JP2000281466A - ホウ酸アルミニウム多孔質無機材料の製造方法 - Google Patents

ホウ酸アルミニウム多孔質無機材料の製造方法

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porous inorganic
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Koichi Kimura
康一 木村
Mitsuyuki Wadasako
三志 和田迫
Koji Iwata
耕治 岩田
Kazumi Kaneda
和巳 金田
Tsutomu Kobayashi
強 小林
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Nichias Corp
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    • C04B38/00Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof
    • C04B38/0022Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof obtained by a chemical conversion or reaction other than those relating to the setting or hardening of cement-like material or to the formation of a sol or a gel, e.g. by carbonising or pyrolysing preformed cellular materials based on polymers, organo-metallic or organo-silicon precursors

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 曲げ強度が高く、溶融金属等との反応性が低
い、ホウ酸アルミニウム単一成分の3次元骨格構造を有
する多孔質無機材料が容易に得られる製造方法を提供す
ること。 【解決手段】 本発明のホウ酸アルミニウム多孔質無機
材料は、ホウ酸アルミニウムウィスカーと、焼成時に酸
化アルミニウムを生成するアルミナ原料と、焼成時に酸
化ホウ素を生成する酸化ホウ素原料とを含むスラリーを
脱水成形し、得られた成形体を乾燥し、さらに焼成する
製造方法であって、前記焼成の際に、前記アルミナ原料
と前記酸化ホウ素原料とが反応してホウ酸アルミニウム
バインダを生成し、該ホウ酸アルミニウムバインダが前
記ホウ酸アルミニウムウィスカーを相互に結合させて3
次元骨格構造を形成する製造方法で得られる。また、上
記製造方法において、上記スラリーを脱水成形すること
に代えて、同様の原料を含む混練体を押し出し成形する
製造方法でも得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属基複合材料の
プリフォーム、触媒の担体、フィルター等に使用できる
3次元骨格構造を有するホウ酸アルミニウム多孔質無機
材料の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、セラミック系の無機繊維材料
で形成され3次元骨格構造を有する多孔質無機材料が知
られている。多孔質無機材料は、セラミック系の無機繊
維材料を無機バインダで融着等して製造され、軽量で曲
げ強度等が高い。このため、溶融金属を含浸させて金属
基複合材料(Metal Matrix Composite: MMCともい
う)を形成するための補強材料(プリフォームともい
う)、触媒の担体及び多孔質構造を利用したフィルター
等の用途に用いられる。
【0003】多孔質無機材料は、それ自体は化学的に安
定であるが、上記プリフォーム等に使用されると、高温
の溶融金属等と接触するため化学変化が生じることがあ
る。その結果、例えば、プリフォームが溶融金属と反応
するとMMCの強度等が劣化するおそれがあり、触媒の
担体が触媒等と反応すると触媒等の作用が発現しなくな
るおそれがある。このため、このような用途に使用され
る場合、多孔質無機材料は、特に化学的反応性の高いも
ので構成されることが好ましい。
【0004】例えば、特公平7−42532号公報に
は、バインダとしてホウ酸アルミニウム粒子を用いるこ
とを特徴とする繊維強化型金属基複合材料を用いるセラ
ミックス繊維予備成形体の製造方法が開示され、また、
セラミックス繊維予備成形体を構成するセラミックス繊
維としては、ホウ酸アルミニウムウィスカー等が例示さ
れている。この発明によれば、焼結作用が高い上に溶融
金属との反応が少ないホウ酸アルミニウムバインダを用
いているため、得られる繊維強化金属基複合材料作製用
予備成形体は焼結強度が高く、且つマトリックス金属と
の反応性が低くなる。さらに、セラミックス繊維として
特にホウ酸アルミニウムウィスカーを用いると、予備成
形体全体がホウ酸アルミニウムの単一成分となるため、
ウィスカーが同質のバインダにより強固に結合されると
共に、ホウ酸アルミニウムとの反応性だけを考慮すれば
足り、商品設計が容易になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法では、ウィスカーもバインダも同じホウ酸アルミニウ
ムであるため、バインダが結合作用を行う温度で焼成す
ると、同一成分のホウ酸アルミニウムウィスカーがバイ
ンダと共に軟化又は溶融してしまい、十分な強度を有す
る単一成分の多孔質無機材料を作製できないことが多
い。
【0006】従って、本発明の目的は、曲げ強度が高
く、溶融金属等との反応性が低い、ホウ酸アルミニウム
単一成分の3次元骨格構造を有する多孔質無機材料が容
易に得られる製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者は鋭意検討を行った結果、ホウ酸アルミニウムウ
ィスカーを結合するホウ酸アルミニウムバインダを、焼
成時に酸化アルミニウムを生成するアルミナ原料と、焼
成時に酸化ホウ素を生成する酸化ホウ素原料とを焼成し
て生成すれば、ホウ酸アルミニウム単一成分の多孔質無
機材料を容易に製造できることを見出し、本発明を完成
するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、ホウ酸アルミニウム
ウィスカーと、焼成時に酸化アルミニウムを生成するア
ルミナ原料と、焼成時に酸化ホウ素を生成する酸化ホウ
素原料とを含むスラリーを脱水成形し、得られた成形体
を乾燥し、さらに焼成する多孔質無機材料の製造方法で
あって、前記焼成の際に、前記アルミナ原料と前記酸化
ホウ素原料とが反応してホウ酸アルミニウムバインダを
生成し、該ホウ酸アルミニウムバインダが前記ホウ酸ア
ルミニウムウィスカーを相互に結合させて3次元骨格構
造を形成することを特徴とするホウ酸アルミニウム多孔
質無機材料の製造方法を提供するものである。
【0009】また、本発明は、ホウ酸アルミニウムウィ
スカーと、焼成時に酸化アルミニウムを生成するアルミ
ナ原料と、焼成時に酸化ホウ素を生成する酸化ホウ素原
料とを含む混練体を押し出し成形し、得られた成形体を
乾燥し、さらに焼成する多孔質無機材料の製造方法であ
って、前記焼成の際に、前記アルミナ原料と前記酸化ホ
ウ素原料とが反応してホウ酸アルミニウムバインダを生
成し、該ホウ酸アルミニウムバインダが前記ホウ酸アル
ミニウムウィスカーを相互に結合させて3次元骨格構造
を形成することを特徴とするホウ酸アルミニウム多孔質
無機材料の製造方法を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のホウ酸アルミニウム多孔
質無機材料の第1の製造方法は、ホウ酸アルミニウムウ
ィスカーと、焼成時に酸化アルミニウムを生成するアル
ミナ原料と、焼成時に酸化ホウ素を生成する酸化ホウ素
原料とを含むスラリーを脱水成形し、得られた成形体を
乾燥し、さらに焼成する多孔質無機材料の製造方法であ
って、前記焼成の際に、前記アルミナ原料と前記酸化ホ
ウ素原料とが反応してホウ酸アルミニウムバインダを生
成し、該ホウ酸アルミニウムバインダが前記ホウ酸アル
ミニウムウィスカーを相互に結合させて3次元骨格構造
を形成することを特徴とする。
【0011】ホウ酸アルミニウムウィスカーは、ホウ酸
アルミニウムバインダにより相互に結合されてホウ酸ア
ルミニウム多孔質無機材料の3次元骨格構造を形成する
ものであり、9Al2 3 ・2B2 3 又は2Al2
3 ・B2 3 で表される成分の結晶からなるウィスカー
である。ホウ酸アルミニウムウィスカーは、平均繊維径
が0.5〜1.5μm、好ましくは0.5〜1.0μm
であり、平均繊維長が10〜30μm、好ましくは15
〜25μmである。平均繊維径及び平均繊維長が上記範
囲内にあると、成形性が良好で、且つ、ホウ酸アルミニ
ウム多孔質無機材料の空隙率が適切になるため好まし
い。ホウ酸アルミニウムウィスカーは、これら1種又は
2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0012】焼成時に酸化アルミニウムを生成するアル
ミナ原料(以下、「アルミナ原料」ともいう)は、空気
等の酸化雰囲気中で焼成されると酸化アルミニウム(A
23 )を生成するものであり、例えば、アルミナ
(Al2 3 )、水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウ
ム、硝酸アルミニウム、塩化アルミニウム等が挙げられ
る。アルミナ原料の形状は、特に限定されないが、例え
ば、アルミナゾル、水酸化アルミニウム粉末等が挙げら
れる。このうちアルミナゾルは、後の乾燥工程において
脱水成形後の成形体中の水分が除去されたときに、バイ
ンダとしても機能して成形体をある程度固定するため好
ましい。アルミナ原料は、これら1種又は2種以上を組
み合わせて用いることができる。
【0013】焼成時に酸化ホウ素を生成する酸化ホウ素
原料(以下、「酸化ホウ素原料」ともいう)は、空気等
の酸化雰囲気中で焼成されると酸化ホウ素(B2 3
を生成するものであり、例えば、酸化ホウ素(B
2 3 )、窒化ホウ素(BN)、ホウ酸(H3
3 )、メタホウ酸(HBO2 )、四ホウ酸(H2 4
7 )等が挙げられる。酸化ホウ素原料の形状は、特に
限定されないが、例えば、酸化ホウ素、窒化ホウ素、ホ
ウ酸、メタホウ酸等の粉末が挙げられる。このうち、水
に不溶性の窒化ホウ素粉末は脱水成形時にホウ素源が水
と共に成形体から除去されることがないため特に好まし
い。酸化ホウ素原料は、これら1種又は2種以上を組み
合わせて用いることができる。
【0014】本発明のホウ酸アルミニウム多孔質無機材
料の製造方法において、まず、上記ホウ酸アルミニウム
ウィスカー、アルミナ原料及び酸化ホウ素原料からなる
混合物に適宜水を加えてスラリーを形成する。スラリー
中、ホウ酸アルミニウムウィスカー、アルミナ原料及び
酸化ホウ素原料の配合割合は、ホウ酸アルミニウムウィ
スカーに対して、アルミナ原料が1.5〜18重量%、
好ましくは4〜9重量%であり、酸化ホウ素原料が0.
5〜5.5重量%、好ましくは1.3〜2.6重量%で
ある。配合割合が上記範囲内にあると、焼成の際に、ホ
ウ酸アルミニウムバインダが、ホウ酸アルミニウムウィ
スカーに対して2〜20重量%、好ましくは5〜10重
量%の量で生成するため好ましい。また、アルミナ原料
中のAl 2 3 換算モル数と、酸化ホウ素原料中のB2
3 換算モル数との比は9:4程度であると好ましい。
本発明で生成されるホウ酸アルミニウムバインダは、通
常、少量の2Al2 3 ・B2 3 と大量の9Al2
3 ・2B2 3 とからなるため、実質的には9Al2
3 ・2B2 3 になっている。上記のように、原料中の
Al2 3 換算モル数とB2 3 換算モル数との比を
9:4程度とし、生成されるホウ酸アルミニウムバイン
ダ中のAl2 3 とB2 3 との組成比9:2よりも、
酸化ホウ素分をやや過剰に配合すると、焼成されるホウ
酸アルミニウムバインダが実質的に9Al2 3 ・2B
2 3 になり、ウィスカが成長し易くなるため好まし
い。なお、スラリーには、適宜、ポリアクリルアミド系
等の凝集剤を添加してもよい。
【0015】スラリーを、吸引脱水成形法等で脱水する
と、成形体が得られる。吸引脱水成形法で成形する際
に、脱水時にプレスを行い、プレス圧力を調節すると、
成形体を焼成して得られるホウ酸アルミニウム多孔質無
機材料の空隙率、Vf値及び密度を調節できる。なお、
Vf値とは、ホウ酸アルミニウム多孔質無機材料の全体
積中、ホウ酸アルミニウムウィスカー及びホウ酸アルミ
ニウムバインダの占める体積の和の割合であり、Vf値
(%)=100−空隙率(%)で定義される。例えば、
空隙率が80%であれば、Vf値は20%である。脱水
時のプレス圧力の調節により、プレス圧力を大きくすれ
ば多孔質無機材料の空隙率を小さく(Vf値を大きく)
でき、プレス圧力を小さくすれば空隙率を大きく(Vf
値を小さく)できる。また、プレス圧力を大きくすれば
多孔質無機材料の密度を大きくでき、プレス圧力を小さ
くすれば密度を小さくできる。
【0016】次に、成形体を乾燥し、成形体中の水分等
を揮発させて除去する。乾燥方法としては、既知の方法
を採用することができ、例えば、空気中において、10
0℃、5時間の条件等で乾燥させることができる。乾燥
させた成形体は、焼成する。焼成は、アルミナ原料及び
酸化ホウ素原料が酸化して、それぞれ酸化アルミニウム
(Al2 3 )及び酸化ホウ素(B2 3 )を生成する
ように、例えば、空気中等の酸化雰囲気下で行う。酸化
アルミニウム(Al2 3 )及び酸化ホウ素(B
2 3 )が生成すると、これらが反応してホウ酸アルミ
ニウムバインダを生成し、このホウ酸アルミニウムバイ
ンダがホウ酸アルミニウムウィスカーを相互に結合させ
て3次元骨格構造を形成する。焼成の際には、ホウ酸ア
ルミニウムバインダが、ホウ酸アルミニウムウィスカー
に対して2〜20重量%、好ましくは5〜10重量%の
量で生成する。生成するホウ酸アルミニウムバインダの
量が2重量%未満であると、ホウ酸アルミニウムバイン
ダがホウ酸アルミニウムウィスカーを十分に結合しなく
なるため好ましくない。また、20重量%を越えると、
成形性が悪くなるため好ましくない。
【0017】焼成温度は、1100℃〜1400℃であ
り、好ましくは1250℃〜1350℃である。焼成温
度が上記範囲外であると、アルミナ原料から生成した酸
化アルミニウム(Al2 3 )と、酸化ホウ素原料から
生成した酸化ホウ素(B2 3 )とが反応し難くなるた
め好ましくない。焼成時間は、3時間〜10時間であ
り、好ましくは4時間〜7時間である。焼成時間が3時
間未満であると、酸化アルミニウムと酸化ホウ素とが十
分に反応しないため好ましくない。また、焼成時間が7
時間を越えると、既に終了した反応に対して無駄にエネ
ルギーを消費するため好ましくない。焼成による成形体
の収縮率は±5%以内である。なお、成形体の収縮率と
は、成形体の大きさの焼成による収縮量を、焼成前の成
形体の大きさで除した値をいう。また、必要により原料
に添加した凝集剤等は上記焼成により気化するため、ホ
ウ酸アルミニウム多孔質無機材料中には残存しない。
【0018】以上の第1の製造方法で得られたホウ酸ア
ルミニウム多孔質無機材料は、ホウ酸アルミニウムウィ
スカーが、ホウ酸アルミニウムバインダで相互に結合さ
れて形成された3次元骨格構造を有する。ホウ酸アルミ
ニウムバインダによる結合部は、ホウ酸アルミニウム結
晶になっており、好ましくはX線回折による解析の結果
が9Al2 3 ・2B2 3 又は2Al2 3 ・B2
3 で表されるホウ酸アルミニウム結晶である。結晶は、
非晶質に比べて曲げ強度が高い。本発明のホウ酸アルミ
ニウム多孔質無機材料は、3次元骨格構造を形成するホ
ウ酸アルミニウムウィスカー及びホウ酸アルミニウムバ
インダによる結合部が全て結晶で形成されるため、曲げ
強度が高い。すなわち、ホウ酸アルミニウム多孔質無機
材料の曲げ強度は、Vf値が18%程度のもので30〜
50kgf/cm2 である。
【0019】ホウ酸アルミニウム多孔質無機材料の密度
は、脱水成形で成形体を形成するため小さくすることが
でき、0.3〜0.9g/cm3 、好ましくは0.45〜
0.75g/cm3 である。また、ホウ酸アルミニウム多孔
質無機材料のVf値は、10〜30%、好ましくは15
〜25%である。密度及びVf値は、ホウ酸アルミニウ
ムウィスカーの繊維長、吸水脱水成形時の脱水条件及び
プレス条件等により、適宜調節できる。第1の製造方法
によれば、スラリーを脱水成形して成形体を形成するた
め、空隙率を大きく(Vf値を小さく)できる。
【0020】また、本発明のホウ酸アルミニウム多孔質
無機材料は、3次元骨格構造を構成する成分全てが化学
的反応性の低いホウ酸アルミニウムの単一成分であるた
め、溶融金属や担持される触媒等との反応性が本質的に
低い。また、例え溶融金属等がホウ酸アルミニウムと反
応性のある場合でも、ホウ酸アルミニウムだけとの反応
性を回避すればよいため、対策を容易に立てられ、商品
設計が容易になる。
【0021】次に、本発明のホウ酸アルミニウム多孔質
無機材料の第2の製造方法について説明する。この製造
方法は、ホウ酸アルミニウムウィスカーと、焼成時に酸
化アルミニウムを生成するアルミナ原料と、焼成時に酸
化ホウ素を生成する酸化ホウ素原料とを含む混練体を押
し出し成形し、得られた成形体を乾燥し、さらに焼成す
る多孔質無機材料の製造方法であって、前記焼成の際
に、前記アルミナ原料と前記酸化ホウ素原料とが反応し
てホウ酸アルミニウムバインダを生成し、該ホウ酸アル
ミニウムバインダが前記ホウ酸アルミニウムウィスカー
を相互に結合させて3次元骨格構造を形成することを特
徴とする。第1の製造方法との相違点は、成形体を得る
際に、第1の製造方法では原料の混合物のスラリーを脱
水成形するのに対し、第2の製造方法では原料の混合物
の混練体を押し出し成形することにある。その他の工
程、原料等は同様である。以下、主に第1の製造方法と
の相違点について説明する。
【0022】ホウ酸アルミニウムウィスカー、アルミナ
原料及び酸化ホウ素原料は、第1の製造方法と同様のも
のを用いることができる。なお、アルミナ原料として
は、水分を吸収してゲル又はゾル状になり混練の際に凝
集し易い水酸化アルミニウム粉末が特に好ましい。ま
た、酸化ホウ素原料としては、同様の理由から、ホウ酸
粉末が特に好ましい。
【0023】第2の製造方法において、まず、上記ホウ
酸アルミニウムウィスカー、アルミナ原料及び酸化ホウ
素原料からなる混合物を混練し混練体を形成する。この
際、混練体には、適宜、有機バインダを添加してもよ
い。有機バインダとしては、例えば、メチルセルロース
等が挙げられる。有機バインダを添加すると、成形体を
乾燥させる際に成形体の形状が保持され、またひび割れ
等の発生を抑制できるため好ましい。混練体中、ホウ酸
アルミニウムウィスカー、アルミナ原料及び酸化ホウ素
原料の配合割合は、ホウ酸アルミニウムウィスカーに対
して、アルミナ原料が1.5〜26重量%、好ましくは
4〜13重量%であり、酸化ホウ素原料が0.5〜8重
量%、好ましくは1.3〜4重量%である。配合割合が
上記範囲内にあると、ホウ酸アルミニウムバインダが、
焼成の際に、ホウ酸アルミニウムウィスカーに対して2
〜30重量%、好ましくは5〜15重量%の量で生成す
るため好ましい。また、アルミナ原料中のAl2 3
算モル数と、酸化ホウ素原料中のB2 3 換算モル数と
の比は、第1の製造方法と同様の理由から、9:4程度
であると好ましい。
【0024】混練体を押し出し成形法等で成形すると成
形体が得られる。次に、成形体を乾燥して成形体中の水
分等を揮発させて除去し、次いで、これを焼成する。乾
燥及び焼成は、第1の製造方法と同様に行うことができ
る。なお、焼成の際には、ホウ酸アルミニウムバインダ
が、ホウ酸アルミニウムウィスカーに対して2〜30重
量%、好ましくは5〜15重量%の量で生成する。生成
するホウ酸アルミニウムバインダの量が2重量%未満で
あると、ホウ酸アルミニウムバインダがホウ酸アルミニ
ウムウィスカーを十分に結合しなくなるため好ましくな
い。また、30重量%を越えると、焼成時の収縮率等の
制御が困難になるため好ましくない。第2の製造方法は
押し出し成形法で成形するため、混練体の流動性が低く
ても成形できる。このため、第1の製造方法よりも多く
ホウ酸アルミニウムバインダを形成させることが可能で
あり、結合部が多く形成されたホウ酸アルミニウム多孔
質無機材料を製造できる。
【0025】以上の第2の製造方法で得られたホウ酸ア
ルミニウム多孔質無機材料は、第1の製造方法と同様の
ホウ酸アルミニウム多孔質無機材料が得られる。すなわ
ち、ホウ酸アルミニウムウィスカーが、ホウ酸アルミニ
ウムバインダで相互に結合されて形成された3次元骨格
構造を有する。ただし、第2の製造方法では、ホウ酸ア
ルミニウムバインダを第1の製造方法よりも多く形成す
ることができるため、曲げ強度を高くすることができ、
曲げ強度は、Vf値が35%程度のもので55〜80kg
f/cm2 である。
【0026】ホウ酸アルミニウム多孔質無機材料の密度
は、押し出し成形法を採用するため第1の製造方法で得
られたものよりも高くすることができ、0.6〜1.2
g/cm 3 、好ましくは0.75〜1.0g/cm3 である。ま
た、ホウ酸アルミニウム多孔質無機材料のVf値は、2
0〜40%、好ましくは25〜35%である。密度及び
Vf値は、ホウ酸アルミニウムウィスカーの繊維長等に
より、適宜調節できる。
【0027】本発明で得られるホウ酸アルミニウム多孔
質無機材料は、そのままで、あるいは必要に応じて切削
加工等を施された後、プリフォーム、触媒の担体及びフ
ィルタ等に使用することができる。
【0028】
【発明の効果】本発明の製造方法により得られるホウ酸
アルミニウム多孔質無機材料は、ホウ酸アルミニウム単
一成分の3次元骨格構造を有する多孔質無機材料である
ため、曲げ強度が高く、溶融金属等との反応性が低い。
また、溶融金属等がホウ酸アルミニウムと反応性がある
場合でも、3次元骨格構造がホウ酸アルミニウム単一成
分であるため対策を容易に立てることができ、利用し易
い。また、焼成前の成形体の成形方法を脱水成形又は押
し出し成形と選択することにより、ホウ酸アルミニウム
多孔質無機材料の密度、空隙率(Vf値)及び曲げ強度
等を自在に制御できる。
【0029】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、これは単に例示であって本発明を制限す
るものではない。
【0030】実施例1 (吸引脱水成形法による成形体からの製造)平均繊維径
0.8μm、平均繊維長20μmのホウ酸アルミニウム
ウィスカー100重量部と、アルミナゾルを固形分で9
重量部と、平均粒径0.8μmのBN(窒化ホウ素)粉
末2重量部とを水中で混合、分散させてスラリーとした
後、さらに適宜ポリアクリルアミド系凝集剤を添加し
た。次いで、このスラリーを、吸引脱水成形法により成
形した。得られた成形体を空気中で100℃、5時間の
条件で乾燥し、次いで、空気中で1300℃、5時間の
条件で焼成した。得られたホウ酸アルミニウム多孔質無
機材料の密度は0.5g/cm3 であり、Vf値は18%で
あり、曲げ強度は35kgf/cm2 であった。また、多孔質
無機材料の焼成前後における体積変化は±5%であっ
た。また、多孔質無機材料の結晶層をX線回折法で測定
した。その結果を図1に示す。図1において、(a)は
得られたホウ酸アルミニウム多孔質無機材料の実測デー
タを示す図、(b)はそのピークデータを示す図、
(c)は標準試料9Al2 3 ・2B2 3 のピークデ
ータを示す図、(d)は標準試料2Al2 3 ・B2
3 のピークデータを示す図である。図1より、得られた
ホウ酸アルミニウム多孔質無機材料は、9Al2 3
2B 2 3 及び2Al2 3 ・B2 3 の結晶層からな
ることがわかった。
【0031】実施例2 (押し出し成形法による成形体からの製造)平均繊維径
0.8μm、平均繊維長20μmのホウ酸アルミニウム
ウィスカー100重量部と、平均粒径0.5μmの水酸
化アルミニウム粉末13重量部と、平均粒径75μm以
下のホウ酸粉末5重量部と、有機バインダ3重量部とに
適宜水を加えて混練体を得た。次いで、この混練体を押
し出し成形法で成形した。得られた成形体を空気中で1
00℃、5時間の条件で乾燥し、次いで、空気中で13
00℃、5時間の条件で焼成した。得られたホウ酸アル
ミニウム多孔質無機材料の密度は1.0g/cm3 であり、
Vf値は34%であり、曲げ強度は65kgf/cm 2 であっ
た。また、多孔質無機材料の焼成前後における体積変化
は±3.0%以内であった。また、多孔質無機材料の結
晶層をX線回折法で測定したところ、実施例1と同様に
図1のようなピークデータが得られ、9Al2 3 ・2
2 3及び2Al2 3 ・B2 3 の結晶層からなる
ことがわかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の製造方法で得られた多孔質無機
材料のX線回折データを示す図である。
フロントページの続き (72)発明者 岩田 耕治 静岡県浜松市新都田1−8−1 ニチアス 株式会社浜松研究所内 (72)発明者 金田 和巳 静岡県浜松市新都田1−8−1 ニチアス 株式会社浜松研究所内 (72)発明者 小林 強 静岡県浜松市新都田1−8−1 ニチアス 株式会社浜松研究所内 Fターム(参考) 4G019 GA02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホウ酸アルミニウムウィスカーと、焼成
    時に酸化アルミニウムを生成するアルミナ原料と、焼成
    時に酸化ホウ素を生成する酸化ホウ素原料とを含むスラ
    リーを脱水成形し、得られた成形体を乾燥し、さらに焼
    成する多孔質無機材料の製造方法であって、前記焼成の
    際に、前記アルミナ原料と前記酸化ホウ素原料とが反応
    してホウ酸アルミニウムバインダを生成し、該ホウ酸ア
    ルミニウムバインダが前記ホウ酸アルミニウムウィスカ
    ーを相互に結合させて3次元骨格構造を形成することを
    特徴とするホウ酸アルミニウム多孔質無機材料の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記スラリー中、前記ホウ酸アルミニウ
    ムウィスカーに対して、前記アルミナ原料が1.5〜1
    8重量%、且つ、前記酸化ホウ素原料が0.5〜5.5
    重量%含まれることを特徴とする請求項1記載のホウ酸
    アルミニウム多孔質無機材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 焼成の際、前記ホウ酸アルミニウムウィ
    スカーに対して、前記ホウ酸アルミニウムバインダが2
    〜20重量%の量で生成することを特徴とする請求項1
    又は2記載のホウ酸アルミニウム多孔質無機材料の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 ホウ酸アルミニウムウィスカーと、焼成
    時に酸化アルミニウムを生成するアルミナ原料と、焼成
    時に酸化ホウ素を生成する酸化ホウ素原料とを含む混練
    体を押し出し成形し、得られた成形体を乾燥し、さらに
    焼成する多孔質無機材料の製造方法であって、前記焼成
    の際に、前記アルミナ原料と前記酸化ホウ素原料とが反
    応してホウ酸アルミニウムバインダを生成し、該ホウ酸
    アルミニウムバインダが前記ホウ酸アルミニウムウィス
    カーを相互に結合させて3次元骨格構造を形成すること
    を特徴とするホウ酸アルミニウム多孔質無機材料の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 前記混練体中、前記ホウ酸アルミニウム
    ウィスカーに対して、前記アルミナ原料が1.5〜26
    重量%、且つ、前記酸化ホウ素原料が0.5〜8重量%
    含まれることを特徴とする請求項4記載のホウ酸アルミ
    ニウム多孔質無機材料の製造方法。
  6. 【請求項6】 焼成の際、前記ホウ酸アルミニウムウィ
    スカーに対して、前記ホウ酸アルミニウムバインダが2
    〜30重量%の量で生成することを特徴とする請求項4
    又は5記載のホウ酸アルミニウム多孔質無機材料の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 前記ホウ酸アルミニウム多孔質無機材料
    を構成するホウ酸アルミニウムが、9Al2 3 ・2B
    2 3 又は2Al2 3 ・B2 3 で表されることを特
    徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載のホウ酸アル
    ミニウム多孔質無機材料の製造方法。
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