JP2881726B2 - マルチング紙 - Google Patents

マルチング紙

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する利用分野】本発明は、畑作用に適した農
業用マルチング紙に関するもので、地際およびその周辺
のマルチング紙の腐朽期間を調節かつ延命し、農作物成
育に必要な被覆期間を確保するマルチング紙に関する。
【0002】
【従来の技術】農作物の栽培にあたって、近年、耕地の
土壌表面をポリエチレンや塩化ビニルで被覆することに
より、土壌浸食の防止、土壌水分の保持、地熱の調節、
雑草の抑制、土壌伝染性の病菌や泥はねからの汚染を防
止するフィルムマルチング栽培法が広く実施されてい
る。しかしながら、これらプラスチックフィルムを被覆
材料として用いる従来のマルチング栽培法においては、
被覆材料に通気性がほとんどなく、高温多湿時に有害微
生物の増殖が多発し、また、プラスチックフィルムは土
中あるいは表面で分解されにくく、農作物収穫後に畑か
ら撤去するなどの手間が掛るなどの難点を持つ。そこ
で、最近となり、被覆材料に紙を用いたマルチング栽培
法について報告されている。
【0003】先に本発明者等は、特開平8ー15450
1号において、収穫終了後は有機肥料となり、除去を必
要としない生分解性のマルチング紙として、伸長度が5
%以上のフルートまたはエンボス加工した波形紙に、で
んぷんを1〜15重量%含有させたものを提案してい
る。また、特願平7ー201894号においては、米坪
量50〜150g/m2、サイズ度80〜120秒、透
気度30〜120秒、密度0.3〜0.8cm3、裂断
長(縦方向)2.8〜5.6km、光透過率0〜5%の
フルート加工またはエンボス加工もしくは捲縮加工によ
り5%以上の伸長性を付与させた紙を基材とし、これに
でんぷんを1〜15重量%含有させたことを特徴とする
有孔マルチング紙を提案している。
【0004】また、特開昭50ー129340号では、
メラミン樹脂をパルプに対し0.5重量%内添して抄紙
した紙を160〜220℃の温度範囲で熱処理すること
を特徴とする農業用紙の製造法について開示されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらマルチング紙の
繊維成分は、セルロース、ヘミセルロースが主で、若干
量のリグニンを含有する。しかし、このセルロース、ヘ
ミセルロースの基本分子構造は、糖質および変性の糖質
系高分子物質であり、紙はセルロース分解バクテリアな
どの土壌菌により腐朽しやすい。特に、土中での微生物
増殖環境が整った条件下、すなわち、地温が高く、水分
の多い土壌では、紙の主成分であるセルロースおよびヘ
ミセルロースは土中で急速に腐朽する。たしかにこの性
質は、農作物収穫後においては、撤去の必要がなく腐食
分解可能で好都合であるが、農作物の成育中に腐敗が起
こることになればマルチング紙としての役目を果たせな
い。一方、地表の畝被覆部分が受ける屋外暴露による風
化や水解の速さは緩慢で、地表と土中の境界線である地
際、すなわち紙の土中の崩壊部分と地表の残留部分との
稜線では、崩壊速さの格差による裂け目が発生する。こ
のように、地際崩壊は畝に対して平行に片側および両側
で発生し、土盛りによる押さえ土の支えを失ったマルチ
ング紙に風が流入すると、最悪の場合マルチング紙が風
で飛散し、マルチング紙本来の目的を達し得ない。
【0006】また、以上の欠点を解消するため、特開昭
50ー129340号はメラミン樹脂を内添して抄紙し
たものであるが、メラミン樹脂製造時に不可欠であるホ
ルムアルデヒドは、現在劇物に指定され、樹脂製造段階
または抄紙段階での残留ホルムアルデヒドの有毒性が問
題となっており、さらにいえば、マルチング紙として使
用した場合、農作物に影響を与える可能性がある。
【0007】そこで本発明は、上記従来の発明の欠点を
解決し、畑作用に適した、通気性に富み、高温多湿時に
多発する有害微生物の増殖が抑制できるとともに、特に
地温が高く水分の多い、微生物の増殖環境が整った土壌
の条件下でも、地際及びその周辺のマルチング紙の腐朽
期間を調節かつ延命し、農作物成育に必要な被覆期間を
確保し、かつ農作物収穫後は撤去の必要がない生分解性
のマルチング紙を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記先願発明
のマルチング紙を基本的には利用して、このマルチング
紙に、ポリアミドーエピクロロヒドリン樹脂、あるいは
ポリアクリルアミド等の紙用合成ポリマーを所定量内
添、塗工、あるいは含浸することにより、従来のマルチ
ングフィルムおよびマルチング紙における数々の欠点を
克服できることを見出したものである。すなわち上記目
的を達成するため、本発明は、米坪量50〜150g/
、サイズ度80〜120秒、透気度30〜120
秒、密度0.3〜0.8cm、裂断長(縦方向)2.
8〜5.6km、光透過率0〜5%のフルート加工また
はエンボス加工もしくは捲縮加工により5%以上の伸長
性を付与させた紙を基材とし、これにでんぷんを1〜1
5重量%、ポリマーを0.1〜3.5重量%含有させた
ことを特徴とするルチング紙である。基材は、段ボー
ル用中芯原紙、クラフト紙、クラフト伸長紙のいずれか
から選ばれた原紙であり、でんぷん及びポリマーは、基
材を構成する紙層または紙表面に添加または塗工処理さ
れていることを特徴とするマルチング紙である。ポリマ
ーは、ポリアミドーエピクロロヒドリン樹脂、尿素ーホ
ルムアルデヒド樹脂、メラミンーホルムアルデヒド樹
脂、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコールから選
ばれた1種または2種以上であることを特徴とするマル
チング紙である。このポリマーの種類は、これらに限定
されるものではなく、生物化学的に影響を受けにくい紙
用合成ポリマーから選ばれる。また、基材を構成する紙
に、植え付け孔が形成されていると共にその植え付け孔
の開孔割合は、畝幅を基準とした敷設面積に対して0.
5%以上である。
【0009】なお、ポリマーの必要量は、農作物の必要
被覆期間、作付地の地温および土壌水分によっても異な
り、ポリマーを0.1重量%以下含有した場合は、腐朽
抑止効果はポリマー無含有マルチング紙とほぼ変らず、
多くの畑作農作物の所定の被覆期間を全うできない場合
が多く、3.5重量%以上含有させた場合は、使用後の
腐朽速度が遅く、特に北海道のような地温が比較的低温
な耕作地の場合は、作付時点で腐朽不完全な部分が残留
することとなり好ましくない。
【0010】
【作用】上述したように、マルチング紙の基本成分はセ
ルロースおよびヘミセルロースであり、土中ではセルロ
ース分解バクテリア等の土壌菌により影響を受け腐朽す
る。しかし、このマルチング紙に生物化学的に影響を受
けにくい紙用合成ポリマーを抄紙段階で内添、塗工、含
浸あるいは紙加工段階で塗工、含浸したことにより、マ
ルチング紙の地際の崩壊を遅延させることが可能となっ
た。また、このマルチング紙の腐朽期間は紙中のポリマ
ーの種類とその含有量により変化し、このことから、各
農作物の成育に必要な被覆期間、作付地の地温および土
壌水分を考慮の上、ポリマーの種類や含有量を調節し、
マルチング紙の腐朽期間を選ぶことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】基材は、米坪量50〜150g/
2、サイズ度80〜120秒、透気度30〜120
秒、密度0.3〜0.8cm3、裂断長(縦方向)2.
8〜5.6km、光透過率0〜5%のフルート加工また
はエンボス加工もしくは捲縮加工により5%以上の伸長
性を付与させた紙であり、段ボール用中芯原紙、クラフ
ト紙、クラフト伸長紙のいずれかから選ばれた原紙を用
いているが、段ボール故紙を使用したものが強度やコス
ト等の諸条件で有利である。また、上記基材の抄造工程
において、とうもろこし、馬鈴薯、タピオカ等より精製
したでんぷんを水に分散させた溶液として1〜15重量
%の範囲で紙層中に含有または表面に塗布させたものを
用いる。
【0012】本発明のマルチング紙は、上記基材にポリ
マーを0.1〜3.5重量%含有させたものである。ポ
リマーは、ポリアミドーエピクロロヒドリン樹脂、尿素
ーホルムアルデヒド樹脂、メラミンーホルムアルデヒド
樹脂、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコールから
選ばれた1種または2種以上とし、このポリマーの種類
は、これらに限定されるものではなく、生物化学的に影
響を受けにくい紙用合成ポリマーから選ばれる。ポリマ
ーの添加方法は、抄紙段階で内添、含浸、塗工する、あ
るいは紙加工段階で含浸、塗工する等、任意である。ま
た、ポリマーの種類や含有量は、各農作物の成育に必要
なマルチング紙の被覆期間、作付地の地温および土壌水
分を考慮の上調節され、腐朽期間を選ぶことができる。
【0013】マルチング紙は無孔のみならず有孔のもの
でもよく、有孔のマルチング紙に形成させる植え付け孔
の形状は通常円形で、植え付ける農作物の種類により、
条数、条間、株間、孔配列が変化する。植え付け孔の開
孔率は畝幅を基準とした敷設面積に対して開孔割合が
0.5%以上とするのがよく、孔径は、通常の配列で最
小でも50mmとするのがよい。
【0014】
【実施例1】上記基材の抄紙段階でポリマーを内添して
本発明のマルチング紙を得ることができる。段ボール故
紙を原料に、でんぷんを10重量%内添し、米坪量80
g/m2、フリーネスF=350ml、サイズ度80秒
に長網・多筒式抄紙機により抄紙する。ポリマーは、ポ
リアミドーエピクロロヒドリン樹脂(日本PMC(株)
製、WS・570V)の30%(固形分濃度)液を30
倍に希釈した1.0%(固形分濃度)液を用い、対紙添
加率0%(無添加)、0.3%、0.5%の3水準で、
マシンチェストにおいて定量ポンプにて添加する。な
お、他のポリマーについても同様に内添できる。
【0015】
【実施例2】さらに、上記基材の抄紙段階でポリマーを
塗工することにより本発明のマルチング紙を得ることも
できる。段ボール故紙を原料に、でんぷんを10重量%
内添し、米坪量80g/m2、フリーネスF=350m
l、サイズ度80秒に短網丸網コンビネーションマシン
により抄紙する。ポリマー塗工液は、ポリアミドーエピ
クロロヒドリン樹脂(日本PMC(株)製、WS・57
0V)4固形重量%、水96重量%に調整し、表面は1
0g液/m2をチャンピオンコーターで、裏面は10g
液/m2をキャレンダー水ドクターで塗工し(両面合計
20g液/m2)、対紙固形塗工率を1.0%(0.8
g固形/m2)とする。なお、他のポリマーについても
同様に塗工できる。
【0016】
【試験例1】試験例1として、本発明のマルチング紙に
おいてポリマーの種類と地際での腐朽期間の相関関係を
調べる試験を行った。以下に、ポリマーの種類、試験方
法、試験結果を示す。なお、この試験に用いたマルチン
グ紙の原紙は、全て同一のものであり、段ボール故紙を
原料とし、でんぷんを10重量%内添し、手抄により作
製されたものである。手抄条件は、坪量80g/m2
フリーネスF=350ml、サイズ度80秒であり、各
ポリマーは対紙1%(固形分添加率)で塗工処理したも
のである。また、比較参考として、ポリマーを塗工処理
しない原紙そのままの無処理品についても試験を行っ
た。
【0017】[ポリマーの種類] 1.ポリアミドーエピクロロヒドリン樹脂 2.尿素ーホルムアルデヒド樹脂 3.メラミンーホルムアルデヒド樹脂 4.ポリアクリルアミド アニオン性:カルボキシル基
含有量6〜12mol% 5.ポリアクリルアミド カチオン性:Hofmann
変性率10〜40mol%安定化剤含有率5〜10mo
l%(安定化剤:コリンクロライドN,Nージメチルプ
ロピレンジアミン) 6.ポリアクリルアミド 両性:Mannich変性率
10〜60mol%カルボキシル基含有量5〜10mo
l% 7.ポリアクリルアミド 共重合型:アニオンモノマー
導入率5〜15mol%カチオンモノマー導入率5〜1
5mol% 8.ポリビニルアルコール
【0018】[試験方法]土壌温度30℃、土壌水分4
5%の恒温・恒湿槽内に、土と水とを所定量採取したビ
ーカーを設置し、その土中に各マルチング紙の半分を垂
直な状態で埋め込み、残りの半分は空気に触れるように
する。土壌水分を一定に保ちながら100日間観察し、
肉眼と指触により地際でのマルチング紙の崩壊の程度と
崩壊の発生日を調査する。なお、マルチング紙の崩壊の
基準は、土壌菌により繊維間のつながりが消えた湿潤し
た粉体状態とする。
【0019】[試験結果]各マルチング紙の地際崩壊発
生日を表1に示す。マルチング紙の地際崩壊を延命する
樹脂として、ポリアミドーエピクロロヒドリン樹脂が一
番良好で、次いで共重合型ポリアクリルアミドが良好で
あった。また、ポリマーが生物化学的影響を受ける程度
を知る判断基準として、ポリマー自体の生物化学的酸素
要求量の測定値がある。各ポリマーの生物化学的酸素要
求量と各マルチング紙の地際崩壊日数の関係を図1に示
す。各ポリマーの生物化学的酸素要求量(BOD値)
と、各マルチング紙の地際崩壊日数の間には、強い逆相
関がみられた。
【0020】
【表1】
【0021】
【試験例2】試験例2として、それぞれの地温における
マルチング紙のポリマーの塗工率と地際崩壊発生日の関
係を調べる試験を実施した。以下に、試験方法、試験結
果を示す。ポリマーは、ポリアミドーエピクロロヒドリ
ン樹脂および比較として共重合型ポリアクリルアミドを
用い、それぞれポリマー塗工率(対紙固形分添加率)を
0%(無添加)、0.2%、0.3%、0.5%、1.
0%とした。なお、この試験に用いたマルチング紙の原
紙は全て同一のものであり、段ボール故紙を原料とし、
でんぷんを10重量%内添し、手抄により作製されたも
のである。手抄条件は、坪量80g/m2、フリーネス
F=350ml、サイズ度80秒である。
【0022】[試験方法]土壌温度30℃、25℃、2
0℃、土壌水分45%の各恒温・恒湿槽内に、土と水と
を所定量採取したビーカーを設置し、その土中に各マル
チング紙の半分を垂直な状態で埋め込み、残りの半分は
空気に触れるようにする。土壌水分を一定に保ちながら
120日間観察し、肉眼と指触により地際でのマルチン
グ紙の崩壊の程度と崩壊の発生日を調査する。なお、マ
ルチング紙の崩壊の基準は、土壌菌により繊維間のつな
がりが消えた湿潤した粉体状態とする。
【0023】[試験結果]各地温におけるマルチング紙
のポリマー塗工率と地際崩壊発生日の関係を図2に示
す。この結果、マルチング紙の腐朽期間は、紙中のポリ
マーの種類とその含有量により変化し、これらのことか
ら、各農作物の成育に必要な被覆期間、作付地の地温お
よび土壌水分を考慮の上、ポリマーの種類や含有量を調
節し、マルチング紙の腐朽期間を選ぶことができること
がわかった。
【0024】試験例1および試験例2において、ポリマ
ーの添加方法については、抄紙段階で塗工すること以外
にも、抄紙段階で内添、含浸する、あるいは紙加工段階
で含浸、塗工することによっても、各ポリマーの効果に
変化はなく、同一の結果が得られた。
【0025】
【試験例3】試験例3として、本発明実施例1のマルチ
ング紙が地際崩壊を延命することを実証するために、実
際にマルチング紙を畑に敷設し、苗を移植後、地際崩壊
の程度を観察した。以下に、農作条件、結果を示す。
【0026】[農作条件] 農作物 : 白菜 敷設長さ : 200m 平均地温 : 20℃ 土壌水分 : 35〜45% 栽培期間 : 60日間
【0027】[結果] ポリアミドーエピクロロヒドリン樹脂 0%無添加品
:敷設後22日目でマルチング紙の地際が90%以上
崩壊した。収穫日である60日後では、敷設全長200
mにわたり地際崩壊による裂け目が発生していた。風で
飛散しなかった理由は、この栽培期間、たまたま強風が
吹かなかったためと考えられる。 ポリアミドーエピクロロヒドリン樹脂 0.3%添加品
:収穫日である60日後で、マルチング紙は敷設長2
00mのうち約90%は地際崩壊していた。 ポリアミドーエピクロロヒドリン樹脂 0.5%添加品
:収穫日である60日後で、マルチング紙の敷設長2
00mの地際の崩壊は、目視では確認できなかった。地
際部の土中3〜5cm程を掘り出すと、3〜5cm以下
の土中では紙は腐朽しており、土中から地際に腐朽が進
行するまで、あと20日程の余裕があるように見受けら
れた。
【0028】
【発明の効果】上述したように、本発明は、畑作用に適
した農業用マルチング紙に関するもので、このマルチン
グ紙に生物化学的に影響を受けにくい紙用合成ポリマー
を抄紙段階で内添、塗工、含浸あるいは紙加工段階で塗
工、含浸することにより、特に地温が高く水分の多い、
微生物の増殖環境が整った土壌の条件下でも、本発明の
マルチング紙は、紙のみのマルチング紙がセルロース分
解バクテリア等の土壌菌に影響を受け腐朽するのに比
べ、地際およびその周辺の腐朽期間を調節かつ延命し、
農作物成育に必要な被覆期間を確保することができる。
さらに、このマルチング紙の腐朽期間は紙中のポリマー
の種類とその含有量により変化し、これらのことから、
各農作物の成育に必要な被覆期間、作付地の地温および
土壌水分を考慮の上、ポリマーの種類や含有量を調節
し、マルチング紙の腐朽期間を選ぶことができる。ま
た、プラスチックフィルムを被覆材料として用いる従来
のマルチング栽培法に比べ、被覆材料に通気性があり、
高温多湿時の有害微生物の増殖が抑制され、農作物収穫
後は撤去の必要がない生分解性のマルチング紙を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 各ポリマーの生物化学的酸素要求量と各マル
チング紙の地際崩壊日数の関係を示したグラフである。
【図2】 各地温におけるマルチング紙のポリマー塗工
率と地際崩壊発生日の関係を示したグラフである。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 米坪量50〜150g/m、サイズ度
    80〜120秒、透気度30〜120秒、密度0.3〜
    0.8cm、裂断長(縦方向)2.8〜5.6km、
    光透過率0〜5%のフルート加工またはエンボス加工も
    しくは捲縮加工により5%以上の伸長性を付与させた紙
    を基材とし、これにでんぷんを1〜15重量%、ポリマ
    ーを0.1〜3.5重量%含有させたことを特徴とする
    ルチング紙。
  2. 【請求項2】 基材は、段ボール用中芯原紙、クラフト
    紙、クラフト伸長紙のいずれかから選ばれた原紙である
    請求項1記載のマルチング紙。
  3. 【請求項3】 でんぷん及びポリマーは、基材を構成す
    る紙層または紙表面に添加または塗工処理されている請
    求項1記載のマルチング紙。
  4. 【請求項4】 ポリマーは、ポリアミドーエピクロロヒ
    ドリン樹脂、尿素ーホルムアルデヒド樹脂、メラミンー
    ホルムアルデヒド樹脂、ポリアクリルアミド、ポリビニ
    ルアルコールから選ばれた1種または2種以上である請
    求項1記載のマルチング紙。
  5. 【請求項5】 基材を構成する紙に、植え付け孔が形成
    されていると共に、その植え付け孔の開孔割合は、畝幅
    を基準とした敷設面積に対して0.5%以上とした、請
    求項1記載のマルチング紙。
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