JP3077970B2 - 光ファイバ母材の製造方法 - Google Patents
光ファイバ母材の製造方法Info
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- C03B37/01—Manufacture of glass fibres or filaments
- C03B37/012—Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments
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Description
る光ファイバ母材を形成することができる光ファイバ母
材の製造方法に関するものである。
直接、極細の光ファイバを作ろうとすると、最適の屈折
率分布を持たせるための制御が困難である等の理由か
ら、まず同じ屈折率分布を有する径の太い光ファイバ母
材(プリフォーム)を作製し、この母材を加熱して外径
を一定に制御しながら細く長く引き伸ばす(線引きす
る)ことにより、極細の光ファイバを製造するといった
方法が採られている。
は、外付CVD法や気相軸付け法等により光ファイバ用
多孔質母材(スートプリフォーム)を形成し、これを焼
結して透明ガラス化することにより光ファイバ母材を得
る方法等が挙げられる。
明ガラス化する方法の一例を図1を参照して説明する。
この方法によれば、支持部1により回転・昇降自在に支
持された光ファイバ用多孔質母材2は、焼結炉3内を、
図中の矢印の方向に移動することにより、光ファイバ用
多孔質母材2の焼結開始端部4側から焼結終了端部5側
へ加熱部6により加熱される。この加熱により、光ファ
イバ用多孔質母材2は1500℃〜1600℃に昇温さ
れ、透明ガラス化されて光ファイバ母材とされる。
うな方法により透明ガラス化した光ファイバ母材は、そ
の両端部、すなわち焼結開始端部4および焼結終了端部
5に相当する部分の形状(ガラス量)が不均一であるこ
とから、この両端部から得られる光ファイバ素線の特性
が著しく異なる場合があり、光ファイバ素線の歩留を大
きく低下させるという問題がある。
不均一となるのは、以下の理由によるものである。光フ
ァイバ用多孔質母材2を焼結・透明ガラス化する場合、
まず焼結開始端部4側から加熱され、焼結が開始され
る。この際、焼結開始端部4は加熱され溶融されている
が、この焼結開始端部4から上の中央側の部分はまだ溶
融していない。このような状態においては、表面張力の
影響により溶融した焼結開始端部4のガラスは未溶融部
分、すなわち中央側へ移動する。このため焼結開始端部
4に相当する光ファイバ母材の端部はガラス量が少ない
状態で焼結・透明ガラス化される。一方、焼結終了端部
5側は、未溶融側へと移動した溶融ガラスが集まること
から、焼結終了端部5に相当する光ファイバ母材の端部
はガラス量が多い状態で焼結・透明ガラス化されるので
ある。
ァイバ母材の形状を均一にする方法としては、例えば特
開平9−77525号公報に記載された方法等を挙げる
ことができる。この方法は、まず、焼結炉内を所定の方
向で光ファイバ用多孔質母材を移動させて加熱すること
により半焼結状態とし、次いで焼結炉内を逆方向に移動
させ加熱することにより外形の均一な光ファイバ母材を
得るようにした方法である。
なわち焼結炉内での光ファイバ用多孔質母材の移動を2
回行う必要があることから、手間がかかり、コスト高と
なるという問題を有するものである。
たもので、得られる光ファイバ母材の形状が均一であ
り、かつ焼結工程も1回で行える光ファイバ母材の製造
方法を提供することを主目的とするものである。
決するためになされたもので、本発明は、バーナから基
材の表面に向けて光ファイバ用原料と反応ガスを吹き付
け、前記基材の表面にスートを堆積させて光ファイバ用
多孔質母材を形成し、これを焼結して透明ガラス化する
ことにより光ファイバ母材を得る光ファイバ母材の製造
方法において、前記スートの堆積量を、前記光ファイバ
用多孔質母材が最初に焼結される焼結開始端部で多く、
最後に焼結される焼結終了端部で少なくなるように変化
させることを特徴とする光ファイバ母材の製造方法であ
る。
積量を変化させて、焼結後の光ファイバ母材のガラス量
が多くなる部分のスート堆積量を予め少なくし、逆に焼
結後のガラス量が少なくなる部分のスート堆積量を予め
多くするようにすれば、光ファイバ母材上のガラス量の
多い部分のガラス量を減少させ、ガラス量の少ない部分
のガラス量を増加させることができるので、均一な形状
の光ファイバ母材を得ることができる。
る方法としては、請求項2に記載したように、バーナの
基材に対する相対的な移動速度を変化させることにより
行なうことが好ましい。バーナの基材に対する相対的な
移動速度は、容易かつ正確に制御することができるの
で、スートの堆積量の変化を制御するのに有効だからで
ある。
孔質母材が最初に焼結される焼結開始端部で多く、最後
に焼結される焼結終了端部で少なくすることが好まし
い。上述したように、光ファイバ用多孔質母材の長手方
向に沿って加熱するような焼結工程を行った場合、光フ
ァイバ用多孔質母材の焼結開始端部ではガラス量が少な
くなり、焼結終了端部ではガラス量が多くなる。したが
って、堆積させるスート量を予めこのように調整するこ
とにより形状が均一な光ファイバ母材を得ることができ
るからである。
なる部分を含む透明ガラスロッドを用いることが好まし
く、この基材上にスートが堆積されてなる堆積部は光フ
ァイバのクラッド部として用いられることが好ましい。
このような基材を用いることにより、その後の焼結工程
を行う前に基材を引き抜く必要がない。したがって、簡
略な工程で外形が均一な光ファイバ母材を得ることがで
きるからである。
て説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。本発明者等は、従来行われていた光ファイバ母材の
製造方法では、焼結開始端部側で光ファイバ母材のガラ
ス量が減少するため外形が細くなり、逆に焼結終了端部
側で光ファイバ母材のガラス量が増加するために外形が
太くなっている点に着目し、スート堆積段階で焼結後の
両端でのガラス量の増減分を加味してスートを堆積させ
ることにより、焼結後の光ファイバ母材の外形を均一化
することができることを見いだし、本発明を完成するに
至ったものである。
について、図2を用いて説明する。図2は、外付CVD
法(OVD法)による光ファイバ用多孔質母材の製造方
法を示す説明図である。図2中7は基材を示すもので、
この基材7は不図示の基材支持部材により軸回りに回転
自在に支持されている。この基材7の下方には、左右に
移動自在とされたバーナ8が配置されている。このバー
ナ8としては、通常酸水素バーナが使用され、ファイバ
用原料、例えばSiCl4 等の蒸気と反応ガス(水素ガ
スおよび酸素ガス)とを吹き付け、酸水素火炎中にて加
水分解して、ガラス粒子(スート)を合成し、これを基
材7に噴射して光ファイバ用多孔質母材2を形成するも
のである。
ではないが、最終的に製造される光ファイバのコア部と
なる部分を含む透明ガラスロッドを用いることが好まし
い。基材をこのようなガラスロッドとすることにより、
光ファイバ用多孔質母材の製造後、基材を母材から引き
抜くことなく焼結工程を行うことができ、工程を簡便化
することができるからである。この場合、基材7に堆積
された堆積部9は最終的に製造される光ファイバのクラ
ッド部となる。
の光ファイバ母材の製造方法について説明する。まず、
不図示の基材支持部により支持された基材7を軸回りに
回転させながら、この基材7に向けてバーナ8から火炎
10を噴射して、基材7上にスートを堆積させる。そし
て、バーナ8を基材7の長手方向に移動させることによ
り基材7上に堆積部9を形成し、光ファイバ用多孔質母
材2を製造する。
際に、基材の長手方向でスートの堆積量を変化させると
ころに特徴を有するものである。このように基材の長手
方向でスートの堆積量を変化させることにより、その後
の焼結工程で光ファイバ用多孔質母材を焼結・透明ガラ
ス化して光ファイバ母材を製造した際に、形状が均一な
光ファイバ母材を製造することができる。
ス量が多くなる部分についてはあらかじめスートの堆積
量を少なくし、ガラス量が少なくなる部分についてはあ
らかじめスートの堆積量を多くしておくことにより、焼
結工程においてガラス量が変化しても、あらかじめそれ
が見込まれた堆積量とされているため、製造される光フ
ァイバ母材の形状は均一となるのである。したがって、
長手方向における堆積量の変化のさせ方は、焼結後の光
ファイバ母材の形状を勘案して決めればよく、当然焼結
方法、装置機能等により変わるものである。
バーナ8の基材7に対する相対的な移動速度を変化させ
て行うことが好ましい。堆積量の変化は、例えばバーナ
8内への原料ガスの供給量を増減させて生成するスート
量を変化させる等の種々の方法があるが、バーナ8の移
動速度は制御が容易でありかつ正確であることから、こ
れによりスート堆積量を変化させれば、スート堆積量を
容易にかつ精度よく制御することができるからである。
示す焼結炉3のような基材の長手方向に沿って加熱を行
う焼結炉を用いて焼結・透明ガラス化を行う場合は、光
ファイバ用多孔質母材2の内、最初に焼結される焼結開
始端部4のスート堆積量を多くし、最後に焼結される焼
結終了端部5のスート堆積量を少なくすることが好まし
い。
結工程を行った場合、焼結開始端部4ではガラス量が少
なくなり、焼結終了端部5ではガラス量が多くなること
から、堆積させるスート量をこのように調整することに
より形状が均一な光ファイバ母材を得ることができ、均
一な特性の光ファイバを得ることができるからである。
量を変化させた光ファイバ用多孔質母材は、次の焼結工
程により焼結・透明ガラス化されて、均一形状の光ファ
イバ母材とされる。この焼結工程は、例えば図1に示す
ような焼結炉3を用いて行えばよい。
光ファイバ用多孔質母材2を形成した。形成時のバーナ
8の基材7に対する移動速度を図3に示す。
域)ではバーナ移動速度を遅くし、焼結終了端部(b領
域)ではバーナ移動速度を速くすることにより、得られ
る光ファイバ用多孔質母材の形状は、図4に示すよう
に、焼結開始端部(a領域)では他の部位と比較してス
ートの堆積量が多く、焼結終了端部(b領域)では少な
くなった。
に示すような焼結炉により、焼結開始端部側から焼結終
了端部側にかけて、1500℃〜1600℃程度で加熱
して焼結・透明ガラス化して光ファイバ母材とした。
調べたところ、焼結開始端部(a領域)に相当する部分
の中央部に対する増大分はわずか約2%未満であり、ま
た焼結終了端部(b領域)に相当する部分の中央部に対
する縮小分はわずか約2%未満であった。通常は5%以
上の径の変動があることから、格段に改善できているこ
とがわかる。
ではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許
請求の範囲に記載された技術思想と実質的に同一な構成
を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるもの
であっても本発明の技術的範囲に包含される。
8が左右に移動して基材7上にスートを堆積させている
ため、バーナ8の移動速度を制御することにより堆積量
を変化させているが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、例えばバーナ8が固定されていて基材7が左右
に移動できるような構成の場合は、この基材7の移動速
度を制御することによりスートの堆積量を制御すること
ができる。さらに、バーナ8および基材7の両者共左右
に移動可能である場合は、両者の相対的な移動速度を制
御することによりスートの堆積量を変化させることがで
きる。
て光ファイバ用原料と反応ガスを吹き付け、前記基材の
表面にスートを堆積させて光ファイバ用多孔質母材を形
成し、これを焼結して透明ガラス化することにより光フ
ァイバ母材を得る光ファイバ母材の製造方法において、
前記スートの堆積時に基材の長手方向でスートの堆積量
を変化させる光ファイバ母材の製造方法であるので、ス
ート堆積段階で焼結後のガラス量の増減分を加味してス
ートを堆積させることにより、焼結後の光ファイバ母材
の外形を均一化することができる。したがって、一回の
焼結工程で、品質の良好な光ファイバ母材を製造するこ
とができ、これにより低コストかつ安定して良好な光フ
ァイバを得ることができる。
母材とするための焼結炉を示す概略構成例図である。
製造方法を示す説明図である。
ナ位置との関係を示すグラフである。
用多孔質母材の外形を示す縦断面図である。
3 … 焼結炉、4 … 焼結開始端部、 5 …
焼結終了端部、 6 … 加熱部、7 … 基材、 8
… バーナ、 9 … 堆積部、 10 … 火炎。
Claims (4)
- 【請求項1】 バーナから基材の表面に向けて光ファイ
バ用原料と反応ガスを吹き付け、前記基材の表面にスー
トを堆積させて光ファイバ用多孔質母材を形成し、これ
を焼結して透明ガラス化することにより光ファイバ母材
を得る光ファイバ母材の製造方法において、前記スート
の堆積量を、前記光ファイバ用多孔質母材が最初に焼結
される焼結開始端部で多く、最後に焼結される焼結終了
端部で少なくなるように変化させることを特徴とする光
ファイバ母材の製造方法。 - 【請求項2】 前記スートの堆積量の変化が、前記バー
ナの基材に対する相対的な移動速度を変化させることに
より行なわれることを特徴とする請求項1に記載の光フ
ァイバ母材の製造方法。 - 【請求項3】 前記基材として光ファイバのコア部とな
る部分を含む透明ガラスロッドを用い、この基材上にス
ートが堆積されてなる堆積部を光ファイバのクラッド部
とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載
の光ファイバ母材の製造方法。 - 【請求項4】 基材と該基材の表面に堆積されたスート
からなり、焼結されて光ファイバ母材となる光ファイバ
用多孔質母材であって、前記スート堆積量が、最初に焼
結される焼結開始端部で多く、最後に焼結される焼結終
了端部で少ないことを特徴とする光ファイバ用多孔質母
材。
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---|---|---|---|
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JP6318569B2 (ja) * | 2013-11-15 | 2018-05-09 | 住友電気工業株式会社 | 光ファイバの製造方法および光ファイバ用ガラス母材の製造方法 |
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