JP2000273097A - 4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸誘導体の製造方法 - Google Patents

4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸誘導体の製造方法

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JP2000273097A JP11080749A JP8074999A JP2000273097A JP 2000273097 A JP2000273097 A JP 2000273097A JP 11080749 A JP11080749 A JP 11080749A JP 8074999 A JP8074999 A JP 8074999A JP 2000273097 A JP2000273097 A JP 2000273097A
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大祐 浦添
Hideto Mori
英登 森
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  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 反応時間が短く、発生する酸性廃液を少なく
した、4,5,6,7-テトラヒドロチエノ[3,2-c]ピリジ
ン-2-カルボン酸誘導体の製造方法の提供。 【解決手段】 5-アセチル-3-アミノ-4,5,6,7-テ
トラヒドロチエノ[3,2-c]ピリジン-2-カルボン酸n-ブチ
ルエステルのジアゾニウム塩を、水を酢酸エチルとの混
合溶媒中で、銅粉の存在下、次亜リン酸で還元すること
により、5-アセチル-3-アミノ-4,5,6,7-テトラヒ
ドロチエノ[3,2-c]ピリジン-2-カルボン酸n-ブチルエス
テルを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩酸チクロピジン等血
小板凝集阻害作用を有する化合物を工業的規模で経済的
に製造するのに有用な合成中間体の製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来技術】塩酸チクロピジンの4,5,6,7-テトラヒ
ドロチエノ[3,2-c]ピリジン骨格の合成については古く
から報告がなされており、大きく2種類の経路に分ける
ことができる。1つはチオフェン誘導体を出発原料とし
て用い、後からテトラヒドロピリジン環を形成する方法
であり、特公昭56-2068号公報、特開昭62-103088号公
報、EP439404A2などに技術内容が開示されている。もう
1つはピペリドン誘導体を出発原料として用い、後から
チオフェン環を形成する方法であり、例えば特開昭63-2
992号公報,特開昭63-126883号公報、EP360293A2、DE2,7
01,511に内容が開示されている。
【0003】一方、特開平5-339272号公報、特開平6-27
1582号公報には、安価に入手可能な3,3'-イミノジプロ
ピオニトリルを出発原料とする合成法が開示されてい
る。特開平5-339272号及び特開平6-271582号公報に記載
されている合成は、3-アミノ-4,5,6,7-テトラヒド
ロチエノ[3,2-c]ピリジン-2-カルボン酸誘導体を重要中
間体としており、特開平6-271582号公報には、3-アミ
ノ-4,5,6,7-テトラヒドロチエノ[3,2-c]ピリジン-2
-カルボン酸誘導体に亜硝酸を反応させてジアゾニウム
塩としたのち、次亜リン酸に代表される還元剤で脱窒素
を行い4,5,6,7-テトラヒドロチエノ[3,2-c]ピリジ
ン-2-カルボン酸誘導体を製造する方法が記載されてい
る。
【0004】しかし、特開平6-271582号公報に記載され
ている3-アミノ-4,5,6,7-テトラヒドロチエノ[3,2
-c]ピリジン-2-カルボン酸誘導体の脱アミノ化反応で
は、ジアゾニウム塩を形成する際の硫酸や還元剤である
次亜リン酸の使用量が多く、大量の酸性廃液が発生する
ことが問題となっていた。また反応終了ののち高純度の
脱アミノ体を反応混合物から分離するには、炭酸塩溶液
による酸性反応混合物の中和、有機溶剤による抽出、シ
リカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製などが必
要である。さらにこの還元反応では窒素の発生による発
泡のため、反応1回あたりの仕込み量を増やすには制限
があった。このように従来の方法は、反応1回あたりの
処理量、目的物の分離精製、所要人員、所要時間、廃棄
物の処理などを考慮すると決して有利な方法とは言えな
かった。
【本発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、反応時間が短く、発生する酸性廃液を少なくした、
4,5,6,7-テトラヒドロチエノ[3,2-c]ピリジン-2-カ
ルボン酸誘導体の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の事情
に鑑み、3-アミノ-4,5,6,7-テトラヒドロチエノ
[3,2-c]ピリジン-2-カルボン酸誘導体の脱アミノ化反応
について、特に酸性廃液の削減と経済的な工業的製造を
念頭に置き鋭意研究した結果、水と有機溶媒からなる混
合媒体中で、金属化合物の存在下次亜リン酸でジアゾニ
ウム塩を還元することによって所望の4,5,6,7-テト
ラヒドロチエノ[3,2-c]ピリジン-2-カルボン酸誘導体が
効率よく製造できることを見出し、本発明を完成するに
到った。すなわち本発明は、一般式(1):
【化3】 (一般式(1)中、R1はアルキルカルボニル基、アリー
ルカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスル
ホニル基、アルコキシカルボニル基、又はアリールオキ
シカルボニル基を表わし、R2は水素原子またはアルキル
基を表わす)で表わされる4,5,6,7-テトラヒドロチ
エノ[3,2-c]ピリジン-2-カルボン酸誘導体の製造方法で
あって、一般式(2):
【化4】 (一般式(2)中、R1、R2は一般式(1)におけるもの
と同義であり、X-はアニオンである)で表わされる3-
アミノ-4,5,6,7-テトラヒドロチエノ[3,2-c]ピリジ
ン-2-カルボン酸誘導体のジアゾニウム塩を、水と有機
溶媒からなる混合媒体中で金属化合物、より具体的には
金属銅もしくは1価または2価の銅化合物の存在下次亜
リン酸で還元することを特徴とする方法に関するもので
ある。
【発明の実施の形態】
【0006】上記一般式中の各定義につき、詳細は以下
の通りである。R1としては、好ましくは炭素数1〜20、
より好ましくは炭素数1〜8のアルキルカルボニル基ま
たはアリールカルボニル基(例えば、ホルミル、アセチ
ル、ベンゾイル、o-クロロベンゾイル基)、好ましくは
炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜8のアルキル
スルホニル基(例えば、メタンスルホニル、ブタンスル
ホニル基)、好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは
炭素数6〜14のアリールスルホニル基(例えば、ベンゼ
ンスルホニル、p-トルエンスルホニル基)、好ましくは
炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜9のアルコキ
シカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキ
シカルボニル、t-ブトキシカルボニル、ベンジルオキシ
カルボニル基)、好ましくは炭素数7〜20、より好まし
くは炭素数7〜15のアリールオキシカルボニル基(例え
ば、フェノキシカルボニル、p-ニトロフェノキシカルボ
ニル基)が挙げられる。特に好ましいR1としてはアセチ
ル、ベンゾイル、o-クロロベンゾイル基、メタンスルホ
ニル、p-トルエンスルホニル基、t-ブトキシカルボニ
ル、ベンジルオキシカルボニル基があげられる。
【0007】R2としては、好ましくは水素原子または炭
素数1〜8アルキル基(例えば、メチル、エチル、n-プ
ロピル、n-ブチル、2-エチルヘキシル基)が挙げられ
る。特に好ましいR2としてはメチル、n-ブチル、2-エチ
ルヘキシル基があげられる。X-は、ジアゾニウムイオン
と塩を形成する酸のアニオンである。ここで、該酸とし
ては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、過塩素酸等の無
機酸があげられるが、塩酸が好ましい。
【0008】次に本発明の製造方法における反応条件等
について詳述するが、本発明の製造方法は以下に示した
数値範囲に限定されない。式(2)のジアゾニウム塩は
市販のものでも合成したものでもよいが、合成する場合
は、まず一般式(3): で表わされる3-アミノ-4,5,6,7-テトラヒドロチエ
ノ[3,2-c]ピリジン-2-カルボン酸誘導体のジアゾ化は、
酸性媒体中亜硝酸塩を反応させる。ジアゾ化の際の溶媒
としては水、酸としては塩酸あるいは硫酸が好ましく使
用される。溶媒として用いる水の量は、一般式(3)で
表わされる化合物に対して重量比で好ましくは2〜20
倍、より好ましくは2〜10倍、特に好ましくは2〜5倍
である。酸としては、基質であるアミノ体に対して好ま
しくは3.0〜5.0当量、より好ましくは3.0〜4.0当量の塩
酸が好ましく使用される。亜硝酸塩としては亜硝酸アル
カリ金属塩、より具体的には亜硝酸ナトリウム、亜硝酸
カリウムの使用が好ましい。亜硝酸塩は基質であるアミ
ノ体に対して好ましくは1.0〜2.5当量、より好ましくは
1.0〜1.5当量が使用される。ジアゾ化の際の反応温度は
好ましくは0〜15℃、反応時間は仕込み量、反応温度に
より異なるが、好ましくは30〜90分である。
【0009】以上のように調整されたジアゾニウム塩の
還元は、金属化合物の存在下に次亜リン酸を還元剤とし
て行われる。金属化合物としては鉄化合物、錫化合物、
銅化合物、銀化合物、金化合物、ロジウム化合物、ニッ
ケル化合物、亜鉛化合物、白金化合物、パラジウム化合
物等があげられるが、本発明において好ましく使用され
る金属化合物としては、金属銅又は無機金属化合物、具
体的には1価または2価の銅化合物が挙げられる。金属
銅としては、市販の粉末(powder)、粒状(shot)、削
状(shavings)など種々の形態のものを使用することが
できる。通常は、粒径が10〜400meshの粉末が好ましく
使用される。1価または2価の銅化合物としては、塩化
銅(II)、臭化銅(II)、酢酸銅(II)、炭酸銅(I
I)、硫酸銅(II)、硝酸銅(II)、臭化銅(I)、ヨウ
化銅(I)、塩化銅(I)、酸化銅(I)、酸化銅(II)
などが用いられる。これらの銅または銅化合物は、一般
式(3)で表わされる化合物に対して好ましくは重量比
で1/10〜1/50000、より好ましくは1/50〜1/5000用いら
れる。次亜リン酸は、一般式(3)で表わされる化合物
に対して好ましくは0.6〜5.0当量、より好ましくは1.2
〜3.0当量の使用でよい。
【0010】ジアゾニウム塩の還元は、水と有機溶媒か
らなる混合媒体中で行われる。ここで有機溶媒として
は、水と2層分離する性質を有するもの、例えばジエチ
ルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル-t-ブチ
ルエーテル、メトキシベンゼン、エトキシベンゼン、酢
酸エチル、ヘキサン、トルエン、キシレン、メシチレ
ン、クロロベンゼン、塩化メチレン、1,2-ジクロロエタ
ンなどが好ましく使用される。これらの溶媒のなかで
も、ジイソプロピルエーテル、メチル-t-ブチルエーテ
ル、酢酸エチル、トルエンの使用がより好ましい。反応
実施の際の水との混合比率は基本的に任意であるが、例
えば有機溶媒として酢酸エチルあるいはトルエンを使用
する場合の有機溶媒/水の混合比率(体積比)は2/1
〜1/10、好ましくは1/1〜1/5である。
【0011】ジアゾニウム塩の還元反応は好ましくは1
0〜50℃の範囲で実施されるが、より好ましくは15
〜45℃、さらに好ましくは20〜40℃の範囲で実施
される。還元に要する反応時間は仕込み量、反応温度に
より異なるが、好ましくは1時間以内である。
【0012】以上説明した水と有機溶媒からなる混合媒
体中で、金属化合物、より具体的には金属銅もしくは1
価または2価の銅化合物の存在下に次亜リン酸で還元す
ることにより、反応が著しく加速され、高価な還元剤で
ある次亜リン酸の使用量を大幅に減らすことが可能とな
った。このことは反応終了後に発生する酸性廃液の削減
をも意味する。また水と有機溶媒からなる混合媒体中で
反応を実施することにより、生成物である脱アミノ体は
速やかに有機層に移行することになる。すなわち反応終
了後の目的物の分離は、2層分離した反応混合物から有
機層を分取するだけでよい。有機溶媒を使用しないと、
発泡のため反応1回あたりの仕込み量を増やすことがで
きず、生産効率が低下するため不利である。また多くの
場合生成物である脱アミノ体が油状物として反応混合物
から析出し、反応速度の低下を招くことが多い。
【0013】具体的な製造方法の代表例を挙げれば、5
-アセチル-3-アミノ-4,5,6,7-テトラヒドロチエノ
[3,2-c]ピリジン-2-カルボン酸n-ブチルエステルを水に
懸濁し、濃塩酸を加えて冷却、これに亜硝酸ナトリウム
水溶液を加えてジアゾニウム塩を形成する。一方次亜リ
ン酸水溶液とトルエンからなる2層系混合物に少量の銅
粉を加え、このものに先に調製したジアゾニウム塩の溶
液を添加する。添加する際には該ジアゾニウム塩溶液を
数回に分けて添加する。反応混合物を室温で1時間程度
攪拌したのち静置し、有機層を分取する。有機層を水洗
ののち溶媒を留去して、目的とする5-アセチル-4,5,
6,7-テトラヒドロチエノ[3,2-c]ピリジン-2-カルボン
酸n-ブチルエステルを単離することができる。あるいは
貧溶媒を加えて晶析を行い、析出した結晶を濾取する方
法を利用することも可能である。
【0014】以上のようにして得られる脱アミノ体は、
通常これ以上の精製をおこなうことなく以降の工程に進
めるほどの高い純度を有する。かかる一般式(1)で表
わされる4,5,6,7-テトラヒドロチエノ[3,2-c]ピリ
ジン-2-カルボン酸誘導体は、公知の方法により塩酸チ
クロピジンに誘導することができる。
【0015】以下実施例、比較例によって本発明を更に
詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【実施例】実施例1 5-アセチル-3-アミノ-4,5,6,7-テトラヒドロチエ
ノ[3,2-c]ピリジン-2-カルボン酸n-ブチルエステル59.2
g(0.2mol)を水(200mL)に懸濁し、濃塩酸57mL(0.69mol)
を加えた。反応混合物を10℃以下まで冷却し、亜硝酸ナ
トリウム15.5g(0.22mol)の水(50mL)溶液を内温10℃以
下に保ちながら20分にわたって滴下した。反応混合物を
10℃以下で50分攪拌し、淡黄色透明なジアゾニウム塩の
溶液を得た。一方50%次亜リン酸水溶液66g(次亜リン酸
として0.5mol)、水(100mL)、酢酸エチル(150mL)、銅粉
(200mg)を1Lフラスコに仕込み、この混合物に内温20
℃で上記ジアゾニウム塩の溶液を15分にわたって数回に
分けて添加した。反応混合物を20℃〜35℃で1時間攪拌
したのち(反応進行に伴い窒素が発生するが、系内に酢
酸エチルが共存するため発泡による反応混合物の体積増
加はほとんど認められない)15分間静置し、酢酸エチル
層を分取した。酢酸エチル層を水洗したのち溶媒を留去
し、目的とする5-アセチル-4,5,6,7-テトラヒドロ
チエノ[3,2-c]ピリジン-2-カルボン酸n-ブチルエステル
を淡黄色油状物として55.1g(収率98%)を得た。このもの
は晶析により結晶化させることも可能であるが、そのま
ま次の工程に使用するほうが作業効率の点から有利であ
る。通常はそのまま以降の工程に進めるほどの高い純度
を有する。各種物性データは特開平6-271582号公報記載
の参考例1の化合物8のデータと一致した。
【0016】実施例2 実施例1に記載の方法に従い、使用する有機溶媒として
酢酸エチルの代わりにトルエンを用いて反応を行った。
この場合もトルエンの効果により発泡による反応混合物
の体積増加はほとんど認められず、25℃〜35℃、50分で
反応終了した。5-アセチル-3-アミノ-4,5,6,7-テ
トラヒドロチエノ[3,2-c]ピリジン-2-カルボン酸n-ブチ
ルエステル59.2g(0.2mol)から出発し、94%の収率で目
的とする5-アセチル-4,5,6,7-テトラヒドロチエノ
[3,2-c]ピリジン-2-カルボン酸n-ブチルエステルを得
た。物性データは特開平6-271582号公報記載の参考例1
の化合物8のデータと一致した。実施例1、2とほぼ同
様の操作により、以下の化合物も対応する3-アミノ体か
ら収率よく製造することができた。 5-o-クロロベンゾイル-4,5,6,7-テトラヒドロチエ
ノ[3,2-c]ピリジン-2-カルボン酸n-ブチルエステル 5-アセチル-4,5,6,7-テトラヒドロチエノ[3,2-c]
ピリジン-2-カルボン酸メチルエステル 5-o-クロロベンゾイル-4,5,6,7-テトラヒドロチエ
ノ[3,2-c]ピリジン-2-カルボン酸メチルエステル 5-o-クロロベンゾイル-4,5,6,7-テトラヒドロチエ
ノ[3,2-c]ピリジン-2-カルボン酸2-エチルヘキシルエス
テル 5-ベンジルオキシカルボニル-4,5,6,7-テトラヒド
ロチエノ[3,2-c]ピリジン-2-カルボン酸n-ブチルエステ
【0017】比較例1 金属化合物を用いず、水のみを
溶媒として使用した際の反応結果 特開平6-271582号公報記載の実施例に準じて反応した。
5-アセチル-3-アミノ-4,5,6,7-テトラヒドロチエ
ノ[3,2-c]ピリジン-2-カルボン酸n-ブチルエステル7.4g
(0.025mol)を75%濃硫酸(31mL,硫酸として0.37mol)に溶
解し、内温を-5℃まで冷却した。この溶液に亜硝酸ナト
リウム3.45g(0.05mol)の水(15mL)溶液を内温0℃以下
に保ちながら20分にわたって滴下した。反応混合物を0
℃以下で30分攪拌し、淡黄色透明なジアゾニウム塩の溶
液を得た。一方50%次亜リン酸水溶液100mL(次亜リン酸
として0.91mol)を内温0℃以下に冷却し、これに上記ジ
アゾニウム塩溶液を25分にわたって滴下した。反応混合
物を内温0℃以下で1時間、さらに室温まで昇温しながら
4時間攪拌した。この間発泡のため反応混合物の体積は2
倍程度まで増加、また反応進行に伴い赤色油状物が析出
した。発泡がほぼ停止したのち(反応時間が伸びると生
成物の着色が著しく増加する。類似の現象はOrg.Synt
h., III, 295-299 (1955)にも記載がある)炭酸カリウ
ム水溶液を加えて反応混合物をpH5まで中和し(この操
作でも発泡が起こる)、酢酸エチルで2回抽出した。酢
酸エチル層を水洗したのち溶媒を留去し、粗脱アミノ体
を暗赤色油状物として得た。着色を除去するためシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的とする5
-アセチル-4,5,6,7-テトラヒドロチエノ[3,2-c]ピ
リジン-2-カルボン酸n-ブチルエステルを橙色油状物と
して6.1g(収率86.8%)を得た。
【0018】以上説明した実施例および比較例より、ジ
アゾニウム塩を水と有機溶媒からなる混合媒体中で、金
属化合物、より具体的には金属銅もしくは1価または2
価の銅化合物の存在下次亜リン酸で還元することを特徴
とする本発明の製造方法のほうが反応時間が短く、使用
する酸、特に次亜リン酸の量が少ないため発生する酸性
廃液も少ない。また製造工程も簡略化されており、経済
的にも有利であることがわかる。よって本発明の製造方
法の優位性、有用性は明白である。
【0019】
【発明の効果】本発明の方法により、塩酸チクロピジン
等血小板凝集阻害作用を有する化合物を製造するのに有
用な合成中間体を効率よく製造することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1): 【化1】 (一般式(1)中、R1はアルキルカルボニル基、アリー
    ルカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスル
    ホニル基、アルコキシカルボニル基、又はアリールオキ
    シカルボニル基を表わし、R2は水素原子またはアルキル
    基を表わす)で表わされる4,5,6,7-テトラヒドロチ
    エノ[3,2-c]ピリジン-2-カルボン酸誘導体の製造方法で
    あって、一般式(2): 【化2】 (一般式(2)中、R1、R2は一般式(1)におけるもの
    と同義であり、X-はアニオンである)で表わされる3-
    アミノ-4,5,6,7-テトラヒドロチエノ[3,2-c]ピリジ
    ン-2-カルボン酸誘導体のジアゾニウム塩を水と有機溶
    媒からなる混合媒体中で金属化合物の存在下次亜リン酸
    で還元することを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 金属化合物が、金属銅もしくは1価また
    は2価の銅化合物であることを特徴とする請求項1に記
    載の方法。
JP11080749A 1999-03-25 1999-03-25 4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸誘導体の製造方法 Pending JP2000273097A (ja)

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