JP2000274749A - 液体用タンク及び、この液体用タンクを用いた加湿器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置本体内から給水タンクを取り外すことな
く、給水タンクへ簡単な作業により直接的に給水する。 【解決手段】 キャップ部材２６を反時計方向へ回転さ
せると、キャップ部材２６をキャップ取付部２４から取
外すことが可能となる。このとき、バルブ駆動部材６６
と連結されている回転弁体６５がキャップ部材２６と共
に閉弁方向へ回転し、給水穴６８が連通穴５４から離れ
て第２給水バルブ３５が閉鎖される。またキャップ部材
２６をキャップ取付部２４へ装着する際には、キャップ
部材２６を給水タンク２０のキャップ取付部２４へ嵌挿
し、キャップ部材２６を時計方向へ回転させる。これに
より、回転弁体６１がキャップ部材２６と共に開弁方向
へ回転して給水穴６８と連通穴５４とが一致し、第２給
水バルブ３５が開放される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、加湿器等の装置本
体に着脱可能に装着される液体用タンクと、この液体用
タンク内へ貯えられた水を利用して室内の空気を加湿す
る加湿器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】室内の空気を加湿する加湿器としては、
例えば、着脱式の給水タンク内に貯えられた水をヒータ
等により加熱して蒸発させ、これにより得られた水蒸気
を空気と混合して装置外部へ放出するものが従来から知
られている。このような構造を有する加湿器の一例が図
６に示されている。この加湿器１２０の装置本体内に
は、樹脂製容器である給水タンク１２２が着脱可能に装
着されている。この給水タンク１２２内には、図示を省
略したヒータにより加熱されて水蒸気とされる水が貯え
られている。給水タンク１２２の頂部には取手１２４が
設けられている。また給水タンク１２２の底面には給水
用の開口部が形成され、この開口部には、図７に示され
るキャップ１２６が着脱可能に装着されている。加湿器
１２０は、運転時に給水タンク１２２内の水を消費して
室内を加湿する。従って、ユーザは、給水タンク１２２
内の水が無くなると、あるいは水が無くなる前に給水タ
ンク１２２内へ給水しなればならない。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、加湿器
１２０の給水タンク１２２内へ給水する際には、給水タ
ンク１２２を加湿器１２０の装置本体内から取り出し、
給水タンク１２２の取手１２４を持って流し台や洗面所
等の水道の蛇口１２８まで給水タンク１２２を運び、こ
の給水タンク１２２の上下を図７に示されるように反転
した後に開口部からキャップ１２６を外し、給水タンク
１２２へ給水しなければならなかった。さらに給水完了
後には、重量が数キロにもなる重い給水タンク１２２を
再度反転した後に、これを加湿器１２０まで運んで装置
本体に装着しなければならなかった。 また、例えば就
寝時などの室内への加湿を長期間に亘って継続したい
が、給水タンク１２２への給水ができない場合には、給
水タンク１２２内にまだ相当量の水が残っているにも拘
わらず、就寝前に重い給水タンク１２２を蛇口１２８ま
で運び給水しなければならない。このため、着脱式の給
水タンク１２２への給水作業は、作業性が悪く不便であ
ると同時に、高齢者、子供、障害者等にとっては困難な
作業であった。

【０００４】本発明は、上記事実を考慮し、タンク収納
体内から取り外すことなく、簡単な作業により直接的に
給水できる液体用タンクを提供することを目的とし、ま
た装置本体内から液体用タンクを取り外すことなく、液
体用タンクへ簡単な作業により直接的に給水でき、しか
もこのような液体用タンクへの直接給水を装置本体側の
構造を変更せずに実現できる加湿器を提供することを目
的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の液体用タ
ンクは、上部に給水用の開口部が形成され、外部から供
給された液体を貯留する貯留容器と、前記貯留容器に装
着されて前記開口部を閉鎖し、前記貯留容器から取外さ
れて前記開口部を開放する蓋体と、一端部が前記貯留容
器の下部へ接続されると共に他端部が外部に開口した液
体供給路と、前記液体供給路に配置され、外部から開閉
可能とされた第1の液体供給弁と、前記液体供給路にお
ける前記第１の液体供給弁の上流側又は下流側に配置さ
れ、前記蓋体の前記貯留容器への装着動作に連動して開
弁され、かつ前記蓋体の前記貯留容器からの取外動作に
連動して閉弁される第２の液体供給弁と、を有するもの
である。

【０００６】上記構成の液体用タンクによれば、液体供
給路における第１の液体供給弁の上流側又は下流側に配
置された第２の液体供給弁が、蓋体の貯留容器への装着
動作に連動して開弁され、かつ蓋体の前記貯留容器から
の取外動作に連動して閉弁されることにより、貯留容器
内へ液体を供給する際に、貯留容器から蓋体が取外され
ていれば、第１の液体供給弁が開放されていても、第２
の液体供給弁によって貯留容器内から外部へ液体が流出
せず、また貯留容器に蓋体を装着すれば、第２の液体供
給弁が開放するので、第１の液体供給弁の開放時にはタ
ンク外部へ液体が供給可能になり、かつ第１の液体供給
弁の閉鎖時には貯留容器内から外部へ液体が流出しな
い。

【０００７】請求項２記載の液体用タンクは、請求項１
記載の液体用タンクにおいて、前記第２の液体供給弁
は、前記蓋体の前記貯留容器に対する装着時及び取外時
における回転動作に連動して前記液体供給路の開閉状態
を切り替える位置へ回転する回転弁体を有するものであ
る。

【０００８】上記構成の液体用タンクによれば、貯留容
器に対する蓋体の着脱時に回転弁体に連結して蓋体の回
転力を回転弁体へ伝達することにより、蓋体からの回転
力によって第２の液体供給弁を開閉できる。

【０００９】請求項３記載の液体用タンクは、請求項１
記載の液体用タンクにおいて、前記第２の液体供給弁
は、前記液体供給路の一部を構成する弁座部と、前記貯
留容器に対する前記蓋体の装着時における前記蓋体の回
転動作に連動して前記弁座部を開放する開弁位置に回転
し、かつ前記貯水容器に対する前記蓋体の取外時におけ
る前記蓋体の回転動作に連動して前記弁座部を閉鎖する
閉弁位置に回転する回転弁体と、を有するものである。

【００１０】上記構成の液体用タンクによれば、貯留容
器に対する蓋体の着脱時に回転弁体に連結して蓋体の回
転力を回転弁体へ伝達することにより、蓋体からの回転
力によって第２の液体供給弁を開閉できる。

【００１１】請求項４記載の液体用タンクは、請求項２
又は３記載の液体用タンクにおいて、 前記貯留容器に
対する前記蓋体の装着時及び取外時に、前記蓋体を前記
回転弁体に連結して前記蓋体の回転力を前記回転弁体に
伝達する連結手段を有するものである。

【００１２】上記構成の液体用タンクによれば、貯留容
器に対する蓋体の着脱時に蓋体を回転弁体に連結できる
ので、蓋体の回転力を回転弁体へ伝達して第２の液体供
給弁を開閉できる。

【００１３】請求項５記載の加湿器は、請求項１、２、
３又は４記載の液体用タンクと、前記液体用タンクを着
脱可能に収納するタンク収納体と、前記液体用タンクか
ら供給される水を水蒸気又は微細水滴として装置外部へ
放出する水放出手段と、を有するものである。

【００１４】上記構成の加湿器によれば、液体用タンク
へ給水する際に、貯留容器から蓋体を取外すと、この蓋
体の取外動作に連動して第２の液体供給弁が閉鎖する。
これにより、第１の液体供給弁が開放されていても、第
２の液体供給弁によって液体用タンク内から外部へ水が
流出しないので、液体用タンクを装置本体から取り出す
ことなく、開口部を通して液体用タンクへ給水可能とな
る。さらに給水完了後に貯留容器へ蓋体を装着すると、
この蓋体の装着動作に連動して第２の液体供給弁が開放
する。これにより、第２の液体供給弁及び第１の液体供
給弁を通して液体用タンクから装置本体側へ給水可能に
なる。

【００１５】また装置本体を従来構造から変更すること
なく、装置本体内に収納された液体用タンクへ直接的に
給水可能となるので、このような直接給水機能を有する
加湿器を低コストで実現できる。

【００１６】請求項６記載の加湿器は、請求項５記載の
加湿器において、前記タンク収納体は、前記液体用タン
クの収納時に前記第１の液体供給弁へ係合して該第１の
液体供給弁を開弁し、前記液体用タンクの抜取時に前記
第１の液体供給弁から離脱して前記第１の液体供給弁を
閉弁する操作部材を有するものである。

【００１７】上記構成の加湿器によれば、液体用タンク
をタンク収納体へ収納すれば、第１の液体供給弁が自動
的に開弁し、かつ液体用タンクをタンク収納体から抜取
れば、第１の液体供給弁が自動的に閉弁する。

【００１８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
加湿器について図面を参照して説明する。

【００１９】図１には本発明の実施の形態に係る加湿器
１０が示されている。この加湿器１０は、図１に示され
るように装置本体の外郭部を構成する筐体１２を備えて
いる。筐体１２は直方体状に形成されており、筐体１２
の上面側には本体開口部１４が設けられている。ここ
で、本体開口部１４は、装置の高さ方向（図１の矢印Ｈ
方向）と直交する装置の幅方向（図１の矢印Ａ方向）へ
長い略長方形とされている。本体開口部１４には、図１
の２点鎖線で示されるように蓋部材１６が着脱可能に装
着されている。

【００２０】筐体１２内には、幅方向における一端部側
（図１の右側）に給水タンク２０が本体開口部１４を通
して着脱可能に装填されている。給水タンク２０は薄肉
状のポリエチレンを外皮部として略立方体の容器状に形
成され、この給水タンク２０の内部空間は、外部から供
給された水を貯える貯水室２１とされている。給水タン
ク２０の頂部には給水用の開口部２２が形成されてい
る。開口部２２は、給水タンク２０の頂面から上方へ突
出する円筒状のキャップ取付部２４の内周側に形成され
ている。このキャップ取付部２４の外周面には径方向へ
突出する一対のスライド片２５が設けられている。スラ
イド片２５は周方向に沿って長く軸方向へ薄い板状に形
成され、キャップ取付部２４の外周面における径方向に
沿った両端部に配置されている。

【００２１】給水タンク２０のキャップ取付部２４に
は、図に示されるようにキャップ部材２６が装着され、
これにより、開口部２２がキャップ部材２６によって閉
止される。キャップ部材２６の上部側には、頂面側が閉
止された略円筒状に形成された蓋部２８が形成されてい
る。蓋部２８の内周面には、図３に示されるようにキャ
ップ部材２４のスライド片２５に対応する一対のスライ
ド溝２９が形成されている。スライド溝２９は、蓋部２
８の内周面の略１／４周に亘って形成され、その長手方
向に沿った一端部が蓋部２８の下端へ開口しており、こ
のスライド溝２９の開口部はスライド片２５の出入口と
されている。スライド溝２９には、蓋部２８下方から見
て開口端部から時計方向へ伸びると共に蓋部１９の上端
部側へ傾斜した傾斜部２９Ａと、この傾斜部２９Ａの終
端部から時計方向へ水平に延出した水平部２９Ｂとが形
成されている。この水平部２９は、スライド片２５の周
方向に沿った長さより僅かに長く形成されている。

【００２２】給水タンク２０の外側面には、幅方向へ突
出する一対の連結ピン２０Ａが同軸上に設けられてい
る。これらの連結ピン２０Ａには略コ字状に屈曲された
細長い板状の取手２３の両端部がそれぞれ連結され、こ
の取手２３は、連結ピン２０Ａにより回動可能に支持さ
れている。

【００２３】蓋部２８の頂板部下面には、図３に示され
るように側板部２８Ａに沿ってリブ状の周壁２８Ｂが全
周に亘って同心状に形成されている。これにより、蓋部
２８内には、周壁２８Ａと蓋部２８の側板部との間に一
定幅の周状の溝２８Ｃが形成される。この溝２８Ｃ内に
はゴム製のシールリング３０が挿入されている。

【００２４】キャップ部材２６をキャップ取付部２４ヘ
装着する際には、蓋部２８を上方からキャップ取付部２
４の外周面へ嵌挿しつつ、一対のスライド片２５をそれ
ぞれ蓋部２８のスライド溝２９内へ挿入する。この後、
キャップ部材２６を時計方向へ回転させると、スライド
片２５がスライド溝２９の傾斜部２９Ａに沿って相対移
動する。このとき、キャップ部材２６は時計方向への回
転と同時に傾斜部２９Ａの作用より給水タンク２０へ近
づき、スライド片２５がスライド溝２９の終端部まで到
達すると、シールリング３０をキャップ取付部２４の上
端部へ圧接させる。この状態からキャップ部材２６を更
に時計方向へ回転させると、スライド片２５がスライド
溝２９の水平部２９Ｂ内へ移動する。これにより、キャ
ップ部材２４は、図２に示されるようにキャップ取付部
２４へ固定されて開口部２２を閉鎖する。

【００２５】給水タンク２０の底部にも、図２に示され
るように開口部３１が形成されており、この開口部３１
は、給水タンク２０の底面から下方へ突出する円筒状の
バルブ取付部３２の内周側に形成されている。このバル
ブ取付部３２の外周面には雄ねじ部（図示省略）が形成
されている。バルブ取付部３２には、開口部３０を閉止
するように第１給水バルブ３４及び第２給水バルブ３５
が取り付けられている。

【００２６】給水バルブ３４，３５は、内周面に雌ねじ
部（図示省略）が形成された円筒状のキャップ部材３６
を共用部品として備えている。給水バルブ３４，３５
は、キャップ部材３６の雌ねじ部がバルブ取付部３２の
雄ねじ部へねじ込まれてバルブ取付部３２へ固定され
る。キャップ部材３６の内周側には、図２に示されるよ
うに軸方向中間部に隔室３９を形成するように上部仕切
板４０及び下部仕切板４１が設けられている。また上部
仕切板４０上には、図２に示されるように外周縁部にゴ
ム製のシールリング３８が載置されている。キャップ部
材３６がバルブ取付部３２へねじ込まれた状態では、バ
ルブ取付部３２の下端部が上部仕切板４０上のシールリ
ング３８へ圧接させる。これにより、バルブ取付部３２
とキャップ部材３６との接合部がシールリング３８によ
ってシールされる。

【００２７】キャップ部材３６の下部仕切板４１の中心
部には、図２に示されるように下部仕切板４１を貫通す
るように円筒状の給水管４２が同軸的に配置されてお
り、この給水管４２はキャップ部材３６内の隔室３９を
タンク外部へ連通させている。給水管４２内には開閉部
材４３が軸方向に沿って移動可能に配置されている。開
閉部材４３は、隔室３９内に支持される弁体４４と、こ
の弁体４４へ同軸的に連結されたスライド軸４６とを備
え、スライド軸４６は給水管４２内へ挿入されている。
弁体４４は、給水管４２の上端部へ面した下面側が略円
錐状とされており、上端部での外径が給水管４２の内径
より大きくされている。

【００２８】開閉部材４３のスライド軸４６は、給水管
４２の内周面から中心側へ延出したアーム（図示省略）
先端に固着されたリング状の軸受部４８により軸方向へ
摺動可能に支持されている。スライド軸４６の下端部に
は軸部より大径とされた円板状の加圧部５０が設けられ
ている。加圧部５０と軸受部４８との間にはコイルスプ
リング５２が配置され、このスライド軸４６はコイルス
プリング５２へ嵌挿され、開閉部材４３の作動方向であ
る軸方向に沿って開閉部材４３を常に閉鎖方向（下方）
へ付勢している。これにより、スライド軸４６が開放方
向へ加圧されていない状態では、図４に示されるように
弁体４４はコイルスプリング５２の付勢力により給水管
４２の上端部へ圧接されて給水管４２を閉鎖する。

【００２９】キャップ部材３６の上部仕切板４０には、
図３に示されるように上面から上方へ突出する円筒状の
弁体収納部４９が一体的に形成されている。弁体収納部
４９は、開口部３１を通して給水タンク２０の貯水室２
１内へ挿入されている。弁体収納部４９には、周方向に
沿って等間隔で複数（本実施の形態では４個）の貫通穴
５３が形成されている。弁体収納部４９は、貫通穴５３
及び上面側の開口を通して貯水室２１内へ連通してい
る。また上部仕切板４０には弁体収納部４９の内周側に
連通穴５４が形成されており、この連通穴５４は弁体収
納部４９を隔室３９へ連通させている。

【００３０】上部仕切板４０の上面には、図３に示され
るように連通穴５４の周縁部に上方へ突出し、それぞれ
径が異なる一対の円筒部５５（図５参照）が同心状に形
成されると共に、軸心Ｓを中心とする周方向に沿って円
筒部５５と等しい高さのリブ状のスライド部５６がそれ
ぞれ形成されている。一対の円筒部５５の間には円筒部
５５の高さより肉厚のシール用のＯリング５７が嵌挿さ
れている。また上部仕切板４０の上面には、その中心部
に弁体収納部４９の軸心Ｓに沿って突出する丸棒状の支
軸５８が設けられ、この支軸５８の先端部にはねじ部５
８Ａが形成されている。ここで、上部仕切板４０及び弁
体収納部４９は第２給水バルブ３５の一部を構成してい
る。

【００３１】弁体収納部４９内には、図３に示されるよ
うに上部仕切板４０の連通穴５４を開閉する第２給水バ
ルブ３５の回転弁体６１が配置されている。回転弁体６
１は有底円筒状に形成されており、その外径が弁体収納
部４９の内径より僅かに小さくされている。回転弁体６
１には、軸方向に沿って底板中心部を貫通する挿通穴６
２が形成されている。回転弁体６１は弁体収納部４９内
へ挿入されて上部仕切板４０上へ載置される。このと
き、上部仕切板４０の支軸５８は挿通穴６２を挿通して
回転弁体６１内へ挿入される。また回転弁体６１の底板
部下面は、上部仕切板４０の円筒部５５及びスライド部
５６へ接し、円筒部５５へ嵌挿されたＯリング５７へ圧
着される。また回転弁体６１の側壁部には、弁体収納部
４９の貫通穴５３に対応する２個の貫通穴６０が形成さ
れ、これらの貫通穴６０は回転弁体６１の側板部を貫通
している。

【００３２】第２給水バルブ３５は、図５に示されるよ
うに支軸５８のねじ部５８Ａにナット６９により締結固
定される円板状のスプリング保持部材６３と、このスプ
リング保持部材６３と回転弁体６１の底板部との間に挟
持されるコイルスプリング６４とを備えている。このコ
イルスプリング６４は、回転弁体６１を常に軸心Ｓに沿
って下方へ付勢している。

【００３３】回転弁体６１には、図３に示されるように
上端面から下方へ向かって切り欠かれた一対の連結溝６
５が設けられ、これら一対の連結溝６５は、軸心Ｓに対
する径方向に沿って回転弁体６１の両端部にそれぞれ配
置されている。連結溝６５には、回転弁体６１の上端面
から下方へ向かってＶ字状に幅が狭くなるガイド部６５
Ａと、このガイド部６５Ａの下端部から周方向に沿った
幅が一定とされた連結固定部６５Ｂとが形成されてい
る。回転弁体６１の底板部には、図２に示されるように
軸心Ｓを中心とする周方向で連結溝６５とは約９０°ず
れた位置に連通穴５４に対応する給水穴６８が穿設され
ている。第２給水バルブ３５は、給水穴６８が上部仕切
板４０の連通穴５４と一致すると開放されて貯水室２１
を隔室３９へ連通させ、また回転弁体６１が回転して給
水穴６８が連通穴５４から離れると閉鎖されて貯水室２
１と隔室３９との間を遮断する。

【００３４】一方、キャップ部材２６には、図５に示さ
れるように蓋部２８の頂板部下面から下方へ突出する円
筒状のバルブ駆動部材６６が一体的に設けられている。
バルブ駆動部材６６は蓋部２８と同軸的とされており、
バルブ駆動部材６６の中空部内には、径方向に沿って内
周面間に延在する平板状の連結板６７が設けられてい
る。

【００３５】キャップ部材２６の蓋部２８がキャップ取
付部２４へ嵌挿されてスライド片２５がスライド溝２９
へ挿入されると、図２に示されるようにバルブ駆動部材
６６が回転弁体６１の外周面へ嵌挿されると共に、連結
板６７が連結溝６５のガイド部６５Ａにより案内されつ
つ連結固定部６５Ｂ内へ挿入される。これにより、回転
弁体６１とキャップ部材２６が連結されて回転方向で互
い固定される。従って、キャップ部材２６が時計方向へ
約９０°回転してキャップ取付部２４へ固定されると共
に、回転弁体６１も約９０°開弁方向である時計方向へ
回転する。このとき、回転弁体６１の給水穴６８が上部
仕切板４０の連通穴５４と一致して第２給水バルブ３５
が開放される。

【００３６】またキャップ部材２６をキャップ取付部２
４から取外す際に、キャップ部材２６をキャップ取付部
２４から離脱可能となるまで反時計方向へ回転させると
共に、回転弁体６１も約９０°閉弁方向である反時計方
向へ回転する。このとき、図４に示されるように回転弁
体６１の給水穴６８が上部仕切板４０の連通穴５４から
離れて第２給水バルブ３５が閉鎖される。

【００３７】また回転弁体６１の２個の連通穴６０は、
第２給水バルブ３５を開弁する位置、及びこの位置から
約９０°回転して第２給水バルブ３５を閉弁する位置の
何れにあっても、弁体収納部４９における４個の連通穴
５３のうち対応する２個の連通穴５３と一致する。これ
により、貯水室２１と回転弁体６１とは、第２給水バル
ブ３５の開弁時にも閉弁時にも連通穴５３，６０によっ
て互いに連通している。

【００３８】筐体１２内には、図１に示されるように装
置の内部空間を上部側と底部側とに区画する隔壁である
仕切板７０が筐体１２と一体的に成形されている。仕切
板７０には、給水タンク２０の底板との対向部に凹状の
中間貯水部７２が一体的に形成されている。中間貯水部
７２の底板部には、給水タンク２０が筐体１２内へ収納
された状態では、給水タンク２０の下面から突出するキ
ャップ部材３６が中間貯水部７２内へ挿入され、また給
水タンク２０のキャップ部材３６の周辺部は仕切板７０
上へ載置される。

【００３９】中間貯水部７２の底板部には、第１給水バ
ルブ３４の開閉部材４３に対応するように上方へ突出す
るバルブ操作ピン７４が設けられている。バルブ操作ピ
ン７４は、給水タンク２０が筐体１２内へ収納された状
態では開閉部材４３の加圧部５０を上方へ加圧する。こ
れにより、図２に示されるように弁体４４が給水管４２
の上端部から離間し、第１給水バルブ３４が開放され
る。また筐体１２内に収納された給水タンク２０が本体
開口部１４を通して取外されると、バルブ操作ピン７４
は開閉部材４３の加圧部５０から離れる。これにより、
図４に示されるように弁体４４がコイルスプリング５２
の付勢力により給水管４２の上端部へ圧接され、第１給
水バルブ３４が閉鎖される。

【００４０】本実施の形態の加湿器１０では、給水タン
ク２０内に水が貯えられ、給水タンク２０にキャップ部
材２６が装着された状態で、第１給水バルブ３４及び第
２給水バルブ３５が開放されると、中間貯水部７２には
所定の正常水位（図１の符号ＬＶ１の水位）に保たれる
ように給水タンク２０から給水される。また中間貯水部
７２には、中間貯水部７２の水位が正常水位ＬＶ１より
低い下限水位（図１の符号ＬＶ２の水位）以下になる
と、これを検出する水位センサ（図示省略）が設置され
ている。中間貯水部７２の正常水位ＬＶ１は、キャップ
部材３６の下端面と同一レベルとされている。給水タン
ク２０内の水は、中間貯水部７２内の水位が正常水位Ｌ
Ｖ１より上にあると、給水タンク２０が気密状態とされ
ていることから、給水タンク２０内の水面上の空気層の
静圧により給水バルブ３４，３５を通して流出しない。

【００４１】また水中間貯水部７２内の水位が前記正常
水位ＬＶ１より下がると、給水バルブ３４，３５を通し
て給水タンク２０内へ空気が侵入することから、侵入し
た空気量に対応する量の水が第１給水バルブ３４を通し
て給水タンク２０から中間貯水部７２へ供給される。従
って、キャップ部材２６により開口部２２が閉止されな
いと、給水バルブ３４は給水タンク２０から中間貯水部
７２へ供給する水量を正常に制御できなくなる。

【００４２】仕切板７０には、給水タンク２０の載置部
に隣接して円形開口部７５が形成されている。この円形
開口部７５内には、図１に示されるようにカップ状の加
熱容器７６が挿入されており、円形開口部７５の周縁部
には加熱容器７６の上端部に形成されたフランジ部７８
が密着し、固定されている。加熱容器７６はステンレス
等の金属製あるいは樹脂製で高い耐熱性及び熱伝導性を
有している。加熱容器７６の底板部及び中間貯水部７２
の底板部には、シリコンチューブ等からなる給水パイプ
８０の両端部がそれぞれ接続されており、この給水パイ
プ８０を通して加熱容器７６と中間貯水部７２とは互い
に連通している。従って、給水タンク２０から給水され
る中間貯水部７２の水位と加熱容器７６の水位は常に同
じになる。

【００４３】筐体１２内には、加熱容器７６の底部下面
に対向するようにヒータ８２が配設されている。ヒータ
８２は、装置運転時に図示しない電源部から駆動電流を
供給されることにより、ジュール熱を発生して加熱容器
７６内の水を蒸発させる。さらに筐体１２内には、加熱
容器７６の上方に仕切板７０により円筒状のスチームダ
クト８４が支持されている。スチームダクト８４の頂部
には、ダクト本体部より小径とされ装置外部まで伸びた
円筒状の放出管８６が接続されている。またスチームダ
クト８４には送気ファンからの空気を供給する送気管
（図示省略）が接続されており、スチームダクト８４
は、加熱容器７６から供給される水蒸気と送気ファンか
ら供給される空気を攪拌混合し、多量の水蒸気を含む空
気を放出管８６から装置外部へ放出する。

【００４４】次に、本実施の形態に係る加湿器１０の作
用を説明する。

【００４５】図１に示されるように給水タンク２０内に
水が貯えられている時には、給水タンク２０からの給水
により中間貯水部７２内の水量は正常水位ＬＶ１に保た
れる。この状態で加湿器１０が運転されると、加熱容器
７６内の水がヒータ８２により加熱されて水蒸気が多量
に発生し、この水蒸気がスチームダクト８４内で空気と
混合されて装置外部へ放出される。これにより、加湿器
１０が設置された室内の湿度が上昇する。

【００４６】加湿器１０の給水タンク２０内の水が無く
なり、中間貯水部７２内の水位が下限水位ＬＶ２より低
下すると、水位センサが水位低下を検出して検出信号を
出力する。この検出信号を受けた制御部（図示省略）
は、液晶パネル等からなる表示部により給水タンク２０
内に水が無いことをアラーム表示させると共に、空だき
防止のため検出信号の入力から所定時間経過後に装置運
転を停止する。これにより、ユーザが給水タンク２０へ
の給水時期を把握することができる。

【００４７】給水タンク２０へ給水する際には、蓋部材
１６を筐体１２の本体開口部１４から取外す。この後、
キャップ部材２６を図１に示される位置から反時計方向
へ約９０°回転させると、給水タンク２０のスライド片
２５が蓋部２８のスライド溝２９の開口端部まで相対移
動するので、キャップ部材２６をキャップ取付部２４か
ら取外すことができる。このとき、キャップ部材２６の
バルブ駆動部材６６と連結されている回転弁体６５は閉
弁方向へ回転する。これにより、回転弁体６５の給水穴
６８が連通穴５４から離れて第２給水バルブ３５が閉鎖
される。

【００４８】従って、給水タンク２０の開口部２２を閉
止しているキャップ部材２６をキャップ取付部２４から
取り外して開口部２２を開放すると、やかん等の容器内
の水を給水タンク２０内へ給水可能になる。このとき、
貯水室２１内の水は、第２給水バルブ３５が閉鎖されて
いるので、第１給水バルブ３４が開放されていても中間
貯水部７２へ給水されない。

【００４９】貯水室２１内への給水が完了すると、キャ
ップ部材２６を給水タンク２０のキャップ取付部２４へ
装着して開口部２２を閉鎖する。キャップ部材２６をキ
ャップ取付部２４へ装着する際には、キャップ部材２６
を給水タンク２０のキャップ取付部２４へ嵌挿しつつ、
キャップ取付部２４のスライド片２５を開口端部からス
ライド溝２９内へ挿入する。これにより、バルブ駆動部
材６６の連結板６７が回転弁体６１の連結溝６５内へ挿
入されてキャップ部材２６と回転弁体６１が回転方向で
連結される。この後、キャップ部材２６を時計方向へ約
９０°回転させると、キャップ部材２６がキャップ取付
部２４へ固定されて開口部２２が閉鎖される。これと同
時に回転弁体６１は、開弁方向へキャップ部材２６と等
しい角度回転する。これにより、図２に示されるよう
に、給水穴６８と連通穴５４とが一致して第２給水バル
ブ３５が開放される。

【００５０】給水タンク２０の貯水室２１内に水が貯え
られ、かつキャップ部材２６により開口部２２が閉鎖さ
れた状態で、第１給水バルブ３４及び第２給水バルブ３
５が開放されると、給水バルブ３４，３５を通して給水
タンク２０内から中間貯水部７２内へ水が供給される。
このとき、第１給水バルブ３４は、貯水室２１内の空気
静圧の作用によって中間貯水部７２内の水位が正常水位
ＬＶ１になるように給水し、装置運転により中間貯水部
７２内の水位が正常水位ＬＶ１より低下すると、再び中
間貯水部７２内の水位が正常水位ＬＶ１になるように給
水する。

【００５１】以上説明した本実施の形態の加湿器１０に
よれば、給水タンク２０の貯水室２１へ給水する際に、
給水タンク２０のキャップ取付部２４へ装着されている
キャップ部材２６を反時計方向（閉弁方向）へ回転させ
てキャップ部材２６をキャップ取付部２４から取外す
と、このキャップ部材２６の回転に連動してバルブ駆動
部材６６が第２給水バルブ３５を閉鎖する。これによ
り、第１給水バルブ３４が開放されていても、第２給水
バルブ３５によって給水タンク２０の貯水室２１内から
中間貯水部７２へ水が流出しないので、給水タンク２０
を筐体１２から取り出すことなく、給水タンク２０の開
口部２２を通して貯水室２２へ給水可能となる。さらに
給水完了後に、キャップ取付部２４へ嵌挿したキャップ
部材２６を時計方向（開弁方向）へ回転させてキャップ
取付部２４へ装着すると、このキャップ部材２６の回転
に連動してバルブ駆動部材６６が第２給水バルブ３５を
開放する。これにより、給水タンク２０が筐体１２内に
収納されている状態では、第２給水バルブ３５及び第１
給水バルブ３４を通して給水タンク２０の貯水室２１内
の水を中間貯水部７２へ給水可能になる。

【００５２】また、本実施の形態の加湿器１０では、キ
ャップ部材２６の回転に連動して回転弁体６１を回転さ
せるバルブ駆動部材６６がキャップ部材２６と一体的に
設けられているので、加湿器１０の装置本体側の構造を
変更することなく、筐体１２内に収納された給水タンク
２０へ直接的に給水可能となるので、このような直接給
水機能を有する加湿器１０を低コストで実現できる。

【００５３】また、本実施の形態の加湿器１０では、従
来の加湿器１２０（図６参照）と同様に給水タンク２０
を外装筐体１２内から取り出せば、第１給水バルブ３４
が閉鎖されるので、キャップ部材２６を給水タンク２０
へ装着したままで、給水タンク２０を水道の蛇口のある
場所まで運んで、キャップ部材２６を取外した後に蛇口
から開口部２２を通して給水タンク２０の貯水室２１内
へ給水できる。この場合にも、給水タンク２０の上下を
反転することなく、給水タンク２０上部の開口部２２か
ら給水できるので、給水作業の作業負荷が軽減される。

【００５４】なお、以上の説明では、本実施の形態に係
る加湿器を加熱式の加湿器１０に適用した場合のみを説
明したが、本実施の形態に係る加湿器は、超音波式等の
構造が異なる加湿器に適用することも可能であり、この
ような構造が異なる加湿器に適用しても、加熱式の加湿
器１０へ適用した場合と同様の作用効果が得られる。

【００５５】また、本実施の形態に係る加湿器１０にお
ける給水タンク２０の構成は、石油ファンヒータ等の液
体が外部から補給される他の装置へ液体用タンクとして
適用することも可能であり、このような他の装置に適用
すれば、装置へ収納された着脱式の液体用タンクへの液
体補給を容易にできる。

【００５６】

【発明の効果】以上説明したように本発明の液体用タン
クによれば、タンク収納体内から取り外すことなく、簡
単な作業により直接的に給水できる。

【００５７】また本発明の加湿器によれば、装置本体内
から液体用タンクを取り外すことなく、液体用タンクへ
簡単な作業により直接的に給水でき、しかもこのような
液体用タンクへの直接給水を装置本体側の構造を変更せ
ずに実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の実施の形態に係る加湿器の構成を示
す断面図である。

【図２】 本発明の実施の形態に係る加湿器におけるキ
ャップ部材が装着された給水タンク及び中間貯水部を示
す断面図である。

【図３】 本発明の実施の形態に係る加湿器におけるキ
ャップ部材が取外された給水タンク及び中間貯水部を示
す断面図である。

【図４】 本発明の実施の形態に係る加湿器本体から取
外された給水タンクを示す断面図である。

【図５】 本発明の実施の形態に係る加湿器におけるキ
ャップ部材、バルブ駆動部材及び第２給水バルブを軸方
向に沿って分解した分解斜視図である。

【図６】 着脱可能な給水タンクを備えた従来の加湿器
の一例を示す斜視図である。

【図７】 図６に示される給水タンクへの給水作業を説
明するための側面図である。

【符号の説明】

１０ 加湿器 １２ 筐体（タンク収納体） １６ 蓋部材 ２０ 給水タンク（液体用タンク） ２１ 貯水室 ２６ キャップ部材（蓋体） ３４ 第１給水バルブ（第１の液体供給弁） ３５ 第２給水バルブ（第２の液体供給弁） ４０ 上部仕切板 ５４ 連通穴 ６１ 回転弁体 ６６ バルブ駆動部材 ６７ 連結板（連結手段）

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上部に給水用の開口部が形成され、外部
   から供給された液体を貯留する貯留容器と、 前記貯留容器に装着されて前記開口部を閉鎖し、前記貯
   留容器から取外されて前記開口部を開放する蓋体と、 一端部が前記貯留容器の下部へ接続されると共に他端部
   が外部に開口した液体供給路と、 前記液体供給路に配置され、外部から開閉可能とされた
   第1の液体供給弁と、 前記液体供給路における前記第１の液体供給弁の上流側
   又は下流側に配置され、前記蓋体の前記貯留容器への装
   着動作に連動して開弁され、かつ前記蓋体の前記貯留容
   器からの取外動作に連動して閉弁される第２の液体供給
   弁と、 を有することを特徴とする液体用タンク。
2. 【請求項２】 前記第２の液体供給弁は、前記蓋体の前
   記貯留容器に対する装着時及び取外時における回転動作
   に連動して前記液体供給路の開閉状態を切り替える位置
   へ回転する回転弁体を有することを特徴とする請求項１
   記載の液体用タンク。
3. 【請求項３】 前記第２の液体供給弁は、前記液体供給
   路の一部を構成する弁座部と、前記貯留容器に対する前
   記蓋体の装着時における前記蓋体の回転動作に連動して
   前記弁座部を開放する開弁位置に回転し、かつ前記貯水
   容器に対する前記蓋体の取外時における前記蓋体の回転
   動作に連動して前記弁座部を閉鎖する閉弁位置に回転す
   る回転弁体と、を有することを特徴とする請求項１記載
   の液体用タンク。
4. 【請求項４】 前記貯留容器に対する前記蓋体の装着時
   及び取外時に、前記蓋体を前記回転弁体に連結して前記
   蓋体の回転力を前記回転弁体に伝達する連結手段を有す
   ることを特徴とする請求項２又は３記載の液体用タン
   ク。
5. 【請求項５】 請求項１、２、３又は４記載の液体用タ
   ンクと、 前記液体用タンクを着脱可能に収納するタンク収納体
   と、 前記液体用タンクから供給される水を水蒸気又は微細水
   滴として装置外部へ放出する水放出手段と、 を有することを特徴とする加湿器。
6. 【請求項６】 前記タンク収納体は、前記液体用タンク
   の収納時に前記第１の液体供給弁へ係合して該第１の液
   体供給弁を開弁し、前記液体用タンクの抜取時に前記第
   １の液体供給弁から離脱して前記第１の液体供給弁を閉
   弁する操作部材を有することを特徴とする請求項５記載
   の加湿器。