JP2000273364A - 塗装金属板用水性塗料組成物及び該組成物を被覆した有機複合被膜金属板 - Google Patents

塗装金属板用水性塗料組成物及び該組成物を被覆した有機複合被膜金属板

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JP2000273364A
JP2000273364A JP11084623A JP8462399A JP2000273364A JP 2000273364 A JP2000273364 A JP 2000273364A JP 11084623 A JP11084623 A JP 11084623A JP 8462399 A JP8462399 A JP 8462399A JP 2000273364 A JP2000273364 A JP 2000273364A
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diisocyanate
carbon atoms
compound
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Masahisa Yokota
昌久 横田
Yoshihiko Takada
義彦 高田
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水系で防食性に優れ、且つ耐溶剤性の良い塗
料組成物を提供するものであり、加えてこれらを被覆し
た有機複合被膜金属板を提供することにある。 【解決手段】 セミカルバジド基を1分子中に平均で3
個以上有するポリセミカルバジド化合物と、分子中に2
個以上のカルボニル及び/又はエポキシ基を有する化合
物及び防錆顔料とからなる組成物を金属板に塗布後、乾
燥させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機複合被膜金属
板用水性塗料組成物、及びこれを被覆した有機複合被膜
金属板に関するものであり、さらに詳しくは耐食性、耐
溶剤性に優れた塗膜を形成できる有機複合被膜金属板用
水性塗料組成物、及びこれを被覆した有機複合被膜金属
板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車、家電製品で用いられる金属素材
には他種類のものがあるが、近年、社会的な共通の課題
として、省エネルギー、低コスト、環境保全が必要とな
ってきている。例えば、最もよく用いられる金属素材と
して、亜鉛系メッキ鋼板があるが、防食性を向上させる
ため、クロム酸塩などを用いた表面処理、あるいはクロ
ム酸塩、鉛塩、亜鉛塩、亜鉛粉などの防食性顔料を含有
せしめた溶剤系塗料を用いて耐食性を向上させることが
通常行われている。しかしながら、表面処理膜からのク
ロム、鉛などの重金属の溶出という環境汚染の問題の解
決が強く望まれている。また、溶剤系の塗料を用いた
め、脱VOCという観点からも改善が求められている。
【0003】そこで、クロム酸塩などの防錆顔料を用い
ない技術が提案されており、例えば水系でコロイダルシ
リカを含有させた水系塗料組成物により耐食性を得る技
術が上げられる。しかしながら、これらを被覆された鋼
板はその後の加工や塗装の工程等で求められる耐溶剤性
等のなど物性が満足できず、水系であることの欠点が顕
在化してしまう。
【0004】
【問題が解決しようとする課題】本発明の第一は、水系
で防食性に優れ、且つ耐溶剤性の良い塗料組成物を提供
するものであり、発明の第二はこれらを被覆した有機複
合被膜金属板を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明者は鋭意検討し、(A)セミカルバジド基を
1分子中に平均で3個以上有する下記式(1)で表され
るポリセミカルバジド化合物、(B)分子中に2個以上
のカルボニル及び/又はエポキシ基を有する化合物、
(C)防錆顔料、からなる塗装金属板用水性塗料組成物
を見いだし、発明をなすに至った。
【0006】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発
明の方法で用いるポリセミカルバジド化合物は1分子中
に平均で3個以上のセミカルバジド基を有していること
が必要である。これ以下では、低温硬化性、塗膜物性が
不十分となる。尚、ここで言う1分子あたりのセミカル
バジド基数とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィー(GPC)で測定されるスチレン換算のセミカルバ
ジド組成物数平均分子量をM、セミカルバジド組成物1
グラム中に含まれるセミカルバジド基のモル数をSとし
たときM×Sで表される数で定義される。
【0007】また、上記のセミカルバジド基を有してい
るポリセミカルバジド化合物は、どのような方法で合成
されたものでも良いが、相当する、分子中に平均で3個
以上のイソシアナート基を持つポリイソシアナートとヒ
ドラジン誘導体を反応させるのが好適である。これは一
般式(1)で示すことが出来るが、製造上容易であるば
かりでなく、後述するポリカルボニル化合物等との相溶
性に優れ、該セミカルバジド誘導体を含有してなる被覆
組成物から生成する皮膜の硬度、耐薬品性、耐熱性等の
点から特に好ましい。
【0008】
【化2】
【0009】(式中、R1 は、直鎖状または分岐状の炭
素数2〜20のアルキレンジイソシアネート、置換基を
有しても有さなくても良い炭素数5〜25のシクロアル
キレンジイソシアネート、置換基を有しても有さなくて
も良い炭素数6〜20のアリーレンジイソシアネート、
及び置換基を有しても有さなくても良い炭素数8〜20
のアラルキレンジイソシアネートからなる群から選ばれ
る少なくとも1種のジイソシアネートの3量体〜20量
体オリゴマーに由来する、末端イソシアネート基を有さ
ないポリイソシアネート残基を表す。
【0010】R2 は、水素原子又は炭素数1〜20のア
ルキル基を表す。R3 は、直鎖状又は分岐状の炭素数1
〜20のアルキレン基、炭素数5〜20のシクロアルキ
レン基、もしくは置換基を有しても有さなくても良い炭
素数6〜10のアリーレン基を表す。nは、0又は1を
表す。l及びmは、各々0又は正の整数を表す。ただ
し、20≧(l+m)≧3である。) このポリイソシアネートはいかなる方法を用いて合成し
ても差し支えないが、例えば、ジイソシアネート化合物
をビュレット結合、尿素結合、イソシアヌレート結合、
ウレタン結合、アロファネート結合、ウレトジオン結合
等又はその組み合わせによりオリゴマー化する方法が一
般的である。例えば、特開昭53−106797号公
報、特開昭55−11452号公報、特開昭59−95
259号公報に記載されているがごときビュレット型ポ
リイソシアヌレート、特開昭55−38380号公報等
に記載されているがごときヘキサメチレンジイソシアネ
ートのイソシアヌレート型ポリイソシアネート、特開昭
57−78460号公報に記載されているがごときイソ
ホロンジイソシアネートとヘキサメチレンジイソシアネ
ートとの共重合イソシアヌレート型ポリイソシアネー
ト、特開昭57−47321号公報等に記載されている
がごとき多官能アルコールで変性されたイソシアヌレー
ト型ポリイソシアネート、特開昭64−33115号公
報に記載されているがごとき低粘度イソシアヌレート型
ポリイソシアネート、特開平6−312969号公報に
記載されているがごとき高分岐型イソシアヌレート型ポ
リイソシアネート等が挙げられる。その際に用いるジイ
ソシアネート化合物としては、例えばヘキサメチレンジ
イソシアネート(HDI)等の脂肪族ジイソシアネー
ト、4,4' −メチレンビスシクロヘキシルジイソシア
ネート(水添MDI)、イソフォロンジイソシアネート
(IPDI)、ジメチルシクロヘキサンジイソシアネー
ト(水添XDI)等の脂環族ジイソシアネート、2,4
−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソ
シアネートおよびその混合物(TDI)、ジフェニルメ
タン−4,4' −ジイソシアネート(MDI)、ナフタ
レン−1,5−ジイソシアネート(NDI)、3,3−
ジメチル−4,4−ビフェニレンジイソシアネート(T
ODI)、粗製TDI、ポリメチレンポリフェニルジイ
ソシアネート、粗製MDI等の芳香族ジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート(XDI)、フェニレ
ンジイソシアネート等の芳香脂環族ジイソシアネート
等、及びこれらの併用が挙げられる。これらジイソシア
ネート化合物のうち、生成するセミカルバジド組成物を
用いた皮膜の耐熱黄変性、耐候性等の点から、脂肪族ジ
イソシアネート、脂環族ジイソシアネートがより望まし
い。
【0011】本発明の方法で用いるセミカルバジドは、
ポリイソシアネート反応物をヒドラジン誘導体と反応さ
せることによって得られる。ヒドラジン誘導体として
は、例えばヒドラジン及びその水和物、メチルヒドラジ
ン、エチルヒドラジン等のモノアルキルヒドラジン、エ
チレン−1,2−ジヒドラジン、プロピレン−1,3−
ジヒドラジン、ブチレン−1,4−ジヒドラジン等のジ
ヒドラジン化合物、蓚酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒド
ラジド、こはく酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジ
ド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジ
ド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、
イタコン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、
フタル酸ジヒドラジド等のジカルボン酸ジヒドラジド
類、トリメリト酸トリヒドラジド等のトリカルボン酸ト
リヒドラジド類、下記一般式(2)で表される炭酸ジヒ
ドラジド類、または下記一般式(3)で表されるビスセ
ミカルバジド類等、及びその併用が挙げられる。
【0012】
【化3】
【0013】(式中xは0〜5の整数を意味する)
【0014】
【化4】
【0015】(式中R4 は2価の直鎖状もしくは分岐状
の2〜9個の炭素原子を有する脂肪族残基、5〜8個の
炭素原子を有する脂環族残基または置換基を有しても有
さなくても良い芳香族残基を表す。) 本発明の方法で用いるポリセミカルバジドの製造におい
て、ポリイソシアネート反応物のNCO基と、ヒドラジ
ン誘導体中の−NHNH2基との当量比は、1:1.2
〜100、好ましくは1:2〜80、さらに好ましくは
1:4〜50である。当量比が1:1.2未満である場
合は、生成物が高分子量化し、粘度の上昇が著しく好ま
しくない。また1:100より大きくなると未反応のヒ
ドラジン誘導体が多く存在し好ましくない。
【0016】また本発明の方法で用いるポリセミカルバ
ジドを製造後、余剰のヒドラジン誘導体は必要に応じ蒸
留、抽出等で除去することができる。本発明の方法で用
いるポリセミカルバジドの製造にあたり、必要であれば
例えば錫化合物の如き公知のウレタン合成触媒の合成に
用いることができる触媒を使用することができる。
【0017】またポリセミカルバジドは、無溶媒または
溶媒中で製造できる。溶媒としては、NCO基に不活性
であるか、または反応成分よりも活性の低いものが使用
できる。具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン
系溶媒、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチレン
グリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系
溶媒、N−メチル−2−ピロリドン等のラクタム系溶
媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、酢
酸エチル、セロソルブアセテート等のエステル系溶媒、
t−ブタノール、イソプロパノール、2−ブトキシエタ
ノール等のアルコール類、水、トルエン、キシレン等の
芳香族炭化水素系溶媒、n−ヘキサン等の脂肪族炭化水
素系溶媒等やその併用が挙げられる。
【0018】溶媒はポリセミカルバジド中に残存しても
良いが、常圧あるいは減圧下で蒸留により除去・回収す
ることもできる。他方、本発明の方法で用いられるポリ
カルボニル化合物としては、たとえばカルボニル基を含
有する共重合体、特開平2−238015号公報に記載
されているがごときヒドロキシアセトン等のカルボニル
基のあるモノまたはポリアルコールを原料とするカルボ
ニル基含有ポリウレタン類、アセトアセチル化ポリビニ
ルアルコール、アセトアセチル化ヒドロキシアルキルセ
ルロース等、及びこれらの併用であることが挙げられ
る。
【0019】これらの中で好ましいポリカルボニル化合
物は、カルボニル基含有エチレン性不飽和単量体(イ)
と、該単量体(イ)と共重合可能なエチレン性不飽和単
量体(ロ)とを共重合することによって得られるカルボ
ニル基を含有する共重合体であり、さらに好ましくはポ
リカルボニル化合物が、カルボニル基含有エチレン性不
飽和単量体(イ)0.1〜30重量%と、該単量体
(イ)と共重合可能なエチレン性不飽和単量体(ロ)7
0〜99.9重量%とを共重合することによって得られ
るカルボニル基を含有する共重合体である。
【0020】カルボニル基含有エチレン性不飽和単量体
単量体(イ)としては、ダイアセトンアクリルアミド、
ダイアセトンメタクリルアミド、アクロレイン、ビニル
メチルケトン、アセトアセトキシエチルメタクリレー
ト、アセトアセトキシエチルアクリレート、ホルミルス
チロール等や、その併用が挙げられる。単量体(イ)と
共重合可能なエチレン性不飽和単量体(ロ)としては、
アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、カルボキ
シル基を持つエチレン性不飽和単量体類、アクリルアミ
ド系単量体、メタクリルアミド系単量体、シアン化ビニ
ル類等が挙げられ、(メタ) アクリル酸エステルの例と
しては、アルキル部の炭素数が1〜18の(メタ) アク
リル酸アルキルエステル、アルキル部の炭素数が1〜1
8の(メタ) アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、
エチレンオキサイド基の数が1〜100個の(ポリ)オ
キシエチレン(メタ)アクリレート、プロピレンオキサ
イド基の数が1〜100個の(ポリ)オキシプロピレン
(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド基の数が1
〜100個の(ポリ)オキシエチレンジ(メタ)アクリ
レート等が挙げられる。
【0021】(メタ) アクリル酸エステルの具体例とし
ては、(メタ) アクリル酸メチル、(メタ) アクリル酸
エチル、(メタ) アクリル酸n−ブチル、(メタ) アク
リル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸メチル
シクロヘキシル、(メタ) アクリル酸ドデシル等が挙げ
られる。(メタ) アクリル酸ヒドロキシアルキルエステ
ルの具体例としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキ
シエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピ
ル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシシクロヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸ドデシル等が挙げられる。
【0022】(ポリ)オキシエチレン(メタ)アクリレ
ートの具体例としては、(メタ) アクリル酸エチレング
リコール、メトキシ(メタ) アクリル酸エチレングリコ
ール、(メタ) アクリル酸ジエチレングリコール、メト
キシ(メタ) アクリル酸ジエチレングリコール、(メ
タ) アクリル酸テトラエチレングリコール、メトキシ
(メタ) アクリル酸テトラエチレングリコール等が挙げ
られる。
【0023】(ポリ)オキシプロピレン(メタ)アクリ
レートの具体例としては、(メタ)アクリル酸プロピレ
ングリコール、メトキシ(メタ) アクリル酸プロピレン
グリコール、(メタ) アクリル酸ジプロピレングリコー
ル、メトキシ(メタ) アクリル酸ジプロピレングリコー
ル、(メタ) アクリル酸テトラプロピレングリコール、
メトキシ(メタ) アクリル酸テトラプロピレングリコー
ル等が挙げられる。
【0024】(ポリ)オキシエチレンジ(メタ)アクリ
レートの具体例としては、ジ(メタ) アクリル酸エチレ
ングリコール、ジ(メタ) アクリル酸ジエチレングリコ
ール、メトキシ(メタ) アクリル酸ジエチレングリコー
ル、ジ(メタ) アクリル酸テトラエチレングリコール等
が挙げられる。カルボキシル基を持つエチレン性不飽和
単量体類として具体的には、アクリル酸、メタクリル
酸、イタコン酸、フマール酸、マレイン酸、マレイン酸
の半エステル、クロトン酸などがあり、(メタ)アクリ
ルアミド系単量体類としては、例えば(メタ)アクリル
アミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−
ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどがあり、シ
アン化ビニル類としては、例えば(メタ)アクリロニト
リルなどがある。
【0025】また上記以外の具体例としては、例えばエ
チレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、
ブタジエン等のジエン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン
等のハロオレフィン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、n−酪酸ビニル、安息香酸ビニル、p−t−ブチル
安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニル、2−エチルヘキサ
ン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ラウリン酸ビニル
等のカルボン酸ビニルエステル類、酢酸イソプロペニ
ル、プロピオン酸イソプロペニル等のカルボン酸イソプ
ロペニルエステル類、エチルビニルエーテル、イソブチ
ルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等の
ビニルエーテル類、スチレン、ビニルトルエン等の芳香
族ビニル化合物、酢酸アリル、安息香酸アリル等のアリ
ルエステル類、アリルエチルエーテル、アリルグリシジ
ルエーテル、アリルフェニルエーテル等のアリルエーテ
ル類、さらにγ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,
2,6,6,−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)
アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6,−ペンタメ
チルピペリジン、パーフルオロメチル(メタ)アクリレ
ート、パーフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パ
ーフルオロプロピロメチル(メタ)アクリレート、ビニ
ルピロリドン、トリメチロールプロパントリ(メタ)ア
クリレート、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)
アクリル酸2,3−シクロヘキセンオキサイド、(メ
タ) アクリル酸アリル等やそれらの併用が挙げられる。
【0026】ポリカルボニル化合物は、懸濁重合、乳化
重合又は溶液重合により得られることが好ましく、その
分子量は数平均で5000以上であることが塗膜の物性
の点から好ましい。。また、本発明の方法で用いられる
ポリエポキシ化合物としては、例えばグリシジル(メ
タ)アクリレート等のエポキシ基含有エチレン性不飽和
単量体を他の不飽和単量体と塊状重合法、懸濁重合法、
乳化重合法、溶液重合法などにより共重合させて得られ
るエポキシ基を有する共重合体や、ビスフェノール型エ
ポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等の汎用のエポ
キシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート等が例示で
きる。これらの中でも特にグリシジル(メタ)アクリレ
ート等のエポキシ基含有エチレン性不飽和単量体を他の
不飽和単量体と共重合させて得られるエポキシ基を有す
る共重合体が塗膜の形成性において好ましく、その分子
量は数平均で5000以上であることが塗膜の物性の点
から好ましい。
【0027】さらにはカルボニル基とエポキシ基を同時
に有する化合物を用いることも、またポリカルボニル化
合物とポリエポキシ化合物を混合して用いることも可能
である。また、本発明の方法においてポリセミカルバジ
ド化合物とカルボニル及び/又はエポキシ基を有する化
合物とからなる組成物が50重量%以上、好ましくは7
0重量%の水を含有する溶媒に分散又は溶解しているこ
とは、塗膜形成を行う際の有機溶剤を減らし環境汚染の
負荷を減らすという観点から好ましい。その際には用い
るポリセミカルバジド化合物および分子中に2個以上の
カルボニル及び/又はエポキシ基を有する化合物が容易
に水に溶解又は分散する方が表面状態の良好な塗膜を形
成するには有利である。
【0028】その意味において本発明の方法で用いるカ
ルボニル及び/又はエポキシ基を有する化合物は前述の
カルボニル基含有エチレン性不飽和単量体および/また
はエポキシ基含有エチレン性不飽和単量体を他の不飽和
単量体と共重合させて得られるエポキシ基を有する共重
合体、ラテックスや水溶性樹脂が有利であり、塗膜物性
等の点から特にラテックスが好ましい。そのTgは通常
−30〜100℃、特に−10〜80℃の範囲が好まし
く、酸価は通常1〜40、特に3〜20の範囲が好まし
く、カルボニル及び/又はエポキシ基の含有量は0.0
8mmol/g〜2.68mmol/gの範囲が通常用
いられる。
【0029】また、同様の意味においてポリセミカルバ
ジド化合物は、構造により水に対する溶解もしくは分散
性は異なり、必要に応じて水への溶解もしくは分散性を
向上させる工夫を行っても良い。その一つの方法がセミ
カルバジド化合物に非イオン系及び/またはイオン系親
水性基(または後に親水性基に転化させうる基)を結合
させる事である。
【0030】その具体的な例として、非イオン系及び/
またはイオン系親水性基(または後に親水性基に転化さ
せうる基)の内、非イオン系親水基としてはポリオキシ
アルキレン基類、特にポリオキシエチレン基が挙げら
れ、ポリオキシアルキレン基の分子量は200以上、好
ましくは300以上が用いられる。一方アニオン基とし
てはカルボキシル基、スルホン酸基、スルフェン酸基等
を有する有機残基が挙げられ、さらにその一部、または
全部を塩基で中和されたものも含まれる。中和に用いる
塩基としてはアンモニア、ジエチルアミン、トリエチル
アミン、ジエタノールアミン、ジメチルアミノエタノー
ル、メチルジエタノールアミン、n−エチルモルホリン
等のアミン類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水
酸化リチウム等の金属水酸化物、及びこれらの併用が挙
げられる。他方、カチオン基(または後にカチオン基に
転換させ得る基)としてはアミノ基を有する有機残基が
挙げられ、酸で中和もしくはアルキル化剤で4級化する
ことによりカチオン基に変換できる。中和に用いる酸と
しては、例えば酢酸、乳酸、塩酸、リン酸、硫酸等が挙
げられる。アルキル化剤としては、例えばジメチル硫
酸、ジエチル硫酸、メチルクロライド、メチルアイオダ
イド、ベンジルクロライド等が挙げられる。
【0031】上記の非イオン系及び/またはイオン系親
水性基(または後に親水性基に転化させうる基)を導入
する方法は特に特定しないが、例えば上記の非イオン及
び/またはイオン性親水性基(または後に親水性基に転
化させうる基)とともに活性水素基を有する化合物と相
当するポリイソシアネートとを反応させた後に前述のヒ
ドラジン誘導体と反応させる方法、別の方法として、上
記の非イオン及び/またはイオン性親水性基(または後
に親水性基に転化させうる基)とともにセミカルバジド
基と反応・結合する基を有する化合物と含セミカルバジ
ド有機物を反応させる方法等が例示できる。前者の非イ
オン及び/またはイオン性親水性基(または後に親水性
基に転化させうる基)とともに活性水素基を有する化合
物の例としては、ポリエチレングリコール、ポリオキシ
エチレン−プロピレン(ランダム及び/またはブロッ
ク)グリコール等のポリエーテルポリオール類やこれら
ポリエーテルポリオールに含まれる水酸基の一部が1〜
25個の炭素原子を有する炭化水素基で置換もしくはエ
ーテル化された化合物、さらには米国特許第39059
29号明細書に記載されたごとき懸垂したポリオキシエ
チレン鎖を有するジオール等、さらにはヒドロキシ酢酸
3−ヒドロキシプロピオン酸、グリセリン酸、リンゴ酸
等のヒドロキシカルボン酸、ジエチルエタノールアミン
のごときアミノアルコール等が例示できる。後者の非イ
オン及び/またはイオン性親水性基(または後に親水性
基に転化させうる基)とともにセミカルバジド基と反応
・結合する基を有する化合物の例としては2、3−エポ
キシプロピオン酸のごときエポキシカルボン酸類、アセ
ト酢酸、レブリン酸のごときオキソカルボン酸等が例示
できる。
【0032】水への溶解もしくは分散性を向上させる方
法のその他の例としては、界面活性剤を添加する方法で
ある。添加する界面活性剤としては、例えば、高級脂肪
酸、樹脂酸、酸性脂肪アルコール、硫酸エステル、高級
アルキルスルフォン酸、スルフォン酸アルキルアリル、
スルフォン化ひまし油、スルフォこはく酸エステル、ア
ルケニルコハク酸等の塩に代表されるアニオン性界面活
性剤、あるいはエチレンオキサイドと長鎖脂肪アルコー
ルまたはフェノール類、リン酸類との公知の反応生成物
に代表されるノニオン性界面活性剤、4級アンモニウム
塩等を含有するカチオン性界面活性剤、(部分鹸化)ポ
リビニルアルコール等の高分子分散安定剤等やそれらの
併用が挙げられる。 本発明の方法では、セミカルバジ
ド基を1分子中に平均で3個以上有するポリセミカルバ
ジド化合物と、分子中に2個以上のカルボニル及び/又
はエポキシ基を有する化合物とからなる組成物を基体に
塗布後、40〜150℃、好ましくは60〜120℃の
温度に加熱することが有機複合被覆金属板の生産性の面
から好ましい。これ以下の温度では物性発現まで長時間
を要したり、架橋反応が充分に進行せず物性が不十分で
あったりする。加熱温度が上記の範囲を超える温度の場
合、架橋反応がより速く進行するなどの利点はあるもの
の、基材や塗膜自身が温度による劣化を受けやすかった
り、高温による作業の危険性が増すなど塗装条件が厳し
くなるので好ましくない。
【0033】本発明の塗装金属板用水性塗料組成物は防
錆顔料を添加することによって、より高い防錆性と耐水
性・耐溶剤性を両立させることが可能となる。この防錆
顔料としては、一般に使用されるものなら何でも良い
が、具体例としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジ
ルコニア、酸化亜鉛等の酸化物のコロイド類及び/又は
粉末、モリブデン酸、タングステン酸、バナジン酸、ホ
ウ酸等の酸及び/又はその塩類、亜鉛末ステンレス粉
末、難溶性クロム酸塩、トリポリりん酸二水素アルミニ
ウム等が挙げられるが、この中でも特にシリカが好適に
使用される。本発明で好適に使用されるシリカとして
は、乾式シリカ、シリカゾル、オルガノシリカゾル、沈
降法湿式シリカ、ゲル法湿式シリカ等を挙げることがで
きる。その添加量は塗料の固形分中1〜50重量%、更
に好ましくは5〜30重量%の範囲で添加される。ま
た、顔料の分散性を考慮すると、平均の一次粒径は2〜
100nm程度が好ましい。
【0034】本発明の水性塗料組成物に、例えばフタロ
シアニン系有機顔料、縮合多環系有機顔料等の着色顔
料、例えばアゾ系染料などの着色染料、例えばリン化
鉄、アンチモンドープ型酸化スズ等の導電顔料、界面活
性剤、例えばポリオレフィンワックス、フッ素樹脂、グ
ラファイト、二硫化モリブデン、窒化ホウ素等の潤滑剤
を添加することも可能である。その他必要により、通常
塗料等に添加配合される成分、例えば充填剤、分散剤、
光安定剤、酸化防止剤、湿潤剤、増粘剤、レオロジーコ
ントロール剤、消泡剤、可塑剤、成膜助剤、インク、防
腐剤、抗菌剤等がそれぞれの目的に応じて選択、組み合
わせて配合することができる。
【0035】また、金属と塗膜の密着性、防錆性を向上
させる目的でオルガノアルコキシシラン、いわゆるシラ
ンカップリング剤を使用しても良い。本発明の水性塗料
組成物を塗布する金属板としては、特に限定はないが、
鉄板、亜鉛系メッキ鋼板(亜鉛メッキ鋼板、Zn−Ni
合金メッキ鋼板、Zn−Mn合金メッキ鋼板、Zn−F
e合金メッキ鋼板、Zn−Mn合金メッキ鋼板、Zn−
Al合金メッキ鋼板、Zn−Cr合金メッキ鋼板、Zn
−Co−Cr合金メッキ鋼板、Zn−Cr−Fe合金メ
ッキ鋼板など)、アルミニウム板等が挙げられる。
【0036】本発明の塗料組成物を金属板に塗布する、
必要に応じて、クロメート処理をしてもかまわないが、
必須ではない。本発明の水性塗料組成物を塗布・乾燥し
て得られる被膜の膜厚には特に限定はないが、通常、膜
厚が0.2〜50μmの範囲で形成される。用途によ
り、例えば電気製品用の鋼板ではスポット溶接などを行
うこともあるため、好ましくは0.5〜5μmの範囲の
薄膜を形成する場合もある。
【0037】上記の塗料組成物を金属板に塗布する方法
としては、特に限定はないが、通常、ロールコーター
法、浸漬法、スプレー法、刷毛塗り等の方法が挙げら
れ、塗布後にエアナイフ法やロール絞り法により塗布量
を調整するなどの方法も可能である。また、塗料組成物
を塗布した後、常温で乾燥・硬化させることも可能であ
るが、生産性を上げる等の理由により、加熱処理をする
方法も好ましい。加熱の方法はどの様な方法でもかまわ
ないが、例えば熱風炉、高周波誘導加熱炉赤外線炉等を
使用することが挙げられる。加熱処理は、金属板の到達
温度で40〜150℃、好ましくは50〜120℃の範
囲で行うことが好ましい。また、加熱時間は、特に制限
はしないが、本発明の塗料組成物は硬化速度が速いとい
う特徴を持っており、生産の経済性を考慮すると30分
以内、更に好ましくは10分以内の範囲が選択される。
【0038】
【発明の実施の形態】実施例中の部は特に指定がない限
り重量部を意味する。実施例中に用いられる各種物性の
測定方法は、下記の通りである。 分子量分布:ゲルパーミィテーションクロマトグラフィ
ーを用いて、ポリスチレン標品検量線より求めた。
【0039】 (使用機器)・装置:東ソー(株)製 HLC−8020 ・カラム:東ソー(株)製 TSKgel G−5000 HXL TSKgel G−4000 HXL TSKgel G−2000 HXL ・データ処理:東ソー(株)製 SC8010 ・キャリヤー:テトラヒドロフラン (セミカルバジド基含有量の測定方法)サンプル約0.
2g(Wグラム)をジメチルアセトアミド10ccに溶
解する。これに、シクロヘキシルイソシアネート2.5
gを50ccのジメチルアセトアミドに溶解した液を5
cc加え、室温で1時間放置する。その後、ジノルマル
ブチルアミン3.2gをトルエン100ccに溶解した
液10cc加え、さらに30分放置する。その後、イソ
プロパノール70ccを加え、指示薬としてブロモクレ
ゾールグリーンを少量加え、0.1規定の塩酸(ファク
ターをF)で滴定する(滴定量A)。同様の操作をサン
プルを加えないで行う(滴定値B)。以下の式によりセ
ミカルバジド含有量が求まる。
【0040】 (B−A)×0.1×F/W(単位はmmol/g)
【0041】
【合成例1】ポリセミカルバジド化合物の調整。 ヘキサメチレンジイソシアネート168部、ビュレット
化剤としての水1.5部を、エチレングリコールメチル
エーテルアセテートとリン酸トリメチルの1:1(重量
比)の混合溶媒130部に溶解し、反応温度160℃に
て1.5時間反応させた。得られた反応液を薄膜蒸留缶
を用いて、1回目は1.0mmHg/160℃の条件
下、2回目は0.1mmHg/200℃の条件下にて2
段階の処理により余剰のヘキサメチレンジイソシアネー
ト、および溶媒を留去回収した。得られたポリイソシア
ネート化合物は、ヘキサメチレンジイソシアネートのビ
ュウレット型ポリイソシアネートであり、残存ヘキサメ
チレンジイソシアネート0.1重量%、−NCO含有量
は23.4重量%、数平均分子量は約600(±10
0)であり、平均−NCO官能基数は約3.3であっ
た。
【0042】還流冷却器、温度計および撹拌装置を有す
る反応器にイソプロパノール73部、ヒドラジン1水和
物27部を加え、撹拌下に、上記で得られたポリイソシ
アネート30部を1、4−ジオキサン70部で希釈した
液を室温で1時間で滴下し、その後更に室温にて1時間
撹拌した。得られた反応液中のイソプロパノール、1、
4−ジオキサン、ヒドラジン、水等を加熱減圧下に留去
しセミカルバジドAを得た。得られたセミカルバジドは
数平均分子量700(±100)セミカルバジド基含有
量4.67mmol/g−固形分、平均官能基数3.3
であった。これに水を加え、固形分30%の液を得た。
【0043】
【合成例2】ポリカルボニル化合物の調整。 還流冷却器、滴下槽、温度計および撹拌装置を有する反
応器に、イオン交換水218部、界面活性剤(商品名:
アデカリアソープSE−1025N、旭電化工業(株)
製)の25%水溶液3.7部を投入し、反応容器中の温
度を80℃に上げてから、次にメタクリル酸8部、アク
リル酸ブチル145部、ダイアセトンアクリルアミド5
4部、メタクリル酸メチル243部、イオン交換水22
5部、アデカリアソープSE−1025Nを14.4
部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(商品
名:エマルゲン950、花王(株)製)の25%水溶液
10部、過硫酸アンモニウム1部の混合液を反応容器中
へ滴下槽より3時間かけて流入させた。流入中は反応容
器中の温度を80℃に保った。流入終了後、反応容器中
の温度を80℃にして2時間保った。その後室温まで冷
却し、25%アンモニア水溶液を添加してpHを8に調
整してから100メッシュの金網で濾過し、固形分4
6.8%、平均粒径1040オングストロームのカルボ
ニル基含有共重合体水性エマルジョンAを得た。モノマ
ー組成から計算されるポリマー(100%換算)のガラ
ス転移温度は30℃、C=O含量は0.71mmol/
g−固形分である。
【0044】
【比較合成例1】カルボニル基のない化合物の調整。 還流冷却器、滴下槽、温度計および撹拌装置を有する反
応器に、イオン交換水218部、界面活性剤(商品名:
アデカリアソープSE−1025N、旭電化工業(株)
製)の25%水溶液3.7部を投入し、反応容器中の温
度を80℃に上げてから、次にメタクリル酸8部、アク
リル酸ブチル154部、メタクリル酸メチル288部、
イオン交換水225部、アデカリアソープSE−102
5Nを14.4部、ポリオキシエチレンノニルフェニル
エーテル(商品名:エマルゲン950、花王(株)製)
の25%水溶液10部、過硫酸アンモニウム1部の混合
液を反応容器中へ滴下槽より3時間かけて流入させた。
流入中は反応容器中の温度を80℃に保った。流入終了
後、反応容器中の温度を80℃にして2時間保った。そ
の後室温まで冷却し、25%アンモニア水溶液を添加し
てpHを8に調整してから100メッシュの金網で濾過
し、固形分46.8%、平均粒径980オングストロー
ムのカルボニル基含有共重合体水性エマルジョンBを得
た。モノマー組成から計算されるポリマー(100%換
算)のガラス転移温度は30℃、C=O基は含有してい
ない。
【0045】
【合成例3】ポリカルボニル化合物の調整。 還流冷却器、滴下槽、温度計および撹拌装置を有する反
応器に、イオン交換水218部、界面活性剤(商品名:
アデカリアソープSE−1025N、旭電化工業(株)
製)の25%水溶液3.7部を投入し、反応容器中の温
度を80℃に上げてから、次にメタクリル酸8部、アク
リル酸ブチル203部、ダイアセトンアクリルアミド2
7部、メタクリル酸メチル189部、スチレンモノマー
22部、イオン交換水225部、アデカリアソープSE
−1025Nを14.4部、ポリオキシエチレンノニル
フェニルエーテル(商品名:エマルゲン950、花王
(株)製)の25%水溶液10部、過硫酸アンモニウム
1部の混合液を反応容器中へ滴下槽より3時間かけて流
入させた。流入中は反応容器中の温度を80℃に保っ
た。流入終了後、反応容器中の温度を80℃にして2時
間保った。その後室温まで冷却し、25%アンモニア水
溶液を添加してpHを8に調整してから100メッシュ
の金網で濾過し、固形分46.8%、平均粒径900オ
ングストロームのカルボニル基含有共重合体水性エマル
ジョンCを得た。モノマー組成から計算されるポリマー
(100%換算)のガラス転移温度は10℃、C=O含
量は0.35mmol/g−固形分である。
【0046】
【合成例4】ポリカルボニル化合物の調整。 還流冷却器、滴下槽、温度計および撹拌装置を有する反
応器に、イオン交換水218部、界面活性剤(商品名:
アデカリアソープSE−1025N、旭電化工業(株)
製)の25%水溶液3.7部を投入し、反応容器中の温
度を80℃に上げてから、次にメタクリル酸8部、アク
リル酸ブチル142部、ダイアセトンアクリルアミド5
4部、メタクリル酸メチル238部、グリシジルメタク
リレート8部、イオン交換水225部、アデカリアソー
プSE−1025Nを14.4部、ポリオキシエチレン
ノニルフェニルエーテル(商品名:エマルゲン950、
花王(株)製)の25%水溶液10部、過硫酸アンモニ
ウム1部の混合液を反応容器中へ滴下槽より3時間かけ
て流入させた。流入中は反応容器中の温度を80℃に保
った。流入終了後、反応容器中の温度を80℃にして2
時間保った。その後室温まで冷却し、25%アンモニア
水溶液を添加してpHを8に調整してから100メッシ
ュの金網で濾過し、固形分46.8%、平均粒径104
0オングストロームのカルボニル基含有共重合体水性エ
マルジョンDを得た。モノマー組成から計算されるポリ
マー(100%換算)のガラス転移温度は30℃、C=
O含量は0.71mmol/g−固形分、エポキシ基含
量は0.12mmol/g−固形分である。
【0047】
【実施例1】合成例1のセミカルバジドの30%溶液2
3.7部と合成例2のポリカルボニル化合物Aの溶液1
00部、ブチルセロソルブ4.6部および2、2、4−
トリメチル−1、5−ペンタンジオールモノイソブチレ
ート4.6部、及び日本アエロジル社製のアエロジル5
0を14部混合して塗液を作成し、厚さ1mmのJIS
G・3141で規定された鋼板に該塗液を塗装、室温
で24Hr乾燥し、膜厚約40ミクロンの有機膜が塗装
された鋼板を得た。
【0048】この鋼板を用いて、JIS K5400の
方法による耐揮発油性をトルエンにて行い、塗膜の変化
は見られず、耐溶剤性評価は合格であった。有機膜が塗
装された鋼板の一部を5%食塩水に20℃にて24Hr
浸漬した後取り出し、そのまま20℃相対湿度60%の
条件下に30日間放置し、塗板の錆の発生状況を観察し
たところ、錆の発生は見られず、防錆性の評価は○であ
った。
【0049】
【比較例1】日本アエロジル社製のアエロジル50を添
加しなかった以外は実施例1と同様な方法で膜厚約40
ミクロンの有機膜が塗装された鋼板を得た。この鋼板を
用いて、JIS K5400の方法による耐揮発油性を
トルエンにて行い、塗膜の変化は見られず、耐溶剤性評
価は合格であった。有機膜が塗装された鋼板の一部を5
%食塩水に20℃にて24Hr浸漬した後取り出し、そ
のまま20℃相対湿度60%の条件下に30日間放置
し、塗板の錆の発生状況を観察したところ、点錆の発生
が少し見られ、防錆性の評価は△であった。
【0050】
【比較例2】合成例1のセミカルバジドの30%溶液2
3.7部と比較合成例1のポリカルボニル化合物Bの溶
液100部、ブチルセロソルブ4.6部および2、2、
4−トリメチル−1、5−ペンタンジオールモノイソブ
チレート4.6部を混合して塗液を作成し、厚さ1mm
のJIS G・3141で規定された鋼板に該塗液を塗
装、室温で24Hr乾燥し、膜厚約40ミクロンの有機
膜が塗装された鋼板を得た。
【0051】有機膜が塗装された鋼板を用いて、JIS
K5400の方法による耐揮発油性をトルエンにて行
ったが、塗膜が破れ、耐溶剤性評価は不合格であった。
有機膜が塗装された鋼板の一部を5%食塩水に20℃に
て24Hr浸漬した後取り出し、そのまま20℃相対湿
度60%の条件下に30日間放置し、塗板の錆の発生状
況を観察したところ、錆の発生が全面に見られ、防錆性
の評価は×であった。
【0052】
【比較例3】市販のアジピン酸ジヒドラジド2.9部と
合成例2のポリカルボニル化合物Aの溶液100部、ブ
チルセロソルブ4.6部および2、2、4−トリメチル
−1、5−ペンタンジオールモノイソブチレート4.6
部を混合して塗液を作成し、厚さ1mmのJIS G・
3141で規定された鋼板に該塗液を塗装、室温で24
Hr乾燥し、膜厚約40ミクロンの有機膜が塗装された
鋼板を得た。
【0053】有機膜が塗装された鋼板を用いて、JIS
K5400の方法による耐揮発油性をトルエンにて行
い、塗膜の変化は見られず、耐溶剤性評価は合格であっ
た。有機膜が塗装された鋼板の一部を5%食塩水に20
℃にて24Hr浸漬した後取り出し、そのまま20℃相
対湿度60%の条件下に30日間放置し、塗板の錆の発
生状況を観察したところ、僅かに全面に多量の錆の発生
が見られ、防錆性の評価は××であった。
【0054】
【実施例2】合成例1のセミカルバジドの30%溶液1
1.8部と合成例3のポリカルボニル化合物Aの溶液1
00部、ブチルセロソルブ4.6部および2、2、4−
トリメチル−1、5−ペンタンジオールモノイソブチレ
ート4.6部、及び日本アエロジル社製のアエロジル5
0を14部混合して塗液を作成し、厚さ1mmの電気亜
鉛メッキ鋼板に該塗液を塗装、100℃で2分間乾燥
し、膜厚約40ミクロンの有機膜が塗装された鋼板を得
た。
【0055】この鋼板を用いて、JIS K5400の
方法による耐揮発油性をトルエンにて行い、塗膜の変化
は見られず、耐溶剤性評価は合格であった。また、同じ
く塗装した鋼板を用いて、JIS K5400の方法の
耐塩水噴霧性試験を600Hr実施したが、錆の発生は
なかった。
【0056】
【実施例3】合成例1のセミカルバジドの30%溶液2
6部と合成例4のポリカルボニル化合物Aの溶液100
部、ブチルセロソルブ4.6部および2、2、4−トリ
メチル−1、5−ペンタンジオールモノイソブチレート
4.6部、及び日本アエロジル社製のアエロジル50を
14部混合して塗液を作成し、厚さ1mmの電気亜鉛メ
ッキ鋼板に該塗液を塗装、100℃で2分乾燥し、膜厚
約40ミクロンの有機膜が塗装された鋼板を得た。
【0057】この鋼板を用いて、JIS K5400の
方法による耐揮発油性をトルエンにて行、塗膜の変化は
見られず、耐溶剤性評価は合格であった。また、同じく
塗装した鋼板を用いて、JIS K5400の方法の耐
塩水噴霧性試験を600Hr実施したが、錆の発生はな
かった。
【0058】
【比較例4】比較合成例1のポリカルボニル化合物Bの
溶液100部、ブチルセロソルブ4.6部および2、
2、4−トリメチル−1、5−ペンタンジオールモノイ
ソブチレート4.6部を混合して塗液を作成し、厚さ1
mmのJIS G・3141で規定された鋼板を電解亜
鉛メッキした鋼板に該塗液を塗装、100℃で2分間乾
燥し、膜厚約40ミクロンの有機膜が塗装された鋼板を
得た。
【0059】有機膜が塗装された鋼板を用いて、JIS
K5400の方法による耐揮発油性をトルエンにて行
ったが、塗膜が破れ、耐溶剤性評価は不合格であった。
また、同じく塗装した鋼板を用いて、JIS K540
0の方法の耐塩水噴霧性試験を600Hr実施したが、
赤錆の発生が見られた。
【0060】
【発明の効果】以上、実施例、比較例からも明らかなよ
うに本発明の塗装金属板用水性塗料組成物及びこれを塗
装した有機複合被覆金属板は耐食性、耐溶剤性優れてお
り、自動車、電気製品等の用いられる金属板として極め
て有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA20B AB01A AB10A AB18C AH03B BA02 BA03 BA07 BA10A BA10B CA15B CC00B EH71C JB02 JB07 JB09B 4J038 CC092 CE052 CG142 CG172 CH152 CH172 DB372 DJ001 GA02 GA07 HA446 KA08 MA08 MA09 MA10 NA03 NA04 PA07 PA17 PC02

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記のものからなる塗装金属板用水性塗
    料組成物。 (A)セミカルバジド基を1分子中に平均で3個以上有
    する下記式(1)で表されるポリセミカルバジド化合物 (B)分子中に2個以上のカルボニル及び/又はエポキ
    シ基を有する化合物 (C)防錆顔料 【化1】 (式中、R1 は、直鎖状または分岐状の炭素数2〜20
    のアルキレンジイソシアネート、置換基を有しても有さ
    なくても良い炭素数5〜25のシクロアルキレンジイソ
    シアネート、置換基を有しても有さなくても良い炭素数
    6〜20のアリーレンジイソシアネート、及び置換基を
    有しても有さなくても良い炭素数8〜20のアラルキレ
    ンジイソシアネートからなる群から選ばれる少なくとも
    1種のジイソシアネートの3量体〜20量体オリゴマー
    に由来する、末端イソシアネート基を有さないポリイソ
    シアネート残基を表す。R2 は、水素原子又は炭素数1
    〜20のアルキル基を表す。R3 は、直鎖状又は分岐状
    の炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数5〜20のシ
    クロアルキレン基、もしくは置換基を有しても有さなく
    ても良い炭素数6〜10のアリーレン基を表す。nは、
    0又は1を表す。l及びmは、各々0又は正の整数を表
    す。ただし、20≧(l+m)≧3である。)
  2. 【請求項2】 ポリセミカルバジド化合物とカルボニル
    及び/又はエポキシ基を有する化合物とからなる組成物
    が50重量%以上の水を含有する溶媒に分散又は溶解し
    ていることを特徴とする請求項1に記載の塗装金属板用
    水性塗料組成物。
  3. 【請求項3】 分子中に2個以上のカルボニル及び/又
    はエポキシ基を有する化合物が、平均分子量が5000
    以上の高分子量体であり、且つガラス転移温度が−30
    ℃〜70℃である請求1または2に記載の塗装金属板用
    水性塗料組成物。
  4. 【請求項4】 式(1)のポリセミカルバジド化合物の
    1 が実質的に直鎖状または分岐状の炭素数2〜20の
    アルキレンジイソシアネート、置換基を有しても有さな
    くても良い炭素数5〜25のシクロアルキレンジイソシ
    アネート、置換基を有しても有さなくても良い炭素数6
    〜20のアリーレンジイソシアネート、及び置換基を有
    しても有さなくても良い炭素数8〜20のアラルキレン
    ジイソシアネートからなる群から選ばれる少なくとも1
    種のジイソシアネートをビュレット基によりオリゴマー
    化されている、請求項1〜3に記載の塗装金属板用水性
    塗料組成物。
  5. 【請求項5】 防錆顔料がシリカである請求項1〜4に
    記載の塗装金属板用水性塗料組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の塗料組成物を塗装した有
    機複合被覆金属板。
  7. 【請求項7】 亜鉛系メッキ鋼板に請求項1〜5の塗料
    組成物を塗装した有機複合被覆鋼板。
  8. 【請求項8】 アルミニウム板に請求項1〜5の塗料組
    成物を塗装した有機複合被覆金属板。
  9. 【請求項9】 請求項1〜5の塗料組成物を基体に塗布
    後、40〜150℃の温度で加熱することを特徴とす
    る、請求項6〜8に記載の有機複合被覆鋼板。
  10. 【請求項10】 40〜150℃の温度で加熱する時間
    が10分以内である、請求項9に記載の有機複合被覆金
    属板。
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