フェニル基、アリール基、低級アルカノール
基、シクロヘキシル基を示し、R3 、R4 は、それぞれ
別個に、水素または低級アルキル基を示し、pは0〜6
の整数を示し、qは0〜5の整数を示し、A- は陰イオ
ンを示す。]
【0014】本発明の請求項4は、請求項3記載のシー
ト表面処理剤において、前記グラフトコポリマーが、ビ
ニルアルコール単位あるいは糖単位を有する水溶性また
は水分散性ポリマーの共存下で、エピハロヒドリンとア
ミン類を反応させることにより得られることを特徴とす
るものである。
【0015】本発明の請求項5は、請求項4記載のシー
ト表面処理剤において、前記グラフトコポリマーがビニ
ルアルコール単位あるいは糖単位を有する水溶性または
水分散性ポリマーの共存下でエピハロヒドリンとアミン
類を反応させることにより得られる場合、ビニルアルコ
ール単位あるいは糖単位とエピハロヒドリンとの仕込み
モル比が1:1.5から1:35であることを特徴とす
るものである。
【0016】本発明の請求項6は、請求項3から請求項
5のいずれか一つに記載のシート表面処理剤において、
前記ビニルアルコール単位を有する水溶性または水分散
性ポリマー中に含まれるビニルアルコール単位の割合が
70モル%〜100モル%であることを特徴とするもの
である。
【0017】本発明の請求項7は、請求項3から請求項
6のいずれか一つに記載のシート表面処理剤において、
前記ビニルアルコール単位あるいは糖単位を有する水溶
性または水分散性ポリマーの重合度が100〜2000
であることを特徴とするものである。
【0018】本発明の請求項8は、請求項3から請求項
7のいずれか一つに記載のシート表面処理剤において、
前記グラフトコポリマーが、ビニルアルコール単位ある
いは糖単位を有する水溶性または水分散性ポリマーに対
して、エピハロヒドリン/アミン類を用いて重縮合反応
により10〜100重量%グラフト化したグラフトコポ
リマーであることを特徴とするものである。
【0019】本発明の請求項9は、請求項3から請求項
8のいずれか一つに記載のシート表面処理剤において、
前記グラフト反応後のポリマー混合物の濃度を20重量
%としたポリマー水溶液に対し、10重量倍のメタノー
ルを加え沈殿物を生成し、生成した沈澱物の乾固形物量
が、原料として用いたビニルアルコール単位あるいは糖
単位を有する水溶性または水分散性ポリマーの90重量
%以下であることを特徴とするものである。
【0020】本発明の請求項10は、請求項3から請求
項9のいずれか一つに記載のシート表面処理剤におい
て、前記グラフト反応後のポリマー混合物の2重量%硫
酸アンモニウム水溶液中、25℃における固有粘度が
0.05〜2.0dl/gであることを特徴とするもの
である。
【0021】本発明の請求項11は、請求項3から請求
項10のいずれか一つに記載のシート表面処理剤におい
て、上記一般式(1)で表される繰り返し単位を含んで
なるポリマーを生成するモノマーが、エピクロロヒドリ
ンとジメチルアミンであることを特徴とするものであ
る。
【0022】本発明の請求項12は、請求項1から請求
項11のいずれか一つに記載のシート表面処理剤と、填
料とバインダーとを必須成分として少なくとも含んでな
るコーテイングカラーをシート表面に塗布して製造され
ることを特徴とするインクジェット方式印刷用紙に関す
る。
【0023】本発明の請求項13は、請求項1から請求
項11のいずれか一つに記載のシート表面処理剤を必須
成分として少なくとも含んでなる処理液をシート表面に
含浸して製造されることを特徴とするインクジェット方
式印刷用紙に関する。
【0024】本発明の請求項14は、請求項12あるい
は請求項13記載のインクジェット方式印刷用紙におい
て、ポリマー純分として0.02〜5g/m2 を含むこ
とを特徴とするものである。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明のビニルアルコール単位あ
るいは糖単位を有するポリマー部分と、カチオン性基を
有するポリマー部分とからなるコポリマーをを合成する
には通常、水溶媒中で行う。具体的には、例えば、先
ず、ポリビニルアルコール単位あるいは糖単位を有する
水溶性あるいは水分散性ポリマー(以下、ポリマーAと
称す)の水溶液あるいは水分散液を調製しておく。その
後、このポリマーAをエピハロヒドリンおよびアミンと
共存させグラフト化反応を行う。この場合の反応法は種
々の方法、反応順序が考えられる。
【0026】例えば、使用するエピハロヒドリンをポリ
マーAの水溶液あるいは分散液と混合しておき、アミン
類を徐徐に滴下し原料ポリマーAのグラフト化反応を行
う。あるいは使用するエピハロヒドリンの一部を添加し
ておき、使用するアミンの一部を加え一定時間反応させ
た後、残りのエピハロヒドリンあるいはアミンを加え反
応させる。または塩基性雰囲気の下、エピハロヒドリン
を原料ポリマーAに付加させた後、残りのモノマーを反
応させるなどが考えられる。すなわち使用する原料を適
当に選択することにより種々の目的にあわせた本発明の
コポリマーを合成することが可能となる。
【0027】本発明のグラフトコポリマーが形成される
反応は、ラジカル重合時に、原料ポリマーAから水素ラ
ジカルが引き抜かれた結果、原料ポリマーAの分子中に
ラジカルが発生し、その点からグラフト鎖が生成してい
く反応とは異なる反応である。本発明においては、幹ポ
リマーとなるビニルアルコール単位を有する水溶性また
は水分散性のポリマーAの水酸基にエピハロヒドリンが
まず反応し、次にアミン類がエピハロヒドリンに反応す
るという重縮合反応が繰り返し起きグラフト鎖が生成し
ていく。本発明のグラフトコポリマーのカチオン性グラ
フト鎖の前記繰り返し単位はおよそ5〜10程度である
と推定される。
【0028】本発明においてグラフト反応は、水溶媒中
の反応濃度が高いほうが効率良くグラフト反応を行うこ
とができるので、反応濃度は高いほうが好ましい。通
常、原料ポリマーAの濃度とモノマーの濃度の総和が3
0重量パーセントから80重量パーセントで行うが、好
ましくは50重量パーセントから70重量パーセントで
ある。低級脂肪族アミンのようにエピハロヒドリンに対
し反応性が高い場合は30重量パーセントでも可能だ
が、芳香族アミンのように低反応性の場合は可能な限り
濃度を高めたほうが良く、50重量パーセントから80
重量パーセントが好ましい。
【0029】反応温度は10℃から100℃で可能だ
が、使用するアミン類とエピハロヒドリンとの反応性を
考慮して反応性の高い場合は20℃から70℃で行い、
反応性の低い場合は60℃から100℃で行うと効率が
良い。
【0030】本発明で使用するアミン類は一級、二級の
脂肪族、芳香族アミンであり線状であっても塩基性窒素
が複素環を形成していても差し支えないが、エピハロヒ
ドリンと最低二官能性である必要がある。また塩基性の
高い脂肪族アミンのほうが好ましい。一級の脂肪族アミ
ン類の例としてはモノメチルアミン、モノエチルアミ
ン、モノn−プロピルアミン、ベンジルアミン、モノエ
タノールアミン、tert−ブチルアミン、モノn−ブ
チルアミン、シクロヘキシルアなどがあげられる。二級
の脂肪族アミンの例としてはジメチルアミン、ジエチル
アミン、ジイソプロピルアミン、ジエタノールアミン、
ジベンジルアミンなどである。また、ポリアミン類も使
用することができ、たとえばエチレンジアミン、ジエチ
レントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチ
レンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジメチル
アミノプロピルアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキ
サメチレンジアミンなどがあげられる。また芳香族アミ
ンの例としてアニリン、メチルアニリン、ジフェニルア
ミン、トルイジンなどがあげられる。
【0031】一方、本発明で使用するエピハロヒドリン
はエピクロロヒドリンやエピブロモヒドリンなどが使用
可能であるが、一般的にはエピクロロヒドリンが好まし
く用いられる。
【0032】本発明で使用するビニルアルコール単位を
有する水溶性あるいは水分散性のポリマーはビニルエス
テルの単独または共重合体、あるいはビニルエステルと
共重合可能でしかも共重合後、ケン化時加水分解しない
単量体との共重合体のケン化によって合成することがで
きる。ビニルエステルの例として蟻酸ビニル、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル
などがあげられる。また共重合可能でしかも加水分解し
ない単量体の例としてエチレン、スチレン、アクリル
酸、メタクリル酸、 イタコン酸、塩化ジメチルジアリル
アンモニウムなどがあげられる。
【0033】本発明で使用するポリビニルアルコール単
位を有する水溶性または水分散性ポリマー中のポリビニ
ルアルコール単位のモル分率としては70モル%〜10
0モル%が好ましく、さらに好ましくは85モル%〜1
00モル%であり、グラフトコポリマーの幹ポリマーに
なると考えられる。70モル%未満であるとエピハロヒ
ドリンとビニルアルコール単位を有するポリマーとの反
応性が低下し、その結果グラフト化率が向上せず、すな
わちカチオン化率も増加せず、特に耐水性の効果が低下
するなど、本発明の目的を達成することができず好まし
くない。
【0034】本発明で使用するポリビニルアルコール単
位を有する水溶性または水分散性ポリマーの重合度とし
ては、100〜2000が好ましく、さらに好ましくは
200〜1000であり、目的に応じて任意のものを使
用することができる。重合度が100未満であると、幹
ポリマーの分子量が低すぎてグラフト化ポリマーとして
の性質が発現しにくく適当ではない。また重合度が20
00を超えると分子量が高いため反応液の粘度が高くな
り、表面処理剤として適度な粘性を持つことができず好
ましくなく、また取り扱いも不都合となる。
【0035】一方、本発明で使用する糖単位を有するポ
リマーの例としては、天然物として存在している多糖類
であり、具体的には、例えば、デンプン、種々の変性デ
ンプン、水溶性の種々のセルロース、グアーガム、ロー
カストビーンガム、キサンタンガム、アラビアガム等を
あげることができる。
【0036】これら多糖類の重合度としては、100〜
2000が好ましく、さらに好ましくは200〜100
0である。多糖類は一般的に酸化反応あるいは酵素反応
などによって重合度を任意に低下させることができるの
で目的に応じた原料を選択することができる。多糖類は
化学組成によってはアルギン酸やカラギーナンのように
糖鎖中に多数のカルボキシル基やスルフォン基を有する
ものがあり、これら多糖類は本発明に使用することはで
きない。重合度が100未満であると、幹ポリマーの分
子量が低すぎてグラフト化ポリマーとしての性質が発現
しにくく適当ではない。また重合度が2000を超える
と分子量が高いため反応液の粘度が高くなり、表面処理
剤として適度な粘性を持つことができず好ましくなく、
また取り扱いも不都合となる。
【0037】ビニルアルコール単位または糖単位を有す
る水溶性あるいは水分散性のポリマーAの共存下でエピ
ハロヒドリンとアミン類を反応させる場合、ビニルアル
コール単位または糖単位とエピハロヒドリンとの仕込み
モル比は好ましくは1:1.5〜1:35であり、さら
に好ましくは1:2〜1:35、特に好ましくは1:
2.5〜1:24である。またエピハロヒドリンとアミ
ン分子中のアミノ基との当量比は好ましくは1:0.4
〜1:1.5、さらに好ましくは1:0.6〜1:1.
25、特に好ましくは1:0.8〜1:1.1である。
このようにしてグラフト化反応を行った後のビニルアル
コール単位あるいは糖単位とカチオン性基との当量比は
好ましくは1:0.6〜1:52.5であり、さらに好
ましくは1:1.2〜1:40であり、特に好ましくは
1:2〜1:26である。
【0038】ビニルアルコール単位または糖単位とエピ
ハロヒドリンとの仕込みモル比が1.5未満では幹ポリ
マーにカチオン性グラフトポリマー鎖が生成しにくく、
その結果グラフト化率が向上しないので本発明の目的に
適合するグラフトコポリマーを製造することはできな
い。一方、モル比が35を超えるとホモポリマー、すな
わちアミン類とエピハロドリンとの重縮合物の生成割合
が多くなりその結果得られるグラフトコポリマーは表面
処理剤としての効果が発現しにくく本発明の目的に適合
しない。
【0039】本発明のグラフトコポリマーは表面処理剤
として応用するため適度の粘性を有することが要求され
る。本発明においては、グラフト反応後のポリマー混合
物の2重量%硫酸アンモニウム水溶液中、25℃におけ
る固有粘度が0.05〜2.0dl/gであることが好
ましく、さらに0.1〜1.5dl/gであることが好
ましい。固有粘度が0.05dl/g未満であると、表
面処理液を調製した場合、処理液の粘性が低下しすぎて
しまうので好ましくなく、また耐水性などの効果も低下
する傾向にあり好ましくない。一方、固有粘度が2.0
dl/gを超えると表面処理液の粘度がが高くなりす
ぎ、紙やプラスチックスフィルムなどのシート類の表面
処理時、操業に支障を来すので好ましくない。
【0040】本発明のグラフトコポリマーのグラフト化
率は、核磁気共鳴法や赤外分光法等によっても分析可能
である。また、グラフト化により幹ポリマーのメタノー
ルに対する溶解性が増大する性質を利用して、幹ポリマ
ーとなる原料ポリマーAの仕込み量に対するメタノール
不溶物の重量をもって、幹ポリマーのグラフト化率の指
標とする事ができる。
【0041】すなわちグラフト化が進み高カチオン性と
なった原料ポリマーAはメタノール可溶性となり濾別さ
れる。そしてカチオン性の低いグラフトコポリマーはメ
タノール不溶物として測定される。したがって原料コポ
リマーAの仕込み量と不溶物量の差はカチオン性となっ
たグラフトコポリマーの量であり、原料コポリマーAの
グラフト化率の最低値を示すものと考えられる。
【0042】具体的には、グラフト化操作をした後のポ
リマー混合物の濃度(原料として仕込んだポリビニルア
ルコールなどの原料ポリマーAと仕込みモノマーの総和
から計算される濃度)が20重量%であるポリマー水溶
液に対し、10重量倍のメタノールを加える。生成した
沈澱をNo.5Bの濾紙で濾過し、105℃にて恒量に
なるまで乾燥して乾固形物量を求める。 この乾固形物量
と仕込みのポリマーA(ポリビニルアルコールなど)量
との重量比を求める。
【0043】本発明においては、この不溶物が90重量
%以下であることが望ましい。すなわち少なくとも原料
として仕込んだポリマーAの10重量%以上がグラフト
化していることが好ましい。本発明で使用するアミン類
とエピハロヒドリンとの重縮合物もメタノールに可溶で
あり、本検定法は幹ポリマーのグラフト化率の指標とし
てのみ有効である。
【0044】本検定法で測定した場合、本発明のグラフ
トコポリマーのグラフト化率の範囲としては、ポリマー
Aに対して、好ましくは10〜100重量%であり、さ
らに好ましくは15〜100重量%であり、特に好まし
くは20〜100重量%である。グラフト化率が10重
量%未満であると本発明のグラフトコポリマーの特徴で
あるコートカラーの分散性向上、あるいは色濃度の向上
といった性質が発現しにくい。
【0045】本発明のシート表面処理剤で紙表面を処理
する場合の量としては、その紙の要求特性により決定さ
れるべきであろう。一般的には0.02〜5g/m2
度の範囲である。0.02g/m2 未満であると、耐水
性、色濃度ともに効果が発現せず、また5g/m2 を超
えると印刷後の変色が著しくなること、またベタ印刷部
のムラ等が発生し好ましくない。コート紙の場合は填
料、バインダーとともに本発明のシート表面処理剤を配
合してコーテイングカラーを調製し、シート表面に塗布
してインクジェット用印刷用紙を製造することができ
る。また普通紙の場合は酸化デンプン、ポリビニルアル
コール、表面サイズ剤と併用し、あるいは本発明のシー
ト表面処理剤単独を塗布あるいは含浸し、インクジェッ
ト用印刷用紙を製造することができる。
【0046】本発明のシート表面処理剤は他の塗工用薬
剤、例えば、カチオン界面活性剤、縮合アルミニウムイ
オン、重縮合系カチオン性高分子などのインクの電荷中
和物質や酸化デンプン、カチオンデンプン、変性デンプ
ン、ポリビニルアルコールなどの水溶性高分子やラテッ
クス、あるいは微細合成シリカ、アルミナ、タルク、カ
オリン、 クレー、炭酸カルシウムなどの塗工用顔料もし
くはインクジェット用填料を併用することができる。
【0047】上記紙やプラスチックスフィルムなどのシ
ートに本発明のシート表面処理剤を単独または他の塗工
用薬剤を混合した処理液でサイズプレス、ゲートロール
コーター、ブレードコーターなどでシート表面を処理す
ることにより本発明のインクジェット方式印刷用紙を得
ることができる。
【0048】本発明のシート表面処理剤は、ビニルアル
コール単位あるいは糖単位を有するポリマー構造を持つ
ポリマー部分と、カチオン性基を有するポリマー構造を
持つポリマー部分とからなるコポリマーであり、好まし
くは、前記ポリマー部分のいずれか一方が幹ポリマー
(主鎖)であり、そして他のポリマー部分が枝ポリマー
(側鎖)であるポリマー構造を持つグラフトコポリマー
である。一般的にポリビニルアルコールとカチオン性ポ
リマーとの相溶性は低い。一方でインクジェット方式印
刷用紙に用いる処理剤としての両者の役割は異なり、カ
チオン性ポリマーは耐水性を増し、ポリビニルアルコー
ルは色濃度の低下を防止する作用をする。単なる混合で
は両者を均一相として紙などの表面に塗布することがで
きないが、本発明のグラフトコポリマーが存在するとグ
ラフトコポリマーそのものが均一相である上に、特にバ
インダーとしてポリビニルアルコールの様な水溶性また
は水分散性バインダーを用いる場合には、当該バインダ
ーとカチオン性ポリマーとの相溶性を改善して各種のポ
リマーを均一な状態で紙などのシートの表面を処理する
ことができる。
【0049】更に本発明のシート表面処理剤はコーテイ
ングカラーに混合した時のカラー液の増粘を抑制する効
果が認められ、多量のポリマーを紙に塗布することがで
き、性能発揮に寄与する。コーテイングカラーの増粘を
防止する効果もポリビニルアルコール部とカチオン性ポ
リマー部の相溶性の改善によるものと推測される。この
様に多量のポリマーを均一に塗布できる特性の結果とし
て本発明のグラフトコポリマーを含有するシート表面処
理剤を塗布することによりインクジェット方式印刷用紙
に好ましい性質を付与することができる。
【0050】
【実施例】以下、実施例および比較例によって本発明を
更に詳しく説明するが、本発明はその要旨を越えない限
り、以下の実施例に制約されるものではない。
【0051】[グラフトコポリマーの合成例−1]温度
計、撹拌機、滴下ロートおよびコンデンサーを備えた5
00mLの4ツ口フラスコ内にポリビニルアルコール
(商品名:PVA−103、鹸化度98%、重合度30
0、クラレ(株)製)の30重量%水溶液40gとエピ
クロロヒドリンの全使用量のうち18.8g(12.5
重量%)を仕込み、一方ジメチルアミンの50重量%水
溶液を全使用量のうち22.0g(14.3重量%)を
滴下ロートより温度を65℃以下に保ちながら滴下し、
その後1時間65℃に保ち反応を続けた。その後残りの
エピクロロヒドリン132.0gをフラスコに仕込み、
残りのジメチルアミン水溶液132.0gを65℃以下
に保ち滴下し、滴下終了後65℃で6時間反応させた。
【0052】この時のエピクロロヒドリンとPVAのモ
ル比は6.0:1.0、エピクロロヒドリンとジメチル
アミンのモル比は1.00:1.05であり、PVAと
(アミン/エピクロロヒドリン)の重量比は5:95で
ある。反応終了後PVAとアミン、エピクロロヒドリン
の仕込み濃度を50重量%に調製し、回転粘度計による
溶液粘度、オストワルド粘度計による固有粘度、コロイ
ド滴定によりカチオン当量をそれぞれ測定し、反応溶液
を20重量%に希釈した後、3.2gを採取し32.0
gのメタノールを加え、その時生成した不溶析出物をN
o.5Bの濾紙により濾過し、105℃で3時間乾燥し
た後の重量を測定することにより、原料として仕込んだ
ポリビニルアルコールに対するメタノール不溶物の重量
比(不溶物量重量%)を算出した。このグラフトポリマ
ーを試料1とする。ポリマー(試料1)の諸特性を表1
に示す。
【0053】[グラフトコポリマーの合成例2〜5]
[合成例1]で用いた原料のPVAを、それぞれPVA
−105(商品名、鹸化度98%、重合度500、クラ
レ(株)製)、PVA−110(商品名、鹸化度98
%、重合度1000、クラレ(株)製)、PVA−20
3(商品名、鹸化度80%、重合度300、クラレ
(株)製)、PVA−205(商品名、鹸化度80%、
重合度500、クラレ(株)製)に変えた以外は[合成
例1]と同様な処方で試料2、3、4、5を得た。ポリ
マー(試料2〜5)の諸特性を表1に示す。
【0054】[グラフトコポリマーの比較合成例1〜
5]ジメチルアミンとエピクロロヒドリンをモル比で
1.05:1.00の重縮合物を合成した後、別にPV
A−103、PVA−105、PVA−110、PVA
−203、PVA−205の各水溶液を調製し前記重縮
合物とPVAを固形分換算で重量比を95:5に混合し
た試料を作成した。これらを比較試料1、2、3、4、
5とする。ポリマー(比較試料1〜5)の諸特性を表2
に示す。
【0055】[グラフトコポリマーの合成例6〜9]エ
ピクロロヒドリンとPVAのモル比を1.70〜33.
0:1.00まで変化させた以外は[合成例−1]と同
様な処方で試料6、7、8、9を得た。ポリマー(試料
6〜9)の諸特性を表1に示す。
【0056】[グラフトコポリマーの比較合成例6〜
9]ジメチルアミンとエピクロロヒドリンをモル比で、
1.05:1.00の重縮合物を合成した後、PVA−
103の水溶液を調製し、前記重縮合物とPVAを固形
分換算で重量比を80〜99:20〜1まで変化させ混
合した試料を作成した。これらを比較試料6、7、8、
9とする。ポリマー(比較試料6〜9)の諸特性を表2
に示す。
【0057】[グラフトコポリマーの合成例10〜1
3]アミンとしてモノメチルアミン、ジエチルアミン、
ジエチレントリアミン、ベンジルアミンを用い、エピク
ロロヒドリンとアミン類のモル比およびエピクロロヒド
リンとPVAのモル比を表1のように変えた以外は[合
成例−1]と同様な処方で試料10、11、12、13
をえた。ポリマー(試料10〜13)の諸特性を表1に
示す。
【0058】[グラフトコポリマーの比較合成例10〜
13]アミンとしてモノメチルアミン、ジエチルアミ
ン、ジエチレントリアミン、ベンジルアミンを用い、エ
ピクロロヒドリンとアミン類のモル比は合成例10〜1
3と同様な比で重縮合物を合成し、PVAと重縮合物を
重量比で5:95に混合した試料を作成した。これらを
比較試料10、11、12、13とする。ポリマー(比
較試料10〜13)の諸特性を表2に示す。
【0059】[グラフトコポリマーの合成例14〜1
5]糖単位を有する重合体として可溶性デンプン(関東
化学(株)製)を用い、エピクロロヒドリンと重合体の
モル比を3.30〜6.00:1.00まで変化した外
は[合成例1]と同様な処方で試料14、15を得た。
ポリマー(試料14〜15)の諸特性を表1に示す。
【0060】[グラフトコポリマーの比較合成例14〜
15]ジメチルアミンとエピクロロヒドリンをモル比で
1.05:1.00の重縮合物を合成した後、可溶性デ
ンプンの水溶液を調製し前記重縮合物とPVAを固形分
換算で重量比で90〜95:10〜5まで変化させ混合
した試料を合成した。これらを比較試料14、15とす
る。ポリマー(比較試料14〜15)の諸特性を表2に
示す。
【0061】[グラフトコポリマーの比較合成例16〜
20]エピクロロヒドリンとPVAのモル比を1.2:
1.0あるいは40:1.0にかえた場合(比較試料1
6、17)、また原料PVAをPVA−124(商品
名、鹸化度98%、重合度2400、クラレ(株)製)
(比較試料18)、低重合度PVA(酢酸ビニルを重合
し、その後アルカリ加水分解することにより合成したも
の、重合度約50、鹸化度96%)にかえた場合(比較
試料19)、さらにPVA−505(商品名、鹸化度5
0%、重合度500、クラレ(株)製)(比較試料2
0)の場合につき合成をおこなった。その他の条件は合
成例1と同様におこなった。ポリマー(比較試料16〜
20)の諸特性を表2に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】[実施例1〜5] (シート表面処理剤の塗布)合成粉末シリカ(ニップシ
ールHD−2、日本シリカ工業製)、ポリビニルアルコ
ール(PVA−105(鹸化度98%、重合度50
0)、クラレ(株)製)、本発明のシート表面処理剤
(試料1〜5)を重量比で50:45:5の割合でホモ
ジナイザー(日本精機製)により10000rpm、1
0分間混合し濃度25重量%のコーテイングカラーを調
製した。また調製後30分後の分散液の粘度を測定する
ことにより(B型粘度計、NO.3スピンドル、15r
pm)シート表面処理剤の分散性を評価した。市販のP
PC用紙(ステキヒトサイズ度(STOECKIGT SIZING DE
GREE)約20秒)に、このコーテイングカラーをワイヤ
ーバー(PDS04、ウェーブスター社製)によりコー
テイングカラーの固形分量として8.0g/m2 (ポリ
マー量として0.4g/m2 )塗布した後、105℃で
2時間乾燥を行い印刷およびその後の試験に供した。
【0065】(試験紙の印刷および耐水性と耐光性の測
定)塗布した試験紙をエプソン製インクジェト方式プリ
ンターPM−700Cを用いシアン、マゼンタ、イエロ
ー、黒のベタ刷りおよび印字を印刷した。印刷後の色濃
度、また耐水性あるいは耐光性試験前後の色濃度はマク
ベス反射式色濃度計RD−918により測定した。耐水
性試験はベタ印刷した試験片を300ml/minで移
動するイオン交換水中(流水)に10分間投入し前後の
色濃度を測定し残色率を評価した。耐光性試験はベタ印
刷した試験片を耐光性試験器(島津製作所製、XF−1
80CPS)を用い、照射強度500W/m2 、光源と
してキセノンランプを用い、波長300から800nm
の光で、温度50℃で40時間照射し前後の色濃度を測
定し残色率を評価した。塗布液分散性、色濃度、耐水
性、耐光性の測定結果を表3に示す。
【0066】[比較例1〜5]比較のためのシート表面
処理剤(比較試料1〜5)を用いた以外は、実施例1〜
5と同様な条件でコーテイングカラーの調製、塗布、印
刷およびその後の測定をおこなった。塗布液分散性、色
濃度、耐水性、耐光性の測定結果を表3に示す。
【0067】
【表3】
【0068】表3から判るように本発明のグラフトコポ
リマー(試料1〜5)を使用した塗布液は分散性が比較
例1〜5に比べ向上しているため粘性の低下がみられ
る。また色濃度の数値が高く、耐水性、耐光性は残色率
の向上よりその効果が認められる。
【0069】[実施例6〜9]試料6〜9に付き、実施
例1〜5と同様な条件でコーテイングカラーの調製、塗
布、印刷およびその後の測定をおこなった。塗布液分散
性、色濃度、耐水性、耐光性の測定結果を表4に示す。
【0070】[比較例6〜9]比較試料6〜9に付き、
実施例1〜5と同様な条件でコーテイングカラーの調
製、塗布、印刷およびその後の測定をおこなった。塗布
液分散性、色濃度、耐水性、耐光性の測定結果を表4に
示す。
【0071】
【表4】
【0072】表4から判るように本発明のグラフトコポ
リマー(試料6〜9)を使用した塗布液は分散性が比較
例6〜9に比べ向上しているため粘性の低下がみられ
る。また色濃度の数値が高く、耐水性、耐光性は残色率
の向上よりその効果が認められる。
【0073】[実施例10〜15]試料10〜15に付
き、実施例1〜5と同様な条件でコーテイングカラーの
調製、塗布、印刷およびその後の測定を行った。塗布液
分散性、色濃度、耐水性、耐光性の測定結果を表5に示
す。
【0074】[比較例10〜15]比較試料10〜15
に付き、実施例1〜5と同様な条件でコーテイングカラ
ーの調製、塗布、印刷およびその後の測定を行った。塗
布液分散性、色濃度、耐水性、耐光性の測定結果を表5
に示す。
【0075】[比較例16〜19]比較試料16〜20
につき実施例1〜5と同様な条件でコーティングカラー
の調製、塗布、印刷およびその後の測定を行った。ただ
し比較試料18はコーティングカラーの粘性が高くなり
すぎ塗布が不可能であったため実際には塗布試験を行わ
なかった。塗布液分散性、色濃度、耐水性、耐光性の測
定結果を表5に示す。
【0076】
【表5】
【0077】表5から判るように本発明のグラフト化ポ
リマー(試料10〜15)を使用した塗布液は分散性が
比較例10〜19に比べ向上しているため粘性の低下が
みられる。また色濃度の数値が高く、耐水性、耐光性は
残色率の向上よりその効果が認められる。
【0078】
【発明の効果】本発明のシート表面処理剤は、従来の重
縮合系カチオン性重合体の欠点であったコートカラー分
散液の増粘あるいは凝集などの問題点を解決し、コート
カラー分散液の安定性を向上させ、紙やプラスチックス
フィルムなどの表面に均一に塗工層を形成でき、同時に
色濃度の増加も達成可能とし、かつ耐水性をも向上させ
ることができる。本発明のインクジェット方式印刷用紙
は、色濃度が高く、耐水性、耐光性に優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 201/00 C09D 201/00 Fターム(参考) 2H086 BA32 BA35 BA41 4J038 CE021 CP012 CP022 GA08 HA446 KA08 MA08 MA09 MA10 MA12 MA15 NA04 PB11 PC08 PC10 4J043 PA11 QB53 RA09 SA05 SA06 SB01 TA37 TB01 ZB35 4J100 AD02P AG04P BA32H CA01 CA04 HA09 HA61 HC40 HC43

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニルアルコール単位あるいは糖単位を
    有するポリマー部分と、カチオン性基を有するポリマー
    部分とからなるコポリマーを含有することを特徴とする
    シート表面処理剤。
  2. 【請求項2】 前記コポリマーは、前記ポリマー部分の
    いずれか一方が幹ポリマーであり、そして他のポリマー
    部分が枝ポリマーであるグラフトコポリマーであること
    を特徴とする請求項1記載のシート表面処理剤。
  3. 【請求項3】 前記グラフトコポリマーの前記幹ポリマ
    ーがビニルアルコールあるいは糖単位を有する水溶性ま
    たは水分散性ポリマーから導かれ、前記枝ポリマーが下
    記一般式(1)で表される繰り返し単位を含んでなるポ
    リマーであることを特徴とする請求項2記載のシート表
    面処理剤。 【化1】 [上記一般式(1)において、R1 、R2 は、それぞれ
    別個に、水素または低級アルキル基、ベンジル基、フェ
    ニル基、アリール基、低級アルカノール基、シクロヘキ
    シル基を示し、R3 、R4 は、それぞれ別個に、水素ま
    たは低級アルキル基を示し、pは0〜6の整数を示し、
    qは0〜5の整数を示し、A- は陰イオンを示す。]
  4. 【請求項4】 前記グラフトコポリマーが、ビニルアル
    コール単位あるいは糖単位を有する水溶性または水分散
    性ポリマーの共存下で、エピハロヒドリンとアミン類を
    反応させることにより得られることを特徴とする請求項
    3記載のシート表面処理剤。
  5. 【請求項5】 前記グラフトコポリマーがビニルアルコ
    ール単位あるいは糖単位を有する水溶性または水分散性
    ポリマーの共存下でエピハロヒドリンとアミン類を反応
    させることにより得られる場合、ビニルアルコール単位
    あるいは糖単位とエピハロヒドリンとの仕込みモル比が
    1:1.5から1:35であることを特徴とする請求項
    4記載のシート表面処理剤。
  6. 【請求項6】 前記ビニルアルコール単位を有する水溶
    性または水分散性ポリマー中に含まれるビニルアルコー
    ル単位の割合が70モル%〜100モル%であることを
    特徴とする請求項3から請求項5のいずれか一つに記載
    のシート表面処理剤。
  7. 【請求項7】 前記ビニルアルコール単位あるいは糖単
    位を有する水溶性または水分散性ポリマーの重合度が1
    00〜2000であることを特徴とする請求項3から請
    求項6のいずれか一つに記載のシート表面処理剤。
  8. 【請求項8】 前記グラフトコポリマーが、ビニルアル
    コール単位あるいは糖単位を有する水溶性または水分散
    性ポリマーに対して、エピハロヒドリン/アミン類を用
    いて重縮合反応により10〜100重量%グラフト化し
    たグラフトコポリマーであることを特徴とする請求項3
    から請求項7のいずれか一つに記載のシート表面処理
    剤。
  9. 【請求項9】 前記グラフト反応後のポリマー混合物の
    濃度を20重量%としたポリマー水溶液に対し、10重
    量倍のメタノールを加え沈殿物を生成し、生成した沈澱
    物の乾固形物量が、原料として用いたビニルアルコール
    単位あるいは糖単位を有する水溶性または水分散性ポリ
    マーの90重量%以下であることを特徴とする請求項3
    から請求項8のいずれか一つに記載のシート表面処理
    剤。
  10. 【請求項10】 前記グラフト反応後のポリマー混合物
    の2重量%硫酸アンモニウム水溶液中、25℃における
    固有粘度が0.05〜2.0dl/gであることを特徴
    とする請求項3から請求項9のいずれか一つに記載のシ
    ート表面処理剤。
  11. 【請求項11】 上記一般式(1)で表される繰り返し
    単位を含んでなるポリマーを生成するモノマーが、エピ
    クロロヒドリンとジメチルアミンであることを特徴とす
    る請求項3から請求項10のいずれか一つに記載のシー
    ト表面処理剤。
  12. 【請求項12】 請求項1から請求項11のいずれか一
    つに記載のシート表面処理剤と、填料とバインダーとを
    必須成分として少なくとも含んでなるコーテイングカラ
    ーをシート表面に塗布して製造されることを特徴とする
    インクジェット方式印刷用紙。
  13. 【請求項13】 請求項1から請求項11のいずれか一
    つに記載のシート表面処理剤を必須成分として少なくと
    も含んでなる処理液をシート表面に含浸して製造される
    ことを特徴とするインクジェット方式印刷用紙。
  14. 【請求項14】 ポリマー純分として0.02〜5g/
    2 を含むことを特徴とする請求項12あるいは請求項
    13記載のインクジェット方式印刷用紙。
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