JP2000269143A - 窒化ガリウム系化合物半導体結晶の製造方法 - Google Patents
窒化ガリウム系化合物半導体結晶の製造方法Info
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Abstract
層の破壊を防止することのでき、エピタキシャル層の形
状を保ったまま基板から剥離することのできる窒化ガリ
ウム系化合物半導体単結晶の製造方法を提供することを
課題とする。 【解決手段】 単結晶基板(例えば、NdGaO3単結
晶基板)上に窒化ガリウム系化合物半導体(例えば、G
aN)の結晶をエピタキシャル成長させた後、降温速度
を毎分5℃以下、好ましくは毎分2℃以下(例えば毎分
1.3℃)の条件で冷却するようにした。
Description
デバイスなどの半導体デバイスの製造に用いられる窒化
ガリウム系化合物半導体単結晶の製造方法に関するもの
である。
InxGayAl1-x-yN)(0≦x,y;x+y≦1)
は、禁制帯幅が広く、短波長発光素子,耐環境素子とし
て期待され、広く研究されてきた。
物半導体においては、未だ大型のバルク結晶が得られな
いため、異種結晶(例えばサファイアα−Al2O3)上
へのヘテロエピタキシーによってGaN等の薄膜単結晶
を形成したものが基板として用いられてきた。
に、多くの場合、基板に用いられる異種結晶とその上に
成長される窒化ガリウム系化合物半導体薄膜との格子不
整合性が大きく、欠陥や熱歪みなどが発生し易いため、
窒化ガリウム系化合物薄膜単結晶は品質的に問題を抱え
るものであった。
テロエピタキシー用に、種々の優れた特性を備える異種
結晶基板の材料の一つとして希土類Gaペロブスカイト
に代表される希土類13(3B)族ペロブスカイトを用
いる窒化ガリウム系化合物半導体単結晶の成長方法およ
び窒化ガリウム系化合物半導体装置が提案されている
(特願平7−526233号)。
の基板を用いると、例えばNdGaO3を基板として用
い、その基板上にGaNをエピタキシャル成長させる場
合には、格子不整合を1.2%程度とすることができ
た。この格子不整合性は、サファイアやその代替品とし
て用いられるSiCを基板とした場合と比較しても非常
に小さく、窒化ガリウム系化合物半導体単結晶のヘテロ
エピタキシーに適していると考えられる。
(3B)族ペロブスカイトを窒化ガリウム系化合物半導
体のヘテロエピタキシー用の基板として用いる場合にお
いて、例えばNdGaO3を基板として窒化ガリウム系
化合物半導体単結晶をエピタキシャル成長させると、基
板とエピタキシャル層との熱膨張係数の差によって生じ
る熱歪みに起因して、成長終了後の冷却時に基板および
エピタキシャル層の双方が小片状に砕けて破壊されてし
まい、歩留まりを大幅に低下させる問題を生じる場合が
あった。
出されたものであり、成長終了後の冷却時に基板やエピ
タキシャル層の破壊を防止することのでき、エピタキシ
ャル層の形状を保ったまま基板から剥離することのでき
る窒化ガリウム系化合物半導体単結晶の製造方法を提供
することを主目的とするものである。
に、発明(1)は、単結晶基板上に窒化ガリウム系化合
物半導体の結晶をエピタキシャル成長させた後、降温速
度を毎分5℃以下、好ましくは毎分2℃以下の条件で冷
却するようにしたものである。
の結晶をエピタキシャル成長させた後の冷却工程におけ
る降温速度を小さくし、急激な熱衝撃を回避することに
より窒化ガリウム系化合物半導体の単結晶のエピタキシ
ャル層と単結晶基板との熱膨張係数の差に起因する熱歪
を抑制することができ、基板やエピタキシャル層の破壊
を防止することができる。
ガリウム系化合物半導体の結晶をエピタキシャル成長さ
せる方法において、上記単結晶基板の厚さを、300μ
m以下、好ましくは100μm以下と薄くしたものであ
る。
層(窒化ガリウム系化合物半導体の結晶)との熱膨張係
数の差に起因する熱歪みをエピタキシャル層が破壊しな
い程度に小さくすることができ、窒化ガリウム系化合物
半導体の結晶を破壊することなく得ることができる。
化ガリウム系化合物半導体の結晶をエピタキシャル成長
させる方法において、成長させた窒化ガリウム系化合物
半導体結晶の厚さを、100μm以上、好ましくは30
0μm以上と厚くしたものである。
ウム系化合物半導体の結晶)の強度が、単結晶基板とエ
ピタキシャル層との熱膨張係数の差に起因する熱歪みに
よっても破壊されない程度に強化することができ、窒化
ガリウム系化合物半導体結晶の破壊を未然に防止するこ
とができる。
ことができ、相乗効果により成長させた上記窒化ガリウ
ム系化合物半導体結晶を破壊することなく単結晶基板か
ら剥離させて窒化ガリウム系化合物半導体の結晶を歩留
まりよく得ることができる。
(2),発明(1)+発明(3),発明(2)+発明
(3),発明(1)+発明(2)+発明(3)等の組み
合わせである。
類以上の希土類元素を含む希土類13(3B)族ペロブ
スカイトの結晶とすることができる。また、上記希土類
元素は、Al,Ga,Inの少なくとも一つとしてもよ
い。
ム系化合物半導体単結晶を用いることにより、熱的,化
学的に安定な高性能の青色発光ダイオードや半導体レー
ザ等の半導体装置を作成することが可能となる。
て説明する。
ロブスカイトの一種としてNdGaO3の単結晶基板の
(011)面上に窒化ガリウム系化合物半導体としての
GaN単結晶を成長させる場合について述べる。
ライドVPE法を用いることができるが、これに限定さ
れるものではない。
リウム系化合物半導体の結晶成長工程終了後の冷却工程
における降温速度を毎分5℃以下、好ましくは毎分2℃
以下とする場合の実施形態の一例であり、上記降温速度
を毎分1.3℃にした場合について述べる。
(011)面NdGaO3単結晶基板を有機洗浄および
酸洗浄した後、乾燥させ、ハイドライドVPE(HVP
E)装置にセットした。
温度を600℃に、Ga原料の温度を850℃に昇温し
て保持した。
(N2)ガスで希釈されたHClガスを流し、同時にG
a原料をバイパスして基板の直上近傍にNH3ガスを流
して、基板の表面に第1のGaN層の薄膜を10分間成
長させた。これにより得られた第1のGaN層の薄膜の
厚さは約0.1μmであった。なお、この第1のGaN
層は、NdGaO3の単結晶基板が高温下でNH3により
分解されるのを防ぐ目的で形成されるものである。
温,保持して、第2のGaN層の薄膜を30分間成長さ
せた。その後、降温速度毎分1.3℃で室温まで冷却し
てGaN層を成長させた単結晶基板をHVPE装置から
取り出した。なお、第2のGaN層と第1のGaN層と
を合わせたGaN層全体の厚さは約50μmである。
して単結晶基板から剥離させたところ、小片に破壊され
ることなく剥がすことができ、GaNの単結晶として得
ることができた。
ろ、全体としては表面に異常成長が見られない平坦な鏡
面のエピタキシャル膜であり、X線回折法による観察で
は良好な膜質の(0001)面の単結晶であることが確
認された。なお、若干の反りがみられる場合があったが
実用上問題の無い程度であり、GaNチップとして最大
20mm×30mmをとることが可能であった(表1の
結果(b)参照)。
度,剥離したGaN単結晶の反りの程度,得られたGa
Nチップの最大のサイズを示す表である。
aN層をエピタキシャル成長させた後の冷却工程におけ
る降温速度を毎分1.3℃と小さくすることにより、急
激な熱衝撃を回避することができたため、GaN単結晶
のエピタキシャル層とNdGaO3単結晶基板との熱膨
張係数の差に起因する熱歪みを抑制することができ、そ
れによりGaN単結晶の破壊を防止することができたも
のと推論することができる。
GaN層育成後の降温速度のみを毎分12℃と変更して
実験したところ、基板からGaN層を剥離する時点でG
aN層は破壊されてしまうか、あるいは破壊せずに剥離
できた場合にも反りが大きかった。そのため、GaNチ
ップの最大サイズも7mm×4mmと小さく(表1の結
果(a)参照)実用上は難点を有するものであった。
せる窒化ガリウム系化合物半導体結晶の厚さを、100
μm以上、好ましくは300μm以上とする場合の実施
形態の一例であり、上記厚さを100μmと300μm
にした場合について述べる。
1)面NdGaO3単結晶基板を有機洗浄および酸洗浄
した後、乾燥させ、ハイドライドVPE(HVPE)装
置にセットした。
温度を600℃に、Ga原料の温度を850℃に昇温し
て保持した。
(N2)ガスで希釈されたHClガスを流し、同時にG
a原料をバイパスして基板の直上近傍にNH3ガスを流
して、基板の表面に第1のGaN層の薄膜を10分間成
長させた。これにより得られた第1のGaN層の薄膜の
厚さは約0.1μmであった。
温,保持して、第2のGaN層の薄膜を60分間成長さ
せた。その後、降温速度毎分1.3℃で室温まで冷却し
てGaN層を成長させた単結晶基板をHVPE装置から
取り出した。
N層とを合わせたGaN層全体の厚さは約100μmで
あった。
して単結晶基板から剥離させたところ、小片に破壊され
ることなく剥がれ、GaNの単結晶として得ることがで
きた。その後、このGaN単結晶を検査したところ、全
体としては表面に異常成長が見られない平坦な鏡面のエ
ピタキシャル膜であり、X線回折法による観察では良好
な膜質の(0001)面の単結晶であることが確認され
た。また、反りも観察されず平坦性も良好であり、Ga
Nチップとして最大20mm×30mmをとることが可
能であった(表2の結果(a)参照)。
度,剥離したGaN単結晶の反りの程度,得られたGa
Nチップの最大のサイズを示す表である。
延ばして、第2のGaN層と第1のGaN層とを合わせ
たGaN層全体の厚さを約300μmとする実験を行っ
たところ、やはり小片に破壊されることなく基板から剥
がすことができ、GaNの単結晶として得ることができ
た。このGaN単結晶についても検査したところ、全体
としては表面に異常成長が見られない平坦な鏡面のエピ
タキシャル膜であり、X線回折法による観察でも良好な
膜質の(0001)面の単結晶であることが確認され
た。また、反りも観察されず平坦性も良好であった(表
1の結果(b)参照)。この場合には、GaNチップと
して、用いた基板の大きさに相当する直径50mmをと
ることが可能であった。また、NdGaO3単結晶基板
としては、最大40mm×30mmのものを用いること
ができ、GaN単結晶の大面積化に有効であることを確
認できた。
の厚さを、100μm以上と厚くしたことにより、Ga
Nのエピタキシャル層の強度を、NdGaO3単結晶基
板とエピタキシャル層との熱膨張係数の差に起因する熱
歪みによっても破壊されない程度に強化することができ
たので、窒化ガリウム系化合物半導体結晶の破壊を未然
に防止することができたものと推論することができる。
基板の厚さを、300μm以下、好ましくは100μm
以下とする場合の実施形態の一例であり、単結晶基板の
厚さを100μmとし、窒化ガリウム系化合物半導体の
結晶成長工程終了後の冷却工程における降温速度を毎分
12℃、成長させる窒化ガリウム系化合物半導体結晶の
厚さを100μmと300μmにした場合について述べ
る。
1)面NdGaO3単結晶基板を有機洗浄および酸洗浄
した後、乾燥させ、ハイドライドVPE(HVPE)装
置にセットした。
温度を600℃に、Ga原料の温度を850℃に昇温し
て保持した。
(N2)ガスで希釈されたHClガスを流し、同時にG
a原料をバイパスして基板の直上近傍にNH3ガスを流
して、基板の表面に第1のGaN層の薄膜を10分間成
長させた。これにより得られた第1のGaN層の薄膜の
厚さは約0.1μmであった。
温,保持して、第2のGaN層の薄膜を30分間成長さ
せた。その後、降温速度毎分12℃で室温まで冷却して
GaN層を成長させた単結晶基板をHVPE装置から取
り出した。
N層とを合わせたGaN層全体の厚さは約100μmで
あった。
して単結晶基板から剥離させたところ、小片に破壊され
ることなく剥がれ、GaNの単結晶として得ることがで
きた。その後、このGaN単結晶を検査したところ、全
体としては表面に異常成長が見られない平坦な鏡面のエ
ピタキシャル膜であり、X線回折法による観察では良好
な膜質の(0001)面の単結晶であることが確認され
た。なお、若干の反りがみられる場合があったが実用上
問題の無い程度であった(表3の結果(a)参照)。
度,剥離したGaN単結晶の反りの程度を示す表であ
る。
延ばして、第2のGaN層と第1のGaN層とを合わせ
たGaN層全体の厚さを約300μmとする実験をおこ
なったところ、やはり小片に破壊されることなく基板か
ら剥がすことができ、GaNの単結晶として得ることが
できた。このGaN単結晶についても検査したところ、
全体としては表面に異常成長が見られない平坦な鏡面の
エピタキシャル膜であり、X線回折法による観察でも良
好な膜質の(0001)面の単結晶であることが確認さ
れた。また、反りも観察されず平坦性も良好であった
(表3の結果(b)参照)。
板の厚さを、100μmと薄くしたことにより、NdG
aO3単結晶基板とGaNのGaNのエピタキシャル層
との熱膨張係数の差に起因する熱歪みをエピタキシャル
層が破壊しない程度に小さくすることができたので、G
aN結晶を破壊することなく得ることができたものと推
論することができる。
よれば、成長させた窒化ガリウム系化合物半導体結晶
(GaN単結晶)を破壊することなく単結晶基板から剥
離させて窒化ガリウム系化合物半導体の結晶を歩留まり
よく得ることができ、生産性を向上させて窒化ガリウム
系化合物半導体結晶の製造コストを低減することができ
る。
等を用いる場合には、成長速度が速いため短時間で容易
に窒化ガリウム系化合物半導体結晶の厚膜を得ることが
でき、さらに、結晶のエピタキシャル成長過程で不純物
をドーピングすることにより、導電性の窒化ガリウム系
化合物半導体単結晶を製造することも可能である。
ペロブスカイトとしてNdGaO3単結晶基板を用い、
GaN単結晶を成長させる場合について説明したが、こ
れに限られるものではなく、その他の1または2種類以
上の希土類元素を含む希土類13(3B)族ペロブスカ
イトの単結晶基板上にGaN以外の窒化ガリウム系化合
物半導体単結晶を成長させる場合にも適用することがで
きる。また、上記希土類元素は、Al,Ga,Inの少
なくとも一つとすることができる。
N2ガスを用いる場合について述べたがこれに限定され
ずその他の不活性ガスを用いることも可能である。
系化合物半導体の結晶をエピタキシャル成長させた後、
降温速度を毎分5℃以下、好ましくは毎分2℃以下の条
件で冷却するようにしたので、窒化ガリウム系化合物半
導体の結晶をエピタキシャル成長させた後の冷却工程に
おける降温速度を小さくし、急激な熱衝撃を回避するこ
とにより窒化ガリウム系化合物半導体の単結晶のエピタ
キシャル層と単結晶基板との熱膨張係数の差に起因する
熱歪みによる破壊を防止することができるという効果が
ある。
物半導体の結晶をエピタキシャル成長させる方法におい
て、上記単結晶基板の厚さを、300μm以下、好まし
くは100μm以下と薄くすることにより、単結晶基板
とエピタキシャル層(窒化ガリウム系化合物半導体の結
晶)との熱膨張係数の差に起因する熱歪みをエピタキシ
ャル層が破壊しない程度に小さくすることができ、窒化
ガリウム系化合物半導体の結晶を破壊することなく得る
ことができるという効果がある。
合物半導体の結晶をエピタキシャル成長させる方法にお
いて、成長させた窒化ガリウム系化合物半導体結晶の厚
さを、100μm以上、好ましくは300μm以上と厚
くすることにより、エピタキシャル層(窒化ガリウム系
化合物半導体の結晶)の強度が、単結晶基板とエピタキ
シャル層との熱膨張係数の差に起因する熱歪みによって
も破壊されない程度に強化することができ、窒化ガリウ
ム系化合物半導体結晶の破壊を未然に防止することがで
きるという効果がある。
ことができ、相乗効果により成長させた上記窒化ガリウ
ム系化合物半導体結晶を破壊することなく単結晶基板か
ら剥離させて窒化ガリウム系化合物半導体の結晶を歩留
まりよく得ることができるという効果を期待できる。
Claims (6)
- 【請求項1】単結晶基板上に窒化ガリウム系化合物半導
体の結晶をエピタキシャル成長させた後、降温速度を毎
分5℃以下、好ましくは毎分2℃以下の条件で冷却する
ようにしたことを特徴とする窒化ガリウム系化合物半導
体結晶の製造方法。 - 【請求項2】単結晶基板上に窒化ガリウム系化合物半導
体の結晶をエピタキシャル成長させる方法において、 上記単結晶基板の厚さが、300μm以下、好ましくは
100μm以下であることを特徴とする窒化ガリウム系
化合物半導体結晶の製造方法。 - 【請求項3】単結晶基板上に窒化ガリウム系化合物半導
体の結晶をエピタキシャル成長させる方法において、 成長させた窒化ガリウム系化合物半導体結晶の厚さが1
00μm以上、好ましくは300μm以上であることを
特徴とする窒化ガリウム系化合物半導体結晶の製造方
法。 - 【請求項4】上記単結晶基板は、1種類また2種類以上
の希土類元素を含む希土類13(3B)族ペロブスカイ
トの結晶であることを特徴とする請求項1から請求項3
の何れかに記載の窒化ガリウム系化合物半導体結晶の製
造方法。 - 【請求項5】上記希土類元素は、Al,Ga,Inの少
なくとも一つであることを特徴とする請求項4記載の窒
化ガリウム系化合物半導体結晶の製造方法。 - 【請求項6】上記エピタキシャル成長は、ハイドライド
VPE法によって行われることを特徴とする請求項1か
ら請求項5の何れかに記載の窒化ガリウム系化合物半導
体結晶の製造方法。
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