JP2000272975A - 炭素繊維強化炭素複合材料の製造方法 - Google Patents
炭素繊維強化炭素複合材料の製造方法Info
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- JP2000272975A JP2000272975A JP11083425A JP8342599A JP2000272975A JP 2000272975 A JP2000272975 A JP 2000272975A JP 11083425 A JP11083425 A JP 11083425A JP 8342599 A JP8342599 A JP 8342599A JP 2000272975 A JP2000272975 A JP 2000272975A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 織物を使用しても機械的及び物理的、化学的
性質が優れているとともに、製造の容易なC/Cコンポ
ジットの製造方法を提供する。 【解決手段】 積層した炭素繊維織物11の各層間にマ
トリックス結合材を含浸させた接着シート12を挟んで
ホットプレス機により加圧成形する。接着シート12
は、マトリックス結合材を含浸させた有機繊維、無機繊
維若しくは炭素繊維の何れかの織物若しくは不織布を用
いる。接着シート12に対するマトリックス結合材の含
浸量が、50〜80重量%である。
性質が優れているとともに、製造の容易なC/Cコンポ
ジットの製造方法を提供する。 【解決手段】 積層した炭素繊維織物11の各層間にマ
トリックス結合材を含浸させた接着シート12を挟んで
ホットプレス機により加圧成形する。接着シート12
は、マトリックス結合材を含浸させた有機繊維、無機繊
維若しくは炭素繊維の何れかの織物若しくは不織布を用
いる。接着シート12に対するマトリックス結合材の含
浸量が、50〜80重量%である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭素繊維強化炭素
複合材料(以下C/Cコンポジットという)の製造方法
に関するものである。
複合材料(以下C/Cコンポジットという)の製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に炭素繊維織物をC/Cコンポジッ
トとする際は、経糸及び緯糸の各糸が90°の交叉角で
織られた二軸織組織の炭素繊維布を基材としたり、或い
は60°の角度で交叉している2方向の経糸に緯糸が組
織し、各糸が60°の交叉角で織られた三軸織組織の炭
素繊維布を基材とし、マトリックス結合材(フェノール
樹脂等の合成(熱硬化性)樹脂やコールタールピッチ)
を含浸させてプリプレグシートを作製した後、積層・加
圧成形及び焼成炭化処理を施して製造している。
トとする際は、経糸及び緯糸の各糸が90°の交叉角で
織られた二軸織組織の炭素繊維布を基材としたり、或い
は60°の角度で交叉している2方向の経糸に緯糸が組
織し、各糸が60°の交叉角で織られた三軸織組織の炭
素繊維布を基材とし、マトリックス結合材(フェノール
樹脂等の合成(熱硬化性)樹脂やコールタールピッチ)
を含浸させてプリプレグシートを作製した後、積層・加
圧成形及び焼成炭化処理を施して製造している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようにC/Cコンポジットを製造する場合、炭素繊維織
物にマトリックス結合材を含浸させてプリプレグシート
を作製したり、コールタールピッチ等による緻密化処理
を多数回繰り返さなければ十分な性能を発現しないた
め、製造に時間がかかるという問題点があった。また、
層間の剥離強度が不十分であった。本発明は上記にした
問題点を解決するためになされたもので、織物を使用し
ても機械的及び物理的、化学的性質が優れているととも
に、製造の容易なC/Cコンポジットの製造方法を提供
することを目的とする。
ようにC/Cコンポジットを製造する場合、炭素繊維織
物にマトリックス結合材を含浸させてプリプレグシート
を作製したり、コールタールピッチ等による緻密化処理
を多数回繰り返さなければ十分な性能を発現しないた
め、製造に時間がかかるという問題点があった。また、
層間の剥離強度が不十分であった。本発明は上記にした
問題点を解決するためになされたもので、織物を使用し
ても機械的及び物理的、化学的性質が優れているととも
に、製造の容易なC/Cコンポジットの製造方法を提供
することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の請求項1に記載のC/Cコンポジットの製
造方法は、積層した炭素繊維織物の各層間にマトリック
ス結合材を含浸させた接着シートを挟んで成形したこと
を特徴とする。
めの本発明の請求項1に記載のC/Cコンポジットの製
造方法は、積層した炭素繊維織物の各層間にマトリック
ス結合材を含浸させた接着シートを挟んで成形したこと
を特徴とする。
【0005】請求項2に記載の本発明のC/Cコンポジ
ットの製造方法は、請求項1に記載の構成において、前
記接着シートは、マトリックス結合材を含浸させた有機
繊維、無機繊維若しくは炭素繊維の何れかの織物若しく
は不織布であることを特徴とする。
ットの製造方法は、請求項1に記載の構成において、前
記接着シートは、マトリックス結合材を含浸させた有機
繊維、無機繊維若しくは炭素繊維の何れかの織物若しく
は不織布であることを特徴とする。
【0006】また、請求項3に記載の本発明のC/Cコ
ンポジットの製造方法は、請求項1又は請求項2に記載
の構成において、前記接着シートに対するマトリックス
結合材の含浸量が、50〜80重量%であることを特徴
とする。
ンポジットの製造方法は、請求項1又は請求項2に記載
の構成において、前記接着シートに対するマトリックス
結合材の含浸量が、50〜80重量%であることを特徴
とする。
【0007】
【発明の作用効果】請求項1に記載のC/Cコンポジッ
トの製造方法によれば、接着シートを炭素繊維織物の層
間に挟み込むことにより、該接着シートに含浸されたマ
トリックス結合材が炭素繊維織物に浸透するため、炭素
繊維織物にマトリックス結合材を含浸させてプリプレグ
を作製する必要がない。しかも、接着シートが炭素繊維
織物間の空隙を埋めるからC/Cコンポジットを高密度
化することができる。また、接着シートが緩衝材として
作用し、炭素繊維織物どうしが接触して互いの繊維を損
傷してしまうことがない。以上により、従来の製造方法
に比べてコールタールピッチによる緻密化処理の回数が
少くないにもかかわらず優れた物理特性を得ることがで
きる。
トの製造方法によれば、接着シートを炭素繊維織物の層
間に挟み込むことにより、該接着シートに含浸されたマ
トリックス結合材が炭素繊維織物に浸透するため、炭素
繊維織物にマトリックス結合材を含浸させてプリプレグ
を作製する必要がない。しかも、接着シートが炭素繊維
織物間の空隙を埋めるからC/Cコンポジットを高密度
化することができる。また、接着シートが緩衝材として
作用し、炭素繊維織物どうしが接触して互いの繊維を損
傷してしまうことがない。以上により、従来の製造方法
に比べてコールタールピッチによる緻密化処理の回数が
少くないにもかかわらず優れた物理特性を得ることがで
きる。
【0008】請求項2に記載のC/Cコンポジットの製
造方法によれば、接着シートがノボロイド繊維でマトリ
ックス結合材がフェノール樹脂の場合には、マトリック
ス結合材と反応して炭素繊維織物に容易に浸透して、炭
素繊維織物間の空隙を埋めるから、C/Cコンポジット
を高密度化することができる。従って、コールタールピ
ッチによる緻密化処理の回数を少なくすることができ
る。また、接着シートがマトリックス結合材を含浸させ
た炭素質短繊維の不織布の場合は、炭素繊維織物間の空
隙を埋めて高密度化するばかりでなく、炭素繊維織物と
の絡み性が高まり層間剥離強度が向上する。従って、従
来の製造方法に比べてコールタールピッチによる緻密化
処理の回数が少ないにもかかわらず優れた物理特性を得
ることができる。
造方法によれば、接着シートがノボロイド繊維でマトリ
ックス結合材がフェノール樹脂の場合には、マトリック
ス結合材と反応して炭素繊維織物に容易に浸透して、炭
素繊維織物間の空隙を埋めるから、C/Cコンポジット
を高密度化することができる。従って、コールタールピ
ッチによる緻密化処理の回数を少なくすることができ
る。また、接着シートがマトリックス結合材を含浸させ
た炭素質短繊維の不織布の場合は、炭素繊維織物間の空
隙を埋めて高密度化するばかりでなく、炭素繊維織物と
の絡み性が高まり層間剥離強度が向上する。従って、従
来の製造方法に比べてコールタールピッチによる緻密化
処理の回数が少ないにもかかわらず優れた物理特性を得
ることができる。
【0009】請求項3に記載のC/Cコンポジットの製
造方法によれば、接着シートに含浸されるマトリックス
結合材は、フェノール樹脂等の合成(熱硬化性)樹脂や
コールタールピッチが使用される。接着シートに対する
マトリックス結合材の含浸量が50重量%未満である
と、マトリックス結合材が十分に炭素繊維織物に浸透し
ない。一方、80重量%を超えると余剰のマトリックス
結合材がガス膨れ等を起こし易い。
造方法によれば、接着シートに含浸されるマトリックス
結合材は、フェノール樹脂等の合成(熱硬化性)樹脂や
コールタールピッチが使用される。接着シートに対する
マトリックス結合材の含浸量が50重量%未満である
と、マトリックス結合材が十分に炭素繊維織物に浸透し
ない。一方、80重量%を超えると余剰のマトリックス
結合材がガス膨れ等を起こし易い。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図面を
参照して説明する。図1は、C/Cコンポジットの概略
の構造を示す断面図である。C/Cコンポジットは、炭
素繊維織物11と接着シート12を交互に積層した積層
体13により形成される。接着シート12は、有機繊
維、無機繊維若しくは炭素繊維からなる織物又は不織布
にフェノール樹脂等の合成(熱硬化性)樹脂やコールタ
ールピッチをマトリックス結合材として含浸させたもの
を使用する。炭素繊維織物11は、マトリックス結合材
や接着シート12により、C/Cコンポジットを成形す
る過程で破壊されたり溶解したりしないものを使用す
る。
参照して説明する。図1は、C/Cコンポジットの概略
の構造を示す断面図である。C/Cコンポジットは、炭
素繊維織物11と接着シート12を交互に積層した積層
体13により形成される。接着シート12は、有機繊
維、無機繊維若しくは炭素繊維からなる織物又は不織布
にフェノール樹脂等の合成(熱硬化性)樹脂やコールタ
ールピッチをマトリックス結合材として含浸させたもの
を使用する。炭素繊維織物11は、マトリックス結合材
や接着シート12により、C/Cコンポジットを成形す
る過程で破壊されたり溶解したりしないものを使用す
る。
【0011】C/Cコンポジットの製造方法を、図2の
ホットプレス機30の分解正面図を参照して説明する。
先ず、炭素繊維織物11と接着シート12を交互に積層
し、容易にずれたりしないように全体を仮止めして積層
体13を作製する。そして、ホットプレス機30の所定
温度に加熱された下部鉄板31と上部鉄板32間に、下
から順にテフロンシート等の剥離可能な離型フィルム3
3、仮止め状態を解放された上記積層体13及びその両
側方のスペーサ34、穴明きフィルム35、過剰量の溶
融したマトリックス結合材を吸収するためのガラス布3
6、離型フィルム33を積層して、該ホットプレス機3
0により加圧成形する。そして、マトリックス結合材が
熱硬化性樹脂の場合は、加圧成形と同時に加熱されて硬
化するから、C/Cコンポジットの強度を一層高めるこ
とができる。
ホットプレス機30の分解正面図を参照して説明する。
先ず、炭素繊維織物11と接着シート12を交互に積層
し、容易にずれたりしないように全体を仮止めして積層
体13を作製する。そして、ホットプレス機30の所定
温度に加熱された下部鉄板31と上部鉄板32間に、下
から順にテフロンシート等の剥離可能な離型フィルム3
3、仮止め状態を解放された上記積層体13及びその両
側方のスペーサ34、穴明きフィルム35、過剰量の溶
融したマトリックス結合材を吸収するためのガラス布3
6、離型フィルム33を積層して、該ホットプレス機3
0により加圧成形する。そして、マトリックス結合材が
熱硬化性樹脂の場合は、加圧成形と同時に加熱されて硬
化するから、C/Cコンポジットの強度を一層高めるこ
とができる。
【0012】ホットプレス機30により加圧成形する
際、溶融した上記マトリックス結合材は、炭素繊維織物
11間及び積層体13の内部に存在する隙間に含浸され
て硬化する。従って、硬化後の積層体13は、接してい
る繊維どうしが強固に固定化されるため、炭素繊維織物
11のなす面の方向に加えて、その面と交差する方向に
も容易にずれたりしない。そして、積層体13はスペー
サ34と同じ厚さに加圧成形される。加圧成形の際、余
剰となったマトリックス結合材は、穴明きフィルム35
の穴を通ってガラス布36に吸収される。完全硬化した
積層体13は、不活性ガス雰囲気に保持された電気炉で
焼成炭化させ、緻密化処理を行った後最終的に黒鉛化処
理してC/Cコンポジットを製造する。
際、溶融した上記マトリックス結合材は、炭素繊維織物
11間及び積層体13の内部に存在する隙間に含浸され
て硬化する。従って、硬化後の積層体13は、接してい
る繊維どうしが強固に固定化されるため、炭素繊維織物
11のなす面の方向に加えて、その面と交差する方向に
も容易にずれたりしない。そして、積層体13はスペー
サ34と同じ厚さに加圧成形される。加圧成形の際、余
剰となったマトリックス結合材は、穴明きフィルム35
の穴を通ってガラス布36に吸収される。完全硬化した
積層体13は、不活性ガス雰囲気に保持された電気炉で
焼成炭化させ、緻密化処理を行った後最終的に黒鉛化処
理してC/Cコンポジットを製造する。
【0013】(実施例1)上記実施形態を具体化した実
施例1について説明する。炭素繊維(0.6デニール)
を、三軸織機を用いて製織速度30rpmで製織した三
軸織物である炭素繊維織物11を50枚作製した。次
に、ノボロイド繊維である接着シート12にマトリック
ス結合材としてフェノール樹脂溶液を130g/m3塗
布して十分含浸させ48時間風乾した。そして、この炭
素繊維織物11と接着シート12を交互に積層して作製
した積層体13を、容易にずれたりしないように仮止め
し、上記したようにホットプレス機30にセットして、
圧力1960kPa(20kg/cm2)、温度170
℃で加圧成形する。この成形体を200℃の温度に加熱
して完全硬化させた後、不活性雰囲気に保持された電気
炉で1,000℃×5時間保持して焼成炭化させた。次
にコールタールピッチを用いた緻密化処理を5回行っ
た。そして、最終的に黒鉛化炉により2,000℃の温
度で黒鉛化処理を行いC/Cコンポジットを製造した。
施例1について説明する。炭素繊維(0.6デニール)
を、三軸織機を用いて製織速度30rpmで製織した三
軸織物である炭素繊維織物11を50枚作製した。次
に、ノボロイド繊維である接着シート12にマトリック
ス結合材としてフェノール樹脂溶液を130g/m3塗
布して十分含浸させ48時間風乾した。そして、この炭
素繊維織物11と接着シート12を交互に積層して作製
した積層体13を、容易にずれたりしないように仮止め
し、上記したようにホットプレス機30にセットして、
圧力1960kPa(20kg/cm2)、温度170
℃で加圧成形する。この成形体を200℃の温度に加熱
して完全硬化させた後、不活性雰囲気に保持された電気
炉で1,000℃×5時間保持して焼成炭化させた。次
にコールタールピッチを用いた緻密化処理を5回行っ
た。そして、最終的に黒鉛化炉により2,000℃の温
度で黒鉛化処理を行いC/Cコンポジットを製造した。
【0014】(実施例2)実施例2に係るC/Cコンポ
ジットは、接着シート12に塗布するフェノール樹脂溶
液を110kg/cm2とした点のみが相違するだけで
あり、上記実施例1と同一の製造方法により製造した。
ジットは、接着シート12に塗布するフェノール樹脂溶
液を110kg/cm2とした点のみが相違するだけで
あり、上記実施例1と同一の製造方法により製造した。
【0015】(実施例3)実施例3に係るC/Cコンポ
ジットは、接着シート12に塗布するフェノール樹脂溶
液を90kg/cm2とした点のみが相違するだけであ
り、上記実施例1と同一の製造方法により製造した。
ジットは、接着シート12に塗布するフェノール樹脂溶
液を90kg/cm2とした点のみが相違するだけであ
り、上記実施例1と同一の製造方法により製造した。
【0016】(比較例)比較例に係るC/Cコンポジッ
トは、接着シート12がチョップ状炭素繊維ペーパであ
る点及び該接着シート12に塗布するフェノール樹脂溶
液を50kg/cm2とした点が相違するだけであり、
上記実施例1と同一の製造方法により製造した。
トは、接着シート12がチョップ状炭素繊維ペーパであ
る点及び該接着シート12に塗布するフェノール樹脂溶
液を50kg/cm2とした点が相違するだけであり、
上記実施例1と同一の製造方法により製造した。
【0017】上記実施例1〜3及び比較例に係るC/C
コンポジットの特性値を表1に示す。
コンポジットの特性値を表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】表1に示すように実施例1〜3のC/Cコ
ンポジットは、気孔率、嵩比重、曲げ強度及び層間剪断
強度の何れの特性値についても、比較例のC/Cコンポ
ジットの特性値を上回った。比較例のものは気孔率が大
で今後も緻密化処理を行う必要があるが、実施例1〜3
は何れも物理特性を満足した。また、実施例3では、接
着シート12として、チョップ状炭素繊維ペーパを用い
たため、炭素繊維織物(三軸織物)11とも絡み易く実
施例1、実施例2のC/Cコンポジットよりもさらに強
度が向上した。
ンポジットは、気孔率、嵩比重、曲げ強度及び層間剪断
強度の何れの特性値についても、比較例のC/Cコンポ
ジットの特性値を上回った。比較例のものは気孔率が大
で今後も緻密化処理を行う必要があるが、実施例1〜3
は何れも物理特性を満足した。また、実施例3では、接
着シート12として、チョップ状炭素繊維ペーパを用い
たため、炭素繊維織物(三軸織物)11とも絡み易く実
施例1、実施例2のC/Cコンポジットよりもさらに強
度が向上した。
【0020】表2は、実施例1〜3及び比較例のC/C
コンポジットについて、緻密化処理の回数及び黒鉛化処
理に伴う嵩比重の値を示したものである。表2により明
らかなように、実施例1〜3及び比較例のC/Cコンポ
ジットとも、嵩比重が密化処理回数増加に伴い増加し、
黒鉛化処理によりさらに増加した。図3はそのグラフで
ある。
コンポジットについて、緻密化処理の回数及び黒鉛化処
理に伴う嵩比重の値を示したものである。表2により明
らかなように、実施例1〜3及び比較例のC/Cコンポ
ジットとも、嵩比重が密化処理回数増加に伴い増加し、
黒鉛化処理によりさらに増加した。図3はそのグラフで
ある。
【0021】
【表2】
【0022】上記各実施例に示されたC/Cコンポジッ
トの製造方法によれば、接着シート12を炭素繊維織物
11の層間に挟み込むことにより、該接着シート12に
含浸されたマトリックス結合材が炭素繊維織物11に浸
透するため、炭素繊維織物にマトリックス結合材を含浸
させてプリプレグを作製する必要がないとともに、接着
シート12が炭素繊維織物11間の空隙を埋めるからC
/Cコンポジットを高密度に製造することができる。ま
た、接着シート12が緩衝材として作用し、炭素繊維織
物11どうしが接触して互いの繊維を損傷してしまうこ
とがない。
トの製造方法によれば、接着シート12を炭素繊維織物
11の層間に挟み込むことにより、該接着シート12に
含浸されたマトリックス結合材が炭素繊維織物11に浸
透するため、炭素繊維織物にマトリックス結合材を含浸
させてプリプレグを作製する必要がないとともに、接着
シート12が炭素繊維織物11間の空隙を埋めるからC
/Cコンポジットを高密度に製造することができる。ま
た、接着シート12が緩衝材として作用し、炭素繊維織
物11どうしが接触して互いの繊維を損傷してしまうこ
とがない。
【0023】接着シート12がノボロイド繊維でマトリ
ックス結合材がフェノール樹脂の場合には、マトリック
ス結合材と反応して炭素繊維織物11に容易に浸透し
て、炭素繊維織物11間の空隙を埋めるから、C/Cコ
ンポジットを高密度化することができる。また、接着シ
ート12がマトリックス結合材を含浸させた炭素質短繊
維の不織布の場合は、炭素繊維織物11間の空隙を埋め
て高密度化するばかりでなく、炭素繊維織物11との絡
み性が高まり層間剥離強度が向上する。従って、従来の
製造方法に比べてコールタールピッチによる緻密化処理
の回数が少ないにもかかわらず優れた物理特性を得るこ
とができる。
ックス結合材がフェノール樹脂の場合には、マトリック
ス結合材と反応して炭素繊維織物11に容易に浸透し
て、炭素繊維織物11間の空隙を埋めるから、C/Cコ
ンポジットを高密度化することができる。また、接着シ
ート12がマトリックス結合材を含浸させた炭素質短繊
維の不織布の場合は、炭素繊維織物11間の空隙を埋め
て高密度化するばかりでなく、炭素繊維織物11との絡
み性が高まり層間剥離強度が向上する。従って、従来の
製造方法に比べてコールタールピッチによる緻密化処理
の回数が少ないにもかかわらず優れた物理特性を得るこ
とができる。
【図1】本発明に係るC/Cコンポジットの概略の構造
を示す断面図である。
を示す断面図である。
【図2】ホットプレス機の分解正面図である。
【図3】緻密化処理の回数及び黒鉛化処理に伴うC/C
コンポジットの嵩比重の増加傾向を示したグラフであ
る。
コンポジットの嵩比重の増加傾向を示したグラフであ
る。
10...C/Cコンポジット 11...炭素繊維織物 12...接着シート 13...積層体 30...ホットプレス機
Claims (3)
- 【請求項1】 積層した炭素繊維織物の各層間にマトリ
ックス結合材を含浸させた接着シートを挟んで成形した
ことを特徴とする炭素繊維強化炭素複合材料の製造方
法。 - 【請求項2】 前記接着シートは、マトリックス結合材
を含浸させた有機繊維、無機繊維若しくは炭素繊維の何
れかの織物若しくは不織布であることを特徴とする請求
項1に記載の炭素繊維強化炭素複合材料の製造方法。 - 【請求項3】 前記接着シートに対するマトリックス結
合材の含浸量が、50〜80重量%であることを特徴と
する請求項1又は請求項2に記載の炭素繊維強化炭素複
合材料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11083425A JP2000272975A (ja) | 1999-03-26 | 1999-03-26 | 炭素繊維強化炭素複合材料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11083425A JP2000272975A (ja) | 1999-03-26 | 1999-03-26 | 炭素繊維強化炭素複合材料の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000272975A true JP2000272975A (ja) | 2000-10-03 |
Family
ID=13802095
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11083425A Withdrawn JP2000272975A (ja) | 1999-03-26 | 1999-03-26 | 炭素繊維強化炭素複合材料の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000272975A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102990999A (zh) * | 2011-09-09 | 2013-03-27 | 现代自动车株式会社 | 具有改进的弯曲特性和表面特性的大丝束碳纤维复合物 |
-
1999
- 1999-03-26 JP JP11083425A patent/JP2000272975A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102990999A (zh) * | 2011-09-09 | 2013-03-27 | 现代自动车株式会社 | 具有改进的弯曲特性和表面特性的大丝束碳纤维复合物 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060606 |