JP2000279076A - 釣糸およびその製造方法 - Google Patents

釣糸およびその製造方法

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JP2000279076A
JP2000279076A JP11086466A JP8646699A JP2000279076A JP 2000279076 A JP2000279076 A JP 2000279076A JP 11086466 A JP11086466 A JP 11086466A JP 8646699 A JP8646699 A JP 8646699A JP 2000279076 A JP2000279076 A JP 2000279076A
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fishing
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 釣糸として求められる強度、しなやかさ、伸
びおよび伸長回復性が均衡にすぐれると共に、良好な釣
果を発揮し、特にへら鮒用道糸として適した釣糸および
その効率的な製造方法を提供する。 【解決手段】 本発明の釣糸は、引張り強度が6g/d
以上のポリアミドモノフィラメントからなり、破断強力
の30%の荷重を掛けたときの糸の伸びをH、そのまま
1分間放置した後荷重を外した時の糸の長さをH1、そ
のまま3分間放置した時の糸の長さをH2としたとき
に、式(H−H1)/Hで算出される瞬間回復率(L
1)が80%以上、かつ式(H−H2)/Hで算出され
る遅延回復率(L2)が90%〜110%の範囲にある
ことを特徴とする。また、上記の特性を有する本発明の
釣糸の製造方法は、ポリアミドを溶融紡糸、延伸した後
熱処理するに際し、前記熱処理を、秒速3m以上の風速
で気体を循環せしめたセッター内で行なうことを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、釣糸として求めら
れる強度、しなやかさ、伸びおよび伸長回復性が均衡に
すぐれると共に、良好な釣果を発揮し、特にへら鮒用道
糸として適した釣糸およびその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、釣糸の素材としては、柔軟性に富
み、強度が大きく、さらに適度な伸びを有するなどの特
性を生かして、ポリアミドモノフィラメントが好適に用
いられてきた。
【0003】しかしながら、このポリアミドモノフィラ
メントからなる釣糸は、伸長回復性が不十分であること
から、実際に魚を釣った時の魚との引っ張り会いにより
糸の長さが変化しやすく、浮きから針までの糸の長さが
変化してしまうことからなる、いわゆる棚ずれ、および
釣竿から浮きまでの糸の長さが変化してしまうことから
なる、いわゆるポイントずれを起こしやすいという問題
を有しているため、特に棚ずれやポイントずれを嫌うへ
ら鮒用道糸に適用した場合には、釣果を落としてしまう
という欠点があった。
【0004】すなわち、へら鮒釣りにおいては、ポイン
トに餌を適確に打ち込むことが、釣果を上げるために重
要な要件であり、上述したごとき道糸の寸法変化を生じ
た場合には、棚ずれやポイントずれを避けるために、浮
き下(棚)のこまめな調整や、道糸の張り替えなどによ
る道糸長さの調整が必要となり、この調整に費やす時間
ロスのために、結果として釣果を落としてしまうという
問題があったのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述した従来
技術における問題点を解決するために検討した結果、達
成されたものである。
【0006】したがって、本発明の目的は、釣糸として
求められる強度、しなやかさ、伸びおよび伸長回復性が
均衡にすぐれると共に、良好な釣果を発揮し、特にへら
鮒用道糸として適した釣糸およびその効率的な製造方法
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の釣糸は、引張り強度が6g/d以上のポ
リアミドモノフィラメントからなり、破断強力の30%
の荷重を掛けたときの糸の伸びをH、そのまま1分間放
置した後荷重を外した時の糸の長さをH1、そのまま3
分間放置した時の糸の長さをH2としたときに、式(H
−H1)/Hで算出される瞬間回復率(L1)が80%
以上、かつ式(H−H2)/Hで算出される遅延回復率
(L2)が90%〜110%の範囲にあることを特徴と
する。
【0008】本発明の釣糸は、前記ポリアミドモノフィ
ラメントの引張り強度が6g/d以上であること、前記
ポリアミドモノフィラメントが、ナイロン6、ナイロン
66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン1
1、ナイロン12およびこれら各種ナイロンの相互共重
合体から選ばれた少なくとも1種からなること、および
へら鮒釣り用道糸として使用することが、いずれも好ま
しい条件である。
【0009】また、上記の特性を有する本発明の釣糸の
製造方法は、ポリアミドを溶融紡糸、延伸した後熱処理
するに際し、前記熱処理を、秒速3m以上の風速で気体
を循環せしめたセッター内で行なうことを特徴とする。
【0010】そして、本発明の釣糸の製造方法において
は、前記熱処理を、倍率:0.85〜1倍、温度:15
0〜200℃、時間:0.5〜3秒の条件で行なうこと
が望ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の釣糸を構成するポリアミ
ドモノフィラメントの素材ポリマは、ポリアミドであれ
ば特に制限はないが、ナイロン6、ナイロン66、ナイ
ロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン
12、およびこれら各種ナイロンの相互共重合体から選
ばれた少なくとも1種、なかでもナイロン6、ナイロン
66、およびナイロン6/66共重合体が好ましく使用
される。
【0012】これらのポリアミドは、目的とする特性を
阻害しない範囲であれば、例えば顔料、染料、結晶化抑
制剤、銅化合物、比重調整剤、撥水処理剤、親水処理
剤、および可塑剤などの添加剤を含有することができ
る。
【0013】本発明の釣糸を構成するポリアミドモノフ
ィラメントは、上記の方法で算出した瞬間回復率(L
1)が80%以上、特に90%以上であり、かつ遅延回
復率(L2)が90%〜110%、特に95〜105%
の範囲にあることが重要であり、かかる条件を満たすこ
とによって、釣糸を実用する際に、魚との引っ張り会い
により伸びた糸が瞬間的、遅延的に元の長さに復元する
ことを可能とし、優れた伸長回復性を発現させることが
できる。
【0014】すなわち、ポリアミドモノフィラメントの
瞬間回復率(L1)が80%未満では、実釣時に道糸が
伸びやすくなり、棚ずれやポイントずれの原因となっ
て、釣果の低下を招くため好ましくない。
【0015】また、ポリアミドモノフィラメントの遅延
回復率(L2)が90%未満では、実釣時に道糸が伸び
やすくなり、110%を越えると、実釣時に道糸が縮み
やすくなって、いずれの場合にも棚ずれやポイントずれ
を起こし、釣果の低下を招くため好ましくない。
【0016】さらに、本発明の釣糸を構成するポリアミ
ドモノフィラメントは、引張り強度が6g/d以上、特
に8g/d以上であることが望ましく、これにより釣
糸、特にへら鮒用道糸として用いた場合に、必要十分な
強度を発現させることができる。
【0017】次に、上記の特性を有する本発明の釣糸の
製造方法について説明する。
【0018】本発明の釣糸は、素材としての上記ポリア
ミドを、通常の溶融紡糸に使われるエクストルーダー型
紡糸機に供し、従来から一般に採用されている公知の溶
融紡糸・延伸条件で製糸することにより製造することが
できる。
【0019】ただし、本発明の釣糸の製造方法において
は、延伸後のポリアミドモノフィラメントを、連続また
はバッチでセッターに導き、このセッター内の気体を秒
速3m以上で循環せしめつつ熱処理することが重要であ
る。
【0020】すなわち、セッター内の気体の風速が止ま
っていたり、風速が秒速3m未満の場合には、瞬間回復
率および遅延回復率を上記の範囲にすることが困難にな
るばかりか、所望の熱セット効果を得るために、熱セッ
ト温度を上げたり、熱セット時間を長くすると、セッタ
ー内でモノフィラメントが溶断したり、溶断しなくても
モノフィラメントが熱劣化を起こすことになるため好ま
しくない。
【0021】なお、セッター内の気体としては、空気、
窒素ガス、窒素ガス/空気の混合ガスなどが使用され、
セッター内の気体を循環させる方法としては、セッター
内の適宜位置にファンやブロアーなどを配置して、それ
らの回転により風速を生じさせればよい。
【0022】なお、セッター内の風速の上限には特に限
定はないが、あまりに過剰な風速では、セッター内での
モノフィラメント同士やモノフィラメントとセッター壁
との接触を生じ、安定した品質のモノフィラメントが得
られない傾向となるため、通常は秒速25以下とするこ
とが望ましい。
【0023】さらには、この熱処理条件として、倍率
0.85倍〜1.0倍、温度150℃〜200℃、熱セ
ット時間0.5秒〜3秒の弛緩熱処理を採用することが
好ましい。
【0024】すなわち、上記熱処理における熱セット倍
率としては、0.85倍〜1.0倍、好ましくは0.8
8倍〜0.95倍の弛緩条件が採用され、1.0倍を越
える場合は、十分な熱セット効果が得られずに、得られ
るモノフィラメントの瞬間回復率および遅延回復率が上
記の範囲を外れる傾向となり、また0.85倍未満の場
合は、セッターの中でモノフィラメントが弛んでしま
い、安定した生産が難しくなるため好ましくない。
【0025】また、熱セット温度としては、150℃〜
200℃、特に170℃〜185℃の範囲が採用され、
200℃を越える場合は、熱セットがききすぎて、得ら
れるモノフィラメントの瞬間回復率および遅延回復率が
上記の範囲を外れるばかりか、モノフィラメントが熱劣
化を起こし極端な強度低下を起す傾向となり、150℃
未満の場合には、十分な熱セット効果が得られずに、得
られるモノフィラメントの瞬間回復率および遅延回復率
が上記の範囲を外れる傾向となる。
【0026】さらに、熱セット時間(セッターの通過時
間)としては、0.5秒〜3秒、好ましくは1秒〜2.
4秒の範囲が採用され、熱セット時間が0.5秒未満の
場合は、十分な熱セット効果が得られずに、得られるモ
ノフィラメントの瞬間回復率および遅延回復率が上記の
範囲を外れる傾向となり、3秒を越える場合は、熱セッ
トがききすぎて、得られるモノフィラメントの瞬間回復
率および遅延回復率が上記の範囲を外れるばかりか、モ
ノフィラメントが熱劣化を起こし極端な強度低下を起す
傾向となる。
【0027】上記の熱処理を経て得られるポリアミドモ
ノフィラメントの糸径には特に制限はないが、0.06
5mm(0.15G)〜0.81mm(24G)、好ま
しくは0.10mm(0.35G)〜0.4mm(6
G)の範囲であることが、特にへら鮒用の道糸として望
ましい。
【0028】かくして得られる本発明の釣糸は、強度、
しなやかさ、伸びおよび伸長回復性が均衡にすぐれると
共に、棚ずれやペイントずれを起こしにくく良好な釣果
を発揮するというすぐれた特性を有するものであり、特
にへら鮒用道糸として好適に使用することができる。
【0029】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいて説明する
が、本発明に関わる釣糸の評価は以下の方法に準じて行
った。
【0030】[伸長回復率]スプールに巻き取った試料
を20℃、65%RHの温湿度調整室で24時間放置し
た後、オリエンテック社製“テンシロン”RTM500
型引っ張り試験機を用い、糸長:250mm、引張速
度:300mm/分の条件で測定した引張り破断強力の
30%の応力を掛けた時の糸の伸びをH、30%の応力
を掛けたまま1分間放置し、その後引張速度300mm
/分で糸長:250mmまで戻した時、応力が0になっ
た時点の糸の伸びをH1、糸長:250mmまで戻し3
分間放置した後、引張速度:300mm/分で再び張力
を掛けていき応力が掛かり始めるまでの長さをH2とし
て、式(H−H1)/Hにより瞬間回復率(L1)を、
また式(H−H2)/Hにより遅延回復率(L2)を、
それぞれ算出した。
【0031】[引張り強度]JIS L1013の定義
によった。すなわ、綛状に取った試料を20℃、65%
RHの温24時間放置した後、オリエンテック社製“テ
ンシロン”RTM500型引張り試験機を用い、糸長:
250mm、引張速度:300mm/分の条件で測定し
た切断強力(kgf)を繊度で割り返して引張り強度を
求めた。
【0032】[破断伸度]JIS L1013の定義に
よった。すなわ、綛状に取った試料を20℃、65%R
Hの温24時間放置した後、オリエンテック社製“テン
シロン”RTM500型引張り試験機を用い、糸長:2
50mm、引張速度:300mm/分の条件で測定し、
試料が切断した時の伸びを測定した。
【0033】[直径]デジタルマイクロメーター(MI
TUTOMO製)で釣糸の長径と短径を測定し、その平
均で表示した。
【0034】[曲げ硬さ]50mm長に切り揃えた試料
を、20℃、65%RHの温湿度調整室で24時間放置
した後、間隔10mmを隔てて水平方向に設置された直
径2mmのステンレス棒にセットし、その中央部に直径
2mmのステンレス製フックを掛け、(株)ミネベア製
『TCM−200型万能引張り・圧縮試験機』を用い
て、引取り速度50mm/分で引き抜いた時の最大曲げ
応力(g)を測定した。
【0035】[製糸性]溶融紡糸、延伸および熱処理の
全工程を通じての製糸性を官能評価し、○…問題なく紡
糸可能、△…セッター内でモノフィラメントがやや緩む
がほぼ問題なし、×…セッター内でモノフィラメントが
緩み、安定した紡糸が不可能、の基準で判定した。
【0036】[実釣性]10人の釣人に対し、ポリアミ
ドモノフィラメントをへら鮒用道糸として用いて釣り堀
で実際にへら鮒釣りを行なう実釣テストを依頼し、この
場合の釣糸の寸法変化による棚ずれポイントずれなどの
フィーリング評価結果を、○…釣糸の寸法変化が少な
く、棚ずれ、ポイントずれが気にならないばかりか、釣
果も良好、×…釣糸が寸法変化して、棚ずれ、ポイント
ずれが発生するため、浮き下や仕掛けの張り替えを行な
わなくてはならず、釣果も不良の基準で判定した。
【0037】[実施例1]ナイロン6/66共重合体チ
ップに、ナイロン66チップ20重量%を添加し、さら
に着色剤としてカラーパウダーを0.01重量%添加し
て撹拌ブレンドした原料組成物を、エクストルーダー型
紡糸機に供給し、290℃の温度で溶融し、孔径1.0
mmの口金を通して押し出した後、ただちに10℃の冷
水浴中で冷却固化させることにより未延伸糸を得た。
【0038】上記未延伸糸を、引き続き、1段目延伸条
件:100℃の水蒸気中で3.8倍に延伸し、ついで、
2段目条件:226℃の不活性気体中で1.55倍(ト
ータル延伸倍率6.4倍)に延伸し、その後185℃の
空気をファンにより秒速20mの風速で循環させたセッ
ターに導き、リラックス率0.9倍で1.3秒間の熱セ
ット処理を行った後、タッチローラーにて仕上げ油剤を
付与させ、糸径0.128mmのポリアミドモノフィラ
メントを得た。
【0039】このようにして得られたポリアミドモノフ
ィラメントの物性測定結果およびこれをへら鮒用道糸と
して用いた場合の実釣性の評価結果を表1に示す。
【0040】[実施例2〜3]実施例1において、熱セ
ット時のセッター内の風速を、秒速30m、秒速20
m、熱セット倍率を0.88倍、0.95倍にそれぞれ
条件を変更した以外は同様にして得られたポリアミドモ
ノフィラメントの物性測定結果およびこれらをへら鮒用
道糸として用いた場合の実釣性の評価結果を表1に併記
する。
【0041】[比較例1〜10]実施例1において、熱
セット条件を表1に示したように変更した以外は同様に
して得られたポリアミドモノフィラメントの物性測定結
果およびこれらをへら鮒用道糸として用いた場合の実釣
性の評価結果を表1に併記する。
【0042】
【表1】 表1の結果から明らかなように、本発明による釣糸は、
強度、しなやかさ、伸びおよび伸長回復性が均衡にすぐ
れると共に、棚ずれやペイントずれを起こしにくく良好
な釣果を発揮するものであった。
【0043】一方、本発明外の比較例1〜10の場合
は、釣糸、特にへら用道糸として利用する場合の伸長回
復率特性が不十分であったり、安定した生産ができない
ものであった。
【0044】すなわち、熱セット倍率が高すぎる比較例
1の場合は、遅延回復率が大きくなりすぎて寸法安定性
に欠けるものになってしまい、また熱セット倍率が低す
ぎる比較例2の場合は、セッター内で糸が弛んでしまう
ため安定した生産ができず、正常なサンプリングもでき
なかった。
【0045】熱セット温度が高すぎた比較例3の場合
は、瞬間回復率、遅延回復率がともに低く、セッター内
で熱劣化をこしてしまい、釣糸として求められる強度も
低下してしまった。逆に熱セット温度が低すぎる比較例
4の場合は、遅延回復率が大きくなりすぎて寸法安定性
に欠けるものになってしまった。
【0046】熱セット時のセッター通過時間が短かすぎ
た比較例5の場合は、遅延回復率が大きくなりすぎて寸
法安定性に欠けるものになってしまった。また、熱セッ
ト時のセッター通過時間が長すぎた比較例6の場合は、
熱セットが利きすぎて瞬間回復率、遅延回復率がともに
低く、寸法安定性に欠けるものになってしまった。
【0047】セッター内の気体が動いていない比較例7
の場合は、充分なセット効果が得られず、遅延回復率が
大きくなりすぎて寸法安定性に欠けるものになってしま
った。
【0048】また、セッター内の気体が動いていなくて
熱セット効率が悪いため、セット効果を上げようとして
熱セット温度を高くした比較例8の場合は、セッター内
で糸が溶断してしまいサンプリングができなかった。同
じくセット効果を上げようと熱セット時間を延ばした比
較例9の場合は、モノフィラメントが熱劣化を起こして
しまい、目標とする伸長回復率が得られないばかりか、
極端な強度低下を起こして釣糸として不適当なものにな
ってしまった。
【0049】セッター内の気体は動いているが、風速が
秒速3m以上の範囲を外れている比較例10の場合は、
充分な熱セット効果が得られず、遅延回復率が大きくな
りすぎて寸法安定性に欠けるものになってしまった。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の釣糸は、
強度、しなやかさ、伸びおよび伸長回復性が均衡にすぐ
れると共に、棚ずれやペイントずれを起こしにくく良好
な釣果を発揮するというすぐれた特性を有するものであ
り、特にへら鮒用道糸として好適に使用することができ
る。
【0051】また、本発明の釣糸の製造方法によれば、
熱セッター内の気体を循環せしめるという簡単な方法
で、上記のすぐれた特性を有する釣糸を効率的に製造す
ることができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年7月5日(1999.7.5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の釣糸は、引張り強度が6g/d以上のポ
リアミドモノフィラメントからなり、破断強力の30%
の荷重を掛けたときの糸の伸び長さをH、そのまま1分
間放置した後荷重を外した時の糸の伸び長さをH1、そ
のまま3分間放置した時の糸の伸び長さをH2としたと
きに、式(H−H1)/H×100で算出される瞬間回
復率(L1)が80%以上、かつ式(H−H2)/H×
100で算出される遅延回復率(L2)が90%〜11
0%の範囲にあることを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】かくして得られる本発明の釣糸は、強度、
しなやかさ、伸びおよび伸長回復性が均衡にすぐれると
共に、棚ずれやイントずれを起こしにくく良好な釣果
を発揮するというすぐれた特性を有するものであり、特
にへら鮒用道糸として好適に使用することができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】[伸長回復率]スプールに巻き取った試料
を20℃、65%RHの温湿度調整室で24時間放置し
た後、オリエンテック社製“テンシロン”RTM500
型引っ張り試験機を用い、糸長:250mm、引張速
度:300mm/分の条件で測定した引張り破断強力の
30%の応力を掛けた時の糸の伸び長さをH、30%の
応力を掛けたまま1分間放置し、その後引張速度300
mm/分で糸長:250mmまで戻した時、応力が0に
なった時点の糸の伸び長さをH1、糸長:250mmま
で戻し3分間放置した後、引張速度:300mm/分で
再び張力を掛けていき応力が掛かり始めるまでの伸び
さをH2として、式(H−H1)/H×100により瞬
間回復率(L1)を、また式(H−H2)/H×100
により遅延回復率(L2)を、それぞれ算出した。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正内容】
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の釣糸は、
強度、しなやかさ、伸びおよび伸長回復性が均衡にすぐ
れると共に、棚ずれやイントずれを起こしにくく良好
な釣果を発揮するというすぐれた特性を有するものであ
り、特にへら鮒用道糸として好適に使用することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 天野 清 愛知県岡崎市昭和町字河原1番地 東レ・ モノフィラメント株式会社内 Fターム(参考) 2B107 CA03 4L035 AA05 BB31 BB57 BB79 BB80 BB81 BB88 BB89 BB91 CC02 CC07 DD14 EE08 EE09 EE20 FF02 JJ10 JJ28 LC03 LC05 4L036 MA06 MA34 PA01 PA03 PA10 PA18 PA26 UA30

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミドモノフィラメントからなり、
    破断強力の30%の荷重を掛けたときの糸の伸びをH、
    そのまま1分間放置した後荷重を外した時の糸の長さを
    H1、そのまま3分間放置した時の糸の長さをH2とし
    たときに、式(H−H1)/Hで算出される瞬間回復率
    (L1)が80%以上、かつ式(H−H2)/Hで算出
    される遅延回復率(L2)が90%〜110%の範囲に
    あることを特徴とする釣糸。
  2. 【請求項2】 前記ポリアミドモノフィラメントの引張
    り強度が6g/d以上であることを特徴とする請求項1
    に記載の釣糸。
  3. 【請求項3】 前記ポリアミドモノフィラメントが、ナ
    イロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン6
    12、ナイロン11、ナイロン12、およびこれら各種
    ナイロンの相互共重合体から選ばれた少なくとも1種か
    らなることを特徴とする請求項1又は2に記載の釣糸。
  4. 【請求項4】 前記釣糸がへら鮒釣り用道糸であること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の釣
    糸。
  5. 【請求項5】 ポリアミドを溶融紡糸、延伸した後熱処
    理するに際し、前記熱処理を、秒速3m以上の風速で気
    体を循環せしめたセッター内で行なうことを特徴とする
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の釣糸の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記熱処理を、倍率:0.85〜1倍、
    温度:150〜200℃、時間:0.5〜3秒の条件で
    行なうことを特徴とする請求項5に記載の釣糸の製造方
    法。
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