JPH11187774A - 木酢含有マルチング紙とその製造方法 - Google Patents

木酢含有マルチング紙とその製造方法

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JPH11187774A
JPH11187774A JP9366211A JP36621197A JPH11187774A JP H11187774 A JPH11187774 A JP H11187774A JP 9366211 A JP9366211 A JP 9366211A JP 36621197 A JP36621197 A JP 36621197A JP H11187774 A JPH11187774 A JP H11187774A
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wood vinegar
mulching
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starch
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Sadasuke Yamashita
▲禎▼介 山下
Takenosuke Ootani
武之助 大谷
Masamitsu Tomita
正光 富田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 木酢液の流失を防いで地上、地中の病害虫に
よってもたらす疫病を防除することのできる畑作・園芸
用のマルチング資材を提供する。 【解決手段】 米坪量50〜150g/m2、サイズ度
10〜120秒、透気度120秒以下、密度 0.3〜
0.8g/cm3、裂断長 2.8〜5.6km、光透過
率0〜5%の原紙に、フルート加工またはエンボス加工
もしくは捲縮加工により5%以上の伸長性を附与させて
基材とし、この基材にでんぷん1〜15重量%,木酢液
0.1〜15.0重量%、ポリマーを0.1〜3.5
重量%含有させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、畑作・園芸用に適
した農業用マルチング紙に関するもので、特に農作物の
生育に必要な被覆期間中、安価でかつ安全で、優れた防
虫効果を保有する木酢含有マルチング紙並びにその製造
法にかかるものである。
【0002】
【従来の技術】農作物の栽培にあたって、近年、耕地
(の土壌表面)をポリエチレンや塩化ビニールで被覆す
ることで、 土壌浸食の防止、土壌水分の保持、地熱の調節、
雑草の抑制、土壌伝染性病菌の発生防止、(農作
物への)泥はね防止など、を目的としてポリフイルムマ
ルチング栽培法が広く実施されている。しかしながら、
これらプラスチックを被覆材料として用いる従来のマル
チング栽培法においては、被覆材料に通気性がほとんど
なく、高温多湿時に有害微生物の増殖が多発し、またプ
ラスチックは、土中あるいは地表面で分解されにくく、
農作物収穫後に、畑から撤去するなどの手間が掛かる、
などの難点を持つ。そこで、最近被覆材料に、紙を用い
たマルチング栽培法について提案がされてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、さきに
特開平8−154501号において、収穫終了後は有機
肥料となり、撤去を必要としない崩壊性のマルチング紙
として、伸長度が5%以上のフルート加工またはエンボ
ス加工した波形紙にでんぷんを1〜15重量%含有させ
たものを提案している。また、特開平9−28210号
では、「マルチング紙の有孔品」,特願平8−2691
31号は、「崩壊スピードの制御方法」について、また
特願平8−294631号では「両面黒着色マルチング
紙」について提案している。しかし、これらは畑作・園
芸用の害虫防除については考慮されていない。
【0004】畑作・園芸用の害虫防除薬品として、一般
的には、有機リン系またはカーバメイト系の薬剤を、畑
に散布することが多い。しかし、薬剤の連用により駆除
すべき害虫の薬剤抵抗性が増強することに加え、残留薬
品が地域の動植物に悪影響を及ぼし、ひいては環境破壊
の一因にもなり得る。また、収穫後の農作物自体から
も、残留農薬の検出が危ぶまれている。
【0005】本発明は木酢液を主成分とする処理液を用
いて、紙に塗工または含浸などにより含有させて製造さ
れた木酢含有マルチング紙(以下これを木酢紙という)
に関し、とりわけ木酢液が保有する防虫の効能を効果的
に活用しうる農業用被覆資材の中でも、畑作園芸用のマ
ルチ資材に係る。木酢液の多くは、広葉樹材または針葉
樹材を熱分解して得られた粗木酢液を蒸留精製して製造
されるもので、植物の活性化や害虫防除のために、これ
を通常100〜500倍に希釈して葉面散布または土壌
散布し、或いは乾燥し粉末としても使用されている。木
酢液は、植物活性化、害虫防除用のほか、食品添加物と
しての利用が認可され、薫液と称されて食品加工にも使
用される。すなわち、魚畜肉の脱臭・防腐・鮮度保持・
ビタミンAなどの酸化防止、更に防虫に効果がある。例
えば、食品加工用として利用する場合、魚肉ハム,ソー
セージでは、肉類に木酢液を混合し、ケーシング充填後
ボイル殺菌し、製品とする。従って、本発明の木酢紙は
薫製紙と考えて良く、食品加工と同様に防虫効果はもと
より、防腐・抗菌の効果も併せ持つ。
【0006】発明を実施するに当たり、木酢液とプラス
チックフイルムマルチ(以下ポリマルチという)の使用
の現状と問題点を述べると、木酢液を直接、畑土壌に
(間欠)散布した場合、降雨などの気象上のタイミング
のズレによる流失とか、土壌深部浸透などその有効能を
発現できない場合もあった。また、木酢液を、土壌を被
覆したポリマルチに散布した場合、ポリマルチの素材自
体がポリエチレンなどの石油化学製品であるから撥液
(蒸散)し、素材にほとんど吸液されないまま流失し、
畝面に留まることができなかった。特に斜面での耕地で
は、この傾向が顕著であった。
【0007】しかし、木酢紙でマルチングするときは、
木酢紙自体が、表面被覆資材であることから、畝に露出
し、地上の病害虫に対し防除効果が高く、地中の病害虫
に対しても、木酢紙の植物繊維中から有効成分が徐々に
滲み出すことで、有効持続時間を延長確保でき、害虫の
もたらす疫病を著しく防除することが可能になった。よ
って本発明の目的は、畑作・園芸用圃場にマルチングし
たとき、病害虫の防除効果が高く、地中の病害虫に対し
ても木酢紙の植物繊維中から有効成分が徐々に滲み出す
ことで、有効持続時間を長期間確保でき、害虫のもたら
す疫病の発生を防ぐことのできるマルチング紙を提供す
ることにある。
【0008】
【問題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明では、原紙に、フルート加工または
エンボス加工もしくは捲縮加工により5%以上の伸長性
を附与させて基材とし、該基材にでんぷん1〜15%,
木酢液 0.1〜15.0重量%、ポリマーを0.1〜
3.5 重量%含有させてマルチング紙としたものであ
る。
【0009】請求項2の発明は、基材が、段ボール用中
芯、クラフト紙、クラフト伸長紙のいずれかから選ばれ
たものであること、請求項3の発明は、でんぷん、ポリ
マー及び木酢液が、基材を構成する紙層中または紙表面
に添加または塗工処理されていること、請求項4の発明
では、木酢液は、広葉樹または針葉樹を原材料として製
造され、その原液は有機酸量が(酢酸換算)0.5%以
上であることを特徴とすること、また請求項5の発明で
は、ポリマーが、ポリアミド−エピクロルヒドリン樹
脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムア
ルデヒド樹脂、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコ
ールから選ばれた1種または2種以上であることを特徴
とするものである。
【0010】なお請求項6の発明は、米坪量50〜15
0g/m2、サイズ度10〜120秒、透気度120秒
以下、密度0.3〜0.8g/cm3、裂断長2.8〜
5.6km、光透過率0〜5%の原紙に、フルート加工
またはエンボス加工もしくは捲縮加工により5%以上の
伸長性を附与させて基材とし;該基材に、でんぷん1〜
15%,木酢液0.1〜15.0重量%、ポリマー0.
1〜3.5重量%を含有させた処理液を用い、塗工また
は処理液に含浸させることにより木酢含有マルチング紙
を製造する方法を規定するものである。
【0011】
【作用】畑作・園芸用圃場にマルチングしたとき、病害
虫の防除効果が高く、地中の病害虫に対しても、木酢紙
の植物繊維中から有効成分が徐々に滲み出すことで、有
効持続時間を長期間に亘り確保でき、害虫のもたらす疫
病の発生を防ぐことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、原紙に、フルート加工
またはエンボス加工もしくは捲縮加工により5%以上の
伸長性を附与させて基材とし、この基材にでんぷん1〜
15%(好ましくは0.5〜10重量%)、木酢液0.
1〜15.0重量%(好ましくは0.5〜10.0重量
%)、ポリマーを0.1〜3.5重量%(好ましくは
0.1〜3.0 重量%)含有させた処理液を塗工 また
は処理液に含浸させるてマルチング紙とする。マルチ敷
設後、苗の生育所要期間である30〜60日間被覆する
必要があるが、原紙の伸度が5%以下であると降雨・炎
天の自然条件下で、紙水分の変動に伴い伸縮による破断
現象が発生しやすい。破断箇所より風などが流入し被覆
不能状態になる。これに対し本発明では原紙の伸度を5
%以上としたので、降雨あるいは炎天の自然環境下で、
マルチング紙が湿潤・乾燥を反復しても、伸縮による破
断現象が防止できる。
【0013】既存の畑作用マルチング紙は、そのほとん
どが輸入品であり、国産品では水耕用原紙の転用により
まかなわれている。そして輸入品がその原木の種類及び
パルプ化法が針葉樹のクラフトパルプ系で、米坪量が
50g/m2 以上では長繊維に起因して、土中での腐朽
のスピードが遅く、休耕後の作付け時点でパルプ繊維の
腐朽が不完全であることが多く、撤去作業が必要であっ
た。特に北海道のように、地温が比較的低温である場合
にはその傾向が顕著であった。しかし、本発明による1
〜15重量%のでんぷん含有紙は、敷設期間中は紙力剤
として働き、土中ではでんぷん自体が糖類であることか
ら、微生物の栄養源となる。従って収穫後、クラフトパ
ルプを原料とした長繊維でも、土中の腐朽スピードを増
速させ、農機ロータリーで、使用済みマルチング紙と土
とを混合させた場合、所定の休耕期間中に腐朽を完結さ
せることができる。北海道のような低温地域で、クラフ
トパルプでも、でんぷんを10%含有させたとき、腐朽
のスピードが2倍に増速され、低温地域での腐朽が完結
し、クラフト紙の使用が可能となった。
【0014】マルチング紙の繊維成分は、セルロース、
ヘミセルロースが主で、若干量のリグニンを含有する。
しかし、このセルロース、ヘミセルロースの基本的分子
構造は、糖質及び変性の糖質系の高分子物質であり、紙
はセルロール分解バクテリアなどの土壌菌による作用に
より腐朽しやすい立場にある。特に土中では、微生物増
殖環境の整った条件下、すなわち地温が高く水分の多い
土壌では、紙の主成分であるセルロース等は土中で腐朽
する。確かにこの性質は、農作物の収穫後においては、
撤去の必要がなく、腐朽分解可能で好都合であるが、土
中で農作物の生育期間中に腐朽が発生すれば、マルチの
役目を果たせない。一方、地表の畝被覆部分が受ける屋
外暴露による風化・水解のスピードは(土中と比較し
て)緩慢である。従って地表と土中の境界線である地際
では、(すなわち紙の土中の崩壊不部分と地表の残留部
分との稜線)崩壊スピードの較差による裂け目が発生
し、土盛りによる押さえ土の支えを失ったマルチング紙
に、風が流入すると、最悪の場合マルチング紙が風で飛
散し、マルチング紙本来の目的を達しない。
【0015】この問題は、マルチング紙にポリアミド−
エピクロルヒドリン樹脂、ポリビニルアルコール等の紙
用合成ポリマーの所定量を、内添または塗工あるいは含
浸することにより解決できる。すなわち、紙用合成ポリ
マーの生物・化学的に影響を受けにくい性質を利用した
もので、ポリマーの必要量は、農作物の必要被覆期間、
作付地温、及び土壌水分によっても異なる。ポリマーの
0.1%以下での腐朽抑止効果は、ポリマー無含有紙と
大差なく、3.5%以上含有させた場合は、紙自体の腐
朽速度が遅くなり、特に北海道のような地温が比較的低
い地域での耕地では、作付時点で腐朽不完全な部分が残
留することとなり、好ましくない。また、紙が硬くもろ
くなり、フルート・エンボス加工の時点でクラック等が
入り、加工適正が不良となる場合がある。
【0016】なお、本発明の木酢紙は木酢液を0.1〜
15.0重量%含有していることにより、木酢液自体の
保有する病害虫に忌避効果をほぼ完璧な形で発現でき
る。すなわち、木質繊維中に木酢液を吸収・貯留でき、
かつスターチ含有量による速効・遅効の制御も可能にな
った。病害虫に対する忌避効果の要求の程度は、農作物
の種類(味覚で甘いとか酸っぱいとか)、又は地域的特
徴に由来した病害虫の種類と生態(例えば集団行動す
る)で異なり、その必要木酢量は変化する。木酢液0.
1%含有では、忌避効果は無含有紙と大差なく、15%
以上含有では、(忌避効果は有効で問題はないが)紙自
体が酸性になる。すなわち、製造から末端ユーザーが使
用するまでの期間の総和が3年以上になれば、酸性紙に
共通する強度劣化の問題を生ずる。紙強度が劣化する
と、マルチャー(敷設機械)で敷設作業を実施すると
き。マルチング紙自体の強度が劣化して破け等を起こし
やすく、農業作業性が不良となるので、これを考慮して
15%を上限とした。
【0017】また、原紙としては、米坪量50〜150
g/m2、サイズ度10〜120秒、透気度120秒以
下、密度 0.3〜0.8g/cm3、裂断長 2.8〜
5.6km、光透過率0〜5%のものが好ましい。
【0018】原紙の坪量は、50〜150g/m2とす
るのを可とする。50g/m2以下では畑作園芸の場合
では地際崩壊をもたらす。さらに高分子薬品で崩壊スピ
ードをカバーしても、樹脂が3.5%以上必要になり、
樹脂含有による副作用が発現する。すなわち樹脂を増量
すると紙自体硬く脆くなる。「硬く脆くなる」というこ
とは、フルート加工、あるいはエンボス加工等の加工作
業に問題が発生し、紙にクラック、割れ等が入る場合が
ある。
【0019】原紙のサイズ度は10〜120秒とするの
が好ましい。10秒以下では吸い取り紙と同程度で、畑
作用の厳しい自然環境下では破断とか崩壊とかの繰り返
しが頻繁となり、長期間の被覆を全うできない。120
秒以上では、紙でケースを作り中に水を満たすと通常な
らば、紙の厚さ方向を通過して水が流失するが、牛乳パ
ックのように、通過しない状態のサイズ度である。この
ことは実用上、畑では、雨水が紙に遮断され、土中に吸
収されないといえる。さらに紙上の雨水は、経日により
水自体が腐敗し、これが原因で農作物に対し病気等の悪
影響をもたらす可能性がある。
【0020】透気度は120秒以下が好ましい。従来の
ポリマルチでは、素材が高分子物質であるため、畝を被
覆した場合、畑の土とポリマルチの間は太陽光の受熱に
より、高温多湿になり、有害微生物(例えば軟腐病)の
増殖が盛んになる。従って紙に適度の通気性を持たせる
ことは、農作物の罹患の問題から必要不可欠の要素であ
り、これを考慮して通気抵抗値を120秒以下とした。
【0021】因みに、原紙密度は0.3〜0.8g/c
3、裂断長は 2.8〜5.6kmである。これは通常
の紙または板紙と同様に製造できることを意味する。ま
た光透過率は0〜5%の範囲とする。ポリ製品である
(従来のいわゆるシルバーマルチとか白黒マルチとよば
れている)従来製品はおおむね5%の透過率である。そ
れに対して、紙自体は光を通過しにくく、米坪50g/
2で5%、100g/m2で1%未満である。光が通過
するということは、マルチ本来の目的の1つである雑草
の防除に影響し、光が通過するほど(透過率が高いほ
ど)、雑草の発生が多くなる。
【0022】基材は、段ボール用中芯、クラフト紙、ク
ラフト伸長紙のいずれかから選ばれたものである。でん
ぷん、ポリマー及び木酢液が、基材を構成する紙層中ま
たは紙表面に添加または塗工処理されている。木酢液
は、広葉樹または針葉樹を原材料として製造され、その
原液は有機酸量が(酢酸換算)0.5%以上のものが使
用される。
【0023】ポリマーは、ポリアミド−エピクロルヒド
リン樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホ
ルムアルデヒド樹脂、ポリアクリルアミド、ポリビニル
アルコールから選ばれた1種または2種以上である。
【0024】a)本マルチング紙は、素材が植物繊維で
構成されているため、繊維中に木酢液を吸収・貯留する
ことができる。一般的に紙は、米坪量と同量の水分を吸
収することができる。本マルチング紙も、米坪量100
g/m2に対し、水分100g/m2を吸収できるが実用
面では、(特別な農作物または害虫地域を除き)米坪量
100g/m2に対し、通常は3g/m2(3%)程度で
充分である。 b)防虫効果の速効、遅効のコントロールレタス,ハク
サイ,キャベツなど多くの野菜では、幼苗から収穫まで
の生育期間中(木酢紙からの)一定した防虫効果が期待
されている。しかし、地域によっては、防虫効果の速
効、あるいは遅効の要求もあり、その場合はスターチの
含有量によって制御可能である。
【0025】
【実施例】(実施例1)塗工による木酢紙・原紙の製造
方法を示す。 a 抄紙機・・・短網・丸網コンビネーション b 抄造条件 イ 米坪量・・・100g/m2 ロ 原 料・・・段ボール古紙 ハ スターチ・・塗工分 1% 内添分 2% ニ ポリマー・・ポリアミド−エピクロヒドリン 内添0%、0.3%、0.5%の3水準 商品名・・・WS・570V(日本PMC製) ホ 木酢液・・・(北海道 下川町森林組合製) ヘ 塗工方法 コーター名称;チャンピオンバーコーター コート液の調整 表1 参照 塗工液量;30ml液/m2 木酢(原液)塗工量;3g・原液/m2
【0026】塗工液組成を下表に示す。
【表1】 成 分 配合割合 重量% 木酢原液 10.0 スターチ 3.3 水 86.7
【0027】(実施例2)スプレーによる木酢紙・原紙
の製造方法を示す。 a 抄紙機・・・長網・フォドリニアー・オントップマシン b 抄造条件 イ 米坪量・・・80g/m2 ロ 原 料・・・クラフトパルプ ハ スターチ・・内添 0%、5%、10%の3水準 ニ ポリアミド−エピクロヒドリン;内添0.5%(一定) 商品名・・・WS・570V(日本PMC製) ホ 木酢液・・・(北海道 下川町森林組合製) ヘ スプレー方法 スプレー場所:ドライヤー入り口(湿紙、4#プレス出口) スプレーガン形式;1/8TT、(株)スプレーイングシステム スプレー液の調整 表2 参照 スプレー液量;15ml/m2 木酢(原液)塗工量;3g・原液/m2
【0028】木酢塗工液組成を下表に示す。
【表2】 成 分 配合割合 重量% 木酢原液 20 水 80
【0029】原紙製造実施例1,2ともに、伸張率の付
与はF段・段成型機(株式会社丹羽鉄工所製)にて加工
し、伸張率8%のマルチング紙を、実施例1(段古紙原
料、樹脂量変更のうえ3水準)と、実施例2(クラフト
パルプ使用、スターチ量変更のうえ3水準)とで合計6
サンプルを得た。
【0030】次に実施例1の農作条件とその結果(地際
崩壊関係)について述べる。 (農作条件) 農作物: 大根 敷設長: 100m 平均地温: 20℃ 土壌水分: 35〜50% 栽培期間: 60日間 (結果) 0% (樹脂無添加) 敷設後20日目でマルチング紙の地際が90%以上崩壊
した。 0.3%添加品 収穫日である60日後で地際が90%崩壊した。 0.5%添加品 収穫日である60日後で地際の崩壊は目視では確認でき
なかかった。地際部の土中3〜5cmを掘り出すと、3
〜5cm以下の土中では、紙は腐朽しており、土中から
地際に腐朽が進行するまで、あと15日程の余裕がある
ようにみえた。
【0031】次に、実施例2の農作条件とその結果(ク
ラフト紙の越冬残留分)について述べる。 (農作条件) 農作物: 白菜 敷設長: 100m 栽培期間:60日間であるが、冬期越冬後(5ヶ月後)
のクラフト紙の状態の観察 場 所: 北海道 比布町 (結果)10%(スターチ)添加品:このものは、冬期
越冬後(5ヶ月後)、完全に腐朽し、繊維の形状を発見
できず、土に還元された状態であった。 5%添加品:このものも同様に腐朽したが、腐朽の程度
は97%程度であった。従って3%程残留したが、作付
する時点で今一度ロータリ処理があるので、実用上問題
がない。 0%(無添加品):このものは、腐朽の不完全部分が散
在し、あるいは土中にも散在した。従って作付時点で悪
影響を及ぼすものと考えられた。
【0032】次に、実施例1の製造方法によって得た木
酢含有マルチング紙の試験例1、2及び実験例1、2に
ついて説明する。 (試験例1):マルチング紙から木酢液の流失制御。 方 法:室温25℃,湿度95℃の恒温・恒湿槽内
で、畝を想定して木酢紙を敷き、降水量50mm/旬と
して、毎日所定量、間欠的に水を散布した。この水を収
集し、木酢中の有機酸(酢酸換算)を計測することよ
り、紙からの流失量を調べた。調査日数は、農作物の生
育期間を考え100日間。 木酢紙 米 坪 量; 100g/m2 木酢含有量; 3.0% スターチ含有量; 1%,3%,6%の3水準 結 果:木酢液の流失率の経日変化を図1に示す。
これより明らかなように、木酢紙中の流失率の経日変化
は、スターチの量をコントロールすることで可能となっ
た。
【0033】害虫は、地上にも、畝を形成する地中にも
存在するため、地域的土壌の特徴による薬液要求量に応
じ、流失量をコントロールしている。地域的特徴とは、
例・・雨量が多い、害虫が多い。結局、木酢液を単独に
使用しても、また、従来品のポリ製マルチを併用して
も、薬液の貯留と経日・流失の制御は困難である。従っ
て、紙の素材の特徴が、木酢液と相俟って防虫効果がよ
り一層発現したと考えて良い。
【0034】試験例(2):木酢紙の防虫効果試験。 方 法:木酢紙とその他資材に対するアブラムシの忌
避テストを実施した。地表面に供試資材4m2 敷き詰
め、その中央に誘因色である淡黄色の水盤(50cm
φ)を配置した。10日間、毎日その中に飛び込むアブ
ラムシの数を計測した。 木酢紙・・・木酢含有量・
・・・・3% スターチ含有量・・・3% 結 果:テスト結果を表3に示す、木酢紙のアブラム
シの忌避効果は、ポリ品のシルバー色よりも優れてい
た。
【0035】
【表3】 マルチの種類 飛び込んだアブラムシの数 標準(無マルチ) 772 マルチング紙 43 (木酢液なし) 木酢紙 7 ポリ品 シルバー 13 ポリ品 透明 40
【0036】(実験例1):木酢紙によるダイコンの栽
培 方 法: 木酢紙と、シルバーマルチに対するアブラ
ムシの忌避効果を実際のほ場(畑)でテストした。併せ
て、ウイルスによる発病株数も含めて、調査した。 イ.マルチの種類 a)標準(無マルチ) b)木酢紙 木酢含有量・・3% スターチ〃・・3% c)シルバーマルチ ロ.栽培期間 平成9年8月2日 〜 平成9年10月2日 ハ.農作物 秋ダイコン 結 果 イ.アブラムシの寄生数と、ウイスル病の発病率につい
てのグラフを図2に示す。 ロ.秋ダイコンを木酢紙とシルバーマルチで栽培する
と、播種後30日間はほとんど完全にアブラムシを防除
することができた。 ハ.30日を過ぎると、ダイコンの生長が急速に進み、
葉が繁るため、忌避効果は両者ともに減退する。 ニ.無マルチ栽培では、播種後20日頃より発病し収穫
時には、70%が罹患した。これに対し木酢紙栽培で
は、播種後40〜50日間は発病は少なく収穫期になっ
ても、10%程度に留まった。また、発病時期が遅れて
いたため、実害はほとんど無く、シルバーマルチよりも
発病・防止成績は良かった。
【0037】
【発明の効果】上記のように、本発明は、紙に木酢液を
主成分とする処理液を塗工または含浸して木酢含有マル
チング紙としたものであるから、畑作・園芸用圃場にマ
ルチングしたときに、木酢紙の植物繊維中から有効成分
が徐々に滲み出すことで、有効持続時間を延長し、害虫
のもたらす疫病を防除することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明木酢含有マルチング紙における木酢液流
失率と経日変化の関係を示すグラフである。
【図2】木酢含有マルチング紙とウィルス・発病率との
関係を示すグラフである。
【図3】図2の木酢紙含有マルチング紙と害生虫数との
関係を示すグラフである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原紙に、フルート加工またはエンボス加
    工もしくは捲縮加工により5%以上の伸長性を附与させ
    て基材とし、該基材にでんぷん1〜15%,木酢液
    0.1〜15.0重量%、ポリマーを0.1〜3.5
    重量%含有させたことを特徴とするマルチング紙。
  2. 【請求項2】 基材は、段ボール用中芯、クラフト紙、
    クラフト伸長紙のいずれかから選ばれたものである請求
    項1に記載のマルチング紙。
  3. 【請求項3】 でんぷん、ポリマー及び木酢液は、基材
    を構成する紙層中または紙表面に添加または塗工処理さ
    れている請求項1に記載のマルチング紙。
  4. 【請求項4】 木酢液は、広葉樹または針葉樹を原材料
    として製造され、その原液は有機酸量が(酢酸換算)
    0.5%以上である請求項1に記載のマルチング紙。
  5. 【請求項5】 ポリマーは、ポリアミド−エピクロルヒ
    ドリン樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−
    ホルムアルデヒド樹脂、ポリアクリルアミド、ポリビニ
    ルアルコールから選ばれた1種または2種以上である請
    求項1に記載のマルチング紙。
  6. 【請求項6】 米坪量50〜150g/m2、サイズ度
    10〜120秒、透気度120秒以下、密度0.3〜
    0.8g/cm3、裂断長2.8〜5.6km、光透過
    率0〜5%の原紙に、フルート加工またはエンボス加工
    もしくは捲縮加工により5%以上の伸長性を附与させて
    基材とし;該基材に、でんぷん1〜15重量%,木酢液
    0.1〜15.0重量%、ポリマー0.1〜3.5重量
    %を含有させた処理液を用い、塗工または処理液に含浸
    させることを特徴とする木酢含有マルチング紙の製造方
    法。
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