JP2000281377A - 光ファイバ用母材の製造方法及び装置 - Google Patents

光ファイバ用母材の製造方法及び装置

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JP2000281377A
JP2000281377A JP2000017021A JP2000017021A JP2000281377A JP 2000281377 A JP2000281377 A JP 2000281377A JP 2000017021 A JP2000017021 A JP 2000017021A JP 2000017021 A JP2000017021 A JP 2000017021A JP 2000281377 A JP2000281377 A JP 2000281377A
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Fumio Saito
文男 斉藤
Tadakatsu Shimada
忠克 島田
Hideo Hirasawa
秀夫 平沢
Masaru Inoue
大 井上
Hiroshi Oyamada
浩 小山田
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B37/00Manufacture or treatment of flakes, fibres, or filaments from softened glass, minerals, or slags
    • C03B37/01Manufacture of glass fibres or filaments
    • C03B37/012Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments
    • C03B37/014Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments made entirely or partially by chemical means, e.g. vapour phase deposition of bulk porous glass either by outside vapour deposition [OVD], or by outside vapour phase oxidation [OVPO] or by vapour axial deposition [VAD]
    • C03B37/01486Means for supporting, rotating or translating the preforms being formed, e.g. lathes

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定したカットオフ波長やモードフィールド
径等を有し、偏波モード分散値の小さい光ファイバが得
られ、かつ製造コストの低い光ファイバ用母材の製造方
法及び装置を提供する。 【解決手段】 回転する出発材にSiO2を主成分とす
るガラス微粉末を堆積させるスート堆積体製造工程およ
び/または該スート堆積体を透明ガラス化するガラス化
工程において、スート堆積体先端での振動幅をスートコ
ア径の5%以内に制御して製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバ用プリ
フォームおよびこれを線引きして得られる光ファイバの
偏波モード分散特性を向上させ得る光ファイバ用母材の
製造方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光ファイバの製造方法としては、回転し
ながら引き上げられる出発材にSiCl4などの原料ガ
スを酸水素火炎で加水分解してできるSiO2の微粉末
を堆積させてスート堆積体を形成するVAD法、回転す
る出発材にこれと相対的に移動するバーナーによってS
iCl4などの原料ガスを酸水素火炎で加水分解してで
きるSiO2の微粉末を堆積させてスート堆積体を製造
するOVD法、石英製チューブ等のクラッド部材内に原
料ガスを流して反応・堆積させるMCVD法などが知ら
れている。その後、得られた多孔質母材を加熱脱水、ガ
ラス化することにより光ファイバ用プリフォームが製造
される。
【0003】これらの製造に際して、スート堆積体と回
転軸を合わせたものの固有振動数は、スート堆積体が成
長するにともない、高振動数から低振動数へと変化す
る。そして、この固有振動数が回転軸の回転数の整数倍
になると、スート堆積体の下端に位置する成長点が大き
く振動し、ガラス微粒子の均一な付着が困難となる。そ
の結果、スート堆積体に特異点が生じ、このようなスー
ト堆積体をガラス化したプリフォームを線引して製造し
た光ファイバは、プリフォームの長手方向で光ファイバ
特性が安定せず、カットオフ波長やモードフィールド径
等が特異点で大きく変動し、さらに光ファイバ内を伝播
する信号光の偏波モード分散が大きくなるという問題が
あった。特に、近年、光ファイバによる信号の伝送密度
が大きくなるにともない、この偏波モード分散が問題と
なっている。
【0004】この偏波モード分散は、これまでの多くの
研究から光ファイバのコア内での複屈折によるものであ
り、この複屈折はコアの非円形状、光ファイバにコーテ
ィングされる被覆膜、ケーブルの状態および曲げなどに
起因する光ファイバ内での応力により引き起こされるこ
とが判明している。偏波モード分散は、理想的にはゼロ
であることが望ましいが、実際には偏波モード分散をゼ
ロにすることは極めて困難である。また、偏波モード分
散を波長分散のように、分散補償光ファイバを用いてシ
ステム全体でゼロにすることは理論上不可能であるとさ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】コアやクラッドの形状
を非円形とする原因には、例えば、製造中のスート堆積
体の振動や回転ムラ等が考えられる。VAD法において
スート堆積体の振動や回転ムラを押さえる方法として
は、例えば特開昭63−60122号公報に提案されて
いる方法がある。この方法は、スート堆積位置における
振動を検知し、回転軸に設置したウェイトを移動して、
振動の節をスートの成長点と一致させるというものであ
る。しかしながら、この方法は制御が極めて困難である
上に、スート堆積体先端の成長点での振動を極力押さえ
ることのみに主眼を置いた方法であり、軸方向に異なる
位置で堆積されているクラッド部では逆に振動が大きく
なり、偏波モード分散を押さえることはできない。
【0006】また、特開平6−247737号公報は、
スートの成長点での振動を検知する振動検知手段と、こ
の振動検知手段の検知出力に基づいて回転軸の回転速度
を変化させる制御手段を備えた製造装置を提案してい
る。この製造装置を使用することで振動は抑制されるも
のの、複雑な手段を必要とするため製造コストが高いも
のとなっていた。近年、偏波モード分散値をより小さく
することが求められているが、実際には、実用上信号劣
化を引き起こさない程度の値を有するものが使用されて
いる。今後、光ファイバ1本あたりの伝送容量がさらに
増大するにともない、より偏波モード分散値の小さいも
のが要求されるようになることが予想される。
【0007】そこで、本発明は、安定したカットオフ波
長やモードフィールド径等を有し、偏波モード分散値の
小さい光ファイバが得られ、かつ製造コストの低い光フ
ァイバ用母材の製造方法及び装置を提供することを課題
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
した結果、線引きして光ファイバとしたときのコア及び
クラッドの非円形状が偏波モード分散を引き起こす一因
であり、コア及びクラッドの形状が非円形となる原因
が、出発材の振動に起因するスート堆積体の振動および
出発材を支持・回転するシャフトの回転軸の回転ムラに
よるものであり、これらの原因がVAD法では出発材を
支持・回転するシャフトのたわみや傾き、OVD法では
両端で把持している出発材自体のたわみや振れ回り、さ
らに回転軸の回転ムラによることに着目し、装置に振動
抑制機構を設けることでスート堆積体の振動を、また出
発材を支持・回転するシャフトの回転機構に回転制御機
構を設けることで回転ムラを抑制し得ることを見出し、
これを解決することで本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明の光ファイバ用母材の製
造方法は、回転する出発材にSiO 2を主成分とするガ
ラス微粉末を堆積させるスート堆積体製造工程および/
または該スート堆積体を透明ガラス化するガラス化工程
において、スート堆積体先端での振動幅をスートコア径
の5%以内に制御して製造することを特徴としている。
本発明による他の製造方法は、スート堆積体の回転ムラ
を±1%以内に制御して製造することを特徴としてい
る。さらに、本発明による他の製造方法は、スート堆積
体先端での振動幅をスートコア径の5%以内にし、かつ
回転ムラを±1%以内に制御して製造するものである。
【0010】スート堆積体先端での振動幅がスートコア
径の5%を超えると、スート堆積体製造工程において
は、ガラス微粒子の堆積位置において、スート堆積体の
振動により均一なスートの堆積が妨げられ、円周方向に
おいて堆積ムラが発生し、形成されるコア部あるいはク
ラッド部の形状が非円形となる。ガラス化工程において
は、場所によって焼結の程度が異なることとなり、安定
した特性を有する光ファイバが得られず、好ましくな
い。
【0011】さらに、スート堆積体の回転ムラが±1%
を超えると、スート堆積体製造工程において、スート堆
積位置における滞留時間が円周方向で不均一となり、そ
れに応じて堆積層の厚みが不均一になり、ひいては形成
されるコア部あるいはクラッド部の形状が非円形となる
ため好ましくない。また、ガラス化工程においても回転
ムラが±1%を超えると、スート堆積体とヒーター等の
加熱体との距離が変動し、場所によって焼結の程度が異
なることとなり、安定した特性を有する光ファイバが得
られない。
【0012】また、本発明の光ファイバ用母材の製造装
置は、出発材またはスート堆積体を回転・支持するシャ
フトの回転軸に接触することにより、あるいは該回転軸
および/またはスート堆積体にガスを吹き付けることに
より、スート堆積体先端での振動を抑制する振動抑制機
構を有することを特徴としている。さらに、本発明によ
る他の製造装置は、出発材またはスート堆積体を回転・
支持するシャフトの回転軸の回転ムラを抑制する回転制
御機構を有することを特徴としている。なお、本明細書
においては、出発材にガラス微粉末を堆積させて得られ
る光ファイバ用多孔質母材(スート堆積体)、そのコア
部材および多孔質母材をガラス化したプリフォームも含
め光ファイバ用母材と総称している。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明をVAD法による態
様のケースについて図面に基づいて詳細に説明する。図
1は、本発明の光ファイバ母材の製造装置を例示した概
略説明図であり、1はモーター、2は回転軸、3は振動
抑制機構、4はスート堆積体、5はバーナーである。こ
の図は、モーター1に接続した回転軸2を所定の速度で
回転させ、振動抑制機構3を取り付けた回転軸2の下端
のスート堆積体4に、バーナー5からガラス微粒子を付
着させている状態を示している。図2は、スート堆積体
4が回転軸Rを軸として回転しつつ、重力方向Gに対し
て距離Lを振動する様子を示している。本発明者等は、
このようにスート堆積体が振動すると、透明ガラス化
後、線引きして得られる光ファイバの偏波モード分散値
が、図3に示すように、ほぼ振動幅に比例して大きくな
ること、また、スート堆積体に回転ムラがあると、振動
の場合と同様に、光ファイバの偏波モード分散値が、図
4に示すように、ほぼ回転ムラに比例して大きくなるこ
とを見出した。このように偏波モード分散値を小さくす
るには、スート堆積体の振動や回転ムラを抑制するのが
極めて効果的であることが判明した。なお、図3の横軸
はスート堆積体の径に対する振動幅の比率(%)であ
り、図4の横軸はスート堆積体の平均回転数に対する回
転数の変動幅の比率(%)である。
【0014】振動抑制機構3は、スート堆積体4の成長
点における振動を抑制する機構であり、回転軸2に直接
接触して振動を抑制する方式と、スート堆積体4または
回転軸2にガスを吹き付けて振動を抑制する方式とがあ
る。本発明の特徴である振動抑制機構3を設けることに
より、成長点の振動が抑制されるとともに、スート堆積
体と回転軸を合わせたものの固有振動数が高振動数側に
変化して、スート堆積体に特異点が生じることを防止す
ることができる。
【0015】回転軸2に直接接触して振動を抑制する方
式としては、例えば、ガイドローラー11を設ける方法
(図5参照)や、板材を設ける方法(図6参照)が挙げ
られる。ガイドローラー11を設ける方法は、図5に例
示するように、ローラー保持金具12に取り付けた一対
のガイドローラー11の間を回転軸2が上方に移動する
際に成長点の振動を抑制するように、ガイドローラー1
1を回転軸2に接触させて設ける方法である。
【0016】一方、板材を設ける方法は、図6に例示す
るように、回転軸2の直径よりもわずかに大きな穴があ
いた振動抑制板21に回転軸2を通し、回転軸2と穴と
の間の隙間部分にテフロン等の低摩擦性に優れた樹脂か
らなる装填材22を配する方法である。振動抑制板21
の形状は、回転軸2の周囲に均等に力が加わるように円
形にするのが好ましい。また、振動抑制板21の材質と
しては、金属、樹脂等が挙げられ、特にはNiあるいは
塩化ビニル樹脂が好ましい。上記ガイドローラー11や
振動抑制板21を設ける位置は、回転軸2の上端と下端
の間であって、振動抑制効果やスート堆積体の取出し等
を考慮して適宜決定する。また、回転軸に直接接触して
振動を抑制する方式を採用する場合、回転軸に付着した
余剰のガラス微粒子が、ガイドローラーや振動抑制板等
の振動抑制装置によって剥され、それがスート堆積体に
付着して泡となる可能性があるため、ガイドローラーや
振動抑制板等の振動抑制装置の下に排気口を設けること
が望ましい。
【0017】スート堆積体4または回転軸2にガスを吹
き付けて振動を抑制する方式は、例えば、図7(a)に
示したように、ガス導入口31とガス吹出口32を有す
る装置を使用し、ガス導入口31を通って送られてきた
ガスを、ガス吹出口32を通してスート堆積体4および
/または回転軸2に吹き付ける方法である。使用するガ
スの種類としては、Ar,N2,空気等が挙げられ、特
に原材料費の点から空気が好ましい。
【0018】また、ガスを吹き付ける対象は、回転軸に
直接接触して振動を抑制する前記方式とは異なり、回転
軸2のみならずスート堆積体4でもよく、振動抑制効果
やチャンバー内気流等を考慮して適宜決定する。ガスを
吹き付ける位置は、回転軸2の周囲に均等に力が加わる
ようにすればよく、好ましくは図7(b)に示すよう
に、ガス導入口31とガス吹出口32を有するドーナツ
状の装置を使用し、該装置中央の空間部分にスート堆積
体4及び回転軸2が位置するように配置し、スート堆積
体4または回転軸2の周囲に均等にガスを吹き付けるの
がよい。また、出発材またはスート堆積体を回転・支持
するシャフトの回転軸の回転ムラを抑制するために、装
置に回転制御機構が設けられる。この回転制御機構とし
ては回転数を高い精度で制御できる機構を有しているも
のであれば特に限定されるものではない。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れに限定されるものではない。
【0020】(実施例1)回転しながら上方に移動する
回転軸の上端と下端の間にガイドローラーを設けた光フ
ァイバ母材製造装置(図5参照)を使用して、VAD法
により光ファイバ母材を製造した。その結果、製造した
光ファイバ母材には特異点は認められなかった。また、
この光ファイバ母材を線引きして得られた光ファイバの
カットオフ波長(λc)とモードフィールド径(MF
D)は、図8に示したように、長手方向で安定した特性
を示した。
【0021】(実施例2)回転しながら上方に移動する
回転軸の上端と下端の間に、主軸の直径よりもわずかに
大きな穴があいた円形状板材に回転軸を通し、回転軸と
穴との間隙部分にテフロンを装填した光ファイバ母材製
造装置(図6参照)を使用して、VAD法により光ファ
イバ母材を製造した。その結果、製造した光ファイバ母
材には特異点は認められなかった。また、この光ファイ
バ母材を線引きして得られた光ファイバのカットオフ波
長(λc)とモードフィールド径(MFD)は、図8に
示したように、長手方向で安定した特性を示した。
【0022】(実施例3)スート堆積体にその周囲から
ガスを吹き付ける光ファイバ母材製造装置(図7参照)
を使用して、VAD法により光ファイバ母材を製造し
た。その結果、製造した光ファイバ母材には特異点は認
められなかった。また、この光ファイバ母材を線引きし
て得られた光ファイバのカットオフ波長(λc)とモー
ドフィールド径(MFD)は、図8に示したように、長
手方向で安定した特性を示した。
【0023】(比較例1)回転しながら上方に移動する
回転軸の上端とスート堆積体の成長点の間に、振動抑制
機構を設けていない光ファイバ母材製造装置を使用し
て、VAD法により光ファイバ母材を製造した。その結
果、製造した光ファイバ母材には特異点が認められた。
また、この光ファイバ母材を線引きして得られた光ファ
イバのカットオフ波長(λc)とモードフィールド径
(MFD)は、図8に示したように、長手方向で変動し
た。
【0024】(実施例4)出発材を回転・支持するシャ
フトの回転軸の傾きを調整して、この傾きを0.2度に
まで小さくした後、VAD法によりガラス微粉末を堆積
させて直径32mmのスート堆積体コア部材を製造した
ところ、スート堆積体先端での振幅は0.5mm以下と
なっていた。これをガラス化してコア形状の非円率を調
べてみると平均して1.2%程度であった。15本連続
してコア部材を製造し、このコア部材を用いて光ファイ
バ用プリフォームを製造した。これらのプリフォームを
線引きして得た光ファイバの偏波モード分散値は、平均
で0.10[ps/√km]、最大で0.17[ps/
√km]であった。なお、光ファイバでの偏波モード分
散値は、光ファイバをケーブル化する際に偏波モード分
散が増大することもあるため0.2[ps/√km]以
下であることが望ましい。
【0025】(実施例5)製造装置の出発材を回転・支
持するシャフトの回転機構を精度の高いものとし、回転
軸の回転ムラをシャフトの平均回転数20rpmに対し
て±0.01rpmに調整した後、VAD法によりガラ
ス微粉末を堆積させて直径32mmのスート堆積体コア
部材を製造した(図9参照)。これをガラス化してコア
形状の非円率を調べてみると平均して0.9%程度であ
った。20本連続して製造したところ、このコア部材を
用いて製造した光ファイバの偏波モード分散値は、平均
で0.08[ps/√km]、最大で0.15[ps/
√km]であった。
【0026】(実施例6)回転機構の精度を上げた実施
例5の製造設備で、実施例4の製造設備同様、シャフト
の回転軸の重力方向からのずれを測定したところ、0.
8度であった。これを調整して0.2度まで小さくした
ところ、スート堆積体の先端の振幅は0.5mm以下と
なった。この状態で直径32mmのスート堆積体コア部
材を製造した。これをガラス化してコア形状の非円率を
調べてみると平均して0.2%程度であった。この状態
で12本のコア部材を製造し、これを用いて光ファイバ
としたときの偏波モード分散値は、平均で0.04[p
s/√km]、最大で0.07[ps/√km]であっ
【0027】(比較例2)VAD法によりガラス微粉末
を堆積させて直径32mmのスート堆積体コア部材を製
造した。このとき出発材を回転・支持するシャフトの回
転軸が、重力方向から1.2度ずれていたため、スート
堆積体の成長点で振幅3mmの振動を生じていた。さら
に、回転軸の回転数が平均20rpmに対して±0.5
rpmの周期的な変化をしていた(図10参照)。これ
をガラス化してコア形状の非円率を調べてみると、2%
を超えるものが多くあった。このコア部材を使用して製
造したプリフォームを線引きして得られた光ファイバの
偏波モード分散値は、平均で0.22[ps/√k
m]、最大で0.32[ps/√km]であった。この
ような偏波モード分散値にばらつきのある光ファイバで
は、上述のように伝送密度が高くなってきたときに市場
の要求を満たすことができない。なお、これらの実施例
においてはVAD法によるケースを例に取ったが、OV
D法やMCVD法でも同様である。
【0028】
【発明の効果】本発明の光ファイバ母材の製造装置は、
スート堆積体先端の振動を抑制するとともに、スート堆
積体と回転軸を合わせたものの固有振動数を高振動数側
に変化させて、スート堆積体に特異点が生じることを防
止している。さらに、コア部材製造工程において、コア
形状の非円形率を大きくする要因を押さえることによ
り、偏波モード分散の小さい光ファイバの得られるプリ
フォームを製造することができる。本発明に係る光ファ
イバ用母材の製造方法および装置は、安定した光ファイ
バ特性を有する光ファイバ用母材を低コストで製造する
ことができるという点で、極めて産業上の価値が高いも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光ファイバ母材の製造装置を例示し
た概略説明図である。
【図2】 スート堆積体が振動する様子を示した概略説
明図である。
【図3】 スート堆積体の振幅と偏波モード分散との関
係を示すグラフである。
【図4】 スート堆積体の回転ムラと偏波モード分散と
の関係を示すグラフである。
【図5】 振動抑制機構(ガイドローラー)を例示した
概略説明図である。
【図6】 振動抑制機構(振動抑制板)を例示した概略
説明図である。
【図7】 振動抑制機構(ガス吹き付け)を例示した概
略説明図である。
【図8】 光ファイバ長とカットオフ波長、モードフィ
ールド径との関係を示す図である。
【図9】 本発明の実施例5の回転数の時間変化を示す
グラフである。
【図10】 比較例2の回転数の時間変化を示すグラフ
である。
【符号の説明】
1 モーター 2 回転軸 3 振動抑制機構 4 スート堆積体 5 バーナー 11 ガイドローラー 12 ローラー保持金具 21 振動抑制板 22 装填材 31 ガス導入口 32 ガス吹出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平沢 秀夫 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越化 学工業株式会社精密機能材料研究所内 (72)発明者 井上 大 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越化 学工業株式会社精密機能材料研究所内 (72)発明者 小山田 浩 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越化 学工業株式会社精密機能材料研究所内 Fターム(参考) 4G021 EA01 EB11 EB26

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転する出発材にSiO2を主成分とす
    るガラス微粉末を堆積させるスート堆積体製造工程およ
    び/または該スート堆積体を透明ガラス化するガラス化
    工程において、スート堆積体先端での振動幅をスートコ
    ア径の5%以内に制御して製造することを特徴とする光
    ファイバ用母材の製造方法。
  2. 【請求項2】 回転する出発材にSiO2を主成分とす
    るガラス微粉末を堆積させるスート堆積体製造工程およ
    び/または該スート堆積体を透明ガラス化するガラス化
    工程において、スート堆積体の回転ムラを±1%以内に
    制御して製造することを特徴とする光ファイバ用母材の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 回転する出発材にSiO2を主成分とす
    るガラス微粉末を堆積させるスート堆積体製造工程およ
    び/または該スート堆積体を透明ガラス化するガラス化
    工程において、スート堆積体先端での振動幅をスートコ
    ア径の5%以内とし、かつ回転ムラを±1%以内に制御
    して製造することを特徴とする光ファイバ用母材の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 回転する出発材にSiO2を主成分とす
    るガラス微粉末を堆積させて光ファイバ用母材を製造す
    る装置において、出発材またはスート堆積体を回転・支
    持するシャフトの回転軸に接触することにより、スート
    堆積体先端での振動を抑制する振動抑制機構を有するこ
    とを特徴とする光ファイバ用母材の製造装置。
  5. 【請求項5】 回転する出発材にSiO2を主成分とす
    るガラス微粉末を堆積させて光ファイバ用母材を製造す
    る装置において、出発材を回転・支持するシャフトの回
    転軸および/またはスート堆積体にガスを吹き付けるこ
    とにより、スート堆積体先端での振動を抑制する振動抑
    制機構を有することを特徴とする光ファイバ用母材の製
    造装置。
  6. 【請求項6】 回転する出発材にSiO2を主成分とする
    ガラス微粉末を堆積させて光ファイバ用母材を製造する
    装置において、出発材またはスート堆積体を回転・支持
    するシャフトの回転軸の回転ムラを抑制する回転制御機
    構を有することを特徴とする光ファイバ用母材の製造装
    置。
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