JP2000279027A - きのこの菌床栽培方法 - Google Patents

きのこの菌床栽培方法

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JP2000279027A
JP2000279027A JP11087980A JP8798099A JP2000279027A JP 2000279027 A JP2000279027 A JP 2000279027A JP 11087980 A JP11087980 A JP 11087980A JP 8798099 A JP8798099 A JP 8798099A JP 2000279027 A JP2000279027 A JP 2000279027A
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wood processing
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JP11087980A
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Shigeru Yamaguchi
茂 山口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】「おがくず」を使用しないで、きのこの菌床栽
培を可能にすることである。 【解決手段】培地原材料に栄養物と水とを加えて混合さ
せた培地をビン又は袋に詰め込んだ後に、殺菌、接種、
菌糸培養等の各処理を順次行って、きのこを栽培する菌
床栽培方法において、前記培地原材料の全部又は一部と
して、木材加工において生ずるかんなくず、ドリルくず
等のおがくずを除く木材加工くずを使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、培地原材料に栄養
物と水とを加えて混合させた培地をビン又は袋に詰め込
んだ後に、殺菌、接種、菌糸培養等の各処理を順次行っ
て、きのこを栽培する菌床栽培方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】最初に、きのこの一つである「エリンギ
ィ」の従来の菌床栽培方法に関して、図5を参照にして
簡単に説明する。木材の鋸加工により生じた「おがく
ず」を培地原材料として、この「おがくず」に、米ぬ
か、フスマ、コーン、麦ぬか等の栄養物、及び水を添加
して、これらを混合攪拌機によって混合攪拌させて培地
を作る。従来、多用されている培地としては、おがくず
とフスマとコーンとを(10:3:0.5)の割合で混
合させたものである。培地原材料としての「おがくず」
は、栽培するきのこの種類に応じて、広葉樹のものと、
スギ、ヒノキ等の針葉樹のものとがある。広葉樹のおが
くずを使用して栽培されるきのことしては、しい茸、な
めこ、きくらげ、レイシ、舞茸等が挙げられ、針葉樹の
おがくずを使用して栽培されるきのことしては、エノ
キ、本しめじ、平茸(しめじ)、エリンギィ等が挙げら
れる。広葉樹のおがくずを使用して、上記きのこを収穫
した後のおがくずは、その内部よりきのこの菌糸が栄養
源として消化されるために、おがくずの硬さは、使用前
に比較して柔らかくなる。一方、針葉樹のおがくずを使
用して上記きのこを栽培した場合には、おがくずの硬さ
の変化は少ない。これは、おがくずの内部において、き
のこの菌糸が栄養源として消化される割合が少ないのが
原因と思われている。なお、針葉樹の「おがくず」を使
用する場合には、数カ月風雨にさらして、「おがくず」
の有する樹脂等の特殊成分を少なくしてから用いる必要
がある。
【0003】次に、上記のようにして生成された培地の
含水率が約65%となるように水分調整した後に、この
培地をビン詰めする。このビンBの一例としては、図1
に示されるような形状のものがあり、例えば、内容量が
800ccのビンBに対しては、培地を約530g詰め
込むことが望ましい。培地をビン詰めした直後に、この
ビンBの開口にキャップCを被せて、乾燥を防ぐ。培地
をビン詰めした後には、培地の殺菌を行う。この殺菌に
は、高圧殺菌と常圧殺菌とがあり、高圧殺菌の場合に
は、培地温度が120°Cになってから1時間位を必要
とし、常圧殺菌の場合には、培地温度が98°Cになっ
てから5時間位を必要とする。
【0004】殺菌後においては、培地を一昼夜冷却させ
て、この培地温度が20°C以下になってから接種す
る。ビン詰めされた培地A’の中央部には、種菌の移植
孔Hが形成されており、種菌は、消毒した室内で接種機
により「おがくず菌」をビン1本当たり15ccの割合
で前記移植孔Hに落し込むことにより接種する。接種後
においては、ビン詰めされた培地を22°Cの培養室に
30日間程度収容して、菌糸の発育を促進させる。培養
後においては、菌糸がビンB内に全面繁殖するため、表
面に接種した種菌のみを除去する「菌かき」を行って、
きのこの発芽を揃える。「菌かき」して、新聞紙をかけ
て、「芽出し」を行うと、芽は、7〜10日位で発生し
てくる。芽が大きくなって新聞紙につかえるようになっ
たら、新聞紙を取り除く。これから7〜10日位で、き
のこが収穫できるようになる。
【0005】上記したように、従来のきのこの菌床栽培
方法における培地原材料は、木材の鋸加工において生ず
る「おがくず」が長年に亘って使用され続け、きのこ栽
培業者の間では、菌床栽培方法においては、「おがく
ず」は、絶対不可欠なものであると、長年信じ続けられ
ていた。ところが、わが国の木材(加工)事情の変化に
よって、「おがくず」の発生量が激減している。このた
め、木材加工により自然発生する「おがくず」ではなく
て、おがくず製造機を使用して、人為的に「おがくず」
と同等に加工した「人造おがくず」が作られ、使用され
ている。しかし、このような「人造おがくず」が作られ
ても、きのこ栽培業者にとって、「おがくず」の継続的
入手が困難になっていると同時に、その価格も高くなっ
ており、「おがくず」を使用したきのこの菌床栽培方法
の変更を余儀なくされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、「お
がくず」を使用しないで、きのこの菌床栽培を可能にす
ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の採用した手段は、培地原材料に栄養物と水と
を加えて混合させた培地をビン又は袋に詰め込んだ後
に、殺菌、接種、菌糸培養等の各処理を順次行って、き
のこを栽培する菌床栽培方法において、前記培地原材料
の全部又は一部として、木材加工において生ずるかんな
くず、ドリルくず等のおがくずを除く木材加工くずを使
用することである。
【0008】例えば、本発明に使用される木材加工くず
の一つである「かんなくず」は、突刺部を有していない
薄片状をしており、同様の「ドリルくず」は、突刺部を
有する薄片状をしている。この木材加工くずは、栄養物
及び水と混合攪拌させて培地を作る際に小片に破砕さ
れ、この状態で、ビン又は袋に詰め込まれる。また、
「かんなくず」、「ドリルくず」等は、いずれも「おが
くず」と同様の木材加工によって生ずる加工くずであっ
て、その木材自体は、同一であり、しかも上記したよう
な詰込み状態では、小片に破砕されているために、きの
この菌床栽培においては、「おがくず」とほぼ同等の作
用を果たすものと思われる。更に、本発明に使用される
培地原材料は、薄片状をしているために、栄養物及び水
との混合攪拌時において、薄片状の培地原材料に給水さ
れて、混合した水が培地原材料の表面に付着したままに
ならない(付着水となりにくい)という利点がある。
【0009】このように、「かんなくず」、「ドリルく
ず」等の木材加工くずは、栄養物及び水との混合攪拌時
において小片に破砕されるが、その破砕後においても、
1片(個)の大きさは、「おがくず」よりは大であるた
めに、その培地をビン又は袋に詰め込んだ後において
は、「おがくず」に比較して、空隙率が大きくなる。こ
の結果、ビン又は袋に詰め込まれた培地の間に生ずる空
隙は、「おがくず」に比較して均一になり易いと同時
に、その底部の空隙が確保され易くなって、培地の目詰
まりが生じにくくなる。このため、培地原材料が「おが
くず」の場合には多量に添加すると目詰まりの原因とな
る微細な米ぬか等の栄養物の多量の添加が可能となっ
て、培地原材料に添加する栄養物の制限が少なくなる。
【0010】また、「かんなくず」、「ドリルくず」等
の「おがくず」を除く木材加工くずは、その加工量が鋸
加工に比較して多いために、木材加工において大量に発
生し、しかもその大部分は、廃棄処分されており、その
処分に困っているのが実情である。本発明によれば、従
来においては廃棄処分されていた木材加工くずを有効に
利用して、きのこの菌床栽培を行うことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態を挙げて、本発
明を更に詳細に説明する。なお、「従来の技術」の項目
で説明した事項と同一事項に関しては説明を省略し、重
複説明を避けて、本発明独自の部分についてのみ説明す
る。本発明は、培地原材料として、「おがくず」を除く
木材加工くずを使用することである。本発明に使用され
る木材加工くずの代表例としては、図2に示されるよう
な「かんなくず10」、或いは「ドリルくず」がある。
「かんなくず」は、突刺部を全く有していない薄片状を
している。
【0012】上記した「かんなくず」は、図3及び図4
に示される混合攪拌機Mによって、栄養物及び水と混合
攪拌される。この混合攪拌機Mは、混合槽1内に回転軸
2が水平に支持されて、該回転軸2に攪拌羽根3が一体
に取付けられている。この攪拌羽根3は、互いに逆方向
に巻回されている一対の螺旋棒4a,4bと、該一対の
螺旋棒4a,4bを回転軸2に取付けている多数の取付
棒5とで構成されている。一対の螺旋棒4a,4bは、
互いに分離されていて、回転軸2の長手方向の中央部に
位置する各螺旋棒4a,4bの端部は、その位相が18
0°ずれた位置に配置されている。前記取付棒5は、回
転軸2の半径方向に沿って配設されている。前記回転軸
2は、モータ6によって駆動回転される。
【0013】このため、培地原材料である「かんなく
ず」と栄養物と水とを混合した培地Aを混合攪拌機Mの
混合槽1に投入して、モータ6によって回転軸2を所定
方向に駆動回転させると、前記培地Aは、該培地Aの内
部に埋まり込んだ状態となっている多数本の取付棒5に
よって混合攪拌されながら、一対の螺旋棒4a,4bに
よって、回転軸2の左右両端から中央部に寄せ集められ
る。このため、混合槽1に収容された混合攪拌中の培地
Aは、その中央部が中高となる。
【0014】そして、混合槽1の内部において、薄片状
の「かんなくず」と、フスマ、コーン等の栄養物と、水
とを混合させた培地Aが混合攪拌される際において、薄
片状の「かんなくず」は、小片に破砕される。また、
「かんなくず」が薄片状をしているために、混合中の水
は、「かんなくず」に吸水される。この結果、混合中の
水が薄片状の「かんなくず」の表面に付着したままの
「付着水」となることはない。
【0015】次に、上記のようにして作られた培地Aを
ビンBに詰め込む。ここで、培地原材料である「かんな
くず」は、混合攪拌機Mによって、栄養物及び水と混合
攪拌される際に、小片に破砕されるが、その破砕後にお
いても、1個(片)の大きさは、「おがくず」よりも大
である。このため、ビンBに培地Aを詰め込んだ場合に
は、「おがくず」を詰め込む場合に比較して空隙率(ビ
ンBに収容された培地Aの全体積に対する内部の空隙部
の割合)が大きくなる。よって、ビンBに詰め込まれた
培地Aの間に生ずる空隙は、培地原材料が「おがくず」
の場合に比較して均一になり易いと同時に、その底部の
空隙が確保され易くなって、培地Aの目詰まりが生じに
くくなって、微細な米ぬか等の栄養物の添加が可能とな
って、培地原材料に添加する栄養物の制限が少なくな
る。また、空隙率が大きくなることにより、栄養物の添
加量を増すことができる。
【0016】以後の各工程は、「従来の技術」の項目で
説明したのと同一である。また、「ドリルくず」を使用
しても、上記「かんなくず」を使用した場合とほぼ同等
の効果が得られる。更に、上記実施態様では、培地原材
料の全部が「かんなくず」の場合であるが、「おがく
ず」に「かんなくず」を適量だけ混合して使用すること
も可能である。なお、上記実施態様は、培地をビン詰め
して菌床栽培を行う方法であるが、培地を袋に詰めて菌
床栽培することも可能である。
【0017】実施例においては、培地原材料として「か
んなくず」を100%使用して、「エリンギィ」の栽培
を行った。その結果、接種から第1回収穫までの期間
は、培地原材料として「おがくず」を使用した場合とほ
ぼ同等であったが、その収穫量において、僅かの増大が
認められた。その理由の一つとしては、上記のように、
「おがくず」に比較して空隙率が大きいために、フス
マ、コーン等の栄養物の添加量を増すことが可能となっ
たことが挙げられる。
【0018】
【発明の効果】本発明は、培地原材料に栄養物と水とを
加えて混合させた培地をビン又は袋に詰め込んだ後に、
殺菌、接種、菌糸培養等の各処理を順次行って、きのこ
を栽培する菌床栽培方法において、前記培地原材料の全
部又は一部として、木材加工において生ずるかんなく
ず、ドリルくず等のおがくずを除く木材加工くずを使用
しているので、上記した各効果が奏されるのに加えて、
木材加工において多量に発生し、しかもその処分に困っ
ていた木材加工くずを有効に利用できる効果も奏され
る。
【0019】また、培地原材料として「おがくず」を除
く木材加工くずを使用した場合においても、きのこの菌
床栽培方法に使用されていた従来の機械類の使用が可能
となって、新たな設備投資を行うことなく、本発明の実
施ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】菌床栽培用のビンBに培地A(A')を収容した
断面図である。
【図2】「かんなくず10」の斜視図である。
【図3】培地Aを作るための混合攪拌機Mの正面図であ
る。
【図4】同じく側面断面図である。
【図5】きのこの菌床栽培方法の各工程を示す図であ
る。
【符号の説明】
A:培地 B:ビン 10:かんなくず(木材加工くず)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 培地原材料に栄養物と水とを加えて混合
    させた培地をビン又は袋に詰め込んだ後に、殺菌、接
    種、菌糸培養等の各処理を順次行って、きのこを栽培す
    る菌床栽培方法において、 前記培地原材料の全部又は一部として、木材加工におい
    て生ずるかんなくず、ドリルくず等のおがくずを除く木
    材加工くずを使用することを特徴とするきのこの菌床栽
    培方法。
  2. 【請求項2】 培地原材料である木材加工くずは、栄養
    物及び水と混合攪拌されることによって、小片に破砕さ
    れた状態でビン又は袋に詰め込まれることを特徴とする
    請求項1に記載のきのこの菌床栽培方法。
JP11087980A 1999-03-30 1999-03-30 きのこの菌床栽培方法 Pending JP2000279027A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030063749A (ko) * 2002-01-23 2003-07-31 신경철 원목 펠렛 혼합재배법

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