JP2000281620A - フェニルエステルの製造法 - Google Patents

フェニルエステルの製造法

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JP2000281620A
JP2000281620A JP11091437A JP9143799A JP2000281620A JP 2000281620 A JP2000281620 A JP 2000281620A JP 11091437 A JP11091437 A JP 11091437A JP 9143799 A JP9143799 A JP 9143799A JP 2000281620 A JP2000281620 A JP 2000281620A
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palladium
ruthenium
rhodium
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Yoshihiko Mori
嘉彦 森
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Tosoh Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高活性な触媒を用いた工業的に有利なフェニ
ルエステルの製造法を提供する。 【解決手段】 パラジウムと助触媒として周期表の13
族、14族、15族、16族からなる群から選ばれた少
なくとも1種の元素と白金、ロジウム、ルテニウム、イ
リジウムからなる群から選ばれた少なくとも1種の元素
を含む触媒の存在下に、ベンゼンとカルボン酸と分子状
酸素を反応させてフェニルエステルを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベンゼンとカルボ
ン酸と分子状酸素を特定の触媒の存在下に反応させて、
高収率でフェニルエステルを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ベンゼンとカルボン酸と分子状酸素を特
定の触媒の存在下に反応させて、フェニルエステルを製
造する方法はよく知られており、触媒として貴金属を用
いて気相または液相において検討された例が報告されて
いる。例えば、特公昭46−33024号公報では、パ
ラジウムと白金を触媒として使用する方法が開示されて
いる。特公昭50−34544号公報では白金、パラジ
ウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウムおよびオスミ
ウムの酸化物、水酸化物、酢酸塩、硝酸塩とアルカリ金
属の硝酸塩を組み合わせた触媒を使用する方法が開示さ
れている。
【0003】しかし、特公昭46−33024号公報に
おいて、パラジウムを主触媒として開示されてはいる
が、白金を主触媒として用いた実施例は無く、白金が触
媒に用いられた場合の有効性について示されていない。
特公昭50−34544号公報では白金、パラジウム、
ロジウム、ルテニウム、イリジウムおよびオスミウムの
酸化物、水酸化物、酢酸塩、硝酸塩とアルカリ金属の硝
酸塩を組み合わせた触媒が開示されているが、白金、パ
ラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウムおよびオ
スミウムが金属状態で用いられた場合の有効性について
示されていない。
【0004】このように白金、ロジウム、ルテニウム、
イリジウム等のパラジウムを除く貴金属が金属状態で触
媒として用いられた場合の有効性は示されていない。
【0005】ベンゼンとカルボン酸と分子状酸素を反応
させてフェニルエステルを製造する触媒としては、パラ
ジウムが最もよく知られており、それ以外の貴金属はこ
れまで十分な検討がなされていない。白金、ロジウム、
ルテニウム、イリジウムが助触媒として用いられた例は
ない。
【0006】パラジウム金属を用いた触媒では、さらに
それのみでは有効でない金属を助触媒として添加する方
法が知られており、例えば特公昭46−33024号公
報では金、銀、銅、鉄、マンガン等が、また特公昭48
−18219号公報にはアンチモン、ビスマス、テルル
等が、特公昭55−15455号公報ではカドミウム、
亜鉛、ウラン、錫、鉛、アンチモン、ビスマス、テル
ル、タリウム等が開示されている。
【0007】また、特公昭56−21463号公報、特
開昭52−27089号公報、特開昭52−77892
号公報、特開昭52−130494号公報ではパラジウ
ム及びアンチモンからなる触媒にアルカリ金属の塩を活
性促進剤として添加することが開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
方法ではベンゼンとカルボン酸と分子状酸素を特定の触
媒の存在下に反応させて、フェニルエステルを製造する
に際し、触媒活性が低いため経済性が極めて低くなると
いう問題点があった。従って本発明の課題は高活性な触
媒を用いた工業的に有利なフェニルエステルの製造方法
を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前述のよう
な従来技術の課題を解決するため、鋭意検討した。その
結果、ベンゼンとカルボン酸と分子状酸素を、特定の触
媒の存在下に反応させてフェニルエステルを製造するに
おいて、白金、ロジウム、ルテニウム、イリジウムを主
触媒として用いた場合には極めて低いか、実質的に活性
が無いことを確認した。また、白金、ロジウム、ルテニ
ウム、イリジウムと助触媒として周期表の13族、14
族、15族、16族からなる群から選ばれた少なくとも
1種の元素とを組み合わせた触媒でも、ほとんど活性を
示さなかった。特公昭46−33024号公報にあるよ
うにパラジウムと白金、ロジウム、ルテニウム、イリジ
ウムが組み合わされた触媒を用いた場合でも同様に低活
性であり、パラジウムに対する助触媒効果も認められな
かった。
【0010】しかしながら、パラジウムと助触媒として
周期表の13族、14族、15族、16族からなる群
(以下、A群という)から選ばれた少なくとも1種の元
素とからなる触媒に、これら白金、ロジウム、ルテニウ
ム、イリジウムが組み合わされた場合には、これら白
金、ロジウム、ルテニウム、イリジウムを用いない場合
のパラジウム触媒より活性が大幅することを見出した。
【0011】このようにパラジウムと周期表の13族、
14族、15族、16族からなるA群から選ばれた少な
くとも1種の元素に、白金、ロジウム、ルテニウム、イ
リジウムからなる群(以下、B群という)から選ばれた
少なくとも1種の元素を組み合わせた場合にのみ、この
ように大幅な活性の向上を得るとは予想できないことで
あった。
【0012】即ち本発明は、ベンゼンとカルボン酸と分
子状酸素を反応させてフェニルエステルを製造するにあ
たり、パラジウムと助触媒として周期律表の13族、1
4族、15族、16族からなるA群から選ばれた少なく
とも1種の元素と白金、ロジウム、ルテニウム、イリジ
ウムからなるB群から選ばれた少なくとも1種の元素を
含む触媒を用いることを特徴とするフェニルエステルの
製造法を提供するものである。
【0013】以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0014】本発明において使用する触媒の主触媒はパ
ラジウムであり、助触媒として周期表の13族、14
族、15族、16族からなるA群から選ばれた少なくと
も1種の元素と白金、ロジウム、ルテニウム、イリジウ
ムからなるB群から選ばれた少なくとも1種の元素を用
いる。これらパラジウム、白金、ロジウム、ルテニウ
ム、イリジウムは金属状態で用いられる。また、周期表
の13族、14族、15族、16族からなるA群から選
ばれた少なくとも1種の元素は、好ましくは金属状態で
用いられる。パラジウムと周期表の13族、14族、1
5族、16族からなるA群から選ばれた少なくとも1種
の元素と白金、ロジウム、ルテニウム、イリジウムから
なるB群から選ばれた少なくとも1種の元素は互いに金
属間化合物を形成していても良い。
【0015】周期表13族、14族、15族、16族か
らなるA群から選ばれた少なくとも1種の元素は、好ま
しくは鉛、ビスマス、アンチモン、テルルである。パラ
ジウムとこれら元素の比率はパラジウム1に対して好ま
しくは0.01〜20、更に好ましくは0.02〜2で
ある。この範囲であると、十分な活性が得られるので好
ましい。
【0016】パラジウムと白金、ロジウム、ルテニウ
ム、イリジウムからなるB群から選ばれた少なくとも1
種の元素の比率は、元素により異なるので一概には言え
ないが、パラジウム1に対して好ましくは0.05〜2
0、更に好ましくは0.1〜10である。この範囲であ
ると、十分な活性が得られるので好ましい。
【0017】パラジウムの原料は特に限定されることは
なく、例えばパラジウム金属、ヘキサクロロパラジウム
酸アンモニウム、ヘキサクロロパラジウム酸カリウム、
ヘキサクロロパラジウム酸ナトリウム、テトラクロロパ
ラジウム酸アンモニウム、テトラクロロパラジウム酸カ
リウム、テトラクロロパラジウム酸ナトリウム、テトラ
ブロモパラジウム酸カリウム、酸化パラジウム、塩化パ
ラジウム、臭化パラジウム、ヨウ化パラジウム、硝酸パ
ラジウム、硫酸パラジウム、酢酸パラジウム、ジニトロ
サルファイトパラジウム酸カリウム、クロロカルボニル
パラジウム、ジニトロジアンミンパラジウム、テトラア
ンミンパラジウム塩化物、テトラアンミンパラジウム硝
酸塩、cis−ジクロロジアミンパラジウム、tran
s−ジクロロジアミンパラジウム、ジクロロ(エチレン
ジアミン)パラジウム、テトラシアノパラジウム酸カリ
ウム、パラジウムアセチルアセトナート等を例示でき
る。
【0018】周期表13族、14族、15族、16族か
らなるA群から選ばれた少なくとも1種の元素の原料も
特に限定されることはなく、例えば、鉛の原料として、
鉛金属、酢酸鉛、塩化鉛、フッ化鉛、ヨウ化鉛、硝酸
鉛、酸化鉛、硫酸鉛、シュウ酸鉛、ナフテン酸鉛、ステ
アリン酸鉛等が、ビスマスの原料として、ビスマス金
属、塩化ビスマス、硝酸ビスマス、オキシ塩化ビスマ
ス、酢酸ビスマス、酸化ビスマス等が、アンチモンの原
料として、アンチモン金属、フッ化アンチモン、塩化ア
ンチモン、臭化アンチモン、ヨウ化アンチモン、酢酸ア
ンチモン、アンチモニメトキシド、アンチモニエトキシ
ド、アンチモニイソプロポキシド、アンチモニブトキシ
ド、アンチモニエチレングリコシド、アンチモニポタシ
ウムタータレイト、酸化アンチモン、硫化アンチモン、
酒石酸やシュウ酸等の有機酸との錯化合物等が、テルル
の原料として、テルル金属、塩化テルル、酸化テルル、
ヨウ化テルル、テルル酸等が例示できる。
【0019】助触媒として使用されるロジウム、ルテニ
ウム、イリジウム、白金の原料も特に限定されることは
なく、例えば、ロジウムの原料としてロジウム金属、ヘ
キサクロロロジウム酸アンモニウム、ヘキサクロロロジ
ウム酸カリウム、ヘキサクロロロジウム酸ナトリウム、
ペンタクロロアクアロジウム酸アンモニウム、ペンタア
ンミンクロロロジウム塩化物、ペンタクロロロジウム酸
カリウム、酸化ロジウム、塩化ロジウム、臭化ロジウ
ム、ヨウ化ロジウム、硝酸ロジウム、硫酸ロジウム、酢
酸ロジウム、トリアンミントリクロロロジウム、トリス
エチレンジアミンロジウム塩化物、テトラロジウムドデ
カカルボニル、ヘキサロジウムヘキサドデカカルボニ
ル、、ビスエチレンロジウムアセチルアセトナート等
を、ルテニウムの原料としてルテニウム金属、酸化ルテ
ニウム、ペンタクロロアクアルテニウム酸アンモニウ
ム、ヘキサアンミンルテニウム塩化物、ヘキサシアノル
テニウム酸カリウム、ペンタクロロルテニウム酸カリウ
ム、ルテニウム酸カリウム、ペンタアンミンクロロルテ
ニウム塩化物、トリスルテニウムドデカカルボニル、ル
テニウムジクロロトリスカルボニル、酢酸ルテニウム、
塩化ルテニウム、硝酸ルテニウム、硝酸ルテニウムニト
ロシル等を、イリジウムの原料として塩化イリジウム、
臭化イリジウム、酸化イリジウム、ヘキサクロロイリジ
ウム酸アンモニウム、ヘキサクロロイリジウム酸カリウ
ム、ヘキサクロロイリジウム酸ナトリウム、テトライリ
ジウムドデカカルボニル等を、白金の原料として白金金
属、シアン化白金、テトラクロロ白金酸アンモニウム、
テトラクロロ白金酸カリウム、テトラクロロ白金酸ナト
リウム、ヘキサクロロ白金酸アンモニウム、ヘキサクロ
ロ白金酸カリウム、ヘキサクロロ白金酸ナトリウム、テ
トラアンミン白金塩化物、塩化白金酸、臭化白金酸、ヨ
ウ化白金酸、酸化白金、硝酸白金等を例示できる。
【0020】触媒は、好ましくはそれ自体反応に不活性
な担体に担持されて使用される。好ましい担体としては
活性炭やシリカを例示できる。担体を使用するときのパ
ラジウムの担持量は、担体の重量に対して、好ましくは
0.01〜10wt%、更に好ましくは0.1〜5wt
%である。この範囲であると経済的、かつ十分な活性が
得られるので好ましい。
【0021】本発明に使用される触媒の調製方法は特に
限定されることはなく、担体に触媒成分を担持させる従
来公知の方法、例えばいわゆる含浸法、イオン交換法、
沈着法、混練法等が例示できる。
【0022】含浸法で調製する場合、パラジウム原料と
助触媒成分の原料を同時に溶解して含浸担持しても良
く、いずれか一方を含浸担持した後、残りの原料を含浸
担持しても良い。
【0023】担持後は含浸法またはイオン交換法におけ
る公知の方法に従ってデカンテーション、濾過、加熱ま
たは減圧加熱等の操作で溶媒を除去する。溶媒を除去
後、乾燥するにあたり、加熱乾燥、減圧乾燥等を用いる
ことができる。
【0024】乾燥後、還元を行うが、その前に焼成を行
っても良い。焼成を行う場合には、酸素または窒素、ヘ
リウム、アルゴン等で希釈した酸素、さらには空気を用
いて200〜700℃で行うと良い。
【0025】触媒への還元は、公知の方法が用いられ
る。例えば、還元剤として水素、一酸化炭素、エチレ
ン、或いは、メタノール等を用いた気相還元法や、ヒド
ラジン水和物、ホルマリンあるいはギ酸等を用いた液相
還元法が使用できる。気相還元法の場合、還元温度は1
00〜700℃、好ましくは、200〜600℃で行わ
れる。
【0026】本発明に用いられるカルボン酸は、炭素原
子が10個以下のカルボン酸を用いることができるが、
好ましくは、酢酸、プロピオン酸等の低級カルボン酸で
ある。
【0027】ベンゼンとカルボン酸の比率は自由に変え
ることができる。好ましいベンゼン/カルボン酸比はモ
ル比で1/0.1〜1/100の範囲であれば良い。
【0028】本発明に用いられる分子状酸素は純粋な酸
素であっても良く、また、窒素、ヘリウム、アルゴン等
の不活性ガスで希釈されていても良い。空気も使用でき
る。酸素の供給量は、反応温度、触媒量等によって最適
量が変わるが、触媒を通過した位置でのガス組成が爆発
範囲以下であれば良い。
【0029】本発明の製造法において、ベンゼン、カル
ボン酸および分子状酸素との反応は触媒の存在下、気
相、液相または気液混合相の状態で行われる。反応器は
特に限定されることはなく、従来公知の方法、例えば、
固定床流通型反応器、流動床流通反応器、回分式反応
器、懸濁床等を用いることができる。
【0030】使用する触媒量は、反応方法により異なる
ため、一律には規定できないが、経済性を勘案すると、
例えば、固定床の場合、単位触媒体積、単位時間当たり
のベンゼンとカルボン酸の合計供給量(LHSV)とし
て、通常0.1〜50h-1の範囲、好ましくは0.1〜
30h-1となる触媒量が好ましく、また、懸濁床の場合
には、触媒濃度は、原料に対し0.05〜30重量%の
範囲が好ましい。
【0031】反応温度は100〜300℃、好ましくは
100〜250℃である。
【0032】反応圧力は常圧以上の圧力であれば良く、
好ましくは常圧〜100気圧である。
【0033】反応時間は、反応温度、圧力、触媒量等の
設定の仕方、または反応方法によって変わるため一概に
その範囲を決めることは困難であるが、懸濁床での回分
式、半回分式の場合、0.5時間以上が必要である。ま
た、懸濁床による連続式反応、または、固定床連続式反
応においては、滞留時間は0.03〜10時間であれば
良い。
【0034】
【発明の効果】ベンゼンとカルボン酸と分子状酸素を反
応させてフェニルエステルを製造するにあたり、パラジ
ウムと助触媒として周期表の13族、14族、15族、
16族からなるA群から選ばれた少なくとも1種の元素
と白金、ロジウム、ルテニウム、イリジウムからなるB
群から選ばれた少なくとも1種の元素を含む触媒を用い
ると、従来よりも高活性にフェニルエステルを製造する
ことができる。
【0035】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
【0036】実施例1 触媒の調製:蒸留水10gに酒石酸2.22gを溶解
し、ここに酸化アンチモン0.31gを加え溶解させ
た。続いて8.26wt%硝酸パラジウム水溶液7.2
7gおよび3.88wt%硝酸ルテニウム水溶液4.9
0g、蒸留水を加えて全量を21mlとした。この水溶
液にシリカ(富士シリシア社製キャリアクトQ−30)
を20g加えて含浸した。その後、減圧下乾燥して、1
00℃で3時間真空乾燥、400℃で5時間空気焼成を
経て、400℃で5時間水素還元した。
【0037】触媒は200メッシュ以下に整粒した。パ
ラジウムのシリカに対する担持量は3wt%、ルテニウ
ムとアンチモンのパラジウムに対する添加量は、モル比
でそれぞれ1/3と3/8であった。
【0038】反応:ステンレス製の10mlオートクレ
ーブにベンゼン1.1g、酢酸0.8gと先に調製した
触媒0.2gを導入した。撹拌子を入れ、その後、酸素
0.64atm、窒素19.36atmを導入した。1
70℃に加温したオイルバスにオートクレーブを入れ、
1時間反応させた。その後、氷水で急冷後、反応液を取
り出し、ガスクロマトグラフィーを用いて分析した。酢
酸フェニルの生成量は197μmolであった。
【0039】実施例2 蒸留水10gに酒石酸2.22gを溶解し、ここに酸化
アンチモン0.31gを加え溶解させた。続いて8.2
6wt%硝酸パラジウム水溶液7.27gおよび三塩化
ロジウム0.48g、蒸留水を加えて全量を21mlと
した。この水溶液にシリカ(富士シリシア社製キャリア
クトQ−30)を20g加えて含浸した。以下は実施例
1と同様に触媒を調製した。
【0040】触媒は200メッシュ以下に整粒した。パ
ラジウムのシリカに対する担持量は3wt%であり、ロ
ジウムとアンチモンのパラジウムに対する添加量は、モ
ル比でそれぞれ1/3と3/8であった。
【0041】反応は実施例1と同様に行った。酢酸フェ
ニルの生成量は表1にまとめた。
【0042】比較例1 触媒の調製: 8.26wt%硝酸パラジウム水溶液
7.27gおよび3.88wt%硝酸ルテニウム水溶液
4.90gをナス型フラスコに秤量し、蒸留水を加えて
全量を21mlとした。この水溶液にシリカ(富士シリ
シア社製キャリアクトQ−30)を20g加えて含浸し
た。以下は実施例1と同様に触媒を調製した。
【0043】触媒は200メッシュ以下に整粒した。パ
ラジウムのシリカに対する担持量は3wt%、ルテニウ
ムのパラジウムに対する添加量は、モル比で1/3であ
った。
【0044】反応は実施例1と同様に行った。酢酸フェ
ニルの生成量は表1にまとめた。
【0045】比較例2 硝酸ルテニウム水溶液を三塩化ロジウム0.48gに変
えた以外は、比較例1と同様に触媒を調製した。
【0046】触媒は200メッシュ以下に整粒した。パ
ラジウムのシリカに対する担持量は3wt%であり、ロ
ジウムのパラジウムに対する添加量はモル比で1/3で
あった。反応は実施例1と同様に行った。酢酸フェニル
の生成量を表1にまとめた。
【0047】比較例3 8.26wt%硝酸パラジウム水溶液7.27gをナス
型フラスコに秤量し、蒸留水を加えて全量を21mlと
した。この水溶液にシリカ(富士シリシア社製キャリア
クトQ−30)を20g加えて含浸した。以下は実施例
1と同様にして触媒を調製した。
【0048】触媒は200メッシュ以下に整粒した。パ
ラジウムのシリカに対する担持量は3wt%であった。
反応は実施例1と同様に行った。酢酸フェニルの生成量
を表1にまとめた。
【0049】比較例4〜5 硝酸パラジウム水溶液を3.88wt%硝酸ルテニウム
水溶液12.9gあるいは三塩化ロジウム1.5gに変
えた以外は、比較例3と同様にして触媒を調製した。
【0050】触媒は200メッシュ以下に整粒した。金
属の担持量は各2.5wt%であった。反応は実施例1
と同様に行った。酢酸フェニルの生成量を表1にまとめ
た。
【0051】比較例6 蒸留水10gに酒石酸2.22gを溶解し、ここに酸化
アンチモン0.31gを加え溶解させた。続いて8.2
6%硝酸パラジウム水溶液7.27g、蒸留水を加えて
全量を21mlとした。この水溶液にシリカ(富士シリ
シア社製キャリアクトQ−30)を20g加えて含浸し
た。以下は実施例1と同様に触媒を調製した。
【0052】触媒は200メッシュ以下に整粒した。パ
ラジウムのシリカに対する担持量は3wt%、アンチモ
ンのパラジウムに対する添加量は、モル比で3/8であ
った。
【0053】反応は実施例1と同様に行った。酢酸フェ
ニルの生成量は表1にまとめた。
【0054】比較例7 蒸留水10.5gに酒石酸2.33gを溶解し、ここに
酸化アンチモン0.32gを加え溶解させた。続いて
3.88wt%硝酸ルテニウム水溶液15.5gを加え
た。この水溶液にシリカ(富士シリシア社製キャリアク
トQ−30)を20g加えて含浸した。以下は実施例1
と同様に触媒を調製した。
【0055】触媒は200メッシュ以下に整粒した。ル
テニウムのシリカに対する担持量は3wt%、アンチモ
ンのルテニウムに対する添加量はモル比で3/8であっ
た。
【0056】反応は実施例1と同様に行った。酢酸フェ
ニルの生成量は表1にまとめた。
【0057】比較例8 蒸留水10.3gに酒石酸2.3gを溶解し、ここに酸
化アンチモン0.32gを加え溶解させた。続いて塩化
ロジウム1.5g、蒸留水を加えて全量を21mlとし
た。この水溶液にシリカ(富士シリシア社製キャリアク
トQ−30)を20g加えて含浸した。以下は実施例1
と同様に触媒を調製した。
【0058】触媒は200メッシュ以下に整粒した。ロ
ジウムのシリカに対する担持量は3wt%、アンチモン
のロジウムに対する添加量はモル比で3/8であった。
【0059】反応は実施例1と同様に行った。酢酸フェ
ニルの生成量は表1にまとめた。
【0060】
【表1】
【0061】実施例3 触媒の調製: 8.26wt%硝酸パラジウム水溶液
7.27gおよび3.88wt%硝酸ルテニウム水溶液
4.90gをナス型フラスコに秤量し、テルル酸0.1
3g、蒸留水を加えて全量を21mlとした。この水溶
液にシリカ(富士シリシア社製キャリアクトQ−30)
を20g加えて含浸した。以下は実施例1と同様に触媒
を調製した。
【0062】触媒は200メッシュ以下に整粒した。パ
ラジウムのシリカに対する担持量は3wt%、ルテニウ
ムとテルルのパラジウムに対する添加量は、モル比でそ
れぞれ1/3と1/10であった。
【0063】反応:ステンレス製の10mlオートクレ
ーブにベンゼン1.1g、酢酸0.8gと先に調製した
触媒0.2gを導入した。撹拌子を入れ、その後、酸素
1.05atm、窒素5.96atm導入した。190
℃に加温したオイルバスにオートクレーブを入れ30分
間反応させた。その後、氷水で急冷後、反応液を取り出
し、ガスクロマトグラフィーを用いて分析した。酢酸フ
ェニルの生成量は140μmolであった。
【0064】比較例9 8.26wt%硝酸パラジウム水溶液7.27gをナス
型フラスコに秤量し、テルル酸0.13g、蒸留水を加
えて全量を21mlとした。この水溶液にシリカ(富士
シリシア社製キャリアクトQ−30)を20g加えて含
浸した。以下は実施例1と同様に触媒を調製した。
【0065】触媒は200メッシュ以下に整粒した。パ
ラジウムのシリカに対する担持量は3wt%、テルルの
パラジウムに対する添加量はモル比で1/10であっ
た。
【0066】反応は実施例3と同様に行った。酢酸フェ
ニルの生成量は表2にまとめた。
【0067】比較例10 3.88wt%硝酸ルテニウム水溶液15.5gをナス
型フラスコに秤量し、テルル酸0.14g、蒸留水を加
えて全量を21mlとした。この水溶液にシリカ(富士
シリシア社製キャリアクトQ−30)を20g加えて含
浸した。以下は実施例1と同様に触媒を調製した。
【0068】触媒は200メッシュ以下に整粒した。ル
テニウムのシリカに対する担持量は3wt%であった。
テルルのルテニウムに対する添加量はモル比で1/10
であった。
【0069】反応は実施例3と同様に行った。酢酸フェ
ニルの生成量は表2にまとめた。
【0070】
【表2】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベンゼンとカルボン酸と分子状酸素を反
    応させてフェニルエステルを製造するにあたり、パラジ
    ウムと助触媒として周期表の13族、14族、15族、
    16族からなる群(以下、A群という)から選ばれた少
    なくとも1種の元素及び白金、ロジウム、ルテニウム、
    イリジウムからなる群(以下、B群という)から選ばれ
    た少なくとも1種の元素を含む触媒を用いることを特徴
    とするフェニルエステルの製造法。
  2. 【請求項2】 B群から選ばれた少なくとも1種の元素
    がロジウム、ルテニウム、イリジウムであることを特徴
    とする請求項1に記載の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005008561A (ja) * 2003-06-19 2005-01-13 Tosoh Corp フェニルエステルの製造方法
US8309750B2 (en) 2007-08-20 2012-11-13 Shell Oil Company Process for the preparation of a diaryl carbonate

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