JP2000280594A - 多色孔版印刷方法及び多色孔版印刷装置 - Google Patents

多色孔版印刷方法及び多色孔版印刷装置

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JP2000280594A JP11087888A JP8788899A JP2000280594A JP 2000280594 A JP2000280594 A JP 2000280594A JP 11087888 A JP11087888 A JP 11087888A JP 8788899 A JP8788899 A JP 8788899A JP 2000280594 A JP2000280594 A JP 2000280594A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多色孔版印刷装置で多色印刷する場合、異な
る色のインキにより印刷される画像が重ね印刷される領
域において、先に印刷されたインキの色味が後から印刷
されたインキの色味より強くなって色味の再現性が低下
することを防止する。 【解決手段】 先に印刷される画像用のマスタを製版す
る場合、後から印刷される画像と重なり印刷される領域
の画像データの画像濃度を、記憶部へ最初に入力された
画像データの画像濃度より低い値に補正して製版し、重
なり印刷される領域において先に印刷される画像の印刷
に用いられるインキの印刷用紙上への転移量を抑える。
これにより、インキ転移量の関係から、後からその上へ
重ね印刷される画像の印刷に用いられるインキの転移量
が補正前に比べて多くなり、重ね印刷された領域の色味
の再現性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多孔性円筒状の版
胴の外周面に巻き付けられたマスタを用いて多色印刷を
行う多色孔版印刷方法及び多色孔版印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、サーマルヘッドを用いて製版され
たマスタを多孔性円筒状の版胴の外周面に巻き付け、版
胴の内部に設けられたインキ供給機構から供給されたエ
マルションインキ(以下、単にインキと呼ぶ)を用いて
印刷用紙に印刷を行う孔版印刷装置が広く知られてい
る。
【0003】さらに、このような孔版印刷装置におい
て、多色印刷又はカラー印刷を行えるようにしたものが
開発されており、例えば、特開平2−245373号公
報、特開平6−135113号公報、特開平7−171
21号公報、特開平10−297073号公報、特開平
8−197827号公報等に記載されたものが知られて
いる。
【0004】特開平2−245373号公報、特開平6
−135113号公報に記載された多色孔版印刷装置
は、1個の版胴を用いており、この版胴の内部が版胴の
軸線から放射方向に延出した仕切板により複数の領域に
仕切られ、各領域に異なる色のインキが収納されてい
る。各色毎の画像データに応じて製版された2以上のマ
スタはつながった形に形成されている。
【0005】特開平7−17121号公報、特開平10
−297073号公報に記載された多色孔版印刷装置
は、複数の版胴を有し、各版胴内に異なる色のインキが
収納されている。各版胴の外周面には収納されたインキ
の色に対応する画像の画像データに基づいて製版された
マスタが巻き付けられている。
【0006】特開平8−197827号公報に記載され
た多色孔版印刷装置は、1つの色についてはマスタを用
いて印刷し、他の色についてはインクジェット記録装置
を用いて印刷している。
【0007】上述した各多色孔版印刷装置では、スキャ
ナなどで原稿画像を読み取った後にその画像を各色毎に
色分解し、各色の画像データをRAMなどの記憶部に入
力し、入力されている画像データに応じてサーマルヘッ
ドを駆動することによりマスタを製版している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】多色孔版印刷において
は、先(1色目)に印刷されたインキがある程度乾いた
後(水分が蒸発した後)に、後(2色目)の印刷を刷り
重ねた場合、1色目のインキの顔料や油分が紙の繊維へ
付着していることによる性質(濡れ性)の変化により、
印刷用紙の毛細管力によるインキ浸透量が1色目と比べ
て2色目では若干低下するので、2色目のインキ転移量
は若干低下するが、連続印刷する(1色目のインキが乾
かないうちに2色目を重ね印刷する)場合に比べれば十
分なインキ転移量があり、画像品質に特に問題はない。
【0009】しかし、色分解された各色の画像データに
応じてマスタを製版し、そのマスタを用いて連続して多
色孔版印刷を行うと、2色以上のインキが重ね印刷され
る領域においては、重ね印刷されて合成された色の色味
が先に印刷されたインキ側へ大きくずれ、重ね印刷され
た領域の色味の再現性が低下する。
【0010】その理由は、本件出願の発明者が行った実
験により、所定の印刷条件において、先に印刷されて印
刷用紙に転移したインキの浸透乾燥が不十分な状態のと
きにその上から次のインキを印刷しようとしても、次の
インキの印刷用紙上への転移量が減少するためであるこ
とが判明した。さらに、インキ転移量は、孔版印刷装置
の印刷部からのインキの押し出し量と印刷用紙の毛細管
力によるインキ浸透量とにより決定され、先に印刷され
るインキ転移量が少なくなるほど、後から印刷されるイ
ンキの印刷用紙の毛細管力によるインキ浸透量が増加す
ることが判明した。
【0011】そして、このインキ転移量を画像濃度の補
正を行うことでコントロールし、結果的に色味の再現性
の低下を防止できることが判明した。
【0012】そこで、本発明は、異なる色のインキを重
ね印刷した場合において、先に印刷されるインキの画像
濃度を変更することにより、合成された色の色味が先に
印刷されたインキ側へずれることを防止し、重ね印刷さ
れた領域の色味の再現性を向上させることができる多色
孔版印刷方法及び多色孔版印刷装置を提供することを目
的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
記憶部に入力されている各色毎の画像データに応じて各
色毎の2以上のマスタを製版し、これらのマスタを軸線
回りに回転自在な版胴の外周面に巻き付け、前記各マス
タを用いて印刷される異なる色のインキによる画像を1
枚の印刷用紙の上に重ね印刷して多色印刷を行う多色孔
版印刷方法において、前記記憶部に入力されている各色
毎の画像データを比較して異なる色の画像が重ね印刷さ
れる領域を特定し、重ね印刷される領域における先に印
刷される画像の画像データの画像濃度を前記記憶部に入
力されたときの画像濃度より低い値に補正するようにし
た。
【0014】従って、先に印刷される画像用のマスタを
製版するときに用いられる画像データの画像濃度が、異
なる色の画像が重ね印刷される領域においては、記憶部
に最初に入力された画像データの画像濃度より低い値に
補正されるので、この重ね印刷される領域では先に印刷
される画像の印刷に用いられるインキの印刷用紙上への
転移量が抑えられる。これにより、上述したインキ浸透
量の関係から、重ね印刷される領域において、後から印
刷される画像の印刷に用いられるインキの印刷用紙上へ
の転移量が補正を行う前と比べて多くなり、重ね印刷さ
れた領域においてマスタ移転量のバランスがとられ、合
成された色の色味が先に印刷されたインキ側へずれるこ
とがなく、重ね印刷された領域の色味の再現性が向上す
る。
【0015】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、先に印刷される画像の画像データの画像濃
度の補正は、使用するインキの種類、マスタの種類、印
刷機の種類等に応じて設定された数式であってその画像
データの各画素毎の画像濃度を変数とする数式に基づい
て各画素毎に行われる。
【0016】従って、先に印刷される画像用のマスタを
製版するときに用いられる画像データの画像濃度の補正
は、その画像データの各画素毎にその画素の画像濃度に
応じて行われるので、精度の良い補正が行われ、重ね印
刷された領域において合成された色の色味が先に印刷さ
れたインキ側へずれることがなく、重ね印刷された領域
の色味の再現性が向上する。また、使用するインキの種
類、マスタの種類、印刷機の種類等が変わった場合には
それに応じた補正を行うための数式を求めておくことに
より、印刷の作業条件が変わった場合であっても重ね印
刷された領域において合成された色の色味が先に印刷さ
れたインキ側へずれることがなく、重ね印刷された領域
の色味の再現性が向上する。
【0017】請求項3記載の発明は、記憶部に入力され
ている各色毎の画像データに応じて各色毎の2以上のマ
スタを製版し、これらのマスタを軸線回りに回転自在な
版胴の外周面に巻き付け、前記各マスタを用いて印刷さ
れる異なる色のインキによる画像を1枚の印刷用紙の上
に重ね印刷して多色印刷を行う多色孔版印刷装置におい
て、前記記憶部に入力されている各色毎の画像データを
比較して異なる色の画像が重ね印刷される領域を特定す
る重ね印刷領域特定手段と、重ね印刷される領域におけ
る先に印刷される画像の画像データの画像濃度を前記記
憶部に入力されたときの画像濃度より低い値に補正する
画像濃度補正手段と、を有する。
【0018】従って、先に印刷される画像用のマスタを
製版するときに用いられる画像データの画像濃度が、異
なる色の画像が重ね印刷される領域においては、記憶部
に最初に入力された画像データの画像濃度より低い値に
補正されるので、この重ね印刷される領域では先に印刷
される画像の印刷に用いられるインキの印刷用紙上への
転移量が抑えられる。これにより、上述したインキ浸透
量の関係から、重ね印刷される領域において、後から印
刷される画像の印刷に用いられるインキの印刷用紙上へ
の転移量が補正を行う前と比べて多くなり、重ね印刷さ
れた領域においてインキ移転量のバランスがとられ、合
成された色の色味が先に印刷されたインキ側へずれるこ
とがなく、重ね印刷された領域の色味の再現性が向上す
る。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態を図面に基
づいて説明する。図1は多色孔版印刷装置の要部の概略
構造を示す正面図、図2は多色孔版印刷装置の制御構成
を示すブロック図、図3は重ね印刷される領域における
先に印刷される画像の画像データの画像濃度補正を説明
するフローチャート、図4は第1色目画像(先に印刷さ
れる画像)の画像濃度とインキ転移量との関係を示すグ
ラフ、図5は第1色目画像の画像データに関して、RA
Mへの入力時の画像濃度と補正後の画像濃度との関係を
示すグラフ、図6は画素単位で行われる第1色目画像の
画像データの画像濃度補正について説明する模式図であ
る。
【0020】この多色孔版印刷装置には、軸線を中心と
して回転自在に設けられてそれぞれ軸線が平行となるよ
うに配置された多孔性円筒状の2個の版胴1,1a、こ
れらの版胴1,1aの外周面に接離する位置へ移動自在
に設けられて版胴1,1aの軸線と平行な軸線を中心と
して回転自在なプレスローラ2,2a、版胴1,1aの
外周面に巻き付けられるマスタ3,3aを製版する製版
部4,4a、プレスローラ2,2aを版胴1,1aに接
離する位置へ移動させる移動機構(図示せず)、使用済
みのマスタ3,3aを版胴1,1aから剥がして収容す
る排版部5,5a、印刷用紙6を収容する給紙台7、版
胴1とプレスローラ2との間へ給紙される印刷用紙6の
給紙タイミングを図るレジストローラ8、版胴1,1a
側での印刷が終了した印刷用紙6をこの印刷用紙6の搬
送方向下流側へ搬送する搬送機構9,9a、版胴1a側
での印刷が終了して搬送機構9aで搬送された印刷用紙
6が排紙される排紙トレイ10等が設けられている。
【0021】製版部4,4aは、プラテンローラ11,
11a、多数の発熱素子を備えてプラテンローラ11,
11aの外周面に押圧されるサーマルヘッド12,12
a、カッタ13,13a、マスタガイド板14,14
a、補助ローラ15,15a等により構成されている。
プラテンローラ11,11aと補助ローラ15,15a
とは、ステッピングモータ(図示せず)により回転駆動
される。プラテンローラ11,11aが回転駆動される
ことによりロール状態に巻かれているマスタ原紙16,
16aが引き出され、サーマルヘッド12,12aの発
熱素子が画像データに応じて発熱され、マスタ原紙1
6,16aが加熱溶融穿孔(製版)されることによりマ
スタ3,3aが作られる。マスタ3,3aは、プラテン
ローラ11,11a及び補助ローラ15,15aからの
駆動力によりマスタガイド板14,14a上を版胴1,
1a側へ向けて搬送され、版胴1,1aの外周面に巻き
付けられる。カッタ13,13aはステッピングモータ
のステップ数に応じた所定のタイミングで駆動され、こ
のカッタ13,13aの駆動によりマスタ3,3aが所
定長さにカットされる。
【0022】版胴1,1aの外周面には、開閉機構(図
示せず)に連結されたクランパ17,17aが開閉自在
に設けられている。マスタガイド板14,14aの先端
部に対向する位置で開放されていたクランパ17,17
aがステッピングモータのステップ数に応じた所定のタ
イミングで閉止位置へ回動することにより、製版部4,
4aから搬送された製版済みのマスタ3,3aの先端部
がクランパ17,17aにより挟持される。
【0023】版胴1,1aの内部には、版胴1,1aの
軸線上に位置して版胴1,1aを回転自在に支持する支
軸を兼ねたインキパイプ18,18a、版胴1,1aの
内周面と微小隙間をもって矢印で示す時計回り方向へ回
転駆動されるインキローラ19,19a、インキローラ
19,19aの外周面との間に微小隙間をもって配置さ
れたドクターローラ20,20a等が設けられている。
インキローラ19,19aの外周面とドクターローラ2
0,20aの外周面とで挟まれた部分には、インキパイ
プ18,18aから供給されたインキが貯溜されるイン
キ溜り21,21aが形成されている。
【0024】排版部5,5aは、排版収納ボックス2
2,22a、版胴1,1aから剥がされたマスタ3,3
aを排版収納ボックス22,22a内へ送り込む排版ロ
ーラ23,23a等により構成されている。
【0025】搬送機構9,9aは、少なくとも一方が回
転駆動される一対の搬送ローラ24,25,24a,2
5a、これらの搬送ローラ24,25,24a,25a
の周りに捲き付けられた搬送ベルト26,26a、印刷
用紙6を搬送ベルト26,26aに吸着させる吸着ファ
ン27,27a等により構成されている。なお、印刷用
紙6の搬送方向に沿った各版胴1,1aの下流側には、
印刷用紙6を版胴1,1aから剥がす剥がし爪28,2
8aが設けられている。
【0026】図2は多色孔版印刷装置の制御構成を示す
ブロック図であり、CPU29に対して、制御プログラ
ムなどの固定データが格納されたROM30、画像デー
タなどの各種のデータが入力される記憶部であるRAM
31、ワークエリア32、入力画像データ処理部33を
介したスキャナ34、モータ等の各種負荷35、各種セ
ンサ36、各種の操作キーや表示部を備えた操作部3
7、サーマルヘッド用画像処理部38を介したサーマル
ヘッド12,12a等が接続されている。
【0027】スキャナ34では、原稿画像の読み取りが
行われ、読み取られた原稿画像が入力画像データ処理部
33において2色に色分解され、色分解された各色(第
1色、第2色)の画像の画像データがRAM31に入力
される。
【0028】ワークエリア32では、RAM31に入力
された第1色目画像の画像データと第2色目画像の画像
データとが呼び出されて比較されることにより第1色目
画像と第2色目画像とが重ね印刷される領域が特定され
る。さらに、先に印刷される画像用のマスタ3をマスタ
原紙16から製版するときの画像データの画像濃度を、
重ね印刷される領域において、RAM31に入力された
ときの画像濃度より低い値に補正する画像濃度補正が行
われる。なお、この画像濃度補正は、後述する数式に基
づいて行われる。
【0029】このような構成において、この多色孔版印
刷装置の基本動作は、以下に示すようになっている。ま
ず、スキャナ34で原稿の画像が読み取られ、読み取ら
れた原稿の画像が入力画像データ処理部33において2
色(第1色と第2色)に色分解され、色分解された各色
の画像データの画像濃度補正が行われ、それに応じたマ
スタ3,3aが製版部4,4aで製版され、製版された
マスタ3,3aが版胴1,1aの外周面に巻き付けられ
る。版胴1,1aの外周面へのマスタ3,3aの巻き付
けが終了した後、操作部37に設けられている印刷スタ
ートキー(図示せず)が押されることにより、給紙台7
上の印刷用紙6が給紙され、この印刷用紙6が版胴1と
プレスローラ2との間に送り込まれることにより第1色
目(例えば、シアン)の画像の印刷が行われる。第1色
目の画像の印刷が行われた印刷用紙6は搬送機構9によ
り版胴1a側へ搬送され、版胴1aとプレスローラ2a
との間に送り込まれることにより第2色目(例えば、マ
ゼンタ)の画像の印刷が行われ、第2色目の画像の印刷
が行われた印刷用紙6は搬送機構9aにより搬送されて
排紙トレイ10上へ排紙されることにより2色のインキ
による多色印刷が終了する。
【0030】ここで、第1色目画像と第2色目画像とが
重ね印刷される領域では、上述した“発明が解決しよう
とする課題”の欄で説明したように、第2色目画像の印
刷に用いられるインキの印刷用紙6上への転移量が低下
し、重ね印刷により合成される色の色味が第1色目画像
の印刷に用いられたインキ側へずれるという問題があ
る。この問題を解決するためには、重ね印刷される領域
における第1色目画像の画像データの画像濃度を低くす
る補正を行う必要があり、この画像濃度補正の処理を図
3のフローチャートに基づいて説明する。まず、第1色
目画像の画像データと第2色目画像の画像データがRA
M31に入力されたか否かが判断される(ステップS
1)。入力された場合には、第1色目画像の画像データ
と第2色画像の画像データとが比較されて重ね印刷され
る領域が特定され(ステップS2)、ここに、重ね印刷
領域特定手段が実行される。
【0031】ステップS2で重ね印刷される領域が特定
されると、特定された重ね印刷領域における第1色目画
像の画像データの画像濃度をRAM31に最初に入力さ
れたときの画像データの画像濃度より低い値に補正する
画像濃度補正が後述する数式に基づいて行われ(ステッ
プS3)、ここに、画像濃度補正手段が実行される。
【0032】ステップS3で画像濃度の補正が行われる
と、補正された画像濃度の画像データが第1色目画像の
画像データとしてRAM31に再入力される(ステップ
S4)。製版部4で行われる第1色目画像用のマスタ3
の製版は、再入力された画像データに基づいて行われ
る。
【0033】実際の印刷においては、本出願で説明する
画像濃度補正を行った後、ハーフトーン再現のためのい
わゆる中間調処理を行って、サーマルヘッドの色分解能
に合わせた1画素毎の穿孔・非穿孔が決定され、重ね印
刷される領域において、第1色画像の画像濃度が低く補
正され、その結果、穿孔数が補正前に比べて少なくな
り、インキ転移量が抑えられる。
【0034】このようにして製版された第1色目画像用
のマスタ3を用いて印刷を行った場合、第1色目画像と
第2色目画像とが重ね印刷される領域においては、第1
色目画像を印刷するインキの印刷用紙6上への転移量が
抑えられる。このため、インキ浸透量の関係から、この
重ね印刷される領域において第1色目と第2色目とのイ
ンキ転移量のバランスがとられ、第2色目画像を印刷す
るインキの印刷用紙6上への転移量が補正を行う前に比
べて多くなり、第1色目画像用のインキと第2色目画像
用のインキとにより合成された色の色味が第1色目画像
の印刷に用いられたインキ側へずれることが防止され、
重ね印刷された領域における色味の再現性が向上する。
【0035】つぎに、第1色目画像と第2色目画像とが
重ね印刷される領域において、良好な色味の再現性を得
るために必要となる第1色目画像の画像データの画像濃
度を補正する補正式を求めるために行った実験について
以下に説明する。なお、この実験では、マスタは、
(株)リコー製プリポートマスタVT−6(市販品)を
使用し、インキ(シアン、マゼンタ)は、(株)リコー
製黒インキVT600II(市販品)に比べてやや粘度が
高めのインキを試作し、転移量が3g/m2前後の条件
で使用した。印刷機は、A3サイズ対応で2色印刷が可
能な試作機を使用し、印刷速度は90枚/分で行った。
環境条件は、常温・常湿で行った。そして、第1色目画
像の画像データと第2色目画像の画像データとを同じに
して製版したマスタを1パス2カラー機(1回の通紙で
2色の印刷が可能な印刷機)の2個の版胴に巻き付けて
印刷を行い、第2色目画像の印刷に用いられたインキの
印刷用紙上への転移量を測定した。なお、この実験は、
第1色目画像の画像データの画像濃度を異なる画像濃度
(9%、20%、32%、49%、100%)に変え、
第1色目画像のそれぞれの画像濃度に対する第2色目画
像の異なる画像濃度(9%、20%、32%、49%、
100%)の場合について行った。印刷用紙へのインキ
転移量の測定は、多数枚の印刷を行った後、残留インキ
を含む版胴全体の重量を測定することにより行った。
【0036】図4は、その実験結果と、第1色目画像の
印刷を画像データの画像濃度を異なる画像濃度(9%、
20%、32%、49%、100%)に変えて行ったと
きのインキ転移量とを示したグラフである。このグラフ
は、横軸に第1色目画像の画像データの画像濃度をと
り、縦軸にインキ転移量をとっている。このグラフか
ら、第1色目画像の画像濃度が高くなると、それに伴な
って、第2色目画像のインキ転移量(インキ転移率)が
低下することがわかる。
【0037】つぎに、図4のグラフに基づいて、第1色
目画像のインキ転移量と第2色目画像のインキ転移量と
が同じになる第2色目画像の所定の画像濃度におけるイ
ンキ転移量を求め、第1色目画像のその所定の画像濃度
におけるインキ転移量で割った値を、第1色目画像の画
像濃度の補正率として求めた。例えば、第2色目画像の
画像濃度が100%のときは、2.5(図4における、
第1色目画像のインキ転移量グラフと第2色目画像の1
00%画像濃度のインキ転移量グラフとの交点)/3.
2(図4における、第1色目画像の画像濃度100%時
におけるインキ転移量)=0.78となる。同様にし
て、第2色目画像の画像濃度が49%、32%、20
%、9%であるときのそれぞれの補正率として、0.8
3(1.57/1.9)、0.86(1.16/1.3
5)、0.92(0.85/0.92)、0.97
(0.58/0.6)を求めた。
【0038】図5は、第1色目画像の画像データにおけ
るRAM31への最初の入力時画像濃度(横軸)と、上
述した補正率で補正した補正後の画像濃度(縦軸)との
関係を示すグラフである。この図5のグラフから、第1
色目画像と第2色目画像とが重ね印刷される領域におけ
る第1色目画像の画像濃度を補正する補正式“Y=−
0.0013X2+0.9045X”が求められた。こ
の補正式において、Xは入力画像濃度、Yは補正後の画
像濃度である。
【0039】つぎに、上述した補正式“Y=−0.00
13X2+0.9045X”に基づく画像濃度の補正
は、第1色目画像の画像データの画素単位で行われ、そ
の補正内容を図6に基づいて説明する。図6(a)は、
例えば、第1色目画像の画像データの4画素についての
RAM31への最初の入力時画像濃度を0〜63(6ビ
ット表示)のレベルで表したものである。図6(b)
は、同じ領域における第2色目画像の画像データの画像
濃度を示したものであり、この情報を図6(a)の情報
と比較することにより、この4画素中2画素が重なり印
刷される領域となっており、他の2画素は重なり印刷さ
れない領域となっていることがわかる。図6(c)は、
補正後における第1色目画像の画像データの画像濃度を
示したものであり、第2色目画像と重なり印刷される画
素(画像濃度レベルが1〜63のもの)において上述し
た補正式“Y=−0.0013X2+0.9045X”
による補正が行われ、第2色目画像と重なる2画素の画
像濃度レベルが“60→51”、“24→22”のよう
に補正される。一方、第2色目画像が無色(画像濃度レ
ベルが0)であるために第2色目画像と重なり印刷が行
われない2画素では補正は行われず、その画像濃度レベ
ルは“60→60”、“24→24”に維持される。
【0040】ここで、インキ転移量は、インキの種類、
マスタの種類、印刷機の種類等によって変化する。この
ため、上述した補正式“Y=−0.0013X2+0.
9045X”もインキの種類、マスタの種類、印刷機の
種類等に応じて変化するので、使用するインキの種類、
マスタの種類、印刷機の種類等に対応する補正式を求め
ておく。
【0041】なお、本実施の形態において、色味及び画
像濃度と表現したが、物体の色を表わすのに一般的に用
いられるL*a*b表色系での、a*b*座標における
色相及び彩度に相当するものと考えることができる。
【0042】また、本実施の形態においては、2個の版
胴1,1aを備えた形式の多色孔版印刷装置を例に挙げ
て説明したが、本発明を適用できる多色孔版印刷装置は
この形式のものに限定されず、特開平2−245373
号公報、特開平6−135113号公報等に記載された
ように、1個の版胴を用いてその版胴の内部を使用する
インキの色の数に応じて分割した形式の多色孔版印刷装
置においても適用できるものである。
【0043】また、本実施の形態では、画像データとし
て、スキャナ34による原稿画像の読み取りにより色分
解されたものを例に挙げて説明したが、パーソナルコン
ピュータなどから入力したものであってもよい。
【0044】さらに、本実施の形態においては、2個の
版胴1,1aを備えて2色印刷を行う多色印刷装置を例
に挙げて説明したが、本発明は、3色又は4色のインキ
を使用するカラー印刷機においても適用できる。その場
合には、後から印刷される色が重なり印刷される領域に
おいて先に印刷される色の画像データの画像濃度をどの
程度低下させればよいかという補正式を図4で説明した
ような実験を行うことにより求めておき、その補正式に
従って先に印刷される色の画像濃度を低下させる。
【0045】
【発明の効果】請求項1記載の発明の多色孔版印刷方法
によれば、先に印刷される画像用のマスタを製版する場
合、後から印刷される画像と重なり印刷される領域の画
像濃度を記憶部へ入力された最初の画像データの画像濃
度より低い値に補正した画像データに基づいて製版され
るので、この重ね印刷される領域では先に印刷される画
像の印刷に用いられるインキの印刷用紙上への転移量を
抑えることができ、これにより、インキ浸透量の関係か
らその重ね印刷される領域において後から印刷される画
像の印刷に用いられるインキの印刷用紙上への転移量が
補正前に比べて多くなり、その重ね印刷された領域にお
いて合成された色の色味が先に印刷されたインキ側へず
れることを防止でき、重ね印刷された領域の色味の再現
性を向上させることができる。
【0046】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、先に印刷される画像の画像データの画像濃
度の補正は、使用するインキの種類、マスタの種類、印
刷機の種類等に応じて設定された数式であってその画像
データの各画素毎の画像濃度を変数とする数式に基づい
て各画素毎に行われるので、先に印刷される画像の画像
データの画像濃度の補正を精度良く行うことができ、重
ね印刷された領域の色味の再現性を向上させることがで
きる。
【0047】請求項3記載の発明の多色孔版印刷装置に
よれば、重ね印刷される領域を重ね印刷領域特定手段で
特定し、先に印刷される画像用のマスタを製版する場合
に重ね印刷領域特定手段で特定された重ね印刷領域の画
像濃度を画像濃度補正手段により低い値に補正したの
で、重ね印刷される領域では先に印刷される画像の印刷
に用いられるインキの印刷用紙上への転移量を抑えるこ
とができ、これにより、インキ浸透量の関係からその重
ね印刷される領域において印刷される画像の印刷に用い
られるインキの転移量が補正前に比べて多くなり、重ね
印刷された領域において合成された色の色味が先に印刷
されたインキ側へずれることを防止でき、重ね印刷され
た領域の色味の再現性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の多色孔版印刷装置の要
部の概略構造を示す正面図である。
【図2】多色孔版印刷装置の制御構成を示すブロック図
である。
【図3】重ね印刷される領域における先に印刷される画
像の画像データの画像濃度補正を説明するフローチャー
トである。
【図4】第1色目画像の画像濃度とインキ転移量との関
係を示すグラフである。
【図5】第1色目画像の画像データに関して、RAMへ
の入力時の画像濃度と補正後の画像濃度との関係を示す
グラフである。
【図6】画素単位で行われる第1色目画像の画像データ
の画像濃度補正について説明する模式図である。
【符号の説明】
1,1a 版胴 3,3a マスタ 6 印刷用紙 31 記憶部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記憶部に入力されている各色毎の画像デ
    ータに応じて各色毎の2以上のマスタを製版し、これら
    のマスタを軸線回りに回転自在な版胴の外周面に巻き付
    け、前記各マスタを用いて印刷される異なる色のインキ
    による画像を1枚の印刷用紙の上に重ね印刷して多色印
    刷を行う多色孔版印刷方法において、 前記記憶部に入力されている各色毎の画像データを比較
    して異なる色の画像が重ね印刷される領域を特定し、重
    ね印刷される領域における先に印刷される画像の画像デ
    ータの画像濃度を前記記憶部に入力されたときの画像濃
    度より低い値に補正するようにしたことを特徴とする多
    色孔版印刷方法。
  2. 【請求項2】 先に印刷される画像の画像データの画像
    濃度の補正は、使用するインキの種類、マスタの種類、
    印刷機の種類等に応じて設定された数式であってその画
    像データの各画素毎の画像濃度を変数とする数式に基づ
    いて各画素毎に行われることを特徴とする請求項1記載
    の多色孔版印刷方法。
  3. 【請求項3】 記憶部に入力されている各色毎の画像デ
    ータに応じて各色毎の2以上のマスタを製版し、これら
    のマスタを軸線回りに回転自在な版胴の外周面に巻き付
    け、前記各マスタを用いて印刷される異なる色のインキ
    による画像を1枚の印刷用紙の上に重ね印刷して多色印
    刷を行う多色孔版印刷装置において、 前記記憶部に入力されている各色毎の画像データを比較
    して異なる色の画像が重ね印刷される領域を特定する重
    ね印刷領域特定手段と、 重ね印刷される領域における先に印刷される画像の画像
    データの画像濃度を前記記憶部に入力されたときの画像
    濃度より低い値に補正する画像濃度補正手段と、を有す
    ることを特徴とする多色孔版印刷装置。
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