JP2000270693A - 農業用マルチシート - Google Patents

農業用マルチシート

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JP2000270693A
JP2000270693A JP11082931A JP8293199A JP2000270693A JP 2000270693 A JP2000270693 A JP 2000270693A JP 11082931 A JP11082931 A JP 11082931A JP 8293199 A JP8293199 A JP 8293199A JP 2000270693 A JP2000270693 A JP 2000270693A
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JP
Japan
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pulp
paper
sheet
weight
soil
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Application number
JP11082931A
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English (en)
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Masayuki Watanabe
誠幸 渡辺
Shuichi Kawasaki
秀一 川崎
Jiro Yoshimura
次郎 吉村
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Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 土壌中における微生物による分解性の制御及
び抄紙性、マルチャー適性に優れた農業用マルチシート
を提供する。 【解決手段】 化学パルプを70重量%以上100重量%以
下含有する内層の両面に、機械パルプを50重量%以上10
0重量%以下含有する外層を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明に属ずる技術分野】本発明は、農作物あるいは花
卉の品質及び収穫量を向上させるために使用される農業
用マルチシートに関するものであり、さらに詳しくは土
壌中における微生物による分解性の制御に優れる農業用
マルチシートに関する。
【0002】
【従来の技術】農業用マルチシートは農作物あるいは花
卉の周りの地面を被覆する資材であり、地温の調節、雑
草発生の制御などの効果により農作物あるいは花卉の品
質、収穫量の向上を目的として使用されている。従来、
この農業用マルチシートはポリエチレンあるいはポリ塩
化ビニルなどのプラスチックフィルムが使用されてき
た。しかしながら、これらは土壌中において微生物によ
る分解性が殆どないため、使用後は回収・埋め立て及び
焼却処理が必要である。この回収・埋め立て及び焼却処
理にあたっては特殊な装置や多大な労力と時間が必要で
ある上、環境汚染の点からも問題となっている。
【0003】このようなプラスチックフィルムマルチシ
ートの問題点を解決するために、基材として紙あるいは
パルプを使用する農業用紙マルチシートは、土壌中で分
解されやすいセルロースを主構成成分とするため、回収
不要な農業用紙マルチシートとして検討されている。紙
マルチシートはプラスチックフィルムマルチシートに比
べて通気性に富むため、地温上昇抑制効果の点では優れ
るが、反面、地温上昇促進の点では劣っている。このた
め、農業用紙マルチシートは夏季に雑草の発生、軟腐病
やすそ枯れ病の予防に適している。このように、農業用
紙マルチシートを秋に収穫される農作物に対して使用す
る場合、分解されずにその形態を維持する必要がある期
間は春から夏にかけての約90日程度である。また、農業
用紙マルチシートは農作物の収穫後、次の農作物を栽培
するまでの間(約30日間)に土壌中で微生物によって分
解することが望ましい。しかし、夏季は地温が高いの
で、単なる紙を畑に施設した場合、土壌中での分解が速
く農業用マルチシートの用を為さない。農業用紙マルチ
シートの微生物による分解を制御するために、パラフィ
ンワックスの含浸(特開昭55ュ92625号公報、特開昭55ュ1
11734号公報)、ラテックスとワックスの塗工(特開平8
ュ214707号公報、特開平10ュ84789号公報)などの方法が
提案されているが、合成樹脂が分解されずに土壌中に蓄
積される問題がある。また、オキシキノリンの塩類及び
その誘導体から成る抗菌剤の添加する方法も提案されて
いるが(特開昭58ュ70800号公報)土壌への悪影響が懸念
される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は土壌に悪影響
を与えることなく、土壌中の微生物による分解の制御を
可能とし、かつ抄紙性及び紙力が改善された農業用紙マ
ルチシートを提供することである。具体的には、夏期に
畑地に施設した場合に90日間程度は分解されないで形態
を保持し、畑地に鋤込んだ後は30日程度で分解する農業
用紙マルチシートを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、マルチ適
性に必要な紙力を得るために化学パルプを70重量%以上
100重量%以下含有する1層以上の内層の両面に、生分解
性を制御するために機械パルプを50重量%以上100重量
%以下含有する外層を設けた多層構造から成る農業用紙
マルチシートが、畑地に施設した場合約90日は分解され
ないで、その形態及び強度を維持し、土壌中に鋤込んだ
後は約30日で分解されることを見出した。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の農業用マルチシートは、
土壌と接触する外層は機械パルプを高配合にすることに
よって耐生分解性を付与することが可能であり、内層は
化学パルプを高配合にすることで紙力をも付与すること
が可能である。
【0007】本発明で使用される機械パルプとしは、砕
木パルプ(GP)、リファイナーグランドパルプ(RG
P)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモ
メカニカルパルプ(CTMP)である。また、これらの
パルプからなる古紙から製造した脱墨パルプ(DIP)
を含有してもよい。また、化学パルプとしては、未晒ク
ラフトパルプ(UKP)、または晒クラフトパルプ(B
KP)、未晒サルファイトパルプ(USP)、または晒
サルファイトパルプ(BSP)が使用される。
【0008】木材パルプは、化学的処理によってセルロ
ース繊維を取り出す化学パルプと、物理的処理により木
材繊維を取り出す機械パルプに大別され、その繊維の形
態、科学的組成、性質は各パルプ間で大きく異なってい
る。化学パルプは化学的処理により木材繊維に接着して
いるリグニンを溶出して繊維を単離するので、その繊維
はセルロースが剥き出しになっている。一方、機械パル
プは物理的処理により、木材繊維間のリグニンによる接
着を界面で破壊して繊維を単離するので、その繊維はセ
ルロースがリグニンで被覆されている。
【0009】セルロース、リグニンはどちらも木材を構
成する主要な天然高分子であり、微生物によって分解さ
れる。セルロースはD−グルコースがβ1,4−結合した構
成で、微生物によって加水分解されやすく完全に分解さ
れる。ところが、リグニンは加水分解を受けやすい繰り
返し単位を含まない、複雑な結合様式で構成されてお
り、微生物によって分解されにくい。すなわち、セルロ
ースとリグニンは微生物による分解速度が異なる。従っ
て、セルロースとリグニンの分解速度の違い、すなわち
化学パルプと機械パルプの分解速度の違いを利用するこ
とにより、土壌中の微生物による分解速度を制御するこ
とが可能となる。
【0010】特開平11-59号公報に記載されているよう
に、農業用紙マルチシートにおいて、土壌中の分解速度
を制御するためには機械パルプの配合率が50重量%以上
にすることが必要である。それ以下であるとマルチシー
トが90日以内に地際で分解してしまい、風により飛散し
てしまう。しかしながら、機械パルプの配合率を50重量
%以上にしてしまうと、ワイヤーパートでの脱水不良に
よる抄紙効率の低下や紙力低下(マルチ適性の低下)が
起きてしまう。
【0011】そこで、本発明者らは耐生分解性を持つパ
ルプシートと紙力の強いパルプシートをそれぞれ低坪量
で抄き、後者を内層としてその両面に前者のパルプシー
トを外層として抄き合わせることで、適度の生分解と紙
力をバランスできる方法を見出し、本発明を完成させ
た。
【0012】本発明の農業用紙マルチシートの外層は、
機械パルプを50重量%以上100重量%以下含有する必要
がある。坪量はワイヤーパートでの脱水を考慮して60g
/m 2以下が好ましく、さらに好ましくは20g/m2以上
40g/m2以下が良い。
【0013】本発明の農業用紙マルチシートの内層は、
化学パルプを70重量%以上100重量%以下含有する必要
がある。坪量は20g/m2以上が好ましく、さらに好ま
しくは40g/m2以上60g/m2以下が良い。
【0014】本発明の農業用紙マルチシートの製造方法
は、特に限定するものではないが、一般に板紙の製造に
使われる多層抄きの抄紙機を使用する方法、あるいは内
層、外層を別々に抄紙し、貼合機で多層化する方法等の
既知の方法のいずれも使用可能である。また、内層は2
層以上の多層抄きとしてもよい。
【0015】本発明の農業用紙マルチシートに、雑草の
成長の抑制や地温の保温の目的で有色顔料、あるいは染
料を添加してもよい。
【0016】なお、必要に応じて土壌中の微生物による
分解を妨げない範囲で、定着剤、サイズ剤、紙力向上
剤、填料、染料、歩留り向上剤等の添加が可能で、特に
湿潤紙力を向上させるため、湿潤紙力増強剤を添加する
ことが好ましい。湿潤紙力増強剤としては、メラミン−
ホルムアルデヒド樹脂、ポリアミド・エピクロロヒドリ
ン樹脂、ポリエチレンイミン、グリオキザール、ジアル
デヒドデンプン等が挙げられる。また、土壌中の微生物
による分解を妨げない範囲で、填料を添加してもよい。
填料としては、ホワイトカーボン、シリカ、クレー、カ
オリン、炭酸カルシウム、酸化チタン、プラスチックピ
グメント等が挙げられる。
【0017】また、本発明の農業用紙マルチシートは原
料として本質的に木材の構成成分のみで構成されている
ので、土壌中の生物、微生物に対する悪影響はほとんど
ない。
【0018】
【実施例】次に、本発明を実施例により説明するが、本
発明は実施例によって制限を受けるものではない。
【0019】実施例及び比較例において、紙マルチシー
ト製造時の抄紙性、得られた紙マルチシートについて
は、引張り強度、分解性について下記の方法により評価
した。 抄紙性:問題なく抄紙可能ものを○、脱水性の不良等で
抄紙速度を低下せざる得ない場合を×とした。 引張り強度:JIS P 81131994に従って測定し
た。 分解性の評価:紙マルチシートを畑地に図1に示したよ
うな畝を作成してクボタ(株)のロータリマルチを用いて
施設し、土壌中の微生物による紙マルチシートの分解の
評価は夏季に収穫される作物を対象として行った。地際
での分解は、施設期間を5月中旬から8月中旬の90日間と
し、その間経時的に目視観察し、ほとんど分解していな
いものを○、一部分解している箇所があるが、使用上問
題がないものを△、ほとんど分解しており、使用上問題
であるものを×とした。次に、埋設後の分解は、土壌中
に埋設させ、9月中旬までの30日間放置した後、目視観
察し、ほとんど分解しているものを○、わずかに繊維状
の未分解物が見られるものを△とした。なお、表中の−
は既に分解してしまって観察を行っていないことを示
す。
【0020】[実施例1]丸網多層抄合せ抄紙機によ
り、外層としてTMP(カナダ標準濾水度160ml)100
%のパルプスラリーに、湿潤紙力増強剤(ポリアミド・
エピクロロヒドリン系樹脂)を対パルプ0.2重量部、硫酸
バンドを対パルプ2重量部添加して調製した紙料を坪量2
0g/m2となるように抄紙し、内層としてパルプ配合を
NUKP(カナダ標準濾水度450ml)100%に変更した以
外は外層と同様に紙料を調製して坪量40g/m2となる
ように抄紙し、3層構造の紙マルチシートを製造した。
【0021】[実施例2]外層のパルプ配合をNUKP
20重量%、GP(カナダ標準濾水度100ml)80重量%に
変更した以外は、実施1と同様の方法で紙マルチシート
を得た。
【0022】[比較例1]外層のパルプ配合をNUKP
70重量%、GP30重量%に変更し、中間層のパルプ配合
をNUKP50重量%、GP50重量%に変更した以外は、
実施例1と同様の方法で紙マルチシートを得た。
【0023】[比較例2]パルプ配合がTMP50重量
%、NUKP50重量%のパルプスラリーに、湿潤紙力増
強剤(ポリアミド・エピクロロヒドリン系樹脂)を対パル
プ0.2重量%、硫酸バンドを対パルプ2重量%添加して調
製した紙料を、長網式抄紙機により抄紙し、坪量80g/
2の1層構造の紙マルチシートを得た。
【0024】[比較例3]パルプ配合をNUKP70重量
%、GP30重量%に変更した以外は、比較例2と同様の
方法で紙マルチシートを得た。
【0025】[比較例4]パルプ配合をNUKP100重
量%に変更した以外は、比較例2と同様の方法で紙マル
チシートを得た。
【0026】
【表1】 表1に示したように実施例1、2と比較例2の農業用紙
マルチシートは、施設後90日はその形態が維持され、土
壌中に埋設後は30日でほぼ分解し、分解性の問題はなか
った。比較例1と比較例3の農業用紙マルチシートは施
設後60日で、比較例4の農業用紙マルチシートは施設後
30日でほとんど分解しており、農業用マルチシートとし
て使用するには問題があった。比較例1と比較例2で
は、紙力が弱くマルチャー適性に問題があった。比較例
2はワイヤーパートでの脱水にやや問題であった。単層
の紙マルチシートを長網式抄紙機で製造する場合、機械
パルプの配合率はGPで50重量%、TMPで80重量%ま
でが限界であった。
【0027】以上の結果から明らかなように、濾水度の
低い機械パルプを配合を高くしても、1層当たりの坪量
が低いパルプシートを抄合わせた多層構造とすることに
より、耐生分解性及びマルチャー適性に優れた紙マルチ
シートが容易に製造可能となった。
【0028】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例の畝の形状を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 押さえ土 2 紙マルチシート 3 地表面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉村 次郎 東京都新宿区上落合1丁目30番6号 日本 製紙株式会社商品開発研究所内 Fターム(参考) 2B024 DB03 DB07 2B121 AA19 BB28 BB32 EA21 FA12

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3層以上の多層構造より成り、化学パル
    プを70重量%以上100重量%以下含有する1層以上の内層
    の両面に、機械パルプを50重量%以上100重量%以下含
    有する外層を設けたことを特徴とする農業用紙マルチシ
    ート。
JP11082931A 1999-03-26 1999-03-26 農業用マルチシート Pending JP2000270693A (ja)

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