JP2000276787A - 光情報記録媒体及びその製造方法 - Google Patents
光情報記録媒体及びその製造方法Info
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- JP2000276787A JP2000276787A JP11082461A JP8246199A JP2000276787A JP 2000276787 A JP2000276787 A JP 2000276787A JP 11082461 A JP11082461 A JP 11082461A JP 8246199 A JP8246199 A JP 8246199A JP 2000276787 A JP2000276787 A JP 2000276787A
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- Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 レーザー光を照射して情報の記録が可能な光
情報記録媒体において、温湿度変化の大きい環境等の過
酷な環境下での記録再生特性及び保存安定性にさらに優
れた光情報記録媒体の製造方法を提供する。 【解決手段】 基板上に、少なくとも、レーザー光を照
射して情報の記録が可能な記録層と、光反射層と、を有
する光情報記録媒体の製造方法において、前記記録層
が、沸点200℃以上の高沸点化合物の含有量が130
ppm以下のフッ素系アルコールに、少なくともレーザ
ー照射により分解可能な色素を溶解した塗布液を基板上
に塗布することにより設けられることを特徴とする光情
報記録媒体の製造方法。レーザー照射により分解可能な
色素がシアニン系色素である態様、フッ素系アルコール
がテトラフルオロプロパノールである態様が好ましい。
情報記録媒体において、温湿度変化の大きい環境等の過
酷な環境下での記録再生特性及び保存安定性にさらに優
れた光情報記録媒体の製造方法を提供する。 【解決手段】 基板上に、少なくとも、レーザー光を照
射して情報の記録が可能な記録層と、光反射層と、を有
する光情報記録媒体の製造方法において、前記記録層
が、沸点200℃以上の高沸点化合物の含有量が130
ppm以下のフッ素系アルコールに、少なくともレーザ
ー照射により分解可能な色素を溶解した塗布液を基板上
に塗布することにより設けられることを特徴とする光情
報記録媒体の製造方法。レーザー照射により分解可能な
色素がシアニン系色素である態様、フッ素系アルコール
がテトラフルオロプロパノールである態様が好ましい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザー光を用い
て、情報の記録及び再生を行うことができる光情報記録
媒体及びその製造方法に関する。
て、情報の記録及び再生を行うことができる光情報記録
媒体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高エネルギー強度を有するレーザ
ー光等を用いて、種々の情報信号を記録することのでき
る光情報記録媒体が開発され、該光情報記録媒体は光デ
ィスク(CD、DVD)と称され、例えば、ビデオディ
スク、オーディオディスク等の光ディスクや大容量静止
画像ファイル、大容量コンピュータ用ディスクメモリ
ー、或いは、光カード、マイクロ画像記録媒体、超マイ
クロ画像記録媒体、マイクロファクシミリ、写真植字用
原版等に応用されている。光ディスクの中でも、一回限
りの情報の記録が可能な光ディスクは、追記型CD(C
D−R、DVD−R)と称され、必要な情報をCD−R
又はDVD−R記録装置を用いて記録することができ、
しかも少数でも安価に、かつ迅速に作製することができ
る利点がある。
ー光等を用いて、種々の情報信号を記録することのでき
る光情報記録媒体が開発され、該光情報記録媒体は光デ
ィスク(CD、DVD)と称され、例えば、ビデオディ
スク、オーディオディスク等の光ディスクや大容量静止
画像ファイル、大容量コンピュータ用ディスクメモリ
ー、或いは、光カード、マイクロ画像記録媒体、超マイ
クロ画像記録媒体、マイクロファクシミリ、写真植字用
原版等に応用されている。光ディスクの中でも、一回限
りの情報の記録が可能な光ディスクは、追記型CD(C
D−R、DVD−R)と称され、必要な情報をCD−R
又はDVD−R記録装置を用いて記録することができ、
しかも少数でも安価に、かつ迅速に作製することができ
る利点がある。
【0003】前記追記型の光情報記録媒体は、一般に、
プラスチック、ガラス等からなる透明な基板上に、情報
を記録することが可能な記録層、金属からなる光反射
層、樹脂等からなる保護層等をこの順に積層して構成さ
れる。前記記録層に用いる材料としては、Bi、Sn、
In、Te等の金属又は半金属やシアニン系、金属錯体
系、キノン系等の有機色素が知られている。また、市販
のプレーヤーで再生できるように、近赤外域のレーザー
光に対する反射率は70%程度必要である。このため、
記録層上には前記光反射層が設けられ、高い反射率が得
られること、耐食性等においても優れていること等か
ら、一般に光反射層の形成には金(Au)や銀(Ag)
が用いられる。
プラスチック、ガラス等からなる透明な基板上に、情報
を記録することが可能な記録層、金属からなる光反射
層、樹脂等からなる保護層等をこの順に積層して構成さ
れる。前記記録層に用いる材料としては、Bi、Sn、
In、Te等の金属又は半金属やシアニン系、金属錯体
系、キノン系等の有機色素が知られている。また、市販
のプレーヤーで再生できるように、近赤外域のレーザー
光に対する反射率は70%程度必要である。このため、
記録層上には前記光反射層が設けられ、高い反射率が得
られること、耐食性等においても優れていること等か
ら、一般に光反射層の形成には金(Au)や銀(Ag)
が用いられる。
【0004】光情報記録媒体への情報の書き込み(記
録)は、高エネルギー強度を有する近赤外域のレーザー
光(通常780nm付近の波長を有するレーザー光)等
を所望の情報信号に変調して、光情報記録媒体上に照射
することにより行われ、記録層の照射部分がそのレーザ
ー光を吸収して局所的に発熱し、基板の変形や記録層中
の色素分解等の物理的或いは化学的変化により屈折率が
変化して、その光学的特性を変えることにより情報信号
が記録される。
録)は、高エネルギー強度を有する近赤外域のレーザー
光(通常780nm付近の波長を有するレーザー光)等
を所望の情報信号に変調して、光情報記録媒体上に照射
することにより行われ、記録層の照射部分がそのレーザ
ー光を吸収して局所的に発熱し、基板の変形や記録層中
の色素分解等の物理的或いは化学的変化により屈折率が
変化して、その光学的特性を変えることにより情報信号
が記録される。
【0005】前記のように記録した光情報記録媒体から
記録情報を読み取る(再生する)場合にも、記録に用い
るレーザー光と同じ波長のレーザー光を照射することに
より行われ、記録層の光学的特性が変化した部分(ピッ
トの生成等による記録部分)と変化を生じていない部分
(未記録部分)との反射率の違いを検出することにより
情報信号を再生することができる。
記録情報を読み取る(再生する)場合にも、記録に用い
るレーザー光と同じ波長のレーザー光を照射することに
より行われ、記録層の光学的特性が変化した部分(ピッ
トの生成等による記録部分)と変化を生じていない部分
(未記録部分)との反射率の違いを検出することにより
情報信号を再生することができる。
【0006】前記のような追記型の光情報記録媒体に
は、一般に有機色素が用いられるが、該有機色素として
は、例えば、ベンゾインドレニン骨格(インドレニン骨
格にベンゼン環が縮合した構造)を有するシアニン系色
素が有利に用いられている。ところが、シアニン系色素
等を含むほとんどの有機色素は、一般に溶解性が低いた
め、記録層形成用の塗布液を調製する場合には、通常、
有機色素の溶解度の高い溶剤が選択され、ジクロロメタ
ン、ジクロロエタン等の塩素化炭化水素系溶剤が使用さ
れる。しかし、これらの塩素化炭化水素系溶剤を用いた
場合、基板として好適に用いられるプラスチック系基板
は耐溶剤性が低いため、記録層形成用の塗布液を塗布し
て記録層を形成する過程でプラスチック基板表面が溶解
し、基板表面に設けられたトラッキング用グルーブ等の
凹凸が消失したり、溶出したプラスチック成分が、記録
層形成用の塗布液中に混入して、記録層の光学的特性が
変化した部分(ピットの生成等による記録部分)の反射
率が低下する等の問題がある。
は、一般に有機色素が用いられるが、該有機色素として
は、例えば、ベンゾインドレニン骨格(インドレニン骨
格にベンゼン環が縮合した構造)を有するシアニン系色
素が有利に用いられている。ところが、シアニン系色素
等を含むほとんどの有機色素は、一般に溶解性が低いた
め、記録層形成用の塗布液を調製する場合には、通常、
有機色素の溶解度の高い溶剤が選択され、ジクロロメタ
ン、ジクロロエタン等の塩素化炭化水素系溶剤が使用さ
れる。しかし、これらの塩素化炭化水素系溶剤を用いた
場合、基板として好適に用いられるプラスチック系基板
は耐溶剤性が低いため、記録層形成用の塗布液を塗布し
て記録層を形成する過程でプラスチック基板表面が溶解
し、基板表面に設けられたトラッキング用グルーブ等の
凹凸が消失したり、溶出したプラスチック成分が、記録
層形成用の塗布液中に混入して、記録層の光学的特性が
変化した部分(ピットの生成等による記録部分)の反射
率が低下する等の問題がある。
【0007】また、追記型の光情報記録媒体は、記録再
生特性に優れていること、記録後においても高い耐光性
を有していることが望まれる。しかし、従来、その耐光
性は必ずしも十分ではなく、高温高湿下、或いは、温湿
度変化の大きい環境下等の劣悪な環境下での使用状況や
保存状況により有機色素が分解等して所望の耐光性が得
られない場合があり、光情報記録媒体の記録前後におけ
る保存安定性に対する改善も求められている。
生特性に優れていること、記録後においても高い耐光性
を有していることが望まれる。しかし、従来、その耐光
性は必ずしも十分ではなく、高温高湿下、或いは、温湿
度変化の大きい環境下等の劣悪な環境下での使用状況や
保存状況により有機色素が分解等して所望の耐光性が得
られない場合があり、光情報記録媒体の記録前後におけ
る保存安定性に対する改善も求められている。
【0008】さらに、追記型の光情報記録媒体は、記録
装置や価格等の面で手頃なものとなったものの、未だ情
報信号の記録には、極めて高いエネルギー強度を有する
レーザー光を用いる必要があり、上記保存安定性の向上
とともに、更なる高感度化が要求されている。
装置や価格等の面で手頃なものとなったものの、未だ情
報信号の記録には、極めて高いエネルギー強度を有する
レーザー光を用いる必要があり、上記保存安定性の向上
とともに、更なる高感度化が要求されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、前記問
題点を解決するため、記録層形成用の塗布液の調製に用
いる溶媒として、フッ素系溶剤を使用することにより、
記録再生特性に優れ、保存安定性の向上を図ることがで
きる技術について、既に出願中である(特開昭63−1
59090号公報、特開昭63−193344号公報、
特開昭63−1911687号公報、特開昭63−19
3343号公報)。しかしながら、ある特定のフッ素系
溶剤を用い、同一条件下で製造した光情報記録媒体にお
いて、その製造ロット間で記録再生特性や保存安定性等
にバラツキがあることが判明し、解析を行ったところ、
使用するフッ素系溶剤中の高沸点化合物が一定量以上含
まれると、製造ロット間で一定の性能を有する製品を製
造することができないということが分かった。
題点を解決するため、記録層形成用の塗布液の調製に用
いる溶媒として、フッ素系溶剤を使用することにより、
記録再生特性に優れ、保存安定性の向上を図ることがで
きる技術について、既に出願中である(特開昭63−1
59090号公報、特開昭63−193344号公報、
特開昭63−1911687号公報、特開昭63−19
3343号公報)。しかしながら、ある特定のフッ素系
溶剤を用い、同一条件下で製造した光情報記録媒体にお
いて、その製造ロット間で記録再生特性や保存安定性等
にバラツキがあることが判明し、解析を行ったところ、
使用するフッ素系溶剤中の高沸点化合物が一定量以上含
まれると、製造ロット間で一定の性能を有する製品を製
造することができないということが分かった。
【0010】一方、近年、追記型の光情報記録媒体は、
従来の特定の専門業者を対象とする用途から、一般消費
者を対象とする汎用な用途にまで拡大、普及されてきて
おり、一般に普及している記録再生装置で使用可能なこ
とやコンピューターの普及に伴いCD−ROMの流通量
が増加していること等から、汎用の装置で安定に記録再
生ができ、また高温高湿下、或いは、温湿度変化の大き
い環境等のあらゆる過酷な環境下での記録再生特性及び
保存安定性の更なる向上が要求されている。
従来の特定の専門業者を対象とする用途から、一般消費
者を対象とする汎用な用途にまで拡大、普及されてきて
おり、一般に普及している記録再生装置で使用可能なこ
とやコンピューターの普及に伴いCD−ROMの流通量
が増加していること等から、汎用の装置で安定に記録再
生ができ、また高温高湿下、或いは、温湿度変化の大き
い環境等のあらゆる過酷な環境下での記録再生特性及び
保存安定性の更なる向上が要求されている。
【0011】そこで、本発明は、前記従来における諸問
題と前記要求に鑑み、以下の目的を達成することを課題
とする。即ち、本発明は、CD−RやDVD−R等の追
記型の光情報記録媒体において、汎用の装置での安定な
記録再生ができ、温湿度変化の大きい環境等の過酷な環
境下での記録再生特性及び保存安定性にさらに優れた光
情報記録媒体及びその製造方法を提供することを目的と
する。
題と前記要求に鑑み、以下の目的を達成することを課題
とする。即ち、本発明は、CD−RやDVD−R等の追
記型の光情報記録媒体において、汎用の装置での安定な
記録再生ができ、温湿度変化の大きい環境等の過酷な環
境下での記録再生特性及び保存安定性にさらに優れた光
情報記録媒体及びその製造方法を提供することを目的と
する。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段は以下の通りである。即ち、 <1> 基板上に、少なくとも、レーザー光を照射して
情報の記録が可能な記録層と、光反射層と、を有する光
情報記録媒体の製造方法において、前記記録層が、沸点
200℃以上の高沸点化合物の含有量が130ppm以
下のフッ素系アルコールに、少なくともレーザー照射に
より分解可能な色素を溶解した塗布液を基板上に塗布す
ることにより設けられることを特徴とする光情報記録媒
体の製造方法である。前記沸点200℃以上の高沸点化
合物の含有量は、100ppm以下であることが好まし
い。
の手段は以下の通りである。即ち、 <1> 基板上に、少なくとも、レーザー光を照射して
情報の記録が可能な記録層と、光反射層と、を有する光
情報記録媒体の製造方法において、前記記録層が、沸点
200℃以上の高沸点化合物の含有量が130ppm以
下のフッ素系アルコールに、少なくともレーザー照射に
より分解可能な色素を溶解した塗布液を基板上に塗布す
ることにより設けられることを特徴とする光情報記録媒
体の製造方法である。前記沸点200℃以上の高沸点化
合物の含有量は、100ppm以下であることが好まし
い。
【0013】<2> レーザー照射により分解可能な色
素が、シアニン系色素である前記<1>に記載の光情報
記録媒体の製造方法である。 <3> フッ素系アルコールが、テトラフルオロプロパ
ノールである前記<1>又は<2>に記載の光情報記録
媒体の製造方法である。 <4> 前記<1>〜<3>のいずれかに記載の光情報
記録媒体の製造方法により得られることを特徴とする光
情報記録媒体である。
素が、シアニン系色素である前記<1>に記載の光情報
記録媒体の製造方法である。 <3> フッ素系アルコールが、テトラフルオロプロパ
ノールである前記<1>又は<2>に記載の光情報記録
媒体の製造方法である。 <4> 前記<1>〜<3>のいずれかに記載の光情報
記録媒体の製造方法により得られることを特徴とする光
情報記録媒体である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の光情報記録媒体の製造方
法においては、沸点200℃以上の高沸点化合物の含有
量が130ppm以下のフッ素系アルコールに、少なく
ともレーザー照射により分解可能な色素を溶解した記録
層形成用塗布液を調製し、該塗布液を基板上に塗布する
ことにより記録層を形成する。前記記録層上には、金属
からなる光反射層を積層し、必要に応じて、その他の層
が設けられる。本発明の光情報記録媒体は、基板上に、
少なくともレーザー光を照射して情報の記録が可能な記
録層と光反射層とが積層され、必要に応じて、さらにそ
の他の層を有して構成され、前記本発明の光情報記録媒
体の製造方法により製造される。以下、本発明の光情報
記録媒体の製造方法について詳細に説明するとともに、
本発明の光情報記録媒体についても明らかにする。
法においては、沸点200℃以上の高沸点化合物の含有
量が130ppm以下のフッ素系アルコールに、少なく
ともレーザー照射により分解可能な色素を溶解した記録
層形成用塗布液を調製し、該塗布液を基板上に塗布する
ことにより記録層を形成する。前記記録層上には、金属
からなる光反射層を積層し、必要に応じて、その他の層
が設けられる。本発明の光情報記録媒体は、基板上に、
少なくともレーザー光を照射して情報の記録が可能な記
録層と光反射層とが積層され、必要に応じて、さらにそ
の他の層を有して構成され、前記本発明の光情報記録媒
体の製造方法により製造される。以下、本発明の光情報
記録媒体の製造方法について詳細に説明するとともに、
本発明の光情報記録媒体についても明らかにする。
【0015】まず、本発明の光情報記録媒体の製造方法
について詳細に説明する。円盤状の基板上に記録層形成
用の塗布液を公知の塗布装置により均一に塗布した後、
アニール処理を施して乾燥し記録層を形成する。記録層
形成用の塗布液を塗布する公知の塗布装置としては、例
えば、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロー
ルコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、ス
クリーン印刷法等を挙げることができる。中でも、従来
より光ディスクを製造に有利な方法として用いられるス
ピンコート法が好ましい。スピンコート法を用いた場
合、回転している円盤状の基板表面上の内周側に記録層
形成用塗布液を滴下し、遠心力により該塗布液を外周側
に流延させて塗膜を形成させると共に、その余分の塗布
液を基板の外周縁部から振り切り、その周囲に放出さ
せ、さらに基板上に塗布した塗膜から溶剤を除去するこ
とにより均一な記録層を形成することができる。
について詳細に説明する。円盤状の基板上に記録層形成
用の塗布液を公知の塗布装置により均一に塗布した後、
アニール処理を施して乾燥し記録層を形成する。記録層
形成用の塗布液を塗布する公知の塗布装置としては、例
えば、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロー
ルコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、ス
クリーン印刷法等を挙げることができる。中でも、従来
より光ディスクを製造に有利な方法として用いられるス
ピンコート法が好ましい。スピンコート法を用いた場
合、回転している円盤状の基板表面上の内周側に記録層
形成用塗布液を滴下し、遠心力により該塗布液を外周側
に流延させて塗膜を形成させると共に、その余分の塗布
液を基板の外周縁部から振り切り、その周囲に放出さ
せ、さらに基板上に塗布した塗膜から溶剤を除去するこ
とにより均一な記録層を形成することができる。
【0016】上記のようにして形成した記録層は、情報
信号に応じて変調したレーザー光等の高エネルギー強度
を有する光を照射することにより記録することが可能な
層であり、少なくともレーザー照射により分解可能な色
素からなる層、或いは、少なくとも、レーザー照射によ
り分解可能な色素と、該有機色素を分散、結合するため
の結合剤等とを含む層である。
信号に応じて変調したレーザー光等の高エネルギー強度
を有する光を照射することにより記録することが可能な
層であり、少なくともレーザー照射により分解可能な色
素からなる層、或いは、少なくとも、レーザー照射によ
り分解可能な色素と、該有機色素を分散、結合するため
の結合剤等とを含む層である。
【0017】<記録層形成用塗布液>記録層形成に用い
る記録層形成用塗布液は、レーザー照射により分解可能
な色素(以下、「有機色素」という場合がある。)等を
溶剤中に溶解して調製される。本発明では、溶剤とし
て、沸点200℃以上の高沸点化合物の含有量が130
ppm以下のフッ素系アルコールを用いる点に特徴があ
る。さらに、フッ素系アルコール中の前記高沸点化合物
の含有量としては、100ppm以下が好ましく、50
ppm以下がより好ましく、さらに少ないことが最も好
ましい。前記高沸点化合物の含有量が、130ppmを
超えると、温湿度変化の大きい環境等の過酷な環境下で
の安定な記録、再生特性が劣り、また十分な保存安定性
の向上を図ることができないことがある。前記高沸点化
合物の含有量は、用いるフッ素系アルコール1Lをフラ
スコに入れ、40〜50℃,20〜40mmHgの条件
下でエバポレートを行い、液状物を完全に揮発させた
後、残った残留物の重量より求めることができる。
る記録層形成用塗布液は、レーザー照射により分解可能
な色素(以下、「有機色素」という場合がある。)等を
溶剤中に溶解して調製される。本発明では、溶剤とし
て、沸点200℃以上の高沸点化合物の含有量が130
ppm以下のフッ素系アルコールを用いる点に特徴があ
る。さらに、フッ素系アルコール中の前記高沸点化合物
の含有量としては、100ppm以下が好ましく、50
ppm以下がより好ましく、さらに少ないことが最も好
ましい。前記高沸点化合物の含有量が、130ppmを
超えると、温湿度変化の大きい環境等の過酷な環境下で
の安定な記録、再生特性が劣り、また十分な保存安定性
の向上を図ることができないことがある。前記高沸点化
合物の含有量は、用いるフッ素系アルコール1Lをフラ
スコに入れ、40〜50℃,20〜40mmHgの条件
下でエバポレートを行い、液状物を完全に揮発させた
後、残った残留物の重量より求めることができる。
【0018】溶剤としてフッ素系アルコールを用いるこ
とは、記録層中にフッ素元素を存在させうる点で記録層
の高感度化及び保存安定性の向上を図る点で好ましい
が、さらに高沸点化合物の含有量が前記範囲にあるフッ
素系アルコールを用いることにより、汎用の装置での安
定な記録再生ができ、温湿度変化の大きい環境等の過酷
な環境下での記録再生特性及び保存安定性をさらに向上
させることができる。
とは、記録層中にフッ素元素を存在させうる点で記録層
の高感度化及び保存安定性の向上を図る点で好ましい
が、さらに高沸点化合物の含有量が前記範囲にあるフッ
素系アルコールを用いることにより、汎用の装置での安
定な記録再生ができ、温湿度変化の大きい環境等の過酷
な環境下での記録再生特性及び保存安定性をさらに向上
させることができる。
【0019】ここで、前記高沸点化合物とは、沸点が2
00℃以上のフッ素系の化合物をいい、例えば、フッ素
系溶剤の生成時における副生成物等が挙げられる。該副
生成物は、一種類のみに限られず、複数種が混在して含
まれる場合もある。本発明の光情報記録媒体の製造方法
においては、前記フッ素系溶剤を用いて塗布液とし、こ
れを基板上に塗布した後、アニール処理し乾燥して記録
層が形成されるが、前記高沸点化合物は記録層中にその
まま残存して、光情報記録媒体の記録再生特性及び保存
安定性を劣化させる。前記高沸点化合物を除去する方法
としては、予め用いる溶媒を蒸留、吸着、濾過等の処理
方法が挙げられる。
00℃以上のフッ素系の化合物をいい、例えば、フッ素
系溶剤の生成時における副生成物等が挙げられる。該副
生成物は、一種類のみに限られず、複数種が混在して含
まれる場合もある。本発明の光情報記録媒体の製造方法
においては、前記フッ素系溶剤を用いて塗布液とし、こ
れを基板上に塗布した後、アニール処理し乾燥して記録
層が形成されるが、前記高沸点化合物は記録層中にその
まま残存して、光情報記録媒体の記録再生特性及び保存
安定性を劣化させる。前記高沸点化合物を除去する方法
としては、予め用いる溶媒を蒸留、吸着、濾過等の処理
方法が挙げられる。
【0020】前記フッ素系アルコールとしては、公知の
ものの中から適宜選択して用いることができ、例えば、
下記一般式(1)で表される化合物を挙げることができ
る。
ものの中から適宜選択して用いることができ、例えば、
下記一般式(1)で表される化合物を挙げることができ
る。
【0021】
【化1】
【0022】〔式中、Aは、CF3又はH(CF2C
F2)nを表し、nは、1〜3の整数を表す。〕
F2)nを表し、nは、1〜3の整数を表す。〕
【0023】前記一般式(1)で表される化合物として
は、具体的には、H(CF2CF2)−CH2OH、H
(CF2CF2)2−CH2OH、CF3−CH2OH等を挙
げることができる。
は、具体的には、H(CF2CF2)−CH2OH、H
(CF2CF2)2−CH2OH、CF3−CH2OH等を挙
げることができる。
【0024】本発明に用いることのできるフッ素系アル
コールとしては、前記化合物に限定されるものではな
く、1分子中に少なくとも1つのフッ素原子と水酸基を
有する化合物であって、有機色素に対して溶媒として機
能しうるものであれば使用することができる。
コールとしては、前記化合物に限定されるものではな
く、1分子中に少なくとも1つのフッ素原子と水酸基を
有する化合物であって、有機色素に対して溶媒として機
能しうるものであれば使用することができる。
【0025】溶剤として用いる前記フッ素系溶剤の使用
量としては、有機色素1重量部に対し5〜100重量部
が好ましく、10〜40重量部がより好ましい。前記使
用量が上記範囲から外れる場合には、塗布液を塗布して
記録層を形成する場合に塗膜の膜厚にバラツキが生じや
すくなり、ピット精度のバラツキを生ずる原因となるこ
とがある。
量としては、有機色素1重量部に対し5〜100重量部
が好ましく、10〜40重量部がより好ましい。前記使
用量が上記範囲から外れる場合には、塗布液を塗布して
記録層を形成する場合に塗膜の膜厚にバラツキが生じや
すくなり、ピット精度のバラツキを生ずる原因となるこ
とがある。
【0026】前記フッ素系溶剤は、単独で用いても、或
いは、他の溶剤と併用して混合溶剤として用いてもよ
い。前記フッ素系溶剤と併用して用いることができる他
の溶剤としては、有機色素を溶解可能な公知の溶剤の中
から、適宜選択して用いることができる。具体的には、
トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソ
ルブアセテート、メチルエチルケトン、ジクロルメタ
ン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルム、ジメチルホ
ルムアミド、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ン、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、エチルエー
テル、ジオキサン、エタノール、n−プロパノール、イ
ソプロパノール、n−ブタノール等が挙げられる。
いは、他の溶剤と併用して混合溶剤として用いてもよ
い。前記フッ素系溶剤と併用して用いることができる他
の溶剤としては、有機色素を溶解可能な公知の溶剤の中
から、適宜選択して用いることができる。具体的には、
トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソ
ルブアセテート、メチルエチルケトン、ジクロルメタ
ン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルム、ジメチルホ
ルムアミド、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ン、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、エチルエー
テル、ジオキサン、エタノール、n−プロパノール、イ
ソプロパノール、n−ブタノール等が挙げられる。
【0027】前記フッ素系溶剤と他の溶剤との混合溶剤
を用いる場合、該混合溶液中のフッ素系溶剤の混合比
は、混合する他の溶剤の種類や用いる有機色素又は基板
の種類により異なる。即ち、有機色素に対する溶解性や
基板の耐溶剤性の双方を確保する必要があり、これらの
性能により記録媒体の記録、再生特性が微妙に影響され
るため、記録媒体の特性に応じて適宜決定する。
を用いる場合、該混合溶液中のフッ素系溶剤の混合比
は、混合する他の溶剤の種類や用いる有機色素又は基板
の種類により異なる。即ち、有機色素に対する溶解性や
基板の耐溶剤性の双方を確保する必要があり、これらの
性能により記録媒体の記録、再生特性が微妙に影響され
るため、記録媒体の特性に応じて適宜決定する。
【0028】次に、前記記録層に含有させるレーザー照
射により分解可能な色素(有機色素)について説明す
る。本発明の光情報記録媒体の記録層に使用することの
できる有機色素としては、レーザーの照射により分解可
能な色素であって、記録層が、塗布液を基板上に塗布す
ることにより形成されるため、前記フッ素系アルコール
又はフッ素系アルコール含有混合溶液に溶解可能なもの
であれば、公知の有機色素の中から、目的に応じて適宜
選択して使用することができる。前記レーザー照射によ
り分解可能な色素とは、情報信号の記録に用いるレーザ
ー光を所望の強度で照射することにより、照射部の光学
特性が変化する色素をいう。従って、再びその光学特性
が変化した部分をレーザー走査した場合、その光学特性
の変化に応じた、各々異なった反射光が発せられ、情報
信号を再生することが可能となる。
射により分解可能な色素(有機色素)について説明す
る。本発明の光情報記録媒体の記録層に使用することの
できる有機色素としては、レーザーの照射により分解可
能な色素であって、記録層が、塗布液を基板上に塗布す
ることにより形成されるため、前記フッ素系アルコール
又はフッ素系アルコール含有混合溶液に溶解可能なもの
であれば、公知の有機色素の中から、目的に応じて適宜
選択して使用することができる。前記レーザー照射によ
り分解可能な色素とは、情報信号の記録に用いるレーザ
ー光を所望の強度で照射することにより、照射部の光学
特性が変化する色素をいう。従って、再びその光学特性
が変化した部分をレーザー走査した場合、その光学特性
の変化に応じた、各々異なった反射光が発せられ、情報
信号を再生することが可能となる。
【0029】具体的には、シアニン色素、フタロシアニ
ン色素、イミダゾキノキサリン系色素、ピリリウム系・
チオピリリウム系色素、アズレニウム系色素、スクワリ
リウム系色素、Ni、Crなどの金属錯塩系色素、ナフ
トキノン系色素、アントラキノン系色素、インドフェノ
ール系色素、インドアニリン系色素、トリフェニルメタ
ン系色素、メロシアニン系色素、オキソノール系色素、
アミニウム系・ジインモニウム系色素又はニトロソ化合
物を挙げることができる。中でも、シアニン色素が好ま
しく、ベンゾインドレニン色素がより好ましく、下記一
般式(2)で表される色素が、特に好ましい。
ン色素、イミダゾキノキサリン系色素、ピリリウム系・
チオピリリウム系色素、アズレニウム系色素、スクワリ
リウム系色素、Ni、Crなどの金属錯塩系色素、ナフ
トキノン系色素、アントラキノン系色素、インドフェノ
ール系色素、インドアニリン系色素、トリフェニルメタ
ン系色素、メロシアニン系色素、オキソノール系色素、
アミニウム系・ジインモニウム系色素又はニトロソ化合
物を挙げることができる。中でも、シアニン色素が好ま
しく、ベンゾインドレニン色素がより好ましく、下記一
般式(2)で表される色素が、特に好ましい。
【0030】
【化2】
【0031】前記一般式(2)中、R1 は一価の基を表
す。一価の基としては、置換又は無置換のアルキル基が
好ましい。前記アルキル基としては、炭素数1〜18の
アルキル基が好ましく、炭素数1〜12のアルキル基が
より好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が最も好まし
い。また、該アルキル基は、直鎖でも分岐でもよく、置
換されているときの置換基としては、フッ素原子、塩素
原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等のア
ルコキシ基;メチルチオ基、エチルチオ基等のアルキル
チオ基;アセチル基等のアシル基;ヒドロキシ基;エト
キシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;ビニル
基等のアルケニル基;フェニル基等のアリール基が挙げ
られる。
す。一価の基としては、置換又は無置換のアルキル基が
好ましい。前記アルキル基としては、炭素数1〜18の
アルキル基が好ましく、炭素数1〜12のアルキル基が
より好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が最も好まし
い。また、該アルキル基は、直鎖でも分岐でもよく、置
換されているときの置換基としては、フッ素原子、塩素
原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等のア
ルコキシ基;メチルチオ基、エチルチオ基等のアルキル
チオ基;アセチル基等のアシル基;ヒドロキシ基;エト
キシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;ビニル
基等のアルケニル基;フェニル基等のアリール基が挙げ
られる。
【0032】前記一般式(2)中、R2及びR3は、それ
ぞれ独立に一価の基を表す。一価の基としては、置換又
は無置換のアルキル基が好ましい。前記アルキル基とし
ては、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル
基、エチル基がより好ましい。R2及びR3は、互いに結
合して環を形成していてもよい。前記一般式(2)中、
R4は、一価の基を表す。一価の基としては、水素原
子、炭素数1〜16のアルキル基、ハロゲン原子、アラ
ルキル基が好ましく、メチル基、エチル基又はベンジル
基がより好ましく、メチル基が最も好ましい。
ぞれ独立に一価の基を表す。一価の基としては、置換又
は無置換のアルキル基が好ましい。前記アルキル基とし
ては、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル
基、エチル基がより好ましい。R2及びR3は、互いに結
合して環を形成していてもよい。前記一般式(2)中、
R4は、一価の基を表す。一価の基としては、水素原
子、炭素数1〜16のアルキル基、ハロゲン原子、アラ
ルキル基が好ましく、メチル基、エチル基又はベンジル
基がより好ましく、メチル基が最も好ましい。
【0033】前記一般式(2)中、Xn-は、陰イオンを
表し、nは、1〜3の整数を表す。前記陰イオンとして
は、ハライドイオン、スルホネートイオン、ClO4-、
BF 4-、SbF5-、金属錯体イオン、リン酸イオンを挙
げることができる。中でも、2価の陰イオン(n=2)
が好ましく、下記一般式(3)で表される2価の陰イオ
ンが特に好ましい。
表し、nは、1〜3の整数を表す。前記陰イオンとして
は、ハライドイオン、スルホネートイオン、ClO4-、
BF 4-、SbF5-、金属錯体イオン、リン酸イオンを挙
げることができる。中でも、2価の陰イオン(n=2)
が好ましく、下記一般式(3)で表される2価の陰イオ
ンが特に好ましい。
【0034】
【化3】
【0035】前記一般式(3)中、R5〜R10は、それ
ぞれ独立に一価の基を表す。一価の基としては、水素原
子、アルキル基、ハロゲン原子、アラルキル基が好まし
く、水素原子、炭素数原子数8以下のアルキル基がより
好ましく、メチル基が最も好ましい。
ぞれ独立に一価の基を表す。一価の基としては、水素原
子、アルキル基、ハロゲン原子、アラルキル基が好まし
く、水素原子、炭素数原子数8以下のアルキル基がより
好ましく、メチル基が最も好ましい。
【0036】記録層形成用塗布液としては、前記有機色
素を適当なフッ素系アルコール溶剤に溶解して含有する
塗布液が用いられる。塗布液中の有機色素の濃度として
は、一般に、0.01〜15重量%が好ましく、0.1
〜10重量%がより好ましく、0.5〜5重量%が特に
好ましく、0.5〜3重量%が最も好ましい。
素を適当なフッ素系アルコール溶剤に溶解して含有する
塗布液が用いられる。塗布液中の有機色素の濃度として
は、一般に、0.01〜15重量%が好ましく、0.1
〜10重量%がより好ましく、0.5〜5重量%が特に
好ましく、0.5〜3重量%が最も好ましい。
【0037】記録層用塗布液には、前記溶剤及び有機色
素のほか、所望により結合剤、退色防止剤等を添加して
もよいし、さらに目的に応じて、酸化防止剤、UV吸収
剤、可塑剤、そして潤滑剤など各種の添加剤を目的に応
じて添加してもよい。
素のほか、所望により結合剤、退色防止剤等を添加して
もよいし、さらに目的に応じて、酸化防止剤、UV吸収
剤、可塑剤、そして潤滑剤など各種の添加剤を目的に応
じて添加してもよい。
【0038】前記退色防止剤としては、例えば、ニトロ
ソ化合物、金属錯体、ジインモニウム塩、アミニウム塩
等を挙げることができる。これらは、例えば、特開平2
−300288号、同3−224793号、及び同4−
146189号等の各公報に記載されている。本発明に
おいては、前記退色防止剤のうち、下記一般式(4)で
表される退色防止剤が好ましい。
ソ化合物、金属錯体、ジインモニウム塩、アミニウム塩
等を挙げることができる。これらは、例えば、特開平2
−300288号、同3−224793号、及び同4−
146189号等の各公報に記載されている。本発明に
おいては、前記退色防止剤のうち、下記一般式(4)で
表される退色防止剤が好ましい。
【0039】
【化4】
【0040】前記一般式(4)中、R11、R12は、それ
ぞれ独立に水素原子又は一価の基を表す。R11及びR12
で表される基は、ハロゲン原子、或いは、炭素原子、酸
素原子、窒素原子又は硫黄原子が任意に組合わされてな
る基を表し、具体的には、アルキル基、アルケニル基、
アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原
子、シアノ基、ニトロ基、メルカプト基、ヒドロキシ
基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ
基、アリールチオ基、アシルオキシ基、アミノ基、アル
キルアミノ基、アミド基、スルホンアミド基、スルファ
モイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アル
コキシスルホニルアミノ基、ウレイド基、チオウレイド
基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル
基、アルキルスルホニル基、アルキルスルフィニル基、
スルファモイル基、カルボキシル基(塩を含む)、スル
ホ基(塩を含む。)を挙げることができる。これらは、
さらにこれらの基で置換されていてもよい。
ぞれ独立に水素原子又は一価の基を表す。R11及びR12
で表される基は、ハロゲン原子、或いは、炭素原子、酸
素原子、窒素原子又は硫黄原子が任意に組合わされてな
る基を表し、具体的には、アルキル基、アルケニル基、
アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原
子、シアノ基、ニトロ基、メルカプト基、ヒドロキシ
基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ
基、アリールチオ基、アシルオキシ基、アミノ基、アル
キルアミノ基、アミド基、スルホンアミド基、スルファ
モイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アル
コキシスルホニルアミノ基、ウレイド基、チオウレイド
基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル
基、アルキルスルホニル基、アルキルスルフィニル基、
スルファモイル基、カルボキシル基(塩を含む)、スル
ホ基(塩を含む。)を挙げることができる。これらは、
さらにこれらの基で置換されていてもよい。
【0041】上記のうち、前記R11、R12としては、そ
れぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ハ
ロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、
炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数1〜6のアミド
基、炭素数1〜6のスルホンアミド基、炭素数1〜6の
ウレイド基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数2〜6の
アルコキシカルボニル基、炭素数1〜6のカルバモイル
基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、炭素数1〜
6のアルキルスルフィニル基が好ましく、炭素数4以下
のアルコキシ基がより好ましく、メトキシ基、エトキシ
基が最も好ましい。
れぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ハ
ロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、
炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数1〜6のアミド
基、炭素数1〜6のスルホンアミド基、炭素数1〜6の
ウレイド基、炭素数1〜6のアシル基、炭素数2〜6の
アルコキシカルボニル基、炭素数1〜6のカルバモイル
基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、炭素数1〜
6のアルキルスルフィニル基が好ましく、炭素数4以下
のアルコキシ基がより好ましく、メトキシ基、エトキシ
基が最も好ましい。
【0042】記録層中には、前記有機色素等を分散させ
る分散質として結合剤を用いることができる。前記結合
剤としては、目的に応じて、公知の高分子物質を適宜選
択して用いることができ、具体的には以下のものを挙げ
ることができる。例えば、ゼラチン、セルロース誘導
体、デキストラン、ロジン、ゴム等の天然有機高分子物
質;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポ
リイソブチレン等の炭化水素系樹脂;ポリエーテルポリ
ウレタン、ポリエステルポリウレタン等のポリウレタン
系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩
化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂;
ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のア
クリル樹脂;ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレ
ン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェ
ノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期
縮合物である合成有機高分子物質等が挙げられる。前記
結合剤を記録層中に含有させると、光情報記録媒体の保
存安定性や塗布液の流動特性を改良することができる。
前記結合剤のうち、ポリウレタン系樹脂が好ましい。
る分散質として結合剤を用いることができる。前記結合
剤としては、目的に応じて、公知の高分子物質を適宜選
択して用いることができ、具体的には以下のものを挙げ
ることができる。例えば、ゼラチン、セルロース誘導
体、デキストラン、ロジン、ゴム等の天然有機高分子物
質;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポ
リイソブチレン等の炭化水素系樹脂;ポリエーテルポリ
ウレタン、ポリエステルポリウレタン等のポリウレタン
系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩
化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂;
ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のア
クリル樹脂;ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレ
ン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェ
ノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期
縮合物である合成有機高分子物質等が挙げられる。前記
結合剤を記録層中に含有させると、光情報記録媒体の保
存安定性や塗布液の流動特性を改良することができる。
前記結合剤のうち、ポリウレタン系樹脂が好ましい。
【0043】記録層の形成時に行う前記アニール処理と
は、基板上に記録層形成用の塗布液を塗布した後、形成
した記録層上に光反射層を形成するまでに行う熱処理を
いい、前記アニール処理は、光情報記録媒体の高感度化
及び保存安定化に寄与しうる観点から、適度の温度によ
り適当な時間施すことが好ましい。前記アニール処理を
施す温度としては、120℃以下が好ましく、10〜1
00℃がより好ましく、20〜90℃が最も好ましい。
前記温度が、120℃を超えると、記録層内で有機色素
分子の再配列が起こり、感度低下を招くことがある。
は、基板上に記録層形成用の塗布液を塗布した後、形成
した記録層上に光反射層を形成するまでに行う熱処理を
いい、前記アニール処理は、光情報記録媒体の高感度化
及び保存安定化に寄与しうる観点から、適度の温度によ
り適当な時間施すことが好ましい。前記アニール処理を
施す温度としては、120℃以下が好ましく、10〜1
00℃がより好ましく、20〜90℃が最も好ましい。
前記温度が、120℃を超えると、記録層内で有機色素
分子の再配列が起こり、感度低下を招くことがある。
【0044】また、アニール処理を施す時間としては、
5〜600minが好ましく、10〜300minがよ
り好ましく、20〜200minが最も好ましい。前記
時間が、5min未満では、記録層の微細構造が安定せ
ずに、光情報記録媒体の特性にバラツキを生ずることが
あり、600minを超えると、記録層内で有機色素分
子の再配列が起こり、記録層としての特性が劣化するこ
とがある。
5〜600minが好ましく、10〜300minがよ
り好ましく、20〜200minが最も好ましい。前記
時間が、5min未満では、記録層の微細構造が安定せ
ずに、光情報記録媒体の特性にバラツキを生ずることが
あり、600minを超えると、記録層内で有機色素分
子の再配列が起こり、記録層としての特性が劣化するこ
とがある。
【0045】前記有機色素や結合剤等を含有する記録層
形成用塗布液の濃度としては、0.01〜10%(重量
比)が好ましく、0.1〜5%(重量比)が好ましい。
形成用塗布液の濃度としては、0.01〜10%(重量
比)が好ましく、0.1〜5%(重量比)が好ましい。
【0046】基板上に設ける記録層は、単層でも、複数
層積層した重層構成でもよいが、記録層の全層厚として
は、0.01〜10μmが好ましく、0.02〜1μm
がより好ましい。
層積層した重層構成でもよいが、記録層の全層厚として
は、0.01〜10μmが好ましく、0.02〜1μm
がより好ましい。
【0047】<基板>記録層を塗布する基板には、従来
より光情報記録媒体に用いられている各種材料の中から
適宜選択して使用することができる。基板としては、光
学的特性、平面性、加工性、取扱性、経時安定性及び製
造コスト等の点から下記材料を挙げることができる。具
体的には、セルキャストポリメチルメタクリレート、射
出成形ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポ
リ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹
脂;エポキシ樹脂;ポリカーボネート樹脂、アモルファ
スポリオレフィン、ポリエステル;ソーダ石灰ガラス等
のガラス;セラミックス等が挙げられる。
より光情報記録媒体に用いられている各種材料の中から
適宜選択して使用することができる。基板としては、光
学的特性、平面性、加工性、取扱性、経時安定性及び製
造コスト等の点から下記材料を挙げることができる。具
体的には、セルキャストポリメチルメタクリレート、射
出成形ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポ
リ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹
脂;エポキシ樹脂;ポリカーボネート樹脂、アモルファ
スポリオレフィン、ポリエステル;ソーダ石灰ガラス等
のガラス;セラミックス等が挙げられる。
【0048】中でも、ポリカーボネート、ポリメチルメ
タクリレート、エポキシ樹脂、アモリファスポリオレフ
ィン、ポリエステル又はポリ塩化ビニルが好ましく、寸
度安定性、透明性、平面性等の観点からは、ポリメチル
メタクリレート、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹
脂、アモルファスポリオレフィン、ポリエステル又はガ
ラスがより好ましい。なお、これらの材料は、フィルム
状として用いてもよいし、ある程度の剛性を有する基板
状として用いてもよい。
タクリレート、エポキシ樹脂、アモリファスポリオレフ
ィン、ポリエステル又はポリ塩化ビニルが好ましく、寸
度安定性、透明性、平面性等の観点からは、ポリメチル
メタクリレート、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹
脂、アモルファスポリオレフィン、ポリエステル又はガ
ラスがより好ましい。なお、これらの材料は、フィルム
状として用いてもよいし、ある程度の剛性を有する基板
状として用いてもよい。
【0049】<光反射層>また、基板上に設けられた記
録層上には、光反射層が設けられる。光反射層に用いる
材料としては、記録再生に用いるレーザー光に対する反
射率が高い物質が好ましく、反射率が70%以上ある反
射膜を形成しうるものであれば問題はない。具体的に
は、以下のものを挙げることができる。例えば、Mg、
Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、
Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、R
h、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、C
d、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、P
o、Sn、Bi等の金属又は半金属が好適に挙げられ
る。前記金属又は半金属は、単独で用いてもよいし、二
種以上を組合せて用いてもよく、或いは、合金として用
いてもよい。中でも、Au、Ag又はCuを含有する反
射膜を形成することが好ましく、Au、Ag又はCuが
主成分とする反射膜を形成することがより好ましい。
録層上には、光反射層が設けられる。光反射層に用いる
材料としては、記録再生に用いるレーザー光に対する反
射率が高い物質が好ましく、反射率が70%以上ある反
射膜を形成しうるものであれば問題はない。具体的に
は、以下のものを挙げることができる。例えば、Mg、
Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、
Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、R
h、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、C
d、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、P
o、Sn、Bi等の金属又は半金属が好適に挙げられ
る。前記金属又は半金属は、単独で用いてもよいし、二
種以上を組合せて用いてもよく、或いは、合金として用
いてもよい。中でも、Au、Ag又はCuを含有する反
射膜を形成することが好ましく、Au、Ag又はCuが
主成分とする反射膜を形成することがより好ましい。
【0050】光反射層は、前記金属又は半金属を用い
て、蒸着、スパッタリング又はイオンプレーティング等
を施すことにより、記録層上に形成することができる。
前記方法のうち、スパッタリングによる形成法が、成膜
される膜に過度の熱がかからず、その下層に位置する記
録層への影響が少ない点で好ましい。
て、蒸着、スパッタリング又はイオンプレーティング等
を施すことにより、記録層上に形成することができる。
前記方法のうち、スパッタリングによる形成法が、成膜
される膜に過度の熱がかからず、その下層に位置する記
録層への影響が少ない点で好ましい。
【0051】光反射層をスパッタリングにより形成する
場合、記録層を形成した基板を真空にしたチャンバ内に
入れ、スパッタリングが完了するまでの、前記基板が減
圧下に曝される減圧時間は短い方がよい。しかし、基板
をチャンバ内に入れる際に、チャンバ内の圧力が若干上
がってしまうため、基板を入れた後スパッタリングを開
始する前に、排気ポンプで所定の減圧状態まで排気、減
圧される。本発明の光情報記録媒体を作製する場合、前
記排気する時間としては、7〜20secが好ましく、
0.9〜10secがより好ましく、1.2〜7sec
が最も好ましい。
場合、記録層を形成した基板を真空にしたチャンバ内に
入れ、スパッタリングが完了するまでの、前記基板が減
圧下に曝される減圧時間は短い方がよい。しかし、基板
をチャンバ内に入れる際に、チャンバ内の圧力が若干上
がってしまうため、基板を入れた後スパッタリングを開
始する前に、排気ポンプで所定の減圧状態まで排気、減
圧される。本発明の光情報記録媒体を作製する場合、前
記排気する時間としては、7〜20secが好ましく、
0.9〜10secがより好ましく、1.2〜7sec
が最も好ましい。
【0052】また、スパッタリング時は、真空のチャン
バ内に記録層を形成した基板を入れ、チャンバ内を減圧
するが、この圧力が低すぎると、前記同様に記録層中の
フッ素系溶剤量、即ち、フッ素成分の含有量が低下する
ことがある。従って、本発明の光情報記録媒体を作製す
る場合、前記圧力としては、0.01〜40Paが好ま
しく、0.05〜30Paがより好ましく、0.1〜2
0Paが最も好ましい。前記圧力が,、40Paを超え
ると、記録層中のフッ素系溶剤量、即ち、フッ素含有量
が少なくなり十分な高感度化と保存安定性の向上が図れ
ないことがあるため好ましくない。
バ内に記録層を形成した基板を入れ、チャンバ内を減圧
するが、この圧力が低すぎると、前記同様に記録層中の
フッ素系溶剤量、即ち、フッ素成分の含有量が低下する
ことがある。従って、本発明の光情報記録媒体を作製す
る場合、前記圧力としては、0.01〜40Paが好ま
しく、0.05〜30Paがより好ましく、0.1〜2
0Paが最も好ましい。前記圧力が,、40Paを超え
ると、記録層中のフッ素系溶剤量、即ち、フッ素含有量
が少なくなり十分な高感度化と保存安定性の向上が図れ
ないことがあるため好ましくない。
【0053】光反射層の層厚としては、10〜800n
mが好ましく、20〜500nmがより好ましい。な
お、光反射層は、基板と記録層との中間に設けてもよ
く、この場合には、情報の記録再生は、記録層側(基板
とは反対の側)から行われる。
mが好ましく、20〜500nmがより好ましい。な
お、光反射層は、基板と記録層との中間に設けてもよ
く、この場合には、情報の記録再生は、記録層側(基板
とは反対の側)から行われる。
【0054】<保護層>本発明の光情報記録媒体におい
ては、記録層や光反射層等を物理的、化学的作用から保
護する目的で、記録層又は光反射層上に保護層を設ける
ことが好ましい。また、保護層は、耐傷性、耐湿性を高
める目的で、記録層が設けられない側の表面にも設ける
こともできる。前記保護層に用いる材料としては、Si
O、SiO2、MgF2、SnO2等の無機物質;熱可塑
性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等の有機物質を
挙げることができる。
ては、記録層や光反射層等を物理的、化学的作用から保
護する目的で、記録層又は光反射層上に保護層を設ける
ことが好ましい。また、保護層は、耐傷性、耐湿性を高
める目的で、記録層が設けられない側の表面にも設ける
こともできる。前記保護層に用いる材料としては、Si
O、SiO2、MgF2、SnO2等の無機物質;熱可塑
性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等の有機物質を
挙げることができる。
【0055】前記保護層は、例えば、プラスチックの押
出加工で得られたフィルムを接着層を介して記録層(又
は、銀塩層或いは反射層)上に、及び/又は、記録層の
設けられない側の基板表面に、ラミネートすることによ
り形成することができる。また、真空蒸着、スパッタリ
ング、塗布等の方法を用いて、保護層を設けることもで
きる。保護層に用いる材料として熱可塑性樹脂、熱硬化
性樹脂を用いた場合には、これらの樹脂を適当な溶剤に
溶解して調製した保護層形成用の塗布液を塗布、乾燥す
ることにより、保護層を形成することができる。保護層
に用いる材料にUV硬化性樹脂を用いた場合には、その
まま若しくは適当な溶剤に溶解して調製した保護層形成
用の塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化させること
により、保護層を形成することもできる。
出加工で得られたフィルムを接着層を介して記録層(又
は、銀塩層或いは反射層)上に、及び/又は、記録層の
設けられない側の基板表面に、ラミネートすることによ
り形成することができる。また、真空蒸着、スパッタリ
ング、塗布等の方法を用いて、保護層を設けることもで
きる。保護層に用いる材料として熱可塑性樹脂、熱硬化
性樹脂を用いた場合には、これらの樹脂を適当な溶剤に
溶解して調製した保護層形成用の塗布液を塗布、乾燥す
ることにより、保護層を形成することができる。保護層
に用いる材料にUV硬化性樹脂を用いた場合には、その
まま若しくは適当な溶剤に溶解して調製した保護層形成
用の塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化させること
により、保護層を形成することもできる。
【0056】前記の各保護層形成用の塗布液には、さら
に帯電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤
を必要に応じて添加することもできる。
に帯電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤
を必要に応じて添加することもできる。
【0057】前記保護層の層厚としては、0.1〜10
0μmの範囲で設けることが好ましい。本発明の光情報
記録媒体は、上記のように基板上に記録層、保護層等を
塗設した単一基板構造であってもよいし、記録層が二枚
の基板で挟まれるように接着剤等を介して接合し、貼合
せタイプの光情報記録媒体であってもよい。貼合せタイ
プのような、記録層の両方の表面に基板を設けて光情報
記録媒体を構成した場合には、保護層を設ける必要はな
い。また、二枚の基板の間に記録層を配置した構造とす
る場合には、少なくとも一方の基板上に記録層を設けた
基板を形成し、該基板と他方の基板との間にリング状内
側スペーサとリング状外側スペーサとを介して、二枚の
基板を接合することによりエアーサンドイッチタイプの
記録媒体とすることもできる。前記単一基板構造とした
光情報記録媒体は、高い反射率を示すため、市販のプレ
ーヤーにより再生することができる。
0μmの範囲で設けることが好ましい。本発明の光情報
記録媒体は、上記のように基板上に記録層、保護層等を
塗設した単一基板構造であってもよいし、記録層が二枚
の基板で挟まれるように接着剤等を介して接合し、貼合
せタイプの光情報記録媒体であってもよい。貼合せタイ
プのような、記録層の両方の表面に基板を設けて光情報
記録媒体を構成した場合には、保護層を設ける必要はな
い。また、二枚の基板の間に記録層を配置した構造とす
る場合には、少なくとも一方の基板上に記録層を設けた
基板を形成し、該基板と他方の基板との間にリング状内
側スペーサとリング状外側スペーサとを介して、二枚の
基板を接合することによりエアーサンドイッチタイプの
記録媒体とすることもできる。前記単一基板構造とした
光情報記録媒体は、高い反射率を示すため、市販のプレ
ーヤーにより再生することができる。
【0058】本発明の光情報記録媒体は、CD−Rとし
てだけでなく、高密度記録が可能な追記型デジタル・ビ
デオ・ディスク(DVD−R)として構成することもで
きる。即ち、DVD−Rタイプの光情報記録媒体は、ト
ラックピッチがCD−Rの1.6μmよりも狭い、0.
8μmのプレグループが形成された直径120mm±3
mmの透明な基板上に記録層、光反射層を設け、さらに
通常は保護層を設けてなるが、保護層を設けない状態
で、このディスクを2枚、又は前記ディスク1枚にこれ
と同一形状の基板を、それぞれ記録層が挟まれるように
接着して貼り合わせることにより形成することができ
る。
てだけでなく、高密度記録が可能な追記型デジタル・ビ
デオ・ディスク(DVD−R)として構成することもで
きる。即ち、DVD−Rタイプの光情報記録媒体は、ト
ラックピッチがCD−Rの1.6μmよりも狭い、0.
8μmのプレグループが形成された直径120mm±3
mmの透明な基板上に記録層、光反射層を設け、さらに
通常は保護層を設けてなるが、保護層を設けない状態
で、このディスクを2枚、又は前記ディスク1枚にこれ
と同一形状の基板を、それぞれ記録層が挟まれるように
接着して貼り合わせることにより形成することができ
る。
【0059】<その他>前記基板と記録層との間には、
平面性の改善、記録層と基板との接着性の向上、記録層
の変質を防止する等の目的で下塗り層を設けてもよい。
下塗り層に用いる材料としては、例えば、ポリメチルメ
タクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、ス
チレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコー
ル、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・スルホ
ン酸共重合体、スチレン・ビニルトルエン共重合体、ク
ロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ
塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポ
リイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン
・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリカーボネート等の高分子物質;シランカップリ
ング剤等の有機物質;無機酸化物(SiO2、Al2O3
等)、無機フッ化物(MgF2)等の無機物質、等を挙
げることができる。
平面性の改善、記録層と基板との接着性の向上、記録層
の変質を防止する等の目的で下塗り層を設けてもよい。
下塗り層に用いる材料としては、例えば、ポリメチルメ
タクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、ス
チレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコー
ル、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・スルホ
ン酸共重合体、スチレン・ビニルトルエン共重合体、ク
ロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ
塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポ
リイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン
・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリカーボネート等の高分子物質;シランカップリ
ング剤等の有機物質;無機酸化物(SiO2、Al2O3
等)、無機フッ化物(MgF2)等の無機物質、等を挙
げることができる。
【0060】基板としてガラス基板を用いる場合には、
ガラス基板から遊離されるアルカリ金属イオンやアルカ
リ土類金属イオンによる記録層への悪影響を防止するた
め、親水性基及び/又は無水マレイン酸基を有する、ス
チレン・無水マレイン酸共重合体等のポリマーからなる
下塗り層を設けることが好ましい。
ガラス基板から遊離されるアルカリ金属イオンやアルカ
リ土類金属イオンによる記録層への悪影響を防止するた
め、親水性基及び/又は無水マレイン酸基を有する、ス
チレン・無水マレイン酸共重合体等のポリマーからなる
下塗り層を設けることが好ましい。
【0061】下塗り層を基板上に塗設する場合、所望の
前記材料を適当な溶剤に溶解又は分散して下塗り層形成
用の塗布液を調製した後、スピンコート、ディップコー
ト、エクストルージョンコート等の公知の塗布方法を用
いて、前記塗布液を基板上に塗布することにより形成す
ることができる。下塗り層の層厚としては、一般に、
0.005〜20μmが好ましく、0.01〜10μm
がより好ましい。
前記材料を適当な溶剤に溶解又は分散して下塗り層形成
用の塗布液を調製した後、スピンコート、ディップコー
ト、エクストルージョンコート等の公知の塗布方法を用
いて、前記塗布液を基板上に塗布することにより形成す
ることができる。下塗り層の層厚としては、一般に、
0.005〜20μmが好ましく、0.01〜10μm
がより好ましい。
【0062】前記基板又は下塗り層上には、トラッキン
グ用溝又はアドレス信号等の情報を表す凹凸を形成させ
る目的で、プレグルーブ層が設けられてもよい。プレグ
ルーブ層に用いる材料としては、アクリル酸のモノエス
テル、ジエステル、トリエステル及びテトラエステルよ
り選ばれる少なくとも1種のモノマー又はオリゴマー
と、光重合開始剤との混合物を挙げることができる。プ
レグルーブ層は、例えば、先ず精密に作られた母型(ス
タンパー)上に、前記アクリル酸エステルのモノマーと
重合開始剤とからなる混合液を塗布し、さらにこの塗膜
上に基板を載せた後、基板又は母型を介して紫外線を照
射して塗膜を硬化させることにより、基板と母型上に塗
布した塗膜とを固着させる。次いで、基板を剥離するこ
とにより、プレグルーブ層の設けられた基板を形成する
ことができる。
グ用溝又はアドレス信号等の情報を表す凹凸を形成させ
る目的で、プレグルーブ層が設けられてもよい。プレグ
ルーブ層に用いる材料としては、アクリル酸のモノエス
テル、ジエステル、トリエステル及びテトラエステルよ
り選ばれる少なくとも1種のモノマー又はオリゴマー
と、光重合開始剤との混合物を挙げることができる。プ
レグルーブ層は、例えば、先ず精密に作られた母型(ス
タンパー)上に、前記アクリル酸エステルのモノマーと
重合開始剤とからなる混合液を塗布し、さらにこの塗膜
上に基板を載せた後、基板又は母型を介して紫外線を照
射して塗膜を硬化させることにより、基板と母型上に塗
布した塗膜とを固着させる。次いで、基板を剥離するこ
とにより、プレグルーブ層の設けられた基板を形成する
ことができる。
【0063】前記プレグルーブ層の層厚としては、0.
05〜100μmが好ましく、0.1〜50μmがより
好ましい。基板として用いる材料がプラスチック材の場
合には、射出成形又は押出成形等を用いて、直接プラス
チック基板上にプレグルーブ層を設けてもよい。なお、
本発明において、溶剤として用いるフッ素系溶剤は、プ
ラスチック基板に対して不溶性であるだけでなく、形成
するプレグルーブ層に対しても不溶性である。
05〜100μmが好ましく、0.1〜50μmがより
好ましい。基板として用いる材料がプラスチック材の場
合には、射出成形又は押出成形等を用いて、直接プラス
チック基板上にプレグルーブ層を設けてもよい。なお、
本発明において、溶剤として用いるフッ素系溶剤は、プ
ラスチック基板に対して不溶性であるだけでなく、形成
するプレグルーブ層に対しても不溶性である。
【0064】本発明の光情報記録媒体においては、例え
ば、次のようにして情報の記録、再生が行われる。本発
明の光情報記録媒体は、通常のCDフォーマットの場合
の1倍速(1.2〜1.4m/秒)を始めとして、4倍
速、6倍速、もしくはそれ以上の高速記録にも利用でき
る。まず、光情報記録媒体を所定の線速度(CDフォー
マットの場合は、1.2〜1.4m/min)又は所定
の定格速度にて回転させながら、基板側から半導体レー
ザ光等の記録用の光を照射する。光照射により、記録層
が、照射光を吸収して局所的に発熱し、例えば、ピット
が生成してその光学特性を変えることにより情報が記録
される。
ば、次のようにして情報の記録、再生が行われる。本発
明の光情報記録媒体は、通常のCDフォーマットの場合
の1倍速(1.2〜1.4m/秒)を始めとして、4倍
速、6倍速、もしくはそれ以上の高速記録にも利用でき
る。まず、光情報記録媒体を所定の線速度(CDフォー
マットの場合は、1.2〜1.4m/min)又は所定
の定格速度にて回転させながら、基板側から半導体レー
ザ光等の記録用の光を照射する。光照射により、記録層
が、照射光を吸収して局所的に発熱し、例えば、ピット
が生成してその光学特性を変えることにより情報が記録
される。
【0065】前記光照射に用いる光の波長としては、一
般に、500〜850nmの波長を有する光が使用され
る。具体的には、500nm〜850nmの波長のレー
ザー光が用いられ、特に、CD−R型の光情報記録媒体
では、770〜790nmの領域の波長光が好ましく、
DVD−R型の光情報記録媒体では、630〜680n
mの領域の波長光が好ましい。上記のように記録された
情報の再生は、一般には、光情報記録媒体を所定の定格
速度で回転させながら半導体レーザー光を基板側から照
射して、その反射光を検出することにより行うことがで
きる。
般に、500〜850nmの波長を有する光が使用され
る。具体的には、500nm〜850nmの波長のレー
ザー光が用いられ、特に、CD−R型の光情報記録媒体
では、770〜790nmの領域の波長光が好ましく、
DVD−R型の光情報記録媒体では、630〜680n
mの領域の波長光が好ましい。上記のように記録された
情報の再生は、一般には、光情報記録媒体を所定の定格
速度で回転させながら半導体レーザー光を基板側から照
射して、その反射光を検出することにより行うことがで
きる。
【0066】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、
以下実施例中の「部」及び「%」は、それぞれ「重量
部」、「重量%」を表す。 (実施例1) <記録層用塗布液の調製>ステンレス製の密閉容器に、
高沸点化合物を全く含まない2,2,3,3−テトラフ
ルオロプロパノールを100部入れ、インドレニン系色
素(下記化合物A)2.65部と退色防止剤(下記化合
物B)0.265部とを添加し、2時間超音波振動機
(1800W)により溶解させ、記録層形成用塗布液を
調製した。塗布液中の色素濃度は、2.575%、退色
防止剤濃度は、0.257%であった。
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、
以下実施例中の「部」及び「%」は、それぞれ「重量
部」、「重量%」を表す。 (実施例1) <記録層用塗布液の調製>ステンレス製の密閉容器に、
高沸点化合物を全く含まない2,2,3,3−テトラフ
ルオロプロパノールを100部入れ、インドレニン系色
素(下記化合物A)2.65部と退色防止剤(下記化合
物B)0.265部とを添加し、2時間超音波振動機
(1800W)により溶解させ、記録層形成用塗布液を
調製した。塗布液中の色素濃度は、2.575%、退色
防止剤濃度は、0.257%であった。
【0067】
【化5】
【0068】<記録層>この記録層形成用塗布液を、塗
布時と同一の温湿度環境下に半日間保存した後、表面に
直径120mm、厚さ1.2mmのスパイラル状プレグ
ルーブ(トラックピッチ:1.6μm、プレグルーブ
幅:0.4μm、プレグルーブの深さ:160nm)が
射出成形により形成された円盤状のポリカーボネート基
板(直径:120mm、厚さ:1.2mm、商品名:パ
ンライトAD5503,帝人(株)製)のそのプレグル
ーブの形成された側の表面の内周側に、ステンレス製ノ
ズル(内径:0.8μm)を有する塗布液付与装置を備
えた従来のスピンコート装置を用いて、下記環境条件の
下、そのスピナーヘッド装置の回転数を200〜400
0rpmまで変化させながら、記録層形成用塗布液を滴
下し、外周側に流延させるようにして塗布し、記録層
(グルーブ内の厚さ:約200nm)を形成した。 (記録層の塗布条件) ・雰囲気の温湿度:23℃、50%RH ・塗布液の温度 :23℃ ・基板の温度 :23℃ ・排気風速 :0.8m/min
布時と同一の温湿度環境下に半日間保存した後、表面に
直径120mm、厚さ1.2mmのスパイラル状プレグ
ルーブ(トラックピッチ:1.6μm、プレグルーブ
幅:0.4μm、プレグルーブの深さ:160nm)が
射出成形により形成された円盤状のポリカーボネート基
板(直径:120mm、厚さ:1.2mm、商品名:パ
ンライトAD5503,帝人(株)製)のそのプレグル
ーブの形成された側の表面の内周側に、ステンレス製ノ
ズル(内径:0.8μm)を有する塗布液付与装置を備
えた従来のスピンコート装置を用いて、下記環境条件の
下、そのスピナーヘッド装置の回転数を200〜400
0rpmまで変化させながら、記録層形成用塗布液を滴
下し、外周側に流延させるようにして塗布し、記録層
(グルーブ内の厚さ:約200nm)を形成した。 (記録層の塗布条件) ・雰囲気の温湿度:23℃、50%RH ・塗布液の温度 :23℃ ・基板の温度 :23℃ ・排気風速 :0.8m/min
【0069】<光反射層>次に、記録層上に、Agを用
いてスパッタリングにより、層厚150nmの光反射層
を形成した。さらに、前記同様のスピンコート装置を用
いて、光反射層上にUV硬化性樹脂(商品名:SD−2
20、大日本インキ化学工業(株)製)をそのスピナー
ヘッド装置の回転数を300〜4000rpmまで変化
させながら塗布した後、高圧水銀灯により紫外線を照射
し、樹脂を硬化して層厚8μmの保護層を形成した。以
上より、ポリカーボネート基板上に、記録層、光反射層
及び保護層がこの順に積層されたCD−R型の本発明の
光情報記録媒体(1)を得た。
いてスパッタリングにより、層厚150nmの光反射層
を形成した。さらに、前記同様のスピンコート装置を用
いて、光反射層上にUV硬化性樹脂(商品名:SD−2
20、大日本インキ化学工業(株)製)をそのスピナー
ヘッド装置の回転数を300〜4000rpmまで変化
させながら塗布した後、高圧水銀灯により紫外線を照射
し、樹脂を硬化して層厚8μmの保護層を形成した。以
上より、ポリカーボネート基板上に、記録層、光反射層
及び保護層がこの順に積層されたCD−R型の本発明の
光情報記録媒体(1)を得た。
【0070】<記録再生試験>得られた本発明の光情報
記録媒体(1)を下記の各々の保存条件下で強制保存処
理した後、OMT−2000(パルステック社製)を用
いて、最適パワーでの記録特性(C1エラー)を評価し
た。 (強制保存条件) (a)強制保存処理なし。 (b)80℃、85%RHの下、24時間放置。 (c)80℃、85%RHの下、48時間放置。 前記C1エラー値は、220(規格値)以下であれば、
実使用上特に問題ないが、より小さい方が記録再生特性
に優る。測定した結果を下記表1に示す。
記録媒体(1)を下記の各々の保存条件下で強制保存処
理した後、OMT−2000(パルステック社製)を用
いて、最適パワーでの記録特性(C1エラー)を評価し
た。 (強制保存条件) (a)強制保存処理なし。 (b)80℃、85%RHの下、24時間放置。 (c)80℃、85%RHの下、48時間放置。 前記C1エラー値は、220(規格値)以下であれば、
実使用上特に問題ないが、より小さい方が記録再生特性
に優る。測定した結果を下記表1に示す。
【0071】(実施例2〜7)実施例1で用いた、高沸
点化合物を全く含まない2,2,3,3−テトラフルオ
ロプロパノールを、高沸点化合物を10,20,25,
50,100又は130ppm含有する6種類の2,
2,3,3−テトラフルオロプロパノールをそれぞれ1
種類ずつ順に代えて用いた以外、実施例1と同様にして
本発明の光情報記録媒体(2)〜(7)を作製した。
尚、各2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール中
の高沸点化合物の含有量は、前記2,2,3,3−テト
ラフルオロプロパノール1Lをフラスコに入れ、40〜
50℃,20〜40mmHgの条件下でエバポレートを
行い、液状物を完全に揮発させた後、残った残留物の重
量より求めた。また、各2,2,3,3−テトラフルオ
ロプロパノール中の高沸点化合物について、示差走査熱
量計DSC(パーキンエルマー(株)製)を用いて測定
を行ったところ、得られた吸発熱曲線における、高沸点
化合物の沸点を表す吸熱ピークは、200℃を超えてか
ら現れた。また、得られた光情報記録媒体(2)〜
(7)を用いて、実施例1と同様にして保存処理し、か
つ記録再生試験を行った。測定した結果を下記表1に示
す。
点化合物を全く含まない2,2,3,3−テトラフルオ
ロプロパノールを、高沸点化合物を10,20,25,
50,100又は130ppm含有する6種類の2,
2,3,3−テトラフルオロプロパノールをそれぞれ1
種類ずつ順に代えて用いた以外、実施例1と同様にして
本発明の光情報記録媒体(2)〜(7)を作製した。
尚、各2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール中
の高沸点化合物の含有量は、前記2,2,3,3−テト
ラフルオロプロパノール1Lをフラスコに入れ、40〜
50℃,20〜40mmHgの条件下でエバポレートを
行い、液状物を完全に揮発させた後、残った残留物の重
量より求めた。また、各2,2,3,3−テトラフルオ
ロプロパノール中の高沸点化合物について、示差走査熱
量計DSC(パーキンエルマー(株)製)を用いて測定
を行ったところ、得られた吸発熱曲線における、高沸点
化合物の沸点を表す吸熱ピークは、200℃を超えてか
ら現れた。また、得られた光情報記録媒体(2)〜
(7)を用いて、実施例1と同様にして保存処理し、か
つ記録再生試験を行った。測定した結果を下記表1に示
す。
【0072】(比較例1)実施例1で用いた、高沸点化
合物を全く含まない2,2,3,3−テトラフルオロプ
ロパノールに代えて、高沸点化合物を140ppm含有
する2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールを用
いた以外、実施例1と同様にして本発明の光情報記録媒
体(8)を作製した。また、実施例1と同様にして2,
2,3,3−テトラフルオロプロパノール中の高沸点化
合物の含有量を測定した。また、前記示差走査熱量計D
SCにより得られた、高沸点化合物の沸点を表す吸熱ピ
ークは、200℃を超えてから現れた。また、得られた
光情報記録媒体(8)を用いて、実施例1と同様にして
保存処理し、かつ記録再生試験を行った。測定した結果
を下記表1に示す。
合物を全く含まない2,2,3,3−テトラフルオロプ
ロパノールに代えて、高沸点化合物を140ppm含有
する2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールを用
いた以外、実施例1と同様にして本発明の光情報記録媒
体(8)を作製した。また、実施例1と同様にして2,
2,3,3−テトラフルオロプロパノール中の高沸点化
合物の含有量を測定した。また、前記示差走査熱量計D
SCにより得られた、高沸点化合物の沸点を表す吸熱ピ
ークは、200℃を超えてから現れた。また、得られた
光情報記録媒体(8)を用いて、実施例1と同様にして
保存処理し、かつ記録再生試験を行った。測定した結果
を下記表1に示す。
【0073】(比較例2)実施例1で用いた、高沸点化
合物を全く含まない2,2,3,3−テトラフルオロプ
ロパノールに代えて、高沸点化合物を150ppm含有
する2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールを用
いた以外、実施例1と同様にして本発明の光情報記録媒
体(9)を作製した。また、実施例1と同様にして2,
2,3,3−テトラフルオロプロパノール中の高沸点化
合物の含有量を測定した。また、前記示差走査熱量計D
SCにより得られた、高沸点化合物の沸点を表す吸熱ピ
ークは、200℃を超えてから現れた。また、得られた
光情報記録媒体(9)を用いて、実施例1と同様にして
保存処理し、かつ記録再生試験を行った。測定した結果
を下記表1に示す。
合物を全く含まない2,2,3,3−テトラフルオロプ
ロパノールに代えて、高沸点化合物を150ppm含有
する2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールを用
いた以外、実施例1と同様にして本発明の光情報記録媒
体(9)を作製した。また、実施例1と同様にして2,
2,3,3−テトラフルオロプロパノール中の高沸点化
合物の含有量を測定した。また、前記示差走査熱量計D
SCにより得られた、高沸点化合物の沸点を表す吸熱ピ
ークは、200℃を超えてから現れた。また、得られた
光情報記録媒体(9)を用いて、実施例1と同様にして
保存処理し、かつ記録再生試験を行った。測定した結果
を下記表1に示す。
【0074】
【表1】
【0075】上記表1から明らかなように、記録層形成
用塗布液の調製に用いる溶剤として、沸点200℃以上
の高沸点化合物の含有量が130ppm以下のフッ素系
アルコール溶剤を用いた本発明の光情報記録媒体(1)
〜(7)では、高温高湿下で強制保存処理を施した場合
でも、規格値よりも大幅に低い値を示し、十分な記録再
生特性が得られ、更なる保存安定性の向上をも図ること
ができた。特に、沸点200℃以上の高沸点化合物の含
有量が100ppm以下のフッ素系アルコール溶剤を用
いた本発明の光情報記録媒体(1)〜(6)では、強制
保存処理による保存安定性の変動幅が極めて小さく、4
8時間放置後においてもC1エラー値は、規格値の1/
2以下の値を示し、優れた記録再生特性を得ることがで
きた。一方、沸点200℃以上の高沸点化合物の含有量
が130ppmを超えるフッ素系アルコール溶剤を用い
た光情報記録媒体(8)及び(9)では、高温高湿環境
下で強制保存処理を施した場合、記録再生特性は大幅に
低下し、十分な保存安定性を得ることができなかった。
用塗布液の調製に用いる溶剤として、沸点200℃以上
の高沸点化合物の含有量が130ppm以下のフッ素系
アルコール溶剤を用いた本発明の光情報記録媒体(1)
〜(7)では、高温高湿下で強制保存処理を施した場合
でも、規格値よりも大幅に低い値を示し、十分な記録再
生特性が得られ、更なる保存安定性の向上をも図ること
ができた。特に、沸点200℃以上の高沸点化合物の含
有量が100ppm以下のフッ素系アルコール溶剤を用
いた本発明の光情報記録媒体(1)〜(6)では、強制
保存処理による保存安定性の変動幅が極めて小さく、4
8時間放置後においてもC1エラー値は、規格値の1/
2以下の値を示し、優れた記録再生特性を得ることがで
きた。一方、沸点200℃以上の高沸点化合物の含有量
が130ppmを超えるフッ素系アルコール溶剤を用い
た光情報記録媒体(8)及び(9)では、高温高湿環境
下で強制保存処理を施した場合、記録再生特性は大幅に
低下し、十分な保存安定性を得ることができなかった。
【0076】
【発明の効果】本発明の光情報記録媒体の製造方法によ
れば、汎用の装置での安定な記録再生ができ、高温高湿
環境や温湿度変化の大きい環境等の過酷な環境下での記
録再生特性及び保存安定性にさらに優れた光情報記録媒
体を提供することができる。本発明の光情報記録媒体
は、保存安定性に優れ、情報の記録再生を安定に行うこ
とができる。
れば、汎用の装置での安定な記録再生ができ、高温高湿
環境や温湿度変化の大きい環境等の過酷な環境下での記
録再生特性及び保存安定性にさらに優れた光情報記録媒
体を提供することができる。本発明の光情報記録媒体
は、保存安定性に優れ、情報の記録再生を安定に行うこ
とができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 基板上に、少なくとも、レーザー光を照
射して情報の記録が可能な記録層と、光反射層と、を有
する光情報記録媒体の製造方法において、 前記記録層が、沸点200℃以上の高沸点化合物の含有
量が130ppm以下のフッ素系アルコールに、少なく
ともレーザー照射により分解可能な色素を溶解した塗布
液を基板上に塗布することにより設けられることを特徴
とする光情報記録媒体の製造方法。 - 【請求項2】 レーザー照射により分解可能な色素が、
シアニン系色素である請求項1に記載の光情報記録媒体
の製造方法。 - 【請求項3】 フッ素系アルコールが、テトラフルオロ
プロパノールである請求項1又は2に記載の光情報記録
媒体の製造方法。 - 【請求項4】 請求項1から3のいずれかに記載の光情
報記録媒体の製造方法により得られることを特徴とする
光情報記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11082461A JP2000276787A (ja) | 1999-03-25 | 1999-03-25 | 光情報記録媒体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11082461A JP2000276787A (ja) | 1999-03-25 | 1999-03-25 | 光情報記録媒体及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000276787A true JP2000276787A (ja) | 2000-10-06 |
Family
ID=13775157
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11082461A Pending JP2000276787A (ja) | 1999-03-25 | 1999-03-25 | 光情報記録媒体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000276787A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003028019A1 (fr) * | 2001-09-20 | 2003-04-03 | Kabushiki Kaisha Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo | Composition de solvant pour la production d'un support d'enregistrement optique |
-
1999
- 1999-03-25 JP JP11082461A patent/JP2000276787A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003028019A1 (fr) * | 2001-09-20 | 2003-04-03 | Kabushiki Kaisha Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo | Composition de solvant pour la production d'un support d'enregistrement optique |
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