JP2000272908A - 過酸化水素水の精製方法 - Google Patents
過酸化水素水の精製方法Info
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Abstract
り過酸化水素水中の不純物を除去する技術であって、連
続運転中に過酸化水素の急激な分解が発生し危険であっ
たり、不純物の除去効果が低下したりするといった長期
にわたっての連続運転が困難になるという、工業的実施
の観点から極めて不都合な問題を伴わず、よって好成績
下に長期に渡っての連続運転が可能であるという特徴を
有し、工業的実施の観点から極めて有利な技術を実現し
得る過酸化水素水の精製法を提供する。 【解決手段】 イオン交換樹脂充填塔に過酸化水素水を
通液することにより過酸化水素水を精製する方法におい
て、過酸化水素水の精製を行った後にイオン交換樹脂量
の20倍以上の水を通水することにより水置換を行った
イオン交換樹脂を再び過酸化水素水の精製に使用するこ
とを特徴とする過酸化水素水の精製方法。
Description
製方法に関するものである。更に詳しくは、本発明は、
過酸化水素水をイオン交換樹脂との接触処理に付すこと
により過酸化水素水中の不純物を除去する技術であっ
て、連続運転中に過酸化水素の急激な分解が発生し危険
であったり、不純物の除去効果が低下したりするといっ
た長期にわたっての連続運転が困難になるという、工業
的実施の観点から極めて不都合な問題を伴わず、よって
好成績下に長期に渡っての連続運転が可能であるという
特徴を有し、工業的実施の観点から極めて有利な技術を
実現し得る過酸化水素水の精製法に関するものである。
ーの洗浄液の一成分として過酸化水素水が用いられる。
ここで用いられる過酸化水素水は、高度に清浄で純粋で
あることが要求される。特に、過酸化水素水中に鉄イオ
ンやアルミニウムイオンといった金属不純物、硝酸塩や
硫酸塩等のアニオン不純物等の不純物が存在すると、得
られる半導体の信頼性を著しく低下させるといわれてい
る。一方で半導体の信頼性に対する要求水準は、近年一
層高度なものとなりつつあり、不純物が極めて低い水準
に制御された高純度の過酸化水素水がますます必要とさ
れている。
て、過酸化水素水をイオン交換樹脂塔に充填されたアニ
オン交換樹脂やカチオン交換樹脂と接触させ、不純物を
除去する方法が知られている。ここで製品充填バランス
等の運転上の都合や工場の定期メンテナンス等により数
日間あるいはそれ以上の期間、過酸化水素水精製装置の
停止を余儀なくされることがある。ところがこういった
場合、再度、精製をスタートさせるにあたり、それまで
精製に使用してきたイオン交換樹脂は捨てて、新しいイ
オン交換樹脂を充填するという経済的観点から見るとは
なはだ効率の悪いことが行われてきた。これは一度精製
に使用した後に再使用されるイオン交換樹脂は新品のイ
オン交換樹脂と比較すると、劣化が進んでおり、そのた
め連続運転中に過酸化水素の急激な分解が発生し危険で
あったり、不純物の除去効果が低下したりするためであ
った。
発明が解決しようとする課題は、イオン交換樹脂との接
触処理に付すことにより過酸化水素水中の不純物を除去
する技術であって、連続運転中に過酸化水素の急激な分
解が発生し危険であったり、不純物の除去効果が低下し
たりするといった長期にわたっての連続運転が困難にな
るという、工業的実施の観点から極めて不都合な問題を
伴わず、よって好成績下に長期に渡っての連続運転が可
能であるという特徴を有し、工業的実施の観点から極め
て有利な技術を実現し得る過酸化水素水の精製法を提供
する点に存するものである。
術が有する前記の問題について検討した結果、過酸化水
素水とイオン交換樹脂が接触する場合、流通状態で接触
する場合にはほとんど劣化しないにもかかわらず静置状
態で接触する場合にはイオン交換樹脂の劣化が激しいこ
と、そのため精製終了後も放置しておくとイオン交換樹
脂塔内に残存した過酸化水素水が樹脂を劣化させること
が判明した。更に、本発明者らは、上記の問題を解消す
る方法について鋭意検討し、以下説明する本発明に到達
したものである。すなわち、本発明は、イオン交換樹脂
充填塔に過酸化水素水を通液することにより過酸化水素
水を精製する方法において、過酸化水素水の精製を行っ
た後にイオン交換樹脂量の20倍以上の水を通水するこ
とにより水置換を行ったイオン交換樹脂を再び過酸化水
素水の精製に使用することを特徴とする過酸化水素水の
精製方法に係るものである。
水素水としては、アントラキノン法等により工業的に製
造された過酸化水素水を用いることができるが、工業用
過酸化水素水を吸着樹脂、キレート樹脂、逆浸透膜等を
使用してあらかじめ粗精製した過酸化水素水を用いても
よい。過酸化水素水の濃度については特に制限はない
が、通常は1〜70重量%、好ましくは1〜40重量%
である。
は強酸性カチオン交換樹脂、弱酸性カチオン交換樹脂、
強塩基性アニオン交換樹脂、弱塩基性アニオン交換樹脂
があげられるが、不純物の除去性の観点から強酸性カチ
オン交換樹脂、強塩基性アニオン交換樹脂を使用するこ
とが好ましい。カチオン交換樹脂は通常Na型で市販さ
れている樹脂を鉱酸でコンディショニングしてH型に調
製して用いられるが、H型で市販されている樹脂を使用
してもよい。カチオン交換樹脂の架橋度は低すぎると過
酸化水素水と接触したときの劣化が大きいことから中程
度以上のものを使用することが望ましく、このような樹
脂としては三菱化学社製ダイヤイオンSK1B、同SK
1BH、ローム&ハース社製デュオライトC−20、同
C−20H、オルガノ社製アンバーライトIR−120
B、同IR−120BH、ESG−K、ダウ社製モノス
フィア650C等があげられる。アニオン交換樹脂は通
常Cl型で市販されており、これを炭酸水素型もしくは
炭酸型に変換して用いられるが、OH型で市販されてい
る樹脂を炭酸水素型もしくは炭酸型に変換して用いたり
炭酸水素型で市販されている樹脂をそのまま用いてもよ
い。カチオン交換樹脂と同様にアニオン交換樹脂の架橋
度は低すぎると過酸化水素水と接触したときの劣化が大
きいことから中程度以上のものを使用することが望まし
く、このような樹脂としては三菱化学社製ダイヤイオン
SA−10A、同SA−12A、オルガノ社製アンバー
ライトIRA−402BL、ESG−A、ローム&ハー
ス社製デュオライトA−113、同A−113OH、ダ
ウ社製モノスフィア550A等があげられる。
で用いてもよいが、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹
脂と組み合わせたりあるいは混床で使用する方がより高
純度の過酸化水素水を得ることができる。またより高度
に精製する目的で多段で通液を行ったり、一部を原料側
に返送するという循環精製運転をしたり、キレート樹
脂、吸着樹脂、逆浸透膜等と組み合わせて精製を行って
もよい。
化水素水の通液速度は、通常はSV(空間速度)で0.
1〜100hour-1、好ましくは2〜50hour-1
である。液温は分解を抑制するため、30℃以下が好ま
しく、より好ましくは15℃以下である。冷却の方法と
しては過酸化水素水を多管式熱交換器を通す方法、充填
塔自体をジャケットを使用して直接冷却する方法等があ
る。充填塔、配管は場合によっては断熱材で覆ってもよ
い。イオン交換樹脂塔での過酸化水素水の通液方向は上
昇流で行っても下降流で行ってもよいが、アニオン交換
樹脂あるいはアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の混
床で通液を実施する際は、過酸化水素の分解による発泡
を少なくするために、圧力をかけるのが一般的である。
用される材質としては低溶出型塩化ビニル樹脂、PF
A、PTFE等のフッ素樹脂等が使用される。またステ
ンレススチールやカーボンスチールに低溶出型塩化ビニ
ル樹脂、PFA、PTFE等のフッ素樹脂をコーティン
グあるいはライニングしたものも使用できる。
止する原因としては先にあげた製品充填バランス等の運
転上の都合や工場の定期メンテナンスの他にイオン交換
樹脂の破過によるものがあるが、いずれにせよ停止後直
ちに水置換操作に移る必要がある。水置換に使用される
水は特に制限はないが、純度が高いほうがより好まし
く、一般的には超純水とよばれる比抵抗が17MΩ・c
m以上のものが使用される。通水速度はSVで1〜50
hour-1で行うのが一般的であり、通水量としてはイ
オン交換樹脂量の20倍以上(BV20)行う必要があ
り、より好ましくは50倍以上、さらに好ましくは10
0倍以上行うのがよい。通水温度は過酸化水素水の通液
と同様、あまり高い温度で実施すると樹脂の分解がすす
むので、30℃以下より好ましくは20℃以下で実施す
るのがよい。水置換を実施しない場合は停止期間中に過
酸化水素水により樹脂の劣化が促進してしまい樹脂を再
使用することができなくなる。過酸化水素水を流通させ
ておく場合よりも静置させておく場合の方が樹脂の劣化
の進行が桁違いに大きくなるのである。もしもこの状態
でイオン交換樹脂を再使用すると金属やアニオン等の不
純物が十分に除去できなかったり、アニオン交換樹脂の
場合においては過酸化水素の急激な分解が発生したりし
て非常に危険である。また水置換を実施した場合でもそ
の量が不十分であると、残存した過酸化水素水が樹脂を
劣化させ、同様の結果となる。十分に水置換を行えば、
1ヶ月以上放置しておいても樹脂の劣化は進まないの
で、イオン交換樹脂塔を2系列持ち、樹脂が破過したら
交互に切り替えて運転する場合には特に都合がよい。な
おキレート樹脂や逆浸透膜を併用して精製を行う場合に
はこれらについても同様の処置を行うことが望ましい。
イオン交換樹脂は再生して使用することが好ましいが、
交換容量に十分余裕がある場合には再生せずにそのまま
過酸化水素水を通液してもよい。再生は精製塔と同じ塔
で行ってもよいし、別の再生専用の樹脂塔に移送して行
ってもよい。カチオン交換樹脂の再生の方法は一般には
0.5〜3規定濃度の塩酸水溶液、硫酸水溶液等の鉱酸
水溶液を通液後、超純水で水洗することにより行われ
る。ここで使用される鉱酸水溶液、超純水の純度はでき
るだけ高純度であることが望ましく、鉱酸水溶液の場
合、各金属不純物の濃度が1重量ppb以下好ましくは
10重量ppt以下のものを用いるとよい。超純水の場
合は各金属不純物の濃度が10重量ppt以下好ましく
は1重量ppt以下のものを用いるとよい。鉱酸による
再生量は樹脂量の1倍〜50倍の量が一般的であるが、
樹脂に吸着した不純物の量によっては更に多くしたり少
なくしたりしてもよい。超純水による水洗量は樹脂中に
残存する不純物イオンが完全になくなるまで行う必要が
あり、通常はBVで100倍以上、好ましくは200倍
以上行う。
0.5〜3規定濃度の水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等の
アルカリの水溶液を通液後、超純水で置換し、引き続き
0.1〜2規定濃度の炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリ
ウム等の炭酸水素塩もしくは炭酸塩の水溶液を通液し、
さらに超純水で水洗することにより行われる。場合によ
ってはアルカリの水溶液を通液する工程を省略したり、
アルカリの水溶液を通液する前に塩酸等の鉱酸の水溶液
により洗浄する工程を追加してもよい。塩酸等の鉱酸の
水溶液を使用する場合はアニオン交換樹脂に残存する炭
酸水素基あるいは炭酸基が酸と反応して炭酸ガスが大量
に発生するのであらかじめ水酸化ナトリウムや塩化ナト
リウム等を通液しCl型やOH型に置換しておくことが
望ましい。ここで使用されるアルカリの水溶液、炭酸水
素塩もしくは炭酸塩の水溶液、鉱酸の水溶液、超純水の
純度もできるだけ高純度であることが望ましく、アルカ
リの水溶液、炭酸水素塩もしくは炭酸塩の水溶液の場
合、各金属不純物の濃度が5重量ppb以下好ましくは
0.5重量ppb以下のものを、鉱酸の水溶液の場合、
各金属不純物の濃度が1重量ppb以下好ましくは10
重量ppt以下のものを、超純水の場合は各金属不純物
の濃度が10重量ppt以下好ましくは1重量ppt以
下のものを用いるとよい。再生量は樹脂量のそれぞれ1
倍〜50倍の量が一般的であるが、樹脂に吸着した不純
物の量によっては更に多くしたり少なくしたりしてもよ
い。超純水による水洗量は樹脂中に残存する不純物イオ
ンが完全になくなるまで行う必要があり、通常はBVで
50倍以上、好ましくは100倍以上行う。
塩もしくは炭酸塩の水溶液、超純水の通液温度は樹脂の
耐熱温度以下であればよいが、通常は常温以下で行うの
がよい。高濃度の鉱酸やアルカリ水溶液を配管上で水で
希釈する場合や夏季は、温度が上昇してしまう場合があ
るので、その時は熱交換器等を使用して冷却してもよ
い。
には過酸化水素水の通液直前にイオン交換樹脂の水洗を
行うことが好ましい。これは主に浸積水中のイオン交換
樹脂から溶出した微量のTOC成分を取り除くためであ
る。水洗に用いる水は再生で用いられる水と同様のいわ
ゆる超純水を用いるのがよい。水洗量は場合にもよる
が、BVで5倍以上、好ましくは20倍以上行うのがよ
い。過酸化水素水通液に際しては上記の水洗工程の実施
中に過酸化水素水を切り込んでライン混合して徐々に濃
度を上げていく方法をとってもよいし、水洗を停止し
て、いきなり所定濃度の過酸化水素水を通液してもよ
い。なお水洗の代わりに過酸化水素水による洗浄を行っ
たり、初期のイオン交換処理された過酸化水素水を捨て
たり、原料リサイクルしたりすることでも同様の効果は
得られる。
の有無を過酸化水素水の通液前に確認する方法は一般的
な測定方法を用いればよく、化学的強度については樹脂
中の水分(含水度)、総交換容量、中性塩分解容量、弱
酸基交換容量、弱塩基交換容量等が、物理的強度につい
ては圧縮強度、外観指数(完球率)等が測定される。カ
チオン交換樹脂についてはこれで十分であるが、アニオ
ン交換樹脂についてはこれらの一般的な測定項目で問題
はなくても、実際に過酸化水素水の処理に供した時に過
酸化水素の分解が大きい樹脂が存在する。この発熱・分
解の有無を判断する方法として本発明者らが実施してい
るのが以下に示す試験方法である(以下、ジャーテスト
と呼ぶ)。まず、湿潤状態にある試料樹脂を100ml
秤取し、ろ布に包み、水を切る。前処理操作として、順
に7.5重量%の過酸化水素水15分間浸漬、31重量
%の過酸化水素水15分間浸漬、31重量%の過酸化水
素水10分間浸漬を行う。浸漬の間は上下運動を行う。
液から樹脂を取り出し、全量をデュワー瓶等の断熱容器
に移送する。移送にはテフロン製のスプーン等の汚染の
無いものを使用する。続いて31重量%の過酸化水素水
を100ml加え、温度測定を開始する。この時の温度
をT0(℃)とする。5時間経過後の温度を測定し、こ
の時の温度をT5(℃)とする。以上の操作は室温で行
われ、試験に供される過酸化水素水としては電子工業用
として市販されている過酸化水素水を用いるのが一般的
である。液温の上昇速度ΔT(℃/hour)は下記の
式で示される。 ΔT=(T5−T0)/5 (℃/hour) この液温の上昇速度ΔTが2℃/hourを超えるもの
を過酸化水素水の精製に使用すると連続運転中に過酸化
水素の急激な分解が発生し危険であったり、その結果不
純物の除去効果が低下したりするのである。もちろんジ
ャーテストは新品の樹脂の選定にも適用し得る試験方法
である。以上述べた試験方法は必ずしも過酸化水素水の
精製を行うたびに毎回実施する必要はない。
目およびこのジャーテストにおいても新品とほとんど変
わらないイオン交換樹脂を過酸化水素水の精製に供する
ことができ、カチオン交換樹脂の場合1年以上、アニオ
ン交換樹脂の場合6ヶ月以上にわたって、繰り返し使用
することが可能となっている。
する。なお金属成分の分析はICP−MS法で、アニオ
ン成分の分析はイオンクロマト法で、全窒素の分析は触
媒酸化吸光法で行った。 実施例1 イオン交換樹脂塔に炭酸水素型に調製した三菱化学社製
アニオン交換樹脂SA10A(ロット7C101)を充
填し、別のイオン交換樹脂塔にH型に調製したローム&
ハース社製カチオン交換樹脂C−20Hを充填した。逆
浸透膜を使用して粗精製した過酸化水素水をアニオン交
換樹脂にSV=3hour-1の速度で上昇流で通液し、
続いてカチオン交換樹脂にSV=4hour-1の速度で
下降流で通液した。通液は7℃で実施し、20日間継続
した。精製後の過酸化水素水の品質を表1に示す。通液
終了後、直ちに超純水をSV=5hour-1の速度で2
4時間通液し、水置換を行った。1ヶ月後、再度過酸化
水素水の精製を行った。通液は一度目と同条件で行っ
た。なおアニオン交換樹脂は再使用に先立ち、2規定濃
度の水酸化ナトリウム水溶液をSV=5hour-1で2
時間通液し、水置換してから、2規定濃度の塩酸水溶液
をSV=5hour-1で1時間通液し、水置換後、2規
定濃度の水酸化ナトリウム水溶液をSV=5hour-1
で2時間通液し、水置換後0.7規定濃度の炭酸水素ナ
トリウム水溶液をSV=5hour-1で2時間通液して
炭酸水素型に変換し、最後に超純水をSV=10hou
r-1で72時間通液し洗浄を行った。カチオン交換樹脂
は再使用に先立ち、2規定濃度の塩酸水溶液をSV=5
hour-1で4時間通液してH型に変換し、次に超純水
をSV=5hour-1で92時間通液し、洗浄を行っ
た。また過酸化水素水の精製開始の直前には超純水をS
V=5hour-1で12時間通液し、洗浄を行った。精
製後の過酸化水素水の過酸化水素水の品質を表1に示
す。またあわせて、再生が終了した後、アニオン交換樹
脂の一部を抜き出し、ジャーテストを実施した。
度で2時間しか行わなかったこと以外は実施例1と同様
のテストを実施した。結果を表1に示す。
アニオン交換樹脂SA10A(ロット7C101)を充
填し、別のイオン交換樹脂塔にH型に調製したオルガノ
社製カチオン交換樹脂ESG−Kを充填した。逆浸透膜
を使用して粗精製した過酸化水素水をアニオン交換樹脂
にSV=4hour-1の速度で上昇流で通液し、続いて
カチオン交換樹脂にSV=4hour-1の速度で下降流
で通液した。通液は5℃で実施し、12日間継続した。
精製後の過酸化水素水の品質を表2に示す。通液終了
後、直ちに超純水をSV=10hour-1の速度で2時
間通液し、水置換を行った。10日後、再度過酸化水素
水の精製を行った。通液は一度目と同条件で行った。な
おアニオン交換樹脂は再使用に先立ち、2規定濃度の水
酸化ナトリウム水溶液をSV=5hour-1で2時間通
液し、水置換後、0.7規定濃度の炭酸水素ナトリウム
水溶液をSV=5hour-1で2時間通液して炭酸水素
型に変換し、最後に超純水をSV=10hour-1で2
4時間通液し洗浄を行った。カチオン交換樹脂は再使用
に先立ち、2規定濃度の塩酸水溶液をSV=5hour
-1で6時間通液してH型に変換し、次に超純水をSV=
10hour-1で24時間通液し、洗浄を行った。精製
後の過酸化水素水の過酸化水素水の品質を表1に示す。
実施例2と同様のテストを実施した。結果を表1に示
す。
オン交換樹脂との接触処理に付すことにより過酸化水素
水中の不純物を除去する技術であって、連続運転中に過
酸化水素の急激な分解が発生し危険であったり、不純物
の除去効果が低下したりするといった長期にわたっての
連続運転が困難になるという、工業的実施の観点から極
めて不都合な問題を伴わず、よって好成績下に長期に渡
っての連続運転が可能であるという特徴を有し、工業的
実施の観点から極めて有利な技術を実現し得る過酸化水
素水の精製法を提供することができた。
Claims (4)
- 【請求項1】 イオン交換樹脂充填塔に過酸化水素水を
通液することにより過酸化水素水を精製する方法におい
て、過酸化水素水の精製を行った後にイオン交換樹脂量
の20倍以上の水を通水することにより水置換を行った
イオン交換樹脂を再び過酸化水素水の精製に使用するこ
とを特徴とする過酸化水素水の精製方法。 - 【請求項2】 イオン交換樹脂がH型強酸性カチオン交
換樹脂である請求項1記載の精製方法。 - 【請求項3】 イオン交換樹脂が炭酸水素型もしくは炭
酸型強塩基性アニオン交換樹脂である請求項1記載の精
製方法。 - 【請求項4】 再び過酸化水素水の精製に使用するイオ
ン交換樹脂が、100mlのイオン交換樹脂を100m
lの31重量%の過酸化水素水と断熱下で接触させたと
きの液温の上昇速度が1時間あたり2℃以下であるイオ
ン交換樹脂である請求項3記載の精製方法。
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---|---|---|---|
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