JP2000270662A - 作業車等の車体水平制御装置 - Google Patents

作業車等の車体水平制御装置

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JP2000270662A
JP2000270662A JP11080112A JP8011299A JP2000270662A JP 2000270662 A JP2000270662 A JP 2000270662A JP 11080112 A JP11080112 A JP 11080112A JP 8011299 A JP8011299 A JP 8011299A JP 2000270662 A JP2000270662 A JP 2000270662A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】車体の水平制御時に、制御を敏感にするためニ
ュートラル領域の幅を小さくしたときはハンチングを起
こし、逆に領域の幅を大きくしたときは土壌面の緩やか
なうねりによる周期の長い揺れが起きて、作業者に不快
感を与える。 【解決手段】車体1の傾斜状態を検出する傾斜検出手段
2を有する作業車等において、この傾斜検出手段2によ
り走行土壌面における緩やかなうねりと局部的な凹凸等
による車体1の傾斜角度を検出し、この検出した傾斜信
号から土壌面の緩やかなうねりによる低周波信号Wを抽
出し、この低周波信号Wの振れ幅より車体1の水平制御
時におけるニュートラル領域Nの幅を小さく設定したこ
とを特徴とする車体水平制御装置の構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、作業車等の車体
水平制御装置に関し、走行土壌面における車体の傾斜角
度を傾斜検出手段により検出し、車体を水平状態に制御
するもの等の分野に属する。
【0002】
【従来の技術、及び発明が解決しようとする課題】従
来、作業車等において土壌面を走行する際に、車体の傾
斜状態を傾斜検出手段により検出した傾斜信号は、走行
土壌面における緩やかなうねりによる傾斜成分や局部的
な凹凸等による傾斜成分が加算されており、このような
傾斜信号により車体の水平制御を行うときは、傾斜信号
の周波数が全合成波形となっているため、水平制御時に
制御感度を敏感にしようとしてニュートラル領域の幅を
小さく設定した場合は、車体が揺れによるハンチングを
起こし易くなることから、ニュートラル領域の幅を大き
く設定せざるを得ないことになる。
【0003】従って、このニュートラル領域の幅を大き
く設定したときは、傾斜検出手段によって土壌面の緩や
かなうねりによる傾斜状態を検出できないため、車体は
この緩やかなうねりによる傾斜に追従して周期の長い揺
れが起こり、作業者に不快感を与えるという難点があっ
た。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は、車体1の傾
斜状態を検出する傾斜検出手段2を有する作業車等にお
いて、この傾斜検出手段2により走行土壌面における緩
やかなうねりと局部的な凹凸等による車体1の傾斜角度
を検出し、この検出した傾斜信号から土壌面の緩やかな
うねりによる低周波信号Wを抽出し、この低周波信号W
の振れ幅より車体1の水平制御時におけるニュートラル
領域Nの幅を小さく設定したことを特徴とする車体水平
制御装置の構成とする。
【0005】
【作用】上記の構成により、作業車等において土壌面を
走行する際に、車体1に設けた傾斜検出手段2によっ
て、走行土壌面の緩やかなうねりや局部的な凹凸等によ
る車体1の傾斜角度を検出し、この検出した傾斜信号の
周波数帯を構成する多数の波長のうちから、土壌面の緩
やかなうねりによる低周波信号Wを抽出して車体1の水
平制御を行い、この制御時のニュートラル領域Nの幅よ
り大きい低周波信号Wの振れ幅部分によって制御を行う
ことにより、局部的な凹凸等による揺れと共に、緩やか
なうねりの傾斜に追従した周期の長い揺れを防止するこ
とができる。
【0006】
【発明の効果】上記作用の如く、作業車等において土壌
面を走行する際に、車体1に設けた傾斜検出手段2によ
り傾斜角度を検出するものにおいて、車体1の水平制御
を行うときのニュートラル領域Nの幅を、土壌面の緩や
かなうねりにおける傾斜角度の低周波信号Wの振り幅よ
り小さい最適の幅を設定することにより、従来の如く、
制御感度を敏感にするためにニュートラル領域Nの幅を
小さく設定して車体1がハンチングを起こしたり、この
ためニュートラル領域Nの幅を大きく設定したときは、
車体1が緩やかなうねりによる傾斜に追従して周期の長
い揺れが起きたりする不具合を防止して、走行時におけ
る緩やかなうねりや局部的な凹凸等による車体1の傾斜
状態を調整制御し、良好な乗り心地の確保により居住性
の向上を図ることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の実施例を作業
車としてのコンバインについて図面に基づき説明する。
図33はコンバインの全体構成を示すもので、走行フレ
ーム5の下部側に土壌面を走行する左右一対の走行クロ
−ラ6を有する走行装置7を配設し、該走行フレーム5
上にフィードチェン8に挟持して供給される穀稈を脱穀
し、この脱穀された穀粒を選別回収して一時貯留するグ
レンタンク9と、このタンク9の穀粒を機外に排出する
排穀オーガ10とを備えた脱穀装置11を載置構成して
いる。
【0008】該脱穀装置11の前方側に前端位置から立
毛穀稈を分草する分草体12と、分草された穀稈を引き
起こす引起部13と、引き起こされた穀稈を刈り取る刈
刃部14と、この刈り取られた穀稈を後方側へ搬送しな
がら横倒れ姿勢に変更して、該フィードチェン8へ受け
渡しする穀稈搬送部15を有する刈取装置16を、該走
行フレーム5の前端部へ懸架支持すると共に、油圧駆動
による刈取昇降シリンダ17によって土壌面に対し昇降
自在なるよう構成している。
【0009】該刈取装置16の一側にコンバインの操作
制御を行う操作装置18と、この操作のための操作席1
9とを設け、この操作席19の後方側に前記グレンタン
ク9を配置し、その下方側にエンジン20を搭載すると
共に、操作装置18と操作席19とを覆うキャビン21
を設けて構成させる。これら走行装置7,脱穀装置1
1,刈取装置16,操作装置18,エンジン20,キャ
ビン21等によってコンバインの車体1を構成してい
る。
【0010】該走行装置7は、図12,図13,図14
に示す如く、角パイプ等によって形成される略方形状の
外周フレーム5aに対し、適宜位置に複数の縦方向と横
方向の縦中フレーム5bと横中フレーム5cとを各々配
置して前記走行フレーム5を構成させる。該走行フレー
ム5の中央側に配置した左右の縦中フレ−ム5bの前側
下部に箱状で左右側に折曲させて形成した支持枠22を
設け、この左右の支持枠22に各々ローリングメタル2
3を固定すると共に、この左右のローリングメタル23
に回動可能に軸支した前部ローリング軸24の内側端部
と外側端部に、各々上部アーム25aと下部アーム25
bとを側面視く字状に分割軸止して左右の前部ローリン
グアーム25を構成させる。
【0011】該左右の前部ローリングアーム25の下部
アーム25bの下端部位置と、左右の縦中フレ−ム5b
の外側下方に各々位置する左右の転輪フレーム26の前
部側位置とを回動可能にピン26aにより連結して構成
させる。該左右の縦中フレーム5bの後側下部に各々固
定したピッチングメタル27にピッチング軸28を回動
可能に軸支し、このピッチング軸28の左右側端部に各
々左右のピッチングアーム29の一端部を軸止すると共
に、その他端部と、平面視H字状の連結アーム30の左
右側の一端部とを回動可能に各々ピン31により連結し
て構成させる。
【0012】左右の後部ローリング軸32の内端部と外
端部に、各々上部アーム33aと下部アーム33bとを
側面視く字状に分割軸止して左右の後部ローリングアー
ム33を形成すると共に、後部ローリング軸32の上部
アーム33aと下部アーム33bとの間に該連結アーム
30の左右側他端部を各々回動可能に軸支し、後部ロー
リングアーム33の下部アーム33bの下端部位置と、
該左右の転輪フレーム26の後部側位置とを回動可能に
ピン26bにより連結して構成させる。
【0013】該右のピッチングアーム29の他端部側を
上方へ延長し、この延長した上端部に対し、後側位置で
前記走行フレーム5の上側に略平行姿勢となるよう、油
圧等によって伸縮作用するピッチングシリンダ34のピ
ストン先端部をピン連結すると共に、このピッチングシ
リンダ34の固定側を横中フレ−ム5cの上側に固定し
た取付部35に回動可能にピン連結して構成させる。
【0014】前記左右の前部ローリングアーム25の上
部アーム25aの上端部と、該左右の後部ローリングア
ーム33の上部アーム33aの中間部とを各々4点平行
リンクを形成可能に左右の連結杆36によって回動可能
にピン連結すると共に、該左右の後部ローリングアーム
33の上部アーム33aを、連結杆36の連結位置より
更に上方側へ延長し、その上端部と、油圧等によって伸
縮作用する左右のローリングシリンダ37のピストンの
先端部とを各々ピン連結して構成させる。
【0015】該左右のローリングシリンダ37の固定側
と、該左右のピッチングアーム29の他端部から突出さ
せた突起部とを、帯状の保持板38により各々両側より
挾む状態で回動可能にピン29aにより連結し、該固定
側の連結部をリンク39を介して揺動可能に該横中フレ
ーム5cに各々連結して構成する。前記左右の転輪フレ
ーム26の後端上部側に、各々左右の後部転輪40を回
動可能に支持する後部転輪受40aと、この後部転輪受
40aを前後調節可能に支持する支持アーム41とを後
方に向け固着すると共に、左右の転輪フレーム26の外
側面下部側に、各々所定の間隔をおいて複数個の接地転
輪42を遊転自在に軸支して構成させる。
【0016】該左右の後部転輪40及び複数個の接地転
輪42と、該走行フレーム5の前端部に装架した走行用
ミッションケ−ス43から動力を伝達する駆動輪44と
に、前記左右の走行クローラ6を各々巻掛け張設して構
成させる。45は、補助転輪を示す。前記ピッチングシ
リンダ34の伸縮ストロークを検出する前後ストローク
センサ46を該シリンダ34の下部側に設け、このセン
サ46の作用アームとピッチングアーム29の上端部近
傍とをロット47により連結すると共に、該左右のロー
リングシリンダ37の伸縮ストロークを検出する左右ス
トロークセンサ48を該左右のシリンダ37の上部に設
け、このセンサ48の作用アームと後部ローリングアー
ム33の上端連結部とをロット49により連結して構成
させる。
【0017】車体1の前後及び左右傾斜を検出する、傾
斜検出手段2としての前後傾斜センサ2aと左右傾斜セ
ンサ2bを該走行フレーム5の適宜位置に配置すると共
に、この前後及び左右傾斜センサ2a,2bによる傾斜
状態の検出により車体1の水平制御を自動的に行わせる
前後スイッチ50及び左右スイッチ51と、車体1を前
後左右に傾斜させる手動の傾斜スイッチ52と、車体1
を昇降させる手動の車高スイッチ53とを各々前記操作
装置18の一側に配置して構成させる。
【0018】前記左右の前部及び後部ローリングアーム
25,33と、左右のローリングシリンダ37の作用に
より車体1を昇降又は左右傾斜させるローリング機構
と、前記ピッチングアーム29とピッチングシリンダ3
4の作用により、車体1を前後傾斜させるピッチング機
構との演算制御を行わせる、CPUを主体的に配したコ
ントローラ54を設けて構成させる。
【0019】図15に示す如く、該コントローラ54の
入力側に、前記前後ストロークセンサ46,左右ストロ
ークセンサ48,前後傾斜センサ2a,左右傾斜センサ
2b,前後スイッチ50,左右スイッチ51,傾斜スイ
ッチ52,車高スイッチ53等を各々接続して構成させ
る。該コントローラ54の出力側に、前記ピッチングシ
リンダ34を作動させる伸長側のピッチング電磁弁55
a及び短縮側のピッチング電磁弁55bと、左右のロー
リングシリンダ37を各々作動させる伸長側のローリン
グ電磁弁56a及び短縮側のローリング電磁弁56b
と、アンロード弁57等を各々接続して構成させる。
【0020】車体1の前後・左右の水平制御を行うとき
に、車体1がローリングを起こして左右側に傾斜すると
きは、左右スイッチ51のONと左右傾斜センサ2bに
よる傾斜の検出により、コントローラ54の制御により
左又は右のローリングシリンダ37を作動して、前部及
び後部ローリングアーム25,33と連結杆36による
平行リンク作用により左又は右の転輪フレーム26を平
行に上下動させて、走行フレーム5に対して左又は右の
走行クローラ6を昇降させることにより、相対的に車体
1を左右傾斜させて水平状態に調整することができる。
【0021】車体1がピッチングを起こして前後側に傾
斜するときは、前後スイッチ50のONと前後傾斜セン
サ2aによる傾斜の検出により、コントローラ54の制
御によりピッチングシリンダ34を作動して、ピッチン
グアーム29の上下回動作用により連結アーム30を介
して左右の後部ローリングアーム33を昇降させる。こ
の後部ローリングアーム33の昇降により、左右の転輪
フレーム26の後部側を前部ローリング軸24を支点と
して上下動させ、走行フレーム5に対して左右の走行ク
ローラ6を同時に昇降させることにより、相対的に車体
1を前後傾斜させて水平状態に調整することができる。
【0022】車体1を走行クローラ6に対して平行に昇
降させるときは、車高スイッチ53のONにより左右の
ローリングシリンダ37を同時に同量作動させ、左右の
前部及び後部ローリングアーム25,33の上下回動作
用により、左右の転輪フレーム26を平行に上下動させ
て、走行フレーム5に対し左右の走行クローラ6を同一
に昇降させることにより、相対的に車体1を平行に昇降
させることができる。
【0023】このような刈取作業における車体1のロー
リング制御時に、車体1の左右側への傾斜状態を前記左
右傾斜センサ2bによって検出し、この検出信号と傾斜
角度の関係を、図3の線図の波形に示している。この線
図に示す如く、従来では、車体1のハンチング防止のた
め傾斜角度の左右各々0.5度までの振れ幅をニュート
ラル領域nの幅として設定しているが、このニュートラ
ル領域nの幅では走行土壌面の緩やかなうねり等による
傾斜を検出できないため、車体1が緩やかなうねり等に
追従して周期の長い揺れが起こり易く、作業者に不快感
を与えるという難点があった。
【0024】この走行土壌面の緩やかなうねり等による
傾斜の周波数としては、図2の線図に示す如く、車体1
の傾斜変化のパワースペクトルによる周波数特性から、
0〜0.1Hz程度と判断される。このような周波数の
判断から、車体1の傾斜角度の変化と各周波数帯の関係
により、図1(a)の線図の如く、0.1Hz以下〜
0.5Hzの間を0.1Hz毎の周波数で示すものと、
図1(b)の線図の如く、0.5Hz〜1Hz以上の間
を0.1Hz毎の周波数で示すと共に、別に全合成波形
を全信号Xの周波数で示しているものにおいて、これら
の各周波数による傾斜信号から0.1Hz以下の周波数
としての低周波信号Wを抽出する。
【0025】この0.1Hz以下の周波数による低周波
信号Wの抽出により、この低周波信号Wの振れ幅より前
記左右傾斜センサ2bのニュートラル領域Nの幅を小さ
く設定することにより、車体1の緩やかなうねりによる
傾斜角度を検出することができるから、土壌面の緩やか
なうねりによる傾斜に追従して周期の長い揺れが起こり
易くなる不具合を防止して、走行時における良好な乗り
心地の確保と居住性の向上を図ることができる。勿論、
土壌面の局部的な凹凸等の検出も可能である。
【0026】また、図4及び図5に示す如く、車体1の
傾斜状態が走行土壌面の緩やかなうねりによるものか、
局部的な凹凸等によるものかを判定する、ローパスフィ
ルタ58a,減算回路58b,比較器58c等を設けた
判定装置58を有するものにおいて、該左右傾斜センサ
2bによって検出した傾斜信号の全信号Xと、ローパス
フィルタ58aにおいて処理された低周波信号Wとを減
算回路58bにおいて減算処理を行い、この減算処理信
号Yを比較器58cにおいて基準電圧Vとの比較処理を
行った結果Zを、演算処理部Uに送って処理を行わせ
る。
【0027】この比較処理を行った結果が大きければ局
部的な凹凸等と判定し、そうでなければ緩やかなうねり
と判定できることにより、従来では判定ができなかった
土壌面の条件による車体1の傾斜状態の判定が可能とな
る。この判定内容に応じて制御出力のONパルス数やO
N時間等の変更を行うことにより、制御出力を車体1の
傾斜状態と無関係に一定としたときの如く、緩やかなう
ねりに対応制御するためにニュートラル領域nの幅を狭
くしたときに発生するハンチングや応答遅れ等を防止し
て、精度の高い水平制御を行いうると共に、車体1の揺
れによる作業者の不快感を取り除くことができる。
【0028】また、走行時における車体1の揺れは、土
壌面の傾斜状態による揺れと車体1の慣性力によって生
じる揺れが合成されたものであり、精度の高い水平制御
を行うにはこれらを分離する必要がある。このため、車
体1の慣性力による傾斜状態が低周波であることに着目
し、前記左右傾斜センサ2bによって検出される傾斜信
号から、ローパスフィルタ58a(又は周波数分析部)
等により低周波信号Wを抽出処理し、この低周波信号W
によって、走行時の慣性力による車体1の傾斜と、土壌
面の緩やかなうねりによる周期の長い車体1の傾斜とを
精度良く検出分離することができる。
【0029】また、前記の如く、車体1の水平制御時に
その傾斜状態に応じて制御出力させるものにおいて、人
が、揺れや振動に対する適応性としては垂直方向より水
平方向の方が低く、図6の線図に示す如く、周波数が低
くなるほど耐えうる加速度が小さくなり2Hz以下では
0.2m/s2程度となる。(少なくとも水平方向で8
時間は耐え得る状態)このような状態において、前記操
作席19の近傍における水平方向の加速度を前記数値以
下となるよう、図7(a)に示す如く、従来の車体1傾
斜時における低周波信号Wの波長を、該左右傾斜センサ
2bにより検出したときの前記ローリング電磁弁56の
一定時間tの連続出力aに対し、図7(b)に示す如
く、該一定時間t内においてローリング電磁弁56を小
刻みにパルス出力bさせる。
【0030】このように、該一定時間t内においてロー
リング電磁弁56をパルス出力bさせることにより、傾
斜状態から水平状態へ復帰させる変化速度を緩やかにで
きると共に、その変化量も小さくすることができ、連続
作業で生じる船酔いのような不快感を解消することがで
きる。また、該操作席19の揺れは、車速や土壌面の凹
凸によって常に変化するが、この揺れの状態として、図
8の線図に示す如く、該左右傾斜センサ2bにより検出
した傾斜信号の出力は時間の関係において周期性を有す
るものであり、図9のフローチャートに示す如く、傾斜
信号を入力して周波数分析を行い、この分析により、図
10の線図に示す如く、周期性の強さと周波数からパワ
ースペクトルを算出し、予め設定したしきい値以上のパ
ワースペクトル値の周波数を抽出する。
【0031】この抽出した周波数から、図11の線図に
示す如く、該ローリング電磁弁56の出力時間や出力回
数等を算出し、この算出により該操作席19の揺れの周
波数に応じて出力量を変更調整できるため、揺れを増加
させる等の不具合を防止して制御を安定させることがで
きる。以上の如き、車体1の傾斜状態における水平制御
は、左右傾斜によるローリング制御に限定されるもので
はなく、前後傾斜によるピッチング制御についても同様
の制御を行うことができる。
【0032】また、該刈取装置16における穀稈の流れ
は、図16に示す如く、前記分草体12によって分草さ
れた未刈穀稈を、引起部13で引き起こして刈刃部14
で刈り取り、穀稈搬送部15の掻込搬送部15aにより
掻き込むと共に、供給搬送部15bへ引き継いで該脱穀
装置11のフィードチェン8へ受け渡し挟持させると共
に、これら搬送通路の上方側に、穀稈の流れを撮像する
画像入力装置としての電子カメラ59を撮像可能位置に
配設して構成させる。
【0033】このような刈取装置16における作業時
に、図17のフローチャートに示す如く、該電子カメラ
59により搬送穀稈を撮像した、図18に示す如き画像
60を入力し、この入力画像60の横及び縦軸の画素か
ら分析領域60a(例えば0,100−511,355
のポイント区画)を設定し、この分析領域60aの輝度
の変化を計測して周波数分析を行う。
【0034】この周波数分析により、図19に示す如
く、パワースペクトルを算出すると共に、このパワース
ペクトル分布画像61から高周波成分の情報を消去する
ため、その分布中心部の横長の画素領域部分(例えば3
9×3)をマスク処理し、このマスク処理したものを逆
周波数分析を行うことによって、図20に示す如き画像
62を再構築することができる。
【0035】この再構築画像62から得られるヒストグ
ラム等によりしきい値(例えば117)を算出し、この
しきい値によって該画像62を2値化した、図21に示
す如き2値画像63から穀稈穂部の平均長さを算出する
と共に、穂部位置(又は穂部と稈部の境界位置)を求
め、脱穀装置11に対する穀稈の供給深さ位置を予め設
定した適正位置となるよう深・浅制御を行う。
【0036】このように、穂部長さを直接算出して脱穀
装置11に穀稈を供給できるため、穀稈の種類やその稈
長の影響を受けることなく、供給位置が浅かったり、深
かったりして発生する脱穀装置11の負荷変動や選別不
良を防止でき、収穫作業を高精度で安定させることがで
きる。また、該刈取装置16における搬送穀稈のばらけ
状態を、図22のフローチャートに示す如く、前記電子
カメラ59により撮像した、図23,24に示す如き画
像64,65を入力し、この入力画像64,65の横及
び縦軸の画素から各々分析領域64a(例えば18,3
28−273,455のポイント区画)と、分析領域6
5a(例えば138,266−393,393のポイン
ト区画)を設定し、この両分析領域64a,65aの輝
度の変化を計測して周波数分析を行う。
【0037】この周波数分析により、図25,26に示
す如き各パワースペクトル分布画像64b,65bを算
出し、この算出した両画像64b,65bから方向性の
計測を行い、画像64bでは広がりに方向性があり、画
像65bでは広がりに方向性がないことから、この方向
性がないときは穀稈がばらけ状態にあると判断し、この
ばらけ状態が予め設定した状態以上のときは、脱穀装置
11に対する穀稈の供給速度を低下させ、最悪の場合に
は全稈投入するよう制御を行う。
【0038】このように、穀稈のばらけ状態を直接計測
できるため、穀物の種類や品種の影響を受けることがな
いから、従来の如く、稲と麦や長稈と短稈等によって穀
稈のばらける位置が異なるため精度が不安定となること
がなく、精度の高い作業を安定して行うことができる。
また、該刈取装置16における穀稈の搬送角度を、図2
7のフローチャートに示す如く、前記電子カメラ59に
より撮像した、該図23に示す如き画像64を入力し、
この入力画像64の横及び縦軸の画素から分析領域64
a(例えば18,323−273,455のポイント区
画)を設定し、この分析領域64aの輝度の変化を計測
して周波数分析を行う。
【0039】この周波数分析により、該図25に示す如
きパワースペクトル分布画像64bを算出し、この算出
した画像64bから分布角度の計測を行い、この分布角
度による穀稈の搬送方向に対する穂部の遅・速状態によ
り、脱穀装置11に対し穀稈の供給姿勢が予め設定した
角度となるよう搬送速度又は車速を制御して、常に適正
な角度で供給を行うことができるから、枝梗の発生や枝
梗付着粒の低減を図ることができ、脱粒精度が安定す
る。
【0040】また、車体1の振動又は傾斜を検出する振
動センサ66を設けたものにおいて、図28のフローチ
ャートに示す如く、この振動センサ66による検出信号
を入力し、図29に示す如く、この検出信号を周波数分
析部67によって分析を行うと共に、車速センサ68に
より車速の検出を行い、これらを演算処理部Uに送って
走行状態を判定するための周波数を選定する。
【0041】この周波数の選定により、図30の線図に
示す如きパワースペクトルの計測を行い、走行時の車速
に応じた振動の周波数特性から予め設定した設定値に対
し、前記走行クローラ6のラグ等によって発生する周波
数が変化することにより、車速により路上又は圃場にお
ける走行状態を判定する特性を変更させる。なお、予め
設定した周波数により、図31の線図に示す如きパワー
スペクトルの計測を行い、走行時の状態に応じた振動の
周波数特性から予め設定した設定値に対し、周波数の高
い振動が増大したときは、土壌面が硬いことを示してお
り路上走行と判定すると共に、周波数の高い振動が減少
し代わりに緩やかな傾斜による低周波信号が増大したと
きは、土壌面が軟らかいことを示しており圃場走行と判
定する。
【0042】このように、走行土壌面の硬さの差を基に
路上又は圃場における走行状態を判定すると共に、走行
状態を判定する特性を車速に応じて変更することによっ
て、精度の高い判定を行うことができる。(周波数分析
によるパワースペクトルで直接判定しても良い)また、
従来から、機械部分の振動低減に制振鋼板等を用いてい
るが、この様な制振鋼板等では加工性が悪く、重量が重
いという難点があった。そこで、図32に示す如く、機
械部分の振動振幅が最大領域近傍に、振動を吸収できる
貼布又は塗装可能な振動吸収部材69、例えば、ゲルナ
ック(メーカ名)等を一体に設けることによって、加工
性も低下させず制振鋼板よりも軽量にできると共に、振
動によって生じる2次騒音を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)0.1Hz以下〜0.5Hz間の周波数
と傾斜角度の変化を示す線図。 (b)0.5Hz〜1.0Hz以上間の周波数と傾斜角
度の変化を示す線図。
【図2】傾斜変化のパワースペクトルによる周波数特性
を示す線図。
【図3】傾斜検出手段により検出した車体の傾斜変化と
ニュートラル領域を示す線図。
【図4】車体の傾斜状態を検出した傾斜信号を判定する
判定装置を示すブロック図。
【図5】判定装置に入力した傾斜信号の処理における制
御出力の変更状態を示す線図。
【図6】人が揺れや振動に対する適応性としての加速度
と振動数の関係を示す線図。
【図7】(a)車体傾斜時の低周波信号の波長による連
続制御出力の状態を示す線図。 (b)車体傾斜時の低周波信号の波長によるパルス制御
出力状態を示す線図。
【図8】傾斜センサによる操作席の揺れの傾斜信号に周
期性が生じた状態を示す線図。
【図9】傾斜センサの検出周波数から制御出力を調整す
る手順を示すフローチャート。
【図10】傾斜センサの周期性のある検出周波数とパワ
ースペクトルの関係を示す線図。
【図11】傾斜センサの検出周波数とローリング電磁弁
の出力との関係を示す線図。
【図12】走行装置における走行クローラの昇降機構関
係を示す側面図。
【図13】走行装置における走行クローラの昇降機構関
係を示す平面図。
【図14】走行フレームの全体構成と傾斜センサの配置
状態を示す斜視図。
【図15】車体の左右水平制御及び前後水平制御の自動
回路を示すブロック図。
【図16】刈取装置の全体構成を示す側面図。
【図17】刈取搬送穀稈の穂部長さ算出による供給位置
制御手順を示すフローチャート。
【図18】刈取搬送穀稈の穂部及び稈部の一部を撮像し
た状態を示す入力画像図。
【図19】入力画像の分析領域の周波数分析によって得
られたパワースペクトル画像図。
【図20】マスク処理したものを逆周波数分析による再
構築状態を示す画像図。
【図21】再構築画像を2値化した状態を示す2値画像
図。
【図22】刈取搬送穀稈の搬送姿勢を画像解析して評価
する手順を示すフローチャート。
【図23】刈取搬送穀稈の搬送姿勢を撮像した状態を示
す入力画像図。
【図24】刈取搬送穀稈の搬送穀稈を撮像した状態を示
す入力画像図。
【図25】図23の入力画像の周波数分析によるパワー
スペクトル分布を示す画像図。
【図26】図24の入力画像の周波数分析によるパワー
スペクトル分布を示す画像図。
【図27】刈取搬送穀稈の搬送姿勢を画像解析して評価
する手順を示すフローチャート。
【図28】振動センサの検出信号により走行状態を判定
する手順を示すフローチャート。
【図29】振動センサと車速センサの各検出信号を処理
する処理装置を示すブロック図。
【図30】車速によって変化する検出周波数とパワース
ペクトルの関係を示す線図。
【図31】走行状態によって変化する検出周波数とパワ
ースペクトルの関係を示す線図。
【図32】機械部分の振動最大領域近傍に振動吸収部材
を設けた状態を示す概略側面図。
【図33】コンバインの全体構成を示す側面図。
【符号の説明】
1. 車体 2. 傾斜検出手段 W. 低周波信号 N. ニュートラル領域

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体1の傾斜状態を検出する傾斜検出手
    段2を有する作業車等において、この傾斜検出手段2に
    より走行土壌面における緩やかなうねりと局部的な凹凸
    等による車体1の傾斜角度を検出し、この検出した傾斜
    信号から土壌面の緩やかなうねりによる低周波信号Wを
    抽出し、この低周波信号Wの振れ幅より車体1の水平制
    御時におけるニュートラル領域Nの幅を小さく設定した
    ことを特徴とする車体水平制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007238057A (ja) * 2006-03-13 2007-09-20 Kubota Corp 作業車の姿勢制御装置
JP2011228851A (ja) * 2010-04-16 2011-11-10 Fujitsu Ltd 携帯端末、入退場管理システム
CN102668787A (zh) * 2011-02-28 2012-09-19 井关农机株式会社 秧苗移植机

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