JP2000280728A - マグネット式ヒーター - Google Patents

マグネット式ヒーター

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JP2000280728A
JP2000280728A JP11092913A JP9291399A JP2000280728A JP 2000280728 A JP2000280728 A JP 2000280728A JP 11092913 A JP11092913 A JP 11092913A JP 9291399 A JP9291399 A JP 9291399A JP 2000280728 A JP2000280728 A JP 2000280728A
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Kazuyoshi Takigawa
一儀 滝川
Hiroshi Inoue
洋 井上
Masahito Yamada
雅人 山田
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Usui Kokusai Sangyo Kaisha Ltd
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Usui Kokusai Sangyo Kaisha Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より短時間にかつ効率よく熱媒体用流体を高
温に加熱することができる自動車などの車両用補助暖房
熱源補助ヒーターの提供。 【解決手段】 磁石と導体を僅かなギャップを隔てて対
向配置し、該磁石と導体を相対的に回転させることによ
り導体に生じるスリップ発熱で熱媒体用流体を加熱する
方式であって、駆動軸に取付けられてケーシング内に収
納されたホイールディスクが導体製となし、この導体製
のホイールディスクと僅かなギャップを隔てて対向する
永久磁石が前記ホイールディスクの駆動軸に遊星歯車機
構を介して相互に逆回転可能に支承され、前記ホイール
ディスクと磁石回転体とを相互に逆回転させることによ
り、ホイールディスクと磁石の相対回転数をコントロー
ルできるように構成したことを特徴とする。 【効果】 遊星歯車機構を使って磁石側と導体側を相互
に逆回転させる方式を採用したことによって、磁石側と
導体側の相対回転数を十分広い範囲に確保でき高い発熱
効率が得られるとともに、発熱量のコントロールも容易
となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に寒冷時や極寒
時におけるディーゼルエンジンやガソリンエンジンを動
力源とする主に自動車などの各種車両用エンジンの起動
性向上や電気自動車を含む各種車両や船舶のキャビン暖
房などに使用されるエンジン冷却水などの熱媒体用流体
の補助加熱手段として用いられ、またエンジン駆動され
る発電機、溶接機、コンプレッサー、建設機械などのエ
ンジン冷却水の予熱あるいは急速昇温(ウォーミングア
ップ時間の短縮)、さらには温水を昇温しながら圧送す
る装置や空調装置の暖房器、ヘアドライヤーなどの乾燥
器などに用いるマグネット式ヒーターに関する。
【0002】
【従来の技術】寒冷地などにおける始動時のエンジン冷
却水の暖房に利用される自動車などの車両用補助暖房熱
源として、ビスカス式ヒーターが知られている(特開平
2−246823号公報、実開平4−11716号公
報、特開平9−254637号公報、特開平9−667
29号公報、特開平9−323530号公報等参照)。
ビスカス式ヒーターは、シリコンオイルなどの粘性流体
をせん断により発熱させ、ウォータージャケット内を循
環する循環水に熱交換して暖房熱源に利用する方式であ
って、その構造としては、例えばハウジング内部に発熱
室と、この発熱室の外域にウォータージャケットを形成
し、ハウジングには軸受装置を介して駆動軸が回動可能
に支承され、駆動軸には発熱室内で回動可能なロータが
固定されており、発熱室の壁面とロータとの間隙にシリ
コンオイルなどの粘性流体が封入され、ウォータージャ
ケット内では循環水が入水ポートから取入れられ、出水
ポートから外部の暖房回路へ送り出されるべく循環され
ている。
【0003】車両の暖房装置に組込まれたこのビスカス
式ヒーターでは、駆動軸がエンジンにより駆動されれ
ば、発熱室内でロータが回動するため、粘性流体が発熱
室の壁面とロータの外面との間隙でせん断により発熱
し、この発熱がウォータージャケット内の循環水に熱交
換され、加熱された循環水が暖房回路でエンジン冷却水
など車両の暖房に供されることとなる。
【0004】しかし、上記したビスカス式ヒーターは、
シンプルな構造により、小型化と低コストを実現でき、
また摩耗のない非接触式の機構で高い信頼性と安全性を
確保することができ、さらに水温が上昇し、補助ヒータ
ーが不要になると温度制御により自動的に運転が停止す
るため、無駄なエネルギーは使用しないなどの特徴を有
するが、粘性流体として用いるシリコンオイルの耐熱性
は240℃程度が限界であり、シリコンオイルの温度を
あまり高くできないことと、始動時シリコンオイルが撹
拌されて高温に発熱するまでに時間がかかると共に、シ
リコンオイルの温度が上昇すると粘度が低下することに
よりせん断抵抗が低下して単位時間当りの発熱量が次第
に減少する傾向があるためにエンジン冷間時間での急速
な暖房効果が得られないという難点がある。また、ビス
カス式ヒーターは、使用環境が極低温の場合粘性流体の
粘度が高くなるため、起動時の負荷トルクが増大する。
特にエンジン駆動の場合は起動時に過大な負荷がかかる
ことになる。このため、特にディーゼルエンジン搭載の
寒冷地仕様車の場合、このようなビスカス式ヒーターは
有効性において十分とはいえず、より短時間にかつ効率
よく熱媒体用流体を高温に加熱することができる補助ヒ
ーターが望まれていた。
【0005】そこで本発明者は、このようなビスカス式
ヒーターの有する問題点に鑑み、ビスカス式ヒーターに
比しより高温にしかも短時間に熱媒体用流体の温度を上
昇させることができ、かつ耐熱性に優れたマグネット式
ヒーターを開発し、先に提案している。このマグネット
式ヒーターの原理は磁石と導体間に形成される磁路をせ
ん断することにより導体側に発生するスリップ発熱を熱
媒体用流体に熱交換する方式であり、具体的には永久磁
石、サーマルフェライトなどの磁石と、磁気ヒステリシ
スの大きな材料やエディカレント材などの導体(発熱
体)の2つの部材が僅かなギャップを隔てて向かい合
い、磁石と導体を相対的に回転させて磁路をせん断する
ことにより導体側に発生するスリップ発熱を利用したも
ので、導体にエディカレント材またはヒステリシス材を
用いることによって数秒〜数十秒で200〜600℃の
温度に発熱させることができるという特徴を有する。な
お、上記した「スリップ発熱」とは前記磁石により発生
した磁界内で、該磁界を切る方向に導体を動かす(回転
させる)と、当該導体内に渦電流(エディカレント)が
発生し、この渦電流の導体内における電気抵抗により発
熱することを意味する。
【0006】この方式のマグネット式ヒーターとして
は、例えば前記導体を熱媒体用流体ジャケットとなして
駆動軸に軸受装置を介して非回動に支承され、該前記駆
動軸により回動可能に設けられ前記熱媒体用流体ジャケ
ットと僅かなギャップを隔てて対向配置した永久磁石を
有する磁石回転体の回動により熱媒体用流体ジャケット
に生じるスリップ発熱により該熱媒体用流体ジャケット
内の熱媒体用流体が加熱される構造となしたものや、フ
ァンケーシング内にエンジンやモーターにて駆動される
ファンの少なくともホイールディスクが導体製となし、
この導体製のホイールディスクと僅かなギャップを隔て
て対向配置した永久磁石を有する磁石回転体を備え、フ
ァンの回転により導体製のホイールディスクに生じるス
リップ発熱によりファンケーシング内の熱媒体用流体が
加熱される構造となしたものなどがある。
【0007】図5は遠心ファンを用いたマグネット式ヒ
ーターを例示したもので、この遠心ファンはホイールデ
ィスクに導体を取付けるか、またはホイールディスクを
導体製とし、前記導体または導体製のホイールディスク
と僅かなギャップを隔てて対向配置する永久磁石を当該
ヒーター本体に組込み、前記遠心ファンの回転により導
体に生じるスリップ発熱により当該ヒーター本体内の空
気が加熱される構造となしたもので、ここに例示したも
のはマグネット式ヒーターの回転駆動源にモーターを用
いたもので、ファンケーシング11内に駆動モーター1
3の回転軸14に取付けられた遠心ファン12のホイー
ルディスク12aを導体製とし、この導体製のホイール
ディスク12aと僅かなギャップを隔てて対向する環状
の磁石支持体15がファンケーシング11に取付けら
れ、該磁石支持体15の背面に前記駆動モーター13が
取付けられている。前記磁石支持体15にはドーナツ状
の永久磁石16がヨーク16aを介して装着されてい
る。なお、前記導体製のホイールディスク12aはアル
ニコ、フェライト系ステンレス鋼、ヒステリシス材、鉄
板などの材料製の基材の永久磁石16側の表面に銅アル
ミなどのエディカレント材を貼着して構成されたもの、
あるいはエディカレント材そのもので構成されている。
【0008】上記構成のマグネット式ヒーターにおい
て、駆動モーター13を起動させると、空気流入口17
より当該ファンケーシング11内に流入した低温な空気
が矢印で示すように流れると同時に、導体製のホイール
ディスク12aとファンケーシング11に取付けられた
磁石支持体15の永久磁石16との間に形成されている
磁路がせん断されて導体製のホイールディスク12aに
スリップ発熱が生じる。この導体製のホイールディスク
12aに生じた発熱は、遠心ファン12を介してファン
ケーシング11内を流れる空気に熱交換されて温風また
は熱風となって空気吐出口18より吐出する。なおここ
では遠心ファンを示したが、シロッコファン、ベーンタ
イプファン、軸流ファン、ターボファンなどいずれでも
よい。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記した永久磁石、サ
ーマルフェライトなどの磁石と、磁気ヒステリシスの大
きな材料やエディカレント材などの導体(発熱体)の2
つの部材が僅かなギャップを隔てて向かい合い、磁石と
導体を相対的に回転させて磁路をせん断することにより
導体側に発生するスリップ発熱を熱媒体用流体に熱交換
する方式のマグネット式ヒーターの場合、該ヒーターの
発熱量はトルク×回転数で決まり、トルク一定の時磁石
と導体の相対回転数により発熱量が増減する。しかるに
これまでのマグネット式ヒーターは、磁石側と導体側の
いずれか一方のみを回転させることによって導体側にス
リップ発熱を発生させる方式となっているため、磁石側
と導体側の相対回転数を十分広い範囲に確保できず、発
熱効率をより高めることができなかった。また磁石側と
導体側のいずれか一方のみを回転させる方式では、発熱
量のコントロールを容易に行うことができなかった。
【0010】本発明はこのような問題点を解決するため
になされたもので、遊星歯車機構を使って磁石側と導体
側を相互に逆回転させる方式を採用することによって、
磁石側と導体側の相対回転数を十分広い範囲に確保でき
るようにするとともに、発熱量を容易にコントロールで
きるマグネット式ヒーターを提供しようとするものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係るマグネット
式ヒーターは、磁石と導体を僅かなギャップを隔てて対
向配置し、該磁石と導体を相対的に回転させることによ
り導体に生じるスリップ発熱で熱媒体用流体を加熱する
方式であって、その第1の実施態様は磁石と導体を僅か
なギャップを隔てて対向配置し、該磁石と導体を相対的
に回転させることにより導体に生じるスリップ発熱で熱
媒体用流体を加熱する方式であって、前記相対回転手段
に遊星歯車機構を用いたことを特徴とし、第2の実施態
様は駆動軸に取付けられてケーシング内に収納された導
体製回転部材と、前記導体製回転部材と僅かなギャップ
を隔てて対向配置した永久磁石を有する磁石回転体を備
え、前記磁石回転体と導体製回転部材の相対回転により
前記導体製回転部材に生じるスリップ発熱により該ケー
シング内の熱媒体用流体が加熱される構造となしたマグ
ネット式ヒーターにおいて、前記磁石回転体は前記導体
製回転部材の駆動軸に遊星歯車機構を介して相互に逆回
転可能に支承され、前記遊星歯車機構は前記駆動軸に固
着したサンギヤ、同駆動軸に軸受装置を介して支承され
たキャリアに軸支されたピニオンギヤおよび前記磁石回
転体側に固着されたリングギヤとから構成され、前記キ
ャリアを固定した状態で前記導体製回転部材と磁石回転
体とを相互に逆回転させることにより該ケーシング内の
熱媒体用流体が加熱される構造となしたことを特徴と
し、第3の実施態様は駆動軸に取付けられてケーシング
内に収納された導体製回転部材と、前記導体製回転部材
と僅かなギャップを隔てて対向配置した永久磁石を有す
る磁石回転体を備え、前記磁石回転体と導体製回転部材
の相対回転により前記導体製回転部材に生じるスリップ
発熱によりケーシング内の熱媒体用流体が加熱される構
造となしたマグネット式ヒーターにおいて、前記磁石回
転体は前記導体製回転部材の駆動軸に遊星歯車機構を介
して相互に逆回転可能に支承され、前記遊星歯車機構は
前記駆動軸に固着したサンギヤ、同駆動軸に軸受装置を
介して支承されたキャリアに軸支されたピニオンギヤお
よび前記磁石回転体側に固着されたリングギヤとから構
成され、前記キャリアを駆動軸と逆方向に回転させるこ
とにより前記磁石回転体を前記導体製回転部材とは逆方
向でかつ駆動軸の回転速度より増速してケーシング内の
熱媒体用流体が加熱される構造となしたことを特徴と
し、第4の実施態様は駆動軸に取付けられてケーシング
内に収納された導体製回転部材と、前記導体製回転部材
と僅かなギャップを隔てて対向配置した永久磁石を有す
る磁石回転体を備え、前記磁石回転体と導体製回転部材
の相対回転により前記導体製回転部材に生じるスリップ
発熱によりケーシング内の熱媒体用流体が加熱される構
造となしたマグネット式ヒーターにおいて、前記磁石回
転体は前記導体製回転部材の駆動軸に遊星歯車機構を介
して相互に逆回転可能に支承され、前記遊星歯車機構は
前記駆動軸に固着したサンギヤ、同駆動軸に軸受装置を
介して支承されたキャリアに軸支されたピニオンギヤお
よび前記磁石回転体側に固着されたリングギヤとから構
成され、前記キャリアを非固定にした状態で前記導体製
回転部材と磁石回転体との相対回転速度を最小または零
にして等速として加熱をほぼ停止することを特徴とする
ものである。また前記導体製回転部材はファンまたはポ
ンプ機能を有するインペラーもしくはベーンを有するも
の、例えばホイールディスクなどを用いることができ
る。
【0012】すなわち本発明は駆動軸側と磁石回転体側
を遊星歯車機構を介して逆方向にも回転できるように構
成するとともに、遊星歯車機構のキャリアを固定、回
転、フリーのいずれかを選択して駆動軸側と磁石回転体
側を逆回転、増速回転、等速回転などができるようにし
たもので、これにより駆動軸側と磁石回転体側の相対回
転数の確保および発熱量のコントロールが容易となる。
【0013】なおこのマグネット式ヒーターのON/O
FF制御手段としては、電磁クラッチ、サーマルフェラ
イト、電磁ブレーキ、電磁コイルなどを用いることがで
きる。サーマルフェライトは、永久磁石にソフトフェラ
イトを貼り付けたものが一般的であり、ある温度以上に
発熱すると磁路がソフトフェライト中を通るようにな
り、反対に発熱温度がある温度以下に下がると磁路がソ
フトフェライトの外側に形成されるという特性を有する
磁石であるため、永久磁石にサーマルフェライトを用い
た場合は、自動的にON/OFF制御が可能となるの
で、ON/OFF制御系は不要である。また本発明は遊
星歯車機構のキャリアをフリーにしてヒーターをOFF
にすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は本発明の請求項2に対応す
るマグネット式ヒーターの一実施例を示す縦断側面図、
図2は図1のイーイ線上の拡大断面図、図3は同請求項
3に対応するマグネット式ヒーターの一実施例を示す縦
断側面図、図4は同請求項4に対応するマグネット式ヒ
ーターの一実施例を示す縦断側面図であり、1はファン
ケーシング、2は遠心ファン、2aはホイールディス
ク、3は駆動軸、4は磁石回転体、4aはフィン、5は
永久磁石、6はサンギヤ、7はピニオンギヤ、8はキャ
リア、9はリングギヤ、10、11は軸受装置、12は
固定アーム、13は支持固定部、14はプーリ、15は
シール部、16は熱媒体流体流入口、17は熱媒体流体
吐出口である。なおここでは遠心ファンを用いたマグネ
ット式ヒーターに適用した例について説明する。
【0015】すなわち図1、図2に示すマグネット式ヒ
ーターは、遠心ファンのホイールディスクに導体を取付
けるか、またはホイールディスク自体を導体製とし、こ
の導体または導体製のホイールディスクと僅かなギャッ
プを隔てて対向配置する永久磁石を当該ヒーター本体に
組込み、前記遠心ファンの回転により導体に生じるスリ
ップ発熱により当該ヒーター本体内の空気などの熱媒体
用流体が加熱される構造となしたもので、ここに例示し
たものは遠心ファンの駆動軸に遊星歯車機構を介して磁
石回転体を逆回転可能に支承した構造となしたもので、
その構造は駆動軸3に取付けられてファンケーシング1
内に収納された遠心ファン2のホイールディスク2aを
導体製とし、この導体製のホイールディスク2aと僅か
なギャップを隔てて対向する筒形の磁石回転体4が駆動
軸3にサンギヤ6、ピニオンギヤ7、キャリア8および
リングギヤ9とから構成された遊星歯車機構を介して逆
回転可能に支承されている。この遊星歯車機構のサンギ
ヤ6は駆動軸3に取付けられ、このサンギヤ6と噛合す
るピニオンギヤ7は駆動軸3に軸受装置10を介して取
付けられたキャリア8に軸支され、このピニオンギヤ7
と噛合するリングギヤ9は磁石回転体4に一体に内嵌さ
れかつキャリア8との間に設けた軸受装置11にて支持
されている。そしてキャリア8は固定アーム12を介し
て支持固定部13に固定されている。またこの磁石回転
体4とファンケーシング1との接合部はシール部15に
て回転可能にシールされている。なお、磁石回転体4の
背面に設けたフィン4aは冷却のために設けたもので、
必ずしも必要とするものではない。
【0016】上記構成のマグネット式ヒーターにおい
て、駆動軸3が例えばエンジンにより駆動されると、該
駆動軸3に取付けられた遠心ファン2が回転することに
より熱媒体流体流入口16よりファンケーシング1内に
流入した熱媒体流体が矢印で示すように流れると同時
に、該駆動軸3に遊星歯車機構を介して支承された磁石
回転体4が遠心ファン2と逆方向に回転し、遠心ファン
2の導体製のホイールディスク2aと永久磁石5との間
に形成されている磁路がせん断されて導体製のホイール
ディスク2aにスリップ発熱が生じる。このホイールデ
ィスク2aのスリップ発熱は、当該ファンケーシング1
内の熱媒体用流体に熱交換される。このマグネット式ヒ
ーターの場合は、キャリア8が固定された状態で遠心フ
ァン2側と永久磁石5側が逆回転するので相対回転数が
増大する。したがって、駆動軸3を高速回転させなくて
も相対回転数を十分に確保することができ、高い発熱効
率で熱交換が行われる。
【0017】つぎに図3に示すマグネット式ヒーター
は、前記図1、図2に示すマグネット式ヒーターにおい
てキャリア8を駆動軸3側と逆方向に回転させることに
よって遠心ファン2と永久磁石5の相対速度をより増速
させて最大発熱量が得られるようにしたもので、前記図
1、図2に示すマグネット式ヒーターと同一構成におい
て、ピニオンギヤ7のキャリア8にプーリ14を取付
け、このプーリ14を介してキャリア8を駆動軸3側と
逆方向に回転できるように構成したものである。したが
って、このマグネット式ヒーターの場合は、前記と同様
駆動軸1が駆動されると、熱媒体流体流入口16よりフ
ァンケーシング1内に流入した熱媒体流体が矢印で示す
ように流れると同時に、該駆動軸3に遊星歯車機構を介
して支承された磁石回転体4が遠心ファン2と逆方向に
回転すると同時に、プーリ14を介してキャリア8も駆
動軸1側と逆方向に回転することにより、遠心ファン2
と永久磁石5の相対速度がより増速し、最大発熱量が得
られる。
【0018】一方、図4に示すマグネット式ヒーター
は、前記図1、図2に示すマグネット式ヒーターにおい
て、スリップ発熱を最小限にするためにピニオンギヤ7
のキャリア8をフリーにしたものである。したがって、
このマグネット式ヒーターの場合は、前記と同様駆動軸
1が駆動されると、熱媒体流体流入口16よりファンケ
ーシング1内に流入した熱媒体流体が矢印で示すように
流れるも、キャリア8がフリーであるため磁石回転体4
は永久磁石5と導体との磁気作用により導体と同一もし
くはシール部15のシール部材のフリクションロスによ
る僅かな速度差で回転することとなり、導体製のホイー
ルディスク2aに生じるスリップ発熱は停止または最小
となる。
【0019】上記の図1〜図4では遠心ファンを用いた
マグネット式ヒーターを例にとり説明したが、遊星歯車
機構は例えば一体型のハウジング内で全体が導体の円盤
状のリターダディスクが回転する方式のものなど、他の
マグネット式ヒーターにも適用できることはいうまでも
ない。なお、前記リターダディスクは銅、アルミなどの
エディカレント材を用い、これにアルニコ、フェライト
系ステンレス鋼、ヒステリシス材、鉄板などの磁性材料
などからなるマグネチックリングプレートを磁石と反対
側に貼着して構成してもよく、またアルニコ、フェライ
ト系ステンレス鋼、ヒステリシス材、鉄板などの磁性材
料からなるマグネチックディスクに銅、アルミなどのエ
ディカレント材からなるリターダリングプレートを磁石
側に貼着して構成してもよい。
【0020】
【発明の効果】以上説明したごとく本発明に係るマグネ
ット式ヒーターは、駆動軸側と磁石回転体側を遊星歯車
機構を介して逆方向にも回転できるように構成したこと
により、駆動軸側と磁石回転体側の相対回転数を十分広
い範囲に確保することができ高い発熱効率が得られると
ともに、発熱量のコントロールも容易となるなどの優れ
た効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項2に対応するマグネット式ヒー
ターの一実施例を示す縦断側面図である。
【図2】図1のイーイ線上の拡大断面図である。
【図3】同請求項3に対応するマグネット式ヒーターの
一実施例を示す縦断側面図である。
【図4】同請求項4に対応するマグネット式ヒーターの
一実施例を示す縦断側面図である。
【図5】本発明の対象とする従来のマグネット式ヒータ
ーの一例を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
1 ファンケーシング 2 遠心ファン 2a ホイールディスク 3 駆動軸 4 磁石回転体 4a フィン 5 永久磁石 6 サンギヤ 7 ピニオンギヤ 8 キャリア 9 リングギヤ 10、11 軸受装置 12 固定アーム 13 支持固定部 14 プーリ 15 シール部 16 熱媒体流体流入口 17 熱媒体流体吐出口

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁石と導体を僅かなギャップを隔てて対
    向配置し、該磁石と導体を相対的に回転させることによ
    り導体に生じるスリップ発熱で熱媒体用流体を加熱する
    方式であって、前記相対回転手段に遊星歯車機構を用い
    たことを特徴とするマグネット式ヒーター。
  2. 【請求項2】 磁石と導体を僅かなギャップを隔てて対
    向配置し、該磁石と導体を相対的に回転させることによ
    り導体に生じるスリップ発熱で熱媒体用流体を加熱する
    方式であって、駆動軸に取付けられてケーシング内に収
    納された導体製回転部材と、前記導体製回転部材と僅か
    なギャップを隔てて対向配置した永久磁石を有する磁石
    回転体を備え、前記磁石回転体と導体製回転部材の相対
    回転により前記導体製回転部材に生じるスリップ発熱に
    より該ケーシング内の熱媒体用流体が加熱される構造と
    なしたマグネット式ヒーターにおいて、前記磁石回転体
    は前記導体製回転部材の駆動軸に遊星歯車機構を介して
    相互に逆回転可能に支承され、前記遊星歯車機構は前記
    駆動軸に固着したサンギヤ、同駆動軸に軸受装置を介し
    て支承されたキャリアに軸支されたピニオンギヤおよび
    前記磁石回転体側に固着されたリングギヤとから構成さ
    れ、前記キャリアを固定した状態で前記導体製回転部材
    と磁石回転体とを相互に逆回転させることにより該ケー
    シング内の熱媒体用流体が加熱される構造となしたこと
    を特徴とするマグネット式ヒーター。
  3. 【請求項3】 磁石と導体を僅かなギャップを隔てて対
    向配置し、該磁石と導体を相対的に回転させることによ
    り導体に生じるスリップ発熱で熱媒体用流体を加熱する
    方式であって、駆動軸に取付けられてケーシング内に収
    納された導体製回転部材と、前記導体製回転部材と僅か
    なギャップを隔てて対向配置した永久磁石を有する磁石
    回転体を備え、前記磁石回転体と導体製回転部材の相対
    回転により前記導体製回転部材に生じるスリップ発熱に
    よりケーシング内の熱媒体用流体が加熱される構造とな
    したマグネット式ヒーターにおいて、前記磁石回転体は
    前記導体製回転部材の駆動軸に遊星歯車機構を介して相
    互に逆回転可能に支承され、前記遊星歯車機構は前記駆
    動軸に固着したサンギヤ、同駆動軸に軸受装置を介して
    支承されたキャリアに軸支されたピニオンギヤおよび前
    記磁石回転体側に固着されたリングギヤとから構成さ
    れ、前記キャリアを駆動軸と逆方向に回転させることに
    より前記磁石回転体を前記導体製回転部材とは逆方向で
    かつ駆動軸の回転速度より増速してケーシング内の熱媒
    体用流体が加熱される構造となしたことを特徴とするマ
    グネット式ヒーター。
  4. 【請求項4】 磁石と導体を僅かなギャップを隔てて対
    向配置し、該磁石と導体を相対的に回転させることによ
    り導体に生じるスリップ発熱で熱媒体用流体を加熱する
    方式であって、駆動軸に取付けられてケーシング内に収
    納された導体製回転部材と、前記導体製回転部材と僅か
    なギャップを隔てて対向配置した永久磁石を有する磁石
    回転体を備え、前記磁石回転体と導体製回転部材の相対
    回転により前記導体製回転部材に生じるスリップ発熱に
    よりケーシング内の熱媒体用流体が加熱される構造とな
    したマグネット式ヒーターにおいて、前記磁石回転体は
    前記導体製回転部材の駆動軸に遊星歯車機構を介して相
    互に逆回転可能に支承され、前記遊星歯車機構は前記駆
    動軸に固着したサンギヤ、同駆動軸に軸受装置を介して
    支承されたキャリアに軸支されたピニオンギヤおよび前
    記磁石回転体側に固着されたリングギヤとから構成さ
    れ、前記キャリアを非固定にした状態で前記導体製回転
    部材と磁石回転体との相対回転速度を最小または零にし
    て等速として加熱をほぼ停止することを特徴とするマグ
    ネット式ヒーター。
  5. 【請求項5】 導体製回転部材がファンまたはポンプ機
    能を有するインペラーもしくはベーンを有することを特
    徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項記載のマグネ
    ット式ヒーター。
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