JP2000274566A - 変位吸収型フランジ管継手構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 両管端部のガスケット部分での軸芯のずれを
可及的に防止し、仮に若干の軸芯ずれが生じた場合でも
これを吸収して漏れを生じさせない。 【解決手段】 フランジ間にガスケット５を介設して両
フランジをボルト３とナット４で締付けるフランジ管継
手構造である。ガスケット５としてシール部５ａが外側
に広がった形状のＵ型ガスケットを使用する。フランジ
とナット４間にコイル状をしたスプリングワッシャー７
を介設する。 【効果】 配管系に必要以上の荷重が作用した場合に
は、スプリングワッシャーによって荷重が軽減され、配
管系に必要以上の負荷を負担させることがないので、配
管の接続部分で軸芯のずれが発生しにくくなる。仮に、
若干の軸芯のずれが発生した場合でも、ガスケットとし
て、シール部が外側に広がった形状のＵ型ガスケットを
使用するので、漏れが生じることはない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えば都市ガス配
管同士を接続するフランジ管継手の構造に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】地中に埋設される例えば都市ガス配管で
は、配管系に発生する変位を吸収するために、従来は、
ベンド管やフープ管を都市ガス配管の途中に介設するこ
とで対処していた。また、都市ガス配管同士の接続は、
環状をした平板状のガスケットを両フランジ部で挟ん
で、単なる緩み止め用のばね座金を用いてボルトとナッ
トで締付けるフランジ管継手を用いて行っていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たようなベンド管やフープ管を配管途中に介設した場合
には、大きな敷設空間が必要であり、配管系の敷設に多
大な労力と費用が必要となっていた。加えて、ベンド管
やフープ管を配管途中に介設するような対処方法では、
予想される変位量に関係なく一定の吸収量であり、無駄
が多かった。

【０００４】また、上記したようなフランジ管継手を用
いて、都市ガス配管を接続した場合には、例えば地震に
よって地盤が移動し、継手部に設計応力以上の荷重が作
用すると、両管端部のガスケット部分で軸芯のずれが生
じ、このガスケット部分で漏れが発生するという問題も
あった。

【０００５】本発明は、上記した問題点に鑑みてなされ
たものであり、両管端部のガスケット部分での軸芯のず
れを可及的に防止し、仮に若干の軸芯ずれが生じた場合
でもこれを吸収して漏れを生じさせず、また、配管系に
発生する予想変位量に応じて配管途中に任意数介設する
ことで、過剰な変位吸収構造を採用することなく変位を
吸収することができる変位吸収型フランジ管継手構造を
提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明の変位吸収型フランジ管継手構造は、シ
ール部が外側に広がった形状のＵ型ガスケットを使用す
ると共に、フランジとナット間にコイル状をしたスプリ
ングワッシャーを介設することとしている。そして、こ
のようにすることで、配管系に必要以上の負荷を負担さ
せることがなく、ガスケットでの漏れを効果的に防止で
きる。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明の変位吸収型フランジ管継
手構造は、フランジ間にガスケットを介設して両フラン
ジをボルトとナットで締付けるフランジ管継手構造にお
いて、ガスケットとしてシール部が外側に広がった形状
のＵ型ガスケットを使用すると共に、フランジとナット
間にコイル状をしたスプリングワッシャーを介設したも
のである。

【０００８】本発明の変位吸収型フランジ管継手構造
は、フランジとナット間にコイル状をしたスプリングワ
ッシャーを介設したので、配管系に必要以上の荷重が作
用した場合には、このスプリングワッシャーによって荷
重が軽減されて、配管系に必要以上の負荷を負担させる
ことがなく、フランジ管継手を使用した配管の接続部分
で軸芯のずれが発生しにくい。

【０００９】仮に、配管の接続部分で若干の軸芯のずれ
が発生した場合でも、ガスケットとして、シール部が外
側に広がった形状のＵ型ガスケットを使用するので、漏
れが生じることはない。

【００１０】また、予想される配管系の変位量に応じ
て、本発明の変位吸収型フランジ管継手構造を配管系に
任意数設置することで、過剰に変位吸収構造を設置する
ことなく、変位を吸収することができる。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の変位吸収型フランジ管継手構
造を図１〜図３に示す実施例に基づいて説明する。図１
は本発明の変位吸収型フランジ管継手構造を説明する全
体図、図２は一部断面して示す図１の要部拡大図、図３
は図２の他の実施例を示す図である。

【００１２】図１及び図２において、１は本発明の変位
吸収型フランジ管継手構造を構成するフランジ管継手で
あり、このフランジ管継手１と配管２の端部に取付けた
フランジ２ａをボルト３とナット４で締付けて接続する
に際し、本発明のフランジ管継手構造では、次のような
ガスケット５をフランジ管継手１とフランジ２ａ間に介
在させる。

【００１３】すなわち、本発明のフランジ管継手構造で
は、図２に示すように、シール部５ａが外側に広がった
形状のＵ型ガスケット５を環状の板部材６の内周面に取
付けたものを使用する。加えて、本発明のフランジ管継
手構造では、例えばフランジ管継手１のフランジとナッ
ト４の間に、コイル状をしたスプリングワッシャー７を
介設する。

【００１４】このように、フランジとナット４間にコイ
ル状をしたスプリングワッシャー７を介設したので、配
管２系に必要以上の荷重が作用した場合にも、このスプ
リングワッシャー７によって荷重が軽減されて、配管２
系に必要以上の負荷を負担させることがない。従って、
フランジ管継手１を使用した配管２の接続部分で軸芯の
ずれが発生しにくくなる。

【００１５】仮に、フランジ管継手１を使用した配管２
の接続部分で若干の軸芯のずれが発生した場合でも、シ
ール部５ａが外側に広がった形状のガスケット５を使用
することで、ガスケット５部において漏れが生じること
はない。

【００１６】また、配管系に発生する変位を予想して、
その変位量にあわせて本発明の変位吸収型フランジ管継
手構造を任意数だけ配管系に設置したり、また、図３に
示すように、スペーサリング８等を用いて、同一フラン
ジ２ａ内に、変位量に応じた任意数のガスケット５を介
設すれば、過剰に変位吸収構造を設置する必要がなくな
る。

【００１７】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の変位吸収
型フランジ管継手構造は、フランジとナット間にコイル
状をしたスプリングワッシャーを介設したので、配管系
に必要以上の荷重が作用した場合には、スプリングワッ
シャーによって荷重が軽減される。従って、配管系に必
要以上の負荷を負担させることがなく、フランジ管継手
を使用した配管の接続部分で軸芯のずれが発生しにくく
なる。

【００１８】仮に、配管の接続部分で若干の軸芯のずれ
が発生した場合でも、ガスケットとして、シール部が外
側に広がった形状のＵ型ガスケットを使用するので、漏
れが生じることはない。

【００１９】また、配管系に発生する予想変位量に応じ
て、最適の変位吸収量となるように本発明の変位吸収型
フランジ管継手構造の配管系への設置数を任意に設定し
たり、同一フランジ内に、変位量に応じた任意数のガス
ケットを、スペーサリング等を用いて介設することで、
過剰な変位吸収構造を採用する必要もなくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の変位吸収型フランジ管継手構造を説明
する全体図である。

【図２】一部断面して示す図１の要部拡大図である。

【図３】図２の他の実施例を示す図である。

【符号の説明】

１ フランジ管継手 ２ 配管 ２ａ フランジ ３ ボルト ４ ナット ５ ガスケット ５ａ シール部 ７ スプリングワッシャー

フロントページの続き (72)発明者 中嶋 紀美雄 大阪府大阪市中央区北浜４丁目５番33号 住友金属工業株式会社内 Ｆターム(参考） 3H016 AC02 AD02 AD05 AD14

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 フランジ間にガスケットを介設して両フ
   ランジをボルトとナットで締付けるフランジ管継手構造
   において、ガスケットとしてシール部が外側に広がった
   形状のＵ型ガスケットを使用すると共に、フランジとナ
   ット間にコイル状をしたスプリングワッシャーを介設し
   たことを特徴とする変位吸収型フランジ管継手構造。