JP2000279497A - 脱臭袋及び脱臭消臭袋 - Google Patents

脱臭袋及び脱臭消臭袋

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JP2000279497A
JP2000279497A JP11090606A JP9060699A JP2000279497A JP 2000279497 A JP2000279497 A JP 2000279497A JP 11090606 A JP11090606 A JP 11090606A JP 9060699 A JP9060699 A JP 9060699A JP 2000279497 A JP2000279497 A JP 2000279497A
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Naoto Azuma
直人 我妻
Mamoru Takahashi
守 高橋
Koichi Yada
浩一 矢田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 活性炭を主成分とする脱臭剤が外部に粉こぼ
れすることがなく、脱臭効果または脱臭消臭効果が優れ
ており、しかも薄くて軽い形態であり、任意の場所にお
いて簡便な方法で使用可能な脱臭手段または脱臭消臭手
段を開発する。 【解決手段】 活性炭を主成分とする脱臭剤が保持され
た脱臭シートを単独で、または該脱臭シートと消臭シー
トを組み合せて、少なくとも片面が、メタノールバブリ
ング法による通気孔の最大孔径が1〜20μmであり、
JIS P8117透気度試験方法による通気度が5〜
50秒である通気性包装材により構成された偏平状袋に
収納した脱臭袋または脱臭消臭袋とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は脱臭袋または脱臭消
臭袋に関し、さらに詳細には、脱臭剤中の活性炭の微粉
末が袋の外部に粉こぼれすることがなく、脱臭効果、脱
臭消臭効果が優れた脱臭袋または脱臭消臭袋に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、活性炭を主成分とする脱臭剤
が、冷蔵庫、下駄箱、トイレ等の場所で使用されてい
る。その多くのものは、顆粒状の活性炭を通気性の内袋
に入れ、さらに箱型の容器に収納したものである。しか
しながら、活性炭を箱型の容器に収納したものは嵩張る
という欠点があり、特に冷蔵庫で使用する場合は限られ
た狭いスペースに置かれるので、収納物に挟まれたり積
み重ねられることにより脱臭能力を発揮することができ
ないという問題があった。また、このような脱臭容器
は、物の上に置いて使用しなければならず、任意の場所
に簡便な方法で使用することができないという欠点があ
った。
【0003】このようなことから、活性炭等を主成分と
する薄くて軽いシート状の脱臭剤が提案されている。例
えば、実公平6−34105号公報には、基材と通気性
の表皮材とから成り、基材には脱臭剤が塗布または混合
されている内装材が開示されている。この考案によれ
ば、例えば基材としては活性炭等の脱臭剤が混入された
ポリスチレン発泡体やポリウレタン発泡体が用いられ、
表皮材としては不織布や繊維織編物が用いられ、基材と
表皮材が接着剤により接着されている。
【0004】また、特開平8−72194号公報には、
表裏両保持シート間に脱臭剤を介層して三層構造を形成
し、三層構造の上下面からエンボス加工を施して、三層
構造を一体的に形成した脱臭吸収シートが開示されてい
る。この発明は、臭気や水分に対して良好な通気性と通
水性及び約300℃のエンボス加工に耐え得る二枚のシ
ート間に、クリストバライト(無水ケイ酸の一種)を主
成分とする脱臭剤を介層させて、エンボス機構を有する
ローラ表面の凹凸により加圧するとともに加熱して一体
的に形成した脱臭吸収シートである。
【0005】その他のシート状の脱臭剤として、特開平
10−99421号公報には、二枚のシート間を活性炭
粉末を混合したホットメルト剤で接合一体化した積層構
造体であって、シートの少なくとも一枚が透気度20秒
以下及び平均繊維間距離1〜100μmの不織布であ
り、かつ活性炭粉末の粒径が100〜1000μm、ホ
ットメルト剤粉末の粒径が100〜1000μm及びホ
ットメルト剤のメルトインデックスが0.1〜30であ
る面状脱臭体が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実公平
6−34105号公報に記載されている内装材は、活性
炭等の脱臭剤が混合された基材と表皮材が単に接着剤に
より接着されており、接着剤を多量に用いた場合には表
皮材の通気性を損ない脱臭効果が充分に発揮されず、接
着剤が少量の場合は脱臭剤が外部に粉こぼれするという
問題があった。また、特開平8−72194号公報に記
載されている脱臭吸収シートも、シート間に脱臭剤を介
層して上下面からエンボス加工を施すことにより脱臭剤
が保持されているが、脱臭剤が離脱しないように強固に
加熱加圧した場合には通気性が損なわれ脱臭効果が充分
に発揮されず、加熱加圧を軽度に行なった場合には脱臭
剤が外部に粉こぼれするという問題があった。
【0007】特開平10−99421号公報に記載され
ている面状脱臭体は、活性炭粉末を保持する二枚のシー
トの少なくとも一枚が透気度20秒以下及び平均繊維間
距離1〜100μmの不織布であり、通気量がコントロ
ールされているが、活性炭粉末の粒径が100〜100
0μm、ホットメルト剤粉末の粒径が100〜1000
μmであることが必要である。そのため、この面状脱臭
体の製造においては、条件を満たす特定の粒径範囲の活
性炭粉末及びホットメルト剤粉末を必要とするために価
格が高くなるという不都合があった。また、面状脱臭体
を製造の際あるいは使用の際に、外部からの圧力や衝撃
等により活性炭粉末が粉砕され、面状脱臭体から粉こぼ
れして周辺の器具、家具あるいは壁等を汚す恐れがあっ
た。
【0008】なお、従来の脱臭剤の中でも、顆粒状の活
性炭を通気性の内袋に入れ、さらに箱型の容器に収納し
たものは、少量の活性炭粉末が内袋から粉こぼれするこ
とはあったが、箱型の容器から外部に粉こぼれすること
はなかった。従って、本発明が解決しようとする課題
は、活性炭を主成分とする脱臭剤が外部に粉こぼれする
ことがなく、脱臭効果または脱臭消臭効果が優れてお
り、しかも薄くて軽い形態であり、任意の場所において
簡便な方法で使用可能な脱臭手段または脱臭消臭手段を
提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
課題を解決すべく鋭意検討した結果、メタノールバブリ
ング法によって測定される通気孔の最大孔径が20μm
以下であり、かつJIS P8117透気度試験方法に
よる通気度で100ccの空気が通過する時間が5秒以
上である通気性包装材を用いて脱臭シートを収納した場
合には、脱臭シートより離脱した活性炭の微粉末が外部
に粉こぼれしないことを見い出した。また、メタノール
バブリング法によって測定される通気孔の最大孔径が1
μm以上であり、かつJIS P8117透気度試験方
法による通気度で100ccの空気が通過する時間が5
0秒以下である通気性包装材に活性炭あるいは消臭剤を
収納すれば、活性炭による脱臭効果あるいは消臭剤によ
る消臭効果は充分に得られることを見い出した。さら
に、本発明者らは、活性炭を主成分とする脱臭剤が保持
された脱臭シートを単独で、または脱臭シートと消臭シ
ートを組み合せて、前記の通気孔及び通気特性を有する
包装材から成る偏平状袋に収納した構成とすることによ
り、薄くて軽い形態の脱臭袋または脱臭消臭袋が得られ
ることを見い出し本発明に到達した。
【0010】すなわち本発明は、活性炭を主成分とする
脱臭剤が保持された脱臭シートを、少なくとも片面が、
メタノールバブリング法による通気孔の最大孔径が1〜
20μmであり、かつJIS P8117透気度試験方
法による通気度が5〜50秒である通気性包装材により
構成された偏平状袋に収納してなることを特徴とする脱
臭袋である。また、本発明は、活性炭を主成分とする脱
臭剤が保持された脱臭シートと、消臭シートを、少なく
とも片面が、メタノールバブリング法による通気孔の最
大孔径が1〜20μmであり、かつJIS P8117
透気度試験方法による通気度が5〜50秒である通気性
包装材により構成された偏平状袋に収納してなることを
特徴とする脱臭消臭袋でもある。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の脱臭袋または脱臭消臭袋
は、活性炭を主成分とする脱臭剤が保持された脱臭シー
トを単独で、または該脱臭シートと消臭シートを組み合
せて、少なくとも片面が、メタノールバブリング法によ
る通気孔の最大孔径が1〜20μmであり、JIS P
8117透気度試験方法による通気度が5〜50秒であ
る通気性包装材により構成された偏平状袋に収納してな
る脱臭袋または脱臭消臭袋である。本発明の脱臭袋また
は脱臭消臭袋は、トイレ、生ゴミ、冷蔵庫、冷凍庫、下
駄箱、ロッカー等の脱臭または消臭に使用することがで
きる。また、対象とする臭気成分は、例えば、エチレ
ン、アミン、硫化水素、アンモニア、メルカプタン、低
級脂肪酸、低級アルデヒド、カルキ臭等である。
【0012】以下、本発明の脱臭袋または脱臭消臭袋
を、図1〜図3に基づいて詳細に説明する。図1は、本
発明の脱臭袋の一例を示す一部切断の斜視図、図2は本
発明の脱臭消臭袋の一例を示す一部切断の斜視図、図3
は脱臭シートの一例を示す断面図である。図1、図2に
おいて、符号1は活性炭を主成分とする顆粒状または粉
末状の脱臭剤が保持された脱臭シート、符号2は消臭シ
ートである。この脱臭シート、または脱臭シートと消臭
シートが、少なくとも片面がメタノールバブリング法に
よる通気孔の最大孔径が1〜20μmであり、JIS
P8117透気度試験方法による通気度が5〜50秒で
ある通気性包装材(符号3)により構成された偏平状袋
に収納されて、本発明の脱臭袋または脱臭消臭袋とされ
る。
【0013】本発明における脱臭剤としては、主成分
が、椰子殻炭、木粉炭、ピート炭等の活性炭である脱臭
剤が用いられ、好ましくは主成分が、活性炭に、二塩化
錫、四塩化錫、四塩化チタン等を添着した粒状の添着活
性炭が用いられる。
【0014】本発明における脱臭シート(符号1)とし
ては、通常は、上記活性炭を主成分とする脱臭剤を、二
枚の通気性を有する不織布により挟持したシートが使用
されるが、好ましくは、図3に示すような非熱融着性不
織布(符号7)の上に熱融着性不織布(符号8)を重ね
合せ、さらにその上に活性炭を主成分とする脱臭剤(符
号9)を分散配置し、該脱臭剤の上に非熱融着性不織布
(符号7)を直接重ねるかまたは熱融着性不織布(符号
8)を重ねた上に非熱融着性不織布(符号7)を重ね合
せ、熱圧着した脱臭シートが使用される。尚、本発明に
おける脱臭シート中の脱臭剤の分散配置量は、通常は2
00〜2500g/mである。
【0015】ここで、上述の非熱融着性不織布とは、2
00℃以下の温度において熱融着しない不織布であり、
このような不織布としては、通常は例えば坪量20〜1
50g/mのレーヨン、木材パルプ、麻等の繊維から
成る不織布、高融点熱可塑性樹脂繊維から成る不織布、
紙等から成る不織布が用いられる。また、熱融着性不織
布とは、200℃以下の温度において熱融着する不織布
であり、このような不織布としては、通常は例えば坪量
20〜250g/mのポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエステル等の繊維から成る不織布、ポリプロピ
レン、ポリエステル、ポリアミド等を芯としてその表面
にポリエチレンを被覆した複合繊維から成る不織布、木
綿繊維にポリエチレン、ポリプロピレン等の繊維を混紡
した不織布が用いられる。尚、上述の非熱融着性不織
布、熱融着性不織布の厚さは各々0.03〜0.5m
m、0.5〜10mm程度のものである。
【0016】上述の脱臭剤が保持された脱臭シートは、
非熱融着性不織布の上に熱融着性不織布を重ね合せ、さ
らにその上に活性炭を主成分とする脱臭剤を分散配置
し、該脱臭剤の上に非熱融着性不織布を直接重ねるかま
たは熱融着性不織布を重ねた上に非熱融着性不織布を重
ね合せた後、これを80〜250℃の温度で熱圧着させ
ることにより作成することができる。熱圧着は、例え
ば、エンボスロール、平ロール等の加熱圧縮器の間を通
過させることにより行なうことができる。このように脱
臭剤は熱融着性不織布の間あるいは熱融着性不織布と非
熱融着性不織布の間に固定できるが、脱臭剤が熱融着性
不織布の上または非熱融着性不織布の上に保持されるも
のの他、熱融着性不織布または非熱融着性不織布がその
表面あるいは内部に有する空隙内に脱臭剤が分布保持さ
れた形態の脱臭シートも使用可能である。
【0017】また、脱臭シートは、非熱融着性不織布の
上に粉末状あるいは顆粒状の脱臭剤及び熱溶融型接着剤
を分散配置し、さらにその上に非熱融着性不織布を重ね
た後、熱圧着させることにより作成することもできる。
ただし、このような方法で脱臭シートを作成する場合に
は、熱溶融型接着剤が活性炭表面を被覆したり不織布の
通気孔を塞ぐと脱臭効果が損なわれるので、熱溶融型接
着剤の量や配置に注意を要する。尚、本発明の脱臭シー
ト厚さは、いずれの方法で作成しても、通常は0.3〜
6mm程度である。上述のような脱臭シートは、いずれ
の方法で作成しても活性炭の一部が粉砕されて微粉末が
発生し、脱臭シートより離脱する。離脱する微粉末の粒
径は、10μm以下のものが多い。
【0018】本発明における消臭シートとしては、通常
は、タングステン、モリブデン等の酸化物、コバルト、
タングステン、モリブデン、マグネシウム等の炭酸塩等
から成る消臭剤が、不織布あるいは紙等に添着されたも
のが使用される。これらの消臭シートの市販品として
は、例えば日本化成(株)製のカセイライトNP−F、
カセイライトTGP等がある。尚、これらの消臭剤は、
消臭シートから容易に離脱することはない。
【0019】本発明においては、脱臭効果、消臭効果を
損なうことなく、上述の脱臭シートから離脱する活性炭
の微粉末が外部に粉こぼれすることを防止するために、
偏平状袋の少なくとも片面が、メタノールバブリング法
による通気孔の最大孔径が1〜20μmであり、JIS
P8117透気度試験方法による通気度が5〜50秒
である通気性包装材が用いられる。なお、本発明におけ
る通気性包装材の通気孔は円形または円形に近い形状に
限定されることがなく、メタノールバブリング法による
最大孔径が1〜20μmの範囲であればどのような形状
であってもよい。偏平状袋の他の片面(符号4)は、非
通気性の包装材のほか、活性炭の微粉末が偏平状袋の外
部に粉こぼれしない程度に通気性を有する包装材を使用
することができる。
【0020】偏平状袋の包装材として、メタノールバブ
リング法によって測定される通気孔の最大孔径が20μ
m以上の包装材、またはJIS P8117透気度試験
方法による通気度で100ccの空気が通過する時間が
5秒以下の包装材を使用した場合は、活性炭の微粉末が
偏平状袋の外部に粉こぼれする恐れがある。また、偏平
状袋の全部に、メタノールバブリング法によって測定さ
れる通気孔の最大孔径が1μm以下、またはJIS P
8117透気度試験方法で100ccの空気が通過する
時間が50秒以上の包装材を使用した場合は、通気性が
悪いために充分な脱臭効果または脱臭消臭効果が得られ
ない。
【0021】活性炭の微粉末は、前述のように粒径が1
0μm以下のものが多いが、メタノールバブリング法に
よる通気孔の最大孔径が20μm以下であり、かつJI
SP8117透気度試験方法による通気度が5秒以上の
包装材を通過しない。その理由は明らかではないが、後
述するように、本発明で使用する包装材が帯電しやすい
合成樹脂フィルムや合成繊維から成る不織布であるため
に、活性炭の微粉末がその表面に吸着されることが一つ
の原因となっていると考えられる。
【0022】本発明において、メタノールバブリング法
による通気孔の最大孔径が1〜20μmであり、JIS
P8117透気度試験方法による通気度が5〜50秒
である通気性包装材としては、前記の通気孔及び通気特
性を有するものであれば特に限定はないが、例えば、非
通気性合成樹脂フィルムまたは非通気性合成樹脂フィル
ムと不織布の貼り合せ包材に微細な針孔を設けた包装
材、ポリオレフィン繊維の積層不織布、または多孔質フ
ィルム等を挙げることができる。この中では、包装材の
入手及び偏平状袋の製造が容易な点で、ポリオレフィン
繊維の積層不織布が最も好ましい。
【0023】ここで、上述のポリオレフィン繊維の積層
不織布とは、ポリエチレン、ポリプロピレン等の繊維が
積層され熱圧着されて通気性を制御された不織布であ
り、市販品としては、例えばデュポン(株)製のタイベ
ック、東海パルプ(株)製のイレブンユニ等がある。ま
た、多孔質フィルムとは、例えば、合成樹脂フィルムを
二軸延伸することによって通気孔を設けたもの、あるい
は溶融したポリエチレン、ポリプロピレンなどに炭酸カ
ルシウムなどの無機系微細粉末を分散させた後、フィル
ム状に押出し、得られたフィルムをさらに延伸させて、
通気孔を設けたもの等である。これら多孔質フィルムの
市販品としては、例えば(株)トクヤマ製のポーラム及
びNFシート、積水化学(株)製のセルポア、日東電工
(株)製のブレスロン等がある。
【0024】偏平状袋の他の片面に使用される包装材と
しては、通常は、ポリエチレン、ポリプロピレン等の非
通気性フィルムから成る非通気性の包装材が使用される
が、通気性であっても活性炭の微粉末が通過しない包装
材、すなわちメタノールバブリング法による通気孔の最
大孔径が20μm以下であり、JIS P8117透気
度試験方法による通気度が5秒以上である通気性を有す
る包装材も使用することができる。
【0025】本発明の脱臭袋または脱臭消臭袋は、通常
は上述の包装材を熱融着性を有する面が互いに内側とな
るようにして重ね合せ、外周部を加熱融着することによ
り貼り合せて偏平な袋状に成形するとともに、脱臭シー
ト、または脱臭シートと消臭シートを収納して脱臭袋ま
たは脱臭消臭袋とされる。尚、本発明の脱臭袋または脱
臭消臭袋の大きさは、使用目的、設置場所等によって異
なり一概には特定できないが、名刺と同等程度の大きさ
から、日本工業規格A列3番程度の大きさまでのものが
用いられる。
【0026】本発明の脱臭袋または脱臭消臭袋には、必
要に応じ、偏平状袋の片面の表面の少なくとも一部に粘
着剤層が設けられる。粘着剤層は、通常は非通気性の包
装材の表面に設けられる。粘着剤層は、脱臭袋または脱
臭消臭袋を設置する面に粘着固定することができ、被粘
着物への転着を生じることがなく、かつ脱臭袋または脱
臭消臭袋として使用されるまでの長期保存中に変質する
ことがないものであればいかなるものでも用いることが
できる。例えばその構成成分としてアクリル酸系ポリマ
ーなどが用いられる。また、粘着剤層の表面は、通常は
使用されるまで剥離紙などにより被覆される。このよう
な粘着剤層を設けることによりにより、例えば、室内の
壁やゴミ箱の内壁面のような場所等、任意の場所に貼り
付けて使用することができる。
【0027】また、本発明の脱臭袋または脱臭消臭袋に
は、偏平状袋の通気性を有する面に通気性抗菌剤層を設
けることもできる。通気性抗菌剤層は、印刷、スプレー
塗布により偏平状袋の包装材に付与する方法、抗菌性不
織布を偏平状袋の包装材に貼り合せる方法等によって設
けられる。通気性抗菌剤層を設けることにより、脱臭効
果、脱臭消臭効果のほかに、抗菌効果を得ることが可能
となる。
【0028】さらに、本発明の脱臭袋または脱臭消臭袋
には、脱臭効果、脱臭消臭効果を経時的に知らしめるた
めのインジケーターを設けることもできる。インジケー
ターの方式及び設置位置については特に制限はない。以
上のようにして得られた本発明の脱臭袋または脱臭消臭
袋は、使用される迄の期間中、通常はさらに非通気性の
外袋に密封して保存される。
【0029】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明がこれらにより限定されるものではない。
【0030】(脱臭シートの作成)坪量60g/m
キノクロス(本州製紙(株)製)の上に坪量60g/m
の熱融着性不織布(丸三産業(株)製)を重ね合せ、
これに粒状の金属塩添着活性炭を595g/mの割合
で散布した。この上にさらに熱融着性不織布、キノクロ
スの順で重ね合せた後、230℃に加熱されたエンボス
ロールと平ロールの間を通して熱圧着し、厚さ約1.9
mmのシート状物とした。次いで、このシート状物を7
9×105mmに切断して脱臭シートとした。
【0031】(消臭シートの作成)酸化モリブデン30
部、活性白土10部を混合し、この混合物に固形濃度5
0%の酢酸ビニルアクリル樹脂のエマルジョンを20部
加えてスラリー状にした後、坪量80g/mのナイロ
ン繊維不織布に含浸させ、乾燥して坪量240g/
、厚さ0.5mmのシート状物を作成した。このシ
ート状物を75×92mmに切断して消臭シートとし
た。
【0032】(実施例1)偏平状袋の包装材として、メ
タノールバブリング法による通気孔の最大孔径が15μ
mであり、JIS P8117透気度試験方法による通
気度が7秒であるポリオレフィン繊維の積層不織布から
成る通気性包装材と、厚さ60μmのポリエチレンフィ
ルムに粘着剤が塗布され、さらに剥離紙が重ね合された
非通気性包装材を用いた。これらの包装材を熱融着性を
有する面が互いに内側となるようにして重ね合せ、外周
部を加熱融着することにより貼り合せて偏平な袋状に成
形するとともに、前記の脱臭シートと消臭シートを、脱
臭シートが通気性包装材側となるように収納して、10
0×135mmの脱臭消臭袋を作成した。
【0033】前記のように作成した脱臭消臭袋5個を図
4に示すような粉こぼれ試験機を用いて活性炭の微粉末
が脱臭消臭袋から粉こぼれするか否かテストした。この
粉こぼれ試験機は、試験室が水平方向に振動する構成と
なっており、振動する毎にアクリル板に固定された脱臭
消臭袋が、アルミ板付のアクリル板の振り子により叩か
れるように設定されている。脱臭消臭袋の剥離紙を剥し
て、偏平状袋の通気性包装材側が振り子により叩かれる
ように粉こぼれ試験機の所定の位置に固定し、振動回数
190回/分、振動幅60mm、振動時間10分、アル
ミ板(85×120×4mm)の重量112gの条件で
測定した結果を表1に示す。
【0034】また、20℃の雰囲気下、5Lのガス分析
サンプリングバッグ(テドラーバッグ)2個を用意し、
その底部に前記のようにして作成した脱臭消臭袋を各1
個ずつ封入した。この容器中に悪臭成分として、硫化水
素及びアンモニアをそれぞれ単独で40ppm、60p
pmとなるように注入し、経過時間と残存ガス濃度を検
知管を用いて測定した。なお、検知管の検出下限は、硫
化水素0.05ppm、アンモニア0.2ppmであっ
た。結果を表1に示す。
【0035】(実施例2)実施例1における偏平状袋の
通気性包装材を、メタノールバブリング法による通気孔
の最大孔径が12μmであり、JIS P8117透気
度試験方法による通気度が10秒であるポリオレフィン
繊維の積層不織布から成る通気性包装材に替えたほか
は、実施例1と同様にして脱臭消臭袋を作成した。この
脱臭消臭袋について、実施例1と同様にして、活性炭の
微粉末の粉こぼれ試験及び脱臭消臭能力の測定を行なっ
た。結果を表1に示す。
【0036】(実施例3)実施例1における偏平状袋の
通気性包装材を、メタノールバブリング法による通気孔
の最大孔径が10μmであり、JIS P8117透気
度試験方法による通気度が21秒であるポリオレフィン
繊維の積層不織布から成る通気性包装材に替えたほか
は、実施例1と同様にして脱臭消臭袋を作成した。この
脱臭消臭袋について、実施例1と同様にして、活性炭の
微粉末の粉こぼれ試験及び脱臭消臭能力の測定を行なっ
た。結果を表1に示す。
【0037】(実施例4)実施例1における偏平状袋の
通気性包装材を、メタノールバブリング法による通気孔
の最大孔径が7μmであり、JIS P8117透気度
試験方法による通気度が30秒であるポリオレフィン繊
維の積層不織布から成る通気性包装材に替えたほかは、
実施例1と同様にして脱臭消臭袋を作成した。この脱臭
消臭袋について、実施例1と同様にして、活性炭の微粉
末の粉こぼれ試験及び脱臭消臭能力の測定を行なった。
結果を表1に示す。
【0038】(実施例5)実施例1における偏平状袋の
通気性包装材を、メタノールバブリング法による最大孔
径が5μm、JIS P8117透気度試験方法による
通気度が42秒であるポリオレフィン繊維の積層不織布
から成る通気性包装材に替えたほかは、実施例1と同様
にして脱臭消臭袋を作成した。この脱臭消臭袋につい
て、実施例1と同様にして、活性炭の微粉末の粉こぼれ
試験及び脱臭消臭能力の測定を行なった。結果を表1に
示す。
【0039】(比較例1)実施例1における偏平状袋の
通気性包装材を、メタノールバブリング法による通気孔
の最大孔径が46μmであり、JIS P8117透気
度試験方法による通気度が2秒である、エチレンフィル
ムと不織布の貼り合せ包材に微細な針孔を設けた通気性
包装材に替えたほかは、実施例1と同様にして脱臭消臭
袋を作成した。この脱臭消臭袋について、実施例1と同
様にして、活性炭の微粉末の粉こぼれ試験及び脱臭消臭
能力の測定を行なった。結果を表1に示す。
【0040】(比較例2)実施例1における偏平状袋の
通気性包装材を、メタノールバブリング法による通気孔
の最大孔径が30μmであり、JIS P8117透気
度試験方法による通気度が3秒であるポリオレフィン繊
維の積層不織布から成る通気性包装材に替えたほかは、
実施例1と同様にして脱臭消臭袋を作成した。この脱臭
消臭袋について、実施例1と同様にして、活性炭の微粉
末の粉こぼれ試験及び脱臭消臭能力の測定を行なった。
結果を表1に示す。
【0041】(比較例3)実施例1における偏平状袋の
通気性包装材を、メタノールバブリング法による通気孔
の最大孔径が2μmであり、JIS P8117透気度
試験方法による通気度が65秒である多孔質フィルムか
ら成る通気性包装材に替えたほかは、実施例1と同様に
して脱臭消臭袋を作成した。この脱臭消臭袋について、
実施例1と同様にして、活性炭の微粉末の粉こぼれ試験
及び脱臭消臭能力の測定を行なった。結果を表1に示
す。
【0042】(比較例4)実施例1における偏平状袋の
通気性包装材を、メタノールバブリング法による通気孔
の最大孔径が1μmであり、JIS P8117透気度
試験方法による通気度が103秒である多孔質フィルム
から成る通気性包装材に替えたほかは、実施例1と同様
にして脱臭消臭袋を作成した。この脱臭消臭袋につい
て、実施例1と同様にして、活性炭の微粉末の粉こぼれ
試験及び脱臭消臭能力の測定を行なった。結果を表1に
示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】本発明の脱臭袋または脱臭消臭袋は、薄
くて軽いシート状であるため、任意の場所に簡便に設置
することができ、しかも、脱臭シートから離脱した活性
炭の微粉末が袋の外部に粉こぼれすることなく、優れた
脱臭効果または脱臭消臭効果を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の脱臭袋の一例を示す一部切断の斜視図
【図2】本発明の脱臭消臭袋の一例を示す一部切断の斜
視図
【図3】本発明における脱臭シートの例を示す断面図
【図4】粉こぼれ試験機の構成図
【符号の説明】
1 脱臭シート 2 消臭シート 3 通気性包装材 4 非通気性包装材 5 偏平状袋の貼り合せ部 6 偏平状袋 7 非熱融着性不織布 8 熱融着性不織布 9 活性炭を主成分とする脱臭剤 10 脱臭消臭袋 11 アクリル板 12 アルミ板 13 制御部 14 試験室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C080 AA05 BB02 CC02 CC04 CC05 CC08 CC09 CC12 CC13 HH05 JJ06 KK08 LL10 MM05 MM40 QQ20

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性炭を主成分とする脱臭剤が保持され
    た脱臭シートを、少なくとも片面が、メタノールバブリ
    ング法による通気孔の最大孔径が1〜20μmであり、
    かつJIS P8117透気度試験方法による通気度が
    5〜50秒である通気性包装材により構成された偏平状
    袋に収納してなることを特徴とする脱臭袋。
  2. 【請求項2】 脱臭シートが、非熱融着性不織布の上に
    熱融着性不織布を重ね合せ、さらにその上に活性炭を主
    成分とする脱臭剤を分散配置し、該脱臭剤の上に非熱融
    着性不織布を直接重ねるかまたは熱融着性不織布を重ね
    た上に非熱融着性不織布を重ね合せ、熱圧着することに
    より該活性炭を主成分とする脱臭剤を、熱融着性不織布
    及び/または非熱融着性不織布に固定した脱臭シートで
    ある請求項1に記載の脱臭袋。
  3. 【請求項3】 偏平状袋の片面の少なくとも一部に粘着
    剤層を設け、さらに該粘着剤層を剥離紙で被覆した請求
    項1に記載の脱臭袋。
  4. 【請求項4】 偏平状袋の通気性を有する面に通気性抗
    菌剤層を設けた請求項1に記載の脱臭袋。
  5. 【請求項5】 活性炭を主成分とする脱臭剤が保持され
    た脱臭シートと、消臭シートを、少なくとも片面が、メ
    タノールバブリング法による通気孔の最大孔径が1〜2
    0μmであり、かつJIS P8117透気度試験方法
    による通気度が5〜50秒である通気性包装材により構
    成された偏平状袋に収納してなることを特徴とする脱臭
    消臭袋。
  6. 【請求項6】 脱臭シートが、非熱融着性不織布の上に
    熱融着性不織布を重ね合せ、さらにその上に活性炭を主
    成分とする脱臭剤を分散配置し、該脱臭剤の上に非熱融
    着性不織布を直接重ねるかまたは熱融着性不織布を重ね
    た上に非熱融着性不織布を重ね合せ、熱圧着することに
    より該活性炭を主成分とする脱臭剤を、熱融着性不織布
    及び/または非熱融着性不織布に固定した脱臭シートで
    ある請求項5に記載の脱臭消臭袋。
  7. 【請求項7】 偏平状袋の片面の少なくとも一部に粘着
    剤層を設け、さらに該粘着剤層を剥離紙で被覆した請求
    項5に記載の脱臭消臭袋。
  8. 【請求項8】 偏平状袋の通気性を有する面に通気性抗
    菌剤層を設けた請求項5に記載の脱臭消臭袋。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009190021A (ja) * 2008-01-18 2009-08-27 Dainichi Shoji Kk ケミカルフィルタ及びその梱包体並びにレチクル保管ボックス
CN103418008A (zh) * 2012-05-14 2013-12-04 松下电器产业株式会社 具有缓释膜的除臭剂、具有该除臭剂的除臭装置以及具备除臭装置的冰箱
CN103418015A (zh) * 2012-05-14 2013-12-04 松下电器产业株式会社 除臭装置以及具有该除臭装置的冰箱

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CN103418008A (zh) * 2012-05-14 2013-12-04 松下电器产业株式会社 具有缓释膜的除臭剂、具有该除臭剂的除臭装置以及具备除臭装置的冰箱
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