JP2000281646A - テトラヒドロピリジンジカルボン酸又はその誘導体並びにその製造方法 - Google Patents

テトラヒドロピリジンジカルボン酸又はその誘導体並びにその製造方法

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JP2000281646A
JP2000281646A JP11026497A JP2649799A JP2000281646A JP 2000281646 A JP2000281646 A JP 2000281646A JP 11026497 A JP11026497 A JP 11026497A JP 2649799 A JP2649799 A JP 2649799A JP 2000281646 A JP2000281646 A JP 2000281646A
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Keiro Kita
圭郎 喜多
Ikuzo Nishiguchi
郁三 西口
Hiroshi Maekawa
博史 前川
Yasuhiro Yamazaki
康寛 山▲崎▼
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Orient Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 還元剤を用いて、還元的付加反応時、特異な
官能基Yを導入することができ、還元剤を用いず電極還
元反応を利用して副生成物の生成を抑えつつ高選択的に
特定の二重結合を還元することにより、高収率で工業的
に安価に種々のテトラヒドロピリジンジカルボン酸又は
その誘導体を得る。 【解決手段】 N原子上に置換基Xを有するジヒドロピ
リジンジカルボン酸又はその誘導体を還元することによ
って得られる下記一般式(I)で表されるテトラヒドロ
ピリジンジカルボン酸又はその誘導体 【化1】 〔Z及びZは、それぞれ独立して水酸基、アルコキ
シ基、アミノ基、N−アルキルアミノ基又はN−ジアル
キルアミノ基を示し、Yは、水素原子、アシル基、トリ
アルキルシリル基、アリールジアルキルシリル基又はジ
アリールアルキルシリル基を示し、[CN−X]
は、N原子上に置換基Xを有するテトラヒドロピリジン
環を示し、Xは、水素原子、アシル基、アルキル基、又
はアラルキル基を示す。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、生理活性物質と
して、また医薬や農薬の中間体等として有用なテトラヒ
ドロピリジンジカルボン酸又はその誘導体、及びその化
合物の還元的反応による新規な製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電極反応を利用する有機合成化学
が省エネルギー、省資源、無公害プロセスとして注目さ
れている。
【0003】有機電極反応に関する文献としては、例え
ば「有機電解合成」(1981年講談社サイエンティフ
ィック発行 鳥居滋著)、「化学と教育」(1997年
45巻3号 124乃至133頁)、M.R.Rifi and F.
H.Covitz,"Introductionto Organic Electrochemistr
y"、A.J.Fry,"Synthetic Organic Electrochemistry",2
nd Ed.,John Wiley,New York(1989)、Organic Electroc
hemistry,An Introduction and a Guide",3rd Ed.,by
H.Lund and M.M.Baizer,Marcel Dekker(1991)等が挙げ
られる。
【0004】特許文献としては、電極酸化反応によるp
−アセトキシベンズアルデヒド又はそのアセタールの製
造方法(特開昭56−87683号公報);2,6−ジ
−tert−ブチル−4−メチルフェノールの間接電解酸化
反応(特開昭62−13585号公報);カプラー及び
塩基存在下に、p−ニトロソアニリン、ニトロソフェノ
ール又はそれらの誘導体を、電極反応でカップリングさ
せ、インドアニリン系染料やインドフェノール系染料を
合成する方法(特開平6−263993号公報);電解
還元反応によるメチル置換パラアニシジン類の製造方法
(特公昭57−15673号公報);電極還元反応によ
る1,2−ジヒドロフタル酸類の製造法(特開平4−2
88039号公報)等が挙げられる。また、化学増刊8
6(化学同人発行),Electroorganic Chemistry,15
7乃至174頁には、「特許から見たElectroorganic C
hemistryの可能性」が掲載されており、さらにToppics
Curent Chemistry,148, Springerverlag Electrochemis
try,D.Degner.には、多数の特許情報が掲載されてい
る。
【0005】一方、生理薬理活性物質の探索は、多様化
するウイルス、菌類に対して薬学や農薬学や病理学の見
地から、重要な課題となっている。そのような化合物の
基本骨格は種々知られており、例えば、アミノ酸誘導
体、ビタミンB6のアミノピリジン誘導体、抗生物質で
あるeverninomicin誘導体等は生理薬理活性物質の一つ
である。
【0006】また、下記構造のニフェジピン(Niphedip
ine)を含むジヒドロピリジンジカルボン酸誘導体の多
くは、冠血管拡張剤としてよく知られている。
【0007】
【化5】 このような化合物の中間体である1,4−ジヒドロピリ
ジンジカルボン酸エステルは、ピリジン−3,5−ジカ
ルボン酸エステルを、例えば水素化アルミニウムリチウ
ムで還元することにより得ることができる。
【0008】一般に、ポリヒドロピリジン類は、ピリジ
ン誘導体を、アルミニウムアマルガム、水素化アルミニ
ウムリチウム、無水酢酸と亜鉛粉末等の還元剤を用いて
還元することにより製造される。
【0009】また、特開平9−202792号公報に
は、脂肪族又は脂環族カルボニル化合物とクロロシラン
とを、マグネシウムのような金属触媒を用いて非プロト
ン性極性溶媒中で反応させるシリルエノールエーテル化
合物の製造方法が提案されている。また、特開平8−2
17780号公報には、マグネシウム金属触媒を用いて
芳香族カルボニル化合物とクロロシランとを非プロトン
性極性溶媒中で反応させるトリアルキルシリルトリアキ
ルシロキシメチレン化合物の製造方法が提案されてい
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来法
でのポリヒドロピリジンポリカルボン酸又はその誘導体
の製法は、工業的生産の点で、還元剤の取扱上の安全性
確保、反応後の廃棄物処理等の環境保全の課題、特に反
応の収率及び選択性等において経済効率上の課題を有し
ていた。また、ピリジン誘導体を前記のアルミニウムア
マルガムや水素化アルミニウムリチウム等の一般的還元
剤を用いる場合と、特殊水素添加を除いた特殊な場合で
は、テトラヒドロ体、ヘキサヒドロ体の3種の混合物が
得られ、ジヒドロ体やテトラヒドロ体の選択的製造は困
難であった。更に、テトラヒドロピリジンポリカルボン
酸又はその誘導体に特異な官能基を導入する技術は困難
であった。
【0011】一方、有機合成の新しい有力な手段として
の有機電極反応は、反応の収率及び選択性等の点で優位
性を持つ場合が多く、反応形態も多様である。本発明者
らは、そのような有利な電極還元反応を利用したジヒド
ロピリジンジカルボン酸誘導体の製造方法を提案してい
る(特願平10−78462)。
【0012】本発明は、従来技術に存した上記のような
課題に鑑み行われたものであって、その目的とするとこ
ろは、省エネルギー、省資源、無公害性の観点から、取
扱性が比較的容易な還元剤を用いて、又は還元剤を用い
ず電極還元反応を利用して、副生物の生成を抑えつつ選
択的に特定の二重結合を還元することにより、ジヒドロ
ピリジンジカルボン酸又はその誘導体から良好な収率で
工業的に安価に種々のテトラヒドロピリジンジカルボン
酸又はその誘導体を高選択的に得る方法、還元的反応時
にテトラヒドロピリジン環にアシル基やアルキルシリル
基のような特異な官能基を導入する方法、及び新規テト
ラヒドロピリジンジカルボン酸又はその誘導体を提供す
ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】(A) 本発明のテトラ
ヒドロピリジンジカルボン酸又はその誘導体は、下記一
般式(I)で表されるものである(請求項1)。
【0014】
【化6】 〔一般式(I)中、Z及びZは、それぞれ独立して
水酸基、アルコキシ基、アミノ基、N―アルキルアミノ
基又はN-ジアルキルアミノ基を示し、Yは、水素原
子、アシル基(好ましくはアセチル基)、トリアルキル
シリル基、アリールジアルキルシリル基、ジアリールア
ルキルシリル基(好ましくはトリアルキルシリル基)を
示し、[CN−X]は、N原子上に置換基Xを有
するテトラヒドロピリジン環を示し、Xは、水素原子、
アシル基(好ましくはアセチル基)、アルキル基(好ま
しくはメチル基)、又はアラルキル基(好ましくはベン
ジル基)を示す。〕 (A-1) 上記一般式(I)で表されるテトラヒドロピ
リジンジカルボン酸又はその誘導体は、異性体として、
1,2,3,4−テトラヒドロ体、1,2,3,6−テ
トラヒドロ体及び3,4,5,6−テトラヒドロ体があ
るが、好ましいものとしては、1,2,3,4−テトラ
ヒドロピリジンジカルボン酸エステル又はその誘導体を
挙げることができる(請求項2)。特に好ましくは下記
式(1)乃至(5)で表されるテトラヒドロピリジンジ
カルボン酸エステル又はその誘導体である。
【0015】
【化7】 〔式(1)、(2)、(3)におけるAcはアセチル基
を示し、式(5)におけるBzはベンジル基を示す。〕
【0016】(B) 本発明の上記一般式(I)で表さ
れるテトラヒドロピリジンジカルボン酸又はその誘導体
の製造方法は、N原子上に置換基Xを有するジヒドロピ
リジンジカルボン酸又はその誘導体に還元的付加反応を
行わせる工程を有する(請求項3)。
【0017】(B-1) 上記(B)の製造方法における
還元的付加反応は、マグネシウム金属の存在下で行わせ
ることが望ましい(請求項4)。また上記製造方法にお
ける還元的付加反応は、水素化ホウ素化合物の存在下で
行わせることが望ましい(請求項5)。
【0018】(B-1-1) この場合、N原子上に置換基
Xとしてアシル基、アルキル基、又はアラルキル基を有
するジヒドロピリジンジカルボン酸又はその誘導体に還
元的付加反応を行わせる工程においてジヒドロピリジン
環の炭素二重結合位(好ましくは4位)をアシル化、ト
リアルキルシリル化、アリールジアルキルシリル化又は
ジアリールアルキルシリル化するものとすることができ
る(請求項7)。
【0019】(B-2) また、上記(B)の製造方法に
おけるN原子上に置換基X(例えば水素原子)を有する
ジヒドロピリジンジカルボン酸又はその誘導体について
の還元的付加反応は、電極還元反応により行わせること
が望ましい(請求項6)。
【0020】(B-3) 上記(B)、(B-1)、(B-1-
1)又は(B-2)の製造方法におけるジヒドロピリジンジ
カルボン酸又はその誘導体は、下記一般式(II)で表さ
れるものとすることができる(請求項8)。
【化8】 〔一般式(II)中、Z及びZは、それぞれ独立して
水酸基、アルコキシ基、アミノ基、N―アルキルアミノ
基又はN-ジアルキルアミノ基を示し、[CN−
X]は、N原子上に置換基Xを有するジヒドロピリジン
環を示し、Xは、水素原子、アシル基(好ましくはアセ
チル基)、アルキル基(好ましくはメチル基)、又はア
ラルキル基(好ましくはベンジル基)を示す。〕
【0021】(B-4) 上記(B)、(B-1)、(B-1-
1)、(B-2)又は(B-3)の製造方法におけるN原子上
に置換基Xを有するジヒドロピリジンジカルボン酸又は
その誘導体は、ジヒドロピリジン−2,3−ジカルボン
酸エステル、ジヒドロピリジン−2,4−ジカルボン酸
エステル、ジヒドロピリジン−2,5−ジカルボン酸エ
ステル、ジヒドロピリジン−2,6−ジカルボン酸エス
テル、ジヒドロピリジン−3,4−ジカルボン酸エステ
ル、若しくは、ジヒドロピリジン−3,5−ジカルボン
酸エステル、又はこれらのN−アセチル化物、N−ベン
ジル化物、若しくはN−アルキル化物、或いはこれらに
対応するジカルボン酸アミド類、又はジカルボン酸類と
することができる。
【0022】(B-5) 上記(B-2)の製造方法は、溶媒
及び支持電解質の存在下、下記式(II−1)で表される
ジヒドロピリジンジカルボン酸又はその誘導体
【化9】 〔式(II−1)中、Z及びZは、それぞれ独立して
水酸基、アルコキシ基、アミノ基、N―アルキルアミノ
基又はN-ジアルキルアミノ基を示し、[CN−
X]は、N原子上に置換基として水素原子を有するジヒ
ドロピリジン環を示す。〕を、電極還元反応させ、下記
式(I−1)で表されるテトラヒドロピリジンジカルボ
ン酸又はその誘導体
【0023】
【化10】 〔式(I−1)中、Z及びZは、それぞれ独立して
水酸基、アルコキシ基、アミノ基、N―アルキルアミノ
基又はN-ジアルキルアミノ基を示し、Yは水素原子を
示し、[CN−X]は、N原子上に置換基として
水素原子を有するテトラヒドロピリジン環を示す。〕を
製造するものとすることができる(請求項10)。
【0024】(B-6) 上記(B)、(B-1)、(B-1-
1)、(B-2)、(B-3)、(B-4)又は(B-5)の製造方
法は、N原子上に置換基Xを有するジヒドロピリジンジ
カルボン酸又はその誘導体を得る工程を有するものとす
ることができる(請求項11)。
【0025】
【発明の実施形態】本発明のテトラヒドロピリジンジカ
ルボン酸又はその誘導体の製造方法において用いるN原
子上に置換基Xを有するジヒドロピリジンジカルボン酸
又はその誘導体、すなわち基質(出発原料又は原料中間
体)は、前記一般式(II)で表されるものとすることが
でき、その例としては、Z及びZが水酸基であるジ
ヒドロピリジンジカルボン酸類、Z及びZがアミノ
基(−NH)、N−アルキルアミノ基[例えば、−N
H(炭素数1乃至4のアルキル)、又はN−ジアルキル
アミノ基[例えば、−N(炭素数1乃至4のアルキル)
]であるジヒドロピリジンジカルボン酸アミド類、Z
及びZがアルコキシ基であるジヒドロピリジンジカ
ルボン酸エステル類が挙げられ。好ましい例としては、
及びZが、炭素数1乃至4のアルコキシ基であ
る、ジヒドロピリジン−2,3−ジカルボン酸エステ
ル、ジヒドロピリジン−2,4−ジカルボン酸エステ
ル、ジヒドロピリジン−2,5−ジカルボン酸エステ
ル、ジヒドロピリジン−2,6−ジカルボン酸エステ
ル、ジヒドロピリジン−3,4−ジカルボン酸エステ
ル、及びジヒドロピリジン−3,5−ジカルボン酸エス
テルを挙げることができる。特に好ましい例としては、
1,2−ジヒドロピリジン−2,3−ジカルボン酸エス
テル、1,4−ジヒドロピリジン−2,6−ジカルボン
酸エステル、及び1,2−ジヒドロピリジン−3,4−
ジカルボン酸エステル、並びにそれらのN−アシル化物
(好ましくはN−アセチル化物)、それらのN−アラル
キル化物(好ましくはN−ベンジル化物)、及びN−ア
ルキル化物(好ましくはN−メチル化物)を挙げること
ができる。
【0026】一般式(II)のジヒドロピリジンジカルボ
ン酸又はその誘導体においては、カルボン酸エステル基
(カルボアルコキシ基)におけるアルコキシ基の例とし
て、炭素数4以下の直鎖又は分岐鎖アルコキシ基、例え
ばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポ
キシ基、ブトキシ基等を挙げることができる。また場合
によっては、これらにおけるジヒドロピリジン環に1乃
至2個のメチル基やエチル基のようなアルキル基を更に
有していてもよい。
【0027】このようなジヒドロピリジンジカルボン酸
又はその誘導体(基質)の合成は、例えば特願平10−
78462号に記載のように、ピリジンジカルボン酸又
はその誘導体を電極還元反応させることにより行い得
る。
【0028】例えば、1,2−ジヒドロピリジン−2,
3−ジカルボン酸エステルの合成(後記合成例1)は、
次のi)乃至iv)により行い得る。 i) 陽極にカーボン電極、陰極にプラチナ板を用いて電
極反応に使用するセルを作成する。 ii) 陽極には隔膜を使用し、この中に、溶媒及び支持電
解質[例えば、5%w/wのp−トルエンスルホン酸テト
ラエチルアンモニウム塩(EtNOTs)メタノール
溶液]を入れる。 iii)隔膜の外の陰極側には、被還元反応基質(ピリジン
ジ−2,3−ジカルボン酸エステル)と溶媒及び支持電
解質(例えば、5%w/wEtNOTsメタノール溶
液)と必要に応じて塩基(例えば、塩化アンモニウム
等)を入れる。 iv) 反応条件下で通電し、電極反応終了後、生成物を分
離する。
【0029】また、1,4−ジヒドロピリジン−2,6
−ジカルボン酸エステル等の電極還元反応による合成も
上記と同様に行い得る(後記合成例3)。
【0030】上記一般式(I)及び一般式(II)におけ
るN原子上の置換基Xの具体例としては、水素原子;ア
セチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基等
の炭素数2乃至4のアシル基;メチル基、エチル基、プ
ロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の炭素数4以下
の直鎖又は分岐鎖アルキル基;ベンジル基、フェニルエ
チル基、α,α'−ジメチルベンジル基等のアラルキル基
を挙げることができる。
【0031】N原子上に置換基としてアシル基を有する
基質、例えばN−アセチル−1,2−ジヒドロ−2,3
−ピリジンジカルボン酸エステルの合成は、次のように
行うことができる。すなわち、水素化ナトリウム(Na
H)のDMF溶液を調製して−40℃に冷却し、これに
対し1,2−ジヒドロピリジン−2,3−ジカルボン酸
エステルのDMF溶液を滴下して−40℃で10分間攪
拌する。その後、これに対し塩化アセチルのDMF溶液
を滴下して−40℃で約1時間攪拌し、更に室温で約1
時間攪拌する。その後、反応液を氷水中に注ぎ、ジエチ
ルエーテルで数回抽出し、得られた有機層を飽和食塩水
で洗浄する。それを無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、
溶媒を留去した後、ヘキサン/酢酸エチル混合溶媒中で
再結晶させる(後記合成例2)。
【0032】N原子上に置換基としてアルキル基を有す
る基質、例えばN−メチル−1,4−ジヒドロ−3,4
−ピリジンジカルボン酸エステルの合成は、3,4−ピ
リジンジカルボン酸エステルを臭化メチルと反応させ
て、N−メチル−3,4−ジカルボメトキシ−ピリジニ
ウムブロマイドを調製し、これを上記と同様に電極還元
反応させることにより得られる。
【0033】N原子上に置換基としてアラルキル基を有
する基質、例えばN−ベンジル−1,4−ジヒドロ−
3,4−ピリジンジカルボン酸エステルの合成は、3,
4−ピリジンジカルボン酸エステルを臭化ベンジルと反
応させて、N−ベンジル−3,4−ジカルボメトキシ−
ピリジニウムブロマイドを調製し、これを上記と同様に
電極還元反応させることにより得られる(後記合成例
4)。
【0034】本発明の製造方法に従いN原子上に置換基
Xを有するジヒドロピリジンジカルボン酸又はその誘導
体を還元することにより、選択的にピリジン環に二重結
合(−C=C−)を1個有するテトラヒドロ誘導体のみ
が、すなわち本発明のテトラヒドロピリジンジカルボン
酸又はその誘導体が、効率的に得られる。
【0035】本発明の製造方法において、N原子上の置
換基Xの役割は重要である。置換基Xが水素原子の場
合、それなりに酸性度を有しているため、一般に不安定
であると同時に求電子反応だけでなく求核反応にも不向
きである。そのため置換基Xの効果は大きい。本発明の
製造方法における還元的付加反応において還元剤として
マグネシウム金属又は水素化ホウ素化合物を用いる方
法、及び還元剤を用いない電極還元方法が好ましい。こ
のような還元剤を用いる場合に基質であるジヒドロピリ
ジンジカルボン酸又はその誘導体におけるN原子上の置
換基Xとして好ましいのは、アシル基(特にアセチル
基)、アラルキル基(特にベンジル基)、及びアルキル
基(特にメチル基)である。また電極還元方法による場
合に置換基Xとして好ましいのは、水素(H)、アシル
基(特にアセチル基)、アラルキル基(特にベンジル
基)、及びアルキル基(特にメチル基)である。
【0036】還元剤としてマグネシウム金属を用いる方
法及び水素化ホウ素化合物を用いる方法においては、基
質として特にN−X−1,2−ジヒドロピリジン−2,
3−ジカルボン酸エステルを用いることが好ましい。水
素化ホウ素化合物の例としては、水素化ホウ素[例え
ば、一価の重合体(BH)、ボリン(BH)、ジボ
ラン(B)等]、水素化ホウ素金属[例えば、水
素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、水素化
ホウ素リチウム、水素化ホウ素アルミニウム等]等が挙
げられる。
【0037】還元剤を必要としない電極還元方法では、
基質として特に1,2−ジヒドロピリジン−2,3−ジ
カルボン酸エステル及び1,4−ジヒドロピリジン−
2,6−ジカルボン酸エステルが好ましい。
【0038】また、本発明のテトラヒドロピリジンジカ
ルボン酸又はその誘導体は、ヒドロピリジン環に特異な
官能基Y[アシル基(特にアセチル基)又はトリアルキ
ルシリル基、アリールジアルキルシリル基、又はジアリ
ールアルキルシリル基]を有するものであってもよい。
【0039】官能基Yの具体例としては、アセチル基、
プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、ベンゾイル
基等の炭素数2乃至7のアシル基;トリメチルシリル
基、トリエチルシリル基、フェニルジメチルシリル基、
第3級ブチルジメチルシリル基、ジフェニルメチルシリ
ル基等のアルキル(炭素数1乃至4)置換又はフェニル
アルキル(炭素数1乃至4)置換シリル基が挙げられ
る。
【0040】ヒドロピリジン環に官能基Yを導入するた
めのアシル化剤としては、無水酢酸、塩化アセチル、塩
化プロピオニル、塩化ベンゾイル等を使用することがで
き、トリアルキルシリル化剤としては、トリメチルクロ
ロシラン、トリエチルクロロシラン等を使用することが
できる。アシル化剤及びトリアルキルシリル化剤の使用
量は、基質であるジヒドロピリジンジカルボン酸又はそ
の誘導体に対して、モル比で2乃至15倍量、好ましく
は5乃至10倍量である。
【0041】本発明の製造方法においては、官能基Yの
導入は、基質に還元的付加反応を行わせる工程において
同時進行的に行なうことができる。還元剤としてマグネ
シウム金属又は水素化ホウ素化合物を用いる場合には、
ジヒドロピリジン環の窒素原子(N)は予め水素原子以
外の置換基X[アシル基、アラルキル基、又はアルキル
基]で保護しておくことが望まれる。アセチル化剤等の
アシル化剤やトリアルキルシリル化剤等のアルキルシリ
ル化剤によるN−アシル化やN−シリル化などの置換反
応を防ぐと共に、反応条件下における出発物質や生成物
の安定性を増大させるためである。還元剤を必要としな
い電極還元反応の場合には、ジヒドロピリジン環のN原
子上の置換基Xは、水素原子(H)であってもよく、ア
シル基、アラルキル基、又はアルキル基であってもよ
い。
【0042】電極還元反応による本発明のテトラヒドロ
ピリジンジカルボン酸又はその誘導体の合成は、前記ジ
ヒドロピリジンジカルボン酸又はその誘導体の合成にお
ける電極還元反応と同様に行うことができる。
【0043】すなわち、溶媒及び支持電解質の存在下、
上記式(II−1)で表されるジヒドロピリジンジカルボ
ン酸又はその誘導体を、電極還元反応させ、上記式(I
−1)で表されるテトラヒドロピリジンジカルボン酸又
はその誘導体を製造することができる。
【0044】その好適な例として、下記式の左に示され
る1,4−ジヒドロ−2,6−ピリジンジカルボン酸ジ
メチルを電極還元反応させることにより、下記式の右に
示される2,6−ジカルボメトキシ−1,4,5,6−
テトラヒドロピリジンを選択的に得る例を挙げることが
できる(実施例3)。
【0045】
【化11】 この種電極反応で使用する溶媒は、一般に、(1)被還
元物質に対する親和性、(2)支持電解質の溶解力、
(3)極性(高い誘電率)、(4)電気化学安定性、
(5)コスト、(6)反応溶媒としての可能性及び取扱
性等を考慮して選択される。
【0046】このような条件を満たす好ましい溶媒とし
ては、メタノール(MeOH)、エタノール(EtO
H)等のアルコール系溶媒;ジメチルホルムアミド(D
MF)、ピロリドン類等のアミド系溶媒;テトラヒドロ
フラン(THF)、ジオキサン、トリオキサン、グライ
ム等のエーテル系溶媒;スルホラン;これら2種以上の
混合液;これらの1種のものの混合水溶液又は2種以上
のものの混合水溶液等が挙げられる。
【0047】溶媒にイオン導電性を与えるための支持電
解質としては、第4級アルキルアンモニウム塩(例え
ば、p−トルエンスルホン酸テトラエチルアンモニウム
塩;第4級アルキルアンモニウムハライド;第4級アル
キルアンモニウムカチオンのOTs塩、OMs塩、BF
酸塩、ClO酸塩、PF塩、OAc酸塩、各種ハ
ロゲン塩)等の有機塩が挙げられる。また、溶媒の誘電
率が高い場合には、前記有機塩以外に、KF、LiCl
、LiCl等の無機塩;硫酸、塩酸、リン酸、過塩
素酸等の鉱酸;及び水酸化カリウム、水酸化ナトリウ
ム、炭酸ナトリウム等の塩基等も使用できる。
【0048】溶媒と支持電解質の組合せとしては、種々
の組合せが可能であるが、良好な選択率と電流効率で生
成物が得られる溶媒/支持電解質系であることが好まし
い。そのような溶媒/支持電解質系としては、例えば、 MeOH(メタノール)/EtNOTs(p−トルエ
ンスルホン酸テトラエチルアンモニウム塩); DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)−MeOH
(メタノール)/EtNOTs; 酢酸又は酢酸水溶液/EtNOTs; メタノール又はメタノール水溶液/硫酸; ピロリドン水溶液/EtNOTs; グライム水溶液/RNCl(Rはアルキル
基)、又はBuNBr; LiCl/CHNH、CNH、HNCH
CHNH、又はアミノピリジン等の低級脂肪アミ
ン; LiCl/HMPA(ヘキサメチルホスホリックアミ
ド)−EtOH(混合液); 等が挙げられる。
【0049】電極還元反応は、陰極で還元的に生成する
溶媒和電子、又は陰極からある被還元物質への電子移動
により生成するアニオン種の、二重結合への付加により
成り立つ。溶媒和電子は、通常、液体アンモニア中でナ
トリウムやリチウム等のアルカリ金属により生成する
が、電極還元法を用いればはるかに容易に発生させるこ
とができる。
【0050】電極還元反応においては、溶媒和電子は、
このような溶媒/支持電解質の反応系の中で室温常圧下
で通電を行うだけで発生するので、アルカリ金属/液体
アンモニアの系に比べて反応条件がより温和であり、操
作もはるかに簡便であり、安全性もきわめて高い。ま
た、溶媒和電子は高い反応性をもち、芳香環の不活性な
二重結合への水素付加が容易に起こる。
【0051】電極反応の方式は、定電流法と定電位法の
何れを用いることもできるが、装置の簡便さ及び反応時
間算出の容易さの点で定電流法が好ましい。
【0052】陽極の材料としては、銀、プラチナ等の貴
金属、各種カーボン材料、酸化チタンや酸化ルビジウム
などの金属酸化物を被覆したチタン、酸化鉛/鉛、マグ
ネタイト及びフェライト等が挙げられる。一方、陰極と
しては、カーボン材料及び各種金属(例えば、鉛、亜
鉛、銅など)を用いることができる。
【0053】本発明の製造方法は、無隔膜法でも行うこ
とができるが、生成するテトラヒドロピリジン酸の再酸
化を防止する確率を向上させるという理由で、隔膜法で
行うことが好ましい。隔膜の素材としては、ガラスフィ
ルタ、素焼材料、多孔性樹脂製フィルタ、及び各種イオ
ン交換膜等が挙げられる。
【0054】本発明の製造方法におけるピリジンジカル
ボン酸又はその誘導体から反応基質(原料)としてのジ
ヒドロピリジンジカルボン酸又はその誘導体への電極還
元反応、及びそのジヒドロピリジンジカルボン酸又はそ
の誘導体から本発明のテトラヒドロピリジンジカルボン
酸又はその誘導体への電極還元反応では、反応スケール
を容易に拡大することが可能である。この発明に用いる
反応基質としてのジヒドロピリジンジカルボン酸ジメチ
ル5molスケールでの反応系を例にとると、陽極側に
は、溶媒5乃至20L(リットル)及び支持電解質0.
3乃至7.0mol、隔膜の外の陰極側には、溶媒20
乃至80L及び支持電解質1乃至20molを使用し、
0乃至50℃の温度で、5乃至40Aで10乃至250
時間通電することにより反応させることができる。
【0055】後記実施例及び合成例に示すように、本発
明における基質としてのジヒドロピリジンジカルボン酸
又はその誘導体、或いは基質の原料としてのピリジンジ
カルボン酸又はその誘導体は、電極還元反応により選択
的に還元され、高収率で、目的のテトラヒドロピリジン
ジカルボン酸又はその誘導体、或いは本発明における基
質としてのジヒドロピリジンジカルボン酸又はその誘導
体を与える。
【0056】本発明の1,2,3,4−テトラヒドロピ
リジン誘導体は、全て新規である。そのうち特にN−ア
セチル−4−トリメチルシリル−2,3−ジカルボメト
キシ−1,2,3,4−テトラヒドロピリジン(実施例
2)、2,6−カルボメトキシ−1,2,3,4−テト
ラヒドロピリジン(実施例3)、及びN−アセチル−
2,3−ジカルボメトキシ−1,2,3,4−テトラヒ
ドロピリジン(実施例4)は、本発明の製造方法により
良好な収率で得られた。これらのテトラヒドロピリジン
誘導体の分子構造は、二重結合の位置及び還元時に官能
基Yを導入した場合の官能基Yの位置も含め、種々の分
光学的手段(NMR、IR、GC−MS)により確認し
た。
【0057】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、ジヒドロピ
リジンジカルボン酸又はその誘導体について特定の還元
剤を用いて或いは還元剤を用いずに電極還元反応を利用
して還元的付加反応を行わせることにより、副生物の生
成を抑えつつ高選択的に特定の二重結合を還元すること
ができ、それにより、工業的に安価に且つ良好な収率で
種々のテトラヒドロピリジンジカルボン酸又はその誘導
体を得ることができる。また、その還元的付加反応時に
特異な官能基を導入することもできる。また本発明によ
り、新規テトラヒドロピリジンジカルボン酸又はその誘
導体を提供することができる。
【0058】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0059】合成例1(1,2−ジヒドロピリジン−
2,3−ジカルボン酸ジメチル)
【0060】陽極にカーボン電極(表面積1.5cm
の炭素棒)、陰極にプラチナ板(12cm)を用い、
素焼陶器製隔膜付きの電解層中で、隔膜の内側である陽
極側に5%w/wのp−トルエンスルホン酸テトラエチル
アンモニウム塩/メタノール(MeOH)溶液(8m
l)を入れ、隔膜の外側である陰極側には、ピリジン−
2,3−ジカルボン酸ジメチル0.97g(5mmo
l)、5%w/wのp−トルエンスルホン酸テトラエチル
アンモニウム塩/MeOH溶液(32ml)及び塩化ア
ンモニウム0.25gを入れた。
【0061】温度を5乃至10℃に保ち、定電流条件
(0.2A)で7F/molの通電を行った。その後、
陰極液を飽和炭酸水素水ナトリウム水200mlに注
ぎ、酢酸エチル150mlで3回抽出した。得られた有
機層を水50ml及び飽和食塩水50mlでそれぞれ1
回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥させ
た。乾燥剤を常圧濾過で除去した後、酢酸エチルを減圧
下留去することにより、オイル状の1,2−ジヒドロピ
リジン−2,3−ジカルボン酸ジメチルを0.82g
(収率83%)得た。
【0062】合成例2(N−アセチル−1,2−ジヒド
ロ−2,3−ピリジンジカルボン酸ジメチル)
【0063】反応容器にNaH(60% Oil suspensio
n)1.46gをとり、ヘキサン5mlで2回デカンテ
ーションして油分を洗浄除去した。これにDMF20m
lを加え、−40℃に冷却した。これに対し、合成例1
で得た1,2−ジヒドロピリジン−2,3−ジカルボン
酸ジメチル4g(0.0203mol)のDMF溶液2
0mlを滴下ロートで滴下した。−40℃で10分間攪
拌した後、これに対し塩化アセチル1.91g(0.0
244mol)のDMF溶液10mlを滴下し、−40
℃で約1時間攪拌し、更に室温で約1時間攪拌した。そ
の反応液を氷水250ml中に注ぎ、ジエチルエーテル
150mlで3回抽出した。得られた有機層を飽和食塩
水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、溶
媒を留去し、これをヘキサン/酢酸エチル混合溶媒中で
再結晶させることにより、N−アセチル−1,2−ジヒ
ドロ−2,3−ピリジンジカルボン酸ジメチル2.52
g(収率52%)を黄色結晶として得た。
【0064】合成例3(1,4−ジヒドロピリジン−
2,6−ジカルボン酸ジメチル)
【0065】合成例1における陰極側のピリジン−2,
3−ジカルボン酸ジメチルに代えて、ピリジン−2,6
−ジカルボン酸ジメチルを用いる以外は合成例1と同様
に処理した。得られた生成物を、シリカゲルを充填剤と
するカラムクロマトグラフィーにより精製することによ
り、0.92gの1,4−ジヒドロピリジン−2,6−
ジカルボン酸ジメチルを白色固体として得た(収率92
%)。
【0066】合成例4(N−ベンジル−1,4−ジヒド
ロ−3,4−ピリジンジカルボン酸ジメチル)
【0067】ピリジン−3,4−ジカルボン酸ジメチル
1.8g(0.0092mol)を2−プロパノール1
mlに溶かし、それに臭化ベンジル3.9g(0.02
3mol)を加え、室温で18時間攪拌した。これに対
し酢酸エチル30mlを加え、析出した固体を濾取し、
それを酢酸エチル10mlで洗浄してN−ベンジル−
3,4−ジカルボメトキシピリジウムブロマイド2.4
gを白色結晶として得た(収率91%)。
【0068】陽極にカーボン電極(表面積1.5cm
の炭素棒)、陰極にSUS板(12cm)を用い、素
焼陶器製隔膜付きの電解層中で、隔膜の内側である陽極
側に、5%w/wのp−トルエンスルホン酸テトラエチル
アンモニウム塩/メタノール(MeOH)溶液(8m
l)を入れ、隔膜の外側である陰極側には、前述のよう
にして得たN−ベンジル−3,4−ジカルボメトキシピ
リジウムブロマイド1.83g(5mmol)、5%w/
wのp−トルエンスルホン酸テトラエチルアンモニウム
塩/MeOH溶液(32ml)及び塩化アンモニウム
0.25gを入れた。
【0069】温度を5乃至10℃に保ち、定電流条件
(0.2A)で6F/molの通電を行った。その後、
陰極液を飽和炭酸水素水ナトリウム水200mlに注
ぎ、酢酸エチル150mlで3回抽出した。得られた有
機層を水50ml及び飽和食塩水50mlでそれぞれ1
回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥させ
た。乾燥剤を常圧濾過で除去した後、酢酸エチルを減圧
下留去することにより、2.05gの薄茶色オイル状の
N−ベンジル−1,4−ジヒドロ−3,4−ピリジンジ
カルボン酸ジメチルを得た。得られた生成物を、シリカ
ゲルを充填剤とするカラムクロマトグラフィー(ヘキサ
ン/酢酸エチル=3/1)により精製分離することによ
り、1.68gのN−ベンジル−1,4−ジヒドロ−
3,4−ピリジンジカルボン酸ジメチルを白色固体とし
て得た(収率80%)。
【0070】実施例1(N−アセチル−4−アセチル−
2,3−ジカルボメトキシ−1,2,3,4−テトラヒ
ドロピリジンの合成)
【0071】合成例2で得たN−アセチル−2,3−ジ
カルボメトキシ−1,2−ジヒドロピリジン0.7g
(2.5mmol)と削状金属マグネシウム0.3g
(12.5mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミ
ド(DMF)15ml中に分散させ、これに対し、DM
F5mlに無水酢酸2.55g(25mmol)を溶か
した溶液を滴下した。これを室温で14時間攪拌後、飽
和炭酸水素水100mlに注ぎ、酢酸エチル100ml
で2度抽出を行った。得られた有機層を、水20ml及
び飽和食塩水20mlでそれぞれ1回洗浄した後、無水
硫酸マグネシウム上で乾燥させた。乾燥剤を減圧濾過で
除去した後、酢酸エチルを減圧下留去することにより、
0.75gの黄色オイルを得た。これを、シリカゲルを
充填剤とするカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢
酸エチル=1/2)により分離することにより、0.0
4gのN−アセチル−4−アセチル−2,3−ジカルボ
メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロピリジン(C
1317NO=283)を無色オイルとして得た
(収率6%)。
【0072】この化合物のH−NMR、13C−NM
R、IR及びGC−MS分析の結果を表1に示す。
【0073】この化合物のGC−MSスペクトル(図
1)は、m/e=283の分子イオンピークを示した。
なお、図1におけるm/e=198の分子イオンピーク
は、測定時にアセチル基(−COCH=43)2つが
外れたものを示している。
【0074】実施例2(N−アセチル−4−トリメチル
シリル−2,3−ジカルボメトキシ−1,2,3,4−
テトラヒドロピリジンの合成)
【0075】合成例2で得たN−アセチル−2,3−ジ
カルボメトキシ−1,2−ジヒドロピリジン0.7g
(2.5mmol)と削状金属マグネシウム0.3g
(12.5mmol)を、DMF15ml中に分散さ
せ、これに対し、DMF5mlにトリメチルクロロシラ
ン2.7g(25mmol)を溶かした溶液を氷浴下
(5℃)で滴下した。これを5℃で17時間攪拌後、飽
和炭酸水素水100mlに注ぎ、酢酸エチル100ml
で2度抽出を行った。得られた有機層を、水20ml及
び飽和食塩水20mlでそれぞれ1回洗浄した後、無水
硫酸マグネシウム上で乾燥させた。乾燥剤を減圧濾過で
除去した後、酢酸エチルを減圧下留去することにより、
0.80gの黄色オイルを得た。これを、シリカゲルを
充填剤とするカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢
酸エチル=1/2)により分離することにより、0.5
gのN−アセチル−4−トリメチルシリル−2,3−ジ
カルボメトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロピリジ
ン(C1423NOSi=313)を無色オイルと
して得た(収率64%)。
【0076】この化合物のH−NMR、13C−NM
R、IR及びGC−MS分析の結果を表1に示す。
【0077】この化合物のGC−MSスペクトル(図
2)は、m/e=313の分子イオンピークを示した。
なお、図2におけるm/e=254及び196の分子イ
オンピークは、それぞれ測定時にカルボン酸エステル基
(カルボメトキシ基:−COOCH=59)が1つ及
び2つ外れたものを示している。
【0078】実施例3(2,6−ジカルボメトキシ−
1,4,5,6−テトラヒドロピリジンの合成)
【0079】陽極にカーボン電極(表面積1.5cm
の炭素棒)、陰極にプラチナ板(12cm)を用い、
素焼陶器製隔膜付きの電解層中で、隔膜の内側である陽
極側に、p−トルエンスルホン酸テトラエチルアンモニ
ウム塩1.6gとDMF/メタノール(MeOH)
(9:1)の混合溶媒(8ml)を入れ、隔膜の外側で
ある陰極側には合成例3で得た1,4−ジヒドロピリジ
ン−2,6−ジカルボン酸ジメチル0.98g(5mm
ol)、塩化アンモニウム0.25g、p−トルエンス
ルホン酸テトラエチルアンモニウム塩1.6g、及びD
MF/MeOH(9:1)の混合溶媒(32ml)を加
えた。
【0080】温度を5乃至10℃に保ち、定電流条件
(0.2A)で4.0F/mol通電を行った。その
後、陰極液を飽和炭酸水素水200mlに注ぎ、酢酸エ
チル150mlで3回抽出した。得られた有機層を水5
0ml及び飽和食塩水50mlでそれぞれ1回洗浄した
後、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。乾燥剤を常
圧濾過で除去した後、酢酸エチルを減圧下留去すること
により、1.72gの薄茶色オイルを得た。これを、シ
リカゲルを充填剤とするカラムクロマトグラフィー(ヘ
キサン/酢酸エチル=20/3)により分離することに
より、0.42gの2,6−ジカルボメトキシ−1,
4,5,6−テトラヒドロピリジン(C NO
=199)を白色結晶として得た(収率43%)。
【0081】この化合物のH−NMR、13C−NM
R、IR及びGC−MS分析の結果を表1に示す。
【0082】この化合物のGC−MSスペクトル(図
3)は、m/e=199の分子イオンピークを示した。
なお、図3におけるm/e=140の分子イオンピーク
は、測定時に1つのカルボン酸エステル基(カルボメト
キシ基:−COOCH=59)が外れたものを示して
いる。
【0083】実施例4(N−アセチル−2,3−ジカル
ボメトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロピリジンの
合成)
【0084】合成例2で得たN−アセチル−2,3−ジ
カルボメトキシ−1,2−ジヒドロピリジン0.48g
(2.0mmol)をテトラヒドロフラン(THF)に
溶かし、水素化ホウ素ナトリウム水(20ml)を加
え、室温で14時間攪拌した。反応液を氷水20mlと
飽和塩化アンモニウム水20mlの混合液に注ぎ、酢酸
エチル100mlで2度抽出を行った。得られた有機層
を飽和食塩水30mlで1回洗浄した後、無水硫酸マグ
ネシウム上で乾燥させた。乾燥剤を減圧濾過で除去した
後、酢酸エチルを減圧下留去することにより、0.6g
の黄色オイルを得た。これを、シリカゲルを充填剤とす
るカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=
1/1)により分離することにより、0.39gのN−
アセチル−2,3−ジカルボメトキシ−1,2,3,4
−テトラヒドロピリジン(C11 15NO=24
1)を無色オイルとして得た(収率81%)。
【0085】この化合物のH−NMR、13C−NM
R、IR及びGC−MS分析の結果を表1に示す。
【0086】この化合物のGC−MSスペクトル(図
4)は、m/e=241の分子イオンピークを示した。
なお、図4におけるm/e=140の分子イオンピーク
は、測定時にN原子上のアセチル基と一つのカルボメト
キシ基(−COOCH=59)が外れたものを示して
いる。
【0087】実施例5(N−ベンジル−3,4−ジカル
ボメトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロピリジンの
合成)
【0088】実施例4で用いたN−アセチル−2,3−
ジカルボメトキシ−1,2−ジヒドロピリジン(2.0
mmol)を合成例4で得たN−ベンジル−1,4−ジ
ヒドロ−3,4−ピリジンジカルボン酸ジメチルに代え
た他は、実施例4と同様に処理して、下記N−ベンジル
−3,4−ジカルボメトキシ−1,2,3,4−テトラ
ヒドロピリジンを得た。
【0089】
【化12】 (上記式中、Bzは、ベンジル基を示す。)
【0090】
【表1】 (表1中、Acはアセチル基を示す。)
【0091】表1中の各実施例におけるGC−MS、
H−NMR、13C−NMR、IRの各分析結果は次の
通りである。
【0092】GC−MS(1):図1に示す。
【0093】GC−MS(2):図2に示す。
【0094】GC−MS(3):図3に示す。
【0095】GC−MS(4):図4に示す。
【0096】実施例1−データ
【0097】H−NMR(1):(CDCl,400M
Hz)δ2.17(s,3H),2.13−2.15
(m,1H),3.60(s,3H),3.66(s,3
H),4.78(d,J=8.28Hz,1H), 5.8
0(m,1H), 6.64(d,J=8.32Hz,1
H);
【0098】13C−NMR(1):(CDCl,400
MHz)δ21.35,21.29,41.72,46.
19,51.93,52.55,52.97,103.2
3,126.52,168.33,169.59,170.
78,206.09ppm;
【0099】IR(1):(neat)2950,174
0,1675,1640,1250,1220,101
0,345;
【0100】実施例2−データ
【0101】H−NMR(2):(CDCl,400
MHz)δ−0.01(s,9H),2.04(bs, 1
H), 2.18(s, 3H), 3.18−3.12
(m, 1H), 3.64(s, 3H),3.66(s,
3H), 4.95−4.99(m,1H), 5.36−
5.37(m, 1H), 6.54(d, J=8.32H
z,1H);
【0102】13C−NMR(2):(CDCl,40
0MHz)δ-1.22,21.10,25.01,42.
58,51.36,52.00,53.19,108.6
2,122.45,167.91,160.00,170.
36ppm;
【0103】IR(2):(neat)2950,175
0,1680,1650,1380,1250,1220,
1020;
【0104】実施例3−データ
【0105】H−NMR(3):(CDCl,400
MHz)δ1.93−1.96(m,1H),2.11−
2.15(m, 1H), 2.21−2.27(m,2
H), 3.75(s,3H), 3.78(s, 3H),
3.92,3.93(m,1H), 4.41(bs,1
H), 5.71(t,j=4.14Hz,1H);
【0106】13C−NMR(3):(CDCl,40
0MHz)δ21.41,24.33,52.29,5
2.57,53.67,107.39,132.96,16
4.89,173.49ppm;
【0107】IR(3):(neat)3420,295
0,1740,1720,1645,1440,127
0,1220;
【0108】実施例4−データ
【0109】H−NMR(4):(異性体のため解析で
きず。)
【0110】13C−NMR(4):(異性体のため解析
できず。)
【0111】IR(4):(neat)2950,174
5,1680,1650,1420,1380,122
0,1015;
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られたテトラヒドロピリジンジ
カルボン酸誘導体のGC−MSスペクトルを示す。
【図2】 実施例2で得られたテトラヒドロピリジンジ
カルボン酸誘導体のGC−MSスペクトルを示す。
【図3】 実施例3で得られたテトラヒドロピリジンジ
カルボン酸誘導体のGC−MSスペクトルを示す。
【図4】 実施例4で得られたテトラヒドロピリジンジ
カルボン酸誘導体のGC−MSスペクトルを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前川 博史 新潟県長岡市深沢町1769−1 深沢町宿舎 2−506 (72)発明者 山▲崎▼ 康寛 大阪府寝屋川市讃良東町8番1号 オリヱ ント化学工業株式会社内 Fターム(参考) 4C054 AA03 BB01 BB03 CC02 CC04 DD01 DD33 EE01 EE33 FF01 FF14 FF33 4H049 VN01 VP01 VQ59 VR24 VS12 VT05 VT40 VT43 VT44 VT49 VU01 VU06 VU36 VW01 VW33 4K021 AC17 BA12 DB31 DB36 DB40

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I)で表されるテトラヒドロ
    ピリジンジカルボン酸又はその誘導体。 【化1】 〔一般式(I)中、Z及びZは、それぞれ独立して
    水酸基、アルコキシ基、アミノ基、N−アルキルアミノ
    基又はN−ジアルキルアミノ基を示し、Yは、水素原
    子、アシル基、トリアルキルシリル基、アリールジアル
    キルシリル基又はジアリールアルキルシリル基を示し、
    [CN−X]は、N原子上に置換基Xを有するテ
    トラヒドロピリジン環を示し、Xは、水素原子、アシル
    基、アルキル基、又はアラルキル基を示す。〕
  2. 【請求項2】上記一般式(I)で表されるテトラヒドロ
    ピリジンジカルボン酸又はその誘導体が、1,2,3,
    4−テトラヒドロピリジンジカルボン酸エステル又はそ
    の誘導体である請求項1記載のテトラヒドロピリジンジ
    カルボン酸又はその誘導体。
  3. 【請求項3】N原子上に置換基Xを有するジヒドロピリ
    ジンジカルボン酸又はその誘導体に還元的付加反応を行
    わせる工程を有する請求項1又は2記載のテトラヒドロ
    ピリジンジカルボン酸又はその誘導体の製造方法。
  4. 【請求項4】還元的付加反応をマグネシウム金属の存在
    下で行わせる請求項3記載のテトラヒドロピリジンジカ
    ルボン酸又はその誘導体の製造方法。
  5. 【請求項5】還元的付加反応を水素化ホウ素化合物の存
    在下で行わせる請求項3記載のテトラヒドロピリジンジ
    カルボン酸又はその誘導体の製造方法。
  6. 【請求項6】還元的付加反応を電極還元反応により行わ
    せる請求項3記載のテトラヒドロピリジンジカルボン酸
    又はその誘導体の製造方法。
  7. 【請求項7】N原子上に置換基Xとしてアシル基、アル
    キル基、又はアラルキル基を有するジヒドロピリジンジ
    カルボン酸又はその誘導体に還元的付加反応を行わせる
    工程においてジヒドロピリジン環の炭素二重結合位をア
    シル化、トリアルキルシリル化、アリールジアルキルシ
    リル化又はジアリールアルキルシリル化する請求項4又
    は5記載のテトラヒドロピリジンジカルボン酸又はその
    誘導体の製造方法。
  8. 【請求項8】ジヒドロピリジンジカルボン酸又はその誘
    導体が下記一般式(II)で表されるものである請求項
    3、4、5、6又は7記載のテトラヒドロピリジンジカ
    ルボン酸又はその誘導体の製造方法。 【化2】 〔一般式(II)中、Z及びZは、それぞれ独立して
    水酸基、アルコキシ基、アミノ基、N―アルキルアミノ
    基又はN-ジアルキルアミノ基を示し、[CN−
    X]は、N原子上に置換基Xを有するジヒドロピリジン
    環を示し、Xは、水素原子、アシル基、アルキル基、又
    はアラルキル基を示す。〕
  9. 【請求項9】N原子上に置換基Xを有するジヒドロピリ
    ジンジカルボン酸又はその誘導体が、ジヒドロピリジン
    −2,3−ジカルボン酸エステル、ジヒドロピリジン−
    2,4−ジカルボン酸エステル、ジヒドロピリジン−
    2,5−ジカルボン酸エステル、ジヒドロピリジン−
    2,6−ジカルボン酸エステル、ジヒドロピリジン−
    3,4−ジカルボン酸エステル、若しくは、ジヒドロピ
    リジン−3,5−ジカルボン酸エステル、又はこれらの
    N−アセチル化物、N−ベンジル化物、若しくはN−ア
    ルキル化物である請求項3、4、5、6、7又は8記載
    のテトラヒドロピリジンジカルボン酸又はその誘導体の
    製造方法。
  10. 【請求項10】溶媒及び支持電解質の存在下、下記式
    (II−1)で表されるジヒドロピリジンジカルボン酸又
    はその誘導体 【化3】 〔式(II−1)中、Z及びZは、それぞれ独立して
    水酸基、アルコキシ基、アミノ基、N―アルキルアミノ
    基又はN-ジアルキルアミノ基を示し、[CN−
    X]は、N原子上に置換基として水素原子を有するジヒ
    ドロピリジン環を示す。〕を、電極還元反応させ、下記
    式(I−1)で表されるテトラヒドロピリジンジカルボ
    ン酸又はその誘導体 【化4】 〔式(I−1)中、Z及びZは、それぞれ独立して
    水酸基、アルコキシ基、アミノ基、N―アルキルアミノ
    基又はN-ジアルキルアミノ基を示し、Yは水素原子を
    示し、[CN−X]は、N原子上に置換基として
    水素原子を有するテトラヒドロピリジン環を示す。〕を
    製造する請求項6記載のテトラヒドロピリジンジカルボ
    ン酸又はその誘導体の製造方法。
  11. 【請求項11】N原子上に置換基Xを有するジヒドロピ
    リジンジカルボン酸又はその誘導体を得る工程を有する
    請求項3、4、5、6、7、8、9又は10記載のテト
    ラヒドロピリジンジカルボン酸又はその誘導体の製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016517467A (ja) * 2013-03-07 2016-06-16 エボニック デグサ ゲーエムベーハーEvonik Degussa GmbH フェノールをアニリンでカップリングするための電気化学的方法

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