JP2000280604A - インクジェット記録シート及びそれを使用した記録物の作成方法 - Google Patents

インクジェット記録シート及びそれを使用した記録物の作成方法

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JP2000280604A
JP2000280604A JP11087503A JP8750399A JP2000280604A JP 2000280604 A JP2000280604 A JP 2000280604A JP 11087503 A JP11087503 A JP 11087503A JP 8750399 A JP8750399 A JP 8750399A JP 2000280604 A JP2000280604 A JP 2000280604A
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Japan
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organic polymer
thermoplastic organic
fine particles
ink
polymer fine
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JP11087503A
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English (en)
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Hirokazu Yamamoto
浩和 山本
Tetsuya Uto
哲也 宇戸
Tomoko Ishimaru
智子 石丸
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、インクジェット記録方式においてイ
ンク吸収性、画像色彩性に優れたインクジェット画像が
得られ、屋外などで使用した場合でも耐水性、保存性の
良い、インクジェット記録物を提供することを目的とす
るものである。 【解決手段】支持体の少なくとも片面に該支持体に近い
方から無機顔料を含有するインク受容層、その上に主と
して熱可塑性有機高分子微粒子を含有する上層を設けた
インクジェット記録用シートであって、該無機顔料を含
有するインク受容層に更に熱可塑性有機高分子微粒子を
含有するインクジェット記録用シートをインクジェット
記録後、該熱可塑性有機高分子微粒子層を加熱等で溶解
または融解して、該熱可塑性有機高分子微粒子が融着し
た層とするインクジェット記録シートである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録シートに関するものであり、更に詳しくは、無機顔料
と熱可塑性有機高分子微粒子を含有する下層を設け、そ
の上に主として熱可塑性有機高分子微粒子を含有する上
層を設けたインクジェット記録シートであり、インクジ
ェット記録後該層を被膜化することにより、色彩性、イ
ンク吸収性及び耐水性の優れた記録物が得られるインク
ジェット記録シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、種々の作動
原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙等の記録シ
ートに付着させ、画像、文字等の記録を行なうものであ
るが、高速、低騒音、多色化が容易、記録パターンの融
通性が大きい、現像−定着が不要等の特徴があり、漢字
を含め各種図形及びカラー画像等の記録装置として種々
の用途において急速に普及している。又、多色インクジ
ェット方式により形成される画像は、製版方式による多
色印刷やカラー写真方式による印画に比較して、遜色の
ない記録を得ることが可能であるし、更に、作成部数が
少なくて済む用途においては、写真技術によるよりも安
価であることから、フルカラー画像記録分野にまで広く
応用されつつある。
【0003】インクジェット記録方式で使用される記録
シートとしては、通常の印刷や筆記に使われる上質紙や
コーテッド紙を使うべく、装置やインク組成の面から努
力がなされてきた。しかし、装置の高速化・高精細化或
はフルカラー化等インクジェット記録装置の性能の向上
や用途の拡大に伴い、記録シートに対してもより高度な
特性が要求されるようになった。即ち、当該記録シート
としては、印字ドットの濃度が高く、色調が明るく鮮や
かであること、インクの吸収が早くて印字ドットが重な
った場合においてもインクが流れ出したり滲んだりしな
いこと、印字ドットの横方向への拡散が均一で必要以上
に大きくなく、且つ周辺が滑らかでぼやけないこと、経
時や環境で画質の変化がないこと例えば、耐光性、耐水
性、耐オゾン性に優れていること等が要求される。
【0004】このような要求に対して、従来からいくつ
かの提案が行われてきた。インク吸収性向上や印字ドッ
トの拡散防止に対しては支持体上にインク受容層を設け
る方法(特開昭52-9074号公報、同58-72495号公報
等)、インク受容層中におけるインク中の染料成分の分
布状態が色彩性や鮮鋭性に影響することに着目して、染
料成分を吸着する特定の剤を用いる方法(特開昭55-144
172号公報)等が示されている。又、耐光性、耐水性、
耐オゾン性を向上させるために、塩基性オリゴマーを含
有させること(特開昭60-11389号公報)、基材中又は基
材上の塗工層にポリビニルアミン共重合物を用いること
(特開昭64-8085号公報)等が開示されている。
【0005】更に、用途の多様化に伴って、ポスターや
POPアートに使用されたり、裏面に粘着剤層を設け
て、価格表示用ラベル、商品表示(バーコード)用ラベ
ル、品質表示用ラベル、計量表示用ラベル、広告宣伝用
ラベル(ステッカー)等のラベル用途、広い範囲の被着
体に良く接着し、貼り付け作業が簡単なため、他面に粘
着層を介して感熱特性、磁気特性、オフセット印刷適性
を有するシート等と貼り合わせて複合した機能を付加さ
せることも可能となることから、切符、定期券、各種カ
ード等への応用も広がりつつある。
【0006】しかしながら、これらの特性に対する要求
は次第に高度になり、厳しくなる一方で、大判のポスタ
ー等に使用される用途においては、これらが屋外で使用
され、風雨にさらされたり、直射日光にさらされたりす
ることも多くなった。従って、これらの環境に対抗でき
る能力をも保有することが、インクジェット記録シート
に要求される場合もある。
【0007】従来からインクジェット記録方式では、イ
ンクとして水性或は油性の溶媒中に染料や顔料を溶解あ
るいは分散させたインクが使用されてきた、中でも各種
の水溶性染料を水または水と有機溶媒との混合物に溶解
させた水溶性染料インクが主流である。水溶性染料イン
クはインクジェット記録装置のインク吐出ヘッドのメン
テナンス性に優れており、また、印字後の発色性、解像
力等に優れている。しかし、水溶性なるが故に記録画像
の耐水性に問題がある。また、水溶性染料は本来耐候性
(光や空気、温湿度による画像の退色や消失)が劣るた
め特に記録シートを屋外展示する場合急速に画像が退色
したり、消失したりする欠点がある。
【0008】インクジェット記録シートの形態として
は、所謂、上質紙・ボンド紙等に代表される普通紙タイ
プと上質紙等の紙、合成紙、合成樹脂フィルム等の支持
体面上にインク受容層を設けた塗工タイプに大別され
る。塗工タイプのインクジェット記録シートは、塗設さ
れたインク受容層の種々特性が印字品質に直接影響する
ことから、吸収性に対しては顔料の比表面積や形状の選
択、色彩性や色再現性等については顔料の透明性や屈折
率の検討、画像品質にたいしては塗層構造や表面形状
等、用紙の波打ち等の改善については水中伸度、合成繊
維やガラス繊維の配合といった種々の検討、更には塗工
方法等について種々検討がなされてきた。
【0009】更にインクジェット記録後に、表面にフィ
ルムを貼り合せたり、クリアーな樹脂層を塗工したり、
前もってインク受容層表面に熱可塑性有機高分子微粒子
の層を設けておき、インクジェット記録後に該熱可塑性
有機高分子微粒子を溶融する事によって耐水性や光沢を
得ようとする試み(特開昭59-201891号公報、特開昭62-
183383号公報、特開平01-182055号公報、特開平01-1820
81号公報、特開平02-81663号公報、特開平07-237348号
公報)もなされている。印字後に熱可塑性有機高分子微
粒子の層を緻密化する方法としては、バライタ写真印画
紙の乾燥に用いられるフェロタイプ乾燥機のような熱ド
ラムに圧着するあるいは加圧、加熱の2本のロールの間
を通す等種々の方法があるが、一般的には加熱した平滑
な金属ロールに圧着することにより緻密化する場合が多
い。この緻密化処理により熱可塑性有機高分子微粒子層
が成膜されて耐水性、耐候性、光沢性或は透明性を得る
という提案であるが、熱ドラムや熱ロールの表面に該熱
可塑性有機高分子微粒子が粘着してしまう等の問題があ
り、更なる改善が求められていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、インクジェ
ット記録方式においてインク吸収性、画像色彩性に優れ
たインクジェット画像が得られ、屋外などで使用した場
合でも耐水性、保存性の良い、インクジェット記録物を
提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を達成するために鋭意研究した結果、支持体の少なくと
も片面に該支持体に近い方から無機顔料を含有するイン
ク受容層、その上に主として熱可塑性有機高分子微粒子
を含有する上層を設けたインクジェット記録用シートで
あって、該無機顔料を含有するインク受容層に更に熱可
塑性有機高分子微粒子を含有するインクジェット記録用
シートをインクジェット記録後、該熱可塑性有機高分子
微粒子層を加熱等で溶解または融解して、該熱可塑性有
機高分子微粒子が融着した層とすることで、前記目的を
達成できるインクジェット記録物が得られることを見出
し本発明を完成するに至った。
【0012】また、該上層の熱可塑性有機高分子微粒子
の最低成膜温度が、該インク受容層の熱可塑性有機高分
子微粒子の最低成膜温度より高いインクジェット記録シ
ートである。
【0013】また、主として熱可塑性有機高分子微粒子
を含有する上層が、コロイダルシリカを該熱可塑性有機
高分子微粒子の重量の30%以下含有する層であるイン
クジェット記録シートである。
【0014】更に、上記本発明のインクジェット記録シ
ートに、インクジェット記録後、該熱可塑性有機高分子
微粒子を含有する上層を加熱等により、溶解または融解
して、該熱可塑性有機高分子微粒子が融着した層とする
ことを特徴とする記録物の作成方法である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明のインクジェット記
録シートについて、詳細に説明する。本発明で使用する
インクジェット記録用シートは、表層に熱可塑性有機高
分子微粒子を含有する上層を有し、支持体と熱可塑性有
機高分子微粒子を含有する上層との間には、無機顔料と
更に熱可塑性有機高分子微粒子を含有するインク受容層
がある構成である。
【0016】上記記録シートの支持体としては、従来公
知のものがいずれも使用でき、例えば、 a)LBKP、NBKPなどの化学パルプ、GP、PG
W、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGPなどの
機械パルプ、DIPなどの古紙パルプなどの天然パルプ
と従来公知の顔料を主成分として、バインダーおよびサ
イズ剤や定着剤、歩留まり向上剤、カチオン化剤、紙力
増強剤などの各種添加剤を1種以上用いて混合したスラ
リーを用い、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー
抄紙機などの各種装置で抄造された非塗工紙類;
【0017】b)非塗工紙に、澱粉、ポリビニルアルコ
ールなどでのサイズプレスやアンカーコート層を設けた
紙や、それらの上にコート層を設けたアート紙、コート
紙、キャストコート紙などの塗工紙類;
【0018】c)マシンカレンダー、TGカレンダー、
ソフトカレンダーなどのカレンダー装置を用いて平滑化
処理を施したような非塗工紙類;
【0019】d)非塗工紙あるいは塗工紙の両面または
片面に溶融押し出し法などにて高密度、或は低密度ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリエステルなどをコート
したレジンコート紙類;
【0020】e)ポリエチレンテレフタレート、ポリプ
ロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリカーボネ
ート、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコールなどの透
明合成樹脂フィルムやこれら材料に顔料、発泡剤などを
含有して透明度を低下させた半透明合成樹脂フィルム
類;
【0021】f)ポリエチレン、ポリプロピレン、エチ
レン/プロピレン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重
合体、ポリスチレン、アクリル酸エステル類などの熱可
塑性樹脂と炭酸カルシウム、タルク、シリカ、焼成クレ
ーなどの無機顔料を混合して延伸積層した合成紙等;
【0022】g)あるいはこれら支持体の表面にコロナ
放電処理、火炎処理、プラズマ処理、アンカー層塗工処
理などの易接着性を改良したようなものを好適に用いる
ことができる。
【0023】さらに、これらの支持体には、マシンカレ
ンダー、スーパーカレンダー、グロスカレンダー、艶消
しカレンダー、摩擦カレンダー、ブラシカレンダーなど
のカレンダー処理を行うことができる。支持体の坪量と
しては、通常50〜300g/m2程度のものが用いら
れる。
【0024】本発明のインク受容層に用いられる無機顔
料としては、従来公知の各種顔料を用いることができ
る。例えば、シリカ(コロイダルシリカ、湿式法非晶質
シリカ、気相法非晶性シリカ)、アルミナ或はアルミナ
水和物(アルミナゾル、コロイダルアルミナ、カチオン
性アルミニウム酸化物又はその水和物、擬ベーマイト
等)、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグ
ネシウム、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、
カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二
酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホ
ワイト、ケイソウ土、珪酸カルシウム、水酸化アルミニ
ウム、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、水酸
化マグネシウム、などの無機顔料を挙げることができ
る。
【0025】本発明のインク受容層に用いられる熱可塑
性有機高分子微粒子としては、例えばポリスチレン、ポ
リメチルスチレン、ポリメトキシスチレン、ポリクロル
スチレン等のポリモノビニリデン芳香族、ポリ塩化ビニ
ル、ポリビニルシクロヘキサン、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリ塩化ビニリデン等のポリオレフィン及び
ポリハロオレフィン類、ポリメタクリレート、ポリクロ
ルアクリレート、ポリメチルメタクリレート等のα、β
−エチレン性不飽和酸のエステル類の重合体等及びこれ
らの共重合体等が挙げられる。特に低密度ポリオレフィ
ンは好ましく使用出来る。
【0026】該熱可塑性有機高分子微粒子は、例えば一
種またはそれ以上のビニル単量体からエマルジョン重合
してつくった、スラリー状のプラスチックピグメントや
ラテックス、及びその乾燥物や固体状のプラスチックを
各種手段によって粉砕した微粉末や微粒状に成型した粉
末等として得られる。これら熱可塑性有機高分子微粒子
の大きさとしては通常直径0.01μm〜50μmのも
のが使用される。直径0.1μm〜20μmのものが好
ましく使用される。直径が0.01μmより小さいと形
成される空隙が小さくなりすぎ、インクの吸収性を遅く
するため好ましくない。また50μmより大きいと、上
層を塗工した時、上層の沈み込みが激しく均一な上層が
得られないので好ましくない。
【0027】本発明のインク受容層に用いられる熱可塑
性有機高分子微粒子の最低成膜温度(MFT)は40℃
から150℃の範囲にあることが好ましい。最低成膜温
度とは熱可塑性有機高分子微粒子が結合して成膜するの
に最低必要な温度を意味する。この最低成膜温度は室井
宗一著「高分子ラテックスの化学」(1997年)等に
記載されているように温度勾配板法により測定すること
が出来る。熱可塑性有機高分子微粒子の最低成膜温度が
40℃よりも低い場合は通常のインクジェット記録シー
ト製造工程においては熱可塑性有機高分子微粒子が成膜
してしまいインクの吸収性が悪化する。さらに熱可塑性
有機高分子微粒子が成膜しない温度にてインクジェット
記録シートを製造するには乾燥効率の点から困難が伴
う。また、熱可塑性有機高分子微粒子の最低成膜温度が
150℃を超える場合には通常の加熱処理により十分な
熱量が得られず均一な皮膜が形成され難いために光沢が
低下したり、耐水性が低下したりする。さらに、皮膜形
成の容易さ、皮膜の均一性、皮膜の強度を最適にするた
めに本発明における熱可塑性有機高分子微粒子の最低成
膜温度(MFT)は40℃から120℃の範囲にあるこ
とがより好ましい。
【0028】本発明のインク受容層には、バインダーと
して高分子化合物を含んでもよい。バインダーとして
は、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、
酸化澱粉、エーテル化澱粉、カルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導
体、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、シリル変性ポリビ
ニルアルコール等;無水マレイン酸樹脂、スチレン−ブ
タジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン
共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス;アクリ
ル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体又は共
重合体、アクリル酸及びメタクリル酸の重合体又は共重
合体等のアクリル系重合体ラテックス;エチレン酢酸ビ
ニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス;或いはこ
れらの各種重合体のカルボキシル基等の官能基含有単量
体による官能基変性重合体ラテックス;メラミン樹脂、
尿素樹脂等の熱硬化合成樹脂系等の水性バインダー;ポ
リメチルメタクリレート、ポリウレタン樹脂、不飽和ポ
リエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、
ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂等の合成樹脂系
バインダーを挙げることができ、少なくとも1種以上で
使用することができる。又、従来公知の染料を定着する
目的として添加するカチオン性樹脂を併用することもで
きる。
【0029】バインダーの総量は、目的とするインクジ
ェット記録シートの特性に合わせて、適宜調整すること
が出来るが、一般には、顔料100重量%に対して、5
〜60重量%である。このインク受容層は塗工量(乾燥
固形分)として、5g/m2〜50g/m2が好ましい。
更に、その他の添加剤として、顔料分散剤、増粘剤、流
動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透
剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、
酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、染料定着剤(カチオン
性高分子)、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤、架橋剤
等を適宜配合することもできる。
【0030】本発明の主として熱可塑性有機高分子微粒
子を含有する上層に使用出来る熱可塑性有機高分子微粒
子としては、例えばポリスチレン、ポリメチルスチレ
ン、ポリメトキシスチレン、ポリクロルスチレン等のポ
リモノビニリデン芳香族、ポリ塩化ビニル、ポリビニル
シクロヘキサン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
塩化ビニリデン等のポリオレフィン及びポリハロオレフ
ィン類、ポリメタクリレート、ポリクロルアクリレー
ト、ポリメチルメタクリレート等のα、β−エチレン性
不飽和酸のエステル類の重合体等及びこれらの共重合体
等が挙げられる。特に低密度ポリオレフィンは好ましく
使用出来る。
【0031】該熱可塑性有機高分子微粒子は、例えば一
種またはそれ以上のビニル単量体からエマルジョン重合
してつくった、スラリー状のプラスチックピグメントや
ラテックス、及びその乾燥物や固体状のプラスチックを
各種手段によって粉砕した微粉末や微粒状に成型した粉
末等として得られる。これら熱可塑性有機高分子微粒子
の大きさとしては通常直径0.01μm〜50μmのも
のが使用される。直径0.1μm〜20μmのものが好
ましく使用される。直径が0.01μmより小さいと形
成される空隙が小さくなりすぎ、インクの吸収性を遅く
するため好ましくない。また50μmより大きいと、イ
ンクのドットより大きな面積を占める粒子が表面に存在
することになり、画質が低下するので好ましくない。
【0032】本発明の主として熱可塑性有機高分子微粒
子を含有する上層に用いられる熱可塑性有機高分子微粒
子の最低成膜温度(MFT)は40℃から150℃の範
囲にあることが好ましい。熱可塑性有機高分子微粒子の
最低成膜温度が40℃よりも低い場合は通常のインクジ
ェット記録シート製造工程においては熱可塑性有機高分
子微粒子が成膜してしまいインクの吸収性が悪化する。
さらに熱可塑性有機高分子微粒子が成膜しない温度にて
インクジェット記録シートを製造するには乾燥効率の点
から困難が伴う。また、熱可塑性有機高分子微粒子の最
低成膜温度が150℃を超える場合には通常の加熱処理
により十分な熱量が得られず均一な皮膜が形成され難い
ために光沢が低下したり、耐水性が低下したりする。さ
らに、皮膜形成の容易さ、皮膜の均一性、皮膜の強度を
最適にするために本発明における熱可塑性有機高分子微
粒子の最低成膜温度(MFT)は80℃から150℃の
範囲にあることがより好ましい。
【0033】本発明の主として熱可塑性有機高分子微粒
子を含有する上層に用いられる熱可塑性有機高分子微粒
子の最低成膜温度(MFT)は、インク受容層に用いら
れる熱可塑性有機高分子微粒子の最低成膜温度(MF
T)より高い組み合せであることが好ましい。これは本
発明によるインクジェット記録シートにインクジェット
記録後、該熱可塑性有機高分子微粒子を含有する上層を
溶解または融解して、該熱可塑性有機高分子微粒子が融
着した層とする場合に、下層が先に溶解または融解し、
次いで上層が溶解または融解して成膜するほうが、気泡
が逃げることによる表面の荒れが生じないことによる。
【0034】本発明の主として熱可塑性有機高分子微粒
子を含有する上層には、コロイダルシリカを含有する事
が好ましい。特にコロイダルシリカを熱可塑性有機高分
子微粒子100重量%に対して30重量%以下で配合す
ることにより、熱可塑性有機高分子微粒子皮膜の粘着性
を弱めることができ、加熱皮膜化する際に加熱ロールに
粘着することがなくなるので好ましい。30%以上加え
ると皮膜の連続性を阻害し、画像の耐水性を低下させる
ことがある。
【0035】本発明で用いられるコロイダルシリカとし
ては、例えば粒子径5nm以上100nm以下の球状コ
ロイダルシリカや、これらが複数個結合して30nm以
上800nm以下の粒子径を有する非球状コロイダルシ
リカ等が挙げられる。
【0036】本発明の主として熱可塑性有機高分子微粒
子を含有する上層には、バインダーとして高分子化合物
を含んでもよい。好ましい高分子化合物としては、例え
ば、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、スチレン−
アクリル共重合体、無水マレイン酸重合体、スチレン−
無水マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、でんぷん、ポリビニルピリジン、ゼラチン、カゼイ
ン、アイオノマー、アラビアゴム、カルボキシメチルセ
ルロース、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、プルラ
ン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコール等であ
る。また、非水溶性の高分子化合物としては、例えば、
ポリ酢酸ビニルなどのポリビニルエステル類、ブチラー
ル樹脂などのポリアセタール類、ポリアクリル酸エチル
などのポリアクリル酸エステル類等のラテックス類であ
る。好ましくは、ポリビニルピロリドンである。これら
の高分子化合物は、単独乃至複数を併用してもよく、顔
料微粒子に対し、1〜30重量部を添加する。好ましく
は、3〜20重量%である。上記の添加量の範囲以下で
は顔料微粒子の接着性が不良になり、添加量の範囲以上
ではインク吸収性を阻害する。
【0037】最表層の主として熱可塑性有機高分子微粒
子を含有する上層は塗工量(乾燥固形分)として、0.
5g/m2〜50g/m2が好ましい。更に、その他の添
加剤として、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡
剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色
顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐
剤、防バイ剤、染料定着剤(カチオン性高分子)、湿潤
紙力増強剤、乾燥紙力増強剤等を適宜配合することもで
きる。
【0038】これらのインク受容層及び熱可塑性有機高
分子微粒子層を、前記支持体の上に設けた場合は、イン
クの吸収性にすぐれ、且つ精細な記録画像が記録できる
記録シートが得られる。
【0039】これらのインク受容層及び熱可塑性有機高
分子微粒子層を塗工する方法としては、各種ブレードコ
ータ、ロールコータ、エアーナイフコータ、バーコー
タ、ロッドコータ、ゲートロールコータ、カーテンコー
タ、ショートドウェルコータ、グラビアコータ、フレキ
ソグラビアコータ、サイズプレス、フィルムトランスフ
ァーロールコータ、スライドホッパー方式等の各種装置
をオンマシン或はオフマシンで用いることができる。
【0040】又、塗工後には、マシンカレンダー、熱カ
レンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー等の
カレンダーを用いて仕上げても良い。
【0041】本発明における支持体のインク受容層を設
ける反対側の面には、帯電防止性、搬送性、カール防止
性、筆記性、糊付け性等のために、各種のバックコート
層を塗設することができる。バックコート層には、無機
帯電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バインダー、ラテ
ックス、硬化剤、顔料、滑剤、マット化剤、界面活性剤
等を適宜組み合わせて添加せしめることが出来る。
【0042】本発明における主として熱可塑性有機高分
子微粒子からなる最表層の役割は、飛翔し最表層に付着
したインクを、直ちに吸収し溶媒を下層に受け渡すこと
と、インクジェット記録後、適当な手段によって被膜化
し、記録画像を水や光から保護することである。
【0043】本発明のインクジェット記録シートは、イ
ンクジェット記録装置で文字や画像を記録したままの状
態では、インク受容層が空隙を有しているために、画像
は白っぽく、あまり鮮明ではない。 本発明ではインク
ジェット記録画像を記録した後、最表層の熱可塑性有機
高分子微粒子を、溶解、又は融解して被膜化して耐水性
の透明な層に変化させる工程が必要である。
【0044】最表層を被膜化する方法としては、熱可塑
性有機高分子の溶媒を付与して溶解させたり、熱を加え
て融解被膜化する方法等がある。熱を加えるに際して熱
可塑性有機高分子の軟化点を下げる物質、特に可塑剤を
あらかじめ付与してから加熱することは被膜形成に有利
である。
【0045】更に、通常熱可塑性有機高分子に使われる
ような紫外線吸収剤、酸化防止剤、離型剤、光安定剤等
を付与することは、形成された熱可塑性有機高分子被膜
の劣化を防ぎ、更にインクジェット画像の染料の耐光性
を向上させるために望ましい。
【0046】
【実施例】以下に、本発明の実施例を挙げて説明する
が、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
又、実施例において示す「部」及び「%」は、特に明示
しない限り重量部及び重量%を示す。
【0047】<支持体の作製>ダブルディスクリファイ
ナーで320ml、csfまで叩解した広葉樹漂白クラ
フトパルプを75重量%、及びダブルディスクリファイ
ナーで430ml、csfまで叩解した針葉樹漂白クラ
フトパルプを25重量%から成る混合パルプに対し、カ
チオン化澱粉1.0重量%、アルキルケテンダイマーサ
イズ剤0.1重量%、及び重質炭酸カルシウム填料を7
重量%添加して紙料スラリーを調製した。その紙料スラ
リーから、長網抄紙機で紙匹を形成しプレスで搾水後、
多筒式ドライヤー乾燥工程で乾燥し、乾燥の途中で酸化
澱粉の5重量%溶液をサイズプレスし(付着量は両面乾
燥固形分で3.5g/m2)、最終的に得られる基紙水
分が絶乾水分で8重量%になるように乾燥し、マシンカ
レンダー処理して、坪量120g/m2のインクジェッ
ト記録シート用の支持体を製造した。
【0048】 <インク受容層配合A> 合成非晶質シリカ(サイリシア445、富士シリシア社製) 80部 熱可塑性有機高分子微粒子 (固形分) 20部 (ケミパールS200、最低成膜温度85℃、三井化学社製) PVA(PVA117、クラレ社製、10%水溶液) 200部 カチオン性染料定着剤 (スミレーズレジン1001、住友化学社製、30%水溶液) 50部 水 450部
【0049】 <インク受容層配合B> 合成非晶質シリカ(サイリシア445、富士シリシア社製) 50部 熱可塑性有機高分子微粒子 (固形分) 50部 (ケミパールS200、最低成膜温度85℃、三井化学社製) PVA(PVA117、クラレ社製、10%水溶液) 200部 カチオン性染料定着剤 (スミレーズレジン1001、住友化学社製、30%水溶液) 50部 水 450部
【0050】 <インク受容層配合C> 合成非晶質シリカ(サイリシア445、富士シリシア社製) 20部 熱可塑性有機高分子微粒子 (固形分) 80部 (ケミパールS200、最低成膜温度85℃、三井化学社製) PVA(PVA117、クラレ社製、10%水溶液) 200部 カチオン性染料定着剤 (スミレーズレジン1001、住友化学社製、30%水溶液) 50部 水 450部
【0051】 <インク受容層配合D> 合成非晶質シリカ(サイリシア445、富士シリシア社製) 50部 熱可塑性有機高分子微粒子 (固形分) 50部 (ケミパールM200、最低成膜温度105℃、、三井化学社製) PVA(PVA117、クラレ社製、10%水溶液) 200部 カチオン性染料定着剤 (スミレーズレジン1001、住友化学社製、30%水溶液) 50部 水 450部
【0052】 <インク受容層配合E> 合成非晶質シリカ(サイリシア445、富士シリシア社製) 100部 ポリビニルアルコール(PVA117、クラレ社製、10%水溶液) 200部 水 500部
【0053】 <熱可塑性有機高分子微粒子含有層配合A> 熱可塑性有機高分子微粒子(固形分) 25部 (ケミパールM200、最低成膜温度105℃、三井化学社製) ポリビニルピロリドン 3.0部
【0054】 <熱可塑性有機高分子微粒子含有層配合B> 熱可塑性有機高分子微粒子(固形分) 25部 (ケミパールM200、最低成膜温度105℃、三井化学社製) コロイダルシリカ(スノーテックスO、日産化学社製) 7部 ポリビニルピロリドン 3.0部
【0055】 <熱可塑性有機高分子微粒子含有層配合C> 熱可塑性有機高分子微粒子(固形分) 25部 (ケミパールS200、最低成膜温度85℃、三井化学社製) ポリビニルピロリドン 3.0部
【0056】実施例1 上記の支持体に、インク受容層配合Aの塗工液をカーテ
ンコーターにより乾燥塗工量12g/m2になるように
塗工、乾燥し、その上に熱可塑性有機高分子微粒子含有
層配合Aの塗工液をカーテンコータにより乾燥塗工量1
0g/m2になるように塗工、乾燥して、実施例1のイ
ンクジェット記録シートを作製した。
【0057】実施例2 上記の支持体に、インク受容層配合Aの塗工液をカーテ
ンコーターにより乾燥塗工量12g/m2になるように
塗工、乾燥し、その上に熱可塑性有機高分子微粒子含有
層配合Bの塗工液をカーテンコータにより乾燥塗工量1
0g/m2になるように塗工、乾燥して、実施例2のイ
ンクジェット記録シートを作製した。
【0058】実施例3 上記の支持体に、インク受容層配合Bの塗工液をカーテ
ンコーターにより乾燥塗工量12g/m2になるように
塗工、乾燥し、その上に熱可塑性有機高分子微粒子含有
層配合Aの塗工液をカーテンコータにより乾燥塗工量1
0g/m2になるように塗工、乾燥して、実施例3のイ
ンクジェット記録シートを作製した。
【0059】実施例4 上記の支持体に、インク受容層配合Bの塗工液をカーテ
ンコーターにより乾燥塗工量12g/m2になるように
塗工、乾燥し、その上に熱可塑性有機高分子微粒子含有
層配合Bの塗工液をカーテンコータにより乾燥塗工量1
0g/m2になるように塗工、乾燥して、実施例4のイ
ンクジェット記録シートを作製した。
【0060】実施例5 上記の支持体に、インク受容層配合Cの塗工液をカーテ
ンコーターにより乾燥塗工量12g/m2になるように
塗工、乾燥し、その上に熱可塑性有機高分子微粒子含有
層配合Aの塗工液をカーテンコータにより乾燥塗工量1
0g/m2になるように塗工、乾燥して、実施例5のイ
ンクジェット記録シートを作製した。
【0061】実施例6 上記の支持体に、インク受容層配合Cの塗工液をカーテ
ンコーターにより乾燥塗工量12g/m2になるように
塗工、乾燥し、その上に熱可塑性有機高分子微粒子含有
層配合Bの塗工液をカーテンコータにより乾燥塗工量1
0g/m2になるように塗工、乾燥して、実施例6のイ
ンクジェット記録シートを作製した。
【0062】実施例7 上記の支持体に、インク受容層配合Dの塗工液をカーテ
ンコーターにより乾燥塗工量12g/m2になるように
塗工、乾燥し、その上に熱可塑性有機高分子微粒子含有
層配合Cの塗工液をカーテンコータにより乾燥塗工量1
0g/m2になるように塗工、乾燥して、実施例7のイ
ンクジェット記録シートを作製した。
【0063】比較例1 上記の支持体に、インク受容層配合Eの塗工液をカーテ
ンコーターにより乾燥塗工量12g/m2になるように
塗工、乾燥し、その上に熱可塑性有機高分子微粒子含有
層配合Aの塗工液をカーテンコータにより乾燥塗工量1
0g/m2になるように塗工、乾燥して、比較例1のイ
ンクジェット記録シートを作製した。
【0064】比較例2 上記の支持体に、インク受容層配合Dの塗工液をカーテ
ンコーターにより乾燥塗工量12g/m2になるように
塗工、乾燥し、その上に熱可塑性有機高分子微粒子含有
層配合Bの塗工液をカーテンコータにより乾燥塗工量1
0g/m2になるように塗工、乾燥して、比較例2のイ
ンクジェット記録シートを作製した。
【0065】比較例3 上記の支持体に、インク受容層配合Aの塗工液をカーテ
ンコーターにより乾燥塗工量12g/m2になるように
塗工、乾燥し、その上にポリビニルピロリドンの5%液
をカーテンコータにより乾燥塗工量2g/m2になるよ
うに塗工、乾燥して、比較例3のインクジェット記録シ
ートを作製した。
【0066】[インクジェット記録物の作製]上記によ
り得られたインクジェット記録シートに、エプソン社製
カラーインクジェットプリンタ(PM−770C)を用
い、4原色のべた印字及び高精細な写真画像の記録を行
い、ついで、120℃に加熱して、最表層を溶融し被膜
化した。このようにして作製したインクジェット記録記
録物について、下記の評価方法により評価し、その結果
をまとめて表1に示す。
【0067】[インク吸収性]高精細な写真画像を描画
した部分のインクの溢れや、流れ具合を目視で評価し、
優れているものを○、一般的なものを△、使用に耐えな
いものを×とした。
【0068】[画像色彩性]記録画像の画質は、最表層
を被膜化した後の、画像が極めてクリアーに見えるもの
を◎、クリアーに見えるものを○、ややかすみがかかっ
たようにくすんで見えるものを△、白っぽく彩度が低下
しているものを×とした。○以上が色彩性としては良好
である。
【0069】[画像保存性]記録画像の保存性は、最表
層を被膜化した後、20℃65%RHの条件下で、6.5
kWのキセノンランプを30cmの距離から60時間照
射し、光及び空気による、マゼンタベタ印字部の褪色を
測定した。印字濃度が照射前と比較して70%以上のも
のを◎、50%以上70%未満のものを○、20%以上
50%未満のものを△、20%未満のものを×とした。
○以上が画像保存性が良好である。
【0070】[画像耐水性]画像耐水性は、最表層を被
膜化した後、スポイトで1滴の水をたらし1日放置し
て、画像が全く滲んだり流れたりしなかったものを◎、
殆ど滲んだり流れたりしなかったものを○、やや画像が
ぼやけるものを△、画像が滲んだりぼやけて流れたりし
たものを×とした。○のものが耐水性が良好である。
【0071】[被膜接着性]被膜セルロース着性は、最
表層を被膜化した後、表面にセロファンテープを接着
し、すばやく引き剥がして判定した。被膜とインク受容
層になにも変化が生じなかったものを○、インク受容層
が浮き上がったり、被膜が破れたりしたものを×とし
た。
【0072】
【表1】
【0073】表1の結果、本発明の実施例の如くインク
吸収層(下層)にも熱可塑性有機高分子微粒子を含有
し、上層に熱可塑性有機高分子微粒子層を設けたインク
ジェット記録シートに画像記録後、熱をかけて熱可塑性
有機高分子微粒子層を熱で皮膜化した記録物(実施例1
〜6)は、色彩性、吸収性、保存性、耐水性、被膜強度
共に全て良好であるが、実施例7は上層の熱可塑性有機
高分子微粒子の最低成膜温度が、該インク受容層の熱可
塑性有機高分子微粒子の最低成膜温度より低いため、被
膜形成にやや難があり、耐水性と、被膜強度がやや劣っ
ている。比較例1、2は、下層に熱可塑性有機高分子微
粒子を使用していないため、耐水性でやや劣り、また被
膜強度が悪い。更に比較例3は上層に熱可塑性有機高分
子微粒子層がないため、耐水性が悪く実用的でない。
【0074】
【発明の効果】以上から、本発明によれば、印字後加熱
することで、表面が溶融樹脂で被覆され、耐水性、保存
性の良いインクジェット記録物が得られ、更に色彩性、
インク吸収性にも優れたインクジェット記録シートが得
られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA13 FC06 2H086 BA04 BA05 BA12 BA15 BA33 BA34

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の少なくとも片面に該支持体に近
    い方から無機顔料を含有するインク受容層、その上に主
    として熱可塑性有機高分子微粒子を含有する上層を設け
    たインクジェット記録用シートであって、該無機顔料を
    含有するインク受容層に更に熱可塑性有機高分子微粒子
    を含有することを特徴とするインクジェット記録用シー
    ト。
  2. 【請求項2】 該上層の熱可塑性有機高分子微粒子の最
    低成膜温度が、該インク受容層の熱可塑性有機高分子微
    粒子の最低成膜温度より高いことを特徴とする請求項1
    記載のインクジェット記録シート。
  3. 【請求項3】 主として熱可塑性有機高分子微粒子を含
    有する上層が、コロイダルシリカを該熱可塑性有機高分
    子微粒子の重量の30%以下含有する請求項1記載のイ
    ンクジェット記録シート。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3に記載のインクジェット記
    録シートに、インクジェット記録後、該熱可塑性有機高
    分子微粒子を含有する上層を溶解または融解して、該熱
    可塑性有機高分子微粒子が融着した層とすることを特徴
    とする記録物の作成方法。
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